6から7ページ 第2回ワークショップ 『〝ことば〟で伝え、〝からだ〟で感じる!』 ことばで絵画や景色を伝える体験をしました。 6ページに、写真を6枚、イラストを1つ掲載しています。 講師 難波 創太 氏 アート制作や、視覚を使わない観賞方法を研究している。 詳しくは9ページ参照。 6ページの写真1:難波氏の写真(上半身) 6ページのイラスト1:アイマスク ◆ブラインドウォーク ブラインドウォークは視覚障害者の疑似体験ではなく、視覚以外の感覚を研ぎ澄ますことを目的としています。 アイマスクをしている人は、はじめは怖いと思いますが、次第に足の裏から地面の質感や温度、風の方向など様々な感覚を全身で感じられるようになります。 今回は見えている人がその場所の情景を言葉で細かく伝えることで、アイマスクをしている人の信頼感なども得られるように取り組みました。 6ページの写真2:アイマスクをした参加者と、していない参加者が2人でベンチに座っている。 写真2の吹き出し:アイマスクをした参加者:風が気持ち良いね。 6ページの写真3:アイマスクをした参加者がアイマスクをしていない参加者と一緒に、手すりを握って廊下を歩いている。 写真3の吹き出し:アイマスクをした参加者:手すりがあると安心して歩けるわ。 6ページの写真4:参加者2人と難波氏、難波氏のガイドがまち中を歩いている。 写真4の吹き出し:アイマスクをした参加者:日差しが暖かいわね 。 6ページの写真5:参加者2人と難波氏、難波氏のガイドが日が差す道を歩いている。 写真5の吹き出し:アイマスクをした参加者:太陽のあたたかさを感じるから天気が良さそうね! 6ページの写真6:アイマスクをした参加者が触知案内板を触っている。 写真6の吹き出し: アイマスクをした参加者:ひんやりして、凸凹しているわ。何かしら? 難波氏コメント どうしても安全を考えて、アイマスクを付けていない人が説明をたくさんすることになってしまいますが、アイマスクをしている人が感じたことを積極的に質問すると、さらに色々と感じられ、楽しくなります。例えば「車がたくさん走っている音がするけど、車道は何車線ですか?」「足音が反響しているけど、天井が高いのですか?」などです。 7ページに、写真を2枚、イラストを1つ掲載しています。 ◆ソーシャルビュー(難波氏とともに) ソーシャルビューとは、見えない人と見える人が説明や質問などの会話のキャッチボールをしながら美術作品を鑑賞する方法です。従来の美術鑑賞と異なる点は、作品の意味や技法、作者に関することなど、美術の知識をもとにして作品と向かい合うのではなく、作品を観た時の感想や、そこから想像されることなどをもとにして、グループで話し合いをしながら、その対話を通して鑑賞を行う点です。 今回は参加者の半分はアイマスクを付けて質問し、見えている半分の人が作品の感想を伝えました。 7ページの写真1:ソーシャルビューの様子。前列の参加者は投影された絵画を見ていて、後列の参加者はアイマスクをしている。 7ページの写真2:パウル・クレー「子羊」 7ページのイラスト1:四人が向き合って会話をしている様子。2人はアイマスクをしている。 作品を見ての感想 参加者 全体的にデザインとしてラインが入っていて、その中に動物の形が描かれている。 参加者 赤い十字架が目立つ。 質問者 どんな動物が描かれていますか? 参加者 絵の真ん中に羊のような動物がいる。 参加者 小さい馬に見える。 参加者 動物が包帯にぐるぐる巻かれているように見える。 参加者 涙を流しているように見える。 質問者 十字架と涙は何を意味する?誰のための十字架?動物のため?作品から受けるイメージは? 参加者 十字架を背負って血を流して何か突破したい感じ。 参加者 全体的にカラフルだが、重い印象を受ける。 参加者 悲しいイメージ。苦しさ。死にかけの動物が苦しみながら前進しようとしている。 難波氏コメント 答えがないことがソーシャルビューの面白さです。作品に対して独自の意見があり、それを聞くことがとても好きです。今回はアイマスクを付けている参加者からもたくさんの質問が出て良かったです。