次に2ページから4ぺージです。2ページから4ページには、建物内の設備 に関することが載っています。 ・せたっちの説明 様々な人が利用する建物の中は、誰もが心地よく使える環境にすることが大切です。 施設を利用する人のことを考えて整備をしましょう。 続いて、建物内の設備のUD事例を、写真付きで紹介しています。 まず、床・通路のUD事例です。 ・写真 ショッピング施設入口の様子。案内用の各種設備へ導く視覚障害者誘導用ブロック ・写真 誘導用ブロックとマットの段差を極力無くした床面 ・写真 テナントビルの内装工事中の様子。配管などが通っている躯体の床版を、通常の床の高さより一段下げ、その上に通常の仕上げ面を組んだ床があります。 隠れUD のアイコンが付いています。 ・写真 曲がり角の死角を無くすミラー(きたみ複合施設) ・ベビーカーを押すお母さんの意見 広い通路や鏡などで見通しがいい通路は、人とぶつかる心配も少ないわ。 ・お年寄りの意見 床が滑りにくく、表面が柔らかい素材だと、歩きやすいし、足音も静かだね。 ・UD専門家の説明 床下に配管等のスペースを作っておくと、配管等の配置を変えても、段差の無い平坦な床を維持できる。 次に、エレベーターのUD事例です。 ・写真 エレベーター内部の様子。手すり、操作パネルが左右にある。(ちとせからすやま駅) ・写真 エレベーターの操作パネルの様子。操作パネルのすぐ横に、各階にどんな施設があるかが表示されていて、目的の階が分かりやすい。(きたみ複合施設) ・車いすを使用している方の意見 かごの中に鏡があると、後ろが確認できて、中で向きを変えなくても乗り降りできるよ。 ・視覚障害者の意見 操作パネルに、凸ボタンや点字、音声案内があると、目が見えなくても操作できるんだ。 ・UD専門家の説明 低い操作パネルは、子どもや車いす使用者が操作しやすいだけでなく、混雑しているときは誰もが便利。 次に、手すりのUD事例です。 ・写真 手すりの写真が4つあります。どれも手すりの端部が、けが防止のために、丸くなっていたり、突き出ないよう壁に埋め込まれていたりと、安全に処理されています。 ・写真 階段の踊り場の手すりの様子。手すりが連続していて、踊り場では床と平行になっています。隠れUD のアイコンが付いています。 ・写真 金属ではなく、ビニールハンドレールという素材でできた手すり。温もりが感じられ、触れやすいものです。(きゅうでんふくしえん) ・写真 行き先等を示す点字のある手すり。 ・視覚障害者の意見 床面に平行だと階段がどこから始まる(終わる)のが分かる。点字があると今いる階と行き先が分かっていいね。 ・妊婦さんの意見 左右にあると利き手やのぼりくだりに関わらず使える。細めの手すりなら、小さい手や弱い握力でも握りやすいわ。 ・UD専門家の意見 端部は、突き出さないように、適切に処理をしよう。 次に、階段のUD事例です。 ・写真 駅の階段の様子。段の端部が目立つ色で示されていて、さらに滑り止めがついています。 ・お年寄りの意見 段の端が目立つ色で見やすくなっていると、暗くても安心して歩けるんだ。それに、足元灯があるといいね。 ・UD専門家の意見 主要な階段は、出入口からすぐ把握して到達できるように、位置に配慮すること。 次に、吹き抜け空間のUD事例です。 ・写真 吹き抜け空間を2階から見た様子。手すりは足が掛からず乗り出せない縦桟になっています。(きぬた総合支所) ・写真 吹き抜け空間で、1階から2階を見上げた様子。2階の大きなガラス窓の下部が、くもりガラスになっていて、2階にいる人の足元を見上げる視線をさえぎっています。     発想UD、隠れUD のアイコンが付いています。 ・写真 広々した吹き抜け空間の様子。暖かい空気が上昇する原理や風力で換気する、ソーラーチムニーです。(ろか中学校、ろか小学校) ・UD専門家の意見 吹き抜けは、明るく開放的な空間を作れる。気になる下からの視線や、暖かい空気が一部に溜まること、落下防止 等への対策も忘れずに。 次に、トイレのUD事例です。 ・写真 様々な人が使いやすい多機能トイレ。可動式の手すり、車いすでも使いやすい広いスペース、オストメイト対応設備などがあります。 ・写真 オストメイト対応設備と、温水の出るシャワーヘッドの様子。 ・写真 ベビーチェアとベビーベッド ・写真 小児用の小便器のあるトイレ ・視覚障害者の意見 設備配置の音声案内があるといいな。操作ボタンなどの配置は、JIS(日本工業規格)基準を守って欲しい。 ・ベビーカーを押すお母さんの意見 幼児用小便器やベビーカーの入るスペースがあると使いやすいわ。 ・UD専門家の意見 多機能トイレは、異性介助に配慮し、男女どちらでも入りやすい位置にする。内側にカーテンを設置するなどの配慮も必要。 ベビーチェアは、一般個室にも置いて、利用者の集中を避ける。 また、複数のトイレを設置する場合は、片麻痺の人に配慮し、配置を左右反転にすると良い。 4ページ中段から5ページには、建物周辺 に関することが載っています。 ・せたっちの説明 建物の出入口や駐車場は、位置が分かりやすく誰にとっても利用しやすいことが重要なポイントです。壁面など建物の外側部分にも、UDの工夫ができる所があります。 まず、ドアのUD事例です。 ・写真 保育園の引き戸。窓がついていて、部屋の中を外から確認できる。また、指はさみ防止のためのスペースがついています。(はちまんやま保育園) ・写真 マンションの防火戸。火災時に、戸の先が安全かどうかを見通せる窓がついています。 発想UD のアイコンが付いています。 ・写真 区民センターの自動ドア。透明なガラスのドアなので、閉まっているときに間違って衝突しないように、衝突防止のマークが付いています。(ちとせからすやま区民センター) ・車いすを使用している方の意見 開き戸より引き戸の方が、開け閉めの動作が簡単なんだ。 ・ベビーカーを押すお母さんの意見 荷物やベビーカーで手がふさがっていても、自動ドアなら楽だわ。 ・UD専門家の説明 ドアの有効幅が確保できるように、計画段階で引き残しや戸厚を考慮する。 ドアの取っ手はレバーハンドル等の形状とし、車いす使用者や子どもにも使いやすい高さ(床上90センチメートル程度)にすること。 次に、道路との段差のUD事例です。 ・写真 段差を少なくした、沿道敷地と道路(車道)との境界 ・視覚障害者の意見 段差が全く無いと、歩道を歩いているつもりで車道に出てしまうことがあり、危ないんだ。 ・UD専門家の説明 施設と道路(車道)との境界は、段差を2センチメートルとするのが基本。世田谷区が考案した スムーズ段差世田谷型ブロック の利用が推奨されている。 次に、施設の緑化のUD事例です。 ・写真 植栽による壁面緑化の事例。(きぬた総合支所) ・写真 緑のパーゴラ。ベンチのうえに組んだ棚に緑のつる植物がからみ、日差しをさえぎっている。(からすやま区民センター前広場) このふたつの写真には、 おしゃれUD のアイコンが付いています。 ・ベビーカーを押すお母さんの意見 緑のパーゴラは、夏は日差しを遮り、冬は葉が散って日当たりが良くなるわね。 ・UD専門家の説明 壁面を緑化すると、景観上の効果だけでなく、しゃこう・じょうさん効果があり、エコロジカルで快適な空間を作れる。 次に、駐車場のUD事例です。 ・写真 ショッピング施設の前の駐車場。複数の車いす使用者用駐車スペースが並んでいます。 ・写真 駐車場の舗装を上から見た様子。写真の端に、子供が座れる買い物カートに乗った子供の姿が見えています。     透水性舗装により、排水溝への傾斜が少なくなり、ほぼ平坦のため、カートが転がることがありません。隠れUD のアイコンが付いています。 ・写真 自動車がたくさん停まっている駐車場。人の歩く通路と車路が色分けされています。 発想UD のアイコンが付いています。 ・ベビーカーを押すお母さんの意見 地面が平らだと、買い物カートも蛇行せず、勝手に転がらないから安全だわ。 ・車いすを使用している方の意見 車いす使用者用駐車スペースが複数並んでいると、左右どちらからでも乗り降りできていいね。 ・UD専門家の説明 通路と車路を色分けすると、直感的に歩行区分が分かり、事故が起こりにくくなる。