令和元年度第1回 世田谷区ユニバーサルデザイン環境整備審議会 議事録 開催日時 令和元年7月4日木曜日 14時30分から17時30分 開催場所 世田谷区文化生活情報センター 生活工房 ワークショップルームA 出席者 審議委員 稲垣具志委員 國貞美和委員 小島直子委員 早川克美委員 八藤後猛委員 明石眞弓委員 須川哲也委員 鈴木忠委員 服部幸男委員 ばんますみ委員 矢ア与志子委員 山形重人委員 上田ときわ委員 区職員 砧総合支所街づくり課長 佐々木洋、 政策経営部政策企画課政策企画担当係長 光田国広、 政策経営部広報広聴課担当係長 河村直史 庁舎整備担当部長 松村浩之、 庁舎整備担当部庁舎整備担当課長 佐藤絵里 施設営繕担当部施設営繕第一課長 高橋一久、 保健福祉部調整・指導課計画担当係長 山本和位、 障害福祉部障害施策推進課長 太田一郎、 道路・交通政策部交通政策課長 堂下明宏 事務局 都市整備政策部長 畝目晴彦、 都市整備政策部都市デザイン課長 小柴直樹、 都市デザイン担当係長 栗野正樹、 担当職員 井上雄介   都市デザイン課長 それでは定刻となりましたので、これより令和元年度第1回ユニバーサルデザイン環境整備審議会を開催したいと思います。私は、都市デザイン課長の小柴と申します。どうぞよろしくお願いします。  まず、本日の審議会委員の皆様の出席についてです。長谷川委員、柏委員、藤井委員、ゴロウィナ・クセーニャ委員、當間委員が今日欠席となっています。したがいまして、ユニバーサルデザイン推進条例施行規則第8条に基づき、委員の2分の1以上の定足数を満たしておりますので、今日の会議は成立しておりますことをご報告いたします。  では、開催に先立ちまして都市整備政策部、畝目部長より一言ご挨拶申し上げます。  都市整備政策部長 皆さん、こんにちは。4月より渡辺の後任で参りました、都市整備政策部長の畝目でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  会が始まる前にできる限りお名刺を交換させていただきましたが、まだ交換されていない方もいらっしゃるので、会が終わったらまた交換させていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  本日はお忙しい中、またお足元の悪い中お集まりいただきましてありがとうございます。本日は令和元年度第1回の審議会となります。また、当審議会はことしで13年目を迎えまして、第7期になります。新たな委員の皆様をお迎えいたしまして、審議会を開催していただければと思っています。  ユニバーサルデザイン推進条例は、その前は 福祉のいえ・まち推進条例 と言っていましたが、これは平成7年に制定されました。ですので、ユニバーサルデザイン、バリアフリー全体を含めても長い、世田谷区としても歴史があるといったところになります。この間審議会の名称も変わりましたが、会を積み重ねてさまざまなご意見を頂戴してまいりました。  また今期より第2期の後期がスタートするということで、これに基づいた中で皆様それぞれにご意見等をいただければと思っています。  本日は審議事項が1件、報告事項が2件ということでございます。どうぞ忌憚のないご意見等を頂戴できればと思います。よろしくお願いいたします。  都市デザイン課長 それでは次に進みます。ユニバーサルデザイン環境審議会は、本年6月に5名の委員の改選がございました。今回第7期となります委員の任期は、本年6月29日から令和3年6月28日となっております。どうぞよろしくお願いします。  なお、委員の委嘱につきましては机上に委嘱状を置かせていただきましたが、この場をもちまして委嘱とさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。  それでは、まず今日出席の委員の皆様をご紹介いたします。今回、第7期の最初となりますので、皆様一言ずつお話をいただければと思います。机上には座席表と名簿をお配りしておりますので、あわせてご覧いただければと思います。  ご紹介は左手の委員から順にご指名しますので、どうぞよろしくお願いします。それではまず小島委員、よろしくお願いします。  小島委員 東京家政大学で非常勤の講師をしております小島と申します。よろしくお願いいたします。  都市デザイン課長 國貞委員でございます。  國貞委員 弁護士をしております國貞と申します。よろしくお願いいたします。  都市デザイン課長 ばん(ばん)委員でございます。  ばん委員 世田谷区肢体不自由児者父母の会の会長をしております。よろしくお願いします。  都市デザイン課長 八藤後委員でございます。  八藤後委員 日本大学理工学部まちづくり工学科という、そのままの名前の学科で教員をしております八藤後と申します。よろしくお願いします。  都市デザイン課長 稲垣委員でございます。  稲垣委員 皆さんこんにちは。日本大学理工学部までは同じですが、学科が交通システム工学科でございまして、交通の観点からユニバーサルデザインのことを考えています。交通安全や地域公共交通など交通のことを専門として研究しております。どうぞよろしくお願いいたします。  都市デザイン課長 明石委員でございます。  明石委員 明石眞弓です。NPO法人せたがや子育てネットです。せたがや子育てネットは子育て支援をしておりますので、子どもに関することでご意見を言わせていただいております。よろしくお願いいたします。  都市デザイン課長 上田委員でございます。  上田委員 お世話になります。東京建築士会に所属いたします、建築士事務所を主宰しております上田ときわと申します。  都市デザイン課長 山形委員でございます。  山形委員 私は自立生活センターハンズ世田谷という団体に所属しております山形と申します。障害当事者による障害を持った地域の方々へのサポートといった事業・活動が主だったところですが、ちょうど今の条例の前身に当たります いえ・まち推進条例 の策定にも私どもハンズ世田谷がかかわらせていただいた流れもありまして、この特命にあずかっています。よろしくお願いいたします。  都市デザイン課長 鈴木委員でございます。  鈴木委員 世田谷区視力障害者協会の鈴木と申します。うちの団体ももう少しで60年の歴史を持つ団体です。視力障害者のためだけではなく、地域の高齢者のためのサービス事業も世田谷区から受け、視力障害という立場でいろいろと区役所の建築のバリアフリーにも、出席させていただいております。よろしくお願いいたします。  都市デザイン課長 ここからは新任の委員でございますが、新たにお願いする早川委員でございます。  早川委員 京都造形芸術大学で教員をしております早川克美と申します。教員のかたわらデザイナーとしても活動しておりまして、サイン計画を主な専門としております。伝えるとか、わかりやすさということを観点にお手伝いできたらと思っております。よろしくお願いいたします。  都市デザイン課長 服部委員でございます。  服部委員 世田谷区高齢者クラブ連合会の副会長をやっております服部でございます。今は世田谷区全体で93クラブ、約9,400人余りの会員がいますが、年々老人はふえていますが残念ながら会員が減っておりますので、ぜひこういう場を我々高齢者に対して非常に気をつかってやっていただいていると思うので、皆様にもぜひ高齢者クラブに入るようお願いしたいと思います。よろしくお願いします。  都市デザイン課長 次は、区民委員として新たにお願いしている矢ア委員でございます。  矢ア委員 北沢PR戦略会議という、下北沢地域で市民と区と一緒にやっている会議がありまして、その中のユニバーサルデザイン部門に入っておりまして、こういう場でユニバーサルデザインについて勉強させていただければと思って参加しました。よろしくお願いいたします。  都市デザイン課長 同じく区民委員で、新たにお願いした須川委員です。  須川委員 須川ラボ建築設計事務所を主宰しております須川と申します。設計事務所のかたわら、区役所のすぐ近くの国士舘大学でも非常勤講師をしておりまして、こちらで学生の設計の指導に当たっています。  コミュニティセンターや大学施設、酒蔵とかいろいろやっていますが、そういった経験を活かしてお役に立てればと思います。よろしくお願いします。  都市デザイン課長 皆さん、どうぞよろしくお願いします。  次に、区職員についてご紹介いたします。事務局の左手に座っていますが、まず左手から砧総合支所街づくり課長の佐々木です。  砧街づくり課 佐々木でございます。よろしくお願いします。  都市デザイン課長 次は政策経営部政策企画課の光田です。  政策経営課 係長の光田と申します。よろしくお願いします。  都市デザイン課長 次は政策経営部広報広聴課担当係長の河村です。  広報広聴課 河村と申します。  都市デザイン課長 次は施設営繕担当部施設営繕第一課長、高橋です。  施設営繕第一課 高橋でございます。よろしくお願いいたします。  都市デザイン課長 次は保健福祉部調整・指導課計画担当係長の山本です。  調整・指導課 調整・指導課調整・指導課計画担当係長の山本と申します。よろしくお願いします。  都市デザイン課長 次は障害福祉部障害施設推進担当課長の太田です。  障害施設推進課 太田でございます。よろしくお願いいたします。 都市デザイン課長 道路・交通政策部交通政策課長の堂下です。 交通政策課 堂下です。よろしくお願いいたします。 都市デザイン課長 以上です。どうぞよろしくお願いします。 都市デザイン課長 次は、次第の審議に入る前に第7期の審議会運営に当たっての確認とお願いになります。  1つ目は議事録と名簿の公開についてのお願いです。今までこの審議会におきまして、作成した議事録を実名で公開しております。皆さんのお名前を入れて公開しております。今期におきましても公開することにご了承いただければと思いますが、よろしいでしょうか。 ( 異議なし の声)  都市デザイン課長 では、よろしくお願いします。  議事進行に関してのお願いです。委員の中には聴覚障害者団体の方もいらっしゃいます。この審議会に入っていただいておりますので、発言する際わかりやすいように、必ず挙手をして会長の発言許可を得て進めるようにこれまでやってきておりますので、引き続きこのやり方を続けていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。  それでは、会長と副会長の互選について、ユニバーサルデザイン推進条例上の位置づけをご説明したいと思います。今日は会長と副会長の選任をしたいので、まず机上に配付している 参考 と入っている資料をごらんいただければと思います。  ここに記載されている第6条にあるとおり、委員の互選により委員長と副委員長を定めることになっております。つきましては、委員の皆様の中から会長と副会長を選出していただきたいと思いますが、どなたか推薦される方がいらっしゃれば挙手いただきたいと思います。  明石委員。  明石委員 会長には八藤後先生、それから副会長には稲垣先生をお願いしたいと思いますが、皆様いかがでしょうか。  都市デザイン課長 今、八藤後委員と稲垣委員の推薦がございましたが、よろしいでしょうか。 ( 異議なし の声あり)  都市デザイン課長 それでは、まず会長よりご挨拶をいただきたいと思います。  八藤後会長 皆様、ご推薦をいただきましてありがとうございました。引き続き会長をさせていただきます、日本大学の八藤後でございます。  世田谷区のこの審議会は非常に楽しみにしておりまして、先ほど畝目部長が忌憚のないご意見をとおっしゃられていましたが、本当に忌憚がなく、一時はまとめるのにどうしようとうろたえたこともあるほどでございますが、そういう審議会がとても楽しみでございます。  皆さんの本当に区をよくしていこう、そして区だけではなく、世田谷区の動向はいろいろな自治体や人たちが見ています。そういうことで、区の動きが全国に広がるという図式もありますので、私も含めて頑張っていきたいと思っています。  今日は初めてお目にかかる方もいらっしゃいますが、大変心強いことでございます。どうかこれからもよろしくお願いいたします。  都市デザイン課長 それでは、副会長をお願いする稲垣委員から。  稲垣副会長 改めまして皆さん、こんにちは。何と副会長になってしまいましたが、日本大学の稲垣でございます。ダブル日本大学で大変恐縮なのですが、世田谷区に理工学部はないのですが、商学部がありますので許されるかと思いますが。  私のユニバーサルデザインに関するお手伝いとしては、まず国でバリアフリー法に関する省令がありますが、国土交通法が管轄している省令、車両や旅客施設の、ここまで整備しなさいというルールがあります。あとはガイドラインもあります。それが昨年度改定されましたが、その改定の内容を議論する場や、あとは内閣官房がオリパラに向けて、より一層心のバリアフリーの政策を進めないといけない。皆さんに情報は提供するけれども、心が変わらないと環境は変わらない。ではどうやってそういう意識を醸成するのかということで、企業向けの接遇のトレーニングのプログラムなどを検討してお手伝いしました。 あとは、東京都の福祉のまちづくり推進協議会がありますが、これはこれの都バーションです、でもこちらのほうがレベルが高そうな気がしますが、そこで副会長をしています。 そういった中で、国や広域行政である都の動きは直接見られますので、そちらの情報を僭越ながら逐一情報提供させていただきながら、日本のトップランナーである世田谷区のUDとして真っ先に何をやるべきかを、皆様と議論させていただければと思います。 世田谷区は、東京の首都圏の中で一番おつき合いの長い自治体でございまして、堂下さんがいらっしゃいますが、地域公共交通会議や、きのうは二子玉川で自転車の駐車や走行環境、活用に関する会議も出てきましたし、毎年いろいろな小学校で交通安全の講演などもやって普及活動をしていますが、そういうことで一番大好きな、どこのまちでも言っているのかもしれませんが、愛しているまちだと思っていますので、会長を補佐するということなので、会長以上にしゃべり過ぎないように頑張りたいと思います。楽しく、なおかつ真剣に議論したいと思っております。 国は、まちを変えるのは自治体だと言い切っていますので、我々はルールをつくるまでだという議論もありました。この世田谷区のユニバーサルデザインを決めるのはこの会議なので、責任とプライドを持って頑張っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 都市デザイン課長 それでは、ここからは八藤後会長に進行をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 八藤後会長 それでは、最初に事務局より本日の資料の確認をお願いいたします。 担当係長 担当係長の栗野です。資料の確認をいたします。 まず次第でございます。 続きまして資料1−1、平成30年度ユニバーサルデザイン推進事業のスパイラルアップの流れでございます。 資料1−2はスパイラルアップの(案)になっております。 続きまして資料2−1、世田谷区高齢者、障害者等が安全で安心して利用しやすい建築物に関する条例及び世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例の改正についての資料でございます。 資料2−2もバリアフリーの改正の資料になっております。 A3横の資料になります。世田谷区本庁舎等整備基本設計の資料。本日、資料配付させていただきましたリングテラススロープ比較表があります。 第7期世田谷区ユニバーサルデザイン環境整備審議会名簿でございます。 最後に、先ほどご説明しました参考資料として、ユニバーサルデザイン推進条例の抜粋でございます。 過不足がありましたら事務局までお知らせいただければと思いますが、資料は皆さんありますでしょうか。 では、資料はそろっているようなので、八藤後先生お願いいたします。 八藤後会長 それでは、進めていきたいと思います。 早速、審議事項の1つ目ですが、平成30年度ユニバーサルデザイン推進事業のスパイラルアップ(点検・評価・改善)の講評・提案等について、よろしくお願いします。 担当係長 事務局より説明いたします。 まず資料1−1をごらんください。平成30年度ユニバーサルデザイン推進事業のスパイラルアップ(点検・評価・改善)の流れのご説明をいたします。 平成30年度スパイラルアップの経過につきましては記載のとおりでございますが、部会を既に2月と5月に開催いたしました。そこでの意見をまとめておりますので、今回の審議会で講評・提案をまとめていきます。 今後の予定ですが、庁内で確認し、8月1日に審議会からいただいた講評・提案を含め、平成30年度のスパイラルアップとして公表させていただきます。 資料1−1につきましては以上になります。 八藤後会長 ありがとうございました。何分にも今日は初めての方もいらっしゃいますので、どうぞご遠慮なく、何かあれば質問いただいて結構でございますが、スパイラルアップの進め方についてご説明がありましたが、何か確認しておきたいことなど、委員の皆様からございますか。 特によろしいですか。では、次の資料について説明をお願いします。 担当係長 続きまして資料1−2をごらんください。こちらが、2月の部会と5月の部会の意見を踏まえました講評・提案の案でございます。 内容につきましては、大きく3つになっております。 1枚目に位置づけ、2に流れという形で検討結果の説明等を書いております。 2ページ目に、各部会で検討した項目等を記載しております。 3つ目、全体の講評及び各部会の講評を、それぞれ記載しております。既に内容につきましては、事前に送付しておりますので、細かい説明は割愛させていただきます。よろしくお願いいたします。 八藤後会長 ありがとうございました。 それでは、この後は議論になりますが、これについてはただいま説明していただいた部分に関する議論でよろしいでしょうか。 担当係長 はい。 八藤後会長 これは初めての方もいらっしゃって恐縮でございますが、既に2月と5月に前のメンバーで検討した結果が取りまとめてありまして、全体の講評があり、その次に3つの部会それぞれがまとめた まとめ というのもございます。 これについて、今日の到達目標としてはこの内容でこのまま進めていただいていいものかどうかをご審議いただくという理解でよろしいでしょうか。 そういうことですので、今のここまでについてですが、何か議論等がございましたら、あるいは初めての方でしたらご質問等あろうかと思いますので、どうぞご意見を伺いたいと思います。 明石委員、どうぞ。 明石委員 2番の 検討の経過  平成30年度第1回審議会 となっていますが、これはこれで合っていますか。今日のことですか。これはどう理解していいのかわかりませんが。ページは振っていませんが3枚目です。 早川委員 誤植じゃないですか。 平成30年度第1回審議会 となっている。 明石委員  令和元年度第1回審議会 ですか。 早川委員 表の中の──。 稲垣副会長  全体の講評 の前のページ、左下です。 担当係長 これは令和元年になります。 八藤後会長 もう一度申し上げます。表紙があって、1枚めくって、2枚めくった、多分親指のところになると思いますが、 2 検討の経過 という表がございまして、そこの、この表の一番左下 平成30年度 を 令和元年度 に直すということでよろしいですか。私も気がつかず済みませんでした。ありがとうございます。 では、ほかにどうぞ。 初めての方は初めてですが、ここにいらっしゃる方々が中心になっておまとめいただいたものでございますので、おおむねこれでご了解いただけていると思います。 では次に行きたいと思いますが、必要があればさかのぼっても結構でございます。 講評については総評、各部会のまとめ、施策事業ごとの講評・提案から成り立っていますが、各部会のまとめ、施策事業ごとの講評・提案を議論して、最後に講評をまとめる。これは今やりました。 それで、まず第1部会のまとめですが、明石委員から主な議論点についてご発言いただければと思います。部会長ということで、よろしくお願いいたします。 明石委員 今日は齋藤部会長はお休みなので、代理で私が第1部会のまとめを読み上げます。 第1部会では、普及・啓発・情報とサービス関連の12の施策・事業について取組み状況を確認いたしました。普及啓発の事業を継続的に進め、世田谷UDスタイルに企業広告を掲載するなど、新たな手法も試みています。 これまで蓄積してきた情報は、他事業や他自治体、活動団体でも生かせる内容があるので、発信方法や発信先に工夫を凝らすなど、取組みの幅を広げていくことが必要だと考えられます。 またスパイラルアップの取組みにおいても、全ての事業について各所管から発表があり、職員のユニバーサルデザインへの意識が向上してきている印象があります。さらに講評・提案を活かし、スパイラルアップの取組みが進む仕組みについて検討されることを望みます。 以上になります。 八藤後会長 どうもありがとうございました。 それでは続いて第2部会のまとめですが、これは実は私が部会長を務めておりますので、私、八藤後から報告したいと思います。 第2部会では、建築・住宅関連の8つの施策・事業について施設整備の取組みを中心に、進展状況を確認いたしました。今回の大きな事業であります世田谷区役所本庁舎等のユニバーサルデザイン検討会では、さまざまなニーズがある方々の参加をしていただきましてその上で検討するなど、新たな試みを行っていることについて評価できます。 障害当事者の方以外にも一般の利用者の意見も必要なため、今後UD検討会では幅広くニーズを収集することを期待します。 情報伝達分野の技術革新は日進月歩で進んでいるため、先進事例を参考にしつつ常に見直し、地域の特性を踏まえた効果的な手法を検討していくことが必要だと考えられます。 施設やサービスを利用する人は多様なためさまざまなニーズがあることを理解し、公共施設に限らず小規模店舗等の民間施設においても普及啓発に取組みながら、ユニバーサルデザインの生活環境の整備を進めることを望みます。 それでは、続きまして第3部会のまとめですが、稲垣部会長から主な論点についてご発言をお願いいたします。 稲垣副会長 第3部会の部会長を務めております稲垣です。まとめを確認したいと思います。 第3部会では道路、公園、公共交通施設関連の8つの事業について、その整備状況を確認しました。福祉有償運送に関する事業者間連携の促進、区民への情報提供、学校やPTA等との協働による自転車安全利用促進といった取組みが好事例として評価できます。 このような区民生活に即した施策を継続するとともに、将来のニーズ変化を見据えながら中長期的な視点をもって事業の推進に取り組むことを望みますということで、この1つ目の段落、福祉有償運送というものがかなりいろいろな事業者が区の中で展開されていますが、それに関して受益者となる利用者の皆様に対する正しい情報提供が積極的に促進されていることが高く評価できるのではないかとの話です。これは、障害者地域生活課の方からいつもご丁寧に説明いただきますが、あとは事業者間同士の横の連携もすごく頑張っておられるということです。 そしてもう1つ、自転車の話も載せておりますが、これはソフトの安全普及啓発活動を、交通安全自転車課が所管になりますが、地域に即したやり方で、地域のニーズに合った安全利用促進を展開されているということで、これは褒めているところになります。 一方後半ですが、将来のニーズ変化を見据えながら中長期的な視点を持ってというところ、例えば先ほどの福祉有償運送の話になってくると、運転者不足やこれから爆発的に高齢者がふえてくる。それに対して、利用が集中する時間帯に車両が足りていないとか、コミュニティバスの話になってきますと、どのような方がバスを利用しているのかとか、具体的なデータがまだ見えていないところもあるので、将来のニーズをきちんと考えながら持続可能な施策を展開すべきだというご意見がありましたので、このような書き方をしています。 次の段落ですが、東京2020大会に向けた環境整備が進む中、ハード整備とソフト面の支援・啓発の両側面においてユニバーサルデザインの視点に配慮しながら、区民の多様性や地域の実情に対応した取組みが進められることを望みますと書きました。 この部分は2020大会が行われるということで、例えば馬事公苑の周りの歩道の円滑化に取組みましたという発表であるとか、いろいろとお話がありますが、区民の日常生活に実際に肌で感じられる整備もすごく重要ではないかといったご意見もありますし、例えば自転車の通行空間整備みたいな話は世田谷区は非常に珍しくて、バリアフリーの視点をきちんと考慮しながら、ユニバーサルな歩道や車道の整備や自転車の通行のことを考えていくということで、自転車の競技会の中に視覚障害者の当事者がいますが、そういったことは他の区市ではまず見られません。 そういったUDの観点で、きちんと一般の施策を検討していくことも重要で、区民の多様性を、この審議会はかなり横断的なトピックスを取り扱っていますが、そういうところにきちんと反映させていくべきではないかということで、このような書きぶりになっています。 最後の段落を読み上げますと、またスパイラルアップの取組みにおいて講評・提案がうまく活用されていない状況が見受けられます。審議会の講評・提案を活かし、継続的な改善によってユニバーサルデザインの環境整備が適正に推進するための方法について検討されることを望みますということで、この意図は、寂しいなという話があって、みんなで頑張って部会ごとに分かれて議論して、今年度はこうだったと評価し、今後に向けてスパイラルアップを図るためにこのような改善をしてくださいという提案をさせていただいているところですが、どうやらそれが反映されたものが、1年後に返ってきていないのではないかという厳しいご指摘もありました。 ですので、マンネリ化とまでは言葉が悪いので言いません。そういったことは頑張っている職員の皆さんもいらっしゃいますので言いたくありませんが、きちんとスパイラルアップをしないといけない。回っているだけでは意味がありませんので、審議会で講評して、それに基づいた具体的な区の政策を推進し、お戻しして再チェックするというPDCAをちゃんと回さないといけませんという話がありますので、恐らく第3部会だけではないと思いますので、この後このことについても皆様からご意見等をいただければ議論になると思いますので、このような最後の段落としております。 以上でございます。 八藤後会長 ありがとうございました。丁寧な解説をしていただきましたので、非常によくわかったのではないかと思います。 それでは、今見ていただいている資料を1枚戻しまして、 3 全体の講評 というものがございます。第1、第2、第3部会のまとめと個別の講評は、今部会長から報告をいただきましたけれども、全体の総評について、これは前期の会長としてですが、私がこのような内容でまとめてみました。 ユニバーサルデザイン推進計画(第2期)、平成30年度のスパイラルアップ(点検・評価・改善)の取組みを確認いたしました。区の各課が取り組む施策事業の実施状況のプレゼンテーションはスライドを活用し、各事業の成果をわかりやすく伝える工夫を感じました。 来年開催する東京2020大会に向けて、区民や商店街等では心のバリアフリーに取り組む気運がさらに高まっており、職員のユニバーサルデザインに関する意識も向上してきている印象があります。 普及啓発事業等において、これまで蓄積してきた情報は他事業や他自治体、活動団体でも活かせる内容があるので、発信方法や発信先に工夫をこらすなど、取組みの幅を広げていくことが必要だと考えられます。 また、情報伝達分野の技術革新は日進月歩で進んでいるため、先進事例を参考にしつつ、常に見直しをし、地域の特性を踏まえた効果的な手法を検討していくことが必要だと考えられます。 東京2020大会に向けた環境整備が進む中、ハード整備とソフト面の支援・啓発の両側面においてユニバーサルデザインの視点を配慮しながら、区民の多様性や地域の実情に対応した取組みを着実に進めていただくことを望みます。 ということで、先ほど稲垣委員がおっしゃっていましたが、苦言も含んでいるということでございますが、そういう形で直接的に言ってはいないのですが、さらに必要とか、こういうふうに進めていただくことを望むというところに、さらに向上を期待していますという叱咤激励がこの中には入っていると思っていただければと思います。 それでは、改めまして1、2、3、そして全体と紹介がありましたので、各委員から、さらなるご意見はございませんか。自分の所属する部会以外のところへのご意見、並びに全体講評に関してでも結構でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ご質問でもいいです。これはどういう意味でしょうかとか、練っていただいていますのでそんな質問はないのかもしれませんが。初めて見られる方はこれでおわかりになるかなとか、そういう不安なところもございますが。 どうぞ。 須川委員 初歩的な質問になってしまいますが、用語で、心のバリアフリーというのが出てきましたが、私はそれを詳しく存じ上げなくて、どのような内容を指しておっしゃっているのかを教えていただければと思います。 八藤後会長 何か当然のことのように使っておりますが、わかりにくい言葉だったかもしれません。 これはどなたが。事務局がいいのか、それとも稲垣委員がいいのかな。どうでしょうか。あるいは、区としての心のバリアフリーという意味では事務局に説明していただいたほうがいいのか。 障害施策推進課長 心のバリアフリーというご質問ですが、そもそも世田谷区もそうですが、全国的にホストタウンという国の施策があるのですが、その登録している自治体が300以上あります。 そのホストタウンというのは、まさに今オリンピック・パラリンピックに向けて外国の選手とともに地域を盛り上げていこうという取組みがあって、そのホストタウンに世田谷区は登録しています。 その中で、さらに 共生社会ホストタウン という国の仕組みがございまして、それがパラリンピアンという、今回の世田谷区ではアメリカの体の不自由な選手たちと一緒に地域を盛り上げていくというのがあります。 それをイベントだけで終わるのではなく、後世にもつなげていく。 レガシー とよく言われていますが、レガシーとしてつなげていくという気運を盛り上げていく取組みを共生社会ホストタウンと言いますが、その共生社会ホストタウンに登録しているのは都内で言うと世田谷と、この5月に江戸川区が登録されていて、全国で14か15自治体ぐらいしか登録されていないのです。 そういう 共生社会ホストタウン という仕組みの中で、どういう取組みを進めていくかといったときに、今お尋ねのあった心のバリアフリーということで、障害のある方もない方も、一緒に地域で楽しく協力しながら暮らしていきましょうという取組みと、あとは今こちらにいらっしゃるユニバーサルデザインという取組みと、障害者スポーツもあると思いますが、そういう取組みを主に進めていく、そして全国に発信していくという自治体を 共生社会ホストタウン と言いまして、その主な取組みとして心のバリアフリーがあります。 八藤後会長 結局心のバリアフリーとは何ですか。 障害施策推進課 簡単に言うと、障害のある人もない人も一緒に地域で楽しく暮らすために、いろいろなハードやソフトのバリアをなくしていくということです。 鈴木委員 障害当事者からしますと物理的なバリアフリー、特に車いすの方の段差解消や、視覚障害者でも点字ブロックとか、エレベーターをつけるとか、そういうのは形として出ますが、心のバリアフリーが問題になっているのは、ここ数年、障害者差別解消法が国の制度として国会で決議されて、東京都も去年条例をつくりましたが、形に見えない障害があって、車いすとか私どものように白杖をついているものは目に見えて障害者とわかりますが、高次脳機能障害など目に見えない、聴覚の方は今日は見えていませんが、聴覚の方も表面上ははっきりとわからない。 ですからヘルプマークという赤いマークをつけていれば、電車の中でも立ちましょうとか、そういう幅広い意味の障害、電車のシルバーシートも高齢者だけではなく、手足の不自由な方だけではなく妊産婦も含めるなど、差別というと江戸時代から明治時代の、私の母親も学校の卒業証書に平民と書かれたものとは違いますが、障害者を含めた全体的なまちの中の共生社会という意味での、ある面で形に見えない、心のバリアフリーというので、日大の先生がお詳しいと思いますが。 八藤後会長 いろいろな定義があると思いますが、今、稲垣先生のことが出ましたが、稲垣先生はいかがですか。 稲垣副会長 心のバリアフリーという言葉が我が国において使われるようになった一番大きな転機は、内閣官房が ユニバーサルデザイン2020行動計画 というものをつくりました。 それは2017年、おととしの1月か2月だと思いますが、 ユニバーサルデザイン2020行動計画 の中には2つの大きなものがあって、1つはまちづくりです。段差解消やハード整備、エレベーターをつけるとか点字ブロックという話がありました。 もう1つが心のバリアフリー。まちづくりの部会と心のバリアフリーの部会がございました。心のバリアフリーも、それを具現化するためには3つのポイントがあると言われていまして、1つ目は障害の社会モデルを理解するという話があります。 医学モデルと社会モデルは対立していないと思いますが、よく2つが言われます。医学モデルは、障害当事者の方がバリアを感じるのはその人のせいだというのがメーンです。例えば車いすの方が段差を上れない、階段を上れないのは車いすに乗っている状況だから2階に上がれないという考え方。これは医学モデルと言われますが、不便を感じるのは、その人の身体としての何らかの不自由を持っているから、バリアがあるという考え方です。 もう1つの社会モデルは何かと言うと、その人が社会的に不利益をこうむるのはその人の問題ではなく、周りの環境が対応していない、矯正した環境になっていない。環境を改善していくことによってその人たちの、もちろんリハビリとかも必要になってきますが、例えば車いすに乗っていてもきちんと上の階に上がれる、下の階に下がれるとか、耳が不自由な方であっても、電車で事故が起きたときにどこで振りかえができるのかということを文字情報で提供するということで不利益はこうむらないわけです。なので、社会モデルというものをまず基本として理解しましょうというのがある。 長くしゃべりたくないので短目にしますが、2つ目は何かというと、先ほど鈴木さんからお話があった障害者差別解消法の話で、不当な差別はやめましょう、合理的配慮という言葉はよくご存じだと思いますが、合理的配慮をきちんと提供しましょうということです。これをきちんと理解するということになります。 それを理解するだけでは心のバリアフリーは実現しなくて、3つ目は何かと言うと、基本事項を理解した上で相手を理解しましょう。障害理解という話。障害者理解というと怒られますが、例えば基本的なテクニックもあります。白杖を持っている方がプラットホームを歩いていたときに、声をかけて誘導するときにはどう誘導したら正しいのかといった話や、みんなが抱える困難や痛みをきちんと共有するといったことを理解する。 こういうことが伴って、ハード整備とは別に人間の具体的な行動が生まれるのでユニバーサルデザインが実現していくというところが心のバリアフリーの定義と言われています。世田谷区の中でそれをどう捉えるのかという話は、この間検討した新しい計画に恐らく説明が出てくると思います。 矢ア委員 私は下北沢でユニバーサルデザインの活動をしていまして、その場合、心のバリアフリーという言葉をよく使っていて、下北沢はお店が狭くて入り口が段差のところが多いです。 それはバリアですが、お店の人がちょっと手を貸して車いすを持ち上げてくれたり、お客さんも一緒に手伝って入れてくれたり、視覚障害の方にはメニューを読み上げたりという、それによってバリアがなくなるので、人の心によってバリアがなくなるという意味で、下北沢を心のバリアフリータウンにしたいということをやっていますが、そういう使い方は間違いですか。 稲垣副会長 全く間違っていないと思います。 八藤後会長 ありがとうございます。須川委員、いかがでしょうか。かえってわからなくなったとか。 須川委員 まとめていただいて、ありがとうございます。もしかすると、ほかの方々には有名な話かもしれませんが。 八藤後会長 私も へえ という内容がありまして、みんな知っているふりをしているのですが。 須川委員 今のお話をお伺いして、社会的といいますか、ハードとは別の側面で社会を生きる人間の心構えとか、そういったところでのバリアフリーということかなと理解しました。ありがとうございます。 八藤後会長 私より先輩の方もいらっしゃいますが、私がこの世界に入ったのが1980年ですが、あの当時はなかったと思います。 その後あまりお金を持たない自治体が、ハード面の整備が非常にきついので、そういうことを言って、皆さんのやさしい心で障害者に接しましょうみたいなものをキャンペーンしたということで、その当時障害者運動をやっていた人には私はあまりいいイメージがありませんが、最近はそういうことで変わっているようです。 事務局で補足することはありますか。 都市デザイン課長 今日は、前回の2期計画のスパイラルアップで、今年度から2期(後期)計画を新しくつくっていますが、お話があったように、これに心のバリアフリーは出ていて、この中の定義を読み上げますと、さまざまな心身の特性や考え方を持つ全ての人々が、相互に理解を深めようとコミュニケーションをとり合う、支え合うことであると書いております。 八藤後会長 時代によってずいぶん変わってきたと思います。そういうことのようでございます。 このような質問を出していただくと、我々も長くやっていて当たり前だと思っていたが、実はそうではなかったというのはたくさんありますので、どうぞ遠慮せずに、このように質問していただいたほうがむしろありがたいと思っています。いかがでしょうか。 ばん委員 そのことに関してですが、全体講評の中でこれを読んでいる間に疑問に思ったのは 2020大会に向けて、区民や商店街等では となっていますが、商店街に対してはとてもいろいろなことをやってくださっていて、商店街の人たちのスロープや点字だったり、写真を見せたりというのをよく見ますが、区民に対して心のバリアフリーを知らせるのをやっているのかが入ってきませんので、このところに区民を入れるべきなのか、疑問に思っています。 八藤後会長 これは第2部会で私がかかわっていたところでございまして、さまざまなイベントなどを通して区としては着実にやっていますという評価をしましたが、区民全体、すみずみまでということからすると必ずしもそういうことではないと、今のご意見などで思いました。 全体の講評の下から3行目 東京2020大会に向けた というところですが、下から2行目 配慮しながら区民の多様性や地域の実情に対応した取組みを これには入らないか。何か足りないということですね。 山形委員 全体の講評を見直してあれっと思ったところが2カ所ございまして、先ほどばん委員からご指摘があったとおり、 2020大会に向けて というのがあって、その次に 区民や商店街等 と、区民と商店街を一緒にするのかと思って、そもそも属性が違うものが一緒に書かれていると思ったことが1つ。 あと、先ほど八藤後会長からお話があったとおり、下から2行目の 区民の多様性 というのも大それた感じに見えました。 第3部会のNo.16 安全な歩道づくり のところに 歩行者の多様性に配慮しながら と書いていまして、 歩行者の多様性 ということでしたら、すっと落ちる感じはしますが、全体的に区民を多様性という言葉で一くくりにしていいのかということが気になりました。 多様な背景を持つ区民の方々とか、そういう言い方のほうがいいのかなとか、区民を多様性という形で結びつけるのはどうかというのを感じました。全体講評の中で部会の講評をつなぎ合わせてこの形になるという、その流れはわからなくはありませんが、 区民 という言葉の扱いと 多様性 という言葉の使い方を工夫できないかと思いました。 八藤後会長 ありがとうございました。 では、ご意見だけを先に伺います。いかがでしょうか。 小島委員 今の皆さんのお話にも重なるところですが、上から5行目の 区民や商店街 というところも私なりに理解しているところで言うと、例えば商店街や区内ではハードの整備を加速していくことに加え、区民とともに心のバリアフリーを広げていこうという気運があるということが、今まで議論してきたことの内容に一致していると思います。 今までたくさんの課題に対して議論してきたことの、今皆さんで一緒に話し合っているテーマが、本来一番上に来てもいいと思うのです。1つ目のセンテンスの 取組みを確認いたしました の後に、区の各課が取り組む施策とありますが、本当だとそこに、これから商店街も区内も、新しい区役所もどんどんユニバーサルデザイン化していこうとしている。 そしてそれに加えて、できるだけ啓蒙や啓発をして、オリンピックが1つのきっかけにもなりながら、そこからさらに世田谷区はトップランナーとして広げていこうとしている。 スライド等を活用してわかりやすく伝えていただいたという技術はありますが、もしかしたらそれよりも先に、今皆さんの中で気になっている部分が来てもいいのかなというのが私の意見です。 八藤後会長 最初に区民や商店街等のところについて、こんなことかなとおっしゃったことをもう1伺えますか。 小島委員 区内や商店街ではハードの整備を加速していくことに加え、区民とともに心のバリアフリーを広げていこうという気運が見られる。 八藤後会長 ありがとうございました。 まずは、ご意見伺いを全てしてしまおうと思いますが、いかがでしょうか。 では、1つ1つについてどのようにしていくかということをまとめていきたいと思います。 確かに今言われたように、最初のプレゼンテーションがどうのというお話については最後に持って行ってもいいのではないかという気はいたしました。 それから、区民の多様性云々という、この 多様性 という言葉については内閣府か何かが最近割とよく使っていて、1つのスローガンにしているので、それに乗ったというと変ですが、意味をみんなで共有した。 多様性というのは民族や言語、障害や年齢という、いろいろなことを含んで使われだしたことだと思いますので、この言葉は残してもいいかなと。ただ 区民の多様性 というのは日本語として収まりがいいかどうかわかりませんが。 都市デザイン課長 下3行は、第3部会から引っ張り込んできていますね。 八藤後会長  区民の はなくても、これはもともと区民の話をしているのでいいかなと。 そうすると上の 区民や商店街 というのも、商店街をわざわざ入れたのは第2部会で思い入れがあったということですが、区民や商店街というもののかかわりについては、小島委員が言っていただいたニュアンスで書きかえていただくと、みんなで協働して、その中に商店街などを巻き込んでというニュアンスが入っていて、なかなかいいのではないかと私は思っています。 皆様の意見を伺いたいと思います。 明石委員 第1部会でもこのようなソフトの面の話が主に行われてきましたが、多様性というのは入れなければいけない文言であって、何の多様性かというと、区民の多様性だと思います。区民というか住民というか、人々の多様性なので、これは住んでいる人の多様性という意味で、私はこのままでいいと思います。 なぜかというと第1部会でさまざまな生活形態やさまざまな環境、以前だと考えられないことが共存し合っている世の中になってきているので、もっと丁寧にやっていかないと、先ほどおっしゃった目に見える障害だけではなく、目に見えない障害、例えばLGBTや本当にわからない、私たちが理解できないバリアが人々の中にあるということをこの中にちゃんと入れ込んで、バリアフリーではない、ユニバーサルデザインだということを、しっかりとこの文言の中に落とし込んでいかなければならないと思っています。 第1部会でも、それぞれの項目の中に散りばめられていますが、もう少し丁寧に効果を知らしめていくとか、検証していくとか、職員の間でももっと周知してほしいとか、理解促進の部分が特に出てきたように感じますので、全体の講評のところでも、それに配慮した書きぶりをぜひやっていただきたいと思っています。 八藤後会長 まず多様性と言えば、それは区民という主語がついているというのは1つのセットとして重要ではないかということと、それぞれの部会のところでもあったということですが理解促進、まさに心のバリアフリーの1つだと思いますが、そういうところが全体講評の中にはないのではないかというご指摘でよろしいですか。 明石委員 もう少し入れ込んでいただいてもよいのではないか。 八藤後会長 理解促進というのは、区民への理解促進ということでよろしいですか。 明石委員 職員も含めて全ての人の理解促進ということです。 八藤後会長 職員・区民ですね。そうすると、先ほどの 区民や商店街等 ではというところに、今、私パパッと日本語が出てきませんけれども、このセンテンスの中にそういうものが入るのか、あるいは最後の 区民の多様性や というところに理解促進を着実に進めていただくということで結ぶほうがいいのか、今判断はできませんが、内容的には理解したつもりでございます。 何かご意見があればどうぞ。 事務局で何かコメントはございますか。特になければ結構です。よろしいですか。 皆様、いかがでしょうか。質問などしていただければ、それによって書きぶりが変わるとか、そういう疑問があるならこういう書き方をしなければいけないとかということにもつながりますので、素朴な質問でも結構でございます。 稲垣副会長 先ほどの小島先生のご意見は非常に重要で、冒頭でハードだとか、区民の心のバリアフリーの理解の促進を進めていこうとする気運は生まれていると書いています。 気運が生まれて、それを本当にアクションするための取組みはこれから具体的に進めてくださいという、冒頭のこれから載せましょうといっていることと、最後の結びが対になるのかなと感じました。 八藤後会長 最初に宣言するわけですね。これから。 稲垣副会長 2020大会が行われるのは1つのトリガーではあるのだけれども、それでみんなの意識が向こうとしているのだから、それをきちんと実現に向けるために、取組みを具体的に各所管課でやってくださいということなのかなと、最初と結語と、対応することを意識すると、今の明石委員のお話も絡んでくると思いました。 以上です。 八藤後会長 わかりました。 自分でつくっておいて何ですが、だらだらと盛り上がりに欠けている文章かなと思いました。 今までの意見を今ここできれいにまとめることはできませんが、ただいま出たように、冒頭で区民のバリアフリー、ハード・ソフト両方に関する気運が盛り上がってきているのは東京2020も背景にあるということですが、それを具体的に区としてアクションを起こしていくことを非常に期待している。 そのために今までどういう問題点があったのかということで、それらをここに書いていくわけですが、特に理解促進という部分については区民・職員総出で取り組んで、特にその背景には区民の多様性があるわけですが、こういうものを背景にして理解促進をぜひ推し進めていくことをさらに望みますということが結語になると思います。 そういう意識を区民の皆さんに移していただきたいという思いが伝わる書き方ができるといいかなと思いますが、私の認識で、それは違うのではないかとか、それはそういう意味ですとか、何かありましたら、どうぞご遠慮なく言ってください。 明石委員 稲垣委員もおっしゃったように、もう一歩踏み込んだ行動計画みたいなところを書いていただきたいと思います。 普及啓発もいいのですが、アクションも大事だとおっしゃったように、次の一手が、例えばライブラリの情報を見やすくするために検索しやすい方法を検討していただきたいとか、学校の出張だけではなくもっと幅広く出張してほしいとか、第1部会では具体的に提案していますので、その提案を生かせる、もう少し具体的に行動するという文言を少し入れていただいたほうが、より具体的になるのかなという感じがします。 八藤後会長 行動計画というお言葉をお使いになられたのですが、事務局に伺いますが、行動計画に結びつける文言を年度ごとのスパイラルアップの中におさめるのは、事務局的にはいいのですか。これは別のところで述べることだとお考えでしょうか。 都市デザイン課長 この推進計画が何らかの行動計画を次に持っているということではないので、今明石委員がおっしゃったのは行動計画というより、第1部会で普及啓発の話を主に話していて、普及啓発はさっきの心のバリアフリーではないですが、みんなに浸透させることですが、その次のアクションという意味でおっしゃった気がするので、行動計画との言葉を使わなくても、動きの部分が記載されればいいと私は思いました。 部会が3つあって、それぞれはより具体的なことを講評に書かれてきているので、それをどう受けて総評に持っていくかというところなので、3つの部会のものを少しずつ書き足すと、またバランスがどうなのかという話になるので、その辺は皆様で議論してもらったほうがいいと思います。 八藤後会長 具体的には1、2、3のほうで受けて、包括して講評を述べるのが役割です。ただ、そういうアクションを起こすようにという喚起が、もう1つ力強くあったほうがいいのではないかということでございます。 ほかはいかがですか。 上田委員 そもそものお話になってしまうかもしれませんが、こうして東京2020大会に向けて気運が高まっている状況の中で、我々、世田谷区ユニバーサルデザイン推進計画は平成36年(令和6年:2024年)度まで、もう少し先を見越しているべきだと思います。 この2020が終わった後に尻すぼみになってしまうような、現時点でもそういった全体の講評の文面としては、気運が高まることを重視するよりも、明石委員もおっしゃったアクションや、具体的にもっと、気運のきっかけは2020大会であるけれども、その先どこに着地点を持って行きたいかということを、もう一歩先を見た書き方の工夫が必要ではないかと感じます。 八藤後会長 わかりました。 上田委員 もちろんトリガーとして必要なキャッチコピーでありますし、それに向けて気運は高まっていますが、区民がとか、現時点で職員がユニバーサルデザインに対する意識が向上してきたというのは、既に次を行っている段階ではないかと感じますが、そこのところはいかがですか。 八藤後会長 わかりました。当初の考え方としては平成30年度を総括するとこうですと、あまり先のことを言っていませんでしたが、ここでスパイラルアップと言っているわけですから、長い目で見てどうあるべきかという姿を求めていく姿勢で、本来は評価していましたので、そういうことが入っていく必要があるのではないか。 これだと、今盛り上がりがあって、ことしはすばらしかったというような、来年もすばらしい年になるでしょうで終わってしまってはまずい。これからさらにどんどん高めていくという、力強いアクションにつなげていけるようにしなければいけないという決意表明をするというところですか。 稲垣副会長 全体講評は、実はほかの区でも同じことが言えてしまうのではないかと思いました。世田谷だからこの文言が入っているというのがあると格好よくなる。 それは、先ほど障害施策推進課長からヒントをいただきましたが、 共生社会ホストタウン なのかなと。それで目指すべき近い将来の姿、実際に都の中でも世田谷区ぐらいだというお話があったので、そういうニュアンスが入ってくると、世田谷区の講評になるのかなと。 先ほど山形さんがおっしゃっていた区民の多様性は発信源が僕だったので耳が痛かったのですが、第3部会には区民の多様性は残すとして、全体講評では例えば 多様な人々が共生できる社会を実現するために という書き方をすると、共生社会ホストタウンを目指すというニュアンスを含めた形でまとめることもできるのではないかというのが1つの案だと思いました。 八藤後会長 うなずいている方がこの辺に多いですが、ありがとうございます。 ことしの日本福祉のまちづくり学会のスローガンに近くなりましたが、ホストタウンについては今まで議論はこの中では必ずしもしていなかったので、そういうことはどうかと思いましたが、その中に入っている意味としての共生を目指すという、この中にぜひ入れてみてはということについては、非常によい意見をいただいたと思っています。  山形委員 先ほどの区民の多様性のことも、明石委員から理解促進という言葉が出てきましたので、今の明石委員と稲垣委員の言葉で落ちたといいますか、文言だけ見ているとあれっと思ったのですが、流れは議論できましたので、今は大丈夫です。ありがとうございます。  八藤後会長 それで、ここでこうしましょうと言えればいいのですが、言えないので、今日の議論をもとに事務局と相談して書きかえるのは構わないのですよね。  それで、書きかえた後のことについては、また事務局と私と副会長とお話して決めるということにさせていただきましょうか。  都市デザイン課長 それぞれの部会があって、細かく検討してもらって、次ページの各部会の講評については皆さんが部会の中で一言一句確認しながらつくって、総評については八藤後会長とお話ししながら、各部会のところをうまく引用しながらつくっていますが、今の共生ホストタウンの話や、もう少し見据えてということであると、3部会ではない書きぶりが出てくると思います。  会長一任であればよろしいですが、僕は今聞きながら、これは事務局には非常に重い部分だと意識したので、つくったものをどう扱うか。今日委員会があって、この後8月1日には公表したいと思っていますが、その辺をもう少しお話をいただけると、事務局と八藤後会長でつくって皆さんに確認という形になるでしょうか。  八藤後会長 まず文章はこちらでつくらなければいけないと思いますので、後で事務局との間で話し合えばいいことですが、今あえて申し上げます。私が全文をつくります。  その上で事務局とまず最初のすり合わせをしまして、それで皆様方にお諮りする。若干のご意見はあると思いますので、それは反映すると思いますが、文言の改定はあっても、そう大きな変化はその後ご意見を皆さんにいただいても、もうないのではないかと思っております。  いかがですか。このようなまとめ方とするということで。  では、私と事務局で文案をつくり上げて、皆様方に配信させていただいて、ニュアンスの違いや文言の直しなどがありましたらお寄せいただいて、それをこちらで事務局と検討して最終的なものとするということでご了承いただけますか。よろしいですか。  どうもありがとうございました。  それでは次に参りたいと思います。報告事項1、世田谷区バリアフリー建築条例及び世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例の改正についてということで、事務局よりご説明をお願いいたします。  担当係長 次から報告事項になります。報告事項は2つありまして1つ目になります。お手元の資料2−1と2−2をごらんください。  世田谷区高齢者、障害者等が安全で安心して利用しやすい建築物に関する条例、いわゆるバリアフリー条例ですが、これと世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例の改正について説明いたします。   東京都高齢者、障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例 の一部を改正する条例が平成31年3月29日に公布され、本年9月1日より施行されることとなりました。  東京都の条例改正を受けて、 世田谷区高齢者、障害者等が安全で安心して利用しやすい建築物の条例 及び 世田谷区のユニバーサルデザイン推進条例 の一部改正を行います。  条例の改正の概要でございます。これまでホテル、または旅館の客室については高齢者、障害者等の移動等円滑化の促進に関する法律施行令第15条に基づく車いす使用者が円滑に利用できる客室のみの規制でございました。  今回の条例改正により、規制のなかった車いす使用者用客室以外の客室について条例第11条の2を新設し、バリアフリーの義務基準を設けることで、今後の超高齢社会を見据え、高齢者や障害者などより多くの人が利用しやすい宿泊施設を整えることが改正の内容となっています。  基準の概要でございます。対象が新築、増築、改築、又は用途変更部分の床面積の合計が1,000ヘイベイ以上の建築物における一般客室でございます。  共用部分の基準でございます。各客室までの経路に階段または段を設けないという基準になっております。  3つ目、一般客室の基準です。3つございます。1つ目は、一般客室の出入口幅は80センチ以上。2つ目は、一般客室の便所及び浴室の出入口幅が70センチ以上。3つ目が一般客室内に階段又は段を設けないという基準になっております。  4つ目、努力義務規定です。一般客室内の便所及び浴室の出入口幅が75センチ以上となっておりまして、詳細ですが資料2−2、こちらは東京都から今の条例の内容を解説した図面になっておりまして、めくって右に平面図がございます。  従来ホテルにつきましてはグレーの部分の車いす使用者用客室や会議室しか規定がなかったのですが、今度の改正で斜線を引いている一般客室に至る経路及び出入口の幅、浴室の幅に規定をかけております。  こちらの内容、世田谷区も独自のバリアフリー条例を持っておりますので、東京都の基準をこのまま改正の内容として引き継いでいきたいと思っています。  改正のスケジュールですが、来年2月1日の公布・施行予定を考えております。  報告事項については以上になりますが、ご意見やご質問がありましたらよろしくお願いいたします。  稲垣副会長 些末なことで恐縮ですが、資料2−1の1のところの施行令の名前が違いますので、ここは直していただいたほうがいいのではないかと。 高齢者、障害者等は円滑化しませんので、 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行令 ではないですか。しかも 法律 だと思います。 法令 ではない。ここは公開されるときには修正したほうがいいのではないかと思います。これはバリアフリー法のことです。 担当係長 訂正させていただきます。 八藤後会長 わかりました。ありがとうございました。私は正式名称を言えません。でもぱっと見て変ですね。よろしいですか。 それでは、次の議題に移りたいと思います。報告事項の2つ目、事務局よりお願いいたします。 都市デザイン課長 次は 世田谷区本庁舎等整備の基本設計について 、庁舎整備担当課長の佐藤よりご説明いたしますが、資料はお手元にお配りしているA3の資料と、もう1つ、これもA3ですが、この2つの資料になりますので、お手元にご用意いただければと思います。 よろしいですか。では、説明をよろしくお願いします。 庁舎整備担当部長 庁舎整備担当部長の松村です。よろしくお願いいたします。本日はお時間をいただきましてありがとうございます。 区役所の本庁舎につきましては、2021年2月に工事着手を目指して今設計を進めています。 こちらのユニバーサルデザイン推進計画の後期にも施策の1つとして、ユニバーサルデザインによる本庁舎の整備推進と掲げていただいておりまして、昨年度からUD検討会で幾つかの議題についてご意見をいただきながら進めております。 今日は検討を進める中で悩ましいことが1つありまして、その内容をご紹介させていただいて、ぜひ審議委員会の皆様にもご意見をいただきたいということで八藤後委員長にもご相談し、この場を設定させていただいております。どうぞよろしくお願いいたします。 庁舎整備担当課長 庁舎整備担当課の佐藤でございます。私から説明いたします。 まずご相談したい内容の前に、こちらの基本設計をめくっていただきながら、今の設計の概要をご紹介します。 まず2ページ右下に現況図がございます。こちらは現在の庁舎、区民会館の配置を示しております。庁舎が昭和30年代の竣工で50年以上の年数が経過しておりまして、災害対策面や区民サービスの面、環境整備の面で改築が必要になり、この区民会館のホールの部分は残しながら建て替えるという検討を進めてまいりまして、このたび基本設計を取りまとめております。 3ページ、世田谷線方面からの完成予想図というか、俯瞰した図がございます。 新庁舎は現庁舎と同じ敷地で建て替えを進めてまいります。これまで区民の方々に親しまれて、憩いの場として利用されている広場空間を大事にするというコンセプトで、こちらの広場を中心とした配置構成となっております。 この図面でいきますと、向かって右側の東棟と呼んでおりますが、こちらに行政機能、議会機能と区民交流機能。南側には区民会館を残し、向かって左側の西棟には世田谷総合支所を含めた行政機能をバランスよく配置する。これらを2階のレベルで、デッキのようなものがめぐっていますが、こちらのリングテラスで結ぶという計画になっております。 一番高いところで10階建て、西棟は5階建てで地下2階ということで、東棟と西棟は、地震のときの揺れを直接建物に伝えない免震構造でつくります。 4ページは西棟の北東側、2階のテラスから見た広場のイメージとなっております。向こうに見えるのが、改修して保存する区民会館の特徴ある外壁です。2階部分にめぐらされているのがリングテラスでございます。このリングテラスに階段が広場から上っていますが、このあたりのしつらえについて、後で皆様にご意見を伺いしたいと思っております。 続きまして6ページです。新しくできた庁舎へのアプローチですが、今はまず敷地の東側、松陰神社前の駅からのアプローチ。こちらからに加えて、次は世田谷駅方面、補助154号線と書いていますが、こちらからも大きなアプローチが取れるようになります。 154号側からのアプローチも確保しまして、東西双方からピロティを通って真ん中の広場にアプローチできる動線となっております。西側の敷地は上がって行くのに高低差があるので、今までだと南側のばん道を上って行かなければいけないところを154から入って行って、エレベーターで広場のレベルまで上がれるようになります。 またバスベイは東側のピロティに隣接して、3台分を整備いたします。本庁舎区民会館への利便性を向上させる計画とする。雨にぬれず乗りおりできるよう、バス停にはうわやを設置します。 来庁者用の駐車場は向かって左側、西棟の地下2階に80台分を設置して、うち車いす用駐車場としても2台用意しております。 続きまして7ページ、新しい庁舎におけるエレベーター、エスカレータ、階段の設置につきましてご説明いたします。 新庁舎におきましては、ユニバーサルデザインに対応しまして通常時、災害時を問わず誰もが使いやすい庁舎となるように計画していくと言うことで、特にテラスのある2階まではエレベーター、エスカレータ、階段を設置して、それぞれの方の状況にあわせた上下移動ができるようにする。また、段差なく各棟に横移動できるようにする。滑りにくい舗装材の使用、ゆとりある通路幅の確保を行ってまいります。 災害時の対応ですが、障害のある方の避難につきましてはエレベーターによる避難が可能となっております。エレベーターは避難時・災害時の動線を考慮しまして、東棟につきましては両端にあわせて動き、西棟は6基の設置がございます。そのうち東棟1基、西棟1期は非常時、停電になってしまったときも非常用発電機で30秒待てば動くというエレベーターとなっております。 また、東西棟に設置するエレベーターのうち1基ずつはストレッチャー対応仕様とするということで、結構大きなものを設置する予定でございます。 続きまして11ページ、中身は後でゆっくりごらんいただければと思いますが、火災時の対応、避難の考え方について書いています。火災時避難につきましては防火扉、防火シャッターなどの防火区画によって、同じフロアーで安全な区画に避難できるようになっております。 また、法令上設置の義務づけがある東棟に加えて、西棟の中央エレベーターの1カ所も非常用エレベーターを1基ではなく2基にしています。避難階段の中の踊り場も広く設けまして、安全な区画の中に障害のある方の一時避難もできるようになっております。 非常用エレベーターの話を申し上げましたが、地震時においてはエレベーターも免震構造の建物の中にございますので、震度6程度の地震であっても非常用エレベーターでなくても稼働できる設計としております。エレベーターが揺れで停止した場合も、異常がなければそのまま使用できるものになっております。 続きまして12ページ、13ページをごらんください。13ページのほうがよろしいですね。 基本設計の段階でユニバーサルの検討会の中でもいろいろご検討をいただきながらまとめてまいりましたが、その中で3点ご紹介いたします。 まず1点目、ページの右側の真ん中ほどに フロアマネジャー という項目がございます。初めて手続に訪れた区民の方でもスムーズに手続ができるように申請書類の記載補助を行う フロアマネジャー が配置される。区民の案内は総合案内と連携して行ってまいります。 2点目、左側の下から2段目にございます 相談機能 ということで、利用頻度や相談内容に応じましてカウンター併設の相談ブースや共用、または専用の個室形式の相談室を適切に配置し、それぞれの障害の方、家族のためのクールダウンのスペースを大幅に増設します。 また3点目ですが、左側の一番上に トイレ ということで、ユニバーサルデザインの考え方をもとに、想定される多様な利用に対応した、バランスのいい機能分散型の配置をします。トイレには、光警報器や音声誘導装置を設置する。詳細については、実施設計の中で引き続き検討してまいります。 続きまして15〜16ページには環境配慮のことや みどりの配置計画 のことが書かれてございます。16ページ、緑のことについてテキストデータばかりですが、省エネルギー化、自然エネルギーの有効活用によって環境と調和し、環境負荷の少ない、持続可能な庁舎としてまいります。 特に現在、松陰神社駅から来たときにケヤキ並木がありますが、それは今、噴水のあたりでとまっていますが、敷地の北側の道路のほうまで延伸して、ケヤキ並木を増設する。また、西棟と東棟の屋上には屋上庭園を設置するなど、緑に親しめる環境を整備してまいります。 18ページ以降は各階の平面図となっています。 ご紹介したいところはたくさんありますが、例えば28ページは区民会館の改修について書いています。耐震性の向上はもちろんのこと、ホールや楽屋機能を向上させて、練習室を新設したり、またフラットな動線でつなげて、ユニバーサルデザインの面からも向上させました。 全部説明していると大変なので、最後の38ページにスケジュールがございます。先ほど部長から簡単に申し上げましたが、2019年、今は実施設計ということで、来年度末ごろの工事の着手に向けて、基本設計をもとにより詳細な設計を進めながら、発注の準備をしています。 実績段階においてもUD検討会に参加して皆さんと意見交換しながら、案内サインそのほか必要な設備の詳細な検討をしてまいる予定でいます。 それで、今日ご相談したい内容と申しますのが、平面図でごらんいただきますと、20ページが2階の平面図になっておりまして、真ん中あたりに広場から2階のリングに向けて宝塚の階段みたいな大きな階段がございまして、これが広場と2階のレベルで各棟をつないでいるテラスに、高さにいたしまして4.8メートル、大体歩道橋ぐらいの高さになりますが、そこに上がる屋外の階段が設置されています。 本庁舎の整備の設計においてはリング会議と言いまして、公募した区民の方と学識経験者、町会の方、20名の方のリング会議を昨年度4回ほどやってまいりまして、その中で電動車いすをご利用の方からこの大階段について、障害者の方も一緒の経験をしたいというご意見がございまして、大階段を上がるときにスロープの設置はできないかとのご意見がございました。 避難につきましては、先ほど申し上げたとおり中に非常用のエレベーターがあるなど移動円滑化経路を含めて解決していますが、この大階段に併設してスロープ、同じ体験をしたいという、そこで可能性として設計事務所がいろいろと検討したのが、こちらのリングテラススロープ比較表でございます。 本日皆様にご意見をお伺いしたいのはこの4つの案、もしくはそれ以外でもいいですが、これについていろいろなお立場からご意見をいただければと思っております。それぞれについてご説明いたします。 まず一番左側@の基本設計案が今ご説明した、基本設計はこれでまとめておりますが、これは階段しかないのですが、建物の中に入ればエスカレータやエレベーターがあります。 この大階段につきましては、UDアドバイザーの方に事前にご意見を伺ったのですが、何段か上がったところに大きなステージ上の踊り場がございますが、こちらのステージ等の利用想定があるのであれば、踊り場までのスロープを設置して、アクセスできるようにする配慮が必要なのではないかとのご指摘をいただきました。また、踊り場への階段の形状、特に隅の部分が危ないというご指摘もいただいております。 それから、この階段を設置したとき建物内のエレベーターがその角に隠れてどこにあるのか見えづらいことがないように、視認性の工夫が必要というご指摘もいただいております。 まる2の踊り場までのスロープ案というのは、今のご指摘を受け階段の形状を改良しまして、踊り場までのスロープを設けております。階段の形状を改良したというのは、まる1であった側面の階段のところ、ドットの印になっていますが、ここを丘のような感じで斜面地にして、そこは人が立ち入らないというか植栽状にして、階段自体は奥側からと手前側、2方向から最初の踊り場に行くということです。 まる3は、最初の踊り場まではスロープで行きまして、その先のリングテラスまではエレベーターでアクセスしたらどうかという計画でございます。エレベーターについては踊り場までスロープで行きましたら、図の右側から入って駅によくある貫通式で、テラスには左側からおりるということです。ただ、こちらにつきましては階段と同一経路を保証するものとはならないのではないかとのご指摘をいただいております。 最後のまる4でございます。こちらが、階段とスロープを併設した案となっております。この4.8メートルの高さをスロープで段差を解消していくには、20分の1でできれば理想的ですが15分の1を何とかとっておりまして、ただ長さにつきましては、全部の延長で72メートルにも及んでしまいます。また長いスロープとなっておりますので、踊り場の部分は大きく取りながらお休みができる格好にしています。 ただ、広場が大事ということで広場面積を確保するために、2階レベルのテラスの幅をよく見ていただきますと、まる1の基本設計の案では建物とテラスの端までを3.96メートルということで4メートル弱確保できていたところが、何とか有効幅、手すりの内側で1.5メートルの幅をとったスロープでございますが、テラスの幅は狭いところで2.5メートルの確保で1.5メートル近く狭くなってしまうという弱点もございます。 そういったところも水平移動を若干いじめてしまっているということで、避難時に支障が出ることが懸念されるということ。また、こちらも階段と同一経路というものではない、保証するものではないということ。 総合的に判断いたしますと、まる4についてはこれを採用するということはないのではないかというご意見でございました。 参考までに、コスト比較も書いております。 今の4つの案、それからもう1つ、大階段がこの計画にはございまして、基本設計の19ページをごらんください。大きなスロープやエレベーターをご説明したのが、この広場からリングテラスに上がる階段ですが、もう1つ大きな階段があるのが、154側からピロティに上がって行く、これも5メートル弱の段差がある階段です。 この図面の真ん中あたりに大きな階段がありますが、こちらも何とかスロープにできないだろうかと検討いたしました。その資料が4つの比較表があった2枚目の 西側アプローチスロープ参考資料 というものです。 こちらについては階段の幅を大分狭くして、スロープのストロークをいっぱいとりながら、間に植栽、緑の空間を設けながら上がって行く、丘を上って行くようなしつらえとして設計できまして、こちらにつきましては……。 早川委員 西側アプローチとは、どこのことを指しているのですか。 庁舎整備担当課長 後で模型を皆様にお見せしたいと思います。 都市デザイン課長 19ページの図面の真ん中辺に階段があるのですが。 庁舎整備担当課長 この階段をやめてスロープをジグザグに設けていくという計画でございます。階段の脇に狭くしながら設けております。 スロープにつきましては、緑地の中を上って行く案になっていまして、上り切るまでにある程度の距離があるので、こちらも途中に休憩スペースを設けていく。 こちらにつきましては、スロープだけではなくエレベーターも設置してございますので、もちろんスロープや階段を選ばないで真っすぐ行って、奥のエレベーターに乗って広場レベルに行くことも可能になっております。エレベーターがあそこにあるという視認性にも気を使った設計としております。 こちらのスロープにつきましては、UDアドバイザーの方々からも付加価値のあるスロープとなっているのではないかということで、ご意見としていただいています。 以上でご説明は終わりなのですが、せっかく模型を持ってまいりましたので、まず西側の部分のスロープですが、ここが広場レベルですが、154の道路から段々を上がってきて、その脇に階段があって、スロープの踊り場のところにつきましては車いすが回転できる。それが階段の踊り場と兼用していない格好で。 矢ア委員 エレベーターはどこに。 庁舎整備担当課長 エレベーターは見えるところに。 あそこにエレベーターがあるな ということがわかる位置に配置します。丘を上って行く格好で考えています。これについてはおおむね好評です。 (各委員移動、模型の説明) 八藤後会長 ごらんいただきましたでしょうか。幾つかご質問やご意見をその場で申し上げた方もいらっしゃるようですが、これから先を正式な場といたしますので、もう1回言ってください。 それから、これはしておかなければいけないという質問は、申し訳ないですがもう1回ここでしてください。さっきのやりとりで済んだというのなら、それで結構でございます。 それで、これを今日の議題にしたという意図を確認いたしますが、これに関するご意見を、この審議会のメンバーの方にいただきたい。ただ、どの案にしてくれとここで決定する必要はないということで、質問を受けたり、意見を聴取する場とさせていただくという意図でよろしいですか。 都市デザイン課長 最後は区で決定しますので、こういう問題についてはユニバーサルデザインではありませんが、多様な方のご意見をいただきたいということで、今日もこの審議会に持ってきてもらったので、そのようにご意見をいただければと思います。よろしくお願いします。 八藤後会長 ということでございますので、改めて質問、ご意見等よろしくお願いいたします。 小島委員 そもそも今日の議題に上がっているということは、もともとは階段しかつくられていない計画で、いろいろな会議の中でスロープがあったほうがいいということでの皆さんへの問いかけだと思いますが、私の意見としましては、ユニバーサルデザインを考えたときにいろいろな人がいる、今日もずっと多様性という話が出ていますが、多様性を考えたとき、近年起こるいろいろな災害は予想しないぐらいの規模のものが多くあります。そういったことを考えても、エレベーターが使えない可能性もあるということの危険を考慮しながらスロープは設置されるべきだと思います。ただし、この中から選ぶとか、あるいはこれをもとにして議論が深まっていけばいいと思います。 八藤後会長 ありがとうございます。 いかがですか。 上田委員 さまざまな法的なものはもちろんクリアされていると思いますが、それを前提に考えて、どうしてもユニバーサルデザインの部分では縛りがなくて、常に後回しになってしまうという、設計の世界ではまだそういう状況の中、今回せっかくリングというものがあって、その広場に向いている。そういう状況の中で、そこに誰もが参加できるというのは確かに当然のことと思います。 この計画からは読み取れませんが、リングはもちろん濡れずに通れるということですよね。雨の日も風の日も、常にそこは回遊できるという前提でよろしいですよね。 庁舎整備担当課長 リングには、屋根がかかっている部分は、基本設計の中ではなかったのですが、今は北側のここだけ屋根をかけようとは検討しています。ですので、西から東に行く最短距離の部分だけ屋根を設けています。 庁舎整備担当部長 グラウンドレベルで、テラス下をうまく使えるという話。 庁舎整備担当課長 あと、このテラスの下はそんな激しい雨でなければ。 上田委員 もちろんそうですね。 全体を把握していない上での話になりますが、そうしますと当然のことながら、1階はデッキの屋根で下が回遊できる。2階からも風を感じながら回遊できる。そういった上がるまでの共有をしたいということが今回のミッションだったわけです。 そうしますと、リング全体の空気を感じるという意味では、先ほど申し上げましたように、既存で残される部分をメーンに、その壁面に沿ったスロープを設置するというのは妥当ではあると思います。 今まだ実施設計の段階だと思いますので、せっかくでしたら全体を取り込んだスロープの計画が構築されれば、あるべき姿ではないかと思われます。いかがでしょうか。 早川委員 私も賛成です。例えばまる4のスロープだと、確かにスロープの機能は果たしていますが、後づけの形になってしまっていて、こだわっていた大階段の意匠すら壊してしまう。 意匠も守りたいのであれば、この大階段の三角形の形は忘れてしまって、はなからスロープがあるという意匠を考えるべきではないかと思います。大階段と共存させようとする考え方は難しいと思うので、さらに検討されたほうが絶対にいい意匠が出てくると思います。 須川委員 私も賛成で、ユニバーサルデザインを建築の側面から考えたときに、誰もが楽しめることが趣旨になってくると思うのです。それが、さらにユニバーサルデザインの普及啓発という観点から見たときに、例えばこの案まる4、解決しましたという空気が漂う案は、確かにうまくいっているかもしれないが楽しくはない。それはユニバーサルデザインの普及という観点から見たときにも、すごく後ろ向きな感じがいたします。スロープをつけるということ自体には賛成ですが、つけ方は考え直したほうがいいのではないか。 話しは飛びますが印象的な例がありまして、沖縄の名護市庁舎という建築業界では非常に有名な建物がありますが、そこはスロープが85年、非常に昔の建築ですが、スロープがしっかり設置されていまして、それが通常の階段とは全く別のところについているのです。 名護の海を望む場所ですが、長いスロープを上って行くと海が見えてくる。そこにはそこで特別な場所が用意されているという設計になっていて、それは楽しさにつながっているところもあって、突然ハードルを上げてしまって何ですけれども、そういうよさみたいなものが出てくると、せっかくスロープをつくることにも付加価値がついてくるのではないか。 そういう意味でも、上田委員がおっしゃいましたが、ホールに寄せてつけてできるだけ長い経路を行くという考え方をすると、そのピロティを抜けて行く動線に対して上下運動が1つかかわってきて、おもしろみも出てくるという意味では、検討の価値があるのではないかと思いました。 八藤後会長 委員から意見が出ておりますが、その内容を理解されておりますか。大丈夫ですか。もしわからなければ、今この場でそれはこういうことですかと聞いてください。 稲垣副会長 僕は建築に関しては素人ですが、今の先生方のお話を聞いて一言申し上げたいのは、最初からスロープがない前提でつくられたデザインのものに、後でスロープをつけることによって対応した形というのはユニバーサルデザインではないです。バリアフリーです。 ユニバーサルデザインは、もとからの設計の段階で多様な人々が幸せを感じられるものづくりだと思うので、UDの観点からすると厳しいところがあるのかなと。 これから恐らく、完成したときにみんなこの大階段を見に来るでしょうから、どういうことですかと聞かれると思います。名護みたいに来ると思います。そのときに担当者がどのように説明されるのか、思想をどう伝えられるかというところなので、もうひと踏ん張りなのかなという気がいたしました。 以上です。 八藤後会長 ありがとうございます。 ばん委員 私の子どもは自走でも電動でもないので上がって行かないといけませんが、120メートルをただひたすら押して上がるのがとてもつらいです。 そこにあるのに、あっちこっちに行って、また戻ってやっとここに着くという、それはちょっと。今スロープがつくというのは本当にうれしいことですが、達成点がそこというのがすごくつらいと思いました。 八藤後会長 ほかにいかがですか。 矢ア委員 1段目の踊り場はこんなに広くする必要があるのですか。もっと階段を緩く長くして、その真ん中にスロープをつくるというのが、小柴課長は下北沢の駅広のときにいろいろなところの例を見て、たしか横浜だったと思いますが段々があって、その真ん中にずっと緩やかにスロープがあって、スロープと階段が共存しているという、きれいな公園の例がありました。 都市デザイン課長 ここは深い議論がずっとある中で、2階はリングがあるわけで、階段をなくせば全てが解決するだろうという考えもある中で、アプローチとか、上りおりというより、この真ん中が広くできているのは舞台というか、演出の場に使いたいという発想があってこういう形になっていて、今回も所管から幾つか案が出ている2番目のものは、ここは舞台であるからここまで行くのは合理的配慮であろうということで、この2案が出てきている経緯があります。 確かに稲垣先生が言うとおり、バリアフリーでユニバーサルではないと言えばそうですが、基本的にこの階段がなくてもリング自体は2階のテラスにあって、そこへのアプローチはエスカレータもエレベーターも含めてあらゆる手段があるわけで、オプションというか、付加価値というか、何と説明したらいいのか、そこの部分で階段があって、どうしようかと悩んでいます。 だから今の議論の究極は、健常者も行けないようになくすとの議論も発生することもあります。難しいことは難しいので、我々も悩んでいるところなので。 八藤後会長 結局は、設計の最初から配慮したものではないという苦言が、私も今までたびたび呼ばれて意見を言うこともあったので、今日は特に意見を言っていないのですけれども、ここで出た意見は初めてですね。最初からなっていないという、これありきで、どう改善したら2案か3案か4案かみたいな、そういう狭いところで議論していましたので、私もおおっと思いましたが、いかがでしょうか。まだ言っていただく余地はあると思います。 山形委員 どの意見がという話ではなく、根本のところで感じたことがあったので、それをお話しさせていただければと思うのですが、もともとの設計の考え方の中で、避難時・災害時でも動くエレベーターがありますので大丈夫というのが根底にあって、それで階段の設計で出てきた時点で感じたことがあります。 思うに、身体障害をお持ちの方の状況の改善・解消でずっと活動してきた立場としてお話しすると、体が不自由な身体障害の方は、たくさんのバリアがある中で分け隔てられた経験をすごくたくさんしているのです。 駅でも皆さんが使う通路を使わずに、はるか遠く離れたところを遠回りして、やっとの思いで電車に乗れるという経験をさんざん積み重ねてきた中で、階段があって、障害者はエレベーターがあるから大丈夫ですと言いながら、そのエレベーターがほかの皆さんとかけ離れたところにあると、その時点で差別と感じてしまうことがありますので、ユニバーサルデザインで考えるなら、同じ空間をどういった形で共有できるのか。 共有できる部分があって、それでいざとなったときも安心という観点になっていきますので、根本のところ、経路があるから大丈夫、通路があるから大丈夫、災害になっても大丈夫、機能的に大丈夫だからという発想自体を変えてほしいと思います。 以上です。 八藤後会長 みんなが使うところにみんなと一緒に使っていれば、いざというときもみんなと一緒に逃げられるということですね。 山形委員 はい。 八藤後会長 今までこの委員会以外で出てきた意見にはなかった、非常に斬新というか、なるほどと思いました。 そんな感じで、いかがでしょうか。 庁舎整備担当課長 こちらの、西側のスロープに対するご意見でも。 八藤後会長 これですね、ジグザグの。 須川委員 西側のこの案はすごくいいと思っていますが、もともとの大階段がどちらかと言うと大げさという感じがする中で、これはスロープをつくることがただの解決ではなく、緑の丘を上って行く楽しさや、真ん中のベンチの部分を挟んで、階段を上る人とスロープを上る人が出会うところもありますので、実際どれぐらいの大きさかというのが、私も初めて見たものですからそれほど想像はできていませんが、付加価値がこれによって、かえってついているのではないかと思いました。 八藤後会長 つまり、この案にすることによってより洗練されたのではないかという。 須川委員 そんな気がいたします。 早川委員 スロープ側面のグラウンドレベルの歩道、木が植わっている。そこがすごく薄暗い感じになるのではないかと思って、グレーの壁面が延々と続く、その環境はもう少し考える余地があるのではないか。 庁舎整備担当課長 エレベーターに行くアプローチになるので、うら寂しくならないように工夫を。 早川委員 ちょっと恐い感じがします。 庁舎整備担当部長 確かに谷間みたいに感じになっていて、気にはなっています。 庁舎整備担当課長 このスロープの下に、駐輪場が入るようになっている、そこの壁面です。 早川委員 壁面を楽しげにしてもらいたいなと。 八藤後会長 暗渠の中を歩いているような。 早川委員 自転車が無機質に通るみたいな、ただの通路になってしまうと恐いのではないかと思うので。 八藤後会長 特に暗くなってからは。 小島委員 何度かクランクを押しながらスロープを上りおりするときの踊り場の形状ですが、クランクごとに多分サイズが違うのです。スロープで上がっていくときに、多分車いすのものはスロープに対してまず態勢を整えて真っすぐにして、前輪が同じときにスロープに上がって行くというか。でないと、少し体が傾くと思います。 そういった意味では、同じスペースにする。多分今2つ目のクランクのほうがきっと折り返すときに結構厳しいといいますか、この絵には何とかはまっているけれども、実際に動くとどうかということを想像すると、結構厳しいと思います。 最近は車いすも海外のものも入ってきていて、とても大きな車いすに乗られえている方もいらっしゃいます。中には、座るという形ではない形で車いすで移動される方もいらっしゃいます。 そのようなことを考えてユニバーサルデザインという観点を常に忘れないで、この計画を考えていく場合に、私は踊り場をもう少し見直す必要があるのではないかと思います。 庁舎整備担当部長 スロープに上がるときに、スロープに対して直面するというか、斜めに入らないだけの回転が必要だということですか。 小島委員 斜めに回転するには、ある程度外側を大きく回ることになると思います。それが例えば雨の日に同じことができるかとか、あとは近くに植栽もありますよね。そうなると植栽の枯れ葉が落ちたときに滑るという現象が起きてくると思います。 そのようなことも考慮して、天候やあるいは車いすの形状であるとか、あとは1人1人いろいろと障害によってできることとできないことは違うと思いますから、いろいろな人のいろいろなことを想像しながらでないと、車いすのサイズがこれだけだから上がれるだろうというのは厳しい気がします。 八藤後会長 ありがとうございます。 都市デザイン課長 改良の余地はあるのではないか。原寸で確認するという手もある。 八藤後会長 最近こういうものは段ボールか何かで囲んで、原寸でやることもありますが、今言われてみて改めて気がつきましたが、確かに四輪とも平地に乗って、そして真っすぐ上らないと傾いて、下手すると転倒することもあります。電動車いすは重心が高い位置にある人もいますので、転倒することもありますから、平面部分は意外と広く必要です。私も見逃しておりました。 いきなり見せられて、ここでいろいろ言ってくださいというのもどうかという気がしますが、今日の範囲で言えることがあれば。 この図面は持ち帰っていいですか。 庁舎整備担当課長 はい。 八藤後会長 ということでお持ち帰りになっていただいて、後から気がついたことを事務局にお伝えいただいてもいいですよね。なるべく早いほうがいいと思いますが。 ということで、ではどうするのだということをこの委員会で結論を出すわけではないし、もともとそういう役割を持たされていないと思いますが、これは審議会の委員から出た意見ということで、重く受けとめていただければと私としてはお願いしたいと思います。 庁舎整備担当部長 先ほどお話をした区民の方が参加しているリング会議が、あさって7月6日土曜日に開かれます。できましたらどういう文言で紹介するか委員長ともご相談したいと思いますが、UD審議会の中でこれについてもご議論をいただいて、このような視点のご意見をいただいていますということを参考にご紹介したいと思っているのですが。 八藤後会長 冒頭に区からお話がありましたが、この意見を参考に区が決めるというおっしゃり方でしたので、今日の意見をどのような場でどのような人たちにお伝えするかしないかは、私は区のご判断でよいかと。 それから、今日のいろいろな方から出てきたご意見については、あまり無理をしてまとめないで逆に生々しい声で、録音もとってあると思いますので、もしご紹介するのなら、そのようにしたほうがいいと思います。 もちろんその判断はお任せしますと申し上げましたが、この審議会の長として選ばれた私としては、ぜひご紹介いただいて、皆さんの議論の俎上に乗せていただきたいと希望いたします。 ということで、この件はよろしいですか。 稲垣副会長 発言権があるのは、スロープのことだけですか。 八藤後会長 ではないですよね。 主にスロープのことは、多様な意見があるということなので特にお諮りしたかったということだと思います。 服部委員 階段を全くなくすという可能性もあるのですか。 庁舎整備担当課長 これは何の階段なのかということですとか、果たしてこの階段を、スロープだけではなくて階段を使うだろうかとか、スロープを頑張って設置しても上るだろうかというのは、つける以上コストがかかったり、維持管理や総合的にいろいろなことを考えて、最後は区の持ち物としてその後のことも責任を持って考える必要があるということで、そういったご意見も届いていまして、今いただいた意見や階段そのものについて消極的になくすということではなく、その後どうするかといった議論も7月6日にはあると思っています。それを含めて考えて、またご報告する機会があればと思っております。 八藤後会長 それでは、この話についてはこれでよろしいですか。 本日の議題は以上でございます。どうもありがとうございました。では、事務局に進行をお返しします。 都市デザイン課長 皆さん、ありがとうございました。次回の審議会の予定ですが、令和2年2月ごろの開催を予定しておりますので、日程調整についてまた改めて皆さんにお諮りしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。 本日の審議会は、これで終了としたいと思います。皆さん、どうもありがとうございました。 ―了―