平成29年度第3回世田谷区ユニバーサルデザイン環境整備審議会議事録 平成30年1月31日 開催日時:平成30年1月31日(水) 10時30分〜12時30分 開催場所:三茶しゃれなぁどホール オリオン 出 席 者:【審議委員】稲垣具志委員、小島直子委員、齋藤啓子委員、       八藤後猛委員、明石眞弓委員、太田淳委員、宇田川広子委員、       鈴木忠委員、鈴木永美委員、當間正敏委員、中山淳委員、       坂ますみ委員、山形重人委員、上田ときわ委員、柏雅康委員、       志賀英介委員 【区職員】 北沢総合支所街づくり課長 小柴直樹、政策経営部政策企画課政策企画担当係長 天野由三、政策経営部広報広聴課係長 河村直史、保健福祉部計画調整課計画担当係長 山本和位 障害福祉担当部障害施策推進課係長 大野智、高齢福祉部高齢福祉課係長 高田純子、みどりとみず政策担当部公園緑地課建設担当係長 稲垣豊、道路・交通政策部交通政策課長 堂下明宏、障害学習部生涯学習・地域学校連携課 土屋 雅章 【事務局】 都市整備政策部長 渡辺正男、都市整備政策部都市デザイン課長 清水優子、都市デザイン担当係長 岡嵜均、担当職員 栗野正樹 傍 聴 人:4名  都市デザイン課長 皆様、おはようございます。定刻となりましたので、これより始めさせていただきます。私は、ユニバーサルデザイン環境整備審議会事務局を担当しております都市デザイン課長の清水でございます。よろしくお願いいたします。  開催に先立ちまして、都市整備政策部長の渡辺より一言ご挨拶申し上げます。  都市整備政策部長 おはようございます。渡辺でございます。本日は大変お忙しい中、また寒い中、本審議会においでいただきましてありがとうございます。本年も皆様方、どうぞよろしくお願いいたします。  新しい年を迎えまして、東京2020大会までカウントダウンのボードが区役所のほうにありますが、905日ということで、オリンピックが近づいてきて、区も全庁を挙げてこの取り組みに取り組んでいるという状況でございます。  世田谷区におきましては、ご承知のとおり馬事公苑におきまして馬術競技が開催される、こういった大会をきっかけにして、このユニバーサルデザインの推進というところにつきましては、これまでの実績を踏まえてさらなる推進を図っていきたいというところでございます。  実は、先月になりますけれども、国の「共生社会ホストタウン」という、いわゆる国のほうでの登録でございますけれども、これが都内では1つの団体、世田谷区が登録をさせていただいております。全国的には6つの都市が登録をしてございますけれども、そういった登録をきっかけとして、さらなる推進を図っていくというところでございます。  今までユニバーサルデザインのまちづくりの実績につきましては非常に積み重ねてきているということがございますので、こういったところもからも登録ができたのではないかなということで、この場をお借りして、皆様方の日ごろよりご支援、ご協力いただいているというところにつきましても感謝申し上げるところでございます。  本日の審議会におきましては、ユニバーサルデザイン推進計画(第2期)ということで、先般の各委員からいろいろご意見等賜りました、その内容を踏まえまして、ユニバーサルデザイン推進計画の後期の検討のたたき台ということできょうお示しをさせていただきますので、より実効性の高い計画としてまいりたいというふうに考えておりますので、皆様方のお知恵を拝借をしましてつくり上げていきたいというふうに思っております。  簡単ではございますけれども挨拶とさせていただきます。本日はよろしくお願いいたします。  都市デザイン課長 では、事務局より進めさせていただきます。  まず、委員の皆様の出席状況についてですが、今、明石委員がこちら会場に向かわれているということで、間もなく到着されます。また、國貞委員及び長谷川委員より事前にご欠席の連絡をいただいておりますので、今現在15名で、間もなく16名の委員の出席となります。  したがいまして、本日の審議会は、ユニバーサルデザイン推進条例施行規則第8条に基づき、委員の2分の1以上、定足数を満たしておりますので、成立しておりますことをご報告いたします。  続きまして、委員の皆様をご紹介させていただきます。本日机上に配付しております座席表をあわせてごらんください。  事務局から見て、右側のほうからご紹介させていただきます。  鈴木忠委員です。  太田委員です。  明石委員は、間もなく到着されます。  それから、坂委員です。  志賀委員です。  柏委員です。  事務局から見て、正面の列をご紹介いたします。  上田委員です。  齋藤副会長です。  八藤後会長です。  稲垣委員です。  事務局から見て、左側の列をご紹介いたします。  小島委員です。  宇田川委員です。  中山委員です。  鈴木詠美委員です。  山形委員です。  當間委員です。  なお、當間委員の手話通訳の方が同席されております。  明石委員が今到着されました。よろしくお願いいたします。  次に、事務局でございます。  私の左手に、都市整備政策部長の渡辺でございます。  都市整備政策部長 渡辺です。よろしくお願いします。  都市デザイン課長 私が、都市デザイン課長、清水でございます。  私の右隣、担当係長の岡嵜でございます。  同じく、担当の栗野でございます。  また、区職員についてご紹介いたします。事務局の後方におります。事務局の右手後方ですね。事務局に近い側から紹介いたします。  政策企画課係長の天野でございます。  政策企画課係長 天野です。  都市デザイン課長 計画調整課係長、山本でございます。  計画調整課係長 山本です。よろしくお願いします。  都市デザイン課長 障害施策推進課係長、大野でございます。  障害施策推進課係長 大野です。よろしくお願いいたします。  都市デザイン課長 高齢福祉課係長、高田でございます。  高齢福祉課係長 高田でございます。よろしくお願いいたします。  都市デザイン課長 広報広聴課係長、河村でございます。  広報広聴課係長 河村と申します。よろしくお願いいたします。  都市デザイン課長 事務局左手後方の事務局側から紹介いたします。  生涯学習・地域学校連携課長、土屋でございます。  生涯学習・地域学校連携課長 よろしくお願いします。  都市デザイン課長 交通政策課長、堂下でございます。  交通政策課長 堂下です。よろしくお願いいたします。  都市デザイン課長 公園緑地課長、春日谷でございます。  公園緑地課長 春日谷です。よろしくお願いいたします。  都市デザイン課長 北沢総合支所街づくり課長、小柴でございます。  北沢総合支所街づくり課長 小柴です。よろしくお願いします。  都市デザイン課長 以上でございます。  では、ここから八藤後会長に進行をお願いいたします。  八藤後会長 おはようございます。八藤後でございます。  それでは、平成29年度第3回ユニバーサルデザイン環境整備審議会を開催したいと思います。  最初に事務局より、本日の資料の確認をお願いいたします。  都市デザイン課長 では、事務局より資料の確認をさせていただきます。  次第がございまして、資料1−1「ユニバーサルデザイン推進計画(第2期)後期骨子(案)について」がございます。  資料1−1の別紙1「ユニバーサルデザイン環境整備審議会からの意見」がございます。  資料1−1別紙2、スケジュールです。「推進計画後期検討の流れ」がございます。  資料1−1別紙3「共生社会ホストタウンについて」です。  資料1−2がA3カラーの横です。「ユニバーサルデザイン推進計画(第2期)後期骨子(案)」でございます。  それから、資料1−2、参考資料としまして、A4で左側2か所ホチキスどめの資料がございます。「施策・事業の取組みイメージ」というものでございます。  以上でございますが、不足はございませんでしょうか。  八藤後会長 大丈夫でしょうか。  それでは、本日議題は1つなのですけれども、ちょっと最初に説明は長い時間になりますけれども、よろしくお願いします。「ユニバーサルデザイン推進計画(第2期)後期 骨子(案)について」ですけれども、まず、これを事務局よりご説明ください。  都市デザイン課長 では、資料1−1「ユニバーサルデザイン推進計画(第2期)骨子(案)について」をごらんください。  こちらの推進計画の後期につきましては、前回の審議会で諮問させていただいて、考え方をお示ししたところでございます。その後、審議会でのご意見、それから、その後の庁内の検討を踏まえまして骨子(案)を作成しましたので、今回ご報告するものでございます。  2番の「計画の期間」につきましては前回もご説明しておりますが、今度の後期計画は、平成31年度から平成34年度までのものとなります。  経過につきましては先ほど申し上げましたけれども、10月に本審議会に諮問させていただいて、考え方を検討いただきました。この12月、1月で庁内会議、ユニバーサルデザイン推進委員会の幹事会と、推進委員会、それぞれ課長級、部長級の会議でございますが、骨子の検討をしております。  裏面をごらんください。  ユニバーサルデザイン環境整備審議会からのご意見につきましては、資料1−1、別紙1のほうに簡単にまとめてございます。  主なものをご紹介させていただきますと、本庁舎の建替えを新たな取り組みとして取り上げるとよい。  それから、「社会がバリアを作っている」ことを考え方にきちんと入れるべきであるというご意見。  それから、高齢者の関心が薄いので、そこに力を入れるということと、若者、外国人への参加を広げるべきというご意見がございました。  それから、高齢者がていることは現状であるので、課題として書くべきではないというご意見がございました。  それから、情報通信機器の使いこなしについてもご意見がございました。  目指すライフスタイルを明確にしていくのがよいというご意見がございました。  それから、トイレのあり方について、車椅子トイレから多機能トイレに変化して、今後、次の段階に移る段階だということで、男女共用トイレのイメージを探ってみてほしいというご意見がございました。  これらのご意見は骨子のほうにそれぞれ追加修正等しておりますので、後ほどご説明させていただきます。  「骨子(案)の内容」についてでございます。骨子(案)については後ほどご説明させていただきます。  「スケジュール」につきましては、資料1−1の別紙の2をごらんください。  きょうが29年度の1月ということで、骨子を検討していただきまして、その後、骨子から今度は素案を作成してまいります。来年度の夏ごろ、次回の審議会で素案を検討していただきまして、素案の検討が終わりますと、今後、案の作成に移ります。来年度の11月ごろに審議会でその案を検討していただいて、答申という形になりまして、30年度の末には新しい計画の策定ということで進んでまいりたいと思います。  それから、「その他」でございますけれども、先ほど冒頭に部長からも説明がございましたが、「共生社会ホストタウン」について少しご説明させていただきます。資料1−1、別紙の3をごらんください。  こちらは、オリンピック・パラリンピック推進本部の事務局、内閣官房、そちらのほうからユニバーサルデザインのまちづくり、それから、心のバリアフリーの取組みを実施する地方自治体を登録するということで、昨年の11月に募集がございました。  区はこちらに手を挙げまして、12月に、6自治体が第1次ということで登録されております。青森県の三沢市、静岡県の浜松市など、こちらの6自治体になっております。世田谷区は、東京都内では1つということで登録されております。  世田谷区の状況につきましてはこちらに記載しておりますが、大きく3つの柱で取り組んでいくということを登録の際に応募調書で出しております。  「ユニバーサルデザインのまちづくり」。それから、「心のバリアフリーに向けた取組み」、それから、裏面のほうに「障害者スポーツの推進等」ということで、この3本の柱に沿って、これからさらに積極的にユニバーサルデザイン、心のバリアフリーに取り組んでいくというところでございます。  あと、こちらにスライドを映しておりますが、これは内閣官房に提出して、内閣官房から公表されている世田谷区の資料でございます。  それでは、資料の1−2についてご説明させていただきます。A3のカラー刷りのものでございます。  こちらは、前回はタイトルが「考え方」ということでしたけれども、今回は「骨子(案)」になっております。基本的な表面の構成は変わっておりません。左上に世田谷区の基本計画がございまして、その右側にユニバーサルデザイン推進計画の構成を書いてございます。  左下のほうには、ユニバーサルデザイン推進計画の前期の取組みが書かれておりまして、左下に審議会から評価をいただいたということを記載しております。  右下には「社会の変化」ということで、そこを若干修正しております。  まず、前回と変わったところについては下線を引いてございますが、「東京2020大会の開催」のところではボランティアの参加のことですとか、訪日外国人の多言語化や情報化に対するニーズのところについては機関での調査ですとか、そういったもので少し記述をしております。  それから、(3)の「多様な人と共生するまちづくりの広がり」というところの、「認知機能の低下、コミュニケーション、性差による区別等で困っている人等への配慮」というところの表現を修正しております。また、高齢化の進行のところも、「長寿社会となってきている」というところで表現を改めております。また、「要介護及び要支援認定者数が4万人弱」というところで記述をしております。  それから、右上のところが後期の計画のまとめ方ということで、考え方を示しております。  (2)の「多様なツールによる情報提供への対応」というところで、下線部分「多くの区民が使いやすい情報通信機器やアプリケーションを普及させる」そういう環境整備に取り組むというふうに修正しております。  また、(3)の「共生社会の視点をまちづくりに活かす」というところで、国の「共生社会ホストタウン」に登録されたことを受けまして、記述を追加しております。また、「若い世代がUDのまちづくりにかかわる」というところを追記して、「社会的障壁(バリア)を取り除いていく」というところを書いております。また、本庁舎の建て替えについてもここに追記をしております。  資料1−2の裏面をごらんください。こちらには、計画の目標と基本方針、それから、施策・事業を書いてございます。  目標と基本方針は、今回は変えておりません。これは、10カ年の計画の基本となるところということで変えておりません。  施策・事業につきましては、現在の計画は28ございますが、この見直しをかけまして、25の事業というふうに再編をしております。こちらの資料だけではわかりづらいので、先ほどの参考資料、A4の2カ所ホチキスどめの資料をあわせてごらんください。そちらの5ページをごらんいただけますでしょうか。  左側、4ページのほうが、現在の計画の施策・事業一覧ということで、28になってございます。右側が今度の後期の計画の25という案を事務局でつくりましたので、こちらに25の施策・事業が載っております。  事務局で整理・統合しておりまして、左側のほうに表のところに統合したものですとか名称を変更したというものを記述しておりますけれども、特に普及啓発のところを統合しております。普及啓発については、現計画の2番、3番、4番を統合して、新しい計画の2番としております。  それから、本庁舎整備につきましては、新計画の7番のほうに「ユニバーサルデザインによる本庁舎の整備推進」ということで、新規で追加をしております。  それから、現計画の8番と13番を統合して新計画の6番、現計画の21番、22番を統合して、新計画の20番に統合しております。  ですので、4つ減っておりますけれども、新たに1つ追加しているということで、28から25の事業となっております。  それでは、25の施策・事業のうち、主なものについてご説明させていただきます。本日スライドを用意しておりますので、手元の資料とスライドの両方を見ながらお聞きいただければと思います。  では、担当係長、岡嵜より説明させていただきます。  都市デザイン企画調整担当係長 担当係長の岡嵜です。スライド、私の後ろ側になりますが、用意させていただいておりますので、それを見ながらご説明をさせていただきたいと思っております。  見づらい方、区の職員の方も、何でしたらちょっとよかったら席を移動していただいても構いませんので、見てください。  まず、「No.1 ユニバーサルデザインの生活スタイルの普及」「No.2 ユニバーサルデザインを広めるイベントや講座の開催」についてです。  ユニバーサルデザインの普及啓発の事業になりますが、ワークショップ、それから、冊子の配布などによる進め方を現在もしておるところですが、今後も展開していきたいというふうに考えております。  参考まで、今年度もワークショップを行いましたので、その報告をしたいと思います。  ユニバーサルデザインを広めるための動画を区民参加で企画・撮影いたしました。今回、その動画を参考までごらんいただきたいと思っております。区で取り組む普及啓発のイメージをお伝えしたいということで、ご参考まで見ていただきたいと思います。  ちょっと今から段取りますので、少々お待ちいただけますでしょうか。  2分程度のもの、3本になります。  まず、最初の1本からいきたいと思います。 (動画上映)  3本上映をさせていただきました。  これらの動画なのですけれども、今年度のワークショップということで、より広めたいということで、動画撮影というワークショップに臨んだ次第でございます。  こういったもの、次は紙ベースでということで、「世田谷UDスタイル第4号」を今編集しておりますので、3月上旬に発行したいと考えています。できましたら皆さんにもご送付させていただきたいと思います。  また、「もっとうちの研究室に置いていいわよ」とか、「私の事務所に置いていいわよ」なんていうことがありましたら、ぜひお声かけください。10部、20部、100部でも、幾らでもお送りさせていただきます。  こんな感じで普及啓発を今年度も進めておりますが、今後もこのような感じでさまざまに普及啓発をしていきたいというふうに考えておりまして、次期の、後期の計画でもその内容を入れているところでございます。  次になります。No.7です。「本庁舎の整備推進」になります。  前回審議会でご意見をいただきました、今回、新規の施策・事業として加えたものになります。これから基本設計に入るところですので、ユニバーサルデザインの検討を区民とともに行っていきたいというふうに考えております。  新規庁舎が、皆様、どんなふうになるのかというのをまだご存知ないと思うので、私どももこの程度なのですけれども、入手したた情報をお見せしたいと思います。  まず、イメージ図です。これが、ちょっとわかりづらいかとは思うのですけれども、第3庁舎のほうから東に向かっての絵ですが、中庭が現在ございます。その中で、右側に映っているのが区民会館の広場に面したところの壁です。ここの建物を残して、保存再生をしながら、新築も入れて建てていくということにしております。区民会館を残して、さらに今の広場を再活用する。新たにできる建物をつないでいくというのが、今回のコンセプトということで、設計者が選定されました。  上から見ると、こんな感じだそうです。区民会館を保存再生ということで進めまして、今の区民会館の入る手前のところ、第1期ということで、大きな建物をまずここに建てる予定になっております。今の第1庁舎といわれているところが、東ゾーンと呼ばれるところになります。西ゾーンというのがその後にできまして、今の第2庁舎、第3庁舎といわれているところがこういった建物に建てかわると。それらの建物を「世田谷リング」ということで、広場とデッキテラスでつないでいくということが今回の本庁舎の基本的なコンセプトというふうに伺っております。  上から見るとこんな感じだということで、真ん中の広場を中心に区民会館、それから庁舎が西と東にできて、つながっていくという考えだそうです。  最初に、工事としては第1期、2期というような形で、順番に進めてまいります。区のほうで仮設庁舎は建てないでやるという方針で、まず、区民会館のところを建て直しまして、それから、今の第1庁舎を壊して、第2期ということで建てます。ここで機能をどんどん移転させながら、玉突きで、その後、第2庁舎、第3庁舎を解体してつくるということになります。こういった形でこれから設計、それから、施工が進んでいくということを聞いているところでございます。  スケジュールになります。まず、基本設計が今始まっているところでして、来年度、平成31年3月までかけて基本設計をすると。その後、実施設計が平成31年度ということになっております。この基本設計と、それと、実施設計の中で、まずユニバーサルデザインの検討会で、何かできないか今検討をしているさなかでございます。  では、次に20番「誰でも使えるトイレとベンチ等のあるまちの環境の整備推進」についてです。  近年、ロコモーティブシンドロームというような歩行に困難を抱える症状を持つ方がふえてきております。まちなかにベンチがもっと必要であるという考えのもと、今年度中に「座れる場づくりガイドライン」を作成する予定です。公共施設へのベンチなどの新設を促していく取組みを施策・事業として盛り込んでいくこととしております。  今、スライドのほうでもお見せしているところではございますが、やはりニーズがふえ続けておりまして、元気な高齢者の方でも外出の目的は買い物であるということなのですが、外出が週4回以下という方が結構多いということなのですね。毎年やっております高齢者ニーズ調査の中から見ていきますと、外出回数が減ってきているという傾向がありました。障害とか病気とかというわけではないのですけれども、15分以上続けて歩けないというふうに答えた方が10人に1人はいらっしゃったということですね。障害があるのかもしれないのですが、そうでもないかもしれません。ニーズ調査なので。そういう方が段々増えてきていると思われます。あと、いろいろまちづくりセンター等でのまとめにおいても、12地区で買い物や外出が困難だという声が上がってきております。やはり休憩できる場所、座れる場所があることで外出が容易になるのではないかというふうに言われておりまして、これは高齢化が進展するなか、座れる場所のニーズはますますふえていくだろうと考えております。  これらのニーズは、私ども区役所の高齢者福祉課で調べた結果なのですが、ではそれに対して何をやっているのかといったところでいきますと、高齢者の介護などに関するプランでは、普及啓発とかケア施設の整備はどんどんやっていきましょうということにしています。ここから先、役所の中、福祉領域と都市整備領域と分かれているところですが、まちなかの整備は都市整備領域の話になりまして、そういったことの話がまだ十分でないねといった状況がございます。  そこで、ユニバーサルデザインということで、まちづくりとして新たな取組みを検討しているところでございます。  まず、公有地におきましては、区の公共施設などでのベンチなどの設置を促すために「座れる場づくりガイドライン」というものをつくろうということで、できてきました。ちょっとこの後、お見せします。  あと、民有地におきましては、ベンチ設置の新規助成を行うことを検討しております。買い物のために出かけるニーズがやはり高いことから、主に商店街へのベンチの設置を促すということを考えまして、来年度からの予算に計上をしてきているところです。  ちょっとガイドラインをご紹介いたします。  こんな形で、こういう見開きのページになるのですが、「様々な場面における座れる場」というのを紹介しながら、「こんなベンチが置けるよね」というのを提案しております。  これは、公共施設の前の空間とか、公園とか、やはりいろいろな区民の方がまちを歩いていて「あ、ベンチがあっていいね」という場所をつくっていこうということで、イメージを提示しながらまとめています。  これは、つくる過程におきまして、職員が随分まちを歩きましてリサーチした結果まとめたのですけれども、例えば、この左側の「花壇の縁の休息空間」というのは、実は意外と花壇の立ち上がったところを座れるようにしているという事例がたくさんあったのですね。区のほうで積極的にやっている場合もあれば、地元で町会などが花壇の管理をしているという中で自主的にそういうふうにしつらえたいうこともありまして、こういった工夫もまちなかに座れる場をふやす工夫だね、という1つ、項目にまとめました。  あと「安全安心の歩行空間」というところでも、植栽ますを兼ねたものとか、「車をちょっととめないでください」みたいなものが、オブジェみたいなものが座れたりとか、こういうのもあるねという発見がありまして、そういうものを活用していこうということをこの中で提案しております。  このような中で、いろいろなパターンがありますねというところで、右側の「座れる空間の質を高める方法」といったこともまとめつつ、この中では、やはりただ「設置しましょう」と言われても、設置した後に苦情が来て撤去というパターンも実は区役所内にあるのです。それは、設置したのに「朝ガラッと窓を開けたら目の前にベンチがあって、人が座っていて、目が合って嫌だわ」という苦情が来たら、区役所はそのベンチを撤去せざるを得ないのですね。だから、そういったことがないようにといった注意事項も入れまして、長く愛される座れる場所をつくろうと、様々な工夫をここでまとめたところでございます。  あとは、基準というのが、ユニバーサルデザイン推進条例の中でも、公園や道路で座れる場をつくるときの基準がありますので、そこをちょっと抜粋して、これを基本的な数字等の確認ということで、そういったところも載せたものになります。  参考資料もつけて、実際の設計に活かせる内容にしてみました。  以上が、座れる場ということで、今回No.20で「誰でも使えるトイレとベンチ等のあるまちの環境の整備推進」ということで、その基本的な考えを今つくりつつありますので、それをさらに後期の計画では活かしていけるようまとめているところでございます。  あと、さらに24番 「ユニバーサルデザインによるおもてなしの普及」がございます。  こちら、今までも同じ項目であったのですが、前は「おもてなし」ではなくて、「接客・接遇の向上」としておりました。それを「おもてなしの普及」ということで、今回名称を変えております。  例えば、今、世田谷区で取り組み始めたことなのですけれども、外国人向けの接客マニュアルですね。外国の方がいきなりお店に来られるということが、いろいろなところで普通に起きるのが当たり前になってきました。では、どういうふうに対応したらいいのか、接客したらいいのかといったところで、東京商工会議所でこういったものをつくってきているところでございます。  まず、このステッカー、クリアファイル、パンフレットとありまして、ステッカーをお店に貼って、クリアファイルに、接客のノウハウをクリアファイルに書いて、店舗に配っているのですね。これをもとにうまく対応していこうということを広げつつあります。  これもクリアファイルに書いてある内容なのですが、指差し会話帳にもなっていますので、そういった場面でも使えるよということで、やっています。  これが単なるペーパーですと、お店に置いておくと消えていってしまうのですが、クリアファイルみたいな形でやって広めていきたいということで、今取り組み始めております。こういった取組みをユニバーサルデザインの施策・事業の中で位置づけていきたいということで、今回載せたところでございます。  今回、後期の計画につきまして、施策・事業の具体的なイメージということで、スライドを用いましてご説明をさせていただきました。  説明は以上になります。  八藤後会長 ありがとうございました。いろいろとご質問などもあろうかと思いますので、この後、その時間をとりたいと思います。  では、意見交換ということですが、ただ、議事進行に関してまずちょっと確認をいたします。  今期より、聴覚障害者団体の當間委員にこの審議会に入っていただきました。発言する際は、視覚的にも発言者がわかりやすいように必ず手を挙げていただいて、それで、私が指名をいたしますので、その後、発言していただくという手順を踏んでいただきますようによろしくお願いします。  それから、事前に意見を2つほどいただいているというふうに事務局から聞いております。ご説明お願いできますでしょうか。  都市デザイン課長 では、都市デザイン課長のほうから、2つご意見をご紹介させていただきます。今回は、當間委員と太田委員から事前にご意見をいただいております。  まず、當間委員のご意見です。  資料1−1、別紙3「共生社会ホストタウンについて」の資料についてということで、「心のバリアフリーに向けた取組み」というものが3の(2)にございます。こちらについてのご意見としまして、1点目が「児童・生徒への障害理解教育」で、「全区立小中学校・幼稚園で障害理解教育を推進」とあるが、聴覚障害に関する理解教育の実態を把握していますかというご質問。  それから2点目が、現状を踏まえ、推進計画(第2期)後期骨子(案)における「共生社会の視点をまちづくりに活かす」という部分で、今後どう障害理解教育を展開想定しているか説明してほしいということでございました。  1つ目の質問についてでございますが、教育指導課に確認をいたしましたところ、各校で障害者理解教育を行っており、全ての区立の小中学校で実施しているということですが、障害特性ごとの個別の把握まではしていないということでございました。ただ、各学校等でさまざまな方のご協力をいただきながら授業や総合的な学習の時間などを活用し、オリパラ推進教育等の視点もあわせて、今後も障害者理解教育を進めていくということを聞いております。  それから、2つ目のご質問についてでございますが、障害施策推進課に確認いたしました。小学生を対象に、手話についての啓発冊子の配布等について実施を予定しているということです。また、このユニバーサルデザイン推進計画(第2期)後期におきましても、骨子(案)を見ていただいておりますが、施策・事業として「ユニバーサルデザインを広めるイベントや講座の開催」を進めております。その中で、障害者理解も含めたユニバーサルデザインのまちづくりの普及啓発をしていく考えでございます。  以上です。  続きまして、太田委員からのご質問です。  嫌煙権、煙を嫌う権利ですね、嫌煙権とユニバーサルデザインについてということでご質問をいただいております。  まず、世界的な動きとしまして、オリンピックの開催都市では、受動喫煙の対策が強化されてきております。この動きに対応すべく、東京都そして世田谷区では取組みを進めてきております。  受動喫煙の防止は健康増進法第25条に定義がされておりますが、屋内での他人のたばこの煙を吸わされることを防止するために必要な措置を講ずるように努めることとしています。  東京都では、東京都受動喫煙防止条例、仮称でございますが、を平成31年を目標に制定するように取り組んでおります。これは屋内で不特定多数の利用がある公共施設や飲食店、未成年者が利用する学校などの施設を規制対象としています。  一方、世田谷区では「(仮称)世田谷区たばこルール」をまとめているところで、ことし中に条例化、現在のポイ捨て条例を改正する予定でございます。これは、道路や公園など屋外での禁煙を規定するものです。これらの取組みによって、世田谷区内では多くの場所が禁煙となります。  この動きに合わせて指定喫煙場所もふやしていくということで、区としては助成をしていくことを考えおりますが、その際、誰もが利用できる喫煙場所となるようユニバーサルデザインでの整備も必要になってくると考えております。  私からの説明は以上です。  八藤後会長 ありがとうございました。  それでは、ご意見をいただきました當間委員と太田委員ですが、ただいまの説明についていかがでしょうか。何かあればご発言ください。  當間委員、どうぞ。  當間委員 當間です。私から質問をしましたけれども、公立の小学校、中学校、世田谷区内は全体で80でしたか、多くの数があると思います。実際に1年間それぞれの小学校から世田谷区聴覚障害者協会に対して講師派遣の依頼があったのは、1年間で3校だけです。80もある中で3校だけの依頼なのです。ですので、ホストタウンを見るといいことが書いてありますけれども、本当にやれるのか、私は聴覚障害者の立場として、聴覚障害の特性について聞きましたけれども、全障害に関して本当にそのように進めていけるのか、お題目だけになってしまうのではないかと危惧しております。そういう意味もあったので質問しました。  実際には、区内での公立よりも私立のほうが積極的に取り組んでいる部分が多く見られると思います。例えば、宮の坂にある鴎友、1年間を通して手話指導をやっております。そういう立場についてちょっとおくれをとっているのではないかと思います。  また、講師の依頼を受けても、「予算がない。何とか安くできませんか」などという問い合わせもあります。仕方なく聴覚協会の負担でカバーして派遣しているような状況もあります。  それも含めて、ぜひ今後、慎重に考えていただいたいと思っております。  八藤後会長 どうもご意見ありがとうございました。今のことについては、直接担当部課のほうにお話しされることになると思いますが、事務局のほうで何かコメントがございましたらお願いします。  都市デザイン課長 都市デザイン課長です。今の當間委員のご意見を伺いまして、区立の公立の小中学校80数校あるのに1年間で3校だけということで、ちょっと私自身もそこは知りませんでしたので、今後、担当部署に今回のご意見をきちんと伝えてまいります。  また、私立の学校のほうが取り組みが積極的ということもありましたので、そういったところもどのような取組みをしているかということは少し確認していきたいと考えております。  庁内で連携をとりながら、こちらの共生社会ホストタウンの名に恥じないように、積極的に取組みを進めていきたいと考えております。  以上でございます。  八藤後会長 當間委員、よろしいですか。  あと、関連でご意見があるということで、稲垣委員、お願いします。  稲垣委員 日本大学の稲垣でございます。今のに関連してコメントをさせていただきたいのですけれども、共生社会ホストタウンということで、内閣官房がユニバーサルデザイン2020行動計画の中に2本柱として掲げている街づくりと心のバリアフリーを具体的に推進していく自治体として手を挙げたということだと思います。  その心のバリアフリーの中で言われていることは、障害をきちんと理解することはもちろん重要なのだけれども、それによって、前回も申し上げましたけれども、社会モデルをきちんと子どものころから理解すると。社会モデルという言葉が難しく聞こえるのですけれども、その言葉を云々かんぬんということではなくて、もちろんブラインドサッカーとかを体験して、「障害を持っているとこういうような生活を送るんだな」という、それでとまってしまったらだめなわけですね。それは単純に医学モデルの理解なので、それを踏まえた上で「では、私たちは何をしていこう」と、「一緒に共生して生活するためにどういう行動の選択が求められるのだろう」という社会モデルの理解というのをしないといけないということです。  なので、それをきちんと踏まえた上で学校教育をやっていかないと、ちょっと恥ずかしいことになりますね。そういった基本的な理念がありますので、ちょっと難しいというふうに結構事業者からも言われてしまうところがあるのですが、ここは行政としては、旗振り役としてきちんと推進していかないといけないのではないかなというふうに思うところです。  以上でございます。  八藤後会長 どうもありがとうございました。  事務局から聞いたのですけれども、この審議会の中で、前回の社会モデルという、障害を持っている人に責任があるというか、その人が何か改善をするということを求めるのではなくて、環境とか社会が変えて、障害ではない状態をつくるのだという、そういう話をされましたけれども、それがとても新鮮だったというお話が委員の中からもあったというふうに聞いております。  という、根本的なところを教育の場でやらなければ意味がないというふうに、今のご発言の趣旨はよろしゅうございますか。ありがとうございました。  事務局のほうで、今のことについて何か補足ございますか。  都市デザイン課長 今の稲垣委員のご意見も踏まえて、どういう行動を行政として行っていくかということを改めて計画のほうにも盛り込んでいければと思います。ありがとうございます。  八藤後会長 そうですね。文書として盛り込んでいただいたほうが残ると思いますので、そのようにお願いしたいと思います。  話がちょっと途中になっておりますけれども、太田委員のほうはよろしゅうございますか、先ほどの説明。  太田委員 太田と申します。私がたばことユニバーサルデザインについて皆様にちょっと考えていただきたいなというふうに思ったのが、ご存じのとおり、たばこを吸う方は、それはそれでその方のたしなみとしてよろしいのですけれども、今、たばこを吸わない人にとっては受動喫煙ということでもって、大変健康に障害が出ている。そのために、健康に障害があるだけではなくて、煙、それから、たばこのにおいが嫌で、卑近な例でいいますと、私なんかもそうなのですけれども、酒が飲みたくても居酒屋へ行けないところがあったりとか、それから、コーヒーショップなのですけれども、一応分煙をうたっていますが、相当煙、それから、たばこの嫌なにおいがしてきて、「行きたくないな」というようなことでもって。  いわゆるユニバーサルデザインの趣旨からしますと、私どものようにたばこが嫌いな人にとっては、そこでもって全く遮断されてしまっている。そのようなことをやはり、ユニバーサルデザインを考えるときには、テーマとして積極的に考えていくべきではないのかなということが1つございました。  ということは、今回、世田谷区はアメリカの選手団のホストタウンとして、今度そのような選手団の方々がこちらでいろいろ調整されたりするのでしょうけれども、私の見聞きしている限りでは、アメリカは一番たばこに対して厳しい規制を敷いている国です。そのホストタウンが、たばこについてはこういう規制をしているということをもっと積極的にアピールしていただきたいなというようなこともございまして、このような提案をさせていただいた次第でございます。  ユニバーサルデザインというのは、障害がある方だけではなくて、やっぱり我々日常的に「何でこれ入れないのだろう」というふうに腹立たしく思うところがありますよね。たばこを吸う人は吸う人で勝手なのですけれども、こちらは健康に障害があるものについてなぜつき合わされなければいけないのかと、その辺の視点をもう少し考えていただきたいなということがございます。  多くの国では、オリンピックを機会にかなりたばこに対しては規制をしています。外国を旅行された方はよくご存じかもしれませんけれども、外国で売っているたばこには「たばこは人殺します」と書いてあります。それぐらいのすごいものなのです。ですから、もう少したばこに対する規制の意識を持っていただきたいなということで提案させていただきました。  八藤後会長 ありがとうございました。たばこ自体がバリアをつくるぐらいの、そういう認識でいてほしいというふうにとりました。  きのうのニュースですけれども、厚生労働省案に対して自民党案のほうで、店舗が30平方メートルから150平方メートルに、かなり広い店舗になったということで、いわゆる後退しているわけですけれども、東京都のほうは条例を3月中に固めるという予定を6月に延ばしたと、整合性をとりたいということでということなので、整合性というのはどういう意味なのかわかりませんけれども。  区のほうは独自にまた取り組んでいるということですけれども、これはどういうスタンスになるのかなと、今突然で申しわけないのですけれども、わかりますでしょうか。  都市デザイン企画調整担当係長 今の受動喫煙の屋内に関しましては、世田谷区は、国、都の動きに合わせてやっていくということです。それだけですと、我々まちを歩くとき、外も歩くわけなので、屋外、ここは国や都が考えていないところなので、ここで道路や公園などでの禁煙というのをやっていくというスタンスでおります。  八藤後会長 わかりました。ということは、太田委員としてはまだ少し発言したいことがあるのではないかというふうに思いますけれども、まず、国のほうがどうなるのかということをちょっと見てからということもありますので。  ただ、この問題はユニバーサルデザインの審議会の中で扱うということは、大変私は適切だというふうに思っておりますので、今後ともこの話題を続けていきたいというふうに思っております。  それでは、ほかに皆様方から広く意見を。では、宇田川委員、お願いします。  宇田川委員 私は、普段高齢の方とか障害のある方とお出かけしたり、旅行に行ったりするのが仕事の一部になっております。今まで、300回以上とか、日本国内、海外を含めて行っているのですけれども、特に日本ですごく気になることが、「誰でもトイレ」とか、あと今、車椅子の方が電車に乗ったりすることは多くなってきているのですね、皆さん出かけることが多くなったので、それに伴って、乳母車を押している方もすごく多くなっています。  私たちは、車椅子の方を連れて電車を乗ったときには、ほかの方の邪魔にならないようにとか、すごく気をつけて電車に乗っています。ぶつからないようにとか、誰かの足を踏まないようにとか、いろいろなことを考えていますけれども、乳母車の方たちというのは意外と、どこでも、電車の中で置いてしまったりとか、あまり考えていないかなというのもちょっと考えられます。  特に言いたいのが、多目的トイレ、今「誰でもトイレ」というふうに言っているのですけれども、そういうところが多いのですけれども、本当に高齢の方、障害のある方というのは、おトイレを我慢することが大変な方が多いのですね。そこの多目的のおトイレしか使えないという方もたくさんいらっしゃいます、一歩も歩けないとか、一般のおトイレがドアが狭くて車椅子がもう、ドアも入らない状態のところも多いですし、そういう方のためにあることもわかっていただけたらうれしいのです。  現在、私が今までいろいろな経験をした中で、小さいお子さんを連れた方たちのお母様が多目的トイレに入ることがすごく多くなっています。それはもちろん構わないのですけれども、それで車椅子の方を連れていったりしても、中で遊んでいる声が聞こえたりとかすることもありますし、あと、普通の一般の方が中でお弁当を食べていたり、休憩してたばこを吸っていたり、それから、何かメールをするためにゆっくり座れる広いところという感じで入っている方も多くて、でも、私もその方をおトイレで早く連れていってあげたいから、始めは10分、15分待っていたのですけれども、それが待っていても出てこないのがわかったので、5分になり、3分になり、1分になり、もう着いたときに入っていたら、もうすぐノックをするように最近はなりました。  それで、そのときに隙間をめがけて、「済みません、車椅子の方が来たので、多目的トイレ、健常の方だったら早目に出ていただけますか、障害のある方や高齢の方だったり、ぐあいの悪い方だったら済みません」という形で声をかけるのですけれども。健常者の方に限って、まず、なかなか出てきません。それは、出にくいという気持ちもわかるのですね。だけど、そうではないのです。出てきたときに捨て台詞を大体吐いていきます、皆さん。「ゆっくりさせてくれたっていいでしょう」みたいな。「ほかのトイレ探しなさいよ」とか、そういう言葉が多いのですね。  あるときなどは、親子4人で入っていました。2人のお子さんは男の子と女の子で、お父さんもお母さんもいて、子ども2人とも歩けます。中に入って、お父さんと子どもはキャーキャーやって楽しんでいる声が聞こえるのですけれども、15分以上出てきませんでした。出てきたときにお母さんが「子どもがゆっくりおしっこできないでしょう」みたいに怒るのですけれども、私も車椅子の方で一歩も歩けない方を連れているので、「済みません、ご理解ください」と言ったのですけれども、それでもお母さんが怒るのですけれども、小さい子は、もう「ごめんなさい」という顔をするのですね。だから、もうお母さんに言ってもだめだから、小さなお子さんに「車椅子の方は普通のトイレに入れない方もいるのよ」と、「だから、今度、あなたはもう歩けるし、お母さんと2人で普通のトイレに行けるし、男の子はお父さんと2人で行けるし、ここしか使えない人もいるから、そういうのも理解してね」と、子どもに私は、ちょっと嫌味っぽく言いました。それでもお母さんは捨て台詞をしていって帰っていったのですけれども、そういうことが世界ではなく、日本で、特に東京で、しょっちゅう起こります。もう特に、どこどこの駅とか、いろいろなところで本当にあるのですね。  「済みません、4台車椅子の方がお待ちなのでお願いします」とかといって、本当になるべく丁寧に、丁寧に伝えているのですけれども、本当にいろいろな方がいて、こうやって小学生とか中学生に言っていくのもいいのですけれども、今、この乳母車とかを押していろいろなところに行かれるようになった世の中なので、そういうお母様たちにも、大人にもそういう理解を求めていくことも大事なのかなと思います。  八藤後会長 ありがとうございました。ただいまの意見に関して、何かある方がいらっしゃるのではないかなと思うのですが、よろしいですか。では、明石委員、どうぞ。  明石委員 NPO法人世田谷子育てネットの明石と申します。お子さんと親子の話が出たので、ちょっと一言意見を述べたいなと思います。  確かに宇田川さんのおっしゃるように、お母さんたち、出かける人がすごくふえていて、電車の中でもマナーを知らない方が多いなとかと思います。それは確かなことだなと思いますけれども、一方で、やはりベビーカーの方もいろいろな方から疎外されている経験を持っているので、攻撃的になってしまう。いつも批判されているとか、多分皆さん外出するときはすごく困難な思いをされているので、もっと社会が優しくなれば、その方もちょっと優しくなれるのかなと思いますけれども、だから、私たちは、そういった日常的に困っている方、全ての方が優しい気持ちになれるように、ユニバーサルデザインを進めていければいいのかなと思っております。  あと、先ほどたばこの受動のところで出たのですけれども、たばこがあるからお店になかなか入りたくても入れないということなのですけれども、親子連れの方もやはりお店には入れない。やはり店のほうも拒否をするとかということがあって、遠慮されている。一方で構わずに入る方も中にはいらっしゃいますけれども、海外では、やはり子どもはどこにいてもウェルカムな感じで、お酒を飲む席であっても、カフェであっても、やはり子どもというところのコーナーを設けたりして、子育てをしているお母さんや親子を尊重するような、そういった雰囲気がまちの中にあると聞いております。日本はそこがやっぱり足りないのかなと思っておりますので、お互いに優しい気持ちになれるような、そういったユニバーサルデザインを進めていけたらいいなと思っております。  八藤後会長 ありがとうございます。今、ちょっと宇田川委員の話にアンサーをした感じになっていますけれども、答えた感じになっていますが、ほかにその件でいらっしゃいますか。  それでは、鈴木忠委員、お願いします。  鈴木忠委員 視力障害者協会の鈴木と申します。きのうの夜のテレビ東京の「ガイアの夜明け」でも取り上げたように、バリアフリーというとやはり、こちらにも小島委員がいらっしゃるのですけれども、車椅子とかそちらのほうが、物理的バリアフリーのほうが目立つというか、そういうことがありますので、私どもも区のほうの代田の区民センター、それから、本庁舎の近くの合同庁舎とか、上馬地区会館とか、いろいろとつくるときには参加させていただきました。視力がない者、視力が弱い者の立場で、いろいろとサインの大きさ、色とかそういうことを含めて参加させていただいたので、今後、本庁舎の基本計画から細かい設計のほうにいったときも、こちらにお声をかけていただきたいと思います。  前に、二子玉川のときにも言ったのですけれども、実際に行ってみると、二子玉川は民間の施設だということもちょっとあったりして、もう一歩だなと。区役所のほうで、区のほうの施設の中でやっていただけるのが一番、まずはベターだと思いますので、近くは玉川支所の建てかえがあると思いますので、よろしく区のほうの関係部署とご連絡いただきたいと思います。  八藤後会長 新たなご意見ということでいただきました。  先ほどの、宇田川委員の話の関連ですか、小島委員。  小島委員 小島です。今いろいろとお話が上がっていましたけれども、それぞれの立場でそれぞれの問題があるかと思うのです。でも、なかなか残念ながらそれを知る機会というのが、どうしてもこういった特別な場でしかなかなかないというのが問題だと思います。  きょう、私も少し早く、9時半ぐらいに着いてしまったのですね。こちらまで来ようと思ったのですが、実はキャロットタワーのトイレを使いました。  2階に行きますと、トイレが使える状態であるのに鍵がかかっていてあかない。で、インターホンを押すのですね。そうすると、警備員の方が鍵をあけてくれて入ることができる。そんなふうに、あるのに使えない施設が、もしかしたら区内にもまだこんなにたくさんあるのかな、という感じがしました。  今こうして新しい計画を立てるときというのは、どうしても話が先へ、前へというふうに進んでいってしまうのですけれども、今区内にあるいろいろな問題を一度洗い出すということもとても大事なことのような気がします。  先ほど岡嵜さんのほうから20番の具体的な事例として「座れる場づくりガイドライン」というところに高齢の方のニーズの調査を反映しているという話がありましたけれども、多分ニーズを抱えているのは高齢の方だけではなくて、それぞれの立場、障害のない方も、高齢ではない方も、区民それぞれがいろいろなニーズを持っていると思います。なので、そういった方たちに、全ての方たちのニーズを極力拾い上げる、あるいは、区内に今あるいろいろな問題を一旦拾い上げて整理するということも、今だったらまだ間に合う気がするので、何か例えば目安箱とか、意見を積極的に集められるような場があると、より、これからつくり上げていこうとしている計画も豊かなものになるのではないかなという意見です。  以上です。  八藤後会長 ありがとうございました。確かにそれぞれの立場をちゃんと知る機会というのは、私たちでもそんなにはないですよね。そういうふうに思いました。  これは私の意見ということで扱っていただければと思いますけれども、トイレの問題ですけれども、実は、発達障害の人たちの集まりとか何かに行くこともあったのですけれども、トイレの中でお弁当と食べているとか、そういう人たちの中にかなり多くそういう方がいらっしゃるというふうに思います。  つまり、好きでトイレに行っているのではなくて、それに相当する落ちつける場所とか、騒音から逃れる場所というのがまちの中にほかにないからだというふうに思うので、そういう意味では、また解決方法は別のところにあるというふうに思いますけれども、やっぱり、そこから出てくると白い目で見られるというような発言をされておりました。多分、そのぐらいで抑えたのだと思いますが、何か悪い言葉を投げかけたかもしれないというようなニュアンスでしたけれども、そういうさまざまな方がいるというのも「そうなんだ」というふうに、日々新しく知ることばかりでございます。ぜひ、そういうのもみんなでちょっと出していただけるような場がもっとできるといいなと思います。  ほかにございますでしょうか。では、坂さんですね、お願いします。  坂委員 肢体不自由児者父母の会の坂と申します。私も肢体不自由の息子を生まれたときからずっと育てていて、外に出るのは必ず息子が一緒、車椅子が一緒という状態なのですけれども、やはり同じようにトイレではとても苦労をしていました。  やはり立場が違うと考え方も違うというのはとてもよくわかるのですけれども、やっぱり先ほど宇田川さんがおっしゃったように、家族連れでわいわいしているのが聞こえながら、「わあーっ」と言いながら外に出てくるというのはちょっといらっとする、本当にそういうことは多いです。  あとそれと、トイレだけでなくて、駐車場のスペースのこともそうなのですけれども、実際子どもを連れているときには駐車場は障害者用のスペースを使わせていただいていて、いつもあいているところにステッカーがあるからとめてもいいかなと思ったりしていることもあるのですけれども、やはりそういうところで、前回のときにも出ましたけれども、マナーというものがとても重要になってくるのではないかと思っています。  私は、ちょっと認識が違うのかなと思って、ネットのほうで調べたりしたこともあったのですけれども、みんなそれぞれに考え方が違うのですね。ですので、そういうところで統一した何かというものをみんなが知る機会というのを設けてもらえたらなというふうにとても思います。  それと、もう1個なのですが、駅なのですけれども、まだバリアフリーになっていない駅というのがとても多くあると思うのですね。そこのところには「駅員をお呼びください」と書いてあるのですけれども、動けない状態の子どもをホームに置いて、それで駅員さんのいるところまで行って、「上のいるのですけれどもお願いします」というふうに言ったりとかしなければいけなくて、そういう状態もなくしてもらえたらなというふうにとても思うことが多くあります。  あと、ごめんなさい、もう1点。2020のオリパラをすごく目標にして、今みんなで頑張っているところだと思うのですけれども、パラリンピックのほうに来られる障害者の方というのは、とても自分でいろいろなことができる人たちが来られるということが多いと思うのです。うちの子どももそうなのですけれども、体は動かない、知的にも重いという障害の人たちのことも、オリンピックでスポーツをやりましょう、スポーツを広めていきましょうという中に、もっと重い子たちもできることを少し、ルールを変えた状態で広めていってもらうこともできないかなというふうに思っています。  八藤後会長 いろいろな立場の方からお話いただけてよかったなと思っております。確かにパラリンピックのイメージというと、マスコミとかテレビなんかでもちょっと独特のアスリートのイメージがありますよね。あれではないのかもしれませんね、本当はね。そういうようなことも、この中で取り入れられる、そういう方ばかりではないのだというのも、2020年に向けて私たちはちゃんと考えていくべきだというふうにちょっと解釈いたしました。  このまままだ議論する時間はあるのですけれども、事務局のほうで、今までのところで何かコメントございますか。それとも、全部終わってからにしますか。どうしましょうか、最後にまとめてお話されますか。今、直接世田谷区に何か質問があるというものはなさそうでございますので。最後でよろしいですか。  都市デザイン課長 最後にまとめてでお願いいたします。  八藤後会長 では、議論を続けます。宇田川委員、どうぞ。  宇田川委員 先ほどはおトイレのことをちょっと1つ言ってみたのですけれども、それ以外にも、いろいろなところでも、エレベーターとかもそうなのですけれども、一応エレベーターのドアのところに、障害のある方とか高齢の方、妊産婦の方とか、けがをされている方優先でお願いしますというシールとかがよく張ってあるのですけれども、大体どこに行っても、駅のホームでもどこでも、大体健常者が、車椅子の人が後ろにいても、乳母車の人が後ろにいても、まず健常者の人がばっと乗って、みんなで一斉にこっちを見るのですよね。それで「乗るなら早く乗りなさい」みたいな目でみんなでじろっと見られると、乗りたくても乗る場所がないし、無理だよねというので、私たちは、普通の一般の私たちが出かける時間、目的地に行くまでの時間よりも、近ければ30分、ちょっと遠ければ1時間、もっと遠ければ2時間ぐらいの余裕を持って出かけるのですね。そのぐらいのことをして行くのですね。羽田に行くにしても2時間ぐらいの余裕を持って行くとか。  それはなぜかというと、エレベーターになかなか乗せてくれない、3台ぐらい待たないと乗せてもらえないのが今の現状なのです。そういう一般の人たちの気持ちを変えていく。子どもとか、小学生、中学生だけではなく、いろいろなことを踏まえて、一般の大人たちにも、みんなも忙しいかもしれないけれども、お互いさまだし、自分だっていつ車椅子の生活になるかもわからない、障害者になるかもわからない、自分だっていつか年とっていくのだからお互いに気をつけようというのをいろいろなことを含めて、今の大人にも言わなければいけない時代なのかなということを言いたかったのです、済みません。  八藤後会長 ありがとうございます。大変わかります。もっと、ごくごく基本的な話なのですよね。ユニバーサルデザインとかという以前のところなのですよね。  でも、それも含めてユニバーサルデザインの議論の中でこれからもどんどんやっていきたいと思いますし、また、広くたくさんの人に知っていただくということが大事だと思いますので、お互いの立場なり、考え方で発言をどんどんしていただけたらというふうに思います。  どうぞ、明石委員。  明石委員 明石です。先ほど一般の方々の教育みたいなところが必要だなと、私もそのように感じます。  どこから始めるのかというのがやはりいろいろ、小学校になってから、中学校になってから、大人になってから、いろいろあると思うのですけれども、私が一番チャンスがあるのは、家庭でお子さんが生まれたときだと思うのですよね。それまで普通に生活された方が、子ども1人できただけで、ベビーカーを押してちょっとの段差も上がれないことに初めて気がついて、「道路にはこんな段差がいっぱいある」と。先ほど階段でお子さんを下に置いて駅員を呼びに行くと、それもベビーカーで階段を上るときに、2人いたら、1人を置いて、1人ベビーカーに乗せてとか、すごく困った思いをするので、「そうか、ほかにも困った人がいるんだな」という再確認をしたりとか。あとは、先ほど言われたエレベーターに乗れないだとか、子どもができて初めて世の中にこんなにバリアがあるのだなというのを気づくので、その気づいたときが私すごくチャンスだと思っているので、そこで丁寧に、何かそういった方に呼びかけて、世の中にはこういういろいろな見えないところがあるのですよというのを伝えていく機会が今後できたらすごくいいなと思いますし、お子さんが大きくなったときに、助けられた経験をした人は、やはり優しくなって「どうぞ」という言葉が多分出てくるようになると思うので、チャンスといったら私は、子どもが生まれた家庭のその時期がチャンスだなといつも考えております。  八藤後会長 ありがとうございます。「そうか」と今、改めて思いましたけれども、當間委員、ご意見ございますようですが。  當間委員 當間です。細かい部分でいろいろあると思うのですけれども、今の話をお聞きして1つ思ったことがあって、先ほどの小島さんのお話で、トイレを使うために、チャイムとか、聴覚障害者はどうするのか、会話なんかも聞こえないわけですね。  私は京都生まれなのですけれども、京都市の交通局では、地下鉄の改札口のところに2カ所あって、1つは無人の改札。障害者の人は、そこの改札を使うときにはチャイムを押す。そして、職員との会話をしてくださいとあるのです。聴覚障害者はどうするのかな、押しても会話ができないわけですね。「わかりました。カメラをつけます」というふうに言ってくれた。聴覚障害者はそんなことは求めていないのです。カメラがついたって何もできないのですね。  そういうことが、いろいろ例があると思うのですが、今回も、この前、区から、火事警報の警報器のそういう話があって話し合い中なのですけれども、その場合、区が初めて説明していただいたのは、国のほうのガイドラインがあります。それに基づいて整備をしていくというお話があったのですけれども、私のほうから、ガイドラインがあっても、実際に聴覚障害者が見てわかるかどうかの検証をしていただきたいという意見を出しました。そのときに、「反応が必要です」と言われたのですね。「必要です、もう、とても必要です」とお願いしました。実際に、機会をつくっていただきました。その結果どうなったかといいますと、健常の人でも、聞こえる人でもわかりにくい、気づきにくいという声が上がりました。聴覚障害者としてもわからない。聞こえる人でも気づきにくいということがわかりました。  先ほど鈴木委員のおっしゃったことも同じです。トイレとかの問題でもいろいろあると思うのですけれども、今までさまざまな立場の人の意見がありましたが、なかなかそれが届かない。  まず、最初に区が進めて、そちらが決めて、こちらが言ってもなかなか、決まったことなので、いろいろなかなか変わらないということが多かったのですね。必ず今後は、このユニバーサルデザインの基本的な考え方で、まず、さまざまな立場の意見を聞くことを、まず始めていただきたいと思います。  まとめられなくて申しわけありません。  八藤後会長 ありがとうございました。とても基本的なところで、ご意見をいただきました。  世田谷区では、区の施設などについては、必ず当事者の意見とかを聞いて、評価を受けるというようなことを今までもやっていますし、そういうよいモデルなどがあれば、国などに対して、そういった例を紹介するとか、あるいは、それが必要なのだという事例にもなると思いますので、そういうのも利用していただければいいのではないかなと思います。  稲垣委員 日本大学の稲垣です。今、八藤後会長のほうからいい事例というような話があったのですが、今、成田空港で私ちょっとお手伝いしておりまして、今まで何十年も増改築を繰り返してきたかなり物理的な制約条件の高い空港です。これからオリパラを迎えるに当たって日本の顔になるわけですから、きちんと世界トップレベルの水準でUDを進めていくというようなことを打ち上げて基本計画を考えています。  ここでいい事例が何かというと、とにかく当事者を参加させて議論をしています。なんと、今年度、今まで12回ぐらいの会議を持たれていて、1回の会議の時間が5時間とか6時間なのです。今まで80時間近くの議論しているのですね。  空港であるという規模の大きさと、特殊性はありますよ、あるけれども、僕が言いたいのは何かというと、きちんと当事者がその場で参加していて、視覚障害、聴覚障害、車椅子の方、知的、精神、発達、もう全員入っています。そこに管理者、事業者側も全員入っています。その場できちんとお互いの理解が促進されています。  これは、障害理解というと障害を持っている方の状況を理解するというふうによく思われるのですが、障害者同士の理解もなかなか促進されていないところがあります。なので、トレードオフの関係が出てきますので、そういったようなところできちんと、どこまでだったらオーケーなのか、ここまでじゃないとだめだというような、幅がありますよね。その中で、お互いにそれを共有し合うことによって、違う障害をお持ちの方の同士の理解も進んでいくわけです。  そういったような場も、本庁舎の建てかえというのは新たに始まるわけですから、非常にチャンスなわけですね。だから、その大きなチャンスをこういう障害の理解だとか、あとは、障害者同士の理解みたいなものの絶好の機会として使っていただきたいと思います。  なので、バリアフリーチェックだけではだめなのです。今お話があったように、でき上ったものに対して「さあ、どうですか」だと、もうしつらえてしまったから変えられません、みたいな話になるわけですから、なので、きちんと最初からそういったような議論を、別に80時間やれとは言いませんよ、そこはきちんと情報共有できるような場が必要なのかなと思います。  あとは、ハードでなかなか対応できないことというのはいっぱいあるのです建築物だとかの中で、それはわかります。そのハードで対応できないときに、ソフトに逃げているだけではだめなのですね。なので、ソフトで一応そこは、人的支援とかで対応するのだけれども、そこでインターホンが使えないとか、「何で私は子どもが置いてばたばたしないといけないんだ」という、ソフトとハードが全然リンクしていないところがあるので、そういったところもきちんと、ソフトをきちんとサポートするハードのあり方みたいなことをちゃんと考えていかないといけないのかなと思います。  最後ちょっと一言だけ言いますけれども、この本庁舎に関しては段階的に整備をしていくとご説明がありましたけれども、そのときに、例えば、誘導ブロックで視覚障害者が変なところに誘導されてしまったりだとか、動的にどんどんルートが変わっていくときのサポートのあり方は、これはちゃんとしておかないと、この2、3年間ずっと苦しむ人が出てくる可能性があるので、工事期間中もそういう問題というのをきちんと丁寧にチェックしておく必要があるかなと思います。  以上です。  八藤後会長 ありがとうございます。80時間と聞いてびっくりしましたけれども。  引き続き、どうぞご意見を伺いますけれども。  では、中山委員、お願いします。  中山委員 中山です。まず、質問なのですけれども、ここの施策の取組み内容という具体的な文言に対する議論というのは、この場でするべきことではない。いいのですか。  八藤後会長 してください。  中山委員 それでは、15番の「安全な歩道づくり」のところでございます。  これ、道路の危険というのは、むしろといいますか、歩道のないところというのは歩道のあるところよりも危険なわけでございますので。今、ところどころで歩道が改善されて、スペースがあると歩道ができて、スペースがないところで途端に歩道が切れてしまうというようなことになると、もう私みたいなちゃんと歩ける人間でも、そこで急に怖くなります。そんなのが実情なわけなので。  歩道を改善するということは必要ですけれども、既存の設備、既存の道路といいますか、そういうものとの関連もよく考えて議論するのだということをぜひお願いしたいと思います。  具体的には、例えば、歩道のないところの誘導ブロックをどうするかとか、それから、ここには歩道があるけれども、少し先で歩道がなくなりますよというサインをするとか。そういったような、歩道のない現在の道路のことをもっと大事に考えるべきではないかというふうに考えます。  ですから、ここに文言としては「既存の構造物に対しての配慮を十分考える」というような文言が入るといいのかなというふうに思いますけれども。  八藤後会長 ありがとうございます。圧倒的に既にある既存のもののほうが多いわけですから、そういうところも見直しをしなければ意味がないということだと思います。  また、こういう一つひとつの施策に関する細かいご意見などは、また後ほど事務局からお話がありますが、2月にまた3グループに分かれた分科会がありますので、そのときにもご発言いただけますし、また、その後、全体会のときでもどうぞご発言いただければというふうに思います。  引き続きご意見を伺いたいと思います。では、柏委員、お願いします。  柏委員 柏です。私は、ちょっと20番の、先ほどあった、だれでも使えるベンチ等の環境整備なのですけれども、私も北沢で商店街の理事長をやっているのですけれども、地元の住民の方の要望があって地域にベンチとかをつくったのですけれども、ベンチをつくるのは私、大賛成なのですけれども、そのベンチをつくった後のケアというのが大変問題になっていまして、下北沢の駅前という特性もあるのかもしれないのですけれども、休憩する方がものすごい多くて、その後のごみの問題というのが大変多いのですね。  毎日町会の方と商店街の方とで清掃しているのですけれども、たばこの吸い殻だと、多いときなんて100本以上あったり、缶かペットボトルとか、お弁当を食べてそのまま残してしまう、そういうのが大変多くて、それをさらに、町中なので、事業系のごみなので、「有料で自分たちが出してください」と区のほうに言われたのですね。今は結果的にいろいろ交渉して区の方が持っていってもらえるようになったのですけれども。これを推進していく上で、民間の方にお願いする中で、ベンチをつくるということを補助しても、その後のケアを区のほうでしっかりしていただかないと結局撤去になってしまうということが考えられるので、ぜひそういった、つくった後のケアというのもぜひ区のほうでしっかりしていただきたいなというふうにお願いいたします。  八藤後会長 ありがとうございます。  では、引き続きまして、どうぞご発言。  鈴木忠委員 今のベンチに関してなのですけれども、下北沢のところは存じ上げないですけれども、経堂のところは商店が、パン屋さんとか、お店の前のとか中とか、やっていると管理がしっかりしていました。何回か私どもも使わせていただいたことがありますので、ですから、ほかの、下北を含めて何かあるときは、ベンチを設置したところがちゃんと管理できる方がいらっしゃればいいと思います。  八藤後会長 それは、お店の方が自主的に管理されているのでしょうかね、それとも。  鈴木忠委員 そうですね。下北沢のパン屋さんとか、何カ所かそういう形で、ご自分の店の前にベンチを自分でつくったのではなくて、ベンチづくりの計画の中で、そこのお店の前に設置したらちゃんと責任を持って管理していただいている。ほかにも、経堂だけではなくて、その界わいに5カ所ぐらい座る場所があったと思いましたけれども。  八藤後会長 そうですか。どうもありがとうございます。そういう管理もどこで誰がやるのかということをきちんとした上でやっておかないと、誰かにまた迷惑がかかるということもあるのだと思います。どうもありがとうございました。  残り時間が少なくなったのですが、どうぞご意見を。では、お願いします。  齋藤副会長 齋藤です。私は第1部会に入っているのですけれども、今、特に新しい委員の方々から意見をいただいた内容というのは、ほとんどこの1番、2番、3番ぐらいの、あと、4番、5番も括弧入るみたいな感じだと思うのですね。  今回は、今まで第1部会でやっていた項目のところをぎゅっと一緒にして、数は少なくなっていて、私はこのことに対してはいいことだと思います。ばらばらに取り組むよりは総合的にやったほうがいいよねといって、いつも第1部会ではそういう意見になっておりますので、それを踏まえてもいただいているのかなと思います。  ただ、今のこの案の中に入れるとしたら、NPOや市民団体と一緒に取り組んでいくということをもっと強く書いたらいいのではないかなと思います。  全施策・事業と連携して実施するということは、この一言はすばらしいのですけれども、すごい困難なことで、限られたマンパワーでやっていくというのは無理なのですよね。こんなにたくさんの課題が出されておりますので。  例えば、こういうユニバーサルデザインに内容的に関心を持っていただいているところだとか、実際にもう既に取り組んでいらっしゃるところというのはたくさん既にあると思いますので、そういったところと一緒にやることでどんな効果的なプログラムがつくれるのかというのも、どこかで真剣に考えられるような、そういう機会があるといいなと思います。  特に、1番目の「ユニバーサルデザイン生活スタイルの普及」のところと、2番目の「イベントや講座の開催」のところは、各関係課、区役所内との連携というのはもう言うまでもなくもちろんのことなのですけれども、市民団体や区民の人たちといかに一緒にできるかというのもぜひ考えていただければと思います。  それから、前回にも出ていたのですけれども、若い人とか外国人の人とも一緒に取り組むものをふやしてほしいよねという話なのですけれども、小中学校というのは区立の施設なのでいろいろな連携もやればできるのではないかということもありますけれども、先ほど當間委員からご意見出ましたけれども、私立の中高で特色ある教育として取り組んでいらっしゃるというような、そういうところももちろんあると思います。それから、高校や大学は、これは世田谷区にもすごくたくさんありますので、一度ヒアリングなり、アンケートというのですかね、そういうようなのも協力していただけるのならば、せっかくですからこの後期に向けて調査をするということも、ぜひやれることの1つに挙げていただきたいなと思います。  特に大学なのですけれども、うちの大学は世田谷区内になくて小平市なのですけれども、でも小平市さんとの連携というので、ユニバーサルデザインという名前ではないのですけれども、障害がある人たちとの取り組みという事例を継続的にふやしている努力をしています。そういうことをもしかしたらこちらが知らないだけでやっている区内の学校や研究室などあるかもしれませんので、ぜひそういうところもキャッチできればいいなと思います。  例えば、大学でもノートテイクの人だとか、それから、簡単な介助だとか、そういうことは学生ボランティアを募ってやっていたりするのですけれども、これは各大学どこも同じではないでしょうか、どうですかね。ただ、ボランティアを学内で募ると、やはり非常に少ないのですね、残念なことに。だけれども、そういうものに手を挙げてくれる学生は、高校のときに何か福祉的な体験をしたとか、中学のときに授業体験でどこどこに行ったことがあるとか、何かやっぱりそういうきっかけ、引っかかりがある人が多いような気がします。  ですから、小中学校での取り組みというのは決して無駄ではなくて、続けなくてはいけないと思いますし、そこで得られた経験は、高校だとか大学だとか、それから、社会人になってもそれが生かせるようなチャンスというのはきっとあると思うので、この施策の1番、2番のところでも、そういういろいろな主体と結びついていけるような努力ができるといいなと思いました。  あと、見せていただいた動画3本は、1日で撮影したのですかね。すごい頑張ってやっているのだなと思いました。もっとたくさんのエピソードがつくれそうな感じですね。きょうのこの会議の中だけでも取り上げたいネタというのはたくさんあるということがわかりましたので、ぜひぜひ、この1の中で取り上げられるような、それから、一緒にできる仲間をふやせるようなものにしていただければと思いました。  八藤後会長 まとめて幾つかご意見をいただきました。ありがとうございます。  そろそろ時間なのですが、もうお一方、では、どうぞ、お願いします。  太田委員 先ほど稲垣委員から成田空港のお話がありましたけれども、今度世田谷区では、庁舎を新しくされるということでございますね。今までの庁舎というのは、高名な建築家がつくった庁舎で結構名前が知られておりますけれども、今度つくるとしましたら、これは先端的なユニバーサルデザインを考えた庁舎だということを1つの新しい庁舎の売り物として、全国の自治体から見学に来るぐらいのユニバーサルデザインに配慮したものをつくっていったらいいのではないかなというふうに思います。  そのためには、先ほど當間さんとかいろいろな方からご意見がございましたけれども、そういったご意見を80時間とかというような長時間のいろいろなお話を落とし込みながら、「これは、すごいユニバーサルデザインについて考えられた庁舎」だと、それが1つの世田谷のレガシーにもつながってくるのではないかと思うのですよね。ですから、そういう視点でユニバーサルデザインというのを考えていきたいなというふうに思っております。  そのためには、なかなかこれどんな方にも満足いくということはできないのかもしれませんけれども、「さすが世田谷区、やりましたね」というような、ユニバーサルデザインの先端的な庁舎を建てたらすごいなというふうに、個人的には考えております。  八藤後会長 ありがとうございます。まさにちょっとそれに関しては、この審議会は結構責任があるのではないかなというふうに思っておりましたけれども、まさに今おっしゃられているような、モデルになるようなものを目指していただきたいなというふうには思いますし、いただきたいと言うと他人事のようですけれども、私たちもそれに協力したいと、また、させてくれと、そういうことですよね。  では、ちょっと議論が尽きないとは思うんですけれども……。  一言ですか、はい、どうぞ。  稲垣委員 日本大学の稲垣です。たびたび済みません。一言で終わらせますので。  24番と25番の、このいわば「おもてなし」とか「研修」といったようなことでちょっと一言なのですけれども、これは、おもてなし頑張りましょうとか、研修して当事者に必要に気づきましょうとか、理解しましょうというところで大体終わってしまうのですけれども、私はその次が重要だと思っていまして、きちんとおもてなしをした人、研修を受けて実践をした人を褒める仕組みが必要なのではないかと、頑張って実践した人にはフィードバックしてあげるということです。  そうすると、人間はやっぱり褒められるとやる気が生まれますので、モチベーションが高まるので、そういう、おもてなしを受けた方々がきちんと、職員の方々であるだとか、商店が方であるだとか、交通事業者の方々にフィードバックをして、ちゃんと評価をしてあげるということをやってあげると、この事業評価につながっていくのではないかなと思いました。  以上でございます。  八藤後会長 ありがとうございました。それでは、よろしいでしょうか。  では、まだ尽きないとは思いますが、ちょっとこれで一旦議論をきょうは締めさせていただきたいと思います。  台本では私が今までの議論のまとめをするとなっておりますけれども、とてもちょっとまとめきれなくて申しわけないのですけれども。というのは、一言でまとめてしまうと一つひとつの、せっかく貴重な意見が出てきたのがちょっと薄れてしまいますので、という言いわけをして、このまま事務局のほうに返していただいて、ちょっときょうの議論につきまして事務局のほうから一言いただいた上で締めたいと思います。事務局のほうでよろしくお願いします。  都市デザイン課長 ありがとうございました。熱心なご議論、いろいろな方がいろいろなご意見をくださって、私どもも新しい計画に向けて身の引き締まる思いでございます。  ちょっとまとめというか、私もまとめきれる自信がないのですが、今まで伺った話で幾つか論点を申し上げたいと思います。  1つ目がたばことUDのお話ということで、これまでたばこというのは全くこのUDの中で触れたことがなかったので、今後どういうふうに取り扱っていくかというのは引き続き検討させていただきたいと思います。  それから、宇田川委員をはじめ、車椅子の方、聴覚障害の方、視覚障害の方、いろいろな立場の方からのご意見が出まして、小島委員からそれぞれの立場でそれぞれ問題があるけれども、それが共有できていないのが問題だということがありましたので、そういうものを共有できる機会というのをどういうふうにつくっていったらいいのかというのを考えていきたいと思います。  また、区のほうで拾い切れていないニーズがあるのではないかという問題提起もいただいたので、そういった意見を集められる機会というのをどのようにつくっていくか考えていきたいと思います。  それから、あとは明石委員のほうから、お子さんが生まれたときというのが社会に関心を持っていただく機会になるということで、そういうタイミングを捉えて、やはりユニバーサルデザインとか、心のバリアフリーとか、優しい気持ちで接していくということを伝えていくということが必要だということを伺っております。  あと、當間委員の光警報装置のお話がございましたけれども、私どもも実際に當間委員と施設営繕課の職員と都市デザイン課の職員、あと、災害対策課の職員で、光警報装置を実際に仮りてつけてみてどんなふうに見えるのかというのをやってみました。「これではちょっとわからないね」ということを体感しつつ、あと、當間委員の「聴覚障害者にとってはこの光だけが頼りなのです」という生のご意見、当事者参加をしていただいたことで、やはり職員もかなり考えるところがありましたので、そういう当事者に参加していただいて、皆さんで考えていく、それから、当事者同士の理解を深めていくということも必要だということが今回の問題提起だったと思います。  あと、各施策の取組みについてはそれぞれいただいておりますので、歩道ですとか、ベンチのケアですとか、そういったところは引き続き書き込みをしていきたいと思います。  あと、齋藤副会長のほうからございました、区で全部やろうとしないで、NPOや市民団体と連携して、あと、大学と連携してやっていくということも、ぜひ入れていきたいと思います。  あとは、太田委員からの本庁舎整備はよい機会ということで、レガシーになるように、最先端のUDになれるようにというところで、本庁舎整備の部署とも協力しながらやっていきたいと思います。  それから、おもてなし、研修だけで満足しないで、終わった後に実践した人を褒める仕組みと、フィードバックする仕組みというところも考えていきたいと思います。  部長、何か補足がございますでしょうか。  都市整備施策部長 渡辺です。いろいろな立場の方々の理解というのは、私も含めてなかなかできていないというのは本当に感じました。  今回ユニバーサルデザインということで、一言で言っている部分はありますけれども、そのユニバーサルデザインのいわゆる理念、この部分というのはなかなか我々職員もきちんと把握、理解できていないというところはすごく感じております。ユニバーサルデザインの推進計画をつくるときの、いわゆる理念というところは、単に社会におけるさまざまな、いわゆるバリアをなくすというところにとどまらず、全ての人々が基本的な人権が尊重されて、その中でみずからの意思で行動をするということをうたっていたと思います。そういう中であらゆる分野のところで活動に参加して、そういった全体でつくっていく社会を目指すというところを掲げておりますので、皆様方からいただいたご意見を踏まえて、この後期計画の中でもう少し深めていかなければいけないというふうに思っておりますので。  本当に幅広くいろいろなご意見をいただいたということで、私自身も非常に勉強になった思いでございます。計画の中にできるだけ、今、課長が論点の部分を申し上げましたけれども、そういった趣旨のところを整理をしていって、できるだけ反映できるよう、また、取組みを進めていけるよう、全庁的なところの中でも、私ども所管のほうから発信もして取り組んでまいりたいというふうに思います。引き続きいろいろなご意見等いただければ幸いでございますので、よろしくお願いしたいと思います。  八藤後会長 どうもありがとうございました。部長さんが言われたとおりで、もっともでございまして、私も何でも知っているような顔をしてここに座っていますけれども、実は毎回「へえ」という、初めて知ったというようなことがたくさんございます。どうぞ、この議論を続けていければいいなというふうに思っています。  それでは、きょうの議題をこれで終わりということで締めさせていただきます。 ―了― 1