世田谷区ユニバーサルデザイン推進計画(文字量は少な目です) 以下は区長あいさつです。 は じ め に 世田谷区では、昭和56年の国際障害者年を契機として、「世田谷区福祉のまちづくりのための施設整備要綱」を定め、区民、事業者の皆さんとともに、様々なまちづくりの活動を通して生活環境の整備に取り組んできました。 さらに、平成7年には世田谷区福祉のいえ・まち推進条例を制定し、この条例に基づき、平成11年に福祉的な配慮の行き届いた環境整備を推進するため、「世田谷区福祉的環境整備推進計画―バリアフリー世田谷プラン21」を策定し、施設のバリアフリー化や推進地区の指定による面的な整備などを進め、一定の成果を上げてきました。 こうした取り組みを一層推進し、誰もが安全で安心して住み続けられるまちを実現するため、世田谷区福祉のいえ・まち推進条例をさらに発展、充実させ、ユニバーサルデザインの考え方を基本とした、「世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例」を平成19年に制定しました。このたび、この推進条例に基づき、生活環境の整備に関する施策を総合的、計画的に推進するため「世田谷区ユニバーサルデザイン推進計画」を策定いたしました。 本計画は、「バリアフリー世田谷プラン21」の理念を引き継ぐとともに、年齢、性別、国籍、能力等にかかわらず、高齢の方や障害のある方などできるだけ多くの人が利用しやすい生活環境を構築していくというユニバーサルデザインの考え方をもとに、区と区民、事業者、関係団体が協働して取り組みを推進していくための具体的な計画です。区は、この計画の着実な実施に努め、「いつまでも住み続けたい『魅力あふれる 安全・安心のまち世田谷』」の実現をめざしてまいります。 最後に、この推進計画の策定にあたり、貴重なご意見をお寄せいただきました区民の皆様、熱心にご審議いただきました世田谷区ユニバーサルデザイン環境整備審議会の委員の皆様に、心から御礼、感謝申し上げます。 平成21年3月 世田谷区長  熊 本 哲 之 この計画は第1章から第4章までで構成されています。すべての目次は次のとおりです。 第1章 推進計画の趣旨              1 推進計画策定の背景  2 推進計画の趣旨  3 計画の位置づけと期間 第2章 ユニバーサルデザイン施策に係る現状と課題  1 区と区民、事業者及び関係団体の役割 2 気づきと思いやりの心を育てる環境づくり 3 区民の声を反映する計画策定プロセス 4 だれもが利用しやすい施設整備 5 地域のまちづくり 6 ユニバーサルデザインによる情報とサービスの提供  第3章  計画の目標と基本方針 1 計画の目標                          2 基本方針                          3 施策の体系                          4 施策の概要                          5 個別の施策内容                       第4章 推進体制                          1 施策の進行管理を行う体制づくり   2 推進地区における協働の体制づくり 以下から、第1章を説明します。第2章以降は、別ファイルになっていますので、そちらを検索してください。 第1章 推進計画の趣旨 の目次              1 推進計画策定の背景  2 推進計画の趣旨  3 計画の位置づけと期間 第1章  推進計画の趣旨 1  「推進計画」策定の背景                             世田谷区は、昭和57年より区民、事業者、関係団体と協働して、社会の様々な障壁(バリア)をなくす施策を進め、平成7年に「世田谷区福祉のいえ・まち推進条例」(以下「いえ・まち推進条例」という。)を制定しました。 その後、私たちは経験したことのない少子高齢社会、人口減少社会を迎え、世田谷区でも、これまでの歩みをより強く確実なものにし、さらに年齢、性別、国籍、能力等にかかわらず、すべての区民が可能な限り、公平に社会参加し、自立できる生活環境の実現が求められるようになりました。 こうした状況の中で、ユニバーサルデザイン※1 に基づく取り組みを推進し、社会における様々な障壁をなくすにとどまらず、すべての区民の基本的人権が尊重され、自らの意思で行動し、あらゆる分野の活動に参加することができる社会を築くため、平成19年に「いえ・まち推進条例」の理念を継承して発展させ、新たに「世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例」を制定しました。なお、この条例の制定に伴い、「いえ・まち推進条例」を廃止しました。 本計画は、「世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例」に基づいて、「世田谷区ユニバーサルデザイン推進計画」(以下「推進計画」という。)として新たに策定しました。 ※1 ユニバーサルデザイン ユニバーサルデザインとは、年齢、性別、国籍、能力等にかかわらず、できるだけ多くの人が利用しやすい生活環境にする考え方です。 区では、ユニバーサルデザインに基づいて、公共的施設及び住宅の構造、設備等並びに情報及びサービスの提供について適切な措置をとり、生活環境の整備を進めて行きます。 一方、これまでのバリアフリーの取り組みは、高齢者や障害者等が生活を営む上での様々なバリア(物理的、制度、文化・情報、意識など)のすべてを取り除くことを目的としていました。 バリアフリーの取り組みをさらに一歩進め、あらかじめ多様なニーズを想像し、「バリアを最初から作らない」、「どこでも、だれでも、自由に、使いやすく」というユニバーサルデザインに基づいて、様々な施策に取り組んで行きます。   2  「推進計画」の趣旨                                推進計画は、世田谷区福祉的環境整備推進計画「バリアフリー世田谷プラン21」の理念を引き継ぐとともに、ユニバーサルデザインによる情報とサービスの提供というソフト面での取り組みも掲げました。 「バリアフリー世田谷プラン21」における理念(計画の目標)は、 ・みんなでつくるバリアフリーの“いえとまち” ・心のバリアをなくし、みんながやさしくなれるまち ・みんなが“歩ける・入れる・乗れる”まち の3点です。 新しい推進計画は、すべての区民が個人として尊重され、共に支えあいながら、将来にわたって活力に満ちた世田谷をつくりあげていくため、区と区民、事業者及び関係団体が協働しながら、だれにとっても利用しやすい生活環境の整備を推進していくための具体的なものです。 3  計画の位置づけと期間                             3−1 計画の位置づけ 「推進計画」は、世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例第7条第1項を根拠とし、区の基本構想を踏まえ、各種計画と連携しながら、世田谷区基本計画の将来目標「魅力あふれる 安全・安心のまち世田谷」を実現するために、ハード、ソフトの両面から、生活環境の整備に関する施策を総合的かつ計画的に推進していくための基本的な計画です。 図の説明 世田谷区基本構想の下に基本計画があり、さらに実施計画に繋がります。 その他の計画はとしては、 世田谷区地域保健医療福祉総合計画 せたがやノーマライゼーションプラン(世田谷区障害者計画) 世田谷区高齢者保健福祉計画 介護保険事業計画 世田谷区交通まちづくり基本計画 世田谷区第二次住宅整備後期方針 世田谷区産業振興計画      などが挙げられます。 世田谷区ユニバーサルデザイン推進計画はこれらの計画と連携しながら進めていきます。 その他、国・都の法令・条例や施策として、障害者基本法、ユニバーサルデザイン政策大綱、バリアフリー新法、東京都建築バリアフリー条例、東京都福祉のまちづくり条例があります。 また、世田谷区の条例として、世田谷区高齢者、障害者等が安全で安心して利用しやすい建築物に関する条例(通称世田谷区バリアフリー条例、説明 整備義務の条例)、この推進計画の根拠条例でもある世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例があります。 3の2 計画に定める事項 本計画は、「生活環境の整備に関する目標」、「生活環境の整備に関する重点施策」、その他生活環境に関する重要な項目を定めます。 ここでいう生活環境の整備は、以下のとおりです。 (1)公共的施設(官公署の事務所等の公共施設、病院、劇場、集会場、物品販売業又はサービス業を営む店舗、鉄道の駅、学校、道路、公園その他の不特定又は多数の者が利用する施設で規則で定めるもの)及び住宅の構造、設備について整備すること (2)情報及びサービスの提供について適切な措置をとること 3の3 計画の期間 本計画は、当面、平成26年度までの目標を定めるものとします。 また、実施計画や他の分野別施策との整合を図り、平成21年度から23年度を前期、平成24年度から26年度を後期とし、3年ごとに見直しを図ります。 3の4 取り組みの主体 区は、区民、事業者及び関係団体(高齢者・障害者等の団体、区民の団体、NPO、町会、自治会、商店街・会など暮らしやまちづくりに関わる団体を総称しています)並びに国・都などの機関と連携して生活環境の整備に関する施策や事業に取り組みます。 それぞれが、主体的に取り組むことで、多様なテーマにきめ細かく対応していくことができます。