令和元年度 第2回風景づくり委員会 議事概要  世田谷区都市整備政策部都市デザイン課附属機関会議録 開催日時  令和2年1月23日(木曜日) 午前9時30分から午前11時30分 開催場所  北沢タウンホール 3階ミーティングルーム 会議の名称  令和元年度第2回 風景づくり委員会 事務局を主管する課の名称  都市整備政策部 都市デザイン課 出席者 【世田谷区風景づくり委員会】入江彰昭委員、野原卓委員、鶴田佳子委員、田邉学委員、古内時子委員、橋典博委員、井田里美委員 【事務局】  都市整備政策部長 畝目晴彦  都市整備政策部都市デザイン課長 小柴直樹  都市デザイン担当係長 二見征  担当職員 水野幸、赤堀弘幸  株式会社アルテップ 1名 会議の公開・非公開・一部公開の別  公開 傍聴人の数  0名 会議次第・内容  開会  【議題】  1.界わい形成地区の取組み状況  2.地域風景資産の登録制度に関する検討状況  3.地域風景資産の名称変更  4.普及啓発事業「親子で風景なぞときまちあるき」開催報告  閉会 令和元年度第2回世田谷区風景づくり委員会 令和2年1月23日(木曜日) ○都市デザイン課長 おはようございます。定刻となりましたので、令和元年度第2回風景づくり委員会を開催させていただきます。  本日司会を務めさせていただきます都市デザイン課長の小柴です。どうぞよろしくお願いします。  委員会の開催に当たりまして、畝目都市整備政策部長から、皆様にご挨拶を申し上げます。 ○都市整備政策部長 皆さん、おはようございます。本日はお足元の悪い中、また、朝早くからお集まりいただきましてありがとうございます。  また、昨年中は委員の皆様にも大変お世話になりました。今年もどうぞよろしくお願いいたします。  さて、今年はいよいよ2020オリンピック・パラリンピック大会がスタートします。この間世田谷区でも、このスポーツイベントに先立ちまして機運を高めるということで、さまざまな機運醸成のイベント等に取り組んでまいりました。  この夏、大会前のイベントとしまして、都市デザイン課でもレガシーということと、それから温かく、また、きれいなまちに迎えるということで、クリーンタウン大作戦というイベントを行います。一斉に街の清掃活動を行うということで、7月11日から19日の期間、改めて募集は行いますけれども、こうした清掃活動も行っていくということにしています。  また、それに先立ちまして、昨年度は○○委員長の大学とも連携しながら、馬事公苑のプレイスメイキングイベント、場づくりですね。そうしたところにもご協力いただきながら進めてきたといったところもございます。こうした中でオリンピック、特に世田谷区でも、また世田谷区民一緒に盛り上げていきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。  一方で、昨年10月、台風19号が世田谷区にも甚大な被害・影響を与えました。12月21日と22日に被害がありました多摩川の決壊等で浸水を起こしました玉堤等、そうしたところで説明会を2回行いました。  初日が、430名の方が見えて、2日目は280名の方が出席したといったところでございます。こうした被害の状況でいきますと、一番わかりやすいところで罹災証明発行が600件、世田谷区内であったといったところでございます。  これまで避難所を開設した中で、世田谷区では台風などの際に今まで10人程度が避難所に来られた人数だったのですけれども、台風19号に至っては数千人の大変多くの方が来られたということで、世田谷でもそうした初めての事象だったといったところでございます。  こうしたことを踏まえて、風水害対策の総点検ということで、世田谷区の各領域が改めて台風19号をもとにしながら、改めて見直しを行っているといったところでございます。  本日、第2回の風景づくり委員会となりまして、報告事項は記載のとおり4点ございます。界わい形成地区の取組みといたしましては、昨年まちあるき等も委員の皆様にはしていただきました。本日はそうした経過も踏まえて、その状況報告、また、記載の事項についてもご議論等いただければと思います。本日はどうぞよろしくお願いいたします。 ○都市デザイン課長 それでは進めます。なお、都市整備政策部長ですけれども、この後所用により11時ごろ退席させていただきますが、心置きいただければと思います。よろしくお願いします。  それではまず、本日の委員の皆様の出席についてご報告いたします。本日の委員のご出席は7名。したがいまして、本日の委員会は、世田谷区風景づくり条例施行規則第34条に定める会議の定足数に達しておりますことをご報告いたします。 それでは、世田谷区風景づくり委員の皆様をご紹介します。 最初に、委員長の○○委員でございます。 ○委員長 ○○です。よろしくお願いします。 ○都市デザイン課長 副委員長の○○委員でございます。 ○副委員長 ○○です。よろしくお願いします。 ○都市デザイン課長 次に委員の方、私の左手から順にご紹介します。  ○○委員でございます。 ○委員 ○○です。よろしくお願いいたします。 ○都市デザイン課長 委員長、副委員長を挟んで、○○委員でございます。 ○委員 よろしくお願いいたします。○○です。 ○都市デザイン課長 ○○委員でございます。 ○委員 ○○です。よろしくお願いいたします。 ○都市デザイン課長 ○○委員でございます。 ○委員 ○○です。よろしくお願いします。 ○都市デザイン課長 ○○委員でございます。 ○委員 よろしくお願いいたします。  ○都市デザイン課長 どうぞよろしくお願いします。  続きまして、本日出席しております区の職員をご紹介いたします。   改めて、都市整備政策部長の畝目です。 ○都市整備政策部長 畝目でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○都市デザイン課長 続いて、事務局を紹介します。  都市デザイン課の担当係長二見です。 ○事務局 二見です。よろしくお願いします。 ○都市デザイン課長 それと後ろのほう、担当の水野です。 ○事務局 水野です。よろしくお願いします。 ○都市デザイン課長 赤堀です。 ○事務局 赤堀です。よろしくお願いします。 ○都市デザイン課長 また、本日は界わい形成地区の指定の検討業務を委託しております、コンサルタントの○○から1名ご参加いただいています。よろしくお願いします。  ここからの進行は、世田谷区風景づくり条例施行規則第32条第2項により、委員長にお願いいたします。委員長、よろしくお願いします。 ○委員長 それでは本日、ご多忙のところご出席いただきましてありがとうございます。  これより平成元年度の第2回風景づくり委員会を始めさせていただきます。  まず初めに、事務局より資料の確認をお願いいたします。 ○都市デザイン課長 それでは、資料の確認をいたします。  事前に委員の方にお送りさせていただいているのですが、今日お持ちでない方は。大丈夫ですね。 まず、式次第です。 資料1、スライド資料の抜粋です。 資料2、「奥沢界わいニュース(第4号)」。 資料3、「せたがやの地域風景資産Q&A」。 資料4、「親子で風景なぞときまちあるき『なぞときマップ』」になっています。おそろいでしょうか。 閲覧資料としまして、テーブルの上に、「世田谷区全図」、「都市計画図1・2」、「風景づくり計画」、「界わい形成地区ガイド」、「せたがや風景MAP」、「地域風景資産一覧」を用意しておりますので、必要に応じてご活用いただければと思います。   以上が本日の資料でございます。よろしいでしょうか。  では委員長、よろしくお願いします。 ○委員長 では、報告事項1について、事務局よりお願いいたします。 ○都市デザイン課長 まず最初、報告事項1「界わい形成地区の取組み状況」につきまして、前回委員会を行った後、昨年6月にワークショップを開催しております。これと、11月にこの取組みを多くの方に知っていただくために、イベントとして風景祭というものを開催しております。これについて順次報告させていただこうと思います。 報告は二見より行います。 ○事務局 それでは報告事項1「界わい形成地区の取組み状況」について報告をさせていただきます。スライドを使って説明いたしますので、スクリーンをご覧ください。  まず、奥沢地区における風景づくりの取組みにつきましては、これまで定期的にご報告をさせていただいておりますけれども、少しおさらいをさせていただきたいと思います。  風景づくりの取組みを進めている奥沢地区は、奥沢1〜3丁目、区の南東に位置しまして、景観計画区域の一般地域に属しております。  この地区は、庭や道路沿いに緑が多く植えられており、潤いのある風景となっていること、また、奥沢2丁目の界わいには近代建築が多く残っていることが特徴です。前回、皆さんに歩いていただいた地区となります。  また、地元町会の○○による地域活動が盛んであるとともに、NPO団体の○○による緑を育む取組みが行われております。  風景づくりに関する取組みは、平成29年度よりスタートしました。初年度の平成29年度は、奥沢らしい風景に関するまちあるきや意見交換会、また、歴史や他都市の事例に関する風景づくりセミナーを開催いたしました。平成30年度からは、具体的な取組みとして奥沢の風景を守り、育てる手法・制度を考えるワークショップですとか、奥沢の風景の魅力を共有するためのイベント、風景祭を地域の皆様とともに開催してまいりました。  そして、これまで地区の皆さんからいただきましたご意見、取組みを踏まえまして、平成31年3月に奥沢の風景づくりの方向性としまして、「奥沢の風景づくりたたき台」を取りまとめ、奥沢界わいニュース第3号において掲載して全戸配布するとともに、はがきによるアンケートを実施しました。ここまでが前回の委員会でご報告したところとなります。  そして今年度の取組みとしまして、まず、今年度も昨年度に引き続き、風景づくりの実践として奥沢の風景の魅力を理解・共有させていただくイベントの開催、それと、奥沢の風景を守り、育てる手法制度として界わい形成地区の検討の両輪で進めてきております。それぞれの取組みについて、今年度の取組みをご報告いたします。  まず、令和元年6月22日に手法・取組みの検討として開催しました「まちあるきワークショップ」の報告をいたします。スライドとあわせまして、資料2の「奥沢界わいニュース(第4号)」もごらんいただきながら聞いていただければと思います。  テーマは「奥沢のみどりが活きる色探し」になります。  ワークショップの目的としましては、風景づくりには色彩が大きく影響すること、それから建物や塀の色によって、奥沢の風景の特徴である緑や街並みの見え方が大分変ってくることを参加者の方々に実感してもらうことを目的としております。また、将来的に奥沢で建物を建てる際の色、推奨色の設定の考え方につなげていきたいと考えました。  募集はチラシを作成しまして、地区に全戸配布するとともに、広報板やホームページなどに掲載をいたしました。そして、講師は委員でいらっしゃる○○先生に今回はお願いをいたしました。  流れとしましては、まず初めに奥沢2丁目の中をまちあるきをしていただき、実際の建物や塀に使われている色ですとか、緑のしつらえについて参加者の皆さんで確認をいたしました。  会場に戻りましてワークショップを行ったのですけれども、まず初めに自分の建てたいと思う家の外壁と屋根の色を、好みで選んでいただきました。グループごとにそれを、一人一人で選んだものを並べまして、街並みのような形にしました。次に○○先生からレクチャーをいただきまして、内容は「みどりを美しく鮮やかに見せるために」それから「みどり豊かな第一印象をつくるために」といった内容のレクチャーをいただきました。  レクチャーの内容を簡単に、概要をお伝えしますと、まず「みどりを美しく鮮やかに見せるために」は、一般的な緑の色は彩度が6程度であるため、建物の外壁や壁の彩度をこれより抑えることで、緑をより美しく、鮮やかに見せることができます。また、緑豊かな街の第一印象をつくるためには、例えばこういった少ない量であっても、視界の最も手前にある色は建物の第一印象をつくります。よって、ささやかな緑であっても、建物や塀の前にその緑を配置することによって、緑の豊かな印象をつくる効果があるといったお話をいただきました。さらに、目に見える緑を視覚的につないでいくことによって、奥沢の街の風景の魅力を街全体に波及させることができますというお話をいただきました。  その内容を踏まえまして、先ほど選んでいただいて街並みにしたこの色から、みどりが活きる街並みとなるようにグループワークで話し合っていただき、色の調整を行いました。最初このような形で好きな建物の色を選んでいただいたのですけれども、レクチャーを受けたことで、このみどりが活きる色に、それぞれ皆さん色を調整していただきました。どのグループも結果的には彩度が少し抑えられた自然色となりまして、みどりが活きる街並みとなりました。  このワークショップを通しましてどのような効果があったかというところでは、まちあるきやレクチャーを踏まえ、ワークショップによって参加者自身が建物の色を調整することにより、みどりが活きる建物の色を実感していただくことができました。それからワークショップの内容については、参加者だけではなくて、ニュースを全戸配布しまして、地区の皆様にも共有することとしました。今回の結果は、今後界わい形成地区の指定の際に、建物の推奨色の設定の考え方につなげていきたいと考えております。  続きましてもう1つ、奥沢の風景の魅力を理解・共有していただくイベントとして、今年も開催した風景祭について報告をさせていただきます。  今回の風景祭の目的としては、地域の方々へ奥沢の風景の魅力と風景づくりの取組みを伝える。特に今回は子どもたちですとか、子育て世代の方々に伝えていきたいということで企画をしました。あわせまして、参加者の方々に界わい形成地区の制度の理解、風景づくりの取組みの理解・促進を図ることを目的としております。  風景祭の企画は去年と同様に、地元の町会である○○、それからNPO団体○○と、区で構成するコア会議で企画の検討を行いました。今年はこれとあわせて、奥沢地区にて事業展開を予定している○○という区の外郭団体のイベント、それと、NPO団体○○が毎年秋に開催するイベントを同時開催することで、参加者の方々の相乗効果を図りました。また、昨年度は公園を会場としてさまざまな企画をいたしましたけれども、今年度は界わい形成地区の指定を想定しています奥沢2丁目の街そのものを会場としまして、参加者の方々に風景の魅力を直接感じていただく企画としました。  周知はチラシを作成しまして全戸配布するとともに、近隣の小学校、それから保育園の子どもたちにも、一人一人に配付をさせていただきました。あわせて広報板、町会の回覧、ホームページなどによって周知を行いました。 今回の風景祭のメインの企画としましては、スタンプラリーを企画しました。奥沢2丁目に残る近代建築ですとか、同日開催のイベント会場を皆さんで歩いて回っていただき、そこで押してもらえるスタンプを集めると景品がもらえるという企画としました。   会場は8カ所ありましたので、各ポイントの説明をします。  まず、ポイント1はメイン会場の町会の○○です。おやつコーナーでは、子ども向けにポップコーンやソースせんべいの販売、大人の方々には本格的なお茶席でお抹茶の提供をいたしました。  また、この大きな地図を用意しまして、参加者の方々に自分の好きな場所に花ピンを立てていただく「奥沢の好きなところマップ」をつくりました。子どもたちも大人の方々も、さまざまな思いとともにピンを立てていただきました。また、ほかの方々がどんなところが好きとかということも、皆さん見ていただいて共有することができました。ピンを立てていただいた方々には理由を伺いましたので、今こういったものも集計をしているところで、また見えてくるものがあるのかなと期待しています。  また、同じ場所では、奥沢の風景づくりの取組みや界わい形成地区の制度についてパネルで紹介しました。今回イベントに参加して、取組みを初めて知ったという方もいらっしゃいまして、取組みを知っていただけるいい機会になりました。また、すぐ横ではスタンプラリーの景品交換もしていましたので、このフロアについては多くの参加者でずっとにぎわっていました。  ポイントの2つ目は、近代建築のH邸という建物になります。当日はオーナーの方のご厚意により、1階のみですけれども一般公開をしまして、建物の中にあります女中部屋ですとか、電話ボックスが残る興味深い室内を見学することができました。また、お庭では、○○による「小さな庭」に指定され不定期に公開されていますけれども、この日は公開をして太極拳の体験、それからミニスケッチ会などが開催されました。  ポイントの3カ所目はW邸です。こちらは以前から地域の活動をされているオーナーの方によって、当日はリビングとお庭のデッキテラスでお茶とお菓子のおもてなしをしました。また、道路際のオープンスペースでは、風景づくりの取組みのパネルを掲示しました。そうしたところ、通りがかりの方に結構興味を持っていただいて、お話し、説明をさせていただくなど周知をすることができました。  4つ目のポイントは、「おでかけひろば おりーぶ」というところです。こちらは昨年4月、この春にオープンした子育てスペースで、いつも親子連れでにぎわっている状況ですけれども、こちらも新しい風景となっています。  それからポイントの5番目、7番目になります。こちらは旧海軍村住宅のM邸とM邸です。こちら、どちらもそれぞれオーナーの方のご厚意によりまして、敷地内に入っていいですよということで、玄関先まで見ることができるようにさせていただきました。近代建築と開かれた庭の素敵な風景を参加者の方々に感じていただけました。  それから6つ目のポイントとしては、NPO団体○○の拠点、前回の委員会の時もお話を伺いましたシェア奥沢になります。当日、こちらでは会の秋のイベントの「晩秋のつどい」というものを開催していました。こちらの会場でも、あわせて奥沢の風景づくりの取組みをパネル展示しまして、多くの方々に説明して、知っていただくことができました。  シェア奥沢では、ピザやカフェラテの販売ですとか、あと、イベントとしてチェロとピアノのコンサート、それから奥沢の歴史についての座談会等が開催され、こちらも多くの方でにぎわっていました。  最後のポイントですけれども、こちら「読書空間みかも」という建物です。こちらも近代建築の1つです。ふだんは○○の事業で「地域共生のいえ」というものがありまして、イベント等が不定期に開催されていまして、有料で利用することができるのですけれども、この風景祭の当日は特別に無料開放させていただきました。中では、今回は「似顔絵会」というのをイベントとして開催しました。  イベント全体としましては、今回おおよそ300名程度の参加がありました。当日は天気にも恵まれまして、皆さん笑顔にあふれ、奥沢の風景の魅力を十分に感じていただけた状況と思っております。親子連れの方々だけではなくて、年配のご夫婦ですとか、カメラを持った男性の方ですとか、ふだん近所の古い建物に興味があった方など、多世代、さまざまな方々のご参加がいただけました。また、子どもたちにも自分の住む街に愛着を持っていただけたのではないかなと思います。  受付近くのアンケートと、「好きなところマップ」の年代別の参加者数なのですけれども、ちょっと母数には差があるのですけれども、大体20代〜40代の方々が全体の45%ぐらいを占めておりまして、なかなかこういうイベントをやると年配の方の参加が多いのですけれども、今回は年代もばらつきがいいバランスで、さまざまな年代の方に参加していただけたということがわかります。  風景祭の効果としましては、子どもたちや普段なかなかイベントに参加しづらい子育て世代の方々に参加をいただけた。それから、奥沢の風景の魅力を多世代の方々に感じていただけたとともに、取組みですとか、界わい形成地区の制度を伝えることができました。また、他のイベントと同時開催することによって、相乗効果が得られたということが挙げられます。  今後の取組みなのですけれども、今後はたたき台をお示ししました重点的に取り組むエリアについて、界わい形成地区の指定に向けた検討を進めるとともに、地区全体としましては風景づくりを進める活動の検討を地区の皆様と進めていきます。  具体的には、特にその重点エリアの検討につきましては、来年度より実際影響が出てくる地権者の方々と、具体的な手法や内容について丁寧に意見交換を進めてまいりたいと思っております。そのために、その前にこれまでの3年間の取組みですとか、今後の進め方について、地区全体の方々と少し意見交換をできる会をしていきたいと思っております。その意見交換、全体の会をした後に、地区ごとで検討を進めていければなと思っております。 界わい形成地区の取組み状況については、報告は以上になります。 ○委員長 ありがとうございます。説明は以上になりまして、ご質問、ご意見等、委員の皆様ありますでしょうか。お願いいたします。おおむね15〜20分程度お時間つくってありますので、よろしくお願いします。 ○委員 質問させていただいてよろしいですか。  今、全体像をご説明いただきましてありがとうございました。ちょっと質問したいというか、もう少し詳しくお伺いしたいなと思ったのが、色のワークショップをしたときに、家を建てるならばというところで、実際にそこに住んでいらっしゃる方で家を建てかえたいと思っていらっしゃるとか、何か参加した方の属性というか、特色というのがあったら。特にそういうのは関係なく、景観に関心がある、街に関心があるというだけなのか、お伺いしたいなと思ったのですけれども。 ○事務局 今回参加された方々は、自分たちがすぐに建てかえを考えているという方に限らず、参加ご希望の方を募りまして、参加された方々です。 ○都市デザイン課長 属性は聞いていません。 ○委員 そういうことですね。ありがとうございます。 ○委員 今のご説明の中で、風景祭について○○のイベントと同時開催して相乗効果があったということなのですけれども、非常に大切なことかなと思いました。地域風景資産で選定された資産の中には、特別緑地保全地区とか、保護地域とか、あるいはトラスト運動の市民緑地とかと重なって指定されているのがあると思うのですけれども、緑の保護という面では目的が一緒なので、できるだけそういった組織と協働でできるものは協働でやっていただいて効果を上げていただければ、非常にいいことなのではないか。今後ともぜひ進めていただきたいなと思いました。 ○事務局 ありがとうございます。 ○委員長 ほかいかがですか。 ○委員 私はワークショップの講師を務めさせていただいたのですけれども、実際にアンケートのような形で属性は把握していないのですが、参加された方のお話を伺っていると、多くの方は既にこの地域内で戸建ての住宅のオーナーさんのような方が多くて、それぞれ素敵なお宅にお住まいの方が多かったように思います。  今回のワークショップでは、緑にふさわしい色を選ぶということだけではなくて、お隣さんの色にも、言葉は悪いですけど口出ししようと。こうしたほうがいいんじゃないかということをサジェスチョンしていただいて、調整して街並みを整えるという一連の流れを考えていただきました。  実際に奥沢の街の中でも、小さな共同住宅のようなものが建つときに、地域の方々が緑のあり方等をサジェスチョンされて、一般的には普通のアパートやマンションになってしまうものについても、かなり前面に目に見える形で緑を残していただいている、あるいは新しくつくっていただいているケースというのが目立っていて、そこが大変すばらしいところではないかなと感じました。  風景祭の中では若い方が参加されていますけれども、恐らくそういう若い方、子育て世代の方々というのは、そういう共同住宅にお住まいの方が多いのではないかなと思うのですけれども、今後、古くからお住まいのランドオーナーさんだけではなくて、そういう新しい住民の方がどう、こういうイベントに参加し、イベントだけではなくて、まちづくりの担い手として育っていくかということが非常に重要だと思いますので、今回の風景祭のイベントの中で、若い方に焦点を当ててということは大変重要な取組みかなとも思いますし、これをきっかけにもう少し説明会等にも積極的に参加していただくことも大切ですし、既存のまちづくりの組織というのがある程度でき上がっている中で、新しい方が参加しやすい雰囲気というのもつくっていくことが重要かなと感じました。 ○事務局 ありがとうございます。 ○副委員長 取組み自身も本当にどんどんステップアップして非常に魅力的な、風景祭自身もすごく進化していてすばらしいなと思って、こういうのをどんどん続けていってほしいなと思うのですけれども、今まで何度か奥沢及び界わい形成地区の議論というのはここの風景づくり委員会でもやったと思うのですけれども、まだ界わい形成地区指定そのものとの距離というか、まだギャップが何かあるような気もちょっとしていまして。  地域の立場からすれば、よりよいこの風景づくりをやるための障壁というかネックを、制度がどうやったらそれをサポートしてあげられるかということになるのだと思うのですけどれも、そういう意味では、必ずしも界わい形成地区はゴールとは限らなくて、いろいろな選択肢がある中で、レギュレーションを厳しくすればするほど守れはするのだけれども、実態としてはそこまでたどり着くのは難しいという中で、どの位置でみんなで合意していくかというのを考えるという意味で、広い選択肢の中で、どういう作戦でその辺をやっていくかというのを考えなければいけないというのがあると思うのです。  一方で、やっぱり界わい形成地区は、何度も同じ話なのですけれども、このメリットというか意義を、区民の皆さんに伝えるのが非常に難しいところがあるなというのは、多分今までも何度かそういう話をちょっとさせていただいたと思いますけれども、やっぱり魅力は、このガイドで言うと、特徴3の「専門家との連携」とか、風景デザイナーの先生にはご負担がふえる可能性もあるのですけれども、要は一緒に話し合いながら、専門的知識も含めて「こういうふうにしていけばいいんじゃないの」というのを一緒につくっていけるというところがメリットなのではないかなと個人的には思っています。  つまりレギュレーションとしてはもっと厳しいのも本当にいろいろある中で、そこまでできない部分もありますから、そんなにこれで何か誘導し切れるということでもないとは思うのですけれども、でも、方向性とかビジョンとか、それにかかわるルールを一緒につくっていけるというのが魅力の1つではないかなと思いまして、それがまさに○○先生がやっていただいたワークショップそのものが、あれだけビフォーとアフターで色1つとっても違うような絵ができるというのは、先生のご指導もあるし、最初はみんな好きな色を出していたのが、いろいろ話を聞いて、ああ、そうなんだという話でディスカッションしていくと良くなっていくという、このプロセスそのものが非常に大事なのかなと思いまして。  そういう意味では、この「界わいニュース」でも後ろに「界わい形成地区って何?」と書いてあるのですけれども、そういうことがありますというのはほとんど、ちょっとだけ事業者・専門家と協議調整するというのはあるのですけれども、一番下の「ルールの一例」の左と右の間の矢印のところが本当は大事で、この矢印のところで、これがどうやったらこっちに変わるのかなというところが見せられると、こういう意味があるのだということが伝わるのではないかなと思いまして。  制度そのものとしても何かその辺意識されると、魅力というか、この意義が伝わると思いますし、実際本当に今回のワークショップを拝見して、ああ、そういうことだなというのを改めて再認識した感じもあったので、その辺をうまく絡めることで、この界わい形成地区の話と地域の風景づくりの話を結びつけていく、何かちょっとそういうきっかけというのができればいいのではないかなと拝見していて思いました。 ○事務局 ありがとうございます。  今回、これから具体的にルールの内容ですとか手法について、地元の皆さんともお話をしていって、これから実際に入っていくというところではあるのですけれども、前回の委員会でも、例えばその地区の建物、調整をするに当たっては、地元の声もないと、そこと事前調整会議との乖離も出てきてしまう可能性もある中で、そういった制度をつくっていく中でも、そこのすり合わせというか、どういう運用をしていくかを考えていきたいと思っています。ありがとうございます。 ○委員長 ほかいかがですか。 ○○委員。 ○委員 私も何年もこの委員会参加させていただいていて、この界わい形成地区というのが身近になってきたのはやっとこの数年ぐらいな感じなのです。  制度としてすごく珍しい制度だし、画期的な視点でつくられていく制度なのですけれども、その分まだ分かりにくいというのと、今、○○先生がおっしゃったように、まだこれをやるメリットというのが何となく伝わっていないのではないか。委員でもなかなか分からなかったというぐらいなので、すごく意地悪な言い方をすると、奥沢に面倒なシステムがもう1つかぶると思ってしまう人だっている。特に新しい家を建てようとか思ったときに、奥沢に入ると、えらい面倒くさいことを言われるぞみたいな、逆の方向に行くとなってしまうと思うので。  例えば奥沢に家を建てたいと思うと、近隣との折衝であるとか、色の話であるとか、普通だったら個がそれぞれ頭を悩まさなければいけないことが、レギュレーションがあることで考えやすくなっているのですよとか、地域の人たちと共有がしやすくなっているのですよみたいな、まちづくりがもっとしやすくなるためですよみたいなことを徐々にアピールしていく必要があると思います。  そういうことがないと、例えば大きなマンションを建てようとか、アパートでもそれなりの敷地を持った方が建て直ししようというときに、小さな戸建にして、「大きな木を切らないと採算が合わないんです」という話で切られてしまうみたいなことがあると思うので、風景をつくっていくイコールとても面倒な話を、できるだけスムーズに、そして効率よくやりましょうということですよと、即物的な言い方になってしまうとまたそれも変な話なのですけれども、この制度のメリットを、徐々に事例をつくりながら、わかりやすくPRしていく必要というのがそろそろ出てきているのかなと思いました。  それと奥沢はすごくよい住宅地で、緑を中心に進めているのですけれども、界わい形成地区は緑の話ではないので、街としての活気とか、それぞれのエリアの特色をルールに反映できるということなので、できればもうちょっと、今下北沢が開発されていますけれども、そういう今度は商業地域とか、別の視点でつくられていくまちづくりというものにできれば、これがそろそろ次の事例にも着手できればよいなという感じがすごくしています。 ○事務局 ありがとうございます。 ○委員 今伺っていて、地元の方々とも協力しながら力を結集することに注目したいと思います。そこに人が住んでいるというところに一番の視点が集まったときに最終ゴールのほうに向かっていくのかなということを感じました。  実はちょうどこの風景祭の日に、瀬田四丁目旧小坂緑地では落ち葉掃きリレーをしました。そうしまして、ちょうどその直前に、近くにある○○の生徒さんと先生がK邸にいらしてくださって、文化祭で発表するために地域のマップをつくって、地域のことを紹介するために、現地に行って、聞き取りをするということで、K邸もその1つで来訪されました。近くには民家園や静嘉堂文庫、松本記念音楽迎賓館があったりするので、そのようなポイントをグループごとに訪問して界わいマップをつくり文化祭のときに展示発表して、保護者の方や地域の方々に見ていただいたという経緯でした。「折角、K邸を知って頂いたので、ぜひ落ち葉掃きリレーに来てください」とお願いをして、風景祭当日17日に何人かの生徒さんと先生が落ち葉掃きリレーに来てくださいました。  今までは点と点、通学の近くではあるけれどもあまり馴染みのない場所に実際に訪れて、落ち葉掃きリレーに参加していただきました。作業後、参加者とおしるこを食べながら皆さんで地域のことを語ったり参加した感想など伺うことができました。多分この奥沢の風景祭でもピザが出たり、太極拳をしたりして、体験を通してそこの住みよさを実感して、愛着をもって地域につながっていくという場であったのではなかろうかと思います。  企画ありきでここをこういうふうに変えていきましょうというのではなく、そこに住む人や、生活する人たち一人一人に働きかける催しを通して地元力や愛着の心を通して力になっていくのではないかと思うのです。  そして、今まではその場が「点」であったり、風景資産が点と点であったところが「面」として、広がっていって欲しいと思います。人がそこに住まう心地よさや皆さんがおっしゃる緑の大切さ、緑を目にしたときに、とても心に安心感があったり、自分の原点に帰れたりする効果として、緑を区内に沢山残していく原動力になっていくのではないかと思います。  ですから、そこに息づく文化や人の心を忘れないで次の世代につないでいく地域とのつながりのきっかけづくりの風景祭であり、そういうことにも気づきを与えられた文化祭の催しだったということをお伝えしたいと思いました。 ○委員長 お話伺っている中で、○○先生も○○先生も言っていましたけれども、担い手を指定するのはいいのですけれども、その後の担い手、人づくり的なところ、どこの地域もそうですが、そこは今後の課題かなと今聞いていて思いました。  ただ、その一方で300人も集まって、しかも今回、公園だけではなくて、それを街中に全部で8カ所を回ってもらったというのはとてもいい取組みだったのではないかなと思います。それで奥沢地域の暮らしを垣間見るということが、今、○○委員が言われたように、点から面へというところで、つながりのあるイベントになっているのではないかなという気がいたします。  どうこれを界わい形成地区につなげていくかというところは、確かに○○先生言われたように課題かと思うのですが、そのあたり区としては、何か今後のイベントもしくは風景アドバイザーの派遣とか、何かしら考えられていることというのはあるのでしょうか。 ○事務局 先ほど○○先生からご心配いただいたように、制度の、具体的にはルールが入るということですとか、界わい形成地区ということをこれからやっていくので少し出してきたのですけれども、それにあわせて、それはどうかという反対のご意見が今、少し出始めてきています。  まずそこのところについてきちんと対応していくことと、今ご指摘いただきましたとおり、この制度に対してのメリットがどういうものなのかということが、うまくまだ伝えられていないのではないかというところがありまして、そこを区だけではなくて、地域の皆さんとともにもう一度きちんとお伝えしていこうということで、今、地区全体の会を地元の皆さんと企画をしているところです。そういったところをもう一度、どういういいことがあるのかということをきちんと伝えつつ、制度についても皆さんにお伝えしつつ、界わい形成地区の指定がかかるところの皆さんと意見交換をしながら、具体的な制度手法を詰めていきたいと考えています。 ○委員長 先ほど○○先生が言われたように、基本的に大きな邸宅というか、ランドオーナーという言い方がいいのかわかりませんが、大規模な土地所有者、そういう方々はどうなのでしょう。どっちつかずなのか、あるいは界わい形成地区をぜひ、という方向性で今動いてくれているのか。そのあたりはどうなのですかね。 ○事務局 さまざまなご意見いただいているところでありますので、そういった方々にもご意見を伺いながら、意見交換して進めていければと思っています。 ○委員 風景祭などのイベントに参加してくださることで、そのよさを感じてくださった方の中に、また次参加したいとか、これを守る意味を感じたときに、またそれが力になって、次の世代につながっていくのかなということにちょっと期待したいなと、先ほどの続きなのですけれども思った次第です。 ○都市デザイン課長 まちづくりをやっていていつも思うのですけれども、恐らく事業者は別として、地主さんは「いい街にしたいよね」というところは多分一致するのだと思うのですね。しかし行く方向が、そこから一歩出る瞬間に向きが変わっていくので、少し丁寧にやりたいなと思っています。  界わい形成地区もまちづくりの一環なので、それぞれ地区計画も地区街づくり計画もいろいろ全て手段なので、その手段の中の選択肢なので、そういうことも踏まえて、少し丁寧にやりたいと思っています。  区として、界わい形成地区というのは今までないから、ぜひやりたいよという姿勢で乗り込んだのだと思うのですけれども、その辺はガツガツしないで少し整理していきたいなと思っているので、見守っていただければと思います。折々報告させていただきたいと思います。 ○副委員長 そもそも何でこれをやるかというと、それこそ地区計画だと厳し過ぎて、協定だとちょっと弱過ぎてというか、もうその間をつなぐぐらいのミドル領域がなくて、このミドル領域にはまるやつは何だろうというのでここに入っていると思うのです。  以前もご紹介したのですけれども、横浜も地域づくり推進条例というのを持っていて、似たような制度があるのですけれども、地域づくりルールと地域づくりプランというのが2つに分割されていまして、この方針と基準が別というか、両方もつくれるのですけれども、片方だけでもいいという仕組みになっているのですね。  だから、ルールまで行くとちょっと厳しいのだけれども、プランはつくりたいみたいな。逆にプランというのはちょっとわからないのだけれども、ルールをつくりたいとか。理想は両方なのですけれども、どちらかだけというルートもあるようにしてあって、そうすると、先ほどのルールのほうはあまり行くとちょっと、みたいなときは、「まずはプランから入りましょう」とかと言って、後でルールのほうも徐々に行くとか。  そもそもそれをやるために事前に地域づくり組織ができていないと、次のステップに行けないシステムになっているので、まずはチームビルディングしないと、そもそもその段階まで入れないようになっているのです。  それと同じがよいかどうかは別ですけれども、この制度自身もその辺の状況によって、どの辺を攻めればいいかが選べたり、育んだりできるところもうまく使うことで、少しずつでも、いざとなってどこからか来たときには、何かみんなでこういうのを持っていないと対抗できませんよね、みたいな話も当然あって、ただ、それが自分のところに降りかかってくると、それはそれで困るなみたいな話の葛藤だと思うのですけれども、何かうまいところに落としどころがあって、0か100にならないルートづくりみたいなのは、ひょっとしたらあるのかなと思いました。 ○都市デザイン課長 世田谷区の街づくり条例もいろいろな悩みの中で改正してきて、今おっしゃっている仕組みの中で、地区計画はありますけれども、地区街づくり計画と区民街づくり協定という3本柱で運用していますが、地区計画は都市計画法の制度なので扱いづらくて、定めることは決まっている。地区街づくり計画は区が定めますけれども、意外と自由度があって、ごみ置き設置等いろいろあるのですけれども。また、成城憲章などが区民街づくり協定になっていて、そのどれとも違う制度としてどういうものがあるのか。今、先ほど○○委員がおっしゃったように、調整みたいな、そういうところなのかなという気もしているのです。  区民街づくり協定を平成22年の街づくり条例を改正したときに入れた以降、区民街づくり協定を登録すると、区の窓口でほかの制度と一緒に紹介するわけですよね。この前○○自治会の方とお話ししたら、それだけで大分効果があって、やっぱり地域と相談してくれるとおっしゃっていました。現に街を行くとチェーン店が通常の店舗とは違う色の看板を出していたりするので、そこまで風景づくりとしても踏み込めるなと思いました。  この界わい形成地区というのは、もっと緩やかで、相談の上でできる制度なのかなと僕は思うのですけれども。その辺、先生どうなのでしょうね。 ○副委員長 この界わい形成ガイドに特徴が5つ書いてあって、誤解を恐れずに言えば、独自にルールを一緒につくれることと、専門家と連携できることというのがこの制度の独自性なのではないかなと思うと、特にその連携ができる事前調整会議というものがほとんど、あまりアピールされていないと感じます。その辺を、今都市デザイン課長もおっしゃったようなメリットをどう打ち出して、調整しながら一緒に、しかもちょっとわからないことがあったら聞けるとか、気軽にそういうのができるのだよというところをアピールすると、それはある種のメリットではないかなと思うのです。  多分この界わい形成ガイドを見ても、見た人はそういうふうに受け取らないのではないかなと思うので、むしろそのよさをうまく伝えてあげるとか、制度側も本当にそこを意識しているかというと、そうでもないこともひょっとしたらあるかもしれないので、お互いその辺でメリットは何かというのを感じながら、内容・中身のほうを少しグレードアップというか。制度を変えるというよりは、そのやり方をもう少し工夫していくといいのではないかなと思いました。 ○都市デザイン課長 少し試行錯誤させてください。 ○委員長 今、○○先生が言われたように、この事前調整会議が大きな特徴だというのであれば、この奥沢地区では既にもう全体会をやっているわけですね。それがある意味で調整的なことを、いろいろなイベントを含めてやられていることなのかなとも思われます。それがイベントもやり、あるいは今話があった○○の事例なんかは、ケーススタディはプランとルールをつくるという話をされていましたけれども、都市デザイン課長が言われたように、目標は大きな地主さんも含めていい街にしたいとか、そこは一緒かなと思うので、その目標のプランを見据えつつ、界わい形成地区は1つの手段、ツールに過ぎないということを理解してもらえる形が、その全体会の中で少しずつそれが丁寧にやれていければとは、今感じました。  時間も20分過ぎていますので、それでは次の案件ということでよろしいでしょうか。 では、報告事項2をお願いいたします。 ○事務局 報告事項2「地域風景資産の登録制度に関する検討状況」について、前回説明させていただいた後の状況について報告をさせていただきます。またスクリーンをごらんください。  少しおさらいしますと、地域風景資産とは、大切にしたい身近な風景を「守り、育て、つくる」ことを目的として、その活動のきっかけとなるものを住民参加で選定したものです。現在、選定は3回行われて86カ所が選定されております。  この場所についてはお手元の「風景マップ」等に、また、本日お配りしている「地域風景資産一覧表」に載せております。  地域風景資産については選定から年数がたちまして、中には課題を抱えているものもたくさんあります。課題の1つとしては、活動団体の人材不足や活動人の高齢化です。活動自体がなくなってしまった団体もあります。もう1つの課題は、風景そのものが変化してしまったことや、対象となる建物などがなくなってしまったということです。  そのような状況の中、活動団体で年数回集まっております風景づくり交流会の中では、新たな地域風景資産を選定するよりも、今ある地域風景資産を大切にする手法の検討をしていくべきなのではないか、というご意見を多くいただきました。  その仕組みの1つとしまして、地域風景資産の登録制度の活用の検討を今年度進めることとしました。  風景づくり条例第13条に「地域風景資産の選定」、それから第14条には「登録」について規定されております。この登録制度については、今現在の段階では1つも実績がない状況となっております。  この選定と登録の違いなのですけれども、表にしてみました。  まず、選定と登録、「条件」についてですけれども、選定は「風景づくりを推進する手掛かりとなる」ものを条件としていますけれども、登録については「風景づくりの推進に寄与していると認められるもの」と、きちんともう「認められているもの」という条件となっております。  また、「誰が」するかということについては、どちらも区長が選定・登録をするということになっておりますが、その選定には「区民参加のもと」と条例に明らかに規定されていますけれども、登録についてはこの「区民参加」という言葉は条例の中には規定されていません。  それから「所有者との関わり」については、選定のほうは規定は特にないのですけれども、実際、推薦人の方が所有者の了解を得るという運用を行っています。登録につきましては、登録するには所有者の同意が必要、それから「所有者は維持管理に努めなくてはならない」ということがきちんと明記されております。  それから「支援・助成」につきましては、選定のほうはこの条文の中ではないですけれども、別の条文のほうに「活動団体に対する技術的支援・助成」が規定されております。登録されることによって、今度この所有者のほうにも「支援・助成」をすることができるということが規定されております。  あと「その他」としまして、登録についてはその地域風景資産の「資産活用指針」を区長が策定する、ということが規定されております。  また、今、選定・登録という制度と別に、景観法の中には、「景観重要建造物」という制度があります。この制度については、指定された建造物の所有者に対して、外観の変更の規制や維持管理の義務が発生してきます。つまりこの「景観重要建造物」の制度としては、例えば指定された建物そのものの現状の外観を保全して、残していくという強制力の強い制度となっております。  この3つを比較しますと、「景観重要建造物」はそのまま保存していくということを目的としているのに対しまして、この風景づくり条例の登録制度というのは、所有者に対して維持管理に努めるという努力規定、それと、努力することに対しての区から所有者に支援・助成を行うことによって、地域風景資産を今よりもさらに活かしていくという制度ではないかなと考えております。  選定のほうは、資産を「守り、育てる」活動のきっかけとなるものを選定していますので、位置づけということで考えると、保存というよりは「活用、活かす」ということがこの登録制度の特徴となっております。  それから、この条例の規定を図にあらわしてみたのですけれども、登録されることによって、所有者はその維持管理に努めなければならない。それに対して、区は支援・助成を行う。そして、区はその「資産活用指針」を活用することによって、その資産を活用していくという考え方をまとめるのですけれども、これには所有者の方の意見を聞かなければならないことになっています。  条例の条文だけを示すとこういう形になるのですけれども、ここには地域風景資産の活動団体のことが全く規定されていないのです。これはまた後でこの図を少し直したものをお示ししますけれども、多分条例の中では活動団体のかかわりというのは大前提としてあるから、この条文の中には出てきていないのかなと考えています。  あと1つ問題となるところは「資産活用指針」についてなのですけれども、これは15条に規定されていますが、「資産活用指針」の策定の対象範囲なのですけれども、それは登録した地域風景資産のエリアだけではなくて、その周辺も「資産活用指針」の対象になるということが書かれております。  条文を説明するとこういったような制度なのですけれども、これについて検討していきましょうということで、昨年の11月5日に地域風景資産の活動団体の方々に声かけをしまして、この運用についてまずは皆さんと意見交換をしていきましょうということで、会を開催いたしました。会の中では、登録制度に関する区のイメージをたたき台としてお示しして、出席された団体の方々と意見交換をしました。区のイメージというのは、この4つの項目についてたたき台をお示ししました。  一つ一つご説明しますと、まず大前提としまして、この登録の制度というのは、所有者の方々と申請者、活動団体となると思いますけれども、この方々が地域風景資産を守り、育てる活動に所有者もかかわることによって、所有者と申請者、活動団体が同じ方向を向いて地域風景資産を大切にしていくという制度であると考えています。  たたき台をお示しした1つは、申請の資格についてです。例えば選定から5年以上経過していることや、所有者から同意を得ていること、それから地域風景資産の範囲を明確にできることなどを申請の資格の案としました。  このたたき台に対しまして、参加された方々からはご意見として、所有者が公共であることと、民間の方々がお持ちであることということについて、また、所有者が単体なのか、もしくは広い範囲で複数あることなどによってさまざまな権利の形態があるので、もしかすると制度になじまないものもあるのではないか、というご意見をいただきました。  また、範囲を明確にすることが難しいもの、例えば「何々から見た風景」という地域風景資産ですとか、「何々から見た眺望」というものについては、なかなか明確にすることは難しいという資産もあるのではないか、というご意見をいただきました。  2つ目のたたき台の項目としましては、審査基準をお示ししました。もともとある、選定の段階にあるこの審査基準に対して、今度登録ということになると、それをもう少しハードルを上げる審査基準が必要になるのではないか。例えば、コミュニティづくりにつながる可能性があることという基準に対しましては、それが既に形成されていること、という形で基準のハードルを上げるというたたき台をお示ししました。  これに対して参加者の方々からは、審査はどのように客観的に評価していくのか。なかなか客観的に評価するのは難しいのではないか、というご意見をいただきました。  それから3つ目の項目としましては、審査人については、選定の際は区民参加で審査をしていくのですけれども、区の提示としましては、今回登録については客観的に判断するということで、こちらの風景づくり委員会でご意見を聞きながら登録の判断をしていくという、登録のハードルと価値を上げていきたいというたたき台をお示ししました。  これに対しまして参加者の方々からは、選定の際には区民参加で審査しているので、今度区だけで完結する審査では客観的なちゃんとした審査が難しくなってしまうのではないのか、というご意見をいただきました。  4つ目の項目としましては、「資産活用指針」についての内容をお示ししました。この「資産活用指針」、区のイメージのたたき台としては、具体的な計画ではなくて指針であるということ。それから、地域風景資産の特色を盛り込んでいかなければならない。それから、活動団体である申請者が所有者の意見を聞きながら案を作成し、その案をいただいたものを区長が策定するという流れはどうかということ。それから事業者の方々との、実際具体的に何か建築行為を行う事業者に対しては、この指針をもとに、区で誘導指導ができるのではないかというたたき台を示しました。  先ほどのこの図なのですけれども、これに対して、もちろん申請するのは活動団体の方々が所有者の意見を聞きながら、同意を得ながら申請をしていく中で、「資産活用指針」の作成についても、もちろん活動団体の方々がかかわって案をつくっていくという流れになるのではないかなということを、たたき台としてお示ししました。  これに対しまして参加者の方々は、実は選定の際にも、地域風景資産をもとにした風景づくりプランというものを作成しているので、そのプランと「資産活用指針」とのすり合わせが必要になってくるのではないか、というご意見をいただきました。  もともと選定の際の風景づくりプランというのは、地域風景資産の選定の際に、推薦人とサポーター、どれも区民の方々なのですけれども、この方々が活動を進めていくためのアイデアや計画をほかの推薦人やサポーターと交流しながら作成したものが、この風景づくりプランとなります。  さらにほかのご意見としましては、地域風景資産の所有者や分類をもう少しきちんと整理する必要があるのではないか、というご意見をいただきました。それをもとに、これは集計をしてみたのですけれども、所有者については公共で所有しているものが45資産、民間で所有しているものが29資産、公共と民間にまたがるものが9つの資産ありました。  それから分類としては、緑や公園というものが対象のものが32個、それから道や川などを対象としたものが27、それから建物やお寺や神社などを対象としたものが20、それから結構広範囲のものを資産として対象としているものが4つありました。  これを表にまとめますと、こういったものなのですけれども、例えばこの表の中の左上の、例えば公共が所有しているもの、それから緑や公園、道、川といったもの、そういったものが資産としては多いことがわかりました。  また、整理の中から対象範囲に関する課題も見えてきました。地域風景資産の中では対象範囲が広くて範囲が決めづらいものがあります。例えば「○○の橋から見える眺望」といったようなものなのですけれども、こういったもの。また、例えば「○○がある風景」「○○界わい」といった、広域な地域風景資産もあります。こういったものは対象範囲を明確にすることが難しいので、例えば同意を得る所有者の範囲というのもかなり広くなり、この登録制度、所有者の方とともに資産を活用していくという制度については、少々なじまないものがあるのではないかということがわかりました。  それで今後の進め方なのですけれども、今検討が始まったばかりの中で、登録制度については今後も検討を進めてまいります。風景づくり交流会、地域の活動団体の方々の交流会とは別に、登録制度の検討会、先ほどの意見交換会みたいなものを開催しながら、意見交換や検討を進めてまいりたいと思っております。また検討の状況については、こちらの委員会のほうにももちろん報告させていただきまして、ご助言等いただきながら検討を進めてまいりたいと思っております。 報告は以上です。 ○委員長 ありがとうございます。それでは意見交換ということで、ご質問、ご意見等ございましたら、委員の皆様よろしくお願いします。おおむね20分ぐらいです。お願いします。 ○委員 今ちょうど出ているのでいいかなと思うのですけれども、風景づくり条例の中で選定をしました。それは守り、育てることですよと。登録して活用、活かすことですよと段階があるのはよくわかるのですが、なぜ段階を分けなければいけなかったのですか。  地域風景資産になるのも意外に大変でプランをつくったり、「何となくいいよね」で選定されているものではないので、選定のところでハードルがありました、登録はさらにハードルがありますとしないと、この活用ができない。なぜ選定したものはそのまま活用できないのかというところがわからなくなってしまったので、もうちょっと説明をしていただけるといいかなと思います。 ○事務局 私たちもこの登録制度についていろいろ検討、調べていく中で、選定というのは、皆さんで地域風景資産の活動を始めるきっかけとして、風景づくりプランをつくりながら活動をしていくために、活動のきっかけとなるように選定をしていくということで、区民参加のもとで選定をしてきたというところになると思うのです。  最初、選定のまた1つ先のステップアップのものとして登録がある。なので選定した地域風景資産は、次はみんな登録を目指していく制度なのかなということを最初は考えていたのですけれども、条例の制定経緯を調べていく中で、全て登録を目指していくものということではなくて、今度、その活動団体の方が地域風景資産を活用しているのですけれども、そこに所有者の人も絡めて活用していくということの制度なのかなと今は思っています。というのは、ただ活動していくだけではなく、所有者の方にも活動の中にかかわっていただいて、所有者にも少しそれを維持していく努力義務を課す一方で、所有者の方に対して区からも支援ですとか、あと金銭的な助成ができる制度。そういった展開をしていく地域風景資産については、この登録制度をまた活用していただくことで、活用していくということと、所有者の方に支援ができるという制度なのかなと思いましたので、選定の1つ上というものではなく、選定の先にある、活用の仕方によってはこの制度も使っていくという制度なのかなと、今はちょっと考えております。 ○委員 そうすると割と二者択一的な感じな、上下関係、選定があって登録ではなくて、選定もあるし登録もあるし、みたいな二者択一的な話として扱うのか。  ポイントは所有者が介在するのか、しないのかというのは大きくわかったのですけれども、そもそもでは何でやっているのかというと、いいねという風景をよりよくしたり、より維持をしやすくしましょうということであるとすると、まず所有者が介在しないでその話はできないではないですか。だから選定をしたということは、つまり所有者に何かしら介在をもうしてもらわざるを得ないのは必須であり、登録という形でもう一回厳しい審査をしてとなったときに、では最初の選定は何だったのだみたいな、その辺がぐるぐるしてしまうし、すごくお役所的にかたい感じがして、何となく道路の清掃をしたり、草花育てて楽しく過ごしていたのが、えらくいろいろな制度がかかってきて、なんか大変なことになりそうだぞ、みたいな感じがしてしまう感じがちょっとあって。もうちょっとソフトランディングできないのかなみたいな。  そもそもいいものをよりよく残そうとする方向の話だったはずなのが、何となくすごく難しく捉えられている。そんなに難しい話なんだっけ、というのがすごく、客観的に聞いて、なるべく今までの経緯とかを外して客観的にこの制度を知らない人がぱっと聞いたとき、それから風景づくりの、それこそ落ち葉掃きリレーをしている人たちがこれをぱっと見せられたときにどう思うかなと思ったときに、とりあえず「私たち、いいです」という感じがすごく登録のところでしてしまう。  「景観重要建造物」というのは、これは完全に景観法の話なので、全然切り離していいと思うのですけれども、風景づくりは「一体、風景って何だ」みたいな話もあって、風景は勝手にできていくものではないけれども、逆に言うと勝手にできてしまうものでもあるし、という。そのあたりをどうコントロールしていこうかという話なのだとすると、こういうプロセスを踏まないと本当にいけないのだろうかというのが、委員がそんなことを言っていいのかどうかわからないのですけれども、すごく客観的に見るとそう見えるなというのが印象としてありました。 ○都市デザイン課長 条例上、非常に曖昧だと僕も思います。僕が思ったのは、この登録というのは、世田谷区の行政の財政支出、要するにお金を支出してまでも守らざるを得ないものが出てきたときに指定するものかな、と僕は読み込んだのですね。地区計画の地区施設と同じで、もし売らなければならなくなったら買い取る。生産緑地も同じですけれども、そういう意味合いのものかなと僕は捉えたのです。  過去この風景づくりにかかわった課長も含めて、いろいろな担当にいろいろ話を聞いたのですけれども、例えば、「駒沢給水塔」が地域風景資産になっていますが、これには保存会があって、非常に熱心に活動している。どちらかというと、この地域風景資産の中では非常に一生懸命やっているところなのですけれども、この一生懸命やっているところは登録なのかどうかということをいろいろな方に聞くと、2つあって、これほど一生懸命やっているから登録なのだという方と、実は給水塔は都が持っているからなくなることはないのでこれは登録ではないよという判断があるので、それが言われてみると、条例上どっちにも読めるのですよね。だから非常に難しいなと。当時つくった方々あるいは学識経験者の方々、いろいろ思い入れあってつくっているのでしょうけれども、条文を見るとどうも捉えようがない。  この登録も、この検討会の中で来ていらっしゃっている団体の方に聞くと「我々は今はいいよ」という、そういう空気なのですよ。だから僕は財政支出、例えばお金を、やむを得ず例えば相続が発生して、売らざるを得ないとかいうことが発生したときに、財政支出できるための手法かなと。僕は最初そう捉えました。 ○委員 もし、今、都市デザイン課長の判断だけで決められることではないと思うのですけれども、それは非常に説明としてわかりやすくて、先ほど委員の方からもあったように、割と相続はその風景が大きく変わってしまう理由になったりとか、どうしようもなかったりという理由になるのが多いので、そのときに区がお金を出してでもそれを守るよという、そういう制度ですとはっきり書いてくれれば、それは「なるほど」とわかるのですよ。区がお金を出してでも買い取るためにこれだけのハードルが必要なのです、という言い方だったらわかるなと。選定の段階は、まだ専門家を派遣してサポートしますよとか、そういう明らかにあなたたちの風景を買い取りますみたいな、財政支出の話ではないのですという、そこの違いが明確に出せるのならば、すごくわかりやすくなる。  ただ、出せない状況だと、皆さん「私たち、いいです」がいつまでも続いてしまうので、制度を整える理由があるのか、ないのか。あったほうがいいとは思うのです。いざとなったときにお金を出してでも残したいですと区が宣言できる地域風景資産が多分この中にあって、区が出せるなら本当にそれが一番いいという条件が出てくることがあるので、制度として整えたいと思うのですけれども、出し方の問題なのか、説明の仕方なのか、工夫が要るなと思います。 ○都市デザイン課長 そのとおりです。 ○副委員長 さっき課題が「人材不足」と「変化消失」で、この「変化消失」に対応する策ですよね。要は突然何かいろいろな事情があって、事業者なのか相続なのかわからないですけれども、地域としては不可抗力みたいな状態が生まれたときに、もうなす術がないので、それをお金で解決できますかという話、本当に歴史的保全の話と全く同じ話だと思うのですけれども、そういうところにお金のサポートならできるからそういうことをやりますかというのを、選択してもらうということだと思うのです。  何よりも結局、地域には登録にデメリットはなくて、結局所有者が「うん」と言うか、言わないかみたいな世界の話かなと思うので、その辺のバランスで制度上はどの辺に位置づけておけば、一番まさにレギュレーションとメリットの間が行けるかという話かなとは思いました。  一方で、選定側でやってきたこの地域風景資産のよさというか、ちょっと緩いのですけれども、結局みんなでつくっていけるようなものでないと、最終的にはいざとなったらこういう出来事でなくなってしまうものになってしまうので、そうならないようにみんなでちゃんと愛着を持ち続けようねみたいなのが、多分この選定側の持っている、この制度そのものの魅力というか、ほかのところにはない、正直外から見ているだけで「こんだけやらなきゃいけないんだ。大変だな。やっぱり世田谷区すごいな」みたいな制度だなと思って拝見しましたけれども、でも、そこをみんなで育むということで、お金の解決とかルールの解決ではなくて、活動を通して愛着を持つというところを丁寧にやっていきましょうというのが、この仕組みの趣旨だとは思うので。  ただ、要は本当にそれでは手の届かないところがあって、手の届かないところに何か違う形でサポートできる仕組みが登録だという説明の仕方というか、それはただし、所有者とはかなり綿密にやりとりしながら、そこにデメリットが発生する可能性もあるので、そこでちゃんと、そこまでみんなで丁寧にやりながらやりますかというのを考えましょうね、ということを何かうまく説明すれば良いのだと思います。  これもさっきの界わい形成地区と同じで、別に登録を増やすことが目的ではなくて、本当に消失してしまって大丈夫ですかというときに、何か違う手もありますよというのを多分言っているということだと思うので、そこをうまく伝える工夫かなと思います。 ○委員 助成の金額にもよると思うのですよね。家1軒買える話なのか、年間数十万のレベルの金額かいうことにもよるのだと思うのですけれども、地域風景資産の中で、選定されたものの中から登録制度が運用されれば、風景づくりのツールが1つ増えることになるので、結構なことなのではないかなという感じはするのです。  ただ、実際の運用はかなり限られる範囲かなと。つまり、登録するメリットは所有者等への技術的支援と助成で、一方、維持管理の努力義務はついているということになると、法人でも財政的に安定しているようなところは自分で管理できるので、あまりよその規則に拘束されたくないというところもあるでしょうし、公共の団体でも、いろいろ区とか都とか、組織が違うと別の組織から干渉されたくないという気持ちも入ってくるので、実際の運用となるとかなり限られるかもしれないけれども、風景づくりのツールの1つができるということは結構なことではないかなと思いました。 ○委員 今回の資料が、どちらかというと民間の方が所有されている資産をどう登録していくかということに重きを置いているように思うのですけれども、このリストを見ると、区が単体で所有管理している資産というのもたくさんあって、これについては景観法でいうところの「景観重要公共施設」のように、区が自ら維持管理するためにこういう位置づけがあって、風景づくりをかなり大切にしなければいけないという観点を持って、他の関係部局と調整していくというツールとして使えるのではないかと思いますし、その時に区が自らの意思で定めるだけではなくて、周辺の方々、応援してくださる区民の方々がいて、その声をもって、やらなければならない責務があるという位置づけが区の中でできるのではないかと思いますし、こういう公共施設が実際に登録されて、景観計画等に載ることによって、例えば桜並木の沿道でマンションが建つというときに、いろいろなことが調整しやすくなると思うのですね。ですから、なるべく区単体の公共施設については、率先して受け皿として登録を目指していくということも考えていいのではないかと思うのですね。そういうメリハリがあって、その成果が少しずつ積み重なっていくと、民地のほうでも「じゃあやってみようか」という気持ちにつながらないかなという感想を持ちました。 ○委員 1点質問なのですけれども、先ほどの「資産活用指針」ですが、景観法では、所有者の同意なしに風景づくりの計画とか方針を定めることができると思うのですけれども、それと同じような意味で、景観法に裏打ちされた活用指針という位置づけになるものでしょうか。 ○事務局 地域風景資産は風景づくり条例に基づく制度であり、景観法とは直接はリンクをしていません。風景づくり条例は景観法に基づく条文のところももちろんあるのですけれども、地域風景資産については景観法とは絡まない世田谷区独自の条例の制度になりますので、特にリンクはしているところはないので、「資産活用指針」は景観法に基づくものになるかどうかというところでいけば、景観法に基づくものではないものになります。 ○委員 民間で持っている部分で、個人で持ち続けることが困難になって譲渡されたり、今はなくなってしまったりということがあるように見受けられるのです。  例えばクラウドファンディングのように、そういう区の宝物としてそれを残すのであれば、少しお金をそれに向けて払ってもいいという声はよく聞きます。  そういう思いを持っていながら、その受け皿となるものがなかなかなくて、各支援団体とか、そういうかかわっているところがクラウドファンディングを立ち上げるというのはなかなか難しい部分もあったりするとは思うのですけれども、例えば区が、風景づくりとしてのクラウドファンディングのような、そういうものができてくると、とても支援しやすくなると思います。区は財政的に難しいけれども、そういうところから回すことができたりとか、今、SNSとかが盛んですけれども、こんな風景がありますとかいう写真とかがそこにたくさん載ると、そこをたくさんの方が見て、また、「こんなところ知らなかったけれども、行ってみよう」「これを守るためなら支援していこう」という、そういう輪がだんだんと広がっていくことも、未来のために、子どもたちがそれを見ることというのはすごく大事なことだなと感じますので、そういうためにも、そういう受け皿的な発展というのも1つあってもいいのかなと思います。  イメージ的につくりづらいかもしれないのですけれども、夢のような話なのですけれども、市民一人一人が身近な感覚で参加することで、風景づくりを他人事ではなくかかわっていける1つの方法ではないかと感じます。 ○事務局 例えばイメージなのですけれども、登録することによって、所有者に対して支援・助成ができるという中で、今は活動団体に対しての支援・助成制度がありまして、例えば活動団体の方々に、専門家のアドバイザーとか、そういった方々を派遣するということができるのですけれども、例えば所有者さんにそういった義務が発生している中で、所有者の方々がそういった、クラウドファンディングをもし始めたい、だけどどうやっていいかわからないというときに、所有者に対してもそういった支援ができるという制度なのかなと考えております。  地域風景資産はそもそも、そのものを保存していくという制度よりは、どちらかというと地域風景資産を守り、育てる活動のきっかけとなるために選定をしているというところがあるので、登録制度についても、その活動を所有者も一緒に活動していくものがこの登録の制度であって、その所有者の方にも、そういった活動のための支援ができるという制度なのかなと思っています。  なので、例えばそのものがなくなってしまうことに対して、登録制度で区からお金を出すのかどうかというところにすると、どちらかというとそれはこちら側の「景観重要建造物」の制度になっていくのかなと思っていて、所有者も含めた活動に対しての財政出動をしていくという制度かなと思っています。 ○都市デザイン課長 ただ、今のお話は1つ、僕は入ってきたものがあって、確かにさっき言ったように、登録するということは区が財政支出をするということですけれども、そこが例えば何億というお金を出さなければならないとすると、区は二の足を踏むかもしれないけれども、ガバメントクラウドファンディングを使うという話になると話は違ってくるわけで、そういう活用のための登録というのもあるのかもしれないですよね。  資金調達というのは行政がどうするか、一般財源を使うのか、ファンディングを使うのかというのがあると思うのですよね。先ほど部長が冒頭お話ししたオリンピックに関連してサイン整備のガバメントクラウドファンディングをやって資金を集めましたけれども、それはまた非常に仕組みが複雑でいろいろ大変ですけれども、そういう資金調達もあると思いました。 ○委員 そのクラウドを見て、お金は出せないけど力は貸そうかなとか、そういうボランティア意識への発信にもなるのではないかなと思うのです。 ○都市デザイン課長 ただ、それは今お話したのは行政がやるという話ですけれども、僕は団体がやってもいいかなと思っていています。今お手元の「風景マップ」は年間すごい部数出ているものなのですが、これを今改訂しようかと活動団体との交流会でもお話ししていて、そのなかでいろいろな意見があって、それはもっともだなと思ったのは、例えば、この風景マップの風景の下に活動団体名を記載して、例えばそこのホームページを案内してもいいのですけれども、何かそういうもので団体を知れるものがあるといいかなと思っていて、そうすると、実は団体がなくなってしまったものも見える化するのですよね。そうすると、ないところは誰かが助けようかということも起きるだろうし、そういう形の、いろいろな方向でものを考えていきたいと思っています。  登録についてもいろいろな意見がまたあるので、皆さんお手元に本日配っているこの一覧も、実は登録制度の話の中から、どれぐらい公共が持っていて、どれぐらいを民が持っていて、どれぐらいの、例えば「富士山が見れる風景」といったら登録が難しいよなとか、分析をするためにつくってみたものなので、また次を考えていきます。  それで登録についても、先ほど話したように、この前の検討会では皆さん「まだいいよね」という雰囲気ですけれども、1つの議題として、この検討会は引き続き続けようと思っていますので、また報告させていただければと思います。 ○副委員長 私、先ほどの○○委員のご意見に本当に同意するというか、6割が公共なので、先ほど言ったとおり、これは選択肢が1個ふえているだけで、所有者以外はそんなにデメリットはないような感じもするので、これは粛々と制度としてちゃんと固めていけばよくて、それを使うかどうかはまさに話をしながらやっていくのだと思いますけれども、まさに公共の部分に関しては、それこそ道路とか公園なんていうのはどのぐらいフラットに情報交換をやりながらできているのかはちょっと私、存じ上げませんけれども、全然こういうことを考えていない人たちが地域の風景になっている樹木を切っちゃったみたいなことのないように、ちゃんと、位置づいていれば、ぐるぐる入れかわる中で、そういうセクションの人たちも見やすくなっていくとか、何かそういう意味でのメリットはあるのではないかなと思いまして。  民間さんの残り20とか30ぐらいのターゲットに対しては、先ほどのような金銭的も含めたいろいろな支援がどのようにできるかと考えると、整理すればそんなに難しくないというか、ちゃんと進めていければいいのではないかなと思います。 ○都市デザイン課長 わかりました。 ○委員長 せたがや百景がありますけれども、百景は選定しておしまいということでしたけれども、この地域風景資産はある意味、活動そのものを選定するということが、そこが百景との大きな違いで、風景をただ単に選定しておしまいではなくて、これを「活用して、守り、育てる」となっていますけれども、実際推薦の段階で活用している団体は多いと思うのですよね。先ほどの駒沢の話もそうですけれども。ですから、ある意味で登録に適するような、あるいはコミュニティまで広がっているという団体は、86団体全てとは言いませんが、何件かはあるだろうと思うのですね。ですからそういったところは、場合によってはそういった提案をしていくだとか、あるいは区役所そのものが、この選定と登録の違いが何なのだろうということがわからない状況だとどっちつかずになってしまうでしょうから、そこをきちんと丁寧に認識されて、それを活動団体にお示ししていくということがあり得るのかなと、そこは思うのですね。  実際に公共の空間でも、以前調べた中でも、○○の会の方々だとか、あるいは新町公園では地域の方が毎週水曜日に集まって、あそこで花の苗を入口の花壇のところに植えたりとか、花の苗を自分たちで買ってきてそれをやったりとか、そういったことを区の施設に対して、風景を高めようということを、世田谷区で最初にできた公園ということに誇りを持って花の苗の花壇づくりをやっているのですね。ある意味でそういった方々に対しては、区の施設を、風景づくりを高めてくれているということをやっているわけですから、例えば5年以上もそういったことをやっている団体に対しては、課長名とか部長名で感謝状を渡すとか、そんなことが何かしらあっても、登録までいかなくても、そういったことがあってもいいのかなとは、個人的には思います。  そんな区の中で頑張っている方々もいつつ、先ほどのお話もありましたけれども、今後の担い手とかそういったところが、活動団体同士が連携し合うとか、あるいは小学校、中学校が連携するとか、何かその辺が可能性としてあるだろうなと思いますので、そういう手法をぜひイベントとしてもやっていければいいのかなと思うのですね。  以前調べた中で、小学校、中学校の学校区で見ると、砧とかあるいは玉川とか成城とか、そういった地域の地域風景資産が多いのですね。そうすると、そういったところは地域風景資産もせたがや百景も、向こう側の○○小学校とか、あるいは○○小学校とか、○○小学校とかの学校区内にとても地域風景資産が多いので、そういったところは小学校と地域学習で連携して風景づくりにかかわれるとか、何かそういったことを少し活用していくようなことを逆に区から提案していく形があってもいいのかなと思いました。 ○委員 一言だけよろしいですか。私も同じことを考えておりまして、活動と風景の「活動」の部分というのが大きな課題なのだろうなというところと、逆にその団体の方々は活発に意見を交わしてらっしゃるとは思うのですけれども、そうではない区民の方々というのは、何かやっているのは薄々知っていても、例えば桜並木を見て「ここ誰かやっているよね」「何か指定されているよね」というのは知っていても、どういうふうにかかわっていいのかという部分がわからないのだと思います。そこで何か今おっしゃったようなイベントがあるとか、あるいは子どもたちがかかわるチャンスがあったりするというところから、子どもたちがかかわるとその親御さんたちが「そうだったのだ」というのが理解できるとか、そのイベントに参加できなくても、知っていく方法というのが、何かまたいろいろな機会があっていくと、先ほどクラウドファンディングのお話があったりとか、いろいろな方向での仕掛けが活動のところへ影響していくのかなと思います。  話が違うのですけれども、トルコでも世界遺産になりそうな遺跡がたくさんあるのですけれども、そこの村の人たちがそこの価値を認識しないときに、子どもたちから入っていくというところで、ようやく親御さんが理解してくれるというのを何年もかけてやっている活動にちょっとかかわっているのですが、それと同じではないかなという気はしますので、そのあたり、最後、委員長まとめてくださったことと同じ意見です。 ○委員長 よろしいですか。 では、続いて報告事項3ということでよろしくお願いします。 ○事務局 では、私からまた説明をします。  3つ目の報告事項は「地域風景資産の名称変更」についてです。お手元にお配りしております資料3の「地域風景資産Q&A」の中において、地域風景資産の名称変更の手続のことが書かれておりまして、風景づくり委員会にて、変更内容が選定条件を満たしているか、選定時の趣旨に沿っているかを確認し、名前の変更の可能が認められれば、周知の上、地域風景資産目録やマップ類の変更を行う、としております。  今回申し出がありましたのは、上北沢駅前の桜並木の活動団体の方々から申し出がありました。こちらの地域風景資産は、平成19年、第1回の選定の際に選定されております。  活動団体は「○○」という団体です。桜並木の維持保全を目的に、観察会や清掃、会報の発行、桜まつりなどへの出店など、活動をしております。構成人数は120名いらっしゃいます。  この桜並木はせたがや百景にも選ばれているのですけれども、せたがや百景のほうの名称は「上北沢の桜並木」ということで、地域風景資産のほうと名称が2つあるため、ちょっと紛らわしいという状況になっております。  それに伴って活動団体のほうから、名称についてはせたがや百景の名称と合わせて「上北沢の桜並木」に統一したいという申し出があり、変更を行います。実際の活動の趣旨ですとか、活動の内容については全く変更はありません。  選定条件の確認をこの場でしたいと思いますけれども、地域風景資産の選定条件としては、風景としての資産の価値があること、それから地域の共感・共有があること、風景づくり活動につながるアイデアがあること、コミュニティづくりにつながる可能性があること、というのが選定の条件となっていました。  これに対しまして、せたがや百景にも選定されていて認知されているということ。それから共感については、地元町会とも協力してさまざまな活動を行っていること。それから風景づくりにつながるアイデア等については、今現在さまざまな風景づくり活動につながっているという状況であること。それからコミュニティづくりについては、現在「○○会議」というものが発足して、町会とも連携しながら地域コミュニティを形成していることなどから、こちらの地域風景資産については全ての条件に適合している状況と判断しております。  これで変更した後の対応としましては、お手元の刊行物等の名称の変更や、現地にこういったアルミの標示プレートがあるのですが、こちらをつくり直して更新していくなどの変更を行う予定でおります。 地域風景資産の名称変更については以上になります。 ○委員長 ありがとうございます。ただいまの報告に対して、ご意見等ございますでしょうか。  とりわけ名称変更ということですので、よろしいでしょうか。 それでは続きまして、報告事項4、事務局よりお願いいたします。 ○事務局 4つ目の報告事項としまして、「親子で風景なぞときまちあるき」について説明をいたします。  この普及啓発活動のまちあるきのイベントについては、都市デザイン課で毎年1回企画をしまして、開催をしております。  これまで開催してきたまちあるきについては、参加者を募るのですけれども、結構年配の方々の参加が多かったということで、今回は少し次世代を担う子どもたちや子育て世代の方々に、身近な風景の魅力や風景づくりの取組みについて伝えていきたいということで、こういったなぞときという企画をしました。  今このなぞときというのが、子どもたちですとか、若い人たちの中でブームとなっているということなので、そのなぞときとこの風景、具体的には地域風景資産のところを回ったのですが、そういったものと絡めて、小学生とその保護者を対象として開催することとしました。  開催したのは去年の10月26日の土曜日で、場所は池尻稲荷神社から三宿・太子堂を経て三軒茶屋の周辺までということで開催しました。対象は小学生とその保護者で、定員は20組としました。  事前周知は区のお知らせですとか、ホームページ等の掲載をし、また、図書館や児童館、各施設で配布をしましたのと、今回選んだコースの近隣にある小学校の全校、全生徒に配布してみました。  そうしたところ、20組という定員のところに123組もの応募をいただきまして、6倍という中での抽選をさせていただきまして、20組の方にご参加をいただくこととしました。  ルートについてですけれども、これはお手元の資料4の「なぞときマップ」の中にあります。地域風景資産である池尻稲荷神社をスタートとしまして、烏山川緑道、三宿の森緑地、太子堂・円泉ヶ丘公園という、それぞれ全て地域風景資産なのですけれども、その4カ所の地域風景資産を回りました。各資産の場所で親子で協力しながら、風景に関するなぞときをしていただきました。  なぞときなのでストーリー仕立てになっているので、またお時間あるときに、「なぞときマップ」に謎のストーリーがありますのでお読みいただければと思います。  では次、その裏面をごらんください。なぞときの一例をご紹介させていただきたいと思います。  このなぞとき、4カ所したうちのまず左上の部分を見ていただきたいのですけれども、こちらは池尻稲荷神社の地図です。この中の幾つかの謎を解いていただくのですけれども、この謎は現地に行かないと、現地の風景を見ていただかないとわからないような謎になっております。  例えば一番右のところ、「たくさんの赤と白の何々があります」というこの四角の中には、ちょうちんがありますので「ちょうちん」というふうに入ります。  順番にお答えを申し上げると、手を洗うところについては、「薬水の井戸」というのは、ここが「龍(たつ)」ですね。「たつが口から水をはく『やくすいのいど』」。それからその下は、その「たつ」をこの5番のところに入れると7番目は何なのでしょうという謎になるのですけれども、これは十二支から数えていくと7番目は馬になるので、「うま」と入ります。それから、その左のほうにあるのは「何々をしてあそぶ3人のこども」の銅像があるのですが、ここはかごめかごめの像がありますので、「かごめかごめ」と入ります。あと一番南の道路が、ここは昔からある大山道が地域風景資産になっていますので、ここを「『おおやま』みち」と四角に文字が入っていきます。  あと、1つの事例として、シートの右上なのですけれども、こちらは烏山川緑道の地域風景資産の謎ですけれども、こちらには実はこういった、整備された当時の地元の小学生の子たちが描いた壁画が飾ってあります。これを見ながら「とりはとりでもとべないとり。はしるのはとてもはやい」という謎がありまして、その絵を探すと、ダチョウの絵がありまして、このダチョウの絵のところの文字をここの四角に入れていくという、なぞときになっています。このように四角の中に入れる答えを探すために、現地で保護者の方々と一緒に子どもたちに謎を解いていただきました。  解くのとあわせて、それぞれの各地域風景資産についても知っていただきたいというところで、地域風景資産のデータですとか活動団体の内容、それからそれぞれの場所の風景の生い立ちですとか、あと、子どもたちにも見ていただきたかったので、保護者の方からご説明いただくように、その場所その場所の昔話みたいなものも、資料としてあわせてお配りしました。先に謎が解けた方々には、少しこういったものをご紹介しながら進めてまいりました。当日はとても天気がよくて、紅葉もし始めているところで、楽しく皆さん謎を解いていっていただけたと思います。  最終的に4つ回った後に、三軒茶屋の駅の近くの集会室のところでなぞときの答え合わせをしました。最終的に謎が解けた子どもたちに対して、記念品としてオリジナルの缶バッジをつくって、それを記念品として配付をしました。  当日、会に参加していただいた方のアンケートをご紹介しますと、まず「イベントについて」は、「とても楽しかった」というご意見をたくさんいただいております。それからなぞときについては「ちょうどよかった」というご意見をいただいておりますけれども、ちょっと「難しかった」という方もいらっしゃいました。あと、子どもたちからは、「簡単だよ」みたいな声もありました。  あとは「まちあるきについて」は、3キロくらいの距離を歩いたので、「疲れた」という方が結構いらっしゃっいました。  あと、参加者の年齢としては小学校の方々を対象としたのですけれども、大体6歳から10歳の方々、1年生から5年生ぐらいの子どもたちにご参加いただきました。  あと、自由意見の中では、「住んでいても知らない風景があって楽しかった」というご意見ですとか、あと、「親子で参加することが大事だと思った」というご意見をいただきました。あとは「地域の歴史を知ることができてよかった」というご意見をいただきました。  このなぞときというのが、先ほどいろいろご意見の中にもあったのですけれども、結構このなぞときと風景を絡めると、子どもたちですとか若い世代の方とか子育て世代の方々に、この地域、風景についての取組みをアプローチできるいい手法かなということを今回のことで思いましたので、この効果的な手法については、また引き続きいろいろなところで活用できていけたらいいなと考えております。  実際開催したことによって、親子で参加していただき、お住まいの地域の風景について親子で一緒に感じていただくことができましたということで、このことが親子での思い出の風景になったりとか、あとはその積み重ねから子どもたちの地域への愛着が湧いたりとか、そのことによって、将来その子どもたちが大人になったときにまちづくりにかかわっていけるような、地域の活動に参加していただけるような意識の醸成につながっていくことを期待できるのかなと考えております。  説明は以上です。 ○委員長 ありがとうございます。とてもいい取組みかなと思うのですが、委員の皆様、感想と質問等ございましたらお願いします。 ○○さん、お願いします。  ○委員 今のお話聞かせていただいて、長い目で見て人材育成にも役立つので、事務局方の準備は非常に大変だなという感じはしますけれども、ぜひ続けていただきたいなと思います。  それと、これは同じようなツアーで、世田谷区の建築士の団体の方が年2〜3回、まちあるきのイベントとして、地域風景資産をめぐるツアーを実施しまして、1回に近隣の地域風景資産を3〜4カ所回るということで、私も昨年2回ほど参加いたしました。それで1回に20〜30人が集まるのですけれども、中には若い人とか、若い夫婦の方が参加しているということも見かけました。一方、それぞれの地域風景資産の地域では、活動団体の方が資料を準備して、大変だったと思うのですけれども、一生懸命熱心に説明していただきました。一人でぶらっと地域風景資産に行っても見過ごしてしまうような見どころとか、歴史的な背景とか、あるいは苦労している点とかということをいろいろ説明してもらえたのですが、活動団体の皆さんは、どの地域風景資産に行っても非常に生き生きと説明していただけるのですよね。恐らく説明する方がたは、大勢の人に地元の地域風景資産を見てほしい、苦労を聞いてほしいという気持ちをすごくお持ちになっているなという感じがしたのですね。  そこからのアイデアですが、世田谷区が関わり、定期的にこの地域風景資産をめぐるツアーを実施したらどうかなということを思ったのです。  イメージ的には、1回に3カ所程度を回って、年3回実施すると1年に10カ所ぐらい。それで、前回のこの会合では活動団体が52あったということで、10人以下のところが半分だということもありましたので、10人以下でツアーの対応をするのは負担が大きいので、その半分の10人以上のところの25団体ぐらいを対象にすると、3年に1回ぐらい回ってくるということになる。定期的に実施すれば、その中には若い人もいろいろ参加するでしょうし、そうすると、地域の風景を守る活動に関心を持ったり、自分も活動をやってみたいなという人が出てくるかもしれないということだと思うのですね。  それで参加者の方も、先ほどもありましたけれども、地元の小学校とか中学校にも声をかけて参加を募るということがあれば、活動団体の活性化にもつながりますし、活動団体の人材不足、高齢化対応にもなるのではないかなという感じがしました。  それから私、昨年、地域風景資産を全部見て歩いたのです。それで1カ所ないところがあるので85カ所ということなのですけれども、最後は深沢の清明亭、公開の日にちが決まっていましたので、公開日に見学できて、マラソンを完走したという気持ちでいます。ただ、地域風景資産に選定されているところに行きますと、喜多見とか、桜上水の畑が指定されているのですけれども、場所がどこなのかというのがわからなかったり、標示プレートが見つからなかったり、あるいは豪徳寺近辺の古道、滝坂道ですか、複数道があって、どこが滝坂道なのかというのが確信持てなかったというのがあったのですけれども、地域風景資産を知らなければ知ることのできないような風景がいろいろあって、非常に勉強になりました。 ○事務局 ありがとうございます。 ○副委員長 これは20組に絞らないといけないのですか。もったいないですね。6倍もあって。安全とか、そういうのは多分あると思うのですけれども、オペレーションとしては最後に答え出せばいいのですよね。 ○都市デザイン課長 私も応募いただいた人を全部受けようかと思っていたのですよ。それは職員にも、こうしているけれども、いつも思うのですけれども、来たら受けようと言っていたのですけれども、さすがに120組になってしまったら、安全面を考えると難しいと。  それで考えたのが、当日は一緒に歩きますけれども、この全員の方に同じものを送ったのです。だから別にこれを見てほかでも歩くこともできるし、この20組というのも20人ではないので。保護者と子どもが1人か2人ついてくると、結構横断歩道を渡るだけでも危険なので、最初30〜40ぐらいだったら受けてしまおうかなと思ったのですけれども、定員を絞りました。 ○副委員長 もちろん安全とかいろいろあるので。ただ、要はツアーは満足度が高いのですけれども、人数が制限されてしまうというのがデメリットだと思うのです。この仕組みは、もちろん安全を管理しようとするとついて行かなければいけないのですけれども、年中どうぞで、答えをどこかでわかるようにするとしたら、1人でも、自分でも行けるようになるとすると、広い人にわたるのかなと思ったので。その裾野を広げるためには、その辺をうまく、多くの人数が触れられるものになるとよりよいなと思ったので。 ○都市デザイン課長 考えてみます。ありがとうございます。 ○事務局 実はホームページにこれをそのまま公開しておりまして、別のところを開くと答えもわかるように今なっています。 ○委員 何のホームページですか。 ○事務局 区のホームページの「風景づくり」というところから入っていくと、この「なぞときまちあるき」のシートがダウンロードできるようになっています。 ○委員 なぞときをずっとやっていると、自分で謎つくりたくなる子どもが絶対いるのですよね。例えば今度この地域風景資産の謎をつくってくださいみたいな、子どもたちから応募して、そのツアーを組んでやるなんていうのも、参加者をふやすことになるのかなと。そうすると、その地域風景資産に行ってみないとつくれる問題が考えられないので、調べないといけないし、そんなことで、なぞときツアーの主催もどんどん、子どもたちとか学校とか、そういうのにかかわってもらうというのも1つの広げていく方法かなと。すごくおもしろいし、よくできているので、これを考えるのすごく大変なのだろうなと。 ○委員 一昨年くらい前でしたか、そういうのがありましたよね。クイズラリーで。 ○事務局 クイズラリーというのもやって。このなぞときではなかったのですけれども、地域風景資産ごとのクイズを応募して、あとはクイズ答えていただくというのは、3年ぐらい前です。 ○委員 3年も前でしたか。2年ぐらい前ですか。 ○事務局 2017〜18年です。 ○委員 今、なぞときのソフトがすごくなっていて、子どもたちのなぞときしたい欲求がどんどん高まっているし、知恵も技術も子どものほうがどんどん上がっていて「こういうのはこうやって解くんだよ」みたいのがあるから、逆にいろいろつくられてしまったりとかもするので、そんなのも楽しいと思います。 ○委員 アプリ的に発信してもいいと思います。世田谷区のそういう観光アプリみたいな、大学の学生さんがかかわっているのがたしかあったと思うのですけれども、ああいうのをもっと区民に発信していったらいいのではないですか。そこを見るとまちあるきがしやすいですというページが。ホームページでもいいのですけれども。そうするとどんどん広がっていくのではないでしょうか。 ○都市デザイン課長 いいですよね。でも、行政的にハードルが高そうですよね。 ○委員 学生さんは、卒業されるとそこでどうも活動が途絶えてしまって、また新たにスタートということがあり、どうも3、4年たつと消滅してしまう活動が少なくないのかなと思います。そこを何とかうまい具合にゼミで管理するとか、より良い方法がよくわからないですけれども、そういうものができていくと、少し長いスパンで、持続的に運営していけたらとてもいいですよね。 ○都市デザイン課長 いろいろ考えてみます。ありがとうございます。 ○委員長 事務局大変だと思いますけれども。とてもいい活動だと思います。 ○事務局 係員がみんなでつくったので、どこかに委託したとかではなかったので、準備は大変だったと思います。 ○委員長 先生方からよろしいですか。  それでは以上で本日の議題は終了ということで、事務局から連絡事項があればお願いいたします。 ○都市デザイン課長 次回の予定については、年度が変わると思いますので、また開催日に向けて日程調整させていただければと思います。以上です。 ○委員長 それではこれをもちまして、令和元年度の第2回の風景づくり委員会を閉会いたします。皆様、本日はありがとうございました。 了