平成30年度第2回風景づくり委員会 議事概要 日時 平成30年12月7日 午後2時00分から午後4時00分 場所 北沢タウンホール ミーティングルーム 都市整備政策部都市デザイン課 付属機関会議録 会議の名称  平成30年度第2回風景づくり委員会  事務局を主管する課の名称  都市整備政策部都市デザイン課  開催日時  平成30年12月7日 午後2時00分から午後4時00分  開催場所  北沢タウンホールミーティングルーム  出席者 【世田谷区風景づくり委員会】 入江彰昭委員、野原卓委員、岡田雅代委員、田邉学委員、古内時子委員、山本裕委員、井田里美委員 【事務局】 副区長 岡田篤 都市整備政策部長 渡辺正男 都市整備政策部都市デザイン課長 清水優子、都市デザイン担当係長 一坪博、担当職員 水野幸、赤堀弘幸、落合尚子 (株)アルテップ 2名 会議の公開・非公開・一部非公開の別 公開 傍聴人の数 1名 会議次第・内容 開会                        1.議 題 1 1)界わい形成地区(奥沢1〜3丁目地区)指定の検討 ・平成30年度の取組み内容の報告 ・今後の取り組みスケジュール 2.報告事項 1)風景づくりのガイドライン(屋外広告物編)の協議状況 2)風景づくり普及啓発事業「いろまちあるき」 閉会 平成30年度第2回世田谷区風景づくり委員会 平成30年12月7日(金) ○都市デザイン課長 皆様こんにちは。定刻になりましたので、平成30年度第2回風景づくり委員会を開催させていただきます。  私は、司会を務めます都市デザイン課長の○○でございます。  風景づくり委員会第9期の委嘱期間は、平成31年1月31日までとなり、本日が今期最後の委員会となります。つきましては、本日の委員会の最後に皆様から一言いただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、委員会開催にあたりまして、副区長から委員の皆様にご挨拶を申し上げます。 ○副区長 皆さんこんにちは。世田谷区の都市整備領域の担当副区長をしております○○と申します。いつも大変お世話になっております。   今日は、第2回の風景づくり委員会ということでお集まりいただきましてありがとうございます。私は昨年から担当を担っているのですが、この委員会に参加させていただくのは今日が初めてで、とても楽しみにしております。   今日の議題は、界わい形成地区指定の検討ということでございます。現在、奥沢1〜3丁目地区において界わい形成地区の指定に向けた準備が進められており、先日11月18日には地元町会やNPOの方々と協力して風景祭の企画準備を行ったところ、500人を超える参加者があったということでございます。   ご存じのとおり、区では界わい形成地区という仕組みを設けておりますが、現在のところ指定された地区がございません。この奥沢地区が指定されることになれば、界わい形成地区の第1号ということになり、風景をキーワードにした新しいまちづくりの動きとして大変期待をしているところでございます。取組みの進め方等について、忌憚のないご意見、ご助言をお願いできたらと考えております。   本日は第9期最後の委員会ということで、今期までの委員の方もいらっしゃると伺っております。まず、これまでご尽力いただいたことに感謝申し上げるとともに、今後ともぜひご協力のほどお願いを申し上げたいと思います。   それでは、本日よろしくお願いいたします。 ○都市デザイン課長 ありがとうございました。それではまず、本日の委員の皆様のご出席についてご報告いたします。本日の委員のご出席は7名となっております。したがいまして、本日の委員会は、世田谷区風景づくり条例施行規則第34条に定める会議の定足数、委員の2分の1以上に達しておりますことをご報告いたします。   それでは、世田谷区風景づくり委員の皆様をご紹介いたします。   委員長の○○様でございます。 ○委員長 よろしくお願いします。 ○都市デザイン課長 副委員長の○○様でございます。 ○副委員長 よろしくお願いいたします。 ○都市デザイン課長 ○○様でございます。 ○委員 よろしくお願いいたします。 ○都市デザイン課長 ○○様でございます。 ○委員 ○○です。よろしくお願いいたします。 ○都市デザイン課長 ○○様でございます。 ○委員 よろしくお願いいたします。 ○都市デザイン課長 ○○様でございます。 ○委員 よろしくお願いします。 ○都市デザイン課長 ○○様でございます。 ○委員 よろしくお願いいたします。 ○都市デザイン課長 ありがとうございました。  続きまして、本日出席しております区の職員を紹介いたします。  副区長の○○でございます。 ○副区長 どうぞよろしくお願いします。 ○都市デザイン課長 都市整備政策部長の○○でございます。 ○都市整備政策部長 ○○でございます。よろしくお願いいたします。 ○都市デザイン課長 続いて、事務局を紹介いたします。  都市デザイン担当係長の○○です。 ○事務局 よろしくお願いします。 ○都市デザイン課長 都市デザイン担当の○○です。 〇事務局 よろしくお願いします。 ○都市デザイン課長 同じく、○○です。 〇事務局 よろしくお願いします。 ○都市デザイン課長 同じく○○です。 ○事務局 よろしくお願いいたします。 ○都市デザイン課長 また、界わい形成地区指定の検討業務を委託しており、本日コンサルタントから2名、○○さんと○○さんが記録のため出席しております。  では、ここからの進行は、世田谷区風景づくり条例施行規則第32条第2項により、委員長にお願いいたします。  それでは委員長よろしくお願いいたします。 ○委員長 本日はお忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます。これより平成30年度第2回の風景づくり委員会を始めたいと思います。  まず初めに、事務局より資料の確認をお願いいたします。 ○都市デザイン課長 資料につきましては、あらかじめ委員の皆様に郵送させていただいておりますが、確認させていただきます。  委員会の次第でございます。  資料1、奥沢のワークショップ、風景祭のチラシでございます。  資料2「奥沢界わいニュース第1号」でございます。  資料3、風景祭会場マップ。  資料4「奥沢の界わい形成地区指定検討について」。  資料5「界わい形成地区指定検討スケジュール(案)」。  資料6「いろまちあるき」のチラシ。  以上でございます。お手元にないものがございましたら挙手をお願いいたします。  また、参考資料として世田谷区全図、都市計画図1、2、風景づくり計画を机上に配付してございますので、ご確認下さい。  以上が本日の資料でございます。では委員長、お願いいたします。 ○委員長 本日は区より議題が1件、報告事項が2件となっております。それでは事務局よりお願いいたします。 ○都市デザイン課長 まず、議題でございます。  議題は「界わい形成地区(奥沢1〜3丁目)地区の指定の検討」についてでございます。  前回の委員会でお話ししたとおり、今年度は界わい形成地区の方針、基準の検討と、風景づくりの実践として普及啓発事業の両輪で取組みを進めております。その取組み状況についてご説明させていただいた後に、ご意見、ご助言をいただきたいと考えております。  担当係長より説明させていただきます。よろしくお願いいたします。 ○事務局 担当係長の○○です。よろしくお願いいたします。   今回も、お手元の資料に加えてスライドを用意しております。スライドを見ながら、お手元の資料も適宜見ていただくような形でお願いしたいと思います。   前回から約半年ほど経過しているので、おさらいも含めながら進めてまいります。   まず、奥沢地区ですが、東急目黒線の奥沢駅の北と南の奥沢1、2、3丁目で現在界わい形成地区の検討を行っております。   ここの特に大きな風景資源としては、以前お話しましたように奥沢旧海軍村住宅というものがあり、全盛期では30世帯ほどあったものが現在3世帯ほど残っていて、緑が豊かでゆとりのある洋風の住宅であります。また、まち全体としても緑豊かな住宅地が広がっております。   辻々にシンボルツリーがあるように、角地の樹木は建て替えがあっても住民の方々の働きかけもあり、なんとか残っている緑豊かな住宅地になります。   ここではNPOの方々も活動しており、ここのよさを普及啓発するような冊子をつくったり、掲示板で情報発信をしたり、シンボルフラワーであるチェリーセージを配りながら、緑豊かな住宅地を守り育てていくという活動が続けられている地区でございます。   昨年度は、地域の方々とまちあるきや意見交換会、勉強会を行い、皆さんの意識の高さを確認し、ここで界わい形成地区を進めていこうということで今年度から検討を始めたところです。   今年度は、界わい形成地区の指定に向けた検討、2年間のプロジェクトで動いております。まずは2年間のプロジェクトを立ち上げるにあたって、取組みがわかるようにオリジナルのロゴを作り、「おくさわ風景〜奥沢の風景を育むプロジェクト〜」としています。   奥沢の「わ」だったり、人々の「わ」、風景の「わ」、そういった意味や思いを込めて、「わ」に少し芽の生えたようなロゴをつくっております。   取組みの進め方ですが、前回もお話ししたように、まずは魅力の共有理解ということで、多くの人を巻き込んでイベントを行います。例えば、子どもたちや子育て世代を巻き込み、風景づくりの実践というイベント等を行い、一方では、方針、基準づくりと、界わい形成地区の手法など制度を勉強しながらルールをつくっていく。この両方を行っていかないと地域の理解は得られないだろうということで進めております。   まず、こちらのルールの検討を9月に行いました。9月22日にワークショップを行いまして、奥沢1、2、3丁目に全戸にチラシをポスティングし、周知を図り、当日は22名の方に参加していただきました。3つのグループに分かれて、直近の風景の話ではなく、50年先の風景はどうなっていたらいいだろうかという風景への思いをグループの中で出し合い、「こうなっていたらいいよね」という話をしながら議論をしていったところでございます。   それが、お手元にあります資料2の界わいニュースの見開きのページになります。皆さんから出た意見をプロットしたものになりますが、この中で言葉を拾っていくと、昨年と同様、住宅地の緑の話、海軍村の周辺にあるような緑を残したい、緑をつないでいきたい、小さな緑を大きな緑にというように、住宅地への緑に対する思いがたくさん出ておりました。   また、奥沢1、3丁目には駅に向かう斜めの道路があり、駅へのアクセスがしやすいため、人通りが多くなっています。この通りを緑豊かな空間にして、地域のコミュニティの核である3箇所の小中学校や奥沢神社などを緑の軸でつないだらいいのではないかという夢のあるお話も初めて出てまいりました。   全体において、昨年と同じように、緑豊かな住宅地をキーワードにした意見が多かったのではないかと思っております。   詳細は割愛させていただきますが、そのような意見交換を行ったところでございます。   そして、11月18日に風景祭というイベントを企画しました。事前の予報だと雨だったのですが、当日は晴れに変わり皆さんと喜んで実施をしたところでございます。   この企画の内容から説明しますと、公園を借りてイベントを開催しました。受付をして、なぞときイベント、ペイントイベントに参加すると抽選ができるということにして人をたくさん集めたいと考えました。もちろんなぞときやペイントというのは、風景を考えるきっかけになるような内容のイベントになっています。後ほど、細かくご説明します。   また、地元の方々と一緒に企画している中で、「長く居てもらうためには食べ物を出そう」ということになり、町会の方々が主導となって、焼きそばやきのこ汁、わたあめ、ポップコーンなどのお店をやろうと盛り上がり出店いたしました。   なぞときは、奥沢の風景や歴史、地域に関するクイズを作成しましたが意外と難しくなってしまったため、地域の方々がヒントおじさんに扮して「答えがわからなかったらおじさんに聞いてみな」という企画にし、これに参加をすると抽選会に行けるというストーリーです。   これが実際のなぞときシートで、5種類のシートを地域の方々と考えています。見てみると「奥沢2丁目には愛称で呼ばれている村があります」という問題があり、この答えは海軍村なのですが、選択肢には陸軍村、海軍村、空軍村があり、なぞときの中で学んでもらったり、やさしいクイズとしては、「奥沢らしい風景はどれですか」という問題があって、これは全ての答えが正解で、ご自分で奥沢らしい風景とは何だろうと考えてもらうことが目的です。このようなシートを5種類用意して行いました。あわせて奥沢の資源や風景を伝えるようなマップも配っております。   ペイントについては、子どもたちには好きなものを自由に描いてもらい、大人については、絵を描ける方、描けない方がいらっしゃるため、美術大学の学生に手伝っていただき、その場でライブペイントをすることをしました。これも参加すると抽選ができるということにしました。風景写真を見ながら、奥沢の理想の家はどのようなものだろうということをヒアリングしながら、その場でライブペイントしてもらうという方法で行いました。   抽選会では、いろいろなおもてなしのグッズを配り、そのほかは食べ物を提供したところです。   当日の状況の報告になります。まず、なぞときについては地域の方にヒントおじさんとなっていただきました。皆さん抵抗もなく喜んで扮してくださりとても似合っておりました。このように子どもが直接相談しに来て、ああでもない、こうでもない、答えに近づくようにヒントブックを見ながらヒントを与えてくれ、自然と奥沢の風景や歴史を学べるというストーリーになっています。もちろん、そのヒントが隠されているパネルの展示もして、パネルを見ながら答えを探す人もいるという状況でした。   展示の内容ですが、このイベントに際して地域の方々から写真を募集し、応募された写真の展示会ということで、ギャラリーのように行いました。富士山が見える場所の写真があったり、お祭りのいいシーンや、夜の風景の写真もございました。海軍村は特集としまして、海軍村の絵を描いている地域の方もいらっしゃったので、その絵をスキャンして飾らせていただいたり、海軍村の紹介をしています。   そして「界わい形成地区って何だろう」というところでは、界わい形成地区のような制度がないと、もしかすると緑のないまちに変わっていくかもしれませんということをキーワードに、少しの配慮でまちの魅力が上がりますということに気づいていただけるような、界わい形成地区の制度を説明するボードによる展示を行いました。   次は、ペイントですが、ペイントを始めた11時には、多くの子どもたちが押し寄せ、あっという間に席がうまってしまいました。このように子どもたちには楽しく自分たちの好きな絵を描いていただき、一方、大人は、学生さんに協力してもらい、どのような絵がいいかヒアリングをしながら描いております。実は、大人の方に希望の絵を聞くことで風景に関するキーワードを拾っています。例えば「生垣が欲しい」であったり「シンボルツリーが欲しい」「実がなる木がいい」、「家の雰囲気は木の表情がいい」など、それが恐らくここに住んでいる人の求めている風景だという解釈の中で、キーワードを抽出し、理想的な街並みにつなげたいと考えています。   また、食べ物については、町会の方々の段取りがよく、作業も早く、あっという間に作ってくださいました。実は数量を見誤り、用意した250食が11時から4時までのイベントの開始1時間で売り切れてしまうというような状況でございました。   抽選会場も大人気で、配っているものはNPOの方からもらった苗や、今回のプロジェクトで発注した花の種、色鉛筆、それと、素直に子どもが喜んでくれるような玩具も用意しまして、多くの方にご参加いただきました。  当初は来場者数100人を目指そうと地域の方々と目標を立てましたが、カウントしただけで400人を超え、実際は受付を通らない方もたくさんいらっしゃったため、500人は来ているだろうという参加状況でした。公園をパノラマカメラで撮ったのですが、これだけ大勢の人が公園にいるという、小さな公園がにぎわったイベントになりました。   このイベントの企画はどのように進めていったかというと、コア会議という会議体を設けました。NPOの方、町会の方々から代表を出してもらい10名ほどのコア会議メンバーに区とコンサルも入り、その中でチームに分かれて議論を重ねてきました。大体、夜の6時半から集まり、町会の会議室で、私どもが最初に説明をして、みんなで意見を出し合うという形です。その中で、来場者100人は目指そうという話になりました。   私どもは、当初このようなお祭りを行おうとは思っていなかったのですが、地域の方々から「100名を目標とするのであれば、食べ物や景品がないと来ないよ」という助言をいただき、議論を積み重ね、会議も盛り上がりながら楽しく進めてまいりました。   先ほどのロゴは事務局でつくりましたが、「キャラクターもあったほうがいいよね」という意見があり、コアメンバーの方に絵が得意な方がいて、「こんなキャラクターどうですか」と2種類提案をいただいたので、ゆるキャラは1つのほうがいいということで、こういう形の「おくさわわっこちゃん」というキャラクターをつくり、祭当日はあわせて顔出しパネルもつくりました。このようなことをやりながら、一体感を持ってイベント運営を行ってまいりました。   このようなイベントを通じて得た今後の展開についてお話をさせていただきたいと思います。   これからワークショップの話などを踏まえて、風景づくりの方針、このまちの理念を考えていかなければいけません。そして、風景づくりの基準、例えば、形態、意匠、色彩、色については何か基準を設けるのかどうかも含めて、具体的なルールをこれから考えていかなければいけないと思っています。   昨年の意見交換会では、まち全体を公園のようにしたい、奥沢ガーデンシティ構想のような言葉も出ました。今年も、旧海軍村界わいの趣を残しつつ、周辺を公園のようなまちにしたいという話もありましたので、私どもの案として、風景づくりの理念としては「庭先の緑が連続し、まち全体が公園のように、歩いて楽しい風景づくり」を掲げて、大きな緑や小さな緑、歴史などのキーワードに対して、具体的に地域の方々と協議をし、例えば、「シンボルとなる特徴的な樹木などを生かした○○の奥沢らしい風景づくり」といった方針を立てていきたいと思っています。   この方針、基準を区として、まずたたき台をつくり、地域の方々に説明をして、やりとりをしながらまとめていくという作業をこれから行ってまいります。   1、2、3丁目の特徴を少しデータ上で分析しましたのでご紹介しますと、比較的2丁目の中央のあたりが緑被率、つまり緑に覆われる土地の面積割合が高く、17.3%となっています。また、街区の周長に占める接道部緑化の長さも、やはり2丁目の緑が多い中央部が一番多いエリアになっています。   そして、築年数が20年以上の建物の割合で見ますと、この1、2、3丁目はどこも満遍なく60%、80%という割合で20年以上経っている建物が多く、今後建て替えの可能性があるといえます。平均の敷地面積については、やはり旧海軍村周辺が200から300平米を超える敷地が多いようです。他のエリアも大分細分化されているようですが、まだ100平米以上ある敷地も残っている状況です。   事務局の案ですが、奥沢2丁目が一番そういった緑などの特徴が多く、世田谷区の地域風景遺産も2カ所あり、界わい宣言といわれる、景観協定のようなものを宣言をしているエリアがあることを踏まえ、まだ地元との協議段階ですが、例えば、まず奥沢2丁目のメインの通りとその周辺一帯を旧海軍村住宅周辺の住宅地として界わい形成地区に指定し、その効果を検証しながら、ほかの住宅地にも広げていくなど、全域で指定をかけるというよりは、スモールスタートで広げていくような考え方で検討ができればと考えております。このあたりは議論しながら、もしかすると、大きなエリアで指定をかけて、重点的なエリアを決めるといった方法もあるかもしれませんが、大きなエリアで指定をかけると駅前の商店街や幹線道路など、異なった風景の特性を持ったエリアも入ってくるため、そのあたりの考え方を整理しないと難しいと考えているところでございます。  まだ検討中ではございますが、この後、風景づくりの基準や届出対象行為、届出にあたる規模など、住宅地であれば戸建てから全て届出を確認し、調整を行い、魅力的な風景をつくっていこうという形になるとは思いますが、その辺は地元とのやりとりの中で考えていかなければならないところがあるかと思います。今後事務局がたたき台を提案し、意見交換を行っていくつもりでございます。  様々な区民参加の場がありましたので、そこでアンケートをとっております。「奥沢らしい風景はどこですか」という質問では、住宅地・商店街・沿道・その他では、やはり7割ぐらいの方から住宅地が奥沢らしい風景だと感じているという回答をいただいています。「風景を守り育てていくための基準づくりに必要なものは」というところでは、例えば、看板のデザインや、建物の壁や擁壁のしつらえ、色彩などですが、やはり塀や擁壁とか、隣地境、道路沿い、駐車場の緑化など、通りに接する部分に対する意識が高かったように思います。これを踏まえて検討していきたいと思っています。  界わい形成地区については以上になります。よろしくお願いいたします。 ○委員長 ありがとうございます。ただいま説明をしていただきましたが、今の説明に対する奥沢の界わい形成地区の取組みについてのご意見、もしくはご質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。どうぞ。 ○委員 奥沢地区が界わい形成地区に向かって、2020年度を目標にしていることを見て、安心して風景づくり委員会を引退できると思いました。   幾つか気になる点で、以前の会議でもテーマ型の活動をしているグループと町会が、同じテーブルに乗り今日の説明のようなことが進んでいるということで、大変いいなと思いました。   質問ですがこういう地区の計画、例えば地区計画や、従来型の地区レベルの街づくりを行うときに、世田谷区では街づくり協議会を立ち上げていたと思うのですが、このコア会議の位置づけはどういったものなのかということ、お子さんがたくさん集まったということですので、親御さんは町会にどのぐらい入っているのか、地区の風景というよりはそのあたりの組織的な話のことを伺いたいと思いました。 ○委員長 どうぞ。 ○都市デザイン課長 ありがとうございます。幾つかご質問等あったと思うのですけれども、地区レベルで地区計画を検討するときには、街づくり協議会をつくって、街づくり協議会から地区計画のもととなる案を提案していただくというスタイルが今まで多かったと思います。私どももこの界わい形成地区を検討するときにどのように進めていこうかということを、課内や委託先のコンサルタントと一緒に議論していく中で、協議会のように、地区の代表の方に声をかけて、そこでまちづくりの基準や方針などを決めていく方法は、この界わい形成地区では違うのかなと、違うやり方で行ってみたほうがいいのではないかということで、まず、両輪で進めていこうということで、年度当初にスタートしております。   実際に、今回の風景祭のような、地元の人に広く知っていただくイベントを立ち上げるときに、区だけでは限界があるため、地域のキーパーソンの方にはご意見をいただきたいということで、活動が盛んな町会とNPOのそれぞれにお声かけしています。ただ全員にそこに入っていただくというのは難しいので、各団体からコア会議という会議に参加していただく方を選出していただいて、一緒に議論しながら、それぞれの団体にもフィードバックをしていただきながら進めていく、そういう位置づけでコア会議というものをつくっております。基準とか方針とか、そういうものを詳しく考えたり、決めたりするという会議ではございません。   それから、町会の加入率については、今、手元に資料がないのですが、ワークショップなどを開催する際に全戸にご案内を配布するのですが、どうしても年齢層の高い方の参加が多く、子育て世代はお子さんを連れてそういうワークショップには参加されにくいこともあり、今回の風景祭で行った展示やなぞとき、あるいは、ペイントで一緒に参加したり考えていただいて、ご意見を拾っていこうということで行っております。 ○都市整備政策部長 まず、この界わい形成地区についてはどのような形で、地域の方々と一緒にどう進めていくのかというところを議論してきたつもりです。○○委員が今言われたように、世田谷区は街づくり条例があり、協議会方式でこれまでずっと行ってきました。それは、地区街づくり計画をつくって、重要なところを地区計画に格上げをし、行政側が一定の関与を強めた中で街づくりを進めるという、いわば都市計画法あるいは街づくり条例に基づくやり方です。この界わい形成地区については行政側が引っ張って進めていくというよりは、地元の方々と一緒に練り込んで、どちらかというと地元の方々が中心になり、地域の大事な風景資産を育てていくという方法で進めていく方がいいと考えておりますので、協議会方式ではなく、地域の団体等、町会、商店街にも声かけをして、そこから意見をもらいながら、コア会議という形式に発展していったということです。   また、地区街づくり計画、街づくり条例上のほかの計画とのすみ分けなど、どのようにそれぞれの役割を持って整合させていくか、そういったところも今回、検討をさせていただいているところでございます。   それから、町会の加入率なのですが、世田谷区の町会の加入率がたしか全区的な平均ですと、56%か57%ぐらいです。地区によって差がありますが、この奥沢地区は全体的に加入率は高く町会活動が熱心に行われている地区だと思います。 ○○○副区長 今調べましたところ、奥沢の町会への加入世帯は5,000世帯ほどあるようです。 ○事務局 5,000世帯ということは、全部で7,000世帯なので、7割程度の加入率ということで、区内でも加入率が高いエリアといえます。 ○委員 さっきの説明の中では、町会に入っていてもいなくても、この祭りがあるというチラシは全戸配布されているということですよね。 ○事務局 そうです。 ○委員 わかりました。  もう1点、段階的にこの地区指定をして、いろいろなことを実験的にどんどん進めていくのは賛成なのですが、私が過去に街づくり協議会で調べた際、地区レベルの街づくりの提案をすると解散してしまう団体も多く、その後も任意で自発的に残っている地区もあるのですけが、このコア会議というのはどのように行政が絡まないで成り立つのかどうかのお考えや見通しがあったら教えていただきたいと思います。 ○都市デザイン課長 私どもも、仮に界わい形成地区が指定された後のことがやはり気になっておりまして、行政のできることというのは、やはり限界があると思っております。   この奥沢の近くの玉川田園調布のエリアでは、地区計画と地区街づくり計画とさらに協定をつくっており、地区計画や地区街づくり計画の方は、区で届出を受けて指導をしておりますが、協定の方は地元の住環境の協議会が例えば家を建てようとか、土地を開発しようという事業者さんに直接、相談や交渉をするなど、そういう活動をしていると聞いております。   そういった区役所では手の届かないところに地元の方がかかわって、このエリアはこういうまちを目指しているのでご協力いただきたいというところを話し合う機会を持てるようなやり方ができれば理想ではあると思っております。   また、成城も成城憲章などをつくって、地域の自治会が事業者と話をしたり、いろいろ協力を要請しているということもありますので、今後、今年度と来年度で検討していく中で、地域の方にも、ほかの地区で地元の住民が自らこういう活動をしているエリアがあるといった情報提供などもしたり、できたらお話を聞く機会も設けながら、今後どういうふうに界わい形成地区を地域全体でいいものにしていくかということを機運を盛り上げながら進めていければと考えております。以上です。 ○委員長 ほかにございますか。 ○委員 私は世田谷区の代田に住んでおります。古いまちですが、街づくり協議会は立ち上がったばかりです。   昔から百年以上にわたって住み続けているような方が中心になっており、まちをどうつくるかということより生活が中心のようで、この風景をどう守るかという意見は、緑を守るなどの漠然とした声は出るのですが、その後は細分化が大変とか、遺産相続はどうするなどの、話題が中心で、現実の生臭い話ばかりです。50年後とはどういう形から出てきたか、どういうレベルから出てきたか興味があり、ご質問いたします。こういうすばらしいアイデアが、地元の方から出てくるのか、あるいは、専門家やセンスのある方が言っているのかなど、そういうことをお伺いしたいと思いました。 ○委員長 事務局、いかがでしょう。 ○事務局 ワークショップを行ってみての感想めいた話になるかもしれませんが、50年後というと自分がいなくなっているという想定で皆さん考えられて、この風景は残したいなと素直な意見が多い部分と、NPOの方々はもう20年ぐらい活動をされているので、大分先を行っていて、思い描いたものがすでにあるため、公園のようなまちにしたいというのがすぐに出てきたという部分があります。逆に言えば、自分たちの自主的な活動で成熟した部分がワークショップへ出されてきたようなところがあります。  私どもができるだけ意見を出しやすい場はつくりますが、場をつくったからといって急に出てくるものではなく、やはり地域の方々が常々思っていることがあって、こういう結果になっているのだと思います。  逆に、地域に関心がない人からは出てこない言葉がたくさんあったように感じているので、それは専門家の力でもなく、住民みずからのまちへの愛着なのだという感覚で受けとめているところでございます。 ○委員長 ほかにございますか。 ○副委員長 まず、奥沢の活動は、地域の方々が積極的にかかわって形成地区に向かって前向きに歩んでおられるということで、このまま進めてほしいなと思います。しかしながら、界わい形成地区そのものの位置づけというのがわかりにくいという印象があります。風景づくり計画ですと4−4にあるように、景観形成基準の中における特定の「重点区域」のようなものだとは思うのですが、重点区域というと、通常は、例えば、「下北沢かいわい」など、誰にでもはっきりとわかるような場所が重点地区になるのに対して、地域の中から出てくる思いをすごく大切にしてこれを位置づけていく場合、今までの景観法に基づく景観計画の中の重点区域とは、少し違う要素も含めて進んでいくのだろうなと思うのです。   そうなってくると、界わい宣言から界わい形成地区への流れというのはあるのか、要は、界わい形成地区がどういうステップで指定されることを想定されているのかをお伺いしたいです。理念上は、奥沢1、2、3ぐらいのまとまりを最初に想定していたのか、ステップ1ぐらいの小さなまとまりで想定してたものなのか、どのぐらいのまとまりでかけると効果が発揮できるか、最初に制度設計したときの想定のもとに進んでいるのかどうか、そのあたりを伺います。   ただ、今回は実験的に行ってみて考えるということであれば、モデルケースとしてここでの知見がどれだけ次の界わい形成地区をつくっていく上で参考になるかなど、そのあたりも少し組み立てて進めていく必要があるのではないかと思いますので、そのあたりの進め方のお考えがありましたら教えていただきたいと思います。 ○事務局 副委員長のお話の中で、重点区域というのは誰が見てもわかりやすいものであるという話に関してですが、界わい形成地区に必要な視点として独自性、具体性、一体性、ということを掲げています。独自性とは、その場所の独自の風景であるということです。具体性というのは、その中で具体的に何をやるかということ。この2つは、恐らくどの地域も重点区域ではある話なのですけれども、一番重要なのは住宅都市ならではの一体性というところです。行政からここを重点地区にしますよという話ではなくて、地域の活動があって、それを守り育ててくる人がいるのであれば、地域と行政とが一体となって行っていくというのが界わい形成地区の特徴なので、この点において奥沢は界わい形成地区としての特性を持った地域であると思います。   私どもとしては、都市計画の都市整備方針にも奥沢は海軍村の歴史のある風景だという言葉が出ているので、最初は海軍村の緑豊かな、少しゆったりとした住宅地をイメージとしており、奥沢海軍村周辺からスモールスタートで行ってみてはどうかと考えておりました。ただ、地域に入っていく過程で、はじめから2丁目の海軍村だけを指定する方向で進めるのではなく、まずは奥沢全域から議論をしてみようという話になり、現在は1,2,3丁目まで検討を広げているところです。 ○都市デザイン課長 今、事務局のほうから申し上げたとおり、海軍村という特徴と界わい宣言もある地域であるということが、今回奥沢で始めた大きなきっかけの1つになっています。実際、町会の方々とお話する中で、1、2、3丁目で話してみて、いろいろ新しい場所の話も出てきました。ただ、そこは今までずっと議論してきたわけではなくて、今回のワークショップで初めて出てきたところもありますので、考え方としては、小さく始めてほかに展開していくというやり方と、1、2、3丁目でゆるい方針のようなものを全体にかけて、細かい具体の基準や届出対象とするのは小さいエリアに絞るやり方と、大きく2つあると考えております。   今後、区域の話や、基準、方針の話は地元の方とこれから話し合いを行っていくところなので、やり方、進め方についてもあわせて、一緒に議論をしながら考えていきたいと思っております。以上です。 ○副委員長 ガイドの冊子の内容についてですが、手続に関しては大体書いてあるのですけれども、これをやるメリットのようなものがなかなか伝わりにくいのではないかというお話が前回あったと思います。そのときに、横浜の例をお話ししたかもしれないのですが、横浜には地域づくり推進条例というものがあって、まず組織を認定し、その後、その組織が固まったら、地域づくりプランというものを策定する、もしくは、地域づくりルールというものを策定するということで、プランとルール両方行ってもいいし、どちらか一方でもいいという形になっているのですが、何かこの界わい形成地区の制度と類似点があるのではないかと思いました。つまり、基準としては、一つには、外部から事業者がまちに影響の大きな開発を行うことがわかったとき、いかにみんなでスクラムを組んで守っていくかという話と、もう一つは、「このまちこうしたいよね」という方向をみんなで確認しながら、よりよいまちをどのように考えていくかという2つがあるのだと思うのですけれども、そのあたりがやる側の方々にも見えると、関わりやすいのではないかと思います。そういう意味で、いろいろな手段がある中で、このあたりを使って行うと、こういうメリットとデメリットがありますよというようなものが見えているといいと思います。  風景づくり計画全体のフレームワークの中で、界わい宣言や界わい形成地区など、いろいろな制度の位置づけや役割を明確にしていただくと、やりやすいのではないかと思いました。  もう1点、先ほど、風景祭などの普及啓発も同時にやりながら高めていくというのが今回の手法だというようなお話があり、非常におもしろいと思ったのですが、例えば今回、イベントとして公園の中を使っていろいろな取組みをされていましたが、それ自体が風景づくりになるような活動につながるとより良いと思いました。  例えば、私は今、横浜におりますが、横浜では公共空間の利活用というのが非常に盛んで、公共空間を比較的自由に使うことができるようになってきているのですが、その利活用の質までが問われずに、結果的に風景を壊しているようなことが現実にはあります。  要は、イベントの内容を考えることは、風景づくりのアイデアや、地域の方々の関わり方を考えることにつながり、そのイベント自体が風景づくりの一環で、みんなでどういうふうにしたら魅力的な場になるのかというようなこともあわせて考え、結果としてこのイベント自体が風景づくりにつながるといいのではないかと、思いました。以上でございます。 ○事務局 私どもも、祭でテントを出すと、どうしても殺風景な景色になってしまうので、各テントにアイコン的に風船を掲げることでアクセントカラーを入れ、案内サインというか、屋外広告物のようなイメージで祭りの風景を演出しました。町会の方々はここで毎年お花見会や、お祭りなどを開催しているのですが、そのお祭り自体が奥沢らしい風景になるということは意識されていなかったようですが、町会の方々から、確かにこんな風船があって「あの風船のところに行きな」というのもいいねとのお話もありましたので、また来年もこういうことを行う機会があれば、お祭りの風景も意識するというような話ができるといいのかなと、今ご助言いただいて思いました。 ○委員長 ほかにどうですか。○○委員。 ○委員 今、副委員長がおっしゃった、地域でイベントを行いながら、風景づくりを目指していくということに関して、私が参加させていただいているボランティアについてお話させていただきたいと思います。   今、瀬田4丁目にある古民家、旧小坂邸のお茶室で、御節句ともみじのお茶会をさせていただいております。お散歩にいらした方がたまたま出会った風景の中で、このお茶会を目にし、昔、昭和の時代もこんなふうにしてこの部屋を使っていたのだろうねと想像していただけたらいいなという思いで、年に6回お茶会のイベントをさせていただいて、そういった景色を利用して、当時のことをしのんだり、風景を次の世代に残していこうという活動をさせていただいています。そんな小さな資産が世田谷の中にはたくさんあると思うのです。   今ここでは界わい形成ということで奥沢が話題になっていますけれども、ここを拠点とし、こういう活動があるということをひな形として、世田谷に今ある資産を利用して、それが発展して活動が富んでいったらいいなと考えました。 ○委員長 ありがとうございます。 ○委員 奥沢のエリアについては、前年度以前からもサポートされており安心しているところがありますが、行政の計画ですので、目標と期間と予算があると思います。ロゴをつくり、ニュースを発行し、イベントをサポートしてという今のような総力体制で取り組める期間のなかでどれだけ進めるかというのも重要なのですが、その期間が過ぎてしまうと、ロゴも使う機会がなくなってしまったり、ニュースも途絶えてしまって、まちづくりの様子が伝わってこないということがほかの地域では多々あります。例えばニュースだけは発行のサポートをするなど、周知方法のルールをつくり、例えば、駐車場の看板が変わりましたということをニュースなどにより多くの方に共有できることによって、また興味を持っていただく方が増えることも可能だと思いますので、行政による長期的なサポートをして差し上げるといいのかなと感じました。意見です。 ○委員長 ありがとうございます。今の意見に対して、事務局のほうから何かありますか。 ○都市デザイン課長 ありがとうございます。実際、地区街づくり計画や地区計画も、策定期間が終了したあとは、行政に届出をして終わりというかたちになってしまう地区もありますので、地域の方が、例えばニュースを出すなど、活動を継続するというところを、風景づくりの担当として何か支援できるような仕組みもこの2年間の間にあわせて考えていければと思います。ありがとうございます。 ○委員 住民が自発的に始めている活動と、区が制度や手法としてまとめていくという両輪で進めていくということを実施するのはすごく大変ですが、これがうまくいくと1ついい事例ができるのではないと思いました。一方で、持続していくことについて、どうしても住民の方たちが自発的にされる活動というのは、活動の中心になって動いていた方が何かの事情でお離れになると活動自体もなくなっていくということがほかの活動でも、風景資産でも、いつでも出てくる話であり、そういったときに、きちんと区なりがサポートしてくれる黒子のような制度が、あるといいなと思います。   それから、区内だけではなく、東京都やほかの市区町村などの事例も区として蓄積していらっしゃると思いますので、そういったものが適切に必要なところに出される、そのハブとしての役割を区が担っていただけると、より市民活動というものが長く続けられることになるのではないかと思いますので、そういったところのサポート体制がより具体化されれば良いと思っています。 ○都市整備政策部長 まさにそのとおりで、昭和57年に街づくり条例をつくってから、協議会方式での街づくりを行ってきたのですけれども、協議会を立ち上げて、地区街づくり計画の原案を区に提案していただき、それを受けて区が地区街づくり計画をつくって、必要な部分については地区計画にしてということで、行政側も関与するような場面をつくって街づくりを行ってきたのです。   一方で、街づくりは行政側が関与して街づくりをするという面もありますが、基本的にはそこにお住まいの皆様方がまちへの思いを計画に反映していくという部分がないと問題だという認識はかねてからあり、行政側のほうで協議会をつくると、なかなか持続できずに当初50人ほどいたメンバーが今では10人ほどになっている、場合により協議会がなくなってしまうようなところが実はあります。   平成22年に街づくり条例の大規模な改正をしました。そのときに今言ったような課題がありまして、協議会にまちの運営に携わってもらい、ここに区としてサポートできるような仕組みを条例の中に入れ込んだのです。それは何かというと、協議会をつくって活動するための活動費を区が出すということを行って、担当部署である街づくり課から地域の協議会に働きかけて、地域の人と一緒に行っていくというようサポートをしています。   今回のこの奥沢地区について、そういった持続的に取組みにつながるように、この地区に合うような仕組みをつくっていかなければいけないと考えています。モデル地区として、今後の他の地区にも波及してくる部分がありますので、どういう形で行政側がサポートしていけるのか引き続き検討していく次第です。   それから、情報のネットワークというところで、街づくり協議会も様々な協議会とネットワークを組むようなことを行っていまして、年に数回ですが、そういった協議会のメンバーが集まって、それぞれの活動を報告し合い、またそこから学んでどうしていこうということも行っています。ただ、それも十分機能しているかというと、問題点もあるので、まさにそういった持続的な取組みにつなげる、地域の方たちが主体となることができるような仕組みが課題になってきています。 ○委員 確かに今まで行政がかかわるというと、何か規制をかけるとか、どちらかといえば足かせをくらうのではないかという固定観念がある中で、先ほど副委員長が、これをやったメリットのようなものをもっとわかりやすく区民の人たちに伝えないと、区としては手とり足とりの万全の態勢を整えていても、その情報が適切な人に届いていないような気もしますし、そういうものを適切に使うとこんな結果になりますよということが見えていないというのが、この界わい形成地区にみんなが手を挙げられない理由ではないでしょうか。まず界わい形成地区とは何だというところから始まり、区のサポートがあることを知り、今までの町会の枠を超えたまちづくりが区と一緒に無理なくできるのだなということが、奥沢の人たちだけでなくほかの地域の人たちもわかるようにできればよいのだと思います。制度としてはいろいろ工夫がされているのですから、制度が悪いから運用されていないのではなく、適切なところに届いていないことが原因であり、「区は、実はこんなこともできますよ」、「イベントをやりに行きませんか」と少し強引にでも伝えていかないと「区が来たから面倒くさいことになりますよ」という状態が続いてしまうともったいないという感じがしています。 ○委員長 ありがとうございます。ほかに何か。○○委員。 ○委員 最初に質問したコア会議で仕組みづくりのようなことをきちんとしても、結局従来の協議会方式に戻ってしまうのだと思うのですね。   先ほどの古民家をもとにいろいろな活動をされていると伺って、すばらしいことが瀬田でやられているのだなと思いました。それは以前まで、ずっと区民の方たちと議論していって選定してきた、まさに地域風景資産そのものなのですね。認定されるかどうかは別として。   さっき公園をもっと活用したらどうかという話もあり、このコア会議が年に1回運営会議のようなものとして残り、年1回風景祭をやるのもありだと思います。私の住んでいるところは6万人の小さいまちで、世田谷でいうと1つの地域にも満たないのですが、最近は若手の方たちがおもしろい活動をされてます。例えば、区役所の前にいい感じの広場ができていると目をつけた若手の方々がいて、最初から計画があったわけではないのですけれども、そこで年1回マルシェのようなことを行ってみたり、また違う若い方は共感する仲間や事業者の人たちに声をかけて、駅前の広場等で、所管の行政と調整しゲリラ的にお祭りを始めたりしています。常ににぎわいがあればいいというものではないと思うのですが、そういった活動自体が風景づくりになっているのだと思うのですね。そして界わい形成地区にするメリットですが、今まではどうしても地区計画や都市施設のことを決定していかなくてはいけないということがあったと思うのですが、界わい形成地区の場合は、別にゴールがそこになくてもいいわけです。世田谷に関しては街づくり条例もあるため、もっと柔軟に運用できるかと思います。例えば、界わい形成地区になる過程を通して、こんなにぎわい空間がたくさん生まれた、地域風景資産やあるいは地域風景資産のような資産がたくさん生まれた、これをやったことでみんなが盛り上がったというようなことが、メリットとして見えてくると、自分も関わりたいと思うような人が出てくるのかなと思いました。 ○委員長 ありがとうございます。ほか、よろしいですか。   では、私のほうから。ひととおり委員の皆様からお聞きしてきて、何人かの委員の方々もおっしゃっておりましたが、時代が成熟社会になってきて、今までは百景や、あるいは地域風景資産という、区内の中に点在するものを指定してきたという感じだったと思います。それが、ようやく面として位置づけられるような時代になってきたのではないかという気がいたします。   実際、面として指定されていたときのかかわり方は、地域風景資産も同じだと思うのですが、住民がやる活動に対して指定しておしまいではなく、行政が何かしらかかわっていくような形を最終的にはとっていかないと、サステナビリティ、持続可能であるものになっていかないのではないかなという気はします。   風景づくり計画にも表彰制度という記載がありますが、52団体が地域風景資産、世田谷の風景を育んでくれているわけですけれども、それに対し今まで何かしらの表彰もされてきていないということも含めて、もし界わい宣言されたときには、メリットとして何かしらの認証ができるような形がとれないかなというのは、私が聞いていて思ったところです。   その認証というのも、世田谷区内でローカルにやる認証と、グローバルな視点で、世界水準でトライしているという認証もあり得るのではないかなという気がします。環境性能の認証制度が今世界で、LEEDですとか、様々な制度がありますが、そういった世界水準に取り組んでみるということも、場合によってはあり得るのかなという気がします。   一方で、50年後で見ますと、今の子どもたちが担い手ということになるため、学校との連携ということをぜひ考えていってはいかがかなと思います。それは恐らくSDGSの中でも掲げているESDといったこともかかわってくるでしょうし、地域学習という意味ではとても大事な教育の中の一環かなと思います。   それからコア会議というものが○○委員が言われたように、若い人たちも入りやすいのかというところで言うと、先ほどの図柄の中には美大の方々が入っていませんでしたが、あんな風に大学生がかかわれるようなところや、小学校にある学校運営委員会には地域の方々も入っているので、各小学校・中学校、その学校運営委員会と一緒にコア会議の中に入ってこれるなど、何かしら小学校・中学校、あるいは大学といったところとのおつき合いがコア会議の中で行われるような形ができると、もう少し柔軟で、協議会とは違う形で動いていけるのかなという気がします。   地域がより育んでいけるような形に、多様な主体がかかわれるような形でコア会議が進むといいのかなと思って聞いておりました。   よろしいでしょうか。   もう1点、公園のようにという話なので、公園だと指定管理者のような形になると思うのですが、場合によっては、ここを公園のような形にしていきたいというのがあれば、行政が指定したというだけではなく、生垣にしたことや緑化したということに対して、その補助は出すけれども、その後のマネジメントの補助は出ないということだと、維持管理していくにもそれなりの費用がかかるので、その後のケアがないというのは寂しい気もいたします。その辺も来年度以降の森林環境税などと含めて、何かしらの手立てができないものかなという気がいたしました。   長くなりましたが、よろしくお願いします。   続きまして、報告事項についてです。事務局からお願いいたします。 ○都市デザイン課長 報告事項の、まず1点目でございます。風景づくりのガイドライン(屋外広告物編)をこの春策定しましたが、その後の屋外広告物の協議実績についてご報告させていただきます。担当係長よりご説明させていただきます。よろしくお願いいたします。 ○事務局 前回もご案内いたしましたが、このガイドラインは7月から運用を始めております。幾つか協議を行っている中で、成果を上げたものだとか、今協議を行っているものをご紹介させていただきたいと思います。   屋外広告物の協議は、前回もお話しましたが、専門家を交えて事業者に説明をしていただいて、直接顔を合わせて調整をしているところでございます。   これは、環八沿いの八幡山3丁目にあるガソリンスタンドで、もともとあるガソリンスタンドの看板をつけかえるという計画です。   当初は、会社名が変わるということで、もとのデザインをそのままに、ロゴを変えるような話で計画案が出されましたが、先生方にも相談をしながら調整させていただきました。背景が空になりますので、空になじむ中にアクセントカラーを入れてもらうというような形で協議をしています。   また、夜景におけるシミュレーションもしていただき、周辺の風景に配慮し、色を多く入れなくても十分ガソリンスタンドがあることはわかるということを確認いたしました。   この企業は他にも店舗が幾つかあり、すべて表示を変えるということでしたので、あわせて協議をさせてもらいました。   看板としての視認性も十分ありますし、まちに対しては形状も寄与していただいていると思っております。   次の案件は大きなもので、屋上に広告塔がもともとありまして、その板面を使って広告を出すという計画です。   ○○委員にアドバイザーに入っていただき、基本は1つの写真に対して1つのコピーで言いたいことを明確に伝えることができるので、ロゴを小さくしてコピーを目立たせるようにしてはしたらどうかというアドバイスをしていただき、結果コピーとロゴのサイズや配置を調整していただきました。   また、看板の大きさに関して、屋外広告物条例の基準は満たしていても、建物に対して大き過ぎるため風景にインパクトを与えておりました。   そこで、アドバイザーの方々から、縦が高くて全体としても圧迫感があるので、今後看板をつけかえる際に、例えば正方形にすると、それだけでも周辺に対しての圧迫感が大分軽減されるといったアドバイスがありました。理想的な縦横比としては3対4ぐらいでしょう。   今回は、大きくわかりやすいものを紹介させていただきました。このような協議を行っているところでございます。 ○委員長 ただいまの屋外広告物の説明に対しまして、ご意見、ご質問等ありますでしょうか。 ○委員 屋外広告物の協議、調整というのは、取組みが始まってからまだ浅いのですけれども、その中でも具体的な成果が出ていますし、事業者さんも比較的世田谷は厳しいだろうというような観点を持って協議に臨んでくださっているので、効果が出ているのかなという気がしています。   このルールをつくる過程の中で、以前、下北沢でも出前講座等をやらせていただいたのですけれども、今日の会場が下北沢ということで、早く来てまちを見ていましたら、区の制札という看板がたくさんついていました。   まず、禁煙の看板が非常に多くあり、それについては以前に看板の色彩についてアドバイスをさせていただき、そんなに過剰なデザインとならないように調整をさせていただいたのですが、それ以外にもポイ捨て禁止の看板や、駐輪禁止の看板、さらに、野鳥の餌やり禁止というものも増えており、そこら中禁止の看板が並んでいる状況です。  看板の協議の中では、不要なものは取り除き、まとめられるものは共通化してまとめていただくということも一緒に行っていますので、区の看板も、新たな政策が出たらつけ加えるのではなく、共通的なものをまとめて全体の枠組みを調整して、禁止されている行為が一覧できるような形にすることで、そこら中に禁止看板がつくということを防ぐようなことも、こういう風景の取組みの啓発として必要ではないかと感じたところです。 ○委員長 ありがとうございました。事務局いかがですか。 ○都市デザイン課長 ありがとうございます。禁止看板を減らす以前に、新たに設置される看板の色合いの調整を今回、○○委員にご協力いただきました。きっかけは小田急線の上部利用事業で新しく補装したところに、駐輪禁止のシートが貼られる計画でした。色が通常の赤と青と白で構成されたものだったため、せっかく風景に配慮した落ち着いた舗装色にしてもそこが浮いてしまうという話になり、色合いを落ち着いたものにしてはどうだろうかというシミュレーションを担当の○○がつくり、自転車の担当部署に相談したところ、確かにその方が良いとなって調整した色合いのシートを設置することになったのです。   そうなると他の種類の看板も風景に配慮できないかということになり、禁煙の看板を担当している環境の部署のほうにも自転車の事例をもとに相談したところ、検討することになり、今回○○委員にご意見いただいた次第です。   区役所の中でも、そういう意識をしながら看板などをつくっているということはほとんど行われていないのが現状なので、このような事例は、庁内報などで今後、普及啓発を図りたいと考えております。   ただ、○○委員のおっしゃったとおり、数自体を減らしていくという取組みも別の形で必要だと思いますので、今後機会を捉えて庁内に説明をしていきたいと思います。ありがとうございます。 ○委員長 ほかにいかがですか。○○委員。 ○委員 下北沢周辺に住んでいますのでよく通るのですが、安全を考慮した結果として多くの禁止看板などが出てしまい、それを区にどうにかできないか相談をしても、交通安全の看板等は警察の管轄なので、ということで話ができないことがあります。住民はその看板の担当部署など知らないので、その辺の問題もこれからは取り組んでほしいと思います。また、東京都や、いろいろな行政の枠がばらばらになってしまわないように、ぜひお願いしたいと思います。 ○委員長 ほかにはよろしいですか。   それでは、2点目の報告事項をお願いいたします。 ○都市デザイン課長 2点目は、風景づくりの普及啓発事業「いろまちあるき」について、担当係長よりご説明させていただきます。よろしくお願いいたします。 ○事務局 最後の報告になります。毎年、年に一度、秋頃に普及啓発事業としてまちあるきを行っています。   今回は、まちの色に着目して歩くというまちあるきイベントで、講師は○○委員にお願いいたしました。○○委員に、まちの色について話を聞きながら歩くという内容になっています。   コースとしては、小田急線の成城学園駅前から南に下って、野川沿いを歩き、北上して成城の住宅地を歩いて戻ってくるというようなルートです。   参加者は20名募集したところ、若干名超えた応募がありましたが、講師にも相談して全て受け入れることとし、当日は21名の参加者が集まりました。   このときも本日と同じで、公共物の色使いについて疑問があがりました。例えば、自転車専用通行帯の青色であったり、ガードレールの白色であったりと、こういう注意喚起をする色、そのあたりは先ほど○○委員のお話にもあったように、安全を目的としているところもあるので、警察や土木の部署と調整をしながら、今後、風景に合った色合いにできるように進めていく必要がある、というようなご指摘も受けながら、緑豊かな成城のまちを歩いていったところでございます。   野川沿いには橋があって、そこの橋の色についても先生からコメントをもらい、また歩きながら建物の色や緑について話を聞きながら住宅地を歩いて戻ってきたところです。   住宅地の中で特定の建物に対してその色について議論をするのは、デリケートな問題なので非常にやりにくい部分がありましたので、まちあるきの休憩ポイントとして世田谷トラストまちづくりのビジターセンターという施設で、事前に歩いたときの写真をスライドでシミュレーションして、レクチャーをしていただきました。このレクチャーが分かりやすかったようで、参加者も皆うなずきながら聞いていらっしゃいました。   例えば、成城にある緑豊かな共同住宅の例で、緑と調和するような茶系の外壁のものを真っ白なタイルにするとどうかというシミュレーションをして、明るすぎる色だと緑とのコントラストが強くてなじんでいないといった解説がありました。また、低層部が濃い色で上層部が明るい色でデザインされた共同住宅の例では、こういう色の構成のほうが上層部は空の色となじむことで建物の圧迫感を軽減できる原則に合っているのですが、この構成を逆にしてみると、不安定感と圧迫感が出てくるというお話をしていただきました。   また、住宅地のコインパーキングの例では、原色系が使用されている構造物の彩度を落として茶系の色彩に近づけることで、緑の中でも人工物が目立ちすぎずに馴染むことができ、パーキングがあることは十分視認できることがわかります。コンビニエンスストアの例では、行政が指導したわけではなく恐らく建物のオーナーの意識が高く、テナントの店舗に対して建物と調和するようにお願いをした結果、デザインの調整がされているような事例です。   店名を金属性の切り文字で表すなどをして洗練された印象となっているものを、通常のよくある青と白を基調とした看板にシミュレーションをすると、どうしても建物に対して浮いてしまう印象があるといったことをご納得いただいた様子でした。   以上でございます。 ○委員長 ありがとうございます。ただいまの説明に対して、ご質問、ご意見等ございましたらお願いいたします。いかがでしょうか。 ○委員 とても参考になるいいまちあるきで、参加できなかったのが残念ですが、そういう区民も多いと思います。こんないい企画があるのに、知らずに過ごしてしまう。知らずに新しい構造物ができてしまう。それが一番もったいなくて、せっかくいい方向に動いていくはずのものが、閉ざされてしまうケースが意外と多いのではないかと思うのです。ですから、これがもっと区内、世田谷区の中、あるいは都内にどんどん広がっていくような、何か工夫があるといいなと思いました。 ○委員長 はい。○○委員。 ○委員 論点が違っていたら申し訳ないのですが、成城を歩かれたということで、さきほど出てきた最初のマンションが、実は界わい形成地区でこういうマンションができたらいいなと私が感じて思い描いていたものです。界わい宣言をしている近隣で、地元の居住環境整備委員や、何か自治会の中の委員会が働きかけて、緑の多いマンションができた成功事例ではないかと思いました。   界わい形成地区にでも、こういうことを進めていくグループの人たちがいると、より実践的になり、ただ行政指導で行うということより、具体的なイメージや地域らしさが出てくるのではないかなという、いい例ではないかなと思いました。   また、参加者も20名をこえたと聞いてすごく驚きました。うれしい悲鳴だと思うのですけれども、昔、地域風景資産の議論をしていたころに、そこに集まっている人たちでまちあるきをしたときは、20名集めるのがやっとという状態だったのが、今や私も行きたかったと言われるような状況になっていることに驚いて、区民が90万人いたら、すごい倍率なのだと思いました。   参加できなくても、その後に、その結果がどこかで見られるといいのでしょうが、情報が溢れている現代でどうしたらいいのかなと思いつつ、公開の可否はありますが、結果等をインターネットで公開すればほかの地区の人も触発されるのではないかと思いました。 ○都市デザイン課長 ありがとうございました。まちあるきについては、やはり1つのまちあるきを企画するのに、下見を初めとして職員の労力もかかっているので、1回で終わらせるのは本当にもったいないなと思っております。以前、等々力を歩いたときは、風景プレスという冊子の中に歩くコースを示して、それを配布することでどなたでも歩けるようにという工夫をいたしました。今回も、現在はまだホームページにはアップしていないのですが、例えば、ホームページに歩いたコースのルートを載せたり、写真の掲載は住宅だと個人情報の関係で難しい面もありますが、できるだけ情報提供をして、皆さんに歩いてみたいと思われるような工夫を行っていきたいと思います。ありがとうございます。 ○委員長 公開してすぐ、抽選で埋まってしまったのですか。 ○事務局 すぐではなかったです。20日間ほどかかりましたが最終的には埋まりました。 ○委員長 毎年こういったことをやられていると思うのですが、前回も前々回も、やはり抽選漏れしてしまうというぐらいの数が来るのですか。 ○都市デザイン課長 昨年は、等々力から九品仏の坂を地形を感じるというまちあるきで、やはり20名ぐらいの募集だったのですが、60名近い応募があって、抽選で泣く泣く諦めていただいた方がいらっしゃいました。今回は、20名よりプラスアルファだったのであえて抽選は行わず、全員受け入れるという形にいたしました。 ○委員長 関心が高いのですね。   ほか、委員の皆さんいかがですか。○○委員、どうぞ。 ○委員 色の感覚とか、こういう形は、感性の問題で、子どものときに教育すると、効果があると思うのですが、区のほうでは、そういう教育というのは進められているのでしょうか。   伝統行事は地元で回って、うちの近所なんかは皆さん、おじいさんたちが、こんな教育すると、100人やると数人は反応がすごくいいのですよね。   せっかくなら、こういう色彩の話も学校で行えるのではないかという気がしたので、その辺、専門の方、いかがでしょうか。 ○委員長 いかがでしょうか。 ○委員 具体的に、やはり教育活動の中でやられている例というのはあまりないかもしれないです。というのは、今、小学校も非常に行事等を抑制しないといけないほどたくさんあり、そういう考えがあっても受け入れできる余力が学校側にないというのが実情だと思います。   ただ、地域の中で、お子さんも入ってまちあるきのようなものを行った事例は幾つかあり、例えばお子さんに将来自分の住んでみたい家のデザインをしてもらうとかいった企画で行いました。   その当時流行したアニメが好きな世代の子どもたちでしたので、ピンクの屋根に紫の壁とか、最初はそういうアニメっぽいものを選ぶのですけれども、実際まちの中を歩いて見ていくと、そういうものはないというのに気づいたり、高級なものほど色は抑制されているということに気づいたりして、比較的そういう感性というのは大人と変わらないものがあるのだなという印象を持ちました。   ですから、小学校も3年生ぐらいからはまちあるきや、同じようなワークショップを行ってもいいのではないかという印象は持っています。 ○都市デザイン課長 学校の中では、恐らく風景というのはなかなか扱っていただけていないと思うのですけれども、私ども都市デザイン課のほうではユニバーサルデザインも担当しておりまして、○○委員も時々ご協力いただいているのですが、ユニバーサルデザインの出張講座では小学校4年生を対象にユニバーサルデザインのことを区の職員や、区民の方、障害当事者の方にご協力いただいて、1時間授業でお話しするという機会を設けています。   そうしますと、お子さんたちの感想が本当に素直で、これからまちで出会ったら自分で声をかけてお手伝いしたいと思いますとか、本当に素直に受けとめていただけるので、そういうのは非常に大事だなということと、感想をうけた職員もすごくモチベーションが上がるところがあります。それを風景づくりの担当職員も一緒に見ているものですから、風景でも出張講座のようなものを行ってみたいという声も実際に職員から上がっております。今後、4月や5月の小学校の校長会に「こういう授業ができますがいかがですか」というご案内をして、ご興味を持っていただけたところに出張講座をするということも、今後検討していきたいなと考えております。ありがとうございます。 ○委員長 可能性はあると思います。   ほかの先生、いかがですか。 ○委員 今の話で言うと、風景、風景と漠然と景色の話で、いい景色を見に行く、旅行に行くような感じでしか風景というのを捉えていない人も一般にはたくさんいると思うのですね。   なので、風景の話、街並みの話を考えることは、私が今住民の方々と一緒に行っているまちづくりで、皆さん防災や、非常時の避難の話が多く、そういったものが影響したり、積み重なって風景ができているということを理解していただくことで、そういった視点でもう1回風景を見ていただき、ただ単にきれいならばいいのだとか、格好よければいいのだという話ではなく、まちがどういうふうにできているのか、どのように安全というのが守られているのだろうなどを考えることだと思います。別にきれいな滝を眺めましょう、桜を眺めましょうという風情の話だけではなく、その中で、建物の色や形というもの、安全やそこに住む人々の気持ちなども含めた環境ができあがって風景を構成しているといったことを理解してもらえるように、もし学校とかでそういう課題をされるのであれば、ただ単に色がきれいだとか、いい雰囲気であるということではなくて、人がいいと感じる風景には、どのような要因があるのかのというようなことまで、説明をしてあげられると、風景の見方が変わり、効果があるのではないかと思いました。 ○委員長 ありがとうございます。今のご意見に対してよろしいですか。   ほか、委員の皆さん、いかがでしょうか。   私のほうからは、大人が教えるということもあるでしょうし、逆に、子どものほうが地域のことをよく知っていて、子どもから教えてもらうようなこともあるのではないかと思います。 ○委員 大人と目線の高さが違うので、子どもならではの視点がありますよね。 ○委員長 気になる色、気になるちょっとした石だとか木だとか生垣だとか壁だとか、ここが怖いとか、そういった子ども目線でどんなふうに地域を見ているのだろうということを、場合によってはそれをピックアップしていき共有化すれば、グループ学習にもつながるし、いろいろなツールになるだろうということを、話を伺って思いました。 ○副委員長 自分も、安心安全マップづくりのようなものをお手伝いしたことがあるのですけれども、そのときに子どもに絵を描いてもらったら、例えば、池の色とか、私たちはもう青だと思っていますけれども、青ではなくて、水質が悪いと悪い水質の池を描いてくるのです。   他には、神社の上の置石が描いてあったり、みんな見るところは見ていて、逆に私どもが忘れているものに気づかされるということもあるので、そういうこともうまく交えて、子どもと一緒に学べるといいのではないかと、今伺って思いました。 ○委員長 それでは、以上で本日の議題と報告を終わりにしたいと思います。   次第では事務連絡となっておりますので、事務局から連絡事項がありましたらお願いいたします。 ○都市デザイン課長 ありがとうございます、   まず初めにお話させていただきましたとおり、第9期の風景づくり委員会は本日が最後の委員会となります。そして、○○委員、○○委員、○○委員の3名が今期までとなっております。   ○○委員には、平成21年の2月から現在まで、約10年間風景づくり委員にご就任いただき、風景づくり委員として地域風景資産の選定、風景づくり計画の改定など、様々な風景づくりに関する重要事項をご審議いただき、まことにありがとうございました。   ○○委員、○○委員におかれましては、公募による区民委員として様々な場面で区民の視点からご意見、ご助言をいただきまことにありがとうございました。   その他、4名の委員におかれましては、来期も再任いただく予定となっております。   それでは、皆様から今期を振り返ってみての感想をいただけますでしょうか。お名前をお呼びしますので、呼ばれましたら一言お願いいたします。   まず、では○○委員、お願いいたします。 ○委員 私も先ほど聞いてびっくりしたのですけれども、6年この風景委員に携わらせていただいた中でこの1年を特に振り返ると、今までいろいろ構想として話が上がっていた広告物のことであるとか、それから、今のまちづくりの界わい形成地区の話であるとか、そういったものが割と具体的に動き出した年だったのかなと思います。   具体的に動き出す場合は別の課題も出てきて、いろいろ変えていかなければいけないことはあると思うのですけれども、私は普段どちらかといえば外に出て実際に物をつくる仕事に携わっていますので、机の上でいつまでも考えているよりも、早く行ってみて、問題、課題を出してきて、それを解決する方法を考えたほうが、どちらかというと好きというか、そういう手法のほうがなれているというのがありましたので、だんだんと机上の理想論の打ち合わせではなく、現実問題をよく見て、実際に動き出してきているというところに楽しみを感じた1年でした。   いろいろお世話になりました。ありがとうござました。 ○都市デザイン課長 ありがとうございました。続きまして、○○委員、お願いいたします。 ○委員 私も似たような感想になってしまうのですけれども、私の専門分野にもかかわる事柄として、屋外広告物の協議というのが始まり、これは景観計画である風景づくり計画の改定を踏まえたものなのですけれども、具体的にやはり成果が出つつあるということと、私は、風景づくりデザイナーという立場でも風景づくりにかかわらせていただいて、具体的な協議、調整をして、それが次の政策にも回っていくというような循環ができつつあるということを非常に頼もしく思っておりますので、今後とも絶え間ない努力をしていかなければいけないなと感じているところです。ありがとうございました。 ○都市デザイン課長 ありがとうございました。では、副委員長、お願いいたします。 ○副委員長 ありがとうございました。私は委員の中では2年目と一番新参者にも関わらず、なぜ副委員長なのかなと思うところもありますが、果たして、まっとうにお役に立てることができたかな、という自分の反省もあり、一応、来期以降もお手伝いさせていただくとすると、ぜひ何とかお役に立てるように頑張りたいと思っております。   今は区民ではないですが、幼少期からしばらく世田谷区に住んでおりましたので、こういうお仕事をさせていただくというのは非常にうれしく思っていますし、改めて感じているのは、世田谷区の底力はすごいなということです。ただもう少しその底力をアピールしてもいいのではないかなということで、先委員長からグローバルの話というのもありましたけれども、世界水準でいいまちづくりを行っていると思いますので、ぜひそこが発信できるといいなと思いました。   また、先ほどの○○委員の話を伺って思ったのですけれども、風景は顔色のようなもので、スタートポイントというか、顔色を見ればその人の体調を計り知れるのと同じように、風景を見ることでその地域に何の課題があるかというのが見えてくると思うので、何かここをきっかけにしながら、逆にいろいろなまちづくりの施策につなげていくような、そういう入り口としての価値というのも、考えていってもいいのではないかなと思いました。今後、そういうことも含めて、何かお手伝いできればいいなと思います。どうもありがとうございます。 ○都市デザイン課長 ありがとうございました。では、委員長、お願いいたします。 ○委員長 風景づくり委員会という形で、私は7年か8年携わせていただいていて、今期は屋外広告物という中で、○○委員のもとでいろいろと勉強させていただきました。こんなにも屋外広告物は大事なのだなということ、色や形などが非常に大事だということも理解できました。   一方で、先ほどもお話ししましたが、今まで区民の方々によって育まれてきた風景が今維持されている中で、風景をマネジメントしていくという時代になって、どうしても担い手づくりがとても大事だなということを感じています。ヒト、モノ、コトとよく言いますが、それを持続させていく意味では人づくりがとても大事なのではないかなと、地域風景資産をどう持続させていくのか、どう次の世代に引き継ぐのか、その担い手をどういうふうに広げていくかということがとても大事だと感じています。学校との連携とか、あるいは、様々な地域外の方との連携など、そういったことを区が手助けできるような仕組みを来年度はつくっていければいいのかなと思っております。   場合によっては、ランドスケープのマネジメントのそういった事例について、グッドデザインというか、グッドプラクティスを位置づけていけるような図集のようなものをつくったり、何かしらそういった、表彰とかあるいは認定するということにつなげていければいいと思っています。   来年度以降もよろしくお願いいたします。 ○都市デザイン課長 ありがとうございました。では、○○委員お願いいたします。 ○委員 2年間、この風景づくり委員にかかわらせていただいて、区民目線でこのような会に参加させていただいたことを本当にありがたく思っております。   なかなか、こういうことに一区民として意見をお伝えすることというのは難しかったのですけれども、こうして皆さん、専門の方々の話を伺いながら、これからの世田谷区が何となく希望を持って、風景を維持しながら進んでいくのだなということが見えたような2年間でした。ありがとうございます。   事例としてとか形としての風景づくりではなくて、一人ひとりの心に根差した、血の通った風景づくりがこれからもますます進んでいくことを心から祈っております。どうもありがとうございました。 ○都市デザイン課長 ありがとうございました。では、○○委員、お願いいたします。 ○委員 あっという間に2年たってしまったのですけれども、本当に区民の目線から見て発言したかというと自信は全くありませんが、勉強することははるかに多く、こういうことをなるべく多くの方が経験すると、地元で何かやるときでも、そういう考え方もあるのかとか、そういうのがどこか心の隅に残り、いいのではないかと思います。そういうことで、非常に区民の目線で見ると言いながら、違う視線の話をたくさん吸収できたことを感謝したいと思います。どうもありがとうございました。 ○都市デザイン課長 ありがとうございました。では、○○委員、お願いいたします。 ○委員 あっという間の10年でした。多分、最初に10年お願いしますと言われたら、躊躇していたと思うのですけれども、結果的に10年たったのだなと思いました。   以前から、街づくり条例などの勉強を自分で行っていたのですが、私が最初調べ出したころは70万人代だった区民が、現在は90万人になっていたり、いろいろな状況が変わっていることにびっくりしています。しかし、改めて都市計画図を見ると、世田谷区は、圧倒的に住宅地のまちで、住宅地としてすごく歴史があると思います。   今日議題にあった奥沢ですとか、今まで私が委員だった期間でも何回か界わい形成地区を検討されていて、区でもいろいろと調査されていたのですけれども、例えば、代田は初期に耕地整理を行っており、住宅地としてすごく成熟していたり、界わい宣言や地域風景資産などが多くある喜多見など、一生懸命地元の人たちが発信している地域というのは確かにあって、そういうところが今後10年、少しでも界わい形成地区のような取組みができるといいなとお祈りいたします。   最後に、東京オリンピックをゴールにしてもその後のことがありますが、私はオリンピックのときに、乗馬を見に来たいなと思っておりますので、会場となる馬事公苑やその周辺がいいデザインになることをお祈りいたします。 ○都市デザイン課長 皆さん、どうもありがとうございました。   では、都市整備政策部長よりご挨拶申し上げます。 ○都市整備政策部長 本日は、長時間にわたりご議論いただきましてありがとうございます。第9期の委員会最後ということでございますので、一言ご挨拶申し上げます。   各委員におかれましては、世田谷区の風景づくりということで、大変これまでいろいろなご意見、心強いアドバイス等いただきまして、私ども施策を進めるという立場から大変感謝を申し上げます。   ただいまありましたように、屋外広告物の取組みが、本当にはじめの一歩ですが、先に進めたということで、現在モデル地区として環七、環八沿線の敷地ということで協議を行っておりますが、さらにいただいたご意見等を踏まえて今後進めていきたいと思っております。   また、奥沢につきましても、これも恐らくモデル的なことを検証しながら、今後詰めていくということになろうかと思いますけれども、こういった風景づくりというところから新たなまちづくりの取組みということで、様々なまちづくりの取組みも振り返りながら進めていきたいと思っております。   私も3年目になりますけれども、景観ではなく風景づくりであるという趣旨が、実は当初よくわかりませんでしたが、世田谷区のまちづくりのテーマの一つとして、歴史や人が育ててきているという視点を非常に大事にしながら取り組んでいるということを改めて今日、皆さん方の感想を伺いながら感じたところでございます。   引き続き、私どももいろいろな意味で皆さん方からご支援いただきながら頑張っていきますが、岡田委員、○○委員、○○委員におきましては、本当にありがとうございました。また、引き続きいろいろなところでアドバイスいただけると大変ありがたいと思いますので、よろしくお願いいたします。   また、残られた各委員の方につきましても、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。   簡単ですけれども、本当にありがとうございました。 ○都市デザイン課長 では、最後に、次回の予定についてご連絡させていただきます。次回の風景づくり委員会は、来年度の5月上旬ごろに開催する予定でございます。日程につきましては、後日改めて調整させていただければと思っております。   では、事務連絡は以上でございます。 ○委員長 ありがとうございます。  それでは、これをもちまして平成30年度の第2回風景づくり委員会を閉会したいと思います。皆様、ありがとうございました。 ──了── 1