北沢デザイン通信第3号  平成28年 2016年 3月発行 発行元 世田谷区北沢総合支所まちづくり課 1ページ 小田急線上部利用区施設に関する平成27年度の取り組みについて報告します  北沢デザイン通信では、小田急線沿線の街づくりに関する情報共有・意見交換の場である北沢デザイン会議の報告を中心に、世田谷区が整備する小田急線上部利用施設の情報を幅広くお知らせしています。  本号では、平成27年度におこなった第3回北沢デザイン会議と緑地・小広場など個別施設の整備やワークショップの取り組みについて報告します。 小田急線上部利用の主な取り組み経過や今後の予定 平成24年度〜28年度 世田谷区が整備する上部利用施設全体について 平成25年度 2013年度 小田急線上部利用の施設配置ゾ‐ニング構想公表 平成26年度 2014年度 第1回北沢デザイン会議 上部利用デザインワークショップ  テーマ   デザインコンセプトを考える 世田谷区小田急線上部利用計画素案策定 第2回北沢デザイン会議 平成27年度 2015年度 世田谷区小田急線上部利用計画策定 北沢デザインガイド策定 第3回北沢デザイン会議 平成28年度 2016年度 予定 第4回北沢デザイン会議 駅前広場、通路、緑地・小広場など個別施設について 平成24年度 2012年度 世田谷だいた駅駅前広場ワークショップ 東北沢駅駅前広場ワークショップ 平成26年度 2014年度 下北沢駅周辺都市計画道路補助第54号線及びせくがい第10号線整備ワークショップ 環状七号線横断橋だいた富士見ばし完成 平成27年度 2015年度 下北沢駅周辺都市計画道路補助第54号線及びせくがい第10号線整備ワークショップ[26年度より継続] 仮称だいた3の56広場整備ワークショップ・整備 仮称北沢3の9広場整備ワークショップ 下北沢西側エリア緑地・通路検討ワークショップ 平成28年度 2016年度 予定 仮称北沢3の9広場整備 通路整備 環状七号線以西、下北沢駅〜東北沢駅間の一部 2ページ 第3回北沢デザイン会議の報告 日時:平成27年11月7日土曜 午前10時から午後0時30分 場所:北沢タウンホール2階ホール 参加者:約100名 プログラム  1.あいさつ 世田谷区長 保坂 のぶと  2.経過報告    世田谷区小田急線 よよぎうえはら駅〜うめがおか駅間 上部利用計画    北沢デザインガイド    上部利用区施設整備ワークショップ    ・ 仮称だいた3の56広場整備ワークショップ    ・ 下北沢駅西側エリア緑地・通路検討ワークショップ    ・下北沢駅周辺都市計画道路 補助第54号線及びせくがい第10号線整備ワークショップ  3.今後の取り組み     ・上部利用区施設整備スケジュール  4.意見交換 プログラム概要 1.あいさつ 世田谷区長 保坂 のぶと   今回、新たな取り組みとして、小田急線上部利用区施設の整備や周辺の街づくりにあたって、秩序のある連続した空間づくりに役立てるため、北沢デザインガイドを策定しました。  アメリカ合衆国オレゴン州ポートランドのしがいち再生を見学してきました。河川沿いの街なみのリノベーションなどによって、約20年かけて街の再生がなされていました。北沢川緑道においても、30年ほど前より住民参加によって水辺の再生がなされました。街の魅力はビジョンを持ち、最低20年という単位でつくられていくものだと感じました。  下北沢は外国人の観光客が多くなりましたが、小田急線上部に街歩きの楽しい場所をつくることも課題です。  2年前、小田急電鉄と上部利用の施設配置について合意をしましたが、お互いに協力し合い、一体的な街の魅力をつくりだしていきたいと思います。 デザインアドバイザー 出口教授のビデオメッセージ  デザインアドバイザーの出口敦教授 東京大学大学院新領域創成科学研究科 に、北沢デザインガイドについてのメッセージをいただきました。  デザインワークショップなどを通じて、皆さまからいただいたご意見を反映させた北沢デザインガイドが完成しました。  小田急線上部区施設において、周辺地域との調和のとれた整備がなされるよう北沢デザインガイドを活かしていきたいと思います。  北沢デザインガイドは、周辺街づくりへ活かすべく、周辺地域への波及効果、つながりなどに十分配慮するようにアドバイスをしてきました。  街の将来像や目標を共有することが重要だと思います。この地域に街づくりの拠点を作っていただきたいと世田谷区のかたがたにお願いしました。  皆さまの力を結集させ、これを契機に北沢らしい街づくりを進めてください。 3,4ページ 意見交換の主な内容  プログラムの経過報告と今後の取り組みを受けて、参加者の皆さまとおこなった意見交換の主な内容です。 情報共有や意見交換について 参加者 様々なワークショップが開催されているが、参加しないと情報が入ってこないのでは困る。 区 全体の情報共有のために、北沢デザイン会議を開催しているが、さらに工夫をする必要がある。 参加者 新たなビジョンをつくるためにも、北沢デザイン会議の議事録を作ってほしい。 区 北沢デザイン通信で参加者のご意見をまとめて掲載している。 参加者 情報提供をもっと幅広く行ってほしい。 区 ニュースやホームページなどで情報提供を行っている。ニュースを置いていただける場所などがあれば教えてほしい。 上部利用施設について 参加者 通路が狭いので、歩行者優先にすべきである。 参加者 歩行者優先のルールやマナー啓発がないまま通路を整備するのは危険だと思う。 参加者 高齢者には、自転車のベルも聞こえづらい。自転車の問題は解決してほしい。 区 自転車と歩行者の共存については、下北沢駅西側エリア緑地・通路検討ワークショップでも議論する。また、全体にも関わるご意見として検討していきたい。 参加者 通路に自動車やバイクは通るのか。 区 災害時の緊急車両や管理用車両以外は進入させないように管理する。 参加者 だいたふじみばしから富士山が見えるようにしてほしい。 区 これまでにも同様のご意見をいただいており、小田急電鉄も配慮していると区は受け止めている。 上部利用区施設整備ワークショップについて 参加者 立体緑地について周辺住民へ防犯やプライバシーの対策を説明をすべきである。 区 立体緑地の計画は小田急線上部利用通信でお知らせしている。また、オープンハウスではVR(バーチャルリアリティ)映像を使って説明している。下北沢駅西側エリア緑地・通路検討ワークショップでもVR映像を用いて、様々な視点から確認して話しあっていく。 参加者 補助54号線を横断する箇所は、下北沢へ向かう既存の道路から誰もが容易に移動できるように整備してほしい。 区 ユニバーサルデザインの視点を取り入れた街づくりを進める。 参加者 下北沢駅周辺都市計画道路整備ワークショップに途中からでも参加したい。 区 参加者を事前募集し、昨年度から継続して開催している。ワークショップの経過は、ニュースやホームページで情報提供している。 参加者 仮称北沢3の9広場整備ニュースに広場の大きさや周辺との関係などが載っていない。 区 ワークショップで広場の情報も説明しながら、整備内容について話し合っていく。 下北沢に関する裁判について 参加者 話し合いの可能性についてはどう考えるか。 区 現時点で具体的な話はまだでていないと聞いている。 井の頭線高架下の計画について 参加者 井の頭線のもりどがなくなり高架となったが、今後の計画を教えてほしい。 区 世田谷区は歩行者向けの通路を整備する。また、ちゅうりんじょう、商業施設がつくられると聞いている。 保坂区長の総括 北沢デザイン会議は頻繁にはひらけないが、常設のインフォーメーションの場を設けていきたい。そこで、様々なワークショップや関係機関との調整等の情報提供も一元的に行いたい。また、ミニコミ的な新聞やネットなど、常に新たな情報を更新していき、情報共有を図っていきたい。 駅の周辺には新たなちゅうりんじょうが計画されている。多くの人に街に来ていただき、それぞれが多様な行動をするとなると、全ての場所について、自転車を乗り入れ禁止にすることはできないと考える。歩行者と自転車が共存するためのルールづくりは大きな課題である。 5,6ページ 参加者のご意見 プログラムの意見交換と当日配布したアンケートで、参加者の皆さまからいただいたご意見をご紹介します。世田谷区が整備する上部利用施設に関するご意見は、次回の北沢デザイン会議でも報告するとともに、今後の取り組みの参考にさせていただきます。 【北沢デザイン会議】 ・とても分かりやすい進行だった。 ・丁寧な説明を続けてほしい。 ・様々な意見を聞くことができて良かった。 ・意見交換の進め方に工夫があった。 ・意見交換のテーマが漠然としていた。 ・ポストイットほうしきには無理があると思う。 ・事前に意見を聞いてほしい。 ・意見交換の時間を長くとってほしい。 ・質問に対して区はきちんと答えてほしい。 ・進行は中立な立場をとってほしい。 ・出した意見が反映されていないと思う。 ・未来をデザインできる会議にしてほしい。 ・議事録を作ってほしい。 ・若者にも参加してほしい。 ・デザインアドバイザーに出席してほしい。 ・会の開催をきちんと周知してほしい。 【情報提供】 ・個々の情報をわかりやすく知らせてほしい。 ・個々のデザインを確認する機会がほしい。 ・将来の管理運営もふまえてアーバンデザインセンターを設置してほしい。 ・VR(バーチャルリアリティ)映像を上部利用全体でつくってほしい。 ・模型は上部利用施設が分かるようにしてほしい。 ・資料の年号は西暦をへいきしてほしい。 【上部利用全般】 ・小田急電鉄と連携した街づくりを進めてほしい。 ・上部利用を統一感ある計画にしてほしい。 ・街の個性を生かしたデザインにしてほしい。 ・是非ここへ行きたいと思えるようなデザインにしてほしい。 ・次世代まで住みたいと思える街づくりをしたい。 ・外国人観光客の視点を取り入れた街づくりを進めてほしい。 ・みどり、防災だけではなく楽しい空間にしてほしい。 ・デザインコンペを開催してほしい。 ・全体を通じてセンスの良いデザイナーに関わってもらいたい。 ・ワークショップを反映した設計をしてほしい。 ・ワークショップでは具体的な発言をしたい。 ・住民や利用者の意見を丁寧に聞いてほしい。 ・歩行者優先の整備をしてほしい。 ・自転車通行のことも考慮してほしい。 ・自転車通行の対策をしっかり行ってほしい。 ・防災上、通路を広くとってほしい。 ・植樹祭を開催し、小さな森をつくってほしい。 ・年代に関係なく、気軽に本を読んだり、話のできる場所がほしい。 ・中高生がスポーツを楽しむ場所がほしい。 ・管理運営のほうほうについて知りたい。 ・東京オリンピックに向けた使い方も検討したい。 ・富士山の眺望を大切にしたい。 ・仮称だいた3の56広場のデザインは、タイルの色を変えるだけで線路のイメージとするのは安易だと思う。 ・仮称北沢3の9広場整備は防災をテーマに有効利用してほしい。 ・仮称北沢3の9広場の大きさや周辺との関係などを明らかにしてほしい。 【北沢デザインガイド】 ・京都のように街なみを統一する指針がほしい。 ・地面には線路をそのまま残してほしい。 ・北沢デザインガイドの作成には、優れたデザイナーをつかってほしい。 ・写真にもっと工夫があると良い。 ・小田急線上部と周辺の関係が分かりにくい。 【下北沢駅西側エリア】 ・全体がつながった印象を残してほしい。 ・周辺住民にとっても良い環境になるように配慮してほしい。 ・立体緑地は周辺住民への防犯、騒音、プライバシーに配慮してほしい。 ・立体緑地を観光地とするのは住民にとってはイメージが合わない。 ・周辺との高低差がわかる断面図がほしい。 ・自然が少なくなっているので、たくさんの木を植えてほしい。 ・しょくさいは自生種を優先してほしい。 ・メンテナンスを視野に入れて計画してほしい。 ・しょくさいを中心に統一したデザインを考えるランドスケープアーキテクトをつかってほしい。 ・立体緑地は耐震性や景観が心配である。 ・立体緑地はスロープでつないでほしい。 ・立体緑地は屋根つきの歩道にしてほしい。 ・立体緑地の舗装はウッドチップにしてほしい。 ・立体緑地よりフラットな緑地が望ましい。 ・駐車場の上にも立体緑地をつくってほしい。 ・通路はみどりをふんだんに配置してほしい。 ・道路との交差部では、人を優先にしてほしい。 ・お地蔵さまを保全してほしい。 ・住民や利用者で手づくりする部分もほしい。 ・ちゅうりんじょうはあちこちに分散配置が良いと思う。 ・ちゅうりんじょうに屋根がほしい。 ・駐車場の大きさや車の動線について知りたい。 ・駐車場の街全体での計画が共有できていない。 ・立体緑地の西側に図書館や子育て施設がほしい。 【下北沢駅周辺都市計画道路】 ・ワークショップに参加したい。 ・参加者の決め方に一考を要する。 ・補助第54号線の必要性について説明がほしい。 ・補助第54号線と既存道路とのつながりを知りたい。 ・補助第54号線への車の進入や沿道の用途地域、高さ制限等について知りたい。 ・下北沢駅に降りた時に、気持ちがよい駅前広場がほしい。 ・補助第54号線に横断歩道をたくさん設置してほしい。 ・誰もが容易に移動できるように整備してほしい。 ・駅前交通広場にバス、タクシーの乗り入れを規制してほしい。 ・駅前交通広場の早期完成とバスの乗り入れを望む。 ・補助第54号線が開通するまでの活用は柔軟に対応してほしい。 世田谷区が整備する上部利用施設以外のことにもご意見をいただきました。 ・防災街づくりを総合的に検討してほしい。 ・浸水対策について検討してほしい。 ・様々な場所に図書カウンターを設置してほしい。 ・下北沢にはファミリー層も多いので、保育施設をつくってほしい。 ・世田谷だいた駅周辺にはスーパーがほしい。 ・笹塚ほうめんへの路線バスを計画してほしい。 ・井の頭線下北沢駅や高架下の整備について知りたい。 ・一番がい通り沿いの高さ制限について知りたい。 ・補助第54号線と補助第26号線の事業計画について知りたい。 ・下北沢に関する裁判について区長の考えを知りたい。 ・下北沢らしさを街に残してほしい。 ・東北沢駅西側にある建物の大きさが気になる。 ・小田急線上部の建物について情報がほしい。 7、8ページ 平成27年度におこなったワークショップや施設整備の取り組み 下北沢駅西側エリア緑地・通路検討ワークショップ 下北沢駅西側に世田谷区が整備する立体緑地や緑地・小広場、通路の整備プランを検討するために、全3回のワークショップを開催しました。  来年度は、ワークショップでいただいたご意見をもとに詳細な設計段階に入ります。具体的なしつらえや施設の利用、管理運営ほうほうについて、地域の皆さまとの意見交換の場を設けることも検討していきます。 詳細は北沢デザイン通信  号外  平成28年3月 をご覧ください。 下北沢駅周辺都市計画道路 補助第54号線及びせくがい第10号線 整備ワークショップ   下北沢駅周辺の都市計画道路の整備と利活用や運営について検討するために、平成26年度から6回の全体会と交通部会利活用・運用部会をそれぞれ3回開催しました。  ワークショップの検討成果は、参加者の皆さまで提案書としてまとめられて、世田谷区に提出されました。 詳細は下北沢駅周辺都市計画道路整備ワークショップニュースをご覧ください。 環状七号線以西の施設整備  環状七号線横断橋 通称名 だいたふじみばし  平成27年4月に環状七号線横断橋が開通しました。  開通にあたり、平成27年3月に地域の町会、商店会等による実行委員会の主催でだいたふじみばしお披露目会が開催されました。  だいたふじみばしの名称は世田谷だいた駅周辺まちづくりニュースでの公募と投票で決定しました。 通路 環状七号線以西   現在、通路は仮整備を行っており、平成28年度に本整備を予定しています。 だいた富士みごろ広場  平成28年4月にだいた富士みごろ広場が開園する予定です。  整備プランは、平成27年度に仮称だいた3の56広場ワークショップを開催し、地域住民の皆さまと検討しました。広場の名称もワークショップでいただいた案より、広場から眺められる富士山と、地域の愛称として住居表示の語呂合わせのアイデアを採用し、決定しました。 【問い合わせ先】 世田谷区北沢総合支所まちづくり課 〒155−8666世田谷区北沢2の8の18北沢タウンホール6階 電話 03−5478−8031 ファックス 03−5478−8019