世田谷区小田急線上部利用  3つのデザインコンセプト 補足 各デザインコンセプトには、上部利用デザインワークショップにおいて、出てきた意見をもとに、イメージストーリーを作成しています。 コンセプト1 四季を感じ、みんなにやさしい空間が、多様な人々をつなぐ これまで電車が走っていた鉄道敷に、季節の彩りと潤いがもたらされます。四季を知らせる木々や草花が、私たちをホッとさせてくれます。集まって賑わいを楽しむ人も穏やかに散歩したり静かに物思いにふける人も、老若男女の誰もが一年を通じて安心して心地よく過ごすことのできる空間です。 人に馴染みやすい形や大きさを“ヒューマンスケール”と呼ぶことがあります。私たちに安心感をもたらすやさしい心づかいがデザインのそこここに散りばめられています。通勤通学、買物や散策で過ごすひとときが楽しい場所となるように、きめ細やかな配慮がなされています。そしてここでは、個性豊かな様々な人々のふれあいや出会いが生まれます。 コンセプト2 まちの記憶や風景を映し、3駅につづく新たな路が、私たちの地域をつなぐ まちにはそれぞれ人々の暮らし方があります。鎌倉かい道やおやしろ、ほこらなどが伝える歴史の面影、今に続く賑やかなまち並みと落ち着いた住宅地のたたずまい、さらに現在も多くの人々を運び続けている小田急線の線路としての記憶も大切にされています。 それらがまちに独特の風景を生み出してきました。東北沢駅、下北沢駅、世田谷代田駅を結ぶ新たな路には、地層のように折り重なった周辺のまちの記憶が映し込まれています。このまちで暮らした人たちの知恵を現代に活かしつつ、あたかも“都市の中の回廊”のように結ばれ、3つの駅から広がる3つの地域に新たなまちの風景が創られます。 コンセプト3 みんなで創り育て、ゆるやかに変わる場所が、時を超え心をつなぐ まちを見守り、将来にわたって関わり続けたいという人々がいます。その想いを子どもたちに伝え育てたいという人々がいます。小さい頃の思い出が、大きくなった時にも懐かしく思い出せるように、人の成長に合わせて少しずつ変化していく流れを大切にし、時間をかけてゆっくりとまちづくりが進められています。 新たなまちに人々が集まり、キラッと光る場所や活動があちこちに見られます。温かく育まれた緑、個性を伝えるアート、ふれあいを深めるイベント、その主人公は私たちみんなです。そして、一つひとつの活動の積み重ねが地域の文化となり、次の世代、その次の世代まで、尊い想いをバトンタッチしていきます。