世田谷区立世田谷美術館ESCO事業のご紹介 1. ESCO事業とは? ESCO事業とはESCO(Enegy Service Company)事業者が包括的な省エネルギー対策を実施し、その効果を保証することで、 確実な施設運営費の削減を実現する事業です。 ESCO事業では、省エネルギー対策の実施によって得られた光熱費削減額の中からその一部をESCO事業者の経費として支払います。 また、削減効果については計測・検証を行い、ESCO事業導入による削減額を事業者が保証しますので、 毎年確実な経済的効果を得ることができるのも特徴です。 本事業でのESCOサービス期間は3年間※1(平成30年度〜平成32年度)、 契約形態はギャランティード・セイビングス契約※2となります。 ※1平成29年度に省エネルギー対策を実施。平成30年度〜32年度の3年間がサービス期間 ※2ギャランティード・セイビングス契約 省エネルギー対策にかかる初期投資を施設管理者が行い、 ESCO事業者によって保証された省エネルギー削減額から一定額をサービス期間中ESCO経費として支払う契約。 2. 世田谷区立世田谷美術館におけるESCO導入効果 環境への効果 CO2排出量を約8.2%削減 省エネルギー対策の実施により従来のCO2排出量約956トンより年間約79トンのCO2を削減し、 地球温暖化防止に貢献します。 これは、スギの木に換算すると約5,600本のCO2吸収量に相当します。 ※関東森林管理局公表データより50年生のスギ1本の年間吸収量を14kg-CO2として換算 光熱費への効果 光熱費を約8.7%削減 省エネルギー対策の実施により電気使用量を削減することができ、従来の年間光熱費 約4,800万円から約420万円の経費削減を予定します。 3. 主な省エネルギー手法のご紹介 @ 電気を効率よくつかう 〜 空調設備 〜 老朽化設備の更新(高効率化設備導入) 長年にわたり美術館内空調用設備として使用し、 更新が必要となったファンやポンプを最新の効率のよい製品に更新をしました。 空調設備用ポンプ ・・・ 6台 空調設備用ファン ・・・ 13台 トップランナー基準の製品を採用することにより、従来のエネルギー使用量と比較し6.5%を削減します。 設備機器の更新と組合せて、以降紹介の省エネルギー手法の実施により、更なるエネルギー使用量の削減を図ります。 1次ポンプへのインバーター導入 空調設備用熱源1次ポンプにインバーターを新設し、流量調整で回転数を落とすことで、ポンプの搬送動力を低減しました。 インバーターを導入する1次ポンプは、設備運用状況を確認のうえエネルギー削減効果の高い次の系統としました。 冷水1次ポンプ(CP-1、2) ・・・ 2台 温水1次ポンプ(HP-3)   ・・・ 1台 インバーター導入と適正な運転調整をすることにより、従来のエネルギー使用量と比較し9.4%を削減します。 冷却水ポンプへの変流量制御導入 空調設備用熱源冷却水ポンプにインバーターを新設し、 制御装置による制御を行いインバーターで流量調整・回転数を落とすことで、ポンプの搬送動力を低減しました。 この制御により、負荷に応じた最適な冷却水量を供給することができ冷房時期などは特に大きなエネルギー使用量の削減が可能になります。 インバーターと制御装置による制御の導入により、従来のエネルギー使用量と比較し21.3%を削減します。 ※変流量制御  冷却水温度を制御装置にて設定値と 比較し、 インバーターを比例制御して最適な流量調整を行いエネルギー削減を図る制御。 2次ポンプへの変揚程制御導入 空調設備用熱源2次ポンプにインバーターを新設し、ポンプの流量調整・回転数を落とすことで、ポンプの搬送動力を低減しました。 この制御により、施設内空調負荷に応じた最適な冷水・温水を供給することができエネルギー使用量の削減が可能となります。 制御を導入する2次ポンプは、過去の運転実績を確認・分析により冷水・温水2次ポンプ3台中2台にインバーターを設置しました。 冷水2次ポンプ(CP-3-1,-2)・・・2台 温水2次ポンプ(HP-3-1,-2)・・・2台 インバーターと制御装置による制御の導入により、従来のエネルギー使用量と比較し28.9%を削減します。 ※変揚程制御 館内末端空調装置における必要圧力を推定し、 インバーターを用いたポンプの回転数制御により送水圧を最適に自動制御しエネルギー削減を図る制御。 機械室給排気ファンの温度発停制御導入 機械室給排気ファンは連続運転で運用していましたが、温度による自動運転・停止を行えるよう温度計を設置し、 必要に応じたファンの運用を可能としました。 また、熱源機器の運転時などは連動運転し機械室内環境を確保します。 温度発停制御導入により、従来のエネルギー使用量と比較し32.1%を削減します。 なお、機械室内環境を考慮し、1時間中30分間は運転するようスケジュール設定を行いました。 A 電気を効率よくつかう 〜 照明設備 〜 既存照明器具の高効率化製品導入 ※展示室内スポットLEDは別途整備(ESCO事業外) 既存の蛍光灯・ダウンライト・ハロゲンライト等を最新の高効率照明器具・LEDへ更新を行いました。 エントランスなどの高天井部については、長寿命LEDに更新することで、消費電力の削減に加え今後の交換周期改善を図りました。 高効率照明器具・LEDへの更新により、従来のエネルギー使用量と比較し61.4%を削減します。 B 電気の契約をみなおす 〜施設の特性に合わせて〜 施設運用に合わせた契約電力種別の見直し(H30年2月〜) 施設の特性上、美術品保管等による夜間(日祝日も契約上夜間に含まれる)の電力使用率が高いため、 電力契約を適正に見直し変更することで、年間の電力料金の削減を図ります。 変更前:業務用電力 ⇒ 変更後:業務用季節別時間帯別電力 C エネルギーの使用量をしらべる  設備ごとの電力使用量の計測(BEMS機能の活用) 導入設備の適正な運用・省エネ効果を計りエネルギー測定を行うとともに、 今後の更なる省エネ検討の為、設備・系統毎にエネルギー計測用機器の設置を実施しました。 また、既存の中央監視装置を活用し計量点 を追加、合わせてESCO事業者の監視センタ ークラウドサービスを活用しデータを分析・ 検証することで、エネルギーデータの見える化 を実施しました。(BEMS機能の追加) その他、施設内にて発生した設備警報を携 帯電話やスマートフォンへメール通知する機 能を持たせ、異常発生時の速やかな対応を実 施します。 ※BEMS  Building Energy Management Systemの略称。  施設内環境やエネルギー使用のデータ収集や管理を行い最適化を図るシステム。 世田谷美術館ESCO導入までの経緯 事業者募集要項ホームページ公開 平成28年9月7日 提案公募説明会 平成28年9月29日 現場ウォークスルー調査 平成28年10月31日 提案受付締め切り 平成28年12月15日 提案書類審査 平成28年12月16日〜 優秀賞および優秀提案の選出 平成29年1月26日 詳細協議 平成29年3月〜6月 ESCO契約の締結 平成29年7月 整備期間 平成29年7月〜平成29年12月 試運転調整期間 平成30年1月〜平成30年3月 ESCOサービス期間開始 平成30年4月1日〜(3年間) 関係所管・お問い合わせ先 関係所管    : 施設営繕担当部、生活文化部、環境政策部 お問い合わせ先 : 公共施設マネジメント推進課           マネジメント推進担当 03−5432−2608 運営事業者   : ジョンソンコントロールズ株式会社