安全なまちづくりへ向けて 第4章 木造建物と地震 平成23年3月の東日本大震災では、木造建物の倒壊により大きな被害が生じました。 この震災では、津波、地すべり、液状化等の被害も受けた地域が広範囲におよぶため、倒壊そのものによる人的被害は分かっていません。 ところが、平成7年1月に起きた阪神大震災では、木造住宅の倒壊が原因で、約5千人が死亡したといわれています。 また近い将来には、マグニチュード8クラスの東海地震の発生が予測されており、東京でも強震程度の震度に達するといわれています。 世田谷区内でも多くの木造建物があり、地震に対する安全性を十分に考える必要がありますので、この章では木造建物の地震対策について説明します。 第1 地震と震度 地震は、主にマグニチュードと震度によって表されています。 マグニチュードとは、地震エネルギーの大小を示す尺度であり、揺れが強いか弱いかの尺度ではありません。 揺れが強いか弱いかは、地震によって生ずる地面の振動を形容する言葉で、震度で表されています。   震度は、きかいによって振動等を感知して地震動の強さを表す計測震度を用いています。 現在の震度階は、0、1、2、3、4、5弱、5強、6弱、6強、7の10段階です。 震度は発表される場所のものですから、世田谷区内も同じ震度とは限らないわけです。 第2 建物の地盤と震害 建物が地震動により壊れたり傾いたりするのは地盤の状態に左右されます。 世田谷の地盤は山の手地盤という台地で、一般に地震に強いといわれますが、山の手でも地震に弱いところがあります。 武蔵野の湧水地より流れ出た川の谷底低地は、やちだと呼ばれ、非常に軟弱な地盤となっているとともに地下水位が高いため地震の被害が出やすいです。 第3 建物の軟弱地盤対策 軟弱地盤にそのまま建物等を建築すると、不同沈下が起きます。 不同沈下に耐える家屋にするためには、基礎を鉄筋コンクリート造のベタ基礎とするか、地中梁を1メートル以上の高さとするなどにより、基礎を一体として地震等の外力に抵抗できるようにします。 また、硬い地盤まで杭を打つなどの方法もあります。 この章に関するお問い合わせは、以下のところまで。 都市整備政策部 建築審査課 構造審査担当 電話 03-6432-7169