序章 はじめに T.地域整備方針の位置づけ (1)位置づけと地域区分 都市整備方針は、世田谷区街づくり条例(用語解説あり)を根拠とし、都市計画法(用語解説あり)第18条の2に定められた「市町村の都市計画に関する基本的な方針」(用語解説あり)として定めるもので、本区の長期的な視点に立った都市づくり・街づくりの総合的な基本方針です。 都市整備方針は、二部構成とし、第一部の都市整備の基本方針において、区全体としての将来都市像や各地域に共通する都市づくりの基本方針を示しています。第二部の地域整備方針では、地域のまちの姿や特性を活かした身近な街づくりの方針を示します。 地域整備方針における地域区分は、基本計画の地域計画と同様に各地域の特性(歴史的経緯、土地利用、道路・交通など)と地区におけるこれまでの街づくりを踏まえ、総合支所の地域を単位とします。 (2)地域整備方針で示す内容 地域整備方針においては、都市整備領域の分野別方針・計画に基づき進める広域的な施策については詳述せず、地域のまちの姿や地区の特性を踏まえた身近な街づくりの方針を示します。 そして、この方針の基に、地区の特性を踏まえた地区計画や地区街づくり計画などを中心とした、具体の身近な街づくりを進めていきます。 地域整備方針においては身近な街づくりの方針として、都市整備の基本方針を踏まえた『地域のテーマ別の方針』と、地区を対象とした『アクションエリアの方針』などを示します。 身近な街づくりは、地域整備方針、都市整備領域の分野別整備方針・計画、世田谷区実施計画等に基づき、効果的・効率的に進めていきます。 (3)計画期間と次回の改定について 計画期間は平成27年度から概ね20年とします。 社会情勢の変化や改定から概ね10年を経過した時点の進捗状況を踏まえて評価を行い、必要に応じてその後10年を見据えて見直しを行います。 U.地域整備方針の目的と役割など (1)目的と役割 地域整備方針は、地域の個性を活かした身近な街づくりを進めるため、地域の目標を定めた上で、より身近で区民生活に密着した地域や地区における街づくりの考え方を明らかにすることを目的とします。そして、これらを地域の区民や事業者と区(総合支所)が共有し、それぞれの役割に応じ、協働して地域の街づくりを実現するための方向性を示す役割や、区民一人ひとりが街づくりの担い手となる区民主体の身近な街づくりのガイドラインとしての役割を果たします。(街づくりを実現するための方策については、第一部 都市整備の基本方針の第4章 78〜84ページを参照) (2)構成の考え方 序章において、第1章以降の各地域で示す方針に共通する考え方を示します。 第1章〜第5章は、世田谷、北沢、玉川、砧、烏山地域の順に、それぞれ以下の内容を示します。 T.地域の概況と街づくりの主な課題 最初に、地域のなりたち、地域の姿、地域の現況等のデータからなる「概況」を示します。現況等のデータでは、位置、面積、人口、土地利用、防災、みどり、道路などの項目について示します。 次に、都市整備の基本方針における世田谷区をとりまく状況や、概況などを踏まえ、都市整備の基本方針における5つのテーマに沿った「街づくりの主な課題」を示します。 U.地域の目標、骨格と土地利用の方針 最初に、都市整備の基本方針における都市づくりビジョンと、街づくりの主な課題などに基づき、概ね20年後を見据えた「目標 地域のまちの姿」を示します。 次に、都市整備の基本方針における都市づくりの骨格プラン、土地利用構想および都市施設配置構想と、地域のまちの姿に基づき、概ね20年後を見据えた「地域の骨格と土地利用の方針」を示します。 V.地域のテーマ別の方針 地域のまちの姿を実現するため、都市整備の基本方針における5つのテーマに沿った「地域のテーマ別の方針」を示します。 W.アクションエリアの方針 地域のまちの姿を実現するため、今後、概ね10年間にわたり、街づくりを優先的に進めるエリアに関する方針として、特定のエリアを対象に、「アクションエリアの方針」を示します。 終章においては、区民主体の街づくりを進めるための基本的な考え方と流れを示します。 (3)「2.地域の目標、骨格と土地利用の方針」について @目標 地域のまちの姿 「目標 地域のまちの姿」は、基本計画(地域計画)の都市整備領域に関する内容等を踏まえ、都市整備の基本方針の都市づくりビジョン、街づくりの主な課題などに基づき設定します。 5つのテーマに沿った、まちの姿の具体像を明らかにします。 A地域の骨格プラン 地域の骨格プランは、都市整備の基本方針における都市づくりの骨格プランと、地域のまちの姿に基づき、地域の骨格を示すものです。 地域の骨格は、以下に示す拠点や軸などから構成されます。 都市整備の基本方針で示した地域生活拠点などに加えて、地域整備方針で新たに『地区生活拠点』を位置づけます。 広域生活・文化拠点 主として商業業務機能および文化情報発信機能が集積し、全区的な「核」であると同時に、本区を越えた広域的な交流の場 主要な地域生活拠点 区民の交流の「核」であるとともに、地域間をつなぐ主要な交通結節機能を有する拠点 地域生活拠点 地域の「核」となる区民の身近な交流の場 地区生活拠点 区民の日常生活に必要な商業・業務機能が集積した、地区の交流の場 災害対策拠点 地域の防災に関する機能を備える区役所および各総合支所周辺地区 保健福祉の街づくり重点ゾーン 全区的な保健医療福祉の拠点となる梅ヶ丘病院跡地整備にあわせ、ユニバーサルデザイン(用語解説あり)による街づくりを重点的に進めるゾーン 都市活力と交通の軸 軸上に自動車対応の沿道型の施設などが立地し、交通を区内外にわたり広域的に連絡するとともに、都市としての活力を育み交流を促す軸 主要生活交通軸 主として区内の地域間の交通を担い、主要な公共公益施設を結ぶバス交通網を支える軸 みどりの拠点 自然環境の骨格的な要素となる拠点 水と緑の風景軸(国分寺崖線とその周辺) みどりに恵まれ様々な生物が生息し、みどりやみずの風景が連なった地域 環境保全ゾーン(多摩川) 国分寺崖線とともに東京23区でも貴重な自然環境を有し、区民に憩いとやすらぎを与えるゾーン B地域の土地利用の方針 地域の土地利用の方針は、原則9つに区分した土地利用ごとに方針を示すとともに、方針図でその位置を概略で示します。 土地利用の区分は原則として、都市整備の基本方針の土地利用構想における6つの土地利用の区分と以下のように整合します。 【地域整備方針における区分】 駅周辺商業地区 駅周辺において、主として商業・行政サービス等の機能が集積する地区 近隣商店街地区 住宅地等の中にある商店街 幹線沿道地区 集合住宅、事務所・店舗・サービス施設等が立地する、幹線道路(用語解説あり)の沿道地区 地区幹線沿道地区 地区幹線道路(用語解説あり)沿道のうち、住宅・店舗などからなる地区 低層住宅地区 主として3階以下の戸建て住宅や集合住宅が広がる地区 住宅地区 住環境の保全や改善、住宅相互の調和が図られ、生活利便施設などが適切に配置された地区 住商複合地区 住宅と各種の用途が複合する地区、または、特定の施設などからなる地区 準工業地区 準工業地域(用語解説あり)において、住宅と工場などからなる地区 河川環境地区 多摩川およびその河川敷からなる地区 (4)「3.地域のテーマ別の方針」について 地域のテーマ別の方針は、本区全体を対象としたテーマ別方針に加えて、地域の特性を踏まえ、街づくりの主な課題を解決し、地域のまちの姿を実現するため、各地域の全域を対象に、今後、概ね20年間にわたる方針として示します。 方針図は、都市整備の基本方針における将来目標を実現するためのテーマ別方針T〜Xより、地域の課題などを踏まえ主要な要素を抽出し、重ね合わせて示します。また、必要に応じて新たな要素を加えます。 (5)「4.アクションエリアの方針」について 「アクションエリア」は、地域のまちの姿を実現するため、区民・事業者・区(総合支所)が協働し、今後、概ね10年間にわたり街づくりを優先的に進める地区とし、「アクションエリア」ごとにその整備方針を示します。 「アクションエリア」では、地区の特性を踏まえ、地区計画(用語解説あり)や地区街づくり計画(用語解説あり)などを策定し、街づくりを進めていきます。なお、一部、既に地区計画や地区街づくり計画などが策定されている地区を含みます。 アクションエリアには、既に策定された地区計画や地区街づくり計画に基づき、街づくりを進めていく地区を含みます。 アクションエリア以外の地区についても、区民の街づくりの気運の高まりや、大規模な土地利用転換等を契機とする街づくりの意識の醸成などに応じて、新たに街づくりの検討を行います。 なお、アクションエリアや新たに街づくりを検討する地区が隣接する場合は、より効果的に街づくりが進められるように、相互の関連性について配慮します。