第3章将来目標を実現するためのテーマ別方針 〜4つのまちの姿を実現する5つのテーマ〜 都市づくりビジョンの4つのまちの姿を実現する方針として、区民の生活像を重視する観点から5つのテーマ別方針を設定し、各方針の主要な施策の方向性を示します。 今回の改定においては、まちの姿を実現する方針を、平成7年に策定した都市整備方針における5つの「分野別の基本的な整備方針」から5つの「テーマ別方針」に変更しました。 なお「分野別の基本的な整備方針」は、以下の分野別に構成されていました。 1.市街地整備の基本的方針 2.道路・交通体系の基本的整備方針 3.水と緑の基本的整備方針 4.防災および生活環境整備の基本的方針 5.都市景観形成の基本的方針 T.安全で災害に強いまちをつくる 〜基本的な考え方〜 ○震災に強いまちとするため、延焼遮断帯(用語解説あり)の整備や防災生活圏(用語解説あり)内の防災性の向上、新たな防火規制区域の指定、避難場所への安全なアクセス確保など を進めます。また、震災後の復旧・復興を重視し、仮設市街地(用語解説あり)・仮設住宅等の検討を行います。 ○震災のみならず、災害に強いまちとするため、豪雨対策などに取り組みます。 ○日常の安全・安心を確保するため、まちなかの防犯対策や老朽空き家対策などを進めます。 ○道路・橋梁や公園などは適切に維持・更新します。 1.震災に強いまちとする (1)防災生活圏(用語解説あり)を形成する ○大地震に伴う市街地火災の燃え広がりを抑え「震災に強く、逃げないですむ街づくり」を進めるため、周囲を幹線道路(用語解説あり)等の延焼遮断帯(用語解説あり)で囲まれた 防災生活圏の形成をめざします。 ただし、延焼遮断帯の整備は実質的に長期間を要するため、防災生活圏形成にあたり課題の多い地区から優先的に主要生活道路(用語解説あり)や緑道、鉄道敷、河川などを活用した 延焼遅延帯(用語解説あり)の整備を進め、延焼遅延帯に囲まれたミニ防災生活圏(用語解説あり)を形成します。 (2)延焼遮断帯を整備する ○延焼遮断帯を構成する都市計画道路の整備について、東京都との連携を強化し、早期形成をめざします。また、沿道の不燃化を進めます。 ○主に延焼遅延帯を構成する主要生活道路の整備と、鉄道・河川・公園など延焼遅延効果を持つ空間のネットワーク形成を図ります。 ○台風や地震などによる災害時において、電柱倒壊による危険性や、倒壊した電柱による緊急車両の通行の阻害をなくすため、電線類の地中化(用語解説あり)などを進めます。 (3)防災生活圏内の安全性を向上させる 【面的な安全性の向上】 ○防災生活圏内では、地区計画制度(用語解説あり)の活用や狭あい道路(用語解説あり)の拡幅整備などにより、地区の安全性を高めます。 ○建築物の耐震診断(用語解説あり)・耐震化を支援して区内の建築物の耐震化率の向上を図るとともに、震災時の火災などの危険性が高い地区等には、 新たな防火規制区域(用語解説あり)の指定を拡大します。 特に老朽木造住宅が密集している木造住宅密集地域(用語解説あり)では、防災街づくりの各種事業や東京都の木密地域不燃化10 年プロジェクトによる不燃化特区制度(用語解説あり) などを活用して、建築物の不燃化・耐震化の取り組みを強化します。 ○都市基盤が未整備で防災上課題のある地区では、個々の開発行為や建築行為に伴う都市基盤整備の誘導、地区計画制度などの活用による改善、土地区画整理事業を施行すべき区域(用語解説あり) の都市基盤整備などを進めます。また、市街地の新たな密集化を予防するため、農地や大規模敷地の土地利用転換にあたっては、防災に配慮した整備・開発を誘導します。 ○京王線各駅周辺地区などでは、新たに防災街づくりを進めます。 【身近な道路・公園の整備による安全性の向上】 ○震災時に消防活動が困難とされる区域(用語解説あり)では、地区計画などを活用し、区民・事業者と連携して消防活動や避難を円滑にするための地先道路(用語解説あり) の整備を進め、行き止まり道路や狭あい道路を解消するとともに、防災性の向上に配慮した公園等を配置します。 【建築物の耐震性の向上】 ○建築物の耐震診断(用語解説あり)に対する支援の充実や耐震改修の誘導、落下物による危険箇所の改善などを進めます。また、分譲マンションや民間特定建築物(用語解説あり)、 その他防災上重要な建築物を重要建築物とし耐震化を進めます。 【防災設備の充実】 ○駅前広場、公園、区施設や公的住宅・集合住宅などの整備にあわせた防火水槽などの消防水利(用語解説あり)の整備を進め、消防署と連携し、震災時に必要な水量が不足している 地域の解消に努めます。また、受水槽、河川などの新たな水利の有効活用や、災害時における飲料水等の確保、防災倉庫の設置などを進めます。 ○自主防災組織(用語解説あり)や消防団が水源として利用しやすい消火栓・排水栓や井戸、プールなどを活用するほか、水辺の再生に伴う親水空間(用語解説あり)の確保など 災害時の水利として役立つ整備に努めます。 (4)避難時の安全性を向上させる 【避難先の安全性の向上】 ○広域避難場所(用語解説あり)となる大規模な公園などについては、災害用トイレ(用語解説あり)など必要な設備等の整備を進めるとともに、避難場所としての機能を高めます。 また、広域避難場所の拡張や新規指定および既存施設の充実のため、東京都との調整を進めます。 ○各種公共施設等においては、避難や救援活動の場となる空地の確保や、災害用トイレの整備など、防災の視点を取り込んだ整備および再整備を進めます。 特に学校は、震災時には避難空間および避難生活の場となり、日常は児童・生徒を含めた地域住民の防災訓練や防災意識向上のための防災教育などの各種活動の場ともなります。 このため、防災活動拠点と位置づけ各種防災設備を改善します。 ○震災時の区内滞留者や徒歩帰宅者の安全性を確保するために、駅周辺の混雑防止と安全な帰宅の支援という観点を反映し、公共施設の整備を進めます。 【避難経路の安全性の向上】 ○広域避難場所や官公庁施設・病院等の防災拠点へのアクセス路となる、道路や緑道などの整備・改修を進めます。 また、震災時の避難を円滑に行うため、東京都が指定する緊急輸送道路(用語解説あり)のほかに、避難などに重要な道路の沿道の耐震化を進めます。 ○子育て世帯や高齢者、障害者、外国人なども含め、誰もが平常時と災害時に必要な情報が得られ適切な避難ができるよう、サイン等の整備を進めます。 (5)協働による防災街づくりを進める ○世田谷区街づくり条例(用語解説あり)による地区街づくり協議会(用語解説あり)や自主防災組織、消防団などと防災街づくりを進めます。 ○避難ルートの安全性を高めるため、危険なブロック塀の補強および改善を進めます。また、地震発生時の揺れやすさや地域の危険度や災害時の帰宅支援に関する情報を、 事前の備えに役立つよう提供します。 2.震災後はすみやかに復旧・復興に取り組む (1)復旧に備える ○震災後は、震災前の地域コミュニティを維持しながら住民の生活再建を進めつつ、本格的な市街地復興へ円滑に移行できるよう体制を整えるため、 被災した市街地で復興までの数年間を過ごす仮設市街地(用語解説あり)の検討を行い、仮設市街地づくりの方針・計画の策定に努めます。 ○被災者の仮設住宅を確保するため、生産緑地※などの農地や公園・緑地、空き家等などを活用します。 また、被災者の食料を確保するため、都市農地を農産物の提供拠点とします。 ○震災時におけるがれき等による道路通行止めの抑制などのため、がれき仮置場の一層の確保に向けた検討を行います。 (2)復興に備える ○震災後の復興に向けてすみやかな行動ができるよう、区民・専門家・職員等による復興訓練を実践的・継続的に進め、災害時の協力体制を構築します。 また、震災後、迅速かつ計画的に復興ができるよう、あらかじめ震災後の都市づくりのあり方を示す復興街づくり基本方針 を策定します。 ○震災後のすみやかな復旧・復興に資する地籍調査(用語解説あり)を進めます。 (3)地域のつながりを重視した復旧・復興街づくりの準備を行う ○自主防災組織(用語解説あり)や消防団、防災ボランティアなどを活用し、地域コミュニティの形成・充実を図り、復旧・復興の街づくりの準備を行います。 (4)災害対策拠点として防災・災害対策を踏まえた街づくりを進める ○地域の防災に関する機能を備える区役所および各総合支所周辺地区を災害対策拠点とし、庁舎等の災害対策機能の強化や防災および災害対策を踏まえた街づくりを進めます。 3.水害や土砂災害を抑制する (1)下水道や河川への雨水の流出を抑える ○雨水流出による下水道や河川の負担を軽減させるため、道路・公園などの公共施設は、雨水を一時的に貯留または分散的に浸透させる雨水流出抑制施設(用語解説あり)の設置を 計画的に進めます。 また、民間施設の建築時に、区民や事業者と協力し、敷地内への雨水流出抑制施設の設置を進めます。 ○過去の浸水状況などを踏まえて選定した豪雨対策モデル地区※等をはじめとする分流式下水道(用語解説あり)区域では、雨水管の早期整備を進めます。 また、浸水被害を軽減する家づくりを進めるため、道路より低い宅地の盛土や外壁の防水などの建築物の耐水化、排水ポンプ設置、止水版の設置などのほか、 具体的な対策についての周知を図り啓発を行います。 (2)河川の治水能力や下水道の処理能力を高める ○大規模水害や内水氾濫(用語解説あり)を防止するため、東京都や他区市と連携・協力し、野川や仙川などの河川や下水道の早期整備を進めるとともに、下水道の処理能力を高めるため、 事業の進め方の見直しなどにより雨水管整備のスピードアップを図ります。 (3)がけや擁壁の安全性を高める ○がけや擁壁の安全性を高めるため、現況を把握し、区民や事業者との情報共有を進め、土地所有者等による補修・修繕の誘導などを通じて、土砂災害の抑制に努めます。 4.日常の安全・安心を確保する (1)まちの防犯能力を高める ○道路や公園は、まちの防犯に配慮し、夜間も安心して利用できるよう整備を進めます。また、住宅地等は空き巣などの犯罪を抑制するため、道路と敷地の間で視線が行きかうよう外構 整備の工夫を進めます。 ○犯罪者が近づきにくく犯罪が起きにくいまちとするため、自主的防犯活動団体や地域防犯リーダーなどによる活動を支援します。 また、不審者の出入りや放火など防犯上の不安のある老朽空き家は、所有者に改善を求めるなど安全対策を進めます。 (2)交通安全対策を進める ○交通安全施設は、歩行者が安全に歩けるよう景観に配慮しつつ、すべり止め舗装やカーブミラー、防護柵、道路標識などを充実させます。 ○通学路や商店街周辺の買物道路などは、警察との連携や地区住民との合意形成を図りながら、交通規制等による交通安全対策を進めます。 ○自転車利用者のルール・マナーの向上をはじめとし、自転車走行環境の整備など歩行者や自転車利用者の交通安全対策などを進めます。 5.都市基盤を維持・更新する ○道路・公園などの公共施設は適切に維持管理するとともに、災害時にも機能を発揮するよう老朽化の状況を踏まえた計画的な改修に努めます。 また、上下水道、電気、ガス、通信などのライフライン(用語解説あり)については、震災時において区民生活や救援・復旧等の活動への影響を最小限にとどめるよう、 耐震化に向け、各企業者と連携を図ります。 ○今後一斉に老朽化が進む橋梁の安全性・信頼性を確保するため、適切な点検を進めるとともに、計画的な修繕・耐震化と架替えを進めます。 U.みどり豊かで住みやすいまちをつくる 〜基本的な考え方〜 ○環境共生都市世田谷の実現に向け、「世田谷みどり33(用語解説あり)」を進め、世田谷らしいみどりとみずを守り育て、量の確保とともに質の向上に努めます。 また、農地保全や多様な生物が生息できる緑・水環境の創出を図ります。 ○新たに建築物の高さや敷地面積等の規制の導入を進め、より住みやすい住環境を確保します。 ○都市基盤整備事業を進める際や大規模敷地の転換の際は適正な土地利用に誘導します。 ○低炭素都市(用語解説あり)化への対応として環境に配慮した住環境を確保します。また、健康づくりに配慮した緑道整備などを進めます。 1.みどりとみずを保全し、再生・創出する 「世田谷みどり33※」の達成をめざして、国分寺崖線(用語解説あり)や多摩川、農地、公園・緑地などまとまったみどりとみずの空間について、緑道や街路樹、河川、 敷地内のみどりなどでネットワークの形成を図り、多様な生物が生息できる緑環境と水環境の創出を図ります。 (1)みどりを守り育てる 【公共用地と民有地のみどりの保全、再生・創出】 ○公園・緑地の整備・改修にあたっては自然環境や景観の保全に努めます。また、都市計画道路や主要生活道路(用語解説あり)の整備にあたっては道路の緑化に努めます。 ○公共施設について、空地や駐車場の緑化、区立小・中学校の屋上・壁面緑化や校庭芝生化など緑化を進めます。 ○屋敷林をはじめとした民有地のみどりを保全するため、保存樹木・保存樹林地(用語解説あり)・市民緑地(用語解説あり)・特別緑地保全地区制度(用語解説あり)など 各種制度を活用します。また、民間住宅等の建築に際してみどりを保全・創出するため、緑化地域制度(用語解説あり)の運用や条例による緑化指導などを進めます。 ○農地保全のため、農地の生産緑地地区(用語解説あり)への追加指定を進めるとともに、農地保全重点地区(用語解説あり)を中心に都市計画公園・緑地に指定し、 農業公園などとして整備を進めます。また、体験農園(用語解説あり)の拡充などを進めながら農の豊かさを守り伝えます。 ○講習会や実践学習等のイベント、花苗の提供などにより、みどりの街づくりの普及啓発を進めます。 【みどりの質の向上】 ○多様な生物が生息できる空間を広げるため、住宅の庭木や住宅地に残る生物多様性(用語解説あり)の核となる民有樹林地や公園・緑地のみどりを保全し、 これを相互につなぐ国分寺崖線や河川・緑道などのほか、幹線道路(用語解説あり)沿道や住宅地等において連続した緑化を進め、みどりとみずのネットワーク形成を図ります。 ○公共空間において身近に感じることのできるみどりを創出しまちの美観を高めるため、駅やバス停、道、公園などは、施設や設備の緑化、シンボルツリーや花壇の設置などを進めます。 ○公共施設や民有地の接道部における生垣や壁面緑化などの推進により、目に触れるみどりや身近に感じられるみどりを増やします。 ○地域ぐるみの緑化によるみどりの街づくりを進めます。また、環境の維持・改善、防災、健康および教育などに寄与する、みどりの多様な機能に配慮した質の高い緑化を進めます。 (2)みずを守り育てる 【水辺の再生と親水空間(用語解説あり)の整備】 ○国分寺崖線と多摩川や野川、仙川などの中小河川を中心に、かつての姿を意識した水辺の再生整備に取り組みます。 また、整備にあたっては水辺をより身近に感じられるよう地域の特性にあった親水空間を確保できるように配慮します。 【湧水・地下水のかん養(用語解説あり)・保全】 ○湧水・地下水の一層のかん養・保全のため、道路・公園その他の公共施設敷地内や民有地において雨水浸透施設(用語解説あり)の設置を進めるとともに、 自然のみずとのふれあいの場や災害時のみずの供給源などとして活用します。 (3)誰もが利用できる公園や緑地、広場を確保する ○公園や緑地は、計画的な整備により適正な配置と面積を確保します。また、みどりとみずのネットワーク形成や多様な生物を育む場、風景を守り育てる場であることを踏まえつつ、 地域の特性にあった整備を進めます。 ○公園や緑地、広場は、誰もが利用できる場とするため、ユニバーサルデザイン(用語解説あり)による整備を進めます。また、より区民に愛される公園とするため、 計画や整備・改修、管理運営への区民参加を進めます。 ○借地公園の活用や民間活力の導入などにより、都市公園・緑地の整備を進めます。 2.より住みやすい住環境を確保する (1)世田谷らしい住みやすい住宅地を形成する ○良好な住環境を維持し、世田谷らしい住みやすい住宅地を形成するため、住居系用途地域(用語解説あり)内の建築物・敷地に関して、 建築物等の高さの最高限度や敷地面積の最低限度(用語解説あり)など、新たな規制の導入をめざします。 ○都市の風致を維持するため風致地区制度(用語解説あり)を活用し、都市の中に自然環境を持つ良好な住環境を確保します。 (2)地区特性に応じたみどり豊かな住宅地整備を進める ○地区の特性に応じて、地区計画制度(用語解説あり)などの活用により、みどり豊かな住宅地整備を進めます。 【都市基盤が整った地区】 ○都市基盤が整った良好な住環境に恵まれた住宅地は、現在の環境を維持するとともに、より高い水準の住環境を実現するため、敷地内緑化に加え、 みどりが調和した街なみ形成による景観の向上を図ります。また、地区特性にあった街なみ保全のルールづくりを進めます。 ○土地区画整理事業※等により都市基盤が整った地区は、住環境の維持・保全を図るため、地区計画などによる街づくりに関するルールづくりを進めます。 ○都市基盤は比較的整っているが、単発的な開発行為や建築物の規模・用途の混在などの発生が予想される住宅地においては、個々の建築行為や開発行為は周辺環境に配慮し街なみ 向上に寄与するよう誘導するとともに、こうした改善の積み重ねを地区全体に広げます。 【都市基盤整備に課題のある地区】 ○東名ジャンクション(仮称)(用語解説あり)の周辺地区など、都市基盤整備事業に伴い周辺土地利用の改変が想定される住宅地の整備にあたっては、周辺環境に配慮しながら、 整備される道路や公園などの配置と規模を踏まえ、必要に応じ、都市計画の決定・変更も検討しながら、適正な土地利用を誘導します。 ○今後、建て替えが見込まれる比較的大規模な公的団地や国家公務員宿舎などは、建て替えにあわせて周辺環境や周辺地域への貢献を誘導し、都市基盤整備や公園の充実、 緑化を進めます。また、周辺住宅地も含めた街づくりを進めます。 ○区西部など市街化が先行し都市基盤が未整備で農地が点在する住宅地は、都市基盤未整備地区の解消のため、従来からの土地区画整理事業(用語解説あり)に加えて 地区計画制度(用語解説あり)の導入を進めます。 また、農地保全に努めるとともに農地を宅地化する場合は、地区の特性に応じた良好な住環境の形成に必要な都市基盤整備を一体的に進めます。 (3)歩行者主体の安全で快適な生活道路を整備する ○通り抜け車両による住環境の悪化を防止するため、都市計画道路を中心に適切な道路ネットワーク形成を図ります。 また、地区幹線道路(用語解説あり)や主要生活道路(用語解説あり)の歩行空間を充実するため、交通安全施設の整備や道路の整備・改修にあわせた歩道整備などを進めます。 ○狭あい道路※は、通風や日照などの住環境の改善、緊急車両の通行の確保、日常のサービス交通の確保などのため、拡幅整備を進めます。 また、安全で快適な歩行環境を確保するため、 ブロック塀の生垣化などを進めます。 (4)公害のない環境をつくる ○自動車や二輪車の渋滞による排気ガスを低減するため、道路ネットワーク形成や交差点の改良などを進めます。 また、交通騒音・排気ガスによる健康や日常生活への影響を低減するため、幹線道路(用語解説あり)・地区幹線道路およびその沿道は、舗装の改善や大気環境改善効果の高い 植栽などを進めます。 3.誰もが住める住まいを確保する (1)地域と連携した取り組みを進める ○安心して高齢者が暮らせるよう、自治会等と連携した見守りネットワーク形成を図ります。 ○分譲マンションの適切な維持管理のため、管理組合ごとで情報交換する交流会などの活動を進めます。 また、良質な住宅の確保のため、住宅性能表示(用語解説あり)、リフォームの履歴情報の活用、地域の住宅関連事業者との連携などを進めます。 (2)子育て世帯や高齢者、障害者、外国人などへのニーズに対応する ○住宅のユニバーサルデザイン※による整備を進めます。また、子育てしやすい住宅、単身者用住宅など多様な住まいづくりを進めます。また、公的住宅ストックを有効活用します。 (3)地域に開かれた住まいをつくる ○地域の交流の場として活用されている地域共生のいえ(用語解説あり)など、地域に開かれた住まいをつくります。 4.環境に配慮し、豊かに暮らし続ける ○ヒートアイランド現象の緩和や住宅の冷房効率向上のため、屋上緑化や壁面緑化、敷地緑化などを進めます。 ○民生家庭部門(用語解説あり)でのCO2 排出量を削減するため、住宅の省エネルギー化を進めます。 また、太陽熱温水器の設置など住宅の再生可能エネルギー(用語解説あり)の導入を進めます。 ○住宅に係る産業廃棄物の排出量削減とともに、安心して住み続けられる長期優良住宅(用語解説あり)の建設を進めます。 ○環境負荷を低減するため、公共施設の省エネルギー化を進めるとともに再生可能エネルギーを導入します。 5.健康に暮らし続ける (1)高齢者や障害者が外出しやすいまちにする ○歩いて楽しく移動しやすいまちとするため、道路および沿道の緑化や緑道の整備などにより景観に配慮した歩行空間を確保するとともに、ユニバーサルデザインによる移動しやすい 空間の確保を進めます。 ○誰もが安心して出かけられるよう、まちなかに休憩できるベンチ等の設置や多機能型トイレの普及を進めます。 (2)健康を維持・増進する施設・設備をつくる ○公園や広場、緑道においては、身近な運動の機会を増やすため、運動施設などを充実させるとともに、健康づくりや介護予防の場としても活用できるよう健康遊具の設置を進めます。 ○緑道など散歩やジョギングができる道や、サイクリングロードなど体力づくりのできる道の整備を進めます。 V.活動・交流の拠点をもつまちをつくる 〜基本的な考え方〜 ○にぎわいのある拠点創出のため、生活拠点ごとに特徴ある街づくりを進めます。また、連続立体交差事業(用語解説あり)にあわせ、にぎわいを形成し回遊性を高めます。 ○区民に身近な活動・交流の場をつくるため、道路・公園等の公共施設や空き家等の活用、コミュニティの場としての商店街の充実などを進めます。 ○幹線沿道ゾーンや準工業ゾーンにおいては、産業活動を支える土地利用を誘導します。 1.活力ある広域生活・文化拠点とする ○広域生活・文化拠点である三軒茶屋、下北沢、二子玉川駅周辺地区は拠点ごとの特性に応じて、様々な機能を充実させます。 また、歴史・文化や街なみ・地形等の活用などにより地域の魅力を高めます。 ○拠点等へのアクセスを向上させるため、ユニバーサルデザイン(用語解説あり)による道路・交通ネットワーク形成を図ります。 また、駅周辺整備では歩行者や自転車利用者のため安全な空間を確保し回遊性を高めます。 【三軒茶屋駅周辺地区】 ○三軒茶屋の歴史を活かし庶民的雰囲気のにぎわいと活気にみちた街づくりを進めます。 ○商業・業務・文化など多様な機能を備えた拠点とするため、再開発事業等を進めるとともに、駅周辺の小規模な木造商業地区を更新し高度利用を図ります。 また、まちの発展と防災性向上に必要なオープンスペース、自転車等駐車場、防災性をもつ拠点等を確保します。 【下北沢駅周辺地区】 ○小田急線の連続立体交差事業(用語解説あり)にあわせ、交通結節点機能を強化するとともに、小田急線の上部利用や井の頭線の盛土部分の活用など防災・みどり機能の充実を図ります。 ○良好な街なみと建築物の不燃化を適切に誘導するとともに、商業・文化等の地域資源を活かした拠点とするため、歩行者が主体で活気あるまちとして、安全・快適な回遊性を高め、 下北沢の魅力を発展させます。 【二子玉川駅周辺地区】 ○商業・業務・文化・交流・レクリエーションなど様々な機能を備え、にぎわいと居住の調和が図れた魅力ある拠点とするため、駅東側での再開発事業による都市基盤の整備や 土地の高度利用、都市機能の更新を活かし、西側との一体的な街づくりや周辺地区の整備を進めます。 ○二子玉川公園などを活用し、多摩川に面した拠点として自然環境との調和を図ります。 2.活力ある地域生活拠点とする (1)にぎわいや活気のある拠点の魅力を高める ○拠点ごとの特性に応じて様々な機能を充実させます。また、歴史・文化や街なみ・地形等の活用などにより地域の魅力を高めます。 ○主要な地域生活拠点である成城学園前および千歳烏山駅周辺地区においては、駅前広場の整備や自転車等駐車場の整備などにより、地域間をつなぐ交通結節機能の強化を図ります。 ○連続立体交差事業(用語解説あり)にあわせ、駅前広場や都市計画道路等の整備、東京都および鉄道事業者と連携し高架下や上部利用を進めるとともに、駅周辺のにぎわい形成や街なみの改善など を進めます。 (2)駅前広場・周辺道路などの安全性や利便性を高め、回遊性を確保する ○駅周辺の商業集積を進めるため、道路整備などにあわせて必要に応じて面的整備(用語解説あり)の導入を進めます。 また、拠点の特性にあわせて自転車等駐車場・駐車場や広場の整備、緑化や景観の向上などを進めます。 ○拠点等にアクセスするための道路・交通ネットワーク形成を図ります。また、歩行者や自転車利用者のため安全な空間を確保し回遊性を高めるとともに、 ユニバーサルデザイン(用語解説あり)による駅周辺整備を進めます。 ○明大前、千歳烏山駅周辺などでは、京王線の連続立体交差事業にあわせて、駅前広場や都市計画道路等の整備を進めるとともに、拠点ごとの特性に応じて面的整備の検討も進めます。 また、梅ヶ丘駅周辺地区は、梅ヶ丘病院跡地の保健医療福祉機能の整備にあわせ、周辺地区を含めた街づくりを進めます。 3.身近に活動・交流の場をつくる (1)誰もが利用できるみどりの拠点とする ○みどりの拠点をはじめとする公園・緑地等は、誰もが快適に利用できるよう、オープンスペースやみどり、各種施設をバランス良く配置するとともに、 ユニバーサルデザイン(用語解説あり)による整備を進めます。また、公園・緑地等へのアクセス環境を充実させます。 (2)コミュニティの場としての商店街とする ○商店街はコミュニティの場となるよう、高齢者や子育て世帯に必要な休憩や交流、活動などの機能を誘導します。 また、ユニバーサルデザインによる整備を進め、商店街周辺の歩行環境を改善します。 ○日常生活圏の範囲に、日用品を扱う小売店舗が整った環境を確保します。 (3)区民がいきいきと交流できる場を確保する ○道路など地域を支える公共施設は、にぎわい・交流施設の設置のため道路占用許可の特例制度などを活用し、必要に応じて活動・交流や健康・体力づくりができる場を確保します。 また、公園などでは、計画から管理運営の各段階でできるだけ多くの区民が参画できるようにすることで、地域住民の交流のきっかけとなるよう工夫します。 ○街づくりに関するイベントをはじめ、様々な交流の機会を提供します。 (4)コミュニティと日常生活を支える公共施設を確保する ○出張所・まちづくりセンターや小・中学校など地域を支える公共施設は、整備・改築・運営見直しなどを定めた「公共施設整備方針」を踏まえ、 地域コミュニティと日常生活を支える場となるよう空間を確保します。 (5)空き家等の活用を進める ○福祉的な活動の場や地域交流の場となるよう、空き家等や商店街の空き店舗を活用します。 4.活力ある産業環境とする (1)幹線沿道ゾーンの産業環境を高める ○幹線沿道ゾーンは、土地や建築物、街区規模、後背の市街地状況などを踏まえ、沿道の特性に応じた産業の立地を進めます。 このうち環状7号線、環状8号線、甲州街道および玉川通り沿道は、土地の高度利用を図り、魅力ある沿道型商業・業務・サービス施設等の立地を進めます。 また、後背の住宅地からのアクセスの充実、魅力ある歩行空間の整備に努め、道路両側の市街地の一体性を高めます。 ○幹線沿道ゾーン以外で路線型用途地域※が指定されている道路沿道は、周辺の住環境との調和が図られ沿道特性に応じた産業の立地を進めるなど、適正な沿道市街地を誘導します。 (2)準工業ゾーンにおいて生産環境の保全と住工共存の街づくりを進める ○工場の産業環境の整備・充実や、新たな産業の立地による工業の維持を図ります。また、生産環境の保全と共に住環境と調和した住工共存の街づくりを進めます。 (3)都市農地を保全・活用する ○農地保全のため関係する法令や税制の改正に向けた要望を国等に対して行い、区民農園(用語解説あり)や体験農園(用語解説あり)などを活用します。 W.地域資源の魅力を高めるまちをつくる 〜基本的な考え方〜 ○本区が誇る自然資源である国分寺崖線(用語解説あり)や、屋敷林・社寺林などの民有樹林地を保全します。 また、農のある風景を保全・育成します。 ○世田谷らしい風景の魅力を高めるため「地域の風景資産を区民が守り・育て・つくる」という視点をもち、そのための活動を進めます。 ○旧河川、都市基盤の整備で生み出される敷地、空き家等を地域資源ととらえ、有効活用します。 1.世田谷区が誇る自然資源の魅力を高める (1)国分寺崖線(用語解説あり)や屋敷林、社寺林、農地などを日常生活に身近な自然資源とする ○国分寺崖線や屋敷林、社寺林などは、地域の歴史を伝える民有樹林地・樹木等の保全のため維持管理の支援を行うとともに、諸制度を活用し、 良好な景観形成や住環境の保全を図ります。また、農地が比較的まとまって残っている地区は、農地を都市の貴重な資源ととらえ農のある風景として保全に努めます。 ○公園・緑地内の樹林、湧水などの自然環境は、多様な生物を育む場として、また貴重な地域景観の一部として、後世に残していけるよう保全します。 また、民有樹林地や水辺についても、公有化に努め、公園・緑地とすることで、自然資源の確保を進めます。 ○多摩川は自然環境再生などによる一層の魅力向上のため、環境保全に配慮しつつ国や東京都の進める水際の各種施設整備と連携した施策を進めます。 (2)自然資源の魅力を知り、楽しむ機会を提供する ○世田谷・みどりのフィールドミュージアム(用語解説あり)の活用などによる身近なみどりとみずの魅力に触れることのできる学習・体験の場を提供します。 また、本区の生物の生息空間を次世代に継承するため、保全の重要性を学び魅力を知り、楽しむ学習・体験の場を提供します。 ○みどりの生命線とも言われる国分寺崖線への関心を高めるため広く情報発信します。また、区内農業への関心を高め、区民の農業体験のニーズに対応するため、 農地にふれあう機会を拡充します。 (3)みどりとみずを守り、育てる活動を広める ○みどりとみずを守り育てる区民の輪や地域活動を広めるため、トラスト運動やボランティア活動などの情報を発信するとともに、 人材育成の場づくりやみどりの推進員制度(用語解説あり)等を活用します。 2.風景の魅力を高める 地域の風景資産や自然・歴史的資産を活かすとともに、まちの魅力を高める風景をつくるため、区民が地域の資産を守り・育て・つくるための風景づくり活動を進めます。 また、建築物や工作物が街なみに調和するよう、外壁等の色彩などきめ細かな基準による風景の指導・誘導を通じて、風景の魅力を高める施策を進めます。 (1)地域の風景資産や自然・歴史的資産を活用する ○風景を構成する上で重要な建造物や樹木、公共施設などを活かし、骨格的な風景づくりを進めます。 ○世田谷の原風景の基礎となる武蔵野台地の斜面地や坂道、さらには高台などの地形を活かし、多くの人が見晴らしや眺望を確保し、楽しむことができる風景づくり、 特別保護区(用語解説あり)や水辺および緑道などを活かしたみどりやみずの風景づくりを進めます。 ○文化財をはじめとする歴史的資産や古道などを風景づくりに活かし、農のある風景や地域に残る歴史を大切にした暮らしの風景づくりを進めます。 (2)まちの魅力を高める風景をつくる ○駅周辺や商店街等のにぎわいのある界わいを、地域の人にも訪れる人にも魅力的な場所となるよう活かすとともに、地域風景資産(用語解説あり)や 界わい宣言(用語解説あり)などを活かし、まちの顔となる風景づくりを進めます。 ○幹線道路(用語解説あり)や地区幹線道路(用語解説あり)において視覚的にも連続する道路緑化や沿道緑化、バス停や休憩スペースでの緑化、沿道の街なみの統一や、 電線類の地中化(用語解説あり)などにより、まちの骨格となる風景づくりを進めます。 3.地域資源を有効活用する (1)旧河川を活用する ○台地を樹枝状に浸食した旧河川の名残を伝える緑道や遊歩道等の整備とともに、みずの記憶を残す取り組みを進めます。 (2)大規模な土地利用転換で地域の新たな魅力を創出する ○大規模な土地利用転換の際は地区計画制度(用語解説あり)を活用して、まとまったみどりの創出や沿道のみどりの保全・創出、公開空地(用語解説あり)の整備などを進めます。 また、連続立体交差事業(用語解説あり)や東京外かく環状道路(用語解説あり)などの都市基盤の整備で生み出される敷地は、関係機関等と連携し、地域の魅力づくりや 防災性の向上に寄与するよう、みどりの創出や施設整備などを進めます。 (3)空き家等を活用する ○地域の人々やゆるやかなつながりを持ちながらともに暮らしていける、地域コミュニティの活性化・再生の場として、空き家等を活用します。 (4)まちなか観光(用語解説あり)資源として活用する 〇まちに対する区民や来街者の親しみを育むため、自然や風景資産、まちのにぎわい空間などを、PRの充実やレンタサイクルの活用等により、まちなか観光資源として活用します。 X.誰もが快適に移動できるまちをつくる 〜基本的な考え方〜 ○誰もが安全で快適に移動できるよう、公共交通ネットワークを充実させるとともに、公共交通や徒歩・自転車の利用を進めることにより、自動車に依存しない社会への転換を図ります。 ○連続立体交差事業(用語解説あり)にあわせ、駅前広場や都市計画道路等を整備し、交通結節機能を強化します。 ○区民に身近な交通手段としてコミュニティバス(用語解説あり)路線を充実させます。また、自転車走行環境の整備を進めネットワーク形成を図ります。 ○各拠点や施設をつなぎ、都市の軸となる都市計画道路等の整備を進めます。 ○交通環境の質を高めるため、環境や景観に配慮した道路整備や駅舎整備などを行うとともに、ユニバーサルデザイン(用語解説あり)による整備を進めます。 1.公共交通の安全性・利便性や快適性を高める (1)公共交通ネットワークを充実させる ○南北公共交通の強化や公共交通利便性の向上のため、道路整備にあわせたバス路線の導入などを進めます。 また、バス交通導入が可能な地区幹線道路(用語解説あり)などの整備を進めます。 ○環状8号線を基軸とした南北方向の新たな公共交通機関(エイトライナー(用語解説あり))の早期実現に向け、環状8号線沿道の関係区と連携し、検討を進めます。 (2)連続立体交差事業(用語解説あり)にあわせ、沿線街づくりを進める ○連続立体交差事業にあわせ、踏切での交通渋滞や踏切事故、鉄道による地域分断を解消するとともに、これにあわせた沿線街づくりを進めます。 (3)コミュニティバス(用語解説あり)を充実させる 〇南北公共交通の強化や高齢社会における地域交通の利便性の向上のため、コミュニティバスの新規導入を進めます。 2.歩行者や自転車利用者の安全性と快適性を高める (1)安全な歩行空間を確保する ○道路の新設、拡幅整備や改修にあわせた歩道の整備や、舗装等の工夫による歩車道の区分などにより、連続した歩行空間を確保します。 ○地先道路(用語解説あり)への通過交通を抑制し、歩行者の安全性を確保するため、都市計画道路等の整備を進めるとともに、歩道のないバス通りなどにおいて 歩行空間を確保するため、道路拡幅などを進めます。 ○安全で快適な歩行空間を確保するため、電線類の地中化(用語解説あり)などを進めます。 ○緑道は、散歩道としてだけではなく、公共施設や公園などを結ぶネットワークの形成のため活用します。 ○地区計画(用語解説あり)や建築に関する各種条例などを活用し、事業者による歩道状空間などの整備を進めます。 (2)自転車走行環境を確保し、ネットワークを形成する ○安全で快適な自転車走行環境とするため、都市計画道路等の整備や道路状況に応じた排水施設のスリム化などにより、自転車専用通行帯(自転車レーン)(用語解説あり)などの設置や、自転車走行 環境のネットワーク形成を図ります。 ○自転車利用者のルール・マナーの向上のため、世田谷区民自転車利用憲章(用語解説あり)に基づき、区民が自主的に取り組む自転車安全利用推進員制度などを進めます。 3.各拠点や施設をつなぐ (1)各拠点や主要施設に快適にアクセスできる交通ネットワークを形成する ○各拠点をつなぐ主要生活交通軸など都市軸となる都市計画道路の整備を進めるとともに、各拠点や主要施設へのアクセス確保のため、バス路線の導入などを進めます。 (2)駅前広場を整備する ○鉄道駅において交通結節機能を強化するため、駅前広場の整備を進めます。また、連続立体交差事業(用語解説あり)とあわせて駅前広場や都市計画道路等の整備を進めます。 (3)自転車等駐車場や駐車場を整備する ○自転車等駐車場や駐車場の需要の高い地区を対象に駐車施設を充実させます。また、連続立体交差事業にあわせて、鉄道事業者との協働により自転車等駐車場の整備を進めます。 (4)コミュニティサイクル(用語解説あり)を拡充する ○自転車利用の面から交通結節機能を強化し、南北交通を補完する機能としてコミュニティサイクルを拡充します。 4.円滑な自動車交通を確保する (1)渋滞対策を進める ○交通集中による渋滞を緩和し、円滑な自動車交通を確保するため、骨格となる都市計画道路を中心とした道路ネットワークの形成や、東京都および鉄道事業者と連携した 連続立体交差事業による踏切の除却などを進めるとともに、ボトルネック(用語解説あり)となっている交差点を改良します。 (2)商店街等での荷さばきスペースを確保する ○商店街等においては、消費の多様化による商品納入の小口化などに伴い、トラック配送等が増加する傾向にあります。 このため、商店街等との協働による円滑な道路交通を確保するための荷さばきスペースを確保します。 5.交通環境の質を高める (1)環境・防災・景観に配慮した交通基盤を確保する ○環境と共生した低炭素都市づくり(用語解説あり)の一環として、公共交通ネットワークを充実させるとともに、公共交通や徒歩・自転車の利用を進めることにより、 過度に自動車に依存しない社会への転換を図ります。 ○東京外かく環状道路(用語解説あり)の整備にあたっては、国分寺崖線(用語解説あり)や野川などの自然環境を保全し、周辺の交通や環境に与える影響が極力小さくなるよう対策を求めます。 ○にぎわいのある界わいとなる駅舎および周辺は、まちの顔となる風景や防災に配慮した整備を進めます。 また、幹線道路(用語解説あり)や地区幹線道路(用語解説あり)を中心に道路緑化や沿道緑化、沿道の街なみの統一などを進めます。 ○道路は、雨水の貯留や地中への浸透、路面温度の上昇を抑制する遮熱性舗装、リサイクル材の活用など環境に配慮した整備を進めます。 ○電気自動車や燃料電池車の普及に努めます。 (2)誰もが安全・快適に利用できる交通基盤とする ○道路や緑道、公共交通施設などの交通基盤は、誰もが利用できるようユニバーサルデザイン(用語解説あり)による整備を進めます。 また、建築物や道路、緑道、公共交通施設などの相互の移動の連続性を重視したユニバーサルデザインによる整備を進めます。 ○誰もが安全・快適に利用しやすい交通手段の充実を交通事業者へ働きかけます。