第2章目標とする都市の姿 T.都市づくりビジョン 都市づくりビジョンは、第1章の街づくりの主な課題と対応を踏まえつつ、基本構想に基づき、基本計画の都市整備領域に関する内容等を踏まえて設定します。 都市づくりビジョンは、本区がめざすべき将来都市像および4つのまちの姿の具体像を明らかにします。 1.将来都市像 安全で快適な暮らしをともにつくる都市 世田谷 大都市東京がめざす広域的な都市の将来像の実現を担う本区の役割を踏まえつつ、本区の特性を踏まえた都市づくり、街づくりを進めます。 今後20 年を見据えると、首都直下型大地震の発生が危惧されることから、まず第一に区民が安全・安心に暮らせるまちをめざします。 また、近年、建て詰まり傾向の進行、みどりの減少などの変化が見られ、世田谷区が誇るみどりとやすらぎのある住宅地の環境の悪化が懸念されることから、 みどりとみずに恵まれた良好な住環境で暮らし続けられるまちをめざします。 そして、安全で快適な環境のなかで、すべての人がいきいきと活動でき、人と人のつながりを大切にする暮らしを支える都市を区民、事業者、区がともにつくります。 2.4つのまちの姿 @安全で、災害に強く復元力のあるまち 災害に強く、災害が発生した時は、すみやかに復旧・復興できるまちとするため、地域社会において日常からの備えを重視するとともに、建築物の耐震化を進め、 自主防災力を向上させます。延焼遮断帯(用語解説あり)や緊急輸送道路(用語解説あり)等の都市基盤整備と建築物の不燃化を進めるとともに、豪雨対策や日常の安全対策を進めます。 また、老朽化しつつある都市基盤を適切に維持・更新し、次世代に引き継ぐ安全・安心なまちをつくります。 Aみどりとやすらぎがあり、住みたくなるまち みどりとやすらぎがあり、良好な住宅都市とするため、適切な土地利用の誘導と、暮らしを支える都市基盤の充実や安全面の確保とともに、区民主体の街づくりを進めます。 また、国分寺崖線(用語解説あり)や屋敷林、農地など、世田谷らしいみどりとみずを保全するとともに、人々の多様な暮らしに対応しつつ環境負荷を抑えた住宅の誘導などを進め、 誰にとっても住みやすく住みたくなるまちをつくります。 B活動と交流の場をもち、魅力を高めるまち いきいきと活動ができ、人と人のつながりを大切にする場をもつまちとするため、にぎわいの拠点やみどりの拠点を整備し、区の産業活動を支える土地利用の誘導を進めます。 また、世田谷らしい風景を保全・創出しつつ、地域特性に応じた街づくりを進めるとともに地域資源の有効活用を図るなど、区民が主体となって魅力を高めるまちをつくります。 C誰もが快適に移動できるまち 誰もが安全で快適に移動できるまちとするため、安全で歩きやすい道路環境の整備や自転車利用環境の整備、ユニバーサルデザイン(用語解説あり)を踏まえた公共施設等の整備を進めます。 また、駅周辺や公園・緑地等と商業・文化・芸術・スポーツ施設等をつなぎ、都市の軸となる道路網の整備を進め、公共交通環境が充実したまちをつくります。 U.都市づくりの骨格プラン 〜広域的な都市構造を形成する役割〜 東京都の都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(用語解説あり)において、本区は、都市環境再生ゾーン(用語解説あり)の中に位置しています。 また、大都市東京からみて、本区には広域的な都市構造を形成する以下の役割があります。 【広域的な交通に関わる交通施設を整備する役割】 ○本区は都市計画で定められた広域交通網が放射・環状方向に配置され、鉄道は京王線や小田急線、田園都市線があります。また道路は高速道路のほか、 幹線道路(用語解説あり)等として環状7号線、環状8号線、甲州街道、世田谷通り、玉川通り、目黒通りがあります。本区は広域的な交通ネットワークを形成する一員として、 今後整備が必要な区内の交通施設の整備を進める重要な役割も担います。 【骨格となる景観を形成する役割】 ○国分寺崖線(用語解説あり)は東京全体からみて景観構造の主要な骨格となるため、関係する区市町村と連携し、特色ある自然や地形を保全するという重要な役割を担います。 〜基本的な考え方〜 ○都市づくりの骨格プランは、都市づくりビジョンに基づいて、本区の都市としての骨格を示すものです。 ○骨格は、商業・文化・行政サービスや区民生活の中心としての「生活拠点」、災害対策や保健福祉など「新たな機能を持つ拠点等」、 都市としての活力を育み交流を促す軸としての「都市軸」、本区の特性の一つであるみどりとみずや本区の貴重な自然資源である国分寺崖線(用語解説あり)や多摩川沿いの空間などからなる 「みどりの拠点および水と緑の風景軸(用語解説あり)」で構成されます。 1.生活拠点 (1)広域生活・文化拠点 主として商業業務機能および文化情報発信機能が集積し、全区的な「核」であると同時に、本区を越えた広域的な交流の場を広域生活・文化拠点とし、 三軒茶屋、下北沢、二子玉川駅周辺地区の3地区を位置づけます。 ○三軒茶屋駅周辺地区は、再開発事業によって建築されたキャロットタワーが本区の文化や観光の発信地となっており、渋谷副都心に近接し、 道路・交通の集散する拠点であることを活かし、商業・サービス、業務、文化などの機能が充実した、親しみやすく庶民的雰囲気をもつ拠点とします。 ○下北沢駅周辺地区は、新宿・渋谷両副都心に近接し、歩行者主体のにぎわいのあるまちであることを活かし、小田急線の連続立体交差事業(用語解説あり) にあわせた街づくりにより、若者をはじめ多くの人が徒歩で回遊でき、個々の魅力的な商店街や劇場などの商業・文化などの機能が充実した、 個性的な文化をもつ活気にあふれた拠点とします。 ○二子玉川駅周辺地区は、多摩川の自然を身近に感じることのできる立地であることを活かし、再開発事業エリアや二子玉川公園を中心とした商業・業務、文化・交流・ レクリエーションなど多様な機能が充実した、みどりとみずに恵まれた魅力ある拠点とします。 (2)主要な地域生活拠点 広域生活・文化拠点に次いで商業・行政サービス等が多様に集積し、区民の交流の「核」となっているとともに、地域間をつなぐ主要な交通結節機能を有し、 バス交通や自転車利用などにより地域外に居住する区民も多く利用する拠点を「主要な地域生活拠点」とし、成城学園前と千歳烏山駅周辺地区を位置づけます。 ○成城学園前駅周辺地区は、駅西口の駅前広場や砧区民会館、まちの玄関口となる複合的な駅ビルなどが整備されたこと、成城学園・成城大学とともに落ち着いた雰囲気を持つ住宅地 があることなどを活かし、商業などの機能が充実した、お洒落でみどり薫る拠点とします。 ○千歳烏山駅周辺地区は、鉄道の南北両側にそれぞれ複数の商店街が密度高く広がっていることや、多目的な活動が可能な広場と一体となった烏山区民センターが駅前に立地している ことなどを活かし、商業・サービス、交流などの機能が充実した、区北西部において中心となるにぎわいの拠点とします。 (3)地域生活拠点 区民の日常生活に必要な商業・行政サービス等が集積し、地域の「核」となる区民の身近な交流の場を地域生活拠点とし、以下の駅等の周辺地区を位置づけます。 経堂 区役所 明大前 下高井戸 梅ヶ丘 用賀 等々力・尾山台 奥沢・自由が丘 祖師ヶ谷大蔵 なお、広域生活・文化拠点と主要な地域生活拠点は、地域生活拠点の機能をあわせもつものとします。 2.新たな機能を持つ拠点等 (1)災害対策拠点 ○地域の防災に関する機能を備える区役所および各総合支所周辺地区を災害対策拠点とし、庁舎等の災害対策機能の強化や防災および災害対策を踏まえた街づくりを進めます。 (2)保健福祉の街づくり重点ゾーン ○これまで「やさしいまちづくり」のモデル地区として福祉的環境整備を進めてきた梅ヶ丘駅周辺地区を、全区的な保健医療福祉の拠点となる梅ヶ丘病院跡地整備にあわせ、 保健福祉の街づくり重点ゾーンとし、ユニバーサルデザイン(用語解説あり)による街づくりを重点的に進めます。 3.都市軸 生活拠点を相互に連絡するなど本区の都市としての骨格をなす軸を都市軸とします。このうち交通を区内外にわたり広域的に連絡する軸を都市活力と交通の軸とし、主として地域間の 交通を担う軸を主要生活交通軸とします。 (1)都市活力と交通の軸 軸上に自動車対応の沿道型の施設などが立地し、交通を区内外にわたり広域的に連絡するとともに、都市としての活力を育み交流を促す軸を都市活力と交通の軸とし、以下に示す幹線 道路(用語解説あり)とその沿道を位置づけます。 各道路は景観面や防災面で本区の骨格を形成し、沿道は後背の市街地と調和した活力ある業務・商業・サービスなどの活動を支えます。 環状7号線 環状8号線 甲州街道(国道20号) 玉川通り(国道246号) 目黒通り ○環状7号線は、後背地へ道路交通騒音が伝わることを抑制するため沿道建築物の適切な誘導を図るとともに、沿道の土地の高度利用を誘導します。 ○環状8号線は、環状7号線と同様に道路交通騒音が伝わることを抑制するほか、沿道の緑化を進め全体として潤いのあるみどりの帯を形成します。 ○甲州街道は、後背地へ道路交通騒音が伝わることを抑制するための取り組みを進めるとともに、ゆとりある沿道土地利用を誘導します。 ○玉川通り沿道は、後背の住環境に配慮したゆとりある商業・業務地区として土地利用を誘導します。 ○目黒通り沿道は、市街地大火を抑制するため不燃化を進めるとともに、環状8号線との交差部以北では住宅と商業・業務が共存する地区とし、 以南では国分寺崖線(用語解説あり)の自然資源の保全・育成に配慮した住宅主体の地区として土地利用を誘導します。 (2)主要生活交通軸 ○主として区内の地域間の交通を担い、主要な公共公益施設を結ぶバス交通網を支える軸を主要生活交通軸とし、以下に示す道路および沿道を位置づけます。 ○沿道では、地域間交流のシンボル軸として景観向上や緑化などを進めます。また、世田谷通りなどの沿道においては、生活利便施設の立地を誘導します。 茶沢通り(補助210号線) 補助154号線 補助216、217号線および多摩堤通り(補助125号線) 世田谷通り(補助51号線) 4.みどりの拠点および水と緑の風景軸(用語解説あり) 自然環境の視点から本区の骨格的な要素となるもののうち、拠点性が高い要素をみどりの拠点とし、軸またはゾーンとしての評価が高い地域を水と緑の風景軸または環境保全ゾーンと します。 (1)みどりの拠点 ○自然環境の骨格的な要素となる拠点をみどりの拠点とし、大規模な公園やまとまりのあるみどりを位置づけます。 このうち核となるみどりがなく、比較的小さなみどりのまとまりが集積する場合を点在型とします。 (2)水と緑の風景軸(国分寺崖線(用語解説あり)とその周辺) ○みどりに恵まれ、様々な生物が生息し、みどりやみずの風景が連なった地域を水と緑の風景軸とします。 (3)環境保全ゾーン(多摩川) ○国分寺崖線とともに東京23区でも貴重な自然環境を有し、区民に憩いとやすらぎを与えるゾーンを環境保全ゾーンとします。 V.土地利用構想 〜基本的な考え方〜 ○大都市東京の中で、本区は基本的に「住宅都市」であることから、区民が安全で良好な環境のもと、安心して住み続けられる市街地をめざすことを基本とします。 あわせて、区民の生活を支え、活動や交流の拠点となる商業・業務などの立地や生産環境の保全を住宅地との調和に配慮しながら適切に誘導する考え方を加えて、 以下の土地利用構想を示します。 ○みどり豊かなゆとりある住環境を保全・創出します。 ○住宅地は、今後予想される人口増加によって発生する課題や問題点を整理し、区民が快適に暮らすことができる住環境の形成を図ります。 また、専用住宅(用語解説あり)と集合住宅が共存し、互いに配慮しあった住環境の構築をめざします。 ○大規模な土地利用転換の際は、都市基盤整備を進めるとともに、地区の特性や周辺住宅地と調和した土地利用を誘導します。 ○商業・業務地は、都市の活力を醸成する場や区民交流の拠点として機能を維持・向上させるとともに、周辺の住宅地との調和を図ります。 1.土地利用ごとの方針 (1)駅周辺商業ゾーン ○鉄道駅周辺の商業・業務が集積している地区を、駅周辺商業ゾーンとします。 ○駅周辺商業ゾーンは活力ある商業等の活動と区民の交流の場として、地区ごとに特徴ある拠点形成のための土地利用を誘導します。 (2)幹線沿道ゾーン ○主として事務所・店舗・サービス施設等が沿道に立地する環状7号線、環状8号線、甲州街道、玉川通り、目黒通り沿道を、幹線沿道ゾーンとします。 ○幹線沿道ゾーンは後背の住宅地環境と調和を図りつつ、都市の活力を生み出す場として育むとともに、基幹的な避難路、延焼遮断帯※を形成する防災性の高い土地利用を誘導します。 (3)住宅ゾーンT ○閑静で良好な低層住宅地が形成されている地区を、住宅ゾーンTとします。 ○住宅ゾーンTは農地や屋敷林の保全や宅地内のみどりの保全・創出により、みどり豊かなゆとりある住環境を維持します。また、戸建住宅と集合住宅の共存に配慮します。 (4)住宅ゾーンU ○住宅ゾーンT以外の住居系土地利用(住居系用途地域(用語解説あり))が形成されている地区であり、低中層の建築物を主体とし一部中高層の建築物がみられる住宅地を、 住宅ゾーンUとします。 ○住宅ゾーンUは、低中層住宅と中高層住宅との調和を図り、市街地の住環境を保全するため、高さや敷地規模に関する新たな規制の導入をめざします。 ○住宅ゾーンTおよび住宅ゾーンUいずれについても、地区計画(用語解説あり)の策定などにより、適切な土地利用を誘導します。 (5)準工業ゾーン ○点在的に工場がまとまって立地する準工業地域(用語解説あり)を、準工業ゾーンとし、生産環境の保全とともに住環境との調和を図ります。 (6)河川環境ゾーン ○多摩川およびその河川敷を、河川環境ゾーンとし、自然環境の保全やみどり豊かで水辺に親しめる環境の創出を図ります。 地区の現状や将来のまちの姿に応じた土地利用の詳細については、「地域整備方針」で示します。 2.大規模な土地利用転換などに係る対応方針 大規模な土地利用転換などについては、地区計画制度等の活用により、地区の特性などに応じた土地利用を誘導します。 (1)大規模な土地利用転換 ○大学・企業・官舎の跡地など大規模な土地利用転換の際は道路・公園などの都市基盤整備を行い、防災施設の設置など地域に貢献する機能等を確保するとともに、地域の特性を踏ま えて、周辺と調和した適切な土地利用が図られるよう誘導します。 ○公共公益施設の土地利用転換にあたっては、周辺環境に配慮しつつ、公共公益施設の再配置を図るため、適切な土地利用を誘導します。 (2)大規模住宅団地の建て替え ○大規模住宅団地の建て替えにおいては、居住水準の向上を図るとともに、道路・公園などの都市基盤整備や防災施設の設置など地域に貢献する機能を確保するとともに、周辺と調和 した適切な土地利用を誘導します。 (3)土地区画整理事業を施行すべき区域(用語解説あり) ○土地区画整理事業(用語解説あり)を施行している地区は、都市基盤整備の状況に応じた適切な土地利用を誘導します。 ○土地区画整理事業による整備が困難な地区については、東京都の「周辺区部における土地区画整理事業を施行すべき区域の市街地整備のためのガイドライン」に基づき、 土地区画整理事業に代わる整備手法を検討し、無秩序な市街化を抑制します。 (4)都市計画事業等により土地利用の変化が想定される地区 ○事業が長期にわたる都市計画事業等にあっては、周辺街づくりの将来目標を見据え、土地利用などを適切に誘導します。 ○都市計画道路事業による土地利用の変化に対応するため、周辺の住宅地との調和を図りながら、沿道の土地利用などを適切に誘導します。 特に東京都の木密地域不燃化10 年プロジェクトにおける特定整備路線(用語解説あり)や延焼遮断帯(用語解説あり)を構成する都市計画道路周辺の市街地については、 事業の進捗に応じて、沿道市街地の不燃化、耐震化を進めます。 W.都市施設配置構想 〜基本的な考え方〜 ○都市施設(用語解説あり)配置構想は、都市づくりの骨格プランを具体化し、将来的に配置していくべき道路・公園・防災施設等を示すものです。 「道路」、「鉄軌道」、「公園・緑地」、「防災施設」、「供給処理施設」の各都市施設について役割と方向性を示します。 ○首都直下の地震の切迫性が指摘される中、都市施設は防災上重要な役割も果たすことから、東京都の防災都市づくり推進計画(用語解説あり)における骨格防災軸(用語解説あり) や主要延焼遮断帯(用語解説あり)を、都市施設に重ねあわせて示します。 ○既存の都市施設は、適切な維持管理・更新を図ります。 1.道路 ○都市における道路は、自動車の通行だけではなく、子供から高齢者、障害者など様々な人が色々な目的や手段で移動します。 また、道路は災害時の防災空間や、にぎわいの創出や交流の場などの生活活動空間として貴重な公共空間でもあります。 本区は、このような利用者の多様性や道路の機能の多面性を考慮し、地域特性を踏まえた道路の配置計画により将来道路網の形成をめざします。 ○本区の将来道路網計画では、都市計画道路で囲まれた区域内の交通を集散させるため、その内部に主要生活道路(用語解説あり)を配置し、 さらに都市計画道路と主要生活道路で囲まれる区域内における消防活動困難区域(用語解説あり)の解消などのため、地先道路(用語解説あり)を配置します。 道路の区分 幹線道路(都市計画道路) ・区内においては全区レベルでの骨格の軸となり、また、防災生活圏(用語解説あり)を構成する骨格防災軸または主要延焼遮断帯となるとともに、 広域にわたり都市間をつなぐ道路となります。 ・環状7号線、環状8号線、井ノ頭通り、甲州街道、玉川通り、目黒通りが該当します。 地区幹線道路(都市計画道路) ・地区のバス交通や隣接する区や市を結ぶ役割を担う道路です。歩行者の空間を確保するとともに、一部の路線においては自転車利用の空間に資する道路となります。 ・防災生活圏を構成する主要延焼遮断帯または一般延焼遮断帯(用語解説あり)となります。 主要生活道路・幹線道路と地区幹線道路に囲まれた区域内の交通を集め、幹線道路や地区幹線道路に連絡する道路です。 地先道路・各宅地から主要生活道路や地区幹線道路に接続する道路で、日常生活の中で利用する最も基本となる道路です。 ○道路整備にあたっては交通機能のほか、防災機能、空間機能、市街地形成機能(用語解説あり)といった道路が持つ多様な機能を踏まえ、その役割に応じた整備を進めます。 ○幹線道路(用語解説あり)は都市間や地域間のネットワーク形成や、延焼遮断帯(用語解説あり)の形成を重視した効果的な整備を進めます。 ○連続立体交差事業(用語解説あり)など大規模な都市基盤の整備にあわせて、駅前広場や都市計画道路等の整備を進めるとともに、周辺の街づくりの中で必要な道路の整備を進めます。 ○ユニバーサルデザイン(用語解説あり)による整備を進めます。 2.鉄軌道 ○鉄道は区民生活を支え沿線都市を結ぶ、極めて公共性の高い交通機関であることを踏まえて、開かずの踏切における交通渋滞や踏切事故、地域分断の解消、定時性確保や輸送力増強 のため、東京都および鉄道事業者と連携し連続立体交差事業を進めます。 ○駅はユニバーサルデザインによる整備、乗り継ぎ利便性の向上、地域情報サービスの充実などを進めます。 ○環状8号線を基本的な導入空間とする新しい公共交通(エイトライナー※)について、区内の南北交通の軸として、また、広域的には羽田空港から赤羽方面を結ぶ交通の軸として、 その導入について検討を進めます。 3.公園・緑地 ○公園・緑地は都市環境や景観の改善、防災性の向上、健康・レクリエーションの場、自然環境の保全、地域コミュニティ形成の場など、多様な役割を担うことを踏まえて、 整備や再整備を進めます。 ○大規模な総合公園・地区公園から身近なぽけっと公園まで区内にバランスよく配置し、未開設の都市計画公園・緑地については、優先整備区域を定め計画的に整備を進めます。 ○ユニバーサルデザインによる整備を進めます。 公園の種類(ただし基幹公園と特殊公園のみを表示) ぽけっと公園 ・世田谷区立公園条例に基づき、主として街区公園の機能を補完することを目的とする公園で、街区内に居住する人が容易に利用することができるように配置します。 ・面積は300uを標準とします。(面積の目安:500u未満) 街区公園 ・主として街区内に居住する人の利用に供することを目的とする公園で、街区内に居住する人が容易に利用することができるように配置します。 ・面積は2,500uを標準とします。(面積の目安:500u以上1ha未満) 近隣公園 ・主として近隣に居住する人の利用に供することを目的とする公園で、近隣に居住する人が容易に利用することができるように配置します。 ・面積は2haを標準とします。(面積の目安:1ha以上3ha未満) 地区公園 ・主として徒歩圏域内に居住する人の利用に供することを目的とする公園で、徒歩圏域内に居住する人が容易に利用することができるように配置します。 ・面積は4haを標準とします。(面積の目安:3ha以上10ha未満) 総合公園 ・区民の休息、観賞、散歩、遊戯、運動など総合的な利用に供することを目的とする公園です。 ・面積は10 〜 50haを標準とします。 運動公園・区民の主として運動の用に供することを目的とする公園です。 ・面積は15 〜 75haを標準とします。 特殊公園・風致公園、動植物公園、歴史公園、農業公園などの特殊な公園です。 4.防災施設 ○逃げなくてもすむ災害に強いまちの形成を基本とし、延焼遮断帯(用語解説あり)(骨格防災軸(用語解説あり)、主要延焼遮断帯(用語解説あり)、一般延焼遮断帯(用語解説あり)) の中心となる道路や河川、公園などの都市施設(用語解説あり)等の整備を進めます。 5.供給処理施設 ○上下水道、ごみ焼却場・ごみ処理場、市場など生活を支える基本的な供給処理施設は、その機能の維持・改善や耐震性の向上を図るとともに、大規模な施設は周辺環境への寄与を 図ります。