25ページ目 環境計画 CASBEE(建築環境総合性能評価システムによる建物評価) CASBEEは、省エネルギーや環境負荷の少ない資機材の採用といった環境配慮はもとより、建物内の快適性や、景観への配慮なども含めた「建物の品質」を総合的に評価する指標です。新庁舎は、CASBEE建築において、自然エネルギーの活用や快適な室内環境、免震構造の採用などによる建物の信頼性などに配慮し、最高ランクのSランクを取得します。 ZEB(ゼブ) ゼブとは、Net Zero Energy Building(ネット ゼロ エネルギー ビルディング)の略称で、快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のことです。新庁舎等では、一次エネルギー消費量を標準建物の0.6以下に抑え、ZEB Oriented(ゼブ オリエンテッド)を取得します。 CO?排出量削減量値 新庁舎における単位面積あたりのC O ? 排出量は、世田谷区公共施設環境配慮整備指針の基準値(解析ソフトの計算値としています) であるC O ? 削減量3 0 % を上回る計画としています。 自然換気システム 執務室内のサポートエリア側に煙突状の吹抜け(エコボイド)を設け、室内外の温度差を利用し、エコボイドによる煙突効果で待合室側から空気を採り入れ、建物に風の道を作り、自然換気を可能にします。中間期に利用し、機械空調の運転頻度を抑えることで光熱費を低減します。 環境計画説明用の断面図 凡例 BCP:災害時に、庁舎機能の持続を補助するもの ECO:環境配慮の仕組み 見える:見える化 太陽光発電:ECO、BCP 風の通るみどりの歩道:ECO 直接基礎と柱頭免震により掘削土量削減:ECO コージェネレーション:ECO、BCP 人感センサーによる照明制御(トイレなど)節水型器具:ECO 外気冷房(区民会館):ECO 高効率給湯器:ECO トップランナー変圧器(電気室):ECO 排熱投入型熱源機器(機械室)、VAV(変風量システム)、VWV(変流量システム)、大温度差空調:ECO 創エネ・省エネの見える化:見える、ECO BEMS:ライフサイクルマネジメント支援 昼光利用・自然通風:ECO 屋上緑化、高反射性塗料:ECO エコボイド:ECO LED照明、タスクアンドアンビエント照明、潜顕分離(デシカント)システム、外気導入制御(CO2センサー):ECO ルーバーで西日をカット:ECO、見える 西側への採光・通風を遮らない。 井水利用:ECO、BCP CO2センサーによる換気制御:ECO 26ページ目 緑化計画平面図 緑化計画の整備方針 地域に長く息づく自然環境と歴史的なみどりの風景を活用し、持続可能な環境づくりによって長く区民に親しまれる場の創出を基本コンセプトとします。 地域の植生に即したクヌギ・コナラ等の樹種の導入 樹木の保全・再生・発展 生涯学習の場(環境学習)づくり 屋上緑化によるグリーンインフラ 屋上緑化で雨水を貯められる基盤を整備します。 建物(屋根)に降った雨水はピット(雨水流出抑制槽)に貯めます。 西入口のシンボルとなる緑化空間づくり 西側の新たなアプローチとして、季節の花や多様なみどりあふれる空間とします。 広場へ続く大階段とスロープの連なり、みどりの連続で利用者を誘導します。 みどり豊かなアプローチの整備 道路を挟んだくぬぎ公園のみどりと呼応した沿道緑化を整備します。 みどりの量 緑化率は、東敷地が30%、西敷地が40%、合計35%とします。 高木を極力配置した緑化計画とします。 みどりの質の向上 敷地内の高木・準高木のうち70%以上は関東に分布する樹種から選定した植栽計画とします。 高木・準高木は 落葉樹(比率20%以上)を 主体に 季節の移ろいを感じる植栽計画とします。(春の新緑⇒夏の緑陰⇒秋の紅葉⇒冬の落葉) 特に花木は開花期の異なる 樹種(3 種類以上)を導入し、季節毎の魅力付けを行います。( 春⇒初夏⇒夏) 緑地による隣接する住宅への配慮 敷地境界際に中高木を配置して、近隣住民のプライバシーを確保します。 緑地による隣接する住宅への配慮 斜面地の安全性を保つために既存のみどりを極力保全します。 地域の自然林をほうふつとさせる自然度の高いみどりを適切な管理で継承します。 既存樹木の取扱い 敷地内に残る既存樹木は、全ての樹種に対して調査を行い、樹木医による樹木診断を実施しています。 植栽計画では、良好な既存樹木をできるだけ保存し、計画上支障となる樹木も極力移植します。 特にケヤキの大径木やサンクンガーデン内の雑木林の景観を構成する樹木、西側住宅地に接する斜面緑地などはできるだけ保存します。 屋上緑化によるグリーンインフラの整備 建物の屋上にも緑化空間を整備し、虫や鳥など地域の多様な植生・生きものと触れ合える環境を整備します。 保水性を有する緑化等により雨水貯留浸透機能を持たせ雨水流出を抑制するほか、気温上昇の抑制、生物多様性の場づくりなどに配慮します。 ケヤキ並木の延伸 次世代を担う若木を追加新植して、ケヤキ並木のプロムナードを形成します。 ケヤキ並木のグリーンインフラ ケヤキの地盤は浸透貯留地盤とするとともに、舗装を透水性インターロッキングとし、グリーンインフラに寄与する設えとします。 生きもの緑化 西棟屋上にビオトープなどを整備するほか、実のなる樹種の植栽などによって野鳥や昆虫などが立ち寄る工夫を行い、みどりを活用した学習の場や交流の場を創出します。 水とみどりの庭園環境の継続 既存の水景(滝の落水と水音、池の水面)と豊かなみどりを活かした庭園空間の保全を行います。 地下1 階集会室や練習室へのアプローチとして、みどり豊かな雑木林を散策・鑑賞できる空間を演出します。 既存樹木 東側ケヤキ並木や南側池周辺緑地は、極力既存樹木(準高木や高木など)を保存します。