世田谷区本庁舎等整備基本構想(中間まとめ(案)【概要版】平成 27年2月 はじめに 平成16年度から 4ヵ年にわたって、庁舎整備に関する調査研究を実施した結果、本庁舎等が抱える様々 な課題や問題点が明らかとなりました。 これらの結果を踏まえ、平成20年10月に学識経験者、地域団体の代表、公募区民等で構成される「世 田谷区本庁舎等整備審議会」を設置し、平成21年8月に答申をいただきましたが、リーマンショックの影 響などから区の検討は進まず、方針を決定するに至りませんでした。また、区議会においては、平成13年 から平成23年まで、「地方分権・庁舎問題等対策特別委員会」が設置され、庁舎問題について議論が行われ ました。 その後、平成23年3月の東日本大震災の発生や社会状況の変化、施設整備には多年を要することなどか ら、平成25年4月には、庁内検討を再開し、9月からは、副区長をトップとする庁舎計画推進委員会を立 ち上げました。有識者アドバイザーの方から東日本大震災を踏まえた本庁舎の役割など、審議会答申以後の 新たな視点による本庁舎のあり方など、多角的かつ専門的な助言・ご意見をいただきました。また、平成25年11月には無作為抽出による区民ワークショップを開催し、区民の方からもご意見をいただきました。 これらの検討結果を踏まえ、区は平成26年3月に「本庁舎等整備方針」(以下「整備方針」という。)を 策定しました。 平成26年度からは、基本構想に着手し、庁内で連携して世田谷区民会館や世田谷総合支所の場所を検討 するとともに、本庁舎等配置の複数パターンのシミュレーションを行い、本庁舎等の一部改築か全部改築か について検討してきました。また、平成26年5月には、本庁舎等整備シンポジウムを行い、整備方針を説 明するとともに、区民や有識者の方からご意見や提言をいただきました。 これらの結果を踏まえ、区は平成27年2月に「本庁舎等整備基本構想(中間まとめ)」(案)を策定しま した。 2.本庁舎の規模 1.本庁舎の場所及び敷地条件 (1)本庁舎の場所 本庁舎の場所は、これまでの歴史的経緯や他の公有地等の関係から、整備方針において、現在地とするこ とを決めました。 なお、現在、補助154号線の整備が進められており、周辺の道路環境も改善されてきています。また、 区は、災害に強いまちづくりを進めており、さらに、東京都が進める「木密地域不燃化 10年プロジェクト」 として、補助52号線の整備や「不燃化特区制度」の活用により、一層の不燃化の促進に取り組みます。 (1)本庁舎の規模(延床面積) 本庁舎に必要な延床面積は、整備方針において、最低で約45,000uとしました。 今回、改めて現在の正規職員数をもとに、総務省の「旧地方債事業費算定基準」の例により算出したとこ ろ、約46,000uとなり、近年人数が増えている非常勤職員数も含めて算出すると、約55,000u となりました。 現時点では、整備方針で定めた約45,000uを本庁舎の最低規模としていますが、非常勤職員の執務 スペース、災害対策本部として十分なスペース、区民交流スペースなどが含まれておらず、延床面積が不足 することも見込まれるため、今後、詳細な検討が必要です。また、経費等の効率性の観点から、本庁舎周辺 の借り上げを含めた区の施設の集約も考慮しつつ、検討を進めていきます。 (2)駐車場・駐輪場の規模 過去の調査研究や現在の利用実態などをもとに、現段階では、駐車場約300台、駐輪場約700台、バ イク置場約250台を想定し、庁舎の延床面積(約45,000u)とは別に、地下部分に計約15,000uとします。 今後、車や人の動線等の検討を進めていく中で、計画台数を精査していきます。 (3)地域行政制度・地方分権改革等との関係 今後の本庁舎等整備の検討にあたっては、地域行政の展開に関する検討や地方分権改革による国や都からの 様々な事務移管等の動向を踏まえていきます。 3.整備手法等 ○本庁舎等の整備手法について 本庁舎等の整備手法については、この基本構想の中で、本庁舎等配置の複数シミュレーション等により検 討していくこととしており、今回、全部改築する案から、一部の庁舎等を残し保存改修する案まで10パタ ーンを想定し、比較・検討を行いました。検討においては、延床面積、仮設庁舎の要否、全体工期及び区民 会館休館期間、総事業費、中庭を囲む開放的な配置の継承、区民へのサービス環境や耐震性の確保など、様々 な観点から、その特徴と課題を一定程度整理することができました。 現在の本庁舎等は、庁舎と区民会館とそれらをつなぐ低層棟のピロティが中庭を囲む景観が特徴的であり、 多くの区民が集う中庭は、長い間親しまれてきました。 こうした、現在の本庁舎等における世田谷らしい景観を継承していくためには、今回想定したシミュレー ションの結果だけでなく、各パターンの組み合わせ、他の先進事例、最近の建築手法など、更なる検討をす る必要があります。 今後、引き続き、区民サービスや機能性の向上、災害対策機能の強化、総事業費の抑制、また、世田谷区 本庁舎等の特徴やフォルムの継承に向けて検討を進めていくこととします。 ○世田谷区民会館について 利用実態や財政面や工期面、区民サービス面を考慮して、別の場所も含め検討してきましたが、現在地以外 に望ましい場所を見出せなかったことや、88万区民の自治体として全区的な区民集会施設の必要性は高いこ と、また、本庁舎と全区的集会施設が同敷地内にあるという歴史的経緯、区民や有識者からの意見等も踏まえ、 現在と同規模(1,200人規模)で、現在地で整備することとします。 ○世田谷総合支所について 今後、世田谷総合支所の場所については、別途、担当所管において、三軒茶屋を候補として交通至便地域へ の移転を検討していきますが、現時点で移転先や移転時期は未定です。そのため、本庁舎等整備については、 世田谷総合支所部分の面積も含めて検討を進めていくこととします。なお、検討中に移転先が見出せた場合で も、一定の窓口機能を本庁に残す必要があるとともに、非常勤職員の執務環境や災害対策、区民交流スペース、 他の区施設の移設等の必要性を考慮すると、本庁舎の規模は、引き続き最低45,000uとして検討してい きます。 5.今後の検討の進め方 (1)基本構想 この中間まとめに基づき、以下の項目について詳細を検討し、平成27年度までの構想期間内に、基本構 想を策定していきます。検討にあたっては、庁舎が区民共有の財産であることに鑑み、区民ワークショップ など、様々な手法で、それぞれの段階で幅広く区民の方々の意見を伺うとともに、議会のご意見、さらに、 職員からも意見を聴きながら進めていきます。 @備えるべき機能、A本庁舎の規模(延床面積)、B整備手法、C事業手法等、D総事業費、Eその他 (2)事業スケジュール 庁舎整備は、これまでの一般的な手法で進めた場合、基本構想の策定、設計事業者選定、基本設計、実施 設計、施工業者選定を経て、新庁舎の建設に着手することになります。 整備手法や事業手法、2020年の東京オリンピック・パラリンピックへのインフラ整備をはじめとする 社会・経済状況の変化等による影響も考えられますが、現段階では、概ね2024年度の竣工を目指し、改 築に取り組みます。