1.せたがや自治政策研究所運営方針 (令和元年5月30日決定) 1 設置の背景 我が国の地方分権改革は、国と地方公共団体の役割分担を明確にし、対等・協力を基本とする国と地方の新しい関係の構築を進め、地方公共団体の自己決定・自己責任の原則に基づき、地域内の諸課題に積極的に取り組んでいくことを企図した平成12年の「地方分権一括法」の制定等を契機として、地方自治体に大きな変化をもたらした。 この改革によって、国や都道府県からの権限委譲や各種補助金の一般財源化が進められた結果、地方自治体は、これまでの国主導の画一的な政策によらず、自治体同士で競い合い、それぞれが独自の政策を立案、実践及び評価を行い、自律への道を切り開いていく時代に置かれることとなった。 一方、平成12年施行の地方自治法改正によって、特別区は名実ともに基礎的な自治体に位置づけられ、都から清掃事業や住民に身近な事務が移管されるなど、都区制度改革についても一定の進展がみられた。しかし、都区の事務配分や特別区の区域のあり方、税財政制度など残された課題があり、引き続き都区間で検討が行われている。 こうした地方分権の潮流を受けつつさらに発展していくためには、本区においても、区民に最も身近な基礎的自治体として、その自治体経営の基盤を強化し自律性の高い行政運営の一層の推進を図ると同時に、職員のさらなる政策形成能力の向上が不可欠になるとの認識のもと、平成19年4月に区の内部組織として、自治体シンクタンクの役割を担う「せたがや自治政策研究所」を設置した。 2 設置目的 地方分権の進展や社会情勢の変化や多様化、複雑化する区民ニーズに対応するため、現場での取り組みや民間の力などあらゆる叡智を活用し、従来の枠組にとらわれない新たな発想によって、中長期を展望した区政課題に関する総合的な調査研究を推進し、政策形成基盤のさらなる強化を図ることとする。 3 基本的な役割 せたがや自治政策研究所は、政策形成基盤のさらなる強化を目指し、次に定める4つの役割を軸とした事業を展開する。 第1の役割?政策研究 区の戦略的な政策を立案するために、全庁的または領域横断的な政策課題や専門的で重要な課題を抽出し、それらを解決するための先進的な調査研究を行う。 第2の役割?基礎研究 中長期的な視点に立ち、将来の区政に影響を及ぼすと想定される潜在的な課題の解決に資する基礎的な調査研究に取り組む。 第3の役割?データの整備と活用 政策立案にかかる基礎的データを収集・分析・提供する(統計調査担当課と連携)。それらを区の有用な情報資産として蓄積し、活用するとともに、庁内外に広く発信する。 第4の役割?政策提言 政策研究・基礎研究に基づく成果を庁内に報告し、区の課題解決に資する具体的な政策を提言する。 4 組織体制 せたがや自治政策研究所は、所長(非常勤参与)・次長(課長)・主任研究員(係長)・研究員(職員)・特別研究員(非常勤)で構成する。また、専門家の立場から研究指導を行う政策研究員を設置する。 5 運営体制 (1)せたがや自治政策研究所運営会議 せたがや自治政策研究所設置規則第4条において、所長(区参与)は区長の命を受け研究所の調査研究等を掌理すると規定されている。このことを踏まえ、研究所運営方針や事業計画に関して合議により検討する場として、「せたがや自治政策研究所運営会議」を設置する。 a 所掌事項 研究所の運営方針及び事業計画について検討する。 b 構成メンバー 区長、両副区長、教育長、政策経営部長、研究所所長、研究所次長(政策研究担当課長)とする。 ※運営会議の開催にあたり、区の庁議準備会議メンバー及び研究所次長で構成する「研究所運営事務連絡会」を設け、事前の庁内調整を行う。 (2)所内会議 a 主な所掌事項 ・研究所の運営方針案や事業計画案の検討・作成 ・シンポジウム関連事項(テーマ・講師の選定、具体的な調整準備、記録作成など) ・庁内公開サイトの修正・追加(保有図書、人的ネットワーク、ニュースレター発行など) ・その他事務調整事項 b 構成メンバー 研究所所長、研究所次長、主任研究員、研究員、特別研究員 6 研究体制 (1)政策研究 a 研究テーマの選定 運営会議での検討を踏まえ、区長が研究テーマを選定し、基本計画等推進委員会に報告する。 ・区政の重点課題 ・庁内から募集 b 研究の進め方 研究にあたっては研究員を主体とするが、テーマごとに専門性を持った外部人材の活用を図る。なお、研究テーマによっては所管課職員の参加や、研究所の支援のもと所管課職員を中心とする研究も想定する。また、テーマに関連した庁内会議体への出席や関係所管及び研究所運営事務連絡会との意見交換により政策立案の精度を高める。 (2)基礎研究   a 研究テーマの選定    研究所でテーマを選定する。 b 研究の進め方 研究にあたっては研究員を主体とし、テーマごとに専門性を持った外部人材の活用を図る。また、テーマに関連した関係所管及び研究所運営事務連絡会との意見交換により政策立案の精度を高める。