中核市における地域行政 ―データベースの作成からわかったこと― 大石 奈実 (せたがや自治政策研究所研究員) [概要] 世田谷区の地域行政制度は、昭和54(1979)年に設置された地域行政推進本部のもとで検討がスタートし、その後12年を経て、 平成3(1991)年に導入された。地域行政制度は、地域住民に密着した総合的な行政サービスと地域の実態に即したまちづくりを 展開するとともに、区政への住民参加の促進を図ることを目的としてはじまったものである。 それからさらに約30年が経過し、少子高齢化の進展や人口の増加、情報化の進展など、地域や社会の状況が大きく変化している。 そこで、現在区では住民自治や身近な行政サービスの在り方、3層構造による行政運営の方法を改めて整理し、 持続可能なものにしていくため、安心して住み続けることができる地域社会の実現に向けて 「(仮称)世田谷区地域行政推進条例」の制定に向けた検討を進めている。 せたがや自治政策研究所では、地域行政にかかる情報を継続的に収集・蓄積し、データとして整備・情報発信することで 地域行政の検討に資することを目的とし、令和元年度より継続して「地域行政の推進に関する研究」に取り組んできた。 今年度を初年度とする3か年計画では、プロジェクトA-2として世田谷区と同様の大規模自治体の地域行政にかかる データベースの作成を進めている。