地域行政に関する研究 大規模自治体における地域機関と地域内分権 志村 順一 (せたがや自治政策研究所主任研究員) [概要] 現在、世田谷区では地域行政が政策課題の1つの柱となっている。 本稿のテーマは、30年前(1991年)にスタートした世田谷区独自の地域行政制度の今日的な意義は何か、である。 まず、1・2節で大規模自治体のスケールデメリットについて検討する。 3節では世田谷版の地域内分権の特徴を「総合支所」等の自治体内で管轄区域を持つ地域機関の設置に見出す。 4節では政令指定都市の区役所改革の動向をもとに地域機関の改革の方向性を把握し、最後に地域行政制度、 とりわけ総合支所に関する検討のための論点を考察する。