世田谷区政策検証委員会(第1回) 平成22年5月21日 午前10時開会 世田谷区議会大会議室 午前10時00分開会 ○政策経営部長 ただいまから世田谷区政策検証委員会第1回委員会を開催させていただきます。  私は、世田谷区政策経営部長の金澤でございます。委員会の委員長が決まるまでの間、司会を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。  まず、政策検証委員会の委員の皆様をご紹介いたします。  向かって右手前から青山委員です。学識経験者委員で、公認会計士をなさっておられます。世田谷区特別職報酬等審議会の委員をお務めいただいております。  続きまして、浅野委員です。区民委員で、砧地域にお住まいで会社にお勤めをされています。  続きまして、上田委員です。区民委員で、烏山地域にお住まいでございます。  続きまして、江尻委員でございます。学識経験者委員で、多摩ニュータウン環境組合のリサイクルセンター長をなさっております。世田谷区外部評価委員会副委員長をお務めいただいております。  続きまして、小野寺委員でございます。区民委員で、玉川地域にお住まいで自営業をされていらっしゃいます。  続きまして、片田委員です。学識経験者委員で、みずほ情報総研株式会社で研究活動をされていらっしゃいます。  続きまして、区民委員の熊倉委員でございます。砧地域にお住まいでいらっしゃいます。  続きまして、白井委員です。学識経験者委員で、株式会社産業共同システム研究所代表取締役、東京農工大学MOT専門職大学院客員教授、世田谷区外部評価委員会委員長をお務めいただいております。  続きまして、平野委員でございます。区民委員で、砧地域にお住まい、会社員の方でございます。  続きまして、堀口委員でございます。区民委員で、烏山地域にお住まいでございます。  続きまして、和田委員でございます。学識経験者委員で、首都大学東京大学院人文科学研究科教授をなさっていらっしゃいます。  続きまして、渡辺委員でございます。学識経験者委員で、駒澤大学経営学部准教授をなさっていらっしゃいます。  なお、学識経験者委員の牛山委員は、本日急用がございましてご欠席でございます。  以上の委員の方々のご紹介を終わります。  続きまして、熊本世田谷区長より皆様にごあいさつを申し上げます。 ○区長 おはようございます。早朝からご参加いただきまして、まことに恐縮でございます。今ご紹介がありましたけれども、皆様には、このたび世田谷区政策検証委員にご就任をいただきまして、まことにありがとうございます。  申し上げるまでもございませんけれども、世界金融危機以来、日本の経済状況は低迷をしているわけでございまして、世田谷区政もかつて経験したことのない財政状況にあるわけでございます。平成22年度の当初予算を編成いたしましたけれども、この際も前年度、平成20年度と比較いたしまして、区への特別区税や特別交付金は合計して131億円も減少しているという状況の中で予算編成をしたわけでございまして、いろんな課題が山積している中、やはり区民の方々の目線に立った安全・安心、子育て支援、そして区民の暮らし、地域経済の活性化の3本を柱とした将来につなぐ予算を編成したところでございます。  平成23年度の予算を編成するに当たりましても、区の財政が依然厳しい状況が続くであろうと見込みまして、なお一層の見直しを、また行財政改革をしていかなければならないという観点から、実は外部の皆様方の視点を持ってそれらに取り組んでいただくことができればということで、世田谷区政策検証委員会というものを設置させていただいたわけでございます。そうした設置の趣旨を十分ご理解くださいまして、これからに向けて忌憚のない、区民の立場に立った皆様方のご意見等をお聞かせいただきたいと思っておるところでございます。  委員会からいただきましたそうしたご意見等を私たちは真摯に受けとめながら、84万区民がこれからも世田谷に住み続けたい、住んでよかったと言っていただけるような安全・安心のまちづくりにさらに取り組んでまいりたいと思っておりますので、何分のご協力をいただきますよう心からお願いいたしまして、ごあいさつとさせていただきます。よろしくお願いいたします。ありがとうございます。 ○政策経営部長 ありがとうございました。まことに恐縮でございますが、熊本区長におかれましては、別の公務が入ってございますので、ここで中座をさせていただきます。ご理解いただきたいと思います。 ○区長 それでは、よろしくお願いいたします。 ○政策経営部長 続きまして、委員長、副委員長の選出に移らせていただきます。委員の皆様の中から互選でご選出をお願いしたいと考えておりますが、どなたか委員長に立候補あるいはご推薦いただける方はいらっしゃいますでしょうか。 ○片田委員 私は白井委員が適任ではないかと思います。ご経歴にもございますけれども、民間企業で社長も務められておりますし、東京農工大で教鞭に立たれているという専門のお立場からも適任ではないかと思っております。そのほか、外部評価委員長もされた経験もございますので、推薦させていただきたいと思います。 ○政策経営部長 白井委員というお話がございましたが、皆様、いかがでございましょうか。よろしゅうございますでしょうか。白井委員、お引き受けいただけますでしょうか。 ○白井委員 はい。 ○政策経営部長 それでは、委員長は白井委員にお願いをしたいと思います。  それでは、白井委員、委員長席にご移動をお願いいたします。 ○白井委員長 ただいまご紹介いただきました白井でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、早速でございますけれども、この委員会の副委員長の選出に入りたいと思いますけれども、どなたかご担当いただける方がいましたら、挙手いただければと思いますけれども、いかがでございましょうか。  それでは、僣越でございますけれども、私のほうからご指名させていただく形で進めさせていただければと思います。和田委員にお願いいたしたいと思いますけれども、よろしゅうございますでしょうか。―どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、簡単にごあいさつをさせていただきたいと思いますけれども、このたびの世田谷区さんのこの委員会に際しまして、委員長という大役を仰せつかりまして大変緊張いたしております。しかしながら、たまたま私は外部評価委員会を仰せつかっておりまして、ここに委員として同席いただいております江尻委員と一緒に今までいろいろ進めさせていただいているものがございましたけれども、また、きょうは当時の委員の先生方も傍聴席で参加いただいているということで大変心強く思っております。今回、この委員会の成果が実りあるいい成果につながるような形で、各委員の先生方のご協力のもとに進めていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ○和田副委員長 今ご指名があり、皆様のご承認を得たということで副委員長をお引き受けいたすということになりました。どうぞよろしくお願いいたします。  先ほどの委員長及び区長のお話からも、この検証委員会がぜひこれまでの事業の見直しにつながって、実りある成果を出せるように頑張って、それと私の役割は委員長を補佐していくということであろうかと思いますので、その点も皆さんのご協力をお願いいたしたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。 ○白井委員長 それでは、早速委員会の運営に入りたいと思いますけれども、式次第に沿いまして進めていきたいと思っております。  では、事務局のほうから、今回の委員会の概要についてご説明をいただきたいと思いますが、よろしくお願いいたします。 ○政策経営部長 それでは、本日の政策評価委員会の実施概要についてご説明をさせていただきます。  お手元にございます資料1、A3判の資料でございますが、まずこれをごらんいただけますでしょうか。  「世田谷区政策検証委員会の実施概要」でございます。  「基本的な考え方」でございますが、世田谷区政策検証委員会は、平成23年度の予算編成に向けた施策、事業等の見直しを重点的に行うとともに、中長期の視野に立って施策の方向性を見出し、今後の適正な区政運営の実現を目指すものでございます。既存の制度や組織の枠組みにとらわれない外部の視点から区の施策、事業等について検証を行っていただき、ご提言を受けたいと存じております。  「財政状況」でございますが、世界的な経済危機による景気後退の影響によりまして、世田谷区では、来る平成23年度、平成24年度の2カ年で80億円の財源不足が見込まれております。これにつきましては、この後、資料2でまたご説明をさせていただきます。  「取組みの方針」でございますが、行政責任と民間活用のあり方の検討、中長期の課題に対応する方向性の検討、横断的なテーマによる施策の検証という方針を掲げてございます。  「委員会の構成等」でございますが、外部の視点から、13名の委員の方々、学識経験者委員7名、区民委員6名に、区の施策、事業等について検証を行っていただき、ご提言を受けたいと存じております。委員会は4回を予定してございます。  「視点と素材」でございますが、政策検証委員会には、区の施策、事業に係る視点について、その考え方を検証していただくことを想定してございます。また、視点の検証に当たっては、具体的な事業がございませんとなかなか議論になりませんので、その素材として具体的な事業の検証も想定しております。視点と素材の関係は、下の表のとおりでございますが、左側に例として行政の民間の役割分担、素材の例として生涯学習施策などということで、その上、@視点について、検討いただくために具体的な事業を素材とさせていただきまして、A、左下でございますが、素材の検討から導き出された視点についての考え方を区の類似する施策にも生かしていきたいと考えてございます。  「提言を受けての区の対応」でございますが、区長は、この提言を受けまして、平成23年度予算編成、実際の予算編成はおおむね9月から始まることになっておりますが、それまでに、その予算編成、それから中長期の課題についての対応方針というものを区長のほうでつくらせていただきたいと考えてございます。  「委員会日程等」でございますが、第1回、本日でございます。第2回が6月19日の土曜日、午前10時から午後4時まで、これは施策等の検証1回目、それから第3回が翌日の6月20日、午前10時から午後4時までということで施策等の検証A、まとめということで、ここの同じ大会議室でさせていただこうと考えております。第4回は7月上旬ということで、まだ日時は未定でございますけれども、提言の決定を行っていただく。繰り返しでございますが、区は、第4回の委員会後の8月を目途に対応方針を示させていただこうと考えております。  次の資料2でございます。先ほどご案内をいたしました財政状況でございますが、これについて若干ご説明をさせていただこうと思います。  お手元にございますのは「財政状況特集号」という「区のおしらせ」でございます。先ほど区長が申し上げました平成22年度予算につきまして、3つのテーマを左のほうに掲げさせていただいておりますけれども、ここではちょうど真ん中の下のほうにグラフ1というのがございます。まず、ここをご説明させていただこうと思います。  グラフ1でございますが、これは一般会計の歳入予算の分類でございますけれども、いわゆる皆様方の税金、特別区民税が1105億円ほどでございます。下のほうに参りまして、特別区交付金というのが319億円ございます。世田谷区という特別区は一般の市とは異なりまして、都区財政調整制度という中で財源構成をしてございます。この特別区交付金というものは、法人の住民税、特別土地保有税、それから固定資産税は本来は市町村の税金ですが、これにつきましてすべて東京都のほうに歳入される。それを東京23区が55%、東京都が45%という割合で分割をされまして、さらにそれが財政調整ということで各区に振り分けられる、そのお金がこの319億円でございます。  そこから先、地方消費税等ずっとございますが、上のほうに参りまして、上のちょっと左のところ、平成23年度予算では繰入金112億7200万円というのがございます。これにつきましては、今までためたいわば貯金を崩してここに充てているというものでございます。それから、そのちょっと下に特別区債とございます。これは起債をしまして、平たく言えば借金でございますが、85億円というようなことになってございます。  裏面をお願いできますでしょうか。裏面でございますが、真ん中の一番上の表で、区の取り組みとしまして、職員の削減ということもこの10年間で1100人やってきているという状況がございますが、その下、図1「収入 特別区税・特別区交付金の推移と見込み」ということでございまして、先ほど区長からもお話がございましたが、いわゆるリーマンショックの関係で、平成21年度のところを見ていただきたいと思いますが、平成21年度と22年度で186億円の減という状況でございます。  図3で「貯金と借入」ということで、世田谷区も頑張ってきまして、着実に借入金は減らしてきたのですけれども、加えまして計画的に積み立てもしてきたのですけれども、ここで722億円までいった平成20年度の貯金が平成21年度には613億円、今回は451億円ということになって、順次下がってきている状況でございます。  図4の「予算 当初予算の推移と見通し」を見ていただきたいのですが、平成22年度2491億円という一般会計予算でございますけれども、平成23年度につきましては2671億円必要ではないかということでございます。基金、ちょっと数字が書いていなくて恐縮でございますが、154億円ですけれども、これを加えましても54億円の財政不足、平成24年度につきましては115億円基金から繰り戻してきますけれども、24億円足らないというような見通しでございます。  次のページをお開きいただきたいのですが、3年間の財政見通しということでございます。22年度、23年度、24年度と表になっておりますけれども、一番下のところで財源不足、23年度の予算額54億円とございますけれども、それが今申し上げた数字、それから平成24年度で23億円という数字が財源不足というようなことになってございます。  そのページの裏面をお願いできますでしょうか。「世田谷区の予算 主な項目別推移」ということで、平成元年度から平成22年度ということで、平成元年度を100といたしまして、今どのくらいかという表でございます。左上でございますが、「特別区税推移」はこのような状況でございまして、お隣「特別区交付金の推移」、先ほどの財政調整の関係のお金ですが、これが非常に膨らんだり落ちたりというような状況でございます。  下の段でございますが、歳出ということで「民生費の推移」ということでございまして、平成元年を100といたしますと、平成22年度当初予算のところでは、子ども手当が入っていないと238.1という指数になります。  それから、お隣「社会福祉費・児童福祉費の推移」ということで、同じく平成元年を100といたしますと、社会福祉費が202ということで約倍、児童福祉費は子ども手当が入っていない場合ですと504、入っていますと701ということで大幅な伸びになってございます。  公園だとか道路などの土木費につきましては、その右側でございますけれども、平成元年を100といたしますと、69.8という指数のところまで下がっているというような今の状況でございます。  資料1と2を使いまして、本委員会の実施概要と財政状況についてご説明をさせていただきました。 ○白井委員長 ありがとうございました。  それでは、今のご説明に対しまして、各委員の皆さんから何かご質問等がありましたらお願いしたいと思いますが、いかがでございますか。  内容的に盛りだくさんでございましたので、ちょっと時間が必要かと思いますけれども、別にしまして、それでは時間の関係がございますので、引き続いて次に移らせていただければと思っております。  それでは、今回の大きな課題であります「視点」と「素材」の検討に移りたいと思いますけれども、先ほど事務局からご説明がありましたけれども、本委員会のこの内容での提言については、視点についてまとめていく。また、視点を検討するために、どのような具体的な事業を素材として扱ったらいいのか。また、どのように検討をしていったらいいのかというような形で説明を今まで受けましたけれども、これについてこの委員会で決定することになります。各委員の皆様には、今までのご経験等を踏まえて忌憚のないご意見、また提言を積極的に賜ることができれば幸いでございます。  そういうものを踏まえまして、これから事務局のほうから、いろんな形で我々が提言を進めていく上においての1つの題材がありましたら、ぜひアドバイスをちょうだいしたいと思いますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。 ○政策経営部長 それでは、委員会のお許しをいただければ、私ども事務局から「視点」と「素材」の案についてご説明をさせていただきまして、皆様方のご検討の材料にしていただきたいと存じますが、よろしゅうございますでしょうか。 ○白井委員長 どうぞよろしくお願いいたします。 ○政策経営部長 それでは、ご説明をさせていただきます。  お手元に資料3というホッチキスでとめた資料がございますので、ごらんいただきたいと思います。  「検証の『視点』と『素材』(案)」でございます。  世田谷区を取り巻く状況でございますが、少子・高齢化や高度情報化、国際化、社会経済のグローバル化の急速な進展に伴い、区民のライフスタイルが大きく変容してきております。区民ニーズは複雑、多様化し、行政に求められる役割も日々変わってきてございます。先ほどもご案内いたしましたように、世田谷区の財政状況でございますが、平成23年度、平成24年度の2カ年で80億円の財源不足でございますけれども、安全・安心施策、子育て施策、あるいは生活保護などの社会保障施策などに係る財政需要が高まってございまして、区では、みどりさんさんというような緑地保全などにも取り組んでございますが、そういった中長期的な課題も山積してございます。  こういった状況の中で、健全な財政を維持しながら、どのようにして多様な区民ニーズにこたえていくか。社会資源配分の適正化と有効活用、効率的、効果的な事業の実施、税以外の収入の確保など、こういったものに取り組んでいかなければいけないと思ってございます。  「取組の方針」といたしまして、繰り返しでございますが、行政責任と民間活用のあり方の検討、中長期の課題に対応する方向性の検討、横断的なテーマによる施策の検証ということを掲げさせていただきましたが、これに基づきまして検証の視点と素材につきまして3つをご提案させていただきたいと思います。  まず、「視点」1番でございますが、行政と民間の役割分担について、「素材」といたしましては、生涯学習に係る施策、さらに具体的な事業といたしましては青年の家、池之上青少年会館、世田谷市民大学、「視点」の2番目はサービス提供体制のあり方、外郭団体との連携、「素材」といたしまして、外郭団体と連携したサービスの提供ということで、外郭団体のあり方、具体的には世田谷サービス公社と世田谷区社会福祉事業団、3番目が受益と負担について、「素材」といたしましては健康づくり施策、がん検診、子ども医療費助成というようなことをご提案させていただこうと思います。  1枚お開きをいただけますでしょうか。各視点についての具体的なご説明でございます。  まず、行政と民間の役割分担でございますが、その背景といたしまして、少子・高齢化や高度情報化、国際化、社会経済のグローバル化などの急速な進展等に伴いまして、区民ニーズはますます複雑、多様化し、区民の暮らしの質的向上がより重視される中で、行政だけではなく、区民、事業者、NPO等が公共的なサービスの担い手としてその役割を発揮するようになるとともに、その機運も高まってきております。  特に世田谷区では、活力ある子育て世代や豊富な経験を持つ中高年世代など、幅広い年代層の人材に恵まれ、地域団体、事業者や大学、NPOなどの活動も盛んに行われております。  これらを区民サービスの充実に最大限生かすことを基本的な考え方として、既存のサービスにおいても民間が行うことが効果的なもの、行政と民間が協働で行うことが効果的なもの、また、行政が行うことが求められるもの、行うべきものなど、行政と民間の役割分担を明らかにすることが健全な財政を維持しながら多様なニーズにこたえていくために今求められていると承知しております。  そこで、素材でございますが、生涯学習に係る施策ということで、区民が自己の充実や向上を図り、生きがいや豊かな生活をつくり出し、充実した人生を送るために、生涯を通じて取り組むことのできる生涯学習の必要性は高まってきたことから、区は、これまで社会教育、スポーツ、文化、福祉、消費生活の各分野にわたり、区民の学習意欲、ニーズにこたえるように各種施策を推進してまいりました。  しかしながら、区民ニーズの高度化、多様化の進展に対応いたしまして、民間の担い手が増加し、さらに近年の少子・高齢化社会の進展を背景にいたしまして、例えば区内の大学では、成人向けの生涯学習講座や文化講座の実施に力を入れてきております。現在、年間1000以上の成人向け講座を提供している大学もございまして、民間によるサービスの充実は目覚ましいものとなっております。  そうしたことから、行政と民間の役割分担の検証に当たっては、この生涯学習に係る施策を素材として挙げさせていただいております。  また、具体的な検証のための素材事業といたしましては、法令による義務に準ずるものとして、各種の青少年対象事業を行う青年の家、池之上青少年会館、また、区の任意的な事業としましては、政治・社会・人間・経済など多数の講座を開講している世田谷市民大学を挙げてございます。  表にさせていただいておりますけれども、今申し上げたことが表の左側でございます。類似事業の例といたしましては、子ども・子育て関連の児童館、生涯学習につきましては成人教育から才能の芽を育てる体験学習、社会参加・生きがいについては世田谷区生涯大学―これは昔、老人大学と名前がついておりましたけれども、今は生涯大学という名前でございます―から土と農の交流園講座、生涯スポーツ振興につきましては社会体育施設からスポーツインフォメーションの発行、子ども・子育て支援はプレーパーク、消費者の自立支援は消費者カレッジというようなことでございます。  1枚お開きをいただけますでしょうか。続きまして、「サービス提供体制のあり方について(外郭団体との連携)」でございます。  背景でございますが、行政サービスの提供体制には、行政による直接提供から、区の外郭団体等の連携、専門性を有する民間事業者への委託や補助、地域活動団体等への事業補助、さまざまな手法がございます。  近年、外郭団体により行政サービスを提供した分野におきまして、指定管理者制度や介護保険制度といった新たな仕組みが導入されてきております。  区は、これまで法令上の制限などによりサービスが硬直化しがちな行政、第一セクターとよく昔呼んでございましたが、それと利益追求を主な目的とする民間―第二セクター、その間を補完し、より効果的、効率的な公共サービスを柔軟に提供できる第三セクターの活用ということで外郭団体を設置してまいりまして、区民サービスの向上に努めてきたところでございます。  国においても、地方自治法などの法令も各省からの通知等により、公の施設や社会福祉施設の管理委託先を外郭団体等に限定するなど、全国的に第三セクターによるサービス提供を推進してきた経過がございます。  しかしながら、官から民へという流れの中で、先ほどの指定管理者制度や介護保険制度が導入されまして、広く民間事業者がサービス提供主体として参入をされております。このように、より効果的、効率的なサービス提供のために民間事業者を活用することが可能な分野が拡大をいたしまして、第三セクター、外郭団体の役割が薄れる中で、外郭団体との連携により実施している事業についても、最適な提供体制であるかどうかの検証が必要となってきております。  素材といたしまして、世田谷区の外郭団体。世田谷区の外郭団体全般につきまして、国の制度との比較等を行いながら、区の法令上の義務や出資関係などについてもご確認いただき、今後のあり方についてご検証いただきます。  外郭団体の中でも、社会情勢の変化や制度改正に伴い、その役割などが大きく変化していると考えられる団体について検証してまいります。  公共施設維持管理につきましては、もともと地方自治法の中で委託先が国の出資法人、いわゆる外郭団体に限定をされていたところでございますが、指定管理者制度が始まりまして、民間事業者の活用が可能となっております。このため、1つには、公共施設維持管理を主な事業とする世田谷サービス公社を対象団体として挙げてございます。  また、区が設置する社会福祉施設の委託先は、昭和46年の厚生省通知というのがございまして、この中で区が設置する、あるいは自治体が設置する社会福祉事業団を原則とするという定めがございましたが、介護保険制度の開始以降、こういった制限はなくなり、豊富な実績を持つ民間事業者が増加をしてきております。このため、介護保険事業を主な事業とする世田谷区社会福祉事業団をもう1つの対象団体として、素材事業として挙げてございます。  素材として外郭団体を申し上げましたが、論点といたしましては、国と世田谷区の外郭団体の違い、職員体制、あるいは役員等の報酬など、世田谷区の外郭団体の定義、区の法令上の義務(管理、指導等)、各団体の法令上の根拠、区の出資率など、それから社会情勢の変化や制度改正による役割の見直しということで、先ほど申し上げました公共施設維持管理、あるいは特養ホームの運営等介護保険事業でございます。  参考でございますが、下の表にございます、いわゆる私どもが世田谷区で今外郭団体というふうにとらえておりますのが13団体ございます。  そのうちに、まず一番上でございますが、社会福祉協議会というのがございます。これは社会福祉法に基づく法人でございますが、全国、それから都道府県も含めまして社会福祉協議会、おなじみでございますが、ございます。  次はシルバー人材センターでございますが、これは高齢者等の雇用の安定等に関する法律というものに基づいてつくられておりまして、これも全国の自治体にございます。  次は土地開発公社でございますが、これは自治体が用地を先行買収することが予算の制度の関係からできないということで、先行買収をする法人でございます。公有地の拡大の推進に関する法律ということで、これについてはないところもあるんですが、ほぼこの団体を持ってやっているところでございます。  その下、多摩川緑地広場管理公社ということで、これは多摩川の河川敷に国からお借りをいたしまして運動場がございます。隣でございますので、大田区と共同管理をしている団体でございます。これは法人格を持っておりませんで、任意団体ということでございます。それから、先ほど申し上げました社会福祉事業団ということで、介護保険事業等を担っております。  次に、株式会社でございますが、今申し上げましたサービス公社でございます。次に、エフエム世田谷でございますが、これは株式会社でございますが、FMラジオ放送をやっている会社でございまして、災害時に、いわゆるTBSさんだとかニッポン放送とか、そういう全国の放送ではございませんで、世田谷地域のコミュニティ放送でございますが、特に災害時には安否確認等の放送をする役割を担うことで設置をしてございます。  次に、世田谷川場ふるさと公社でございますが、世田谷区は群馬県の川場村というところに、ふじやまビレッジとなかのビレッジという施設を持っております。これは中学生のお子さん方が行くのと、あるいは一般開放ですが、ここにつきまして、その維持管理を川場村というところと一緒に会社をつくって運営しているという中身でございます。  続きまして、財団法人でございますが、せたがや文化財団につきましては、美術館、文学館、それから三軒茶屋にあります文化生活情報センター、劇場もございますが、これの運営をやっております。  次の産業振興公社は、区内産業振興の事業をやっておりますのと、勤労者の方々の福利厚生サービスをやっております。世田谷区保健センターにつきましては、いわゆる健診の関係の事業をやっているところでございます。  世田谷トラストまちづくりというのは、従前は都市整備公社というものとトラストが分かれていたのですが、統合いたしまして、トラスト運動の推進と都市整備関連の事業を行っております。  最後に、スポーツ振興財団ということで、これはスポーツ関連の事業をやっているところで、世田谷には大蔵に総合運動場、あるいは第二大蔵運動場がございます。あと、千歳温水プール、こういうところをやっているところでございます。  続きまして、3枚目をお願いできますでしょうか。視点の3番目でございます。「受益と負担について」ということで、背景といたしましては、区が提供するさまざまなサービスにつきましては、主に区民が納める税金によって賄われております。道路、公園の整備や小中学校の建設、災害対策など、だれもが必要とするサービスにつきましては、区民全員が税で支えるという仕組みでございます。  しかしながら、区が提供するサービスによっては、その利用を選択した人のみが利益を受ける、受益するものもございます。このような事業にも、サービスを利用しない区民が納めた税も投入されておりまして、利用者に応分の負担を求めないことになりますと、税負担に不公平が生じてくる。そこで、区は、これまでも低所得者層等に対して一定の配慮をしつつ、所得が高い層には所得に応じた負担を求めまして、税負担の公平性の確保を考慮しながら、選択的に受けることができるサービスについては、その利用者に対して応分の負担を求めてきているところでございます。  素材でございますが、健康づくり施策でございます。健康増進法では、健康づくりにおける国、都、区、区民、それぞれの役割が規定されておりまして、区民はみずからの健康を努力、維持増進することが求められております。行政は、公衆衛生や難病治療の支援など、健康づくりを支援する役割を担っております。また、行政には、例えば結核の検診だとか予防接種など、疾病の蔓延防止の観点での施策の実施も義務づけられるところでございます。  しかしながら、自治体による実施が義務づけられている検診にあっても、その利用については本人が選択可能なものが多うございます。そのため、受診者の自己負担額については、自治体の判断にゆだねられておりますけれども、無料または少額の負担で受診できるようになっているものも多うございます。  また、法令で実施が定められている検診等の中でも、例えばがん検診は受診者が毎年6万人以上に上っておりますけれども、区民みずからが健康維持に努める分野でもあります。また、今年度より、国が新たに子ども手当等の子育て施策を実施する状況にございますが、こうした状況を踏まえまして、受益と負担のあり方について検証するため、素材として健康づくり施策を挙げまして、具体的な事業といたしましては、法令による実施が定められている事業としてがん検診、任意的な事業としては子ども医療費を挙げているところでございます。  ただいま申し上げましたものを表にしたものがその下でございますが、左側が申し上げたとおりでございまして、類似する事業といたしましては、健康診査、特定健康診査、特定保健指導ほかでございます。それから、疾病予防では予防接種事業。任意事業のほうに参りまして、疾病予防につきましては、子どものインフルエンザ予防接種の助成だとか任意の麻疹、風疹、MR予防接種への助成、介護予防・健康づくりにつきましては、健康度測定から健康づくり団体への助成までという中身になってございます。  資料としてホッチキスでとめてございませんが、もう1枚、その後ろにつけさせていただいております。  「検証の『視点』と『素材』(案)補足資料」ということでございまして、順番が前後して恐縮でございますが、まず視点1の青年の家というものでございます。そこに掲げてございますように、青年の家は青少年の集団活動の場として、昭和38年に設置した宿泊型社会教育施設ということでございます。事業内容として、宿泊、日帰り利用だとか子どもサマースクール、その他がございます。  池之上青少年会館は、青少年の利用を中心といたしました日帰り型の社会教育施設で、昭和56年に設置をしております。学識経験者の方々による運営協議会がございます。事業内容は、小学生、中学生の講座、高校生の講座、異年齢・親子対象事業等々でございます。  市民大学は、昭和56年でございますが、開設いたしまして、区民の高度な学習意欲にこたえ、市民自治の担い手にふさわしい専門的学習の機会を提供するものということで、基本コースが政治・社会・人間・経済、少人数特別講座、夜間講座等でございます。  視点2のサービス公社でございますが、施設維持管理事業等と申し上げましたが、総合支所、出張所、区民会館等の施設維持管理をやってございます。この中には指定管理者として選定されたものもございます。そのほかにコンピュータ事業ということで、区の電算システムの運用保守等をやってございます。それから、飲食事業もやってございまして、レストラン「スカイキャロット」というのは三軒茶屋のキャロットタワーの26階でございます。「ル・ジャルダン」というのは美術館にあるレストラン、「ルソー」というのは教育会館の中にございます。  社会福祉事業団については、先ほど申し上げたとおり、社会福祉事業の推進を図るということでございますけれども、事業内容といたしまして特養ホームの運営、これは指定管理者ということでやってございます。あんしんすこやかセンターというのは、法律に基づく名称としては地域包括支援センターということでございますが、高齢者介護に関連するご相談を受けるところでございます。そのほか、世田谷区の高齢者センター「新樹苑」の運営だとか、福祉人材の育成、研修、通所介護事業所の運営、訪問介護事業所の運営等々がございます。  視点3でございますが、がん検診、胃がん検診、子宮がん検診、乳がん検診、肺がん検診、大腸がん検診の5つでございます。子ども医療費助成制度につきましては、保険診療の自己負担分の医療費と入院時の食事療養費の標準負担部分を助成しているものでございまして、平成18年12月からは、15歳到達後最初の3月31日と書いてございますが、これは要するに中学生までという意味です。ここまで拡大をしているということで、所得制限はございません。  補足資料の説明をさせていただきました。 ○白井委員長 ありがとうございます。  それでは、今の事務局からの説明に対しまして、各委員の皆さんの質疑応答の時間に入りたいと思います。  今回、最初の各委員のご意見を賜る関係でございますので、気楽な気持ちでいきたいと思いますけれども、では、青山委員から。 ○青山委員 最初なので大事なことなのでよくお聞きしたいと思ったんですけれども、最初に、平成23年度、平成24年度の予算で80億円の赤字が見込まれます。区の財政は大変なんですよというお話をいただいたんですけれども、そのことにとらわれて、我々のやる委員会の業務というのは、区がやっている事業について、無駄があるのではないか、予算を使ってやらなくてもいいことをやっているのではないか、あるいは例えばがん検診は5つもやらないで4つぐらいにとどめて、予算を健全化する方向でやったらどうかというようなことを評価して検討するということが当委員会の本旨なのか、財政危機に対するその観点からの政策を検証するということが本旨なのか。  それとも、それを前提としつつも、いただいた資料に書かれています行政と民間の役割分担についてとか、サービス提供体制のあり方についてとか、あるいは受益と負担についてといった区の行政の施策、あるいは事業が政策としていい政策なのか、目的に沿っていい行政が行われているのかということを評価検討していくということが本旨なのか、その辺、今よくわからないので、改めてどなたかご説明をいただければと思います。 ○政策経営部長 今、どちらかというご指摘でございましたけれども、私どものほうの考えといたしましては、後者を前提にしながら、各事業について私どもの執行のやり方等々に例えば無駄があるとか、そういうことがあれば、そういうことも踏まえた上で、後者を前提にしながら前者も視野に入れていただいてやっていただきたいというのが私どもの案のつもりでございます。 ○青山委員 わかりました。 ○白井委員長 では、最初ですから順次、浅野委員はいかがでございますか。 ○浅野委員 この資料1で80億円の財政不足ということで、それについて真摯に行動していかなければいけないと思っておりますので、ご説明をお伺いして、それを真剣にという気持ちがますます強まっているんですけれども、今、先ほどの方からお話がありましたとおり、後者のほうだということで、これに沿ってやっていくということになっていくかと思うんです。さらに、このいただいたもののほかにも、我々からご提言させていただくことができるかどうかということ。  それから、先ほど特定財源のところでその他、使用料及び手数料というところがありまして、例えばですけれども、これについて見直すとか、そういったこともテーマとして討議させていただくことができるかどうかという2点についてお伺いできればと思うんです。 ○政策経営部長 1点目でございますけれども、委員会の皆様方の総意で政策検証をしていただくということでございます。私どもとしては、今ご提案させていただいている中身についてはぜひともご討議いただきたいんですが、それ以外のご提言をいただければ、それはまたありがたいことだと思っております。 ○財政課長 使用料、手数料のことです。世田谷区では平成20年ですか、使用料、手数料というと、主に区民利用施設、区民会館であるとか、そういったものの施設使用料、そのときに保育料の見直しもさせていただいた経緯がございます。今回のテーマに沿っていきますと、受益と負担という部分に該当してくるかと思います。まさに区民会館等については、頻繁にお使いになる方とほとんど使われない方がいらっしゃって、維持管理経費が大分かかりますので、それが目的に沿って適正なご負担をいただいているのかどうかという視点かと思います。  今回、素材として健康づくりをお示ししておりますけれども、ご指摘いただければ、時間が限られておりますので、使用料、手数料ということで全般的な検証というところは、時間的な意味でどこまでできるかというのはありますけれども、資料として使用料、手数料が、区の歳入の内訳がどんな構造になっているのかというのは参考といいますか、ご議論いただく素材としてご提出することはできると思っております。 ○白井委員長 よろしゅうございますか。 ○浅野委員 ありがとうございました。 ○白井委員長 それでは、上田委員から。 ○上田委員 非常に盛りだくさんの説明でしたので、この短い間で自分の中にすっと入ってきて理解するということがなかなか難しいと実感しているんですけれども、先ほども話にあったように、80億円の赤字が見込まれるということは区民としてはすごく重たいと思うんですね。今までそういうふうに実際感じたことがなくて、逆にこんなふうにもっと過ごしやすくなったらいいな、区民にいろんなサービスがあったらいいなというような要求ばかりが強かったんですけれども、赤字が見込まれるということがあって、資料にあったように、最優先で取り組まなければいけないことがあったんですけれども、やはり赤字のことを考えると、その中でも区としてはどれを優先的にしたいとか、そういったお考えというのはあるんでしょうか。 ○政策経営部長 80億円というのは、区の財政計画を何年か立てまして、その見込みに出させていただいております。実際の財政というのは、企業等と若干違いまして、基本的に歳入があって、それを必要な区民サービスに配分して歳出にしていくということなので、国もほかの自治体もそうですけれども、入ってくるものに対して出ていくものが同じと。サービスが埋まらなければ、その分は借金したり、貯金を取り崩したりということでございます。  今のお話の中で、今後、例えば平成23年度がもうすぐ来年度のことで迫ってきているんですけれども、先ほど申し上げたように、予算編成というのは秋からやります。皆様方にいただく検証委員会の提言も秋に間に合わせていただいて、それを踏まえて区は対応方針も考えますし、それ以外にも区のほうで独自にさまざま自分でも計画等の見直しをしながらやっていきますので、総体を含めて秋からやっていくというような感じでございます。お答えになっているかどうかわかりませんが、済みません。 ○白井委員長 よろしいですか。―では、江尻委員、お願いします。 ○江尻委員 素材の選び方がいま1つ私にはわかりにくかったというのが率直なところの思いの中にあります。例えば生涯学習のところに青年の家と池之上青少年会館、世田谷市民大学というのがありますけれども、青年の家にしても、池之上青少年会館にしましても非常に古い施設である。古い施設であるところですと、古い施設の見直しというところが実は裏側にあるのかなという部分が私の中には、これを見ましたところで思っている部分があります。  施設というのは、もちろん役割分担をする中で既存のものを有効に活用していくということもありますけれども、例えば施設を統合させたり、廃止をしたりということも含めて見直しというのは考えていかなくてはいけなくて、行政と民間の役割分担だけではなくて、その施設が果たして世田谷区の中に必要なのかどうかというところまでいって初めて役割分担になっていくのだろうと思います。  そこまでこの場で検証していくことが短時間の中で、また資料が余りない中でできるのかなというところが実は不安な部分でありまして、そのあたりのところは、それはどこまでやるのかというのは私どもが決めてやればいいだけの話なんですけれども、行政的にはどこまでを期待するものがあるのかというのをお話しいただければと思います。 ○政策経営部長 今、施設そのもののお話がございました。ちょっと背景をお話しさせていただきますと、世田谷区は公共施設整備方針というものを平成17年に立てまして、公共施設のあり方全般を今見直ししてございます。  これの背景は、昭和20年に戦争が終わりまして、戦後復興から高度成長という中で、30年代、40年代とずっと施設をつくってまいりました。この施設がコンクリートの建物だったりするわけなので、50年ぐらいになりますと、学校だとか、この庁舎もそうでございますが、どうしても古くなってしまうということで、建てかえ事業ということが今出てきてございます。世田谷区は、学校については小中で95校ございますので、おおむね1年に2校ペースで改築はやっているんですが、それにしてもなかなか追いつかないところでございます。それ以外の施設につきましても今更新時期だと。  このことにつきましては、何も世田谷区だけではございませんで、日本全国、全体がそういう形で建物建設をやってきた背景がございまして、どこの自治体も今それは悩んでいるのではないか、あるいは国のほうもお悩みがあるのではないかと認識しております。今のお話の中で、青少年の家、池之上青少年会館につきましては確かに古い施設でございます。  私どもとして案としてお願いしたいのは、とりあえず施設そのものの古い云々ではなくて、そこでやっている事業等についてどうなんだろうかと検証していただく中で、いや、引き続き必要だという話になれば、また、こちらのほうで施設について更新などを考えていくというふうに思っておりますので、当面はそこまででお願いできればと思っております。 ○白井委員長 ありがとうございます。江尻委員、よろしゅうございますか。 ○江尻委員 結構です。 ○白井委員長 では、引き続きまして小野寺委員、お願いいたします。 ○小野寺委員 80億円の財源不足というので改めて驚かされているんですけれども、何か具体的に財源確保の案をお持ちでしたら伺いたいと思います。 ○財政課長 ここで試算をして、先ほどちょっとご説明もありましたけれども、2カ年で80億円ですね。平成23年度でも足りない。平成23年度は、このぐらいの歳出が必要だろうというところで、一方で歳入はこのぐらいだろうという差し引きになるわけですけれども、歳入の中でも、例えば基金は平成23年度、試算上ですけれども、154億円、取り崩したとしても56億円足りないという計算をしています。そこは下限なんですね。基金を200億円下ろせば、財源不足は縮まるわけですけれども、そうすると、もうちょっと中期的な見通しを持つときに基金が底をつく。先ほど申し上げた学校の改築等々に支障を来すということで、我々としては、できるだけ貯金の取り崩しは少なくしたいと。  ただ、現実的に今すぐこれとこれをやめれば埋まるという案がないという意味で財源不足というご説明をしていますものですから、例えば自治体の仕事というのは、保育園の運営だったり、すぐには削れないものもありますし、保育園で申し上げますと、これだけ待機児がいる中で、新たに保育園をつくらなくてはいけないという事情もあります。そういったものを取り入れながら、簡単に言ってしまいますと、既存の事業をどこまで考え直すことができるのかとか、非常にご要望が強い施策について、わかりやすく言えば、先延ばしできるのかとか、簡単に言いますと、そういった志向になるわけです。  ただ、それは区民の方々、区長を初め、やっぱりこういう組み立てをすべきだろうというご意見を検証委員会でもいただきたい。その中で、その視点を踏まえて、区にはたくさん事業がございますので、そのご提言の切り口で組み立て直す中で、歳出を抑えるというんでしょうか、削るという取り組みができればということでございます。 ○白井委員長 ありがとうございます。よろしゅうございますか。―それでは、片田委員。 ○片田委員 今回、点検するに当たって、先ほどからお話が出ておりますけれども、赤字という前提というか、赤字が目の前にあるわけですけれども、コストカットをしましょうというような背景というのはやはりあるのかなと思います。その中で、国でも事業仕分けが始まっていますが、区で、基礎自治体でやるということの意味合いというのは非常に重要なのかなとお話を伺って思いました。  というのは、コストをカットします。必要なものは優先してやります。優先順位をつけて先送りできるものは先送りしましょうということでもあると思うんですが、単に財政的な問題だけではなくて、サービスの品質とか、安かろう、悪かろうになってしまってはどうしようもない。それだったら、そもそもやらなければいいのではないかというような話なども出てしまうといけませんので、そういったサービスの品質というところも視点として重要なのかと思います。  そこで、今回の選んでいただいた素材について、先ほどもご質問の中にもありましたけれども、ちょっと気になった点があったのでご説明いただければと思うんです。  1つは、例えば先ほど資料2でご説明いただきましたけれども、この中でいろいろ折れ線グラフが入っておりまして、平成元年を100としたときに、どういう状況にあるかということだったかと思うんですけれども、今回の選ばれている素材が、例えばサービスの需要が非常にふえている、これもよくわかりますし、負担状況、財政的な割合でいうと、社会保障関係の事業がふえているということなのかなと理解したわけです。  あと、例えば土木費の推移なども、横ばいからやや落ちてきているというような現状もあるかと思うんですが、先ほどのご説明の中には、メンテナンスの部分、建てかえであったり、維持管理といったところでは引き続き財政的にも負担になってくるであろうところがあるかと思います。  もう一方で、事業仕分けなどでよく言われているのは、重複している事業を整理統合しましょうと。建物とかサービスとか、みんなそうだと思うんですが、そういう観点がある一方で、これは基礎自治体であるがゆえだと思うんですけれども、子ども関連の事業のように、これは高齢者向けの介護もそうですけれども、各部署が共同して総合的に対応しなければならない。これは重点施策等で挙がっているかもしれないんですが、重複しているのか、総合的に対応しているのかというところは、見方によっては裏腹の関係にあるかと思うんです。  そういった観点から、特に財政的なもので今回の対象として素材に選んでいただいているものが、今の区政状況からすると結構な負担になっている、あるいは負担になっていくであろうということが予見されているとか、サービスの内容が重複なのか総合的に対応しているのかというようなところを見ていきたいということなのか、ちょっとご説明いただければと思うんですが、いかがでしょうか。 ○財政課長 重複なのか総合的なのかというところでは、どうしても役所、例えば高齢者の健康づくりといいますか、介護予防という観点で若干出ていますけれども、介護予防という視点からすると福祉関係になります。ただ、いわゆる生涯学習だと教育等の関係になりまして、経緯的にそれぞれ理由があって、それぞれのセクションで始めているといった部分があります。  そういう意味では、これは常にやっていかなければいけない話だとは思いますけれども、改めてそれぞれセクションによって視点が違いますので、介護予防なのか生きがいづくりなのかという意味合いが違うことでやっているわけですけれども、区民の皆様とか専門的な立場から見ると、結局、同じではないかという部分がもしかするとあるかもしれないといったところについては、ご指摘いただければということ。  ここでも今回視点としてご説明が入っていると思いますけれども、そもそも役所が今もやり続ける必要があるのかというようなことがあると思います。例えば生涯学習とか子どもたちというのは、そんなに経費が大きく何億円とかかる事業ではございませんけれども、ただ、そういった意味では重複なのか、総合的なのか、もしくは行政が直接やるべきなのかといったことで常に点検をしていかないと、どんどん累積をしていくということが長期的に見ると財政需要が膨らむ原因にもなっているのかと思います。  先ほど申し上げたように、少子・高齢化、公共施設の更新需要というのが一斉に来るという大きな課題の前では、恐らくこういう常日ごろのコストカットではありませんけれども、役割なり重複の見直しということが必要になってくると思いますので、今回、視点でできるだけ盛り込ませていただいているつもりでありますけれども、素材を通してとか、さらに素材を追加する中でご提言なりご指摘をいただければと思っています。 ○政策経営部長 今、財政課長が申し上げたとおりでございますが、世田谷区は平成17年に基本計画というものを10年で立ててございます。これを3年ごとに実施計画ということでやってございまして、今の期は平成20年度から平成23年度の実施計画でございます。役所がつくると大抵組織割でつくるとよくおしかりをいただくのですが、これにつきましては分野ごとに編成をいたしまして、例えば災害に強いまちづくりだとか、健康づくり、疾病予防だとか、あるいは次代を担う人づくりだとか、例えば保育と教育を一緒に並べるとか、そんな資料づくりをしてございまして、計画の数字も入ってございますので、こういった資料もお手元にお届けしたいと思っております。 ○白井委員長 ありがとうございます。よろしゅうございますか。―それでは、渡辺委員、よろしくお願いいたします。 ○渡辺委員 資料3の1枚目の大きな「検証の『視点』と『素材』(案)」の真ん中に「健全な財政を維持しながらどのようにして多様な区民ニーズに応えていくか」という問題意識が掲げてあります。そのように考えていきますと、今ある資源で何ができるか。それでは重複しているものがあるし、役割として行政がやらなくてもいいものもある。そういったことで線引きをして素材を挙げていらっしゃったというのはよくわかりました。  ただ、もう1つの視点として、これは今回の委員会で扱われない視点かもしれませんが、この問題意識を逆にとらえていただいて、財政とか資源は横に置いておいて、区民のニーズにどのようにこたえていったらいいのかという視点ありきでまず考えて、そして、その方向性というものを3つの観点からもう1度見直して、何ができるんだろうといった事業領域みたいなものをさきに示しておいてから、では、これは資源の関係でできるできないと。  同じ結果になるかもしれないですけれども、何かそういった視点の違い、問題意識を逆転させることによって、この検証を貫く1つの評価軸みたいなものがあると、たたき台として、この委員会がそれを期待されているのかもしれませんが、そういうものがあると優先順位とか、何を素材として扱うのかといった議論の上で非常に議論しやすくなるのかと思います。  それはこの委員会でやるということであるのか、それとも先ほどの中長期という観点で何かもう既にあるのか。さらに、その上位概念であるビジョンみたいなものがあるのかということを、もしおありでしたらご説明していただきたいと思います。 ○政策経営部長 私どものご提案させていただいておりますのは、今のお話のちょうど真ん中のところ、資料3の真ん中のところだと思うんですけれども、具体にお願いしておりますのは、視点に対する行政と民間の役割分担、サービス提供体制のあり方、それから受益と負担につきまして、考え方をご提言いただければということで、そのために事業の具体的な数字等も含めてお出しするんですけれども、その前提にありますのは、今のお話のところがありますので、そこから先の委員会としてのやり方については、皆様方のほうでしていただければと思います。 ○白井委員長 ありがとうございます。  それでは、堀口委員。 ○堀口委員 80億円を頭に入れて考えていくということだと思うんですけれども、そうすると、今こちらに出されたことの中で、大体その何割ぐらいを考えていらっしゃるのか。結局、減らしていくわけですね。  それと、私が思うに、例えばさっき重複しているというお話があったんですけれども、高齢者と子どもたち、施設にしても、それからいろんなことを分けて考えていることが多いと思うんですね。だけれども、これは一緒にしてやったほうがいいというものがたくさんあると思うんですね。だから、そうしたら、それはすごく予算の削減にもなるし、それからお互いにとって、そちらのほうが将来的にすごくプラスになる考え方だと思うんですね。  施設とちょっと関係ないんですけれども、例えば防災なんかにしても、地域でいろいろ考えるわけですけれども、私のところなんかも、ほとんど周りは老人しかいないんです。その人たちだけでやっても、実際に起こったときには、青年、若い人たちと一緒にやらなければできないと思うんですね。だから、ふだんからそういうことを頭に入れて考えていくようなシステムが常々必要ではないかと思っていたんですね。それがたまたま今回のこれだと、無駄を省くことにもなると思うんですね。それを1つ提案したいと思っているんです。 ○財政課長 今回お願いしております素材とかで、財政状況で先ほど80億円というのが数字として頭に入ると、その何億円をここで出すのかと簡単に言いますね。そういうきっかけといいますか、この検証委員会そのもので何億円生み出すのかというような問題意識としてご提案しているわけですけれども、直接的にここで歳出カットということよりは、区には2000事業とか、非常にたくさんの事業がありますので、それを単純で全部仕分けといいますか、検証するわけにもいかず、一番最初にご説明しましたとおり、区の対応方針はご提案を受けてから区長が定めるとしています。  こういった視点で区の施策を検証すべきであるというご提言を受けて、それをまずは来年度予算に向けて、予算編成というのは各部からの要求で始まりますので、ご提言を受けたのを受けて、庁内にこういう視点でもう1回点検した上で要求なり、新たな施策を考えてくれという方針をご提言の後に区として定めさせていただくということだと思います。  その結果、財政担当としては、できるだけ財源不足を解消したいと思っておりますけれども、ただ、ご提言イコール何億円というようなことではないのかなと。あと、提言をいただければ、我々の内部努力も含めて取り組ませていただくことなのかと考えております。ですから、具体のご提言も当然あるかしれませんけれども、あとは区の役所の仕事の姿勢なり取り組みの指針として、横ぐしを刺すようなご提言もいただければ、それをもとに我々がみずからも検証させていただきたいという意味で、それを通じて財源不足も解消させていただきたいというような考え方でおります。 ○白井委員長 よろしゅうございますか。―それでは、平野委員、お願いします。 ○平野委員 まず、率直な印象で間違っているかもしれませんけれども、ざっくばらんに言って、逆に80億円というのがそんなに重い数字なのかなというのが、深刻に考えることはないのではないかなと。というのは、2500億円の歳入の中の80億円は即断すれば3%ぐらいだと思うんですね。  民間ベースで考えれば、0.3%ぐらいなどというのはどこでもやっていることでして、あと、これだけデフレ経済の中で、逆に物価が下がっているとか、これからいろいろどうなるかわかりませんけれども、現状としては全体で3%ぐらい節約するというのはそんなに―いや、甘いかもしれませんけれども、例えば夕張とかそういうところに比べれば、そんなに深刻ぶることはないのではないかというのが私の率直な印象です。ちょっとした工夫だけで、このくらいはできるのではないか。  ただ、区政というか区の財政、我々が国や何かの所得税とか全体としての中の問題とは別に、区の中だけを考えれば、例えば所得税がこれから上がるのではないかとか、いろいろなことがあるんですけれども、そういうことを考えると、もう少し気楽に考えていいのではないかというのが率直な印象なんですけれども、まず、私はそういう印象でした。 ○財政課長 夕張市の破綻をきっかけに財政健全化法というのを国がつくりました。全国自治体が同じ指標で健全度をはかる。決算でやるわけですけれども、ご指摘のとおり、それを見ますと、東京23区は非常に豊かです。そういう意味では、全国的に見れば、基金残高とか借金の高さ、あと、経常収支比率とか、いろいろ指標があるわけですけれども、非常に健全です。  一方で、健全な財政を前提に、今回、素材としても入れさせていただいていますけれども、大都市ならではの需要に対応するということもございますけれども、サービス自体が非常に高いといいますか、充実をしています。例えば先ほど中3まで子ども医療費がゼロと申し上げましたけれども、全国的にはそんなにやっていないです。予防接種の助成もそんなにやっていないのを、23区は比較的競い合って高サービスを提供していることがあります。  そういう意味で、まだ大丈夫だろうというのは、来年、再来年に破綻するというようなところ―破綻したら大変なわけで、考えてございません。ただ、先ほど民生費とか社会保障費の伸びのグラフをお示ししましたけれども、これまで歳入が伸びていた実態があるのが、もうそんなに伸びないだろう。世田谷区は人口が今ふえていますけれども、長い目で見ますとそのうち減少に転じる。  ただ、一方で、世田谷区も高齢化率が20%を超えますし、先ほど申し上げました学校も、コンクリートは老朽化する。構造的に貯金ができるような状況ではだんだんなくなってくるのではなかろうかという問題意識です。今までは、ある程度貯金ができる余裕の中で、非常に程度の高いサービスをご提供してきたのが維持できるのかというような問題意識です。  ですから、地方に行けば、公民館にお年寄りが集まれば、そこで触れ合い活動ができますけれども、都市部、世田谷区の場合、専用の施設をどうしても用意しようという発想になって、そういうサービスの提供をしてきている状況がございます。ですから、そういった発想自体、そういうレベルを維持するような考え方と、今後どのくらい歳入が確保していけるのかといったような、いわゆる石油ショックでどんと落ちましたけれども、あのときも回復が見込めたわけですが、それから税収がどんどんふえました。今回、この間、特別区税がほとんどふえていませんけれども、ああいう形で今後需要はふえるけれども、歳入は伸びる見込みは当面ないのではなかろうか。そういう中で、今のサービスを維持できるのかというような意味も含めて財源不足ということでご説明をしております。 ○白井委員長 ありがとうございます。では、熊倉委員。 ○熊倉委員 まず、私、一区民としまして、今すごく難しい話を皆様がされていて、80億円の財源不足と言われても本当に全くわからない状態、それが多いのか少ないのか、それすらもわからない状態で、ちょっとこの会議と意図が反してしまっては申しわけないんですけれども、区民の段階では本当にそのことは全く知らない状態なんですね。  それを区の方針としても、「せたがや」という広報紙が出ていたり、こういう会合を開いたり、区民に訴えてはいると思うんですけれども、そういうことが余り下のほうには伝わってきていないので、例えばの話で申しわけないんですけれども、素材3で見直すと言っている子どもの助成金を見直して、中学校3年生までのものを少し財源を減らすためになくしましょうということになったら、本当に一区民はどうしてというぐらいにしかならないと思うので、でも、この状況がわかれば、何となく納得できるということもあると思うのです。  そういうことを、区としては広報的なことをもっと区民に対してもサービスとして今後考えていらっしゃるのかどうかなのか。済みません、視点が全然違うかもしれないんですけれども、全くわからない私にとっては、すべてが難し過ぎて、その辺、区民のニーズにこたえるというのであれば、もうちょっとわかりやすい財政不足の伝え方も区は考えていらっしゃるのかどうなのか、ご質問したいんですけれども、よろしくお願いします。 ○政策経営部長 お手元にございます資料2の財政状況特集号でございますが、これは先月24日に発行させていただいております。この手のものをこういう形でお示しするというのは、近年では余りなかったんですけれども、今お話のとおり、区民の皆様方にも知っていただきたい。私どもは、区民代表である議会の皆様方も通じて、そういう話もさせていただいているところでございますけれども、その辺が区民の全体、84万人もいらっしゃるのですから、なかなか伝えづらいところがございまして、その努力はしていかなければいけないと思っております。  その上で、この委員会を通じていただいた提言なども、すぐにいろいろ発表といいますか、ホームページなども使いましていたしますので、そういう努力はしていきたいと思いますけれども、そういうことで、例えばこういうことのやり方も、もうちょっと工夫があるのではないのかということも言っていただいても構わないかと思っております。 ○白井委員長 よろしゅうございますか。―では、和田副委員長。 ○和田副委員長 これまでの質疑応答の中で大分理解が深まっておりますが、重複する点もあろうかと思いますけれども、2点ほど聞かせていただけたらと思っております。  先ほど渡辺委員から、住民の側からの逆照射みたいな形での視点の再検証ということも必要なのではないかというご指摘があって、視点として3つ出しておられますけれども、それをこの委員会である種の評価軸といったものを出す必要があるんだなということを質疑応答の中で大変感じた次第です。  そういう意味では、どなたかからご指摘がありました、例えば視点2のサービスの提供という点で質の問題が当然出てまいりますし、視点1の行政と民間の役割分担などというところでいいますと、専ら役割はどうなのかということになってしまうわけですが、これもどなたかからご指摘がありましたけれども、さまざまな施策の重複ということがあって、例えば視点1のものでいいますと、類似事業の例というのが出されております。こういったことの点検等もしなければいけないということもありますので、恐らく資料3に委員会としての評価軸のようなものが1つ入るべきなのかなということを大変感じております。これは質疑応答の中で感じた点です。  それから、きょうのご説明の中で、皆さんの一番ご疑問になった点、そして私も大変感じているのは、それぞれの素材の取り上げ、どういった根拠でというところがきょうのご説明だとちょっとわかりにくいなということを大変感じたところであります。素材がそれぞれ具体的に、生涯学習に係る施策、世田谷区の外郭団体、健康づくりの施策というような点を挙げて、そしてさらにまた具体的な検討の事業が挙げられているという構造になっておりますけれども、なぜ生涯学習なのか、さらにまたなぜ青年の家なのかというところの説明をもうちょっとご説明いただけたらということのお願いがあります。  その点とかかわって、次回、検証を進めるに当たって、こういった類似事業も含めた事例の検討がなされる際に、その辺のところをどこまでご説明していただけるのか。それと、数字的なものも含めて少し今後の展開にかかわってご説明いただけたらと思います。 ○政策経営部長 わかりづらいというご指摘で恐縮でございます。素材につきまして、それぞれ挙げさせていただいておりますけれども、私どもは、視点から見て具体的な事業も含めてそれが一番典型的な例なのかということでさせていただいたところでございます。したがいまして、これについては、当然資料は数値も含めてご用意いたしますけれども、加えましてご指摘をいただければ、類似事業についても数値等もお出しをさせていただきますので、言っていただければと思います。 ○和田副委員長 検討のときには、類似事業の例などもかなり資料提供もしていただけるということで……。 ○政策経営部長 させていただきます。 ○和田副委員長 そうすると、今回はこの素材だけれども、さらに次のといいますか、最終的な報告書の提言の中には、ここから導き出されてくる次の事業の検証みたいなことも当然入れ込んでもいいということでしょうか。 ○政策経営部長 それらも含めまして、素材として検討してもらったものを考え方ということで集約していただければと。私どもは全部フィードバックするつもりでおりますので、したがって、素材に挙げたものだけをお見せして、ほかは見せませんということはいたしません。 ○和田副委員長 わかりました。 ○白井委員長 よろしゅうございますか。ありがとうございます。  まだ若干お時間がございますので。 ○片田委員 今、副委員長からご指摘のあった点と絡むので、あわせて確認させていただきたいんですけれども、先ほど私が質問させていただいた中で、新たにふえる事業とか、旧来の事業で行政の役割、民間の役割が変わってきた、あるいは新たな主体が出てきたので、例えばサービスの提供のあり方ですとか役割分担というのを見直しましょうと。これはすごくよくわかるお話ですけれども、一方で、例えば社会保障費がふえてきている背景の中で、行政が中心となってやらざるを得ない事業というのも一方であるのかと思います。  今回の点検の中で、先ほど評価軸というお話がありましたし、この中でも視点という言葉が使われていると思います。資料1の中で「視点と素材」というところのAの記入で、素材の検討から導き出された視点について、類似する事業に生かしていくというお話になっているんですけれども、当然ここへ出てきた視点を生かしながら、ここは行政がやるべき、あるいは民間がやるべきというようなところで広げていっていただきたいとは思うんです。  今挙がっている素材が、行政みずからが必ずやらなければならないというような事業が必ずしも含まれていないのかと思っていまして、それは評価軸を全庁展開するといったときの裏返しで気をつけなければならないところなんですが、例えばここはもう民間の事業者が出てきているんだから民間に任せましょうという観点で取り組まなければいけませんとしても、中には障害児の育成、教育といったような問題というのは、ここで挙げております受益と負担とか行政と民間といった観点だけでは切れない問題だと思うんですね。  ともすると、ここで上がった評価軸にフィードバックをかけたときに、そういった本来行政がやるべき事業というものも誤って切ってしまうのではないかというようなところが危惧されるので、今回、評価軸をつくる範囲というんですか、できれば全体、事業に共通するものということで挙げていく必要があるとは思うんですけれども、ミニマムで行政がやらなければならない範囲と新たにふえる事業、あるいは旧来から事業の中で見直しが必要だと思われるものと分けたときに、後者の2点については対象となり得るとは思うんですが、前者についてはなかなか難しいのかなと思っております。そこについて、今回対象にするのかしないのか、行政が責任を持って、行政が主体としてやるべきというところを限定することもなかなか難しいのかなとは思うんですが、そこについてのお考えを伺いたいというのが1点。  もう1点は、今回の資料の中で資料3の視点2のサービス提供体制のところを参考にごらんいただきたいんですが、参考のところに外郭団体の分類として法定団体云々の記述があるんです。先ほど委員の方がご指摘いただいた中にもあったんですが、サービスの併合とか整理統合といったこと、あるいは建物の整理統合というようなことを考えていく上で、一方で切っても切れない問題として、国が定めている法律というのがあると思うんですね。例えば老人保健施設が健康分野に限って合築は許しますよというようなことが仮にあったといたしまして、それが今度教育分野で使えるのかとか、まちづくりで使えるのかというときには、やはり法制度的な制約が出てくる部分もあるのかなと。  そういったときに、ここで挙がった視点を世田谷区として法制度的には許されてはいない、例えば分けて建てなければならない、複数の多目的に利用することはできないという制限がかかっているものも含めて、区民、生活者の視点からすれば、それはあわせてやっていくべきではないか。横ぐしを通してやっていくべきではないかというような考えをご提示するところも範囲の中に含まれるのかどうかというところを教えていただければと思います。 ○政策経営部長 今、2点のお話でございますが、私が承った限りでは、1つは、法令上やらなければいけない義務の問題、2つ目は逆に法令上制約されているものについて、この委員会の中でどう整理するのかというふうに承りました。おっしゃるとおりでございまして、各事業につきまして、例えば学校教育などということはやらなければいけないことでございますので、それについてこれはやめますという話はございません。したがいまして、私どもが出させていただいた資料の中で、法令に準拠して半ば義務的なものと任意的なものという分け方をさせていただきました。逆に合築等の制限があるもの等につきましても、いろいろ例がございます。  そこで、ご検討に当たっては、私どもから、そこのところは、はっきりこれはこういう体制になっているんですよということのご案内をさせていただきますので、法令上、義務といいながら、やり方についてはお任せするとか、どこまでやるのはいいですよというものもあれば、はっきりこれはここまで必ずやらなければいけないというものもありますし、そこらは明確にさせていただきたいと思います。そうさせていただきます。 ○白井委員長 ありがとうございます。よろしゅうございますか。ほかにどなたか。江尻委員、いかがでございますか。 ○江尻委員 せっかく指名されましたので、私も今のお話のところと、それから事業の重複なのか、それとも共同なのかというところがはっきり区民にも見えないし、実際に事業を行っている区の方はわかっていらっしゃるのかもしれませんけれども、何か無駄だねと言われるけれども、実は無駄ではないというところの区分けが、やはり一般に生活している中ではわかりにくいというのはどうしてもあると思うんですね。普通に暮らしをしていますと、それが当たり前になってきてしまいますから、そこにはそれがあるとか、そこは二重三重にサービスを受けていても、それが当たり前なんだということがいわば前提になってきているところがあると思うんです。  こういう検証の委員会が立ち上がったということは、ある意味においては、その辺のところは第三者的に少し整理をしていくということも含めてやっていかないと、せっかく皆さんが時間を費やして集まって話し合いをしてというところが成果が最終的には出ていかないなと。要するに、区民にとってプラスの部分として残っていかないのではないかという危惧の部分があります。  区民側から見て大事だと思われるものを残していったり、区民の視点で物事を考えるのは当たり前のことなんですけれども、やはりそこは厳しく必要でないものは必要でないというところまで踏み込んでいくべきではないかなと私は思います。先ほどからのお話によりますと、ここで出したものがそのままストレートに予算に反映されるということではなく、そういう考え方もある、そういう視点もあるというところでもう1回もまれていくということを思えばこそ、より厳しいものを委員会としては提示していくところまでやらせていただきたいと思っておりますので、意見としてよろしくお願いいたします。 ○白井委員長 いかがでございますか、よろしゅうございますか。―ありがとうございます。  第1回目の質疑応答の関係で大変活発なご意見を賜りまして、ありがとうございました。時間の関係がございますので、この辺でまとめに入らせていただければと思っております。  今回、世田谷区政策検証委員会ということで、委員の皆さん、ご縁があってこういう場に参加をさせていただいております。実りある成果につながるような形で、今後の展開についてぜひご尽力をいただければと思っています。  さて、まとめでございますけれども、余裕のあるところに対しては、より寛大にというのが一般的なことでございます。余裕がある環境の中ではより厳しく、厳しい環境の中においてはより厳しくということでありますけれども、その中でも優しさというものがあって大きな展開に結びついていくのではないかと私自身は常々思っております。会社の経営をしておりますと、私ども、今、大変厳しゅうございますけれども、厳しい、厳しいということだけではだめなので、その中でいかに辛抱していくか、我慢強さということがあって、そこの中で前向きな先を見据えた取り組みというのは大変有意義だと思っております。  そのことを考えたときに一番大事なのは、今回、3つのテーマがございますけれども、現場をつかさどる立場の方が一番大変なんですね。その現場をつかさどる皆さんが常日ごろいろんなことを考えてご尽力をいただいていることがあるかと思いますけれども、やはりいつも展開している中ではなかなか気づくことも気づかないものが多くて、そのまま過ごしているということが日々の活動の中ではあるかと思いますけれども、そういうものに対して大きなヒントになるような提言ができればいいかと思っております。  さて、そういうことを考えたときに、本委員会の視点と素材ということにつきまして、このような形でまとめてみましたので、ちょっとご案内させていただきます。  1つ目の視点というのは、やはりご提言いただいています行政と民間の役割について、いろんな環境がありますけれども、その素材としての生涯学習事業、また具体的に青年の家、池之上青少年会館または世田谷市民大学というものが素材として挙がっています。やはり区民の皆さんにとって身近なテーマであろうかと思っております。これを1つ目の視点としてとらえております。  また、2つ目の視点は、どんな場合でも区民に対するサービスの提供というのは大変重要だと考えておりますけれども、特にその中で実務をつかさどる皆さんの中では、外郭団体との共同、コラボレーションというのをどうやってうまく推進していくことができるかどうか、これは非常に重要でございます。  そして、その素材の事業として、外郭団体の皆さんの力をいかに発揮させるか、発揮していただくか。それから、いかに区政、行政の取り組みに対しての成果としてつなげていくことができるかどうか、これが非常に重大だと思っています。加えて、具体的に世田谷サービス公社、また世田谷社会福祉事業団というものは、区民に対するサービスの提供、少子・高齢化社会の中での環境を考えたときに大変重要な課題だと考えております。  さて、3つ目の視点でございますけれども、受益と負担についてでございます。その素材として健康づくり、今、大変話題になっております健康づくり施設として、どのような環境をつくり上げることができるかどうか。そして、それを具体的な環境の中で考えたときに、がん検診であるとか、子どもの医療費の助成であるとか、いろんなものが絡んでくるかと思いますけれども、こういう地域住民の皆さんに対してのサービスの提供を含めた形で、受益と負担というものが大きな課題となっております。  区民の皆さんにとりましても、当然こういうものは行政としてやるべきだと思っていても、これは当たり前ということではなくて、やはり財源がなければできないことですから、その中で考えたときに、区民の皆さんにもいろんな面でご理解をいただけるような提言が必要なのかと思っておりますけれども、委員の皆さんにとってはいかがでございましょうか。  よろしゅうございますか。―それでは、今、私が申し上げました3つの環境について、これから区の関係の皆さんとの協議のテーマがありますけれども、この委員会の中で進めていくことができればと考えております。  さて、私からのお願いでございますけれども、これからこの委員会におきまして、より活発的な意見、またいろいろなご提言を進めていく上において、区からの情報資料の提供をぜひお願いしたいと思っております。また、補足的な説明等も含めて、ぜひご指導いただければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。  さて、きょうは第1回目の委員会でございますけれども、事務局から何か連絡事項等がありましたらご案内いただければと思いますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。 ○政策経営部長 活発なご議論、どうもありがとうございました。今後ともよろしくお願いしたいと思います。  次回以降でございますが、日程についてご提案をさせていただこうと思います。先ほど実施概要のところでも申し上げましたけれども、第2回と第3回の委員会におきまして、ただいまご決定いただきました視点と素材ということで検証作業をお願いしたいと存じております。第2回は6月19日土曜日10時から、ここは視点1と2について午前、午後でお願いをしたい。第3回は6月20日日曜日10時からで、視点3につきましては午前中、まとめについては午後というふうに考えてございますが、お願いしたいと思います。  今回の同様、資料も含めまして公開でさせていただきたいと思いますので、よろしゅうございますでしょうか。 ○白井委員長 はい。どうもありがとうございます。では、時間が迫ってきておりますけれども、委員の皆さん方におかれましては何か補足的にご案内をいただけることがありましたら。 ○和田副委員長 個々の委員の皆さんから資料提供にかかわって要望があったかと思いますので、できるだけの資料をそれに沿ってご用意いただけたらと重ねてお願い申し上げます。 ○白井委員長 ありがとうございました。  それでは、第1回目の政策検証委員会をこれで閉会とさせていただきます。委員の皆さんにはどうもお疲れさまでした。どうもありがとうございました。 午前11時53分閉会