世田谷区個人情報保護条例(案) (目的) 第1条 この条例は、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号。以下「法」という。)の施行に関し必要な事項を定めるとともに、区における個人情報の適正な取扱いについて必要な事項を定めることにより、区民の基本的人権の擁護と信頼される区政の実現を図ることを目的とする。 (定義) 第2条 この条例において「実施機関」とは、区長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員及び農業委員会をいう。 2 前項に規定するもののほか、この条例で使用する用語は、法及び個人情報の保護に関する法律施行令(平成15年政令第507号。以下「政令」という。)で使用する用語の例による。 (素案)からの変更点に係る説明 表現の精査 (実施機関等の責務) 第3条 実施機関は、個人情報を収集し、管理し、又は利用し、若しくは提供するに当たっては、区民の基本的人権を尊重するとともに、個人情報の保護を図るため必要な措置を講じなければならない。 2 区は、法第66条に規定する措置を行うため、規則で定めるところにより必要な基準を整備しなければならない。 (素案)からの変更点に係る説明 表現の精査(第2項の基準の整備は実施機関ごとでなく、区として一括で行う。) (世田谷区情報公開・個人情報保護審議会への意見聴取等) 第4条 実施機関は、次の各号のいずれかに該当する場合において、個人情報の適正な取扱いを確保するため専門的な知見に基づく意見を聴くことが特に必要であると認めるときは、世田谷区情報公開・個人情報保護審議会条例(平成4年3月世田谷区条例第3号)第1条に規定する審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴くものとする。 (1)この条例の規定を改正し、又は廃止しようとする場合 (2)前条第2項に規定する基準を策定し、又は改廃しようとする場合 (3)前2号に掲げるもののほか、個人情報の取扱いに関する運用上の細則を定めようとする場合 2 実施機関は、次の各号のいずれかに該当する場合において、審議会にその報告をするものとする。 (1)法第66条に規定する措置その他個人情報保護に関する取組のうち規則で定めるものを行った場合 (2)法第68条第1項の規定により個人情報保護委員会に保有個人情報の漏えい等について報告した場合 (素案)からの変更点に係る説明 表現の精査(「規則で定める」の範囲の明確化(第2項第1号)等) (総括個人情報保護管理者の設置等) 第5条 区は、個人情報の適正な管理及び保護に関する事務を総括するため、総括個人情報保護管理者を置くものとする。 2 総括個人情報保護管理者は、個人情報の適正な管理及び保護の実施を図るため、職員の研修等必要な措置を講じなければならない。 3 実施機関は、個人情報の適正な管理及び保護の実施を図るため、個人情報保護管理者を設置しなければならない。 4 個人情報保護管理者は、その職務を補佐する者として、個人情報保護担当者を指定し、保有個人情報の管理及び保護に関する事務を担当させるものとする。 5 区は、個人情報の管理の状況について監査するため、個人情報保護監査責任者を置くものとする。 (素案)からの変更点に係る説明 表現の精査(「区」を主語に変更した(第1項及び第5項)。また、「安全」と「保護」で意味が重複するため、「安全保護」から「保護」へ変更した(第1項から第3項まで)。) 個人情報の保護体制の全体像を示すため、個人情報保護担当者についても規定することとした(第4項)。 (条例要配慮個人情報) 第6条 法第60条第5項の条例で定める記述等は、次に掲げる記述等とする。 (1)国籍についての記述等 (2)世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例(平成30年3月世田谷区条例第15号。次号において「多様性条例」という。)第2条第6号に規定する性的マイノリティについての記述等 (3)多様性条例第2条第7号に規定するドメスティック・バイオレンスについての記述等 (素案)からの変更点に係る説明 新たに条例要配慮個人情報に関する規定を設けた。 参考 要配慮個人情報(法第2条第3項) 人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪歴等 (条例個人情報ファイル簿) 第7条 実施機関は、その保有する法第74条第2項第9号に掲げる個人情報ファイルについて、それぞれ同条第1項第1号から第7号まで、第9号及び第10号に掲げる事項その他政令で定める事項並びに記録情報に条例要配慮個人情報が含まれているときは、その旨を記載した帳簿(次項において「条例個人情報ファイル簿」という。)を作成し、公表しなければならない。 2 法第75条第2項及び第3項の規定は、条例個人情報ファイル簿の作成及び公表について準用する。この場合において、同条第2項第1号中「前条第2項第1号から第10号まで」とあるのは、「前条第2項第1号から第8号まで及び第10号」と読み替えるものとする。 (素案)からの変更点に係る説明 新たに1,000人未満の個人情報ファイルについて、個人情報ファイル簿と同等の内容の帳簿を条例個人情報ファイル簿として作成・公表する規定を設けた。 (開示決定等の期限) 第8条 開示決定等は、開示請求があった日から15日以内にしなければならない。 ただし、法第77条第3項の規定により補正を求めた場合にあっては、当該補正に要した日数は、当該期間に算入しない。 2 前項の規定にかかわらず、実施機関は、事務処理上の困難その他正当な理由があるときは、同項に規定する期間を15日以内に限り延長することができる。 この場合において、実施機関は、開示請求者に対し、遅滞なく、延長後の期間及び延長の理由を書面により通知しなければならない。 3 開示請求に係る保有個人情報が著しく大量であるため、開示請求があった日から30日以内にその全てについて開示決定等をすることにより事務の遂行に著しい支障が生ずるおそれがある場合には、前2項の規定にかかわらず、実施機関は、開示請求に係る保有個人情報のうちの相当の部分につき当該期間内に開示決定等をし、残りの保有個人情報については相当の期間内に開示決定等をすれば足りる。 この場合において、実施機関は、第1項に規定する期間内に、開示請求者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。 (1)この項を適用する旨及びその理由 (2)残りの保有個人情報について開示決定等をする期限 (素案)からの変更点に係る説明 表現の精査 (開示請求に係る手数料及び費用負担) 第9条 法第89条第2項の規定により納付しなければならない手数料の額は、無料とする。 2 保有個人情報の写しの作成及び送付に要する費用は、開示請求者の負担とする。 3 前項の費用については、区長が別に定める。 (訂正決定等の期限) 第10条 訂正決定等は、訂正請求があった日から15日以内にしなければならない。 ただし、法第91条第3項の規定により補正を求めた場合にあっては、当該補正に要した日数は、当該期間に算入しない。 2 前項の規定にかかわらず、実施機関は、事務処理上の困難その他正当な理由があるときは、同項に規定する期間を15日以内に限り延長することができる。 この場合において、実施機関は、訂正請求者に対し、遅滞なく、延長後の期間及び延長の理由を書面により通知しなければならない。 3 実施機関は、訂正決定等に特に長期間を要すると認めるときは、前2項の規定にかかわらず、相当の期間内に訂正決定等をすれば足りる。 この場合において、実施機関は、第1項に規定する期間内に、訂正請求者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。 (1)この項を適用する旨及びその理由 (2)訂正決定等をする期限 (素案)からの変更点に係る説明 表現の精査 (利用停止決定等の期限) 第11条 利用停止決定等は、利用停止請求があった日から15日以内にしなければならない。 ただし、法第99条第3項の規定により補正を求めた場合にあっては、当該補正に要した日数は、当該期間に算入しない。 2 前項の規定にかかわらず、実施機関は、事務処理上の困難その他正当な理由があるときは、同項に規定する期間を15日以内に限り延長することができる。 この場合において、実施機関は、利用停止請求者に対し、遅滞なく、延長後の期間及び延長の理由を書面により通知しなければならない。 3 実施機関は、利用停止決定等に特に長期間を要すると認めるときは、前2項の規定にかかわらず、相当の期間内に利用停止決定等をすれば足りる。 この場合において、実施機関は、第1項に規定する期間内に、利用停止請求者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。 (1)この項を適用する旨及びその理由 (2)利用停止決定等をする期限 (素案)からの変更点に係る説明 表現の精査 (実施状況の公表) 第12条 区長は、毎年1回、実施機関による保有個人情報の管理等の状況を取りまとめ、公表しなければならない。 (国等への要請) 第13条 区長は、個人情報の保護を図るため必要があると認めるときは、国、他の地方公共団体等に対し、適切な措置をとるよう要請するものとする。 (素案)からの変更点に係る説明 表現の精査(素案では要請先として記載していた個人情報保護委員会は国の機関であり、「国」と重複していたため削除した。) (委任) 第14条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。 (素案)からの変更点に係る説明 表現の精査 附則 (施行期日) 第1条 この条例は、令和5年4月1日から施行する。 (経過措置) 第2条 次に掲げる者に係るこの条例による改正前の世田谷区個人情報保護条例(以下「旧条例」という。)第3条第2項及び第13条第2項の規定による職務上又はその業務に関して知り得た旧条例第2条第4号に規定する個人情報等(以下「旧個人情報等」という。)をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に使用してはならない義務については、この条例の施行後も、なお従前の例による。 (1)この条例の施行の際、現に旧条例第2条第2号に規定する実施機関(以下「旧実施機関」という。)の職員である者又はこの条例の施行前において旧実施機関の職員であった者のうち、この条例の施行前において旧個人情報等の取扱いに従事していた者 (2)この条例の施行前において旧実施機関から旧個人情報等の取扱いの委託を受けた業務に従事していた者 2 この条例の施行の日前に旧条例第19条、第29条又は第36条の規定による請求がされた場合における当該請求に係る手続については、なお従前の例による。 3 次に掲げる者が、正当な理由がないのに、この条例の施行前において旧実施機関が保有していた個人の秘密に属する事項が記録された旧条例第2条第7号に規定する電子個人情報ファイル(その全部又は一部を複製し、又は加工したものを含む。)をこの条例の施行後に提供したときは、2年以下の懲役又は1,000,000円以下の罰金に処する。 (1)この条例の施行の際、現に旧実施機関の職員である者又はこの条例の施行前において旧実施機関の職員であった者 (2)第1項第2号に掲げる者 4 前項各号に掲げる者が、その業務に関して知り得たこの条例の施行前において旧実施機関が保有していた旧条例第2条第7号に規定する保有個人情報等をこの条例の施行後に自己若しくは第三者の不正な利益を図る目的で提供し、又は盗用したときは、1年以下の懲役又は500,000円以下の罰金に処する。 5 この条例の施行により旧条例の規定がその効力を失う前にした違反行為の処罰については、その失効後も、なお従前の例による。 6 この附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの条例の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 (素案)からの変更点に係る説明 新たに旧条例から新条例に切り替える際の経過措置に関する規定を設けた。 @旧条例時に業務上知り得た個人情報を適切に取り扱う義務を条例切替後も継続 A条例切替前に行われた開示請求等は旧条例により処理 B条例切替前の保有個人情報を条例切替後に不適切に提供した場合に適用する罰則 C条例切替前の保有個人情報を条例切替後に不正な利益目的で提供等した場合に適用する罰則 D旧条例違反行為への旧条例の適用 E旧条例違反による罰則の効力の継承 素案から削除した条項 (開示請求の手続) 第6条 法第76条の規定に基づき開示請求をしようとする者は、実施機関に対して法第77条第1項各号に掲げる事項のほか、規則で定める事項を記載した開示請求書を提出しなければならない。 (訂正請求の手続) 第9条 法第90条の規定に基づき訂正請求をしようとする者は、実施機関に対して法第91条第1項各号に掲げる事項のほか、規則で定める事項を記載した訂正請求書を提出しなければならない。 (利用停止請求の手続) 第11条 法第98条の規定に基づき利用停止請求をしようとする者は、実施機関に対して法第99条第1項各号に掲げる事項のほか、規則で定める事項を記載した利用停止請求書を提出しなければならない。 (素案)からの変更点に係る説明 国の示した請求書の標準様式を精査した結果、区として独自の記載事項を設ける必要がないことが判明したため、区として独自の記載事項を設けるとした各規定を削除した。