世田谷区耐震改修促進計画 令和3年4月 はじめに 世田谷区では、区民が安心して暮らせるまちの実現に向け、平成19年に「世田谷区耐震改修促進計画」を策定しました。 今後、発生が予想されるマグニチュード7クラスの首都直下地震に備えるためにも、耐震化の促進は行政が取り組むべき喫緊の課題です。これまでも世田谷区では、区民への情報提供を行い、普及啓発のために関係機関との連携に取り組むとともに、幅広い助成制度を用意し、建築物やブロック塀などの耐震化の促進に積極的に取り組んできました。 昭和56年5月以前に建てられた旧耐震建築物は首都直下地震により倒壊する可能性が高いと言われています。現在、世田谷区内には未だ4万棟を超える旧耐震基準の木造住宅があります。建築物の倒壊は、緊急時に道路の閉塞を招き、避難救助活動やその後の復旧・復興活動にも影響を与え、区民の方々の命に関わる問題です。 国も東京都も、そして本計画においても、この課題について「耐震性が不十分な住宅をおおむね解消する」という目標を立て、全力で取り組んでおりますが、地震による危険性は捉えづらく、危険性が理解されたとしても所有者に多額の費用負担がかかるため、十分に耐震化が進んでいない状況です。 また、特定緊急輸送道路沿道建築物において、法で義務付けられている耐震診断すら未だに実施されない建築物もあり、耐震化の促進には、区民や所有者の一層のご理解とご協力が必要です。 本計画も今回3度目の改定を迎えるに当たって、これまでの対応を抜本的に変える必要性に迫られている岐路にもある中で、さらなる普及啓発と支援事業の拡充を示しております。世田谷区の重点政策のひとつである「安全で災害に強いまちづくり」の実現に向けて、区民、事業者、区の協働のもと、耐震化の促進に取り組んでまいります。 令和3年4月 世田谷区長  目次 第1章 計画の概要 4 1. 目的と背景 4 (1)計画の目的 4 (2)改定の背景 4 2. 位置づけ 6 3. 計画期間 6 4. 対象建築物 7 5. 想定する地震の規模・被害の状況 8 第2章 耐震化の現状と目標 9 1. 耐震化の現状 9 (1) 住宅の耐震化の現状 9 (2) 特定建築物の耐震化の現状 10 (3) 特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化の現状 11 (4) 防災上重要な区公共建築物の耐震化の現状 15 2. 耐震化の目標 16 (1) 住宅の耐震化の目標 17 (2) 特定建築物の耐震化の目標 17 (3) 特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化の目標 17 (4) 防災上重要な区公共建築物の耐震化の目標 17 第3章 区の耐震化支援事業 18 1. 基本的な取組方針 18 (1) 基本的な考え方 18 (2) 耐震化の促進に向けての取組方針 18 2. 建築物の耐震化支援 19 (1) 木造住宅の耐震化支援 19 (2) 非木造建築物の耐震化支援(特定緊急輸送道路沿道建築物を除く) 20 (3) 特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化支援 22 (4) ブロック塀等の耐震化支援 24 3. 耐震化促進のための普及啓発 25 (1) 耐震化への意識啓発 25 (2) 建築物の所有者への耐震化の情報提供 26 (3) 関係機関及び地域住民等との連携 27 4. 総合的な安全対策 29 (1) 家具転倒防止器具の取付支援 29 (2) 耐震シェルター等の設置支援 29 (3) 窓ガラス・天井等落下防止対策 30 (4) エレベーター内の閉じ込め防止対策 30 (5) 建築物の敷地の安全対策 30 (6) 感震ブレーカー等の普及啓発 31 (7) 保安上危険な建築物等への対策 31 (8) 耐震性能検証法の案内 31 資料編 32 資料1 用語の解説 32 資料2 特定既存耐震不適格建築物一覧表 37 資料3 耐震関係年表 〜戦後の大きな被害を出した地震〜 38 資料4 東京都の特定緊急輸送道路沿道建築物における目標設定 40 資料5 東京都緊急輸送ネットワークにおける世田谷区内指定拠点一覧表 50 資料6 世田谷区地震防災マップ(揺れやすさマップ) 51 資料7 世田谷区地震防災マップ(地域の危険度マップ) 52 資料8 各まちづくりセンターの担当区域ごとの新耐震と旧耐震の棟数 53 第1章 計画の概要 1. 目的と背景 (1)計画の目的 世田谷区では、災害に強いまちの実現をめざし、平成19年7月に「世田谷区耐震改修促進計画」(以下「本計画」という。)を策定し、平成23年9月及び平成28年3月に改定を行い、令和2年度までを計画期間として建築物の耐震化に取り組んできました。 この間、東日本大震災を教訓に国の中央防災会議によって設置された「首都直下地震対策検討ワーキンググループ」が平成25年にまとめた最終報告では、「今後30年の間にマグニチュード7クラスの地震が発生する確率は70%にのぼり、人的・物的被害は甚大なものになる」と指摘しています。 本計画は、首都直下地震をはじめとした地震による建築物の倒壊に伴う被害を防ぎ、区民の生命と財産を守り、災害に強く復元力をもつまちを実現するために、建築物の耐震化を計画的かつ総合的に促進することを目的とします。 (2)改定の背景 国は平成28年3月に「建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための基本的な方針(平成18年国土交通省告示第184号)」を改正し、「住宅の耐震化率及び多数の者が利用する建築物の耐震化率について、令和2年までに少なくとも95%にすることを目標とするとともに、令和7年までに耐震性が不十分な住宅をおおむね解消すること」とする新たな目標を提示しました。 平成28年4月に震度7を2度観測した熊本地震は、旧耐震基準の木造建築物の倒壊率の高さを示し、これらの建築物の耐震化の必要性を改めて認識させました。 平成30年6月に起きた大阪府北部地震では、ブロック塀等の倒壊被害が生じ、このことをきっかけとして「建築物の耐震改修の促進に関する法律」(以下「耐震改修促進法」という。)が改正され、施行令第4条の通行障害建築物の要件に、建築物に付属する組積造の塀が追加されました。 東京都は令和2年3月に「東京都耐震改修促進計画」の一部を改定し、特定緊急輸送道路沿道建築物において総合到達率及び区間到達率という新たな指標を用いた目標を提示するとともに、組積造の塀に関して新たな方針を示しました。令和3年3月には中間段階の目標年次を迎える住宅や特定建築物(多数の者が利用する一定規模以上の建築物)等について、耐震化の目標や施策等を定めました。 国や都などの動向を捉え、これまでの実績及び成果を検証し、関連計画と整合を図り、区が掲げている「安全で災害に強いまちづくり」を実現するために本計画の改定を行いました。? ■主な経緯 (平成7年阪神淡路大震災以降の耐震にからむ法制度等の経緯を記載) 2. 位置づけ 本計画は、耐震改修促進法第6条第1項の規定により市町村の策定する計画として位置づけられており、同法第5条第1項の規定により都道府県の策定する「東京都耐震改修促進計画」に基づき策定するものです。 また、世田谷区街づくり条例第10条に基づき、「世田谷区都市整備方針」に定める街づくりに関する目標を実現するための分野別整備方針のひとつとして定めるものです。 ■世田谷区耐震改修促進計画の位置づけ 3. 計画期間 本計画の計画期間は、令和3年度から令和7年度までとします。 4. 対象建築物 本計画において、対象とする建築物は、原則として区内の建築基準法(昭和25年法律第201号)における新耐震基準(昭和56年6月1日施行)導入前に着工した以下に示す建築物とします。 ■本計画における対象建築物 対象建築物の分類 内容 備考 住宅 ○戸建住宅、共同住宅、長屋、店舗併用住宅 (都区営住宅等含む) 特定建築物 特定既存耐震 不適格建築物 ○多数のものが利用する一定規模以上の建築物(資料編 資料2参照) ○特定緊急輸送道路以外の緊急輸送道路の沿道建築物のうち、通行障害既存耐震不適格建築物であるもの 耐震改修促進法第14条に定める建築物 要緊急安全確認 大規模建築物 ○地震に対する安全性を緊急に確かめる必要がある大規模な建築物 [耐震診断義務付け建築物] 耐震改修促進法附則第3条第1項に定める建築物 要安全確認 計画記載建築物 ○特定緊急輸送道路の沿道建築物のうち、通行障害既存耐震不適格建築物であるもの(以下「特定緊急輸送道路沿道建築物」という。) [耐震診断義務付け建築物] 耐震改修促進法第7条第1項に定める建築物 防災上重要な 区公共建築物 ○世田谷区地域防災計画に定める区公共建築物 ・災害対策本部および災対地域本部が設置される庁舎 ・避難所となる学校、その他災害時応急対策に必要な施設 ○不特定多数の者が利用する施設 (国、東京都所有の建築物は除く) 組積造の塀 〇特定緊急輸送道路に敷地が接する建築物に付属する一定規模以上の組積造の塀(補強コンクリートブロック造の塀を含む。) [耐震診断義務付け建築物] 耐震改修促進法第7条第1項に定める建築物 5. 想定する地震の規模・被害の状況 本計画では、「東京都耐震改修促進計画」との整合を図るため、「首都直下地震等による東京の被害想定」(東京都防災会議地震部会 平成24年4月18日公表)の東京湾北部地震(M7.3)を想定する地震としており、世田谷区においても甚大な被害が想定されます。 ■首都直下地震における世田谷区の被害想定 第2章 耐震化の現状と目標 1. 耐震化の現状 (1) 住宅の耐震化の現状 住宅の耐震化を向上させることは、地震による建築物の倒壊から区民の生命と財産を守るだけでなく、その後の速やかな復興にもつながり、市街地の防災性の向上に資するものです。 住宅・土地統計調査等の集計値を基に算出した令和2年度末時点の推計値では、区内の住宅総数は約48万戸あり、そのうち約45万戸、全体の93.4%が耐震性を満たしていると見込まれています。本計画が改定された平成27年度末から令和2年度末までの期間で耐震化率は6.4ポイント増加したものと推定されます。 ■住宅の耐震化率の推移 【令和2年度末の住宅の耐震化率の算出方法】 新築された住宅戸数について、平成26年度から平成30年度までの建築確認申請に伴う建築計画概要書の届出数の集計を行い、標本調査である平成30年住宅・土地統計調査の推計値と比較したところ開きがありました。 そのため、令和2年度末時点の耐震化率は、平成25年住宅・土地統計調査をもとに、平成26年度以降の建築計画概要書の新築戸数を積み上げる方法等を用いて算出しています。 また、従来の算定方式から国の「住宅・建築物の耐震化率のフォローアップのあり方に関する研究会」において示された算定方式への変更を行いました。 (2) 特定建築物の耐震化の現状 多くの区民が利用する一定規模以上の建築物が倒壊した場合、その利用者が被害を受けるだけでなく、倒壊により避難や消火活動に支障をきたす可能性があります。また、企業の事業継続が困難になるなど経済活動にも大きな影響が生じることからも、着実に耐震化を図る必要があります。 特定建築物は、区内に令和元年度末時点で840棟あり、そのうち769棟、全体の91.5%が耐震性を満たしていると推計しています。平成27年度末から令和元年度末で耐震化率は9.3ポイント増加しました。 用途別では、遊技場の耐震化率が60%以下となっており耐震化が遅れています。 要緊急安全確認大規模建築物は特定建築物のうち一定規模以上の建築物が対象となり、耐震改修促進法で平成27年12月末を期限に耐震診断結果の報告が義務付けられています。対象となる建築物の所有者に耐震診断の実施を働きかけ、すべての建築物で耐震診断結果の報告が完了しています。令和元年度末時点で要緊急安全確認大規模建築物は区内に19棟あり、耐震性を満たす建築物は17棟となっています。 ■特定建築物の用途別の棟数と耐震化率(令和元年度末時点) 単位:棟 特定建築物用途 合計 耐震性が不十分・不明 耐震性を満たす 耐震化率 幼稚園・保育所 89(1) 7 82(1) 92.1% 私立学校(校舎・体育館・講堂等) 284(9) 20 264(9) 93.0% 老人ホーム等 107(1) 1 106(1) 99.1% 福祉センター等 10 0 10 100% 運動施設 9 0 9 100% 病院・診療所 40(2) 8 32(2) 80% 映画館・劇場等 1 0 1 100% 集会場・公会堂 6 0 6 100% 展示場 6 1 5 83.3% 物販店 99(4) 15(2) 84(2) 84.8% ホテル・旅館 7 1 6 85.7% 事務所 122(1) 6 116(1) 95.1% 遊技場 14 6 8 57.1% 公衆浴場 1 0 1 100% 飲食店 25 5 20 80% サービス業を営む店舗 14 1 13 92.9% 自動車車庫 6(1) 0 6(1) 100% 計 840(19) 71(2) 769(17) 91.5% (3) 特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化の現状 震災時の救急・救命活動や緊急支援物質の輸送など緊急輸送道路としての機能を確保するために、緊急輸送道路の沿道建築物のうち、倒壊する危険性が高く、倒壊した場合に道路を閉塞する可能性が高い建築物を耐震化する必要があります。 都は平成23年3月に、「東京における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例」を制定し、4月に施行した後、緊急輸送道路のうち特に沿道の耐震化を推進する必要のある道路を「特定緊急輸送道路」として6月に指定しました。 特定緊急輸送道路指定時点で特定緊急輸送道路に敷地が接し、高さの要件に該当する建築物は、区内に926棟ありました。平成27年度末から令和2年12月までの期間で32棟の耐震化が進み、耐震性を満たす建築物は787棟となり、耐震化率は78.2%から85.0%、6.8ポイント増加しました。 区は、都と連携し特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化について重点的かつ集中的に取り組んでおり、平成30年3月から耐震改修促進法第9条に基づき、耐震診断結果の公表を行いました。さらに、同法第8条第1項に基づき未診断の建築物の所有者に対し耐震診断結果を報告するよう命令を行いました。平成30年3月時点で耐震診断結果の報告が完了していない建築物は17棟ありましたが、個別に面談等を行うなど対応を重ねた結果、9棟が命令等に応じました。 ■特定緊急輸送道路沿道の建築物の耐震化状況(令和2年12月末時点) 【東京都耐震改修促進計画による指標の変更】 令和2年3月に東京都は「東京都耐震改修促進計画」の一部改定を行いました。この改定の中で、特定緊急輸送道路沿道建築物について、総合到達率及び区間到達率(資料編 資料4参照)という指標が示されました。 ■特定緊急輸送道路における区内の区間到達率(令和2年12月末時点) ■緊急輸送道路・沿道耐震化道路 路線図 ■特定緊急輸送道路沿道建築物(耐震改修促進法施行令第4条第1号関連) 特定緊急輸送道路に敷地が接する建築物のうち、次の全てに該当する建築物が特定緊急輸送道路沿道建築物になります。 ・新耐震基準(昭和56年6月1日施行)導入より前に建築された建築物 ・高さが概ね前面道路幅員の1/2以上(前面道路幅員が12m以下の場合 は、6m以上)の建築物 ■通行障害建築物となる組積造の塀(耐震改修促進法施行令第4条第2号関連) 特定緊急輸送道路に敷地が接する建築物に付属する組積造の塀のうち、前面道路に面する部分の長さが25mを超え、かつ、その前面道路に面する部分のいずれかの高さが、当該部分から当該前面道路の境界線までの水平距離に当該前面道路の幅員の2分の1に相当する距離を加えた数値を2.5で除して得た数値を超えるブロック塀等であって、建築物に付属するもの。 ※診断義務付けの対象に該当する組積造の塀は区内にはありません。 (4) 防災上重要な区公共建築物の耐震化の現状 公共建築物は多くの区民に利用されるとともに災害時の活動拠点や避難施設などとして重要な役割を担っています。また、公共建築物を耐震化することは、民間建築物の耐震化を進めていく上で先導的な役割を果たします。 防災上重要な区公共建築物は令和2年度末時点で区内に608棟あり、そのうち572棟、94.1%が耐震性を満たしていますが、一方で小中学校32棟、その他の区公共建築物4棟が耐震性を満たしていません。 防災上重要な区公共建築物のうち耐震性を満たしていない建築物は順次耐震改修工事等を行い平成22年度末に耐震化率100%を達成していました。 しかし、過去に行った耐震診断方法の検証を平成30年度までに行ったところ、学校の校舎等で構造特性に適合しない診断方法を採用していたことがわかりました。そのため、校舎等の構造特性に合った診断方法を適用して再度診断を行ったところ、耐震性が不十分な建築物があることが判明したため、現状は耐震改修が必要な建築物が残っています。 ■耐震改修事例 区立用賀中学校 2. 耐震化の目標 区は、平成19年に本計画を策定し、国や東京都に先駆けて住宅の耐震化率95%を目標に掲げ、耐震化の促進を図るため普及啓発並びに耐震診断及び耐震改修等の支援に取り組んできました。 この間、東日本大震災や大阪府北部地震など大きな地震が続き、耐震改修促進法も改正される中で、国及び東京都における耐震化の目標が改定され、さらなる耐震化の促進の必要性が示されました。 本計画の策定から10年以上が経過し、計画を見直すにあたり、目標設定についても改めて国及び東京都の基準や考え方を確認し、耐震改修促進法に基づき目標を定めました。 (1) 住宅の耐震化の目標 令和2年度までの目標値である耐震化率95%から、さらに耐震化を促進し、令和7年度末までに耐震性が不十分な住宅をおおむね解消することをめざし、住宅地の安全性の確保に努めます。 (2) 特定建築物の耐震化の目標 特定建築物のうち民間が所有する建築物については、これまでの目標を継続し令和7年度末までに耐震化率95%の達成をめざし、耐震化の促進に努めます。 (3) 特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化の目標 「東京都耐震改修促進計画」において、特定緊急輸送道路の通行機能を的確に表せる区間到達率及び総合到達率の指標を用いた目標が示されています。 区においても令和7年度末までに「東京都が指標として示す総合到達率99%以上、かつ、区間到達率95%未満の解消」をめざします。 到達率は、都内すべての特定緊急輸送道路沿道の建築物の耐震性をもとに東京都が算出しているため、東京都と連携し実現に向け目標達成に努めます。 また、耐震診断結果の報告が完了していない8棟の建築物の所有者に対し、個別訪問を行うなどの対応により、法で定める耐震診断結果の報告が行われるように努めます。 (4) 防災上重要な区公共建築物の耐震化の目標 防災上重要な区公共建築物のうち耐震性が不十分な36棟については、大規模改修など個別の状況を考慮しつつ、できるだけ早期に耐震化率100%の達成をめざします。 第3章 区の耐震化支援事業 1. 基本的な取組方針 (1) 基本的な考え方 耐震化の推進は、次のような考え方に基づいて行います。 建築物の耐震化は、建築物の所有者が自らの問題、地域の問題として認識し、所有者が主体的に取り組むことを原則とします。 区は、区民の生命・財産を守るため、所有者の取組みをできる限り支援するという観点から、所有者が耐震化を行いやすい環境の整備や経済的負担の軽減のために必要な技術的・財政的な支援を行います。 区は、国・都及び関係団体等と連携して、耐震化の促進に取組み、普及啓発と耐震化助成を効果的に組み合わせることにより、所有者の自主的な耐震改修及び除却・建替えを促します。 (2) 耐震化の促進に向けての取組方針 区は、地震による災害から区民の生命と財産を守るために、耐震化の支援として耐震診断及び耐震改修等に対する費用の助成を行ってきました。 旧耐震基準の木造住宅は、築40年を経過し老朽化が進んでいるものが多いことから、これまでの耐震改修の促進だけでなく、建替えへの誘導を図るなど、多様な手法で耐震化を促進します。 非木造建築物も木造住宅同様に老朽化が進んでいる他、法改正等により、同規模の建築物が建築できないことや、分譲マンションなど権利者が複数に及ぶ場合の合意形成が困難であるなど、建替えを行う場合、木造住宅以上に課題が多数あります。建替えが難しい建築物の耐震改修を進めるために、現行の耐震改修支援制度を強化するなど、耐震化を促進します。 地震発生時の建築物倒壊による道路閉塞を防ぎ、緊急車両の通行経路及び住民の避難路を確保するため、都が指定する「緊急輸送道路」及び区が指定する「沿道耐震化道路」の沿道建築物について、重点的に耐震化を促進します。 これらのことを踏まえ、区内全域の建築物の耐震化を進めることと、道路の通行機能を失わないよう沿道建築物の倒壊による道路閉塞を防ぐ対応を進めることで、地震に強い街づくりの実現に向け取り組みます。 2. 建築物の耐震化支援 (1) 木造住宅の耐震化支援 @ これまでの取組実績と課題 区は旧耐震基準の木造住宅の所有者に対して、耐震診断を無料で実施する支援事業と、補強設計及び耐震改修等の費用の一部を助成する事業を実施しています。加えて、区の耐震診断を受け、耐震改修が必要な所有者に対して耐震改修に関するアドバイスや簡易補強設計を行う訪問相談を無料で実施しています。 平成28年世田谷区土地利用現況調査によると、区内に旧耐震基準の木造建築物が約4.4万棟残っています。 住宅の耐震化率の目標達成に向けて、耐震改修等においては、経済的な負担軽減のため、平成30年度から令和2年度までの期間に、助成金上限額に30万円の増額、身体障害者等へはさらに20万円の増額を実施しています。平成30年度及び令和元年度の申請のうち、増額があったため耐震改修を行った事例もあり、増額の効果があったものと考えられます。 一方で、耐震改修等の助成を受ける条件として、建築基準法等の不適合部分の是正を求めており、是正が困難であるために助成が受けられない建築物があります。この課題の解決策のひとつとして、令和2年度より除却助成制度を開始しました。支援制度に除却助成を加え、耐震改修及び建替えを促進することで耐震化率の向上を図っています。 ■耐震化支援事業の実績 A 今後の取組み (2) 非木造建築物の耐震化支援(特定緊急輸送道路沿道建築物を除く) @ これまでの取組実績と課題 鉄筋コンクリート造及び鉄骨造等の建築物などが対象となり、耐震診断、補強設計及び耐震改修の助成事業を行っています。また、分譲マンションに対し耐震診断及び耐震改修を円滑に進めていくために、無料で建築士等を派遣するアドバイザー派遣制度を実施しています。 耐震診断については、令和元年度末時点までの累計で216棟の助成実績がありますが、補強設計は22棟、耐震改修は16棟と耐震診断から補強設計及び耐震改修に進む割合が低くなっています。 主な助成対象である分譲マンションでは、建築物の耐震性能を示すIs値が低いほど耐震改修が大掛かりになり、区の助成を受けても1棟当たりの助成上限額が決まっているため、自己負担額が大きくなってしまい耐震改修に踏み切れないことがあります。 助成を行う条件のひとつとして建築基準法等の不適合部分の是正を求めているために、是正が必要になる場合もあります。不適合部分の是正に向けた費用の問題など管理組合内で合意形成が図れず、耐震改修まで進まないなどの課題もあります。 平成28年度に行った世田谷区マンション実態調査では、「区への要望についてお答えください。」という問いに対して「耐震診断・改修の補助」を要望する回答が最も多く、資金の目途がつけば耐震改修に進む可能性があります。 一般緊急輸送道路及び沿道耐震化道路は、地震発生時の建築物倒壊による道路閉塞を防ぎ、緊急車両の通行や住民の円滑な避難を確保するため、沿道建築物の耐震化を促進する道路として都及び区が指定しています。区は速やかな復興の視点を取り入れ、これら沿道建築物の耐震化の優先度を高め、取り組む必要があります。 ■耐震化支援事業の実績 ■世田谷区マンション実態調査のアンケート結果 出典:世田谷区マンション実態調査報告書(平成29年3月) A 今後の取組み ■阪神・淡路大震災での被害の様子 出典:災害写真データベース   (3) 特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化支援 @ これまでの取組実績と課題 区は特定緊急輸送道路沿道建築物の所有者の耐震化の取組みを促すため、助成上限額及び助成割合を高くするなど他の助成制度の対象である非木造建築物に比べ、手厚い支援を行ってきました。 特定緊急輸送道路沿道建築物は、耐震診断から耐震改修等への進捗率が 約36%と、他の助成制度の対象である非木造建築物の約7%に比べ高くなっています。区が重点的な施策として耐震化の促進に取り組んでいることに加え、助成金額が大きく自己負担が少ないことが起因していると考えられます。 旧耐震基準の非木造建築物の耐震性能を示すIs値は、0.6以上であると、地震に対して倒壊の危険性が低いとされており、0.3未満の建築物が特に倒壊の危険性が高いとされています。耐震診断時のIs値ごとに耐震改修に進んだ割合を調査したところ、Is値が0.3以上の建築物は43%が耐震改修まで進んでいますが、Is値が0.3未満の建築物は8%に留まっており、耐震改修に大掛かりな工事が必要な建築物は耐震化が遅れています。 また、賃貸建築物等の耐震化は、占有者の協力を得なければ所有者は耐震化を進めることができません。移転拒否や多額の営業補償請求など協力を得ることが難しく、耐震改修まで進まないなどの課題もあります。 区の耐震化支援は令和2年度までとしていますが、依然として区内には、耐震性が不十分な建築物、耐震診断結果の報告が完了していない建築物があるため、建築物の所有者に対し耐震化の必要性を啓発し、支援する必要があります。 ■耐震化支援事業の実績 ※耐震診断については、平成28年度に終了し、現在は非木造建築物の助成の対象としています。 ■Is値別耐震改修実施状況 耐震診断結果報告済みの建築物のうち耐震改修済、未改修の建築物を集計 A 今後の取組み (4) ブロック塀等の耐震化支援 @ これまでの取組実績と課題 平成30年6月に起きた大阪府北部地震では、ブロック塀等の倒壊被害が生じました。地震時に道路に面した危険なブロック塀等が倒壊することによる被害を未然に防止するため、平成30年9月から令和元年度末までの緊急的な措置として、ブロック塀等の除却助成制度を実施しました。令和2年度からは「避難路」を定め、助成金額や対象のブロック塀等を見直し、継続的な制度として国及び都の補助を活用し、改めて除却助成制度を開始しました。 ブロック塀の撤去助成とあわせて生垣緑化助成制度などを案内し、危険なブロック塀から生垣などへの変更を推奨しています。 このほか、塀の所有者等に向けて、国が公表している「ブロック塀の点検のチェックポイント」の周知を行い、自己による安全性チェックを促します。ブロック塀等の除却助成制度のパンフレット等を活用し、塀に対する耐震化の意識の醸成を図るほか、ブロック塀等の耐震化を進めています。 ■耐震化支援事業の実績 A 今後の取組み ■ブロック塀の被害の様子 3. 耐震化促進のための普及啓発 (1) 耐震化への意識啓発 @ 広報等を用いた情報発信 区のおしらせ「せたがや」や区のホームページへの掲載など様々な広報媒体を活用し、耐震化の重要性及び耐震化支援制度の案内を行います。 また、「世田谷区地震防災マップ(資料編 資料6、7参照)」を活用し、想定される地震による地域ごとの建築物の倒壊危険度を提示します。 区の広報媒体に加え、公共交通事業者の協力を得て、駅の掲示板及び車内にポスターの掲出を行い、より多くの方々へ情報提供を行います。民間保険会社の保険更新時の耐震化支援制度の案内や、病院や薬局など区民と接点のある窓口でのパンフレット配架など、事業者の協力も得て、普及啓発に努めます。 避難所運営訓練等のイベントに出向き、木造模型を用いた実験等を通して、耐震化の仕組みや重要性を伝え、建築物の地震に対する安全性の向上に関する意識啓発を行います。 A 技術者の育成と情報提供 耐震診断を進めるために、区に登録している「木造住宅耐震診断士」を無料で派遣し、耐震診断を行う事業を実施します。耐震診断及び補強設計を適切に行うことができる登録診断士を考査により選定し、講習会を通して育成します。 また、「木造住宅耐震診断士」が所属する建築士事務所等に関する情報を区窓口及びホームページで提供し、区民が行う耐震改修等を支援します。 B 耐震改修表示制度の活用 耐震化について区民の意識を高めるためには、耐震性を満たす建築物に耐震補強済シールを掲出することや、耐震改修の工事現場に耐震化に努めている旨の横断幕を掲出することなど、広く情報提供を行うことが効果的です。補強済シールの掲示や、耐震補強工事中横断幕の掲示により、耐震改修の普及啓発を図ります。耐震性を満たす防災上重要な区公共建築物には、東京都耐震マークの表示を積極的に行い、施設の利用者等に対して普及啓発を行っていきます。 (2) 建築物の所有者への耐震化の情報提供 @ 相談体制の充実 区の窓口では、区の耐震化支援制度の案内のほか、耐震化に関する相談に広く対応しているものの、より専門的な耐震化に関する問題に対しては建築士との相談を案内しています。無料耐震相談会の実施、分譲マンションなどを対象とした耐震改修アドバイザー制度の活用等、相談体制を整えてきました。 今後は、多様化する区民ニーズに対して、経済的及び法的問題など様々な課題に対応できる相談制度の拡充など、区民が耐震改修等を行いやすい環境の整備を行います。 また、耐震改修等を行った場合の税制優遇措置(法人税・所得税・固定資産税)を伝えるとともに、金融機関と連携してリバースモーゲージや低利融資などの区民にとって役立つ情報を提供します。 ■無料耐震相談会の様子 A 法に基づいた公表等 耐震診断が義務付けられている特定緊急輸送道路沿道建築物及び要緊急安全確認大規模建築物については、区の窓口及びホームページで耐震診断結果を公表しています。 耐震診断結果を報告していない建築物の所有者に対しては、結果の報告を求める命令を行い、命令したことを公表しています。引続き、耐震診断結果の報告をしていない建築物の所有者には、定期的な状況の確認や面談等を実施し、報告するように働きかけていきます。 B 訪問等による積極的な働きかけ 耐震性が不十分な木造住宅の所有者に対して、耐震化支援制度の案内を個別に行うなど、区から積極的に働きかけます。 「東京におけるマンションの適正な管理の促進に関する条例」に基づく「管理状況届出制度」の情報を利用し、耐震診断及び耐震改修が実施されていない分譲マンションの管理組合等に対し、区の耐震化支援制度の周知や個別訪問を行うなど、積極的に働きかけます。 (3) 関係機関及び地域住民等との連携 @ 関係団体及び事業者との連携 耐震化を促進するために、区と関係団体との連携の強化と耐震化支援のネットワークの構築が必要です。区内の関係行政機関及び建築関係諸団体により、安全・安心で快適なすまい・まちづくりを推進することを目的に設立された「世田谷区建築物安全安心推進協議会」と連携し、耐震化を促進します。 消防署等が主催する講演など各行政団体が開催するイベント等の機会を捉え、耐震化支援制度の周知について関係機関と連携します。 耐震促進のための融資に対する金利優遇措置案内、リバースモーゲージ普及に向けた検討、医師会等の団体を通したパンフレット配布など、民間事業者との連携をさらに深めていきます。 耐震促進に向けての課題について、関係団体等と情報共有に努め、さらなる普及啓発の促進をともに検討していきます。 A 地域住民との連携 町会や商店会等が開催している防災イベントで木造模型等を活用するなど、わかりやすく耐震改修の重要性を伝え、耐震性の向上が地域の防災力の向上につながることの認識を深めることに努めます。 区内各地で災害対策について自助・共助を前提として活動が行われている「防災塾」を活用し、耐震化の重要性について「地域の課題」として理解されるように地域事情に即した内容にするなど、情報提供の仕方を工夫していきます。 町会や商店会等の地域組織が持つ情報を活用して、特に耐震化に向けて課題がある住宅等に、個別訪問などによる耐震化の普及啓発を検討します。 ■木造模型等の活用による啓発活動 B 庁内の連携 町会や商店会等の地域組織が持つ情報を活用した個別訪問による普及啓発を行う際には、各総合支所を含めて関係部署と連携して進めていきます。 耐震診断及び耐震改修などの耐震支援制度について、避難所運営訓練などの防災イベントを活用したパンフレット等を用いた案内など、関係部署と連携して、普及啓発の強化に努めます。 出張所やまちづくりセンターなど区が区民と接点を持つ窓口において、関係部署の協力を得て、広く区民の目に留まるような案内方法を検討します。 家具転倒防止器具の取付支援制度については、引続き介護保険の通知送付時に支援制度の案内を同封していくとともに、こうした区からの各種案内送付の機会を捉えて関係部署の協力を得て周知に努めていきます。 建築基準法第6条第1項第1号に掲げる建築物で政令で定めるもの及び特定行政庁で指定する建築物は、建築基準法第12条に基づき定期調査・検査を行い報告すること(以下「定期報告制度」という。)になっています。担当部署と連携し、耐震診断及び耐震改修を実施していないと報告された際には、所有者に対して指導及び助言等を行うなど、耐震化を促進します。 4. 総合的な安全対策 (1) 家具転倒防止器具の取付支援 東京消防庁が実施した地震被害調査では、負傷者の30〜50%が家具類の転倒・落下・移動によるものであることが明らかになり、首都直下地震等の被害想定においても、建築物の倒壊とともに家具類による多数の被害が想定されています。 現在、区では65歳以上の高齢者、障害者及び要介護者等が住む住宅を対象に、家具転倒防止器具の取付けについて支援を行っています。今後も、消防署と連携し、防災イベント等を通じて普及啓発を図ります。 (2) 耐震シェルター等の設置支援 震災による被害者の多くが、高齢者、障害者及び要介護者等の要配慮者となっています。地震による住宅の倒壊から要配慮者の生命を守るため、耐震シェルター等の設置支援を行います。 区は民間事業者の協力を得て、耐震シェルター及び耐震ベッドを展示し、実物を見ていただき区民への普及を働きかけます。 ■耐震ベッド・耐震シェルターの庁内展示 (3) 窓ガラス・天井等落下防止対策 震災時には、窓ガラス及び建築物の外装材等の剥離、落下による被害が想定され、これらの落下物が課題となっています。これまでの地震による被害により、平成25年に建築基準法が改正され、新築する建築物などの特定天井について脱落防止対策にかかる新たな技術基準が適用されることになりました。特定天井を有する既存建築物については、ネットワイヤーの設置等の落下防止措置が増改築等に適用できる基準として位置づけられました。 定期報告制度の対象となる民間建築物の窓ガラスや天井等については、建築物の管理者等による定期的な調査の結果報告を受け、適切な維持管理を促します。 (4) エレベーター内の閉じ込め防止対策 平成30年6月に発生した大阪府北部地震では、エレベーターの事故による被害は発生していませんが、運転停止によるエレベーター内の閉じ込め及び運転休止等のトラブルが多数発生しました。今後、発生が懸念されている首都直下地震では、区内で200台以上のエレベーターの停止が想定されており、多数の閉じ込めに伴う救出及び運転復旧への対応に大阪府北部地震を上回る時間を要することが想定されています。 定期報告制度の対象となるエレベーターについては、閉じ込め防止や故障・損傷防止対策等として、建築物の管理者等による定期的な検査の結果報告を受け、適切な維持管理を促します。 また、東京都と協力し、耐震改修などの機会を捉え、震災後の早期復旧体制について、災害時に1ビルにつき1台のエレベーターを復旧し、できるだけ多くのマンションやビルの機能回復を図る「1ビル1台」ルールや、エレベーター内の閉じ込め防止装置の設置を促します。 (5) 建築物の敷地の安全対策 令和2年2月に発生した神奈川県逗子市のマンション敷地の斜面崩壊では、歩行者が死亡するなどの重大な被害が発生しました。 区内には「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」に基づき、100箇所の「土砂災害警戒区域」が指定されており、そのうち79箇所が「土砂災害特別警戒区域」に指定されています。 また、指定されていない場所においても、災害時に崩れる恐れのある斜面及び擁壁があります。土砂災害による被害の発生を未然に防ぐためには、斜面及び擁壁の所有者自らが危険性を認識し、安全対策に取り組むことが大切です。区では「世田谷区がけ・擁壁等防災対策方針」に基づき、擁壁等の改修に関する支援を行い、所有者が、擁壁及び斜面の適切な維持管理に取り組めるよう普及啓発を図ります。 (6) 感震ブレーカー等の普及啓発 東日本大震災における火災の過半数が電気に起因するものでした。 内閣府、消防庁及び経済産業省は、「共同のおしらせ」の中で停電後の電気復旧時に発生する通電火災の発生を抑制する感震ブレーカー等の設置が減災効果を期待できるとしています。 区は、感震ブレーカー等の設置をあっせんするとともに、区のホームページやチラシなどを通して普及啓発を行います。 (7) 保安上危険な建築物等への対策 平成27年5月、周辺の生活環境に深刻な影響を及ぼす空家等への対策として、「空家等対策の推進に関する特別措置法」(以下「空家法」という。)が施行されました。 区は、管理不全な空家等への対策として、区の良好な生活環境の保全を図り、安全で安心な地域社会の実現に寄与することを目的とし、平成28年4月に「世田谷区空家等の対策の推進に関する条例」を施行しました。 平成30年10月には、「世田谷区空家等対策計画」を策定し、空家等の適切な管理は所有者等の責務であることを基本としつつ、各施策を実践することにより、空家等の適切な管理や流通・利活用等の取組みを推進し、良好な住環境の保全を図るものとしています。 区は、そのまま放置すれば保安上危険な建築物等や管理不全な空家等に対し、建築基準法及び空家法に基づき、必要な措置を行っていきます。 (8) 耐震性能検証法の案内 平成28年に発生した熊本地震は、旧耐震基準の木造住宅に大きな被害をもたらしました。また、新耐震基準導入後、構造関係規定が追加された平成12年5月までに建てられた木造住宅にも一定の被害があったことが、国土交通省により設置された委員会で確認されています。この原因として、柱とはり等の接合部の接合方法が不十分であったことなどが確認されています。 一般財団法人日本建築防災協会は、国土交通省より依頼を受け、昭和56年6月から平成12年5月までに建てられた木造住宅を対象とし、耐震診断よりも効率的に耐震性能を検証する方法として、「新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法」を作成しました。 当該対象となる木造住宅の所有者に対して「新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法」を案内し、所有者自らによる耐震性能の検証を行うように働きかけていきます。 区で実施する、昭和56年6月から平成12年5月までに建てられた木造住宅の耐震化支援制度については、国や都の補助制度等の動向に注視していきます。 資料1 用語の解説 【あ行】 ●一般緊急輸送道路  緊急輸送道路のうち、特定緊急輸送道路以外の緊急輸送道路。13ページ参照。 ●沿道耐震化道路  区が指定した「世田谷区緊急輸送道路障害物除去路線」のうち、都が指定した緊急輸送道路以外の道路。13ページ参照。 【か行】 ●管理状況届出制度  分譲マンションの管理不全を予防し、適正な管理を促進するため、平成31年に3月に制定された「東京におけるマンションの適正な管理の促進に関する条例」に基づき、マンションの管理組合が管理状況を区へ届け出て、その管理状況に応じて、区が助言や指導などを行う制度。昭和58年12月31日以前に新築された分譲マンションのうち、居住の用に供する独立部分が6戸以上のものを届出義務対象としている。 ●旧耐震基準  昭和56年5月31日以前に着工して建てられた建築物の建築基準法の地震に対する構造の基準。震度5強程度の揺れでは建築物が倒壊せず、破損したとしても補修することで継続使用が可能な構造基準として設定されている。阪神・淡路大震災では、この基準により建築された住宅の約64%が大きな被害を受けたと報告されている。 ●緊急輸送道路  東京都地域防災計画に定める、高速自動車国道、一般国道及びこれらを連絡する幹線的な道路、並びにこれらの道路と知事が指定する拠点(指定拠点)とを連絡し、又は指定拠点を相互に連絡する道路。13ページ参照。 ●区間到達率 東京都耐震改修促進計画(令和2年3月一部改定)により新たに導入された指標。特定緊急輸送道路の区間ごとに通行機能を評価する指標であり、当該区間に都県境入口の過半から到達できる確率をシミュレーションにより算出したもの。40ページ参照。 【さ行】 ●住宅・土地統計調査  国の住宅に関するもっとも基礎的な統計調査。住宅及び世帯の居住状況の実態を把握し、その現状と推移を、全国及び地域別に明らかにすることを目的に、総務省統計局が5年ごとに実施している。最新の調査は「平成30年住宅・土地統計調査」である。 なお、調査の方法は、全国の世帯の中から統計的な方法によって約15分の1の割合で無作為に調査対象を抽出した、標本調査である。 ●首都直下地震  中央防災会議において示された、マグニチュード7クラスの地震のうち、被害が大きく首都中枢機能への影響が大きいと思われる地震。 ●新耐震基準  昭和56年6月1日以降に着工して建てられた建築物の建築基準法の地震に対する構造の基準。建築基準法では最低限尊守すべき基準として、建築物の耐用年数中に何度か遭遇するような中規模の地震(震度5強程度)に対しては構造体を無害にとどめ、極めてまれに遭遇するような大地震(震度6強程度)に対しては人命に危害を及ぼすような倒壊等の被害を生じないことを目標にしている。 ●世田谷区緊急輸送道路障害物除去路線  広域避難場所に接続する応急対策活動のための道路や、主要公共施設(病院、防災倉庫、土木資材倉庫等)、給水所、警察署及び消防署等を結ぶ道路などを、緊急啓開(道路障害物撤去)路線として区が定めた道路。 ●世田谷区地域防災計画(令和3年修正) 災害対策基本法第42条の規定に基づき、区及び関係防災機関が、世田谷区の地域並びに住民の生命、身体及び財産を災害から守ることを目的に作成した計画。 ●世田谷区都市整備方針 「世田谷区街づくり条例」を根拠とした、都市づくり・街づくりにおける区の総合的な基本方針のこと。都市計画法第18条の2により策定する「市町村の都市計画に関する基本的な方針」としての位置づけを持ち、基本構想に即している。「住宅整備方針」や「せたがや道づくりプラン」などの街づくりに関する分野別整備方針を統括し、都市整備領域以外の方針等を都市整備の観点から調整する役割をになう。 ●世田谷区街づくり条例  区民等、事業者及び区の相互の合意形成と信頼関係のもと、世田谷らしい安全で住みやすい快適な環境のまちを守り育てていくため、区内のすべての街づくり活動の基本となるものとして、昭和57年に定めた条例。 ●総合到達率 東京都耐震改修促進計画(令和2年3月一部改定)により新たに導入された指標。特定緊急輸送道路全体の通行機能を評価する指標であり、区間到達率を道路全体で加重平均して算出したもの。40ページ参照。 【た行】 ●耐震化 耐震診断を実施して地震に対する安全性に適合することを明らかにすること又は耐震改修等を実施すること。木造の構造耐震指標を示すIw値が1.0以上もしくは非木造の構造耐震指標を示すIs値が0.6以上であると、大規模地震に対して倒壊又は崩壊する危険性が低いとされており、これらの値が高いほど建築物の安全性も高くなるといえる。 ●耐震改修 地震に対する安全性の向上を目的として、建築物の増築、改築、修繕若しくは模様替又は敷地の整備をすること。 ●耐震改修等 耐震改修、除却、建替えにより地震に対して安全な建築物とすること。 ●耐震化率 全ての建築物のうちの、耐震性を満たす建築物(新耐震基準によるもの、耐震診断で耐 震性ありとされたもの、耐震改修を実施したもの)の割合。 耐震化率=(新耐震基準の建築物+耐震診断で耐震性を満たす建築物+耐震改修を実施した建築物)/全ての建築物 ●耐震診断 当該建築物の地震に対する安全性を評価すること。 ●耐震性を満たす建築物 新耐震基準に適合するもの又は建築物の耐震改修の促進に関する法律に基づく耐震診断の結果、地震に対して安全な構造であることが確認された建築物。 ●段階的な耐震改修  東京都耐震改修促進計画(令和2年3月一部改定)により新たに採用された改修方法で、2回以上に分けて耐震改修を行うこと。通行機能の早期確保を図るために1回目の工事で、地震に対して特に倒壊の危険性が高いIs値0.3未満を解消する耐震改修を必要とする。Is値と倒壊率の関係については、42ページ参照。 ●中央防災会議 内閣府の重要政策に関する会議の一つとして、内閣総理大臣をはじめとする全閣僚、指定公共機関の代表者及び学識経験者により構成されており、防災基本計画に関する重要事項の審議等を行っている会議。 ●通行障害建築物 耐震改修促進法第5条第3項第2号に定める建築物。地震によって倒壊した場合に、その敷地に接する道路の通行を妨げ、多数の者の円滑な避難を困難とするおそれがあるものとして政令で定められている。 ●定期報告制度 不特定多数の人が利用する特定建築物の安全性及び適法性を確保するために、建築基準法第12条で専門の技術者(調査者・検査者)により建築物等を定期的に調査・検査し、特定行政庁に報告することを定めている制度。 ●東京都防災会議 災害対策基本法第14条及び東京都防災会議条例(昭和37年東京都条例第109号)に基づき設置される知事の附属機関。知事を会長とし、指定地方行政機関、指定公共機関、都及び区市町村等の職員又は代表で構成されており、東京都地域防災計画の作成(修正)及びその実施の推進等を掌握している。 ●特定既存耐震不適格建築物 既存耐震不適格建築物(耐震改修促進法第5条3項1号に規定された地震に対する安全性に係る建築基準法等の耐震関係規定に適合しない建築物)のうち、耐震改修促進法第14条に定める、学校、病院、老人ホーム、幼稚園、保育園、物品販売業を営む店舗などの多数の者が利用する一定規模以上の建築物。37ページ参照。 ●特定緊急輸送道路沿道建築物 耐震改修促進法第5条第3項第2号に定められており、特定緊急輸送道路に敷地が接する建築物のうち、通行障害既存耐震不適格建築物に該当するもの。 なお、特定緊急輸送道路沿道の建築物とは、特定緊急輸送道路指定時に、高さの要件に該当する新耐震基準の建築物を含めたものをいう。14ページ参照。 ●特定緊急輸送道路  都が指定した緊急輸送道路のうち、特に沿道建築物の耐震化を促進する必要があるものとして都が指定した道路。その道路に敷地が接する建築物の所有者に対して、耐震化の状況報告の義務と、耐震診断の義務が課せられている。13ページ参照。 ●特定天井 人が日常立ち入る場所に設置されている吊り天井で、天井の高さが6mを超え、水平投影面積が200uを超えかつ単位面積質量が2s/uを超えるもの。 【は行】 ●避難路 建築物の敷地から、世田谷区地域防災計画で定める指定避難所等までの経路。 なお、本計画の「避難路」については、社会資本整備総合交付金交付要綱附属第U編イ‐16‐(12)‐@住宅・建築物耐震改修事業の1.2十三における「避難路」に位置づけている。 ●補強設計  耐震性能など建築物の強度的性能を向上させ安全性を高めるために、柱、梁、壁など建築物の主要構造部の補強を計画し、建築物の強度や粘り強さを向上させる設計。 ●防災基本計画  災害対策法第34条第1項の規定に基づき、中央防災会議が作成する政府の防災対策に関する基本的な計画。 ●防災塾  東日本大震災を契機とした区民の自助・共助の意識の高まりを受け、更なる防災知識の普及啓発を目的とし、「地区防災計画」の策定を目指し、区がまちづくりセンターごとに展開している取組み。平成28年度に地区防災計画を策定し、平成29年度以降は、地区防災計画に掲げた課題と対応策の検証や取組みを実施している。 【ら行】 ●リバースモーゲージ  不動産を担保とした融資制度の一種。一般的に自宅及び土地を担保として資金を借入し、自宅に住み続け借入人が死亡したときに担保となっていた自宅と土地を処分し、借入金を返済する仕組み。 【や行】 ●要安全確認計画記載建築物 耐震改修促進法第7条第1項に定める建築物。世田谷区内では、特定緊急輸送道路沿道建築物が該当する。耐震診断を行い、結果を報告しなければならない「耐震診断義務付け建築物」である。 ●要緊急安全確認大規模建築物 耐震改修促進法附則第3条に定める建築物。地震に対する安全性を緊急に確かめる必要がある大規模なもの。「耐震診断義務付け建築物」である。37ページ参照。 ●用途指標  建物の用途などによる補正係数で、建物の用途に応じてそれにふさわしい耐震性能の要求水準の相対的な関係を定めるための指標。用途係数または重要度係数ともいう。 区公共施設においては、大地震が発生した場合であっても本来の機能を維持する必要がある災害時に応急活動を支える施設、要救護者施設及び不特定多数の利用がある施設等は、耐震化の基準値となるIs値0.6から耐震性能の割り増しを行っている場合がある。 【アルファベット】 ● I s (アイエス)値  「構造耐震指標」と呼ばれ、鉄骨造、鉄筋コンクリート造及び鉄骨鉄筋コンクリート造の建築物等の耐震診断の判断の基準となる指標。 ●Iw(アイダブリュー)値  「構造耐震指標」と呼ばれ、木造の建築物等の耐震診断の判断の基準となる指標。             資料2 特定既存耐震不適格建築物一覧表 ・特定既存耐震不適格建築物(耐震改修促進法第14条) ・指示(耐震改修促進法第15条第2項)の対象となる特定既存耐震不適格建築物(耐震改修促進法第15条) ・要緊急安全確認大規模建築物(耐震改修促進法附則第3条) 用途 特定既存耐震不適格建築物(※1) 指示対象特定既存耐震不適格建築物(※2) 要緊急安全確認大規模建築物(※3) 幼稚園、保育所 階数2以上かつ 500u以上 階数2以上かつ 750u以上 階数2以上かつ 1,500u以上 学校 小学校、中学校、中等教育学校の前期課程、特別支援学校 階数2以上かつ 1,000u以上(屋内運動場面積を含む。) 階数2以上かつ 1,500u以上(屋内運動場面積を含む。) 階数2以上かつ 3,000u以上(屋内運動場面積を含む。) 上記以外の学校 階数3以上、かつ 1,000u以上 老人ホーム、老人短期入所施設、身体障害者福祉ホームその他これらに類するもの 階数2以上かつ 1,000u以上 階数2以上かつ 2,000u以上 階数2以上かつ 5,000u以上 老人福祉センター、児童厚生施設、身体障害者福祉センターその他これらに類するもの ボーリング場、スケート場、水泳場その他これらに類する運動施設 階数3以上かつ 1,000u以上 階数3以上かつ 2,000u以上 階数3以上かつ 5,000u以上 病院、診療所 劇場、観覧場、映画館、演芸場 集会場、公会堂 展示場 卸売市場 百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗 階数3以上かつ 2,000u以上 階数3以上かつ 5,000u以上 ホテル、旅館 賃貸住宅(共同住宅に限る)、寄宿舎、下宿 事務所 博物館、美術館、図書館 階数3以上かつ 2,000u以上 階数3以上かつ 5,000u以上 遊技場 公衆浴場 飲食店、キャバレー、料理店、ナイトクラブ、ダンスホールその他これらに類するもの 理髪店、質屋、貸衣装屋、銀行その他これらに類するサービス業を営む店舗 工場(危険物の貯蔵場または処理場の用途に供する建築物を除く) 車両の停車場または船舶もしくは航空機の発着場を構成する建築物で旅客の乗降または待合の用に供するもの 階数3以上かつ 2,000u以上 階数3以上かつ 5,000u以上 自動車車庫その他の自動車または自動車の停留または駐車のための施設 保健所、税務署その他これに類する公益上必要な建築物 体育館(一般公共の用に供されるもの) 階数1以上かつ 1,000u以上 階数1以上かつ 2,000u以上 階数1以上かつ 5,000u以上 危険物の貯蔵場または処理場の用途に供する建築物 政令で定める数量以上の危険物を貯蔵、処理する全ての建築物 500u以上 階数1以上、5,000u以上かつ敷地境界線から一定距離以内に存する建築物 都道府県耐震改修促進計画または市町村耐震改修促進計画に記載された道路に接する建築物 通行障害建築物(※4) ※1:法第14条に規定された建築物(施行令で定めるもので、施行令に定める規模以上のもの)。 ※2:法第15条第2項に規定された建築物(施行令で定めるもので、施行令に定める規模以上のもの)。 ※3:法附則第3条の規定に基づき平成27年12月31日までに耐震診断を行い、その結果を所管行政庁に報告することが義務付けられた建築物(施行令附則第2条で定めるもので、同条に定める規模以上のもの)。 ※4:地震によって倒壊した場合においてその敷地に接する道路の通行を妨げ、多数の者の円滑な避難を困難とするおそれがあるものとして施行令第4条で定める建築物。 資料3 耐震関係年表 〜戦後の大きな被害を出した地震〜 発生年月日 地震名等 マグニチュード 人的被害(人) 住家被害(棟) 死者 行方不明者 全壊 全焼 流出 計 1946 (昭和21) 12/21 南海地震 8.0 1,330 113 11,591 2,598 1,451 15,640 1948 (昭和23) 6/28 福井地震 7.1 3,769 - 36,184 3,851 - 40,035 1949 (昭和24) 12/26 今市地震 6.4 10 - 873 - - 873 1950 (昭和25) 建築基準法制定 1952 (昭和27) 3/4 十勝沖地震 8.2 33 - 815 - 91 906 1961 (昭和36) 2/2 長岡地震 5.2 5 - 220 - - 220 1962 (昭和37) 4/30 宮城県北部地震 6.5 3 - 369 - - 369 1964 (昭和39) 6/16 新潟地震 7.5 26 - 1,960 290 - 2,250 1968 (昭和43) 2/21 えびの地震 6.1 3 - 368 - - 368 1968 (昭和43) 5/16 十勝沖地震 7.9 52 - 673 18 - 691 1971 (昭和46) 建築基準法施行令改正 (旧耐震基準) ・RC造:柱のせん断補強強化 ・一体のRC基礎 等 1974 (昭和49) 5/9 伊豆半島沖地震 6.9 30 - 134 5 - 139 1978 (昭和53) 1/14 伊豆大島近海の地震 7.0 25 - 94 - - 94 1978 (昭和53) 6/12 宮城県沖地震 7.4 28 - 1,383 - - 1,383 1981 (昭和56) 建築基準法施行令改正 (新耐震基準) ・構造計算へのじん性の導入 ・木造:基礎の緊結、壁量計算の見直し 等 1982 (昭和57) 3/21 浦河沖地震 7.1 - - 13 - - 13 1983 (昭和58) 5/26 日本海中部地震 7.7 104 - 1,584 - - 1,584 1984 (昭和59) 9/14 長野県西部地震 6.8 29 - 14 - - 14 1987 (昭和62) 3/18 日向灘を震源とする地震 6.6 1 - - - - - 1987 (昭和62) 12/17 千葉県東方沖を震源とする地震 6.7 2 - 16 - - 16 1993 (平成5) 1/15 釧路沖地震 7.5 2 - 53 - - 53 1993 (平成5) 7/12 北海道南西沖地震 7.8 202 28 601 - - 601 1993 (平成5) 10/12 東海道はるか沖を震源とする地震 6.9 1 - - - - - 1994 (平成6) 10/4 北海道東方沖地震 8.2 - - 61 - - 61 1994 (平成6) 12/28 三陸はるか沖地震 7.6 3 - 72 - - 72 1995 (平成7) 1/17 兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災) 7.3 6,434 3 104,906 7,036 - 111,942 1995 (平成7) 建築物の耐震改修の 促進に関する法律の制定 ・特定建築物所有者への耐震診断・改修の努力義務 ・耐震改修計画の策定による建築基準法の特例 ・耐震診断・耐震技術指針の国による提示 等 2000 (平成12) 7/1 新島・神津島近海を震源とする地震 6.5 1 - 15 - - 15 2000 (平成12) 10/6 鳥取県西部地震 7.3 - - 435 - - 435 2001 (平成13) 3/24 芸予地震 6.7 2 - 70 - - 70 2003 (平成15) 7/26 宮城県北部を震源とする地震 6.4 - - 1,276 - - 1,276 2003 (平成15) 9/26 十勝沖地震 8.0 - 2 116 - - 116 2004 (平成16) 10/23 新潟県中越地震 6.8 68 - 3,175 - - 3,175 2005 (平成17) 3/20 福岡県西方沖を震源とする地震 7.0 1 - 144 - - 144 2007 (平成19) 3/25 能登半島地震 6.9 1 - 686 - - 686 2007 (平成19) 7/16 新潟県中越沖地震 6.8 15 - 1,331 - - 1,331 2008 (平成20) 6/14 岩手・宮城内陸地震 7.2 17 6 30 - - 30 2008 (平成20) 7/24 岩手県沿岸北部を震源とする地震 6.8 1 - 1 - - 1 2009 (平成21) 8/11 駿河湾を震源とする地震 6.5 1 - - - - - 2011 (平成23) 3/11 東北地方太平洋沖地震 (東日本大震災) 9.0 ※令和2年3月10日現在 死者19,729人、行方不明者2,559人 全壊121,996棟 発生年月日 地震名等 マグニチュード 人的被害(人) 住家被害(棟) 死者 行方不明者 全壊 全焼 流出 計 2011 (平成23) 3/12 長野県・新潟県県境付近を震源とする地震 6.7 3 - 73 - - 73 2011 (平成23) 6/30 長野県中部を震源とする地震 5.4 1 - - - - - 2012 (平成24) 12/7 三陸沖を震源とする地震 7.3 1 - - - - - 2014 (平成26) 11/22 長野県北部を震源とする地震 6.7 - - 81 - - 81 2016 (平成28) 4/14~ 平成28年(2016年)熊本地震 7.3 273 - 8,667 - - 8,667 2016 (平成28) 10/21 鳥取県中部を震源とする地震 6.6 - - 18 - - 18 2018 (平成30) 4/9 島根県西部を震源とする地震 6.1 - - 16 - - 16 2018 (平成30) 6/18 大阪府北部を震源とする地震 6.1 6 - 21 - - 21 2018 (平成30) 9/6 平成30年北海道胆振東部地震 6.7 43 - 469 - - 469 出典:令和2年版消防白書(総務省消防庁)、過去の被害情報一覧(総務省消防庁)等 資料4 東京都における特定緊急輸送道路沿道建築物の目標設定 世田谷区内の特定緊急輸送道路区間到達率95%未満の区間   【凡例】 (1)世田谷区内の特定緊急輸送道路区間到達率80%以上95%未満の区間 @環状8号線 A世田谷通り B高速3号線渋谷線・国道246号(玉川通り) C国道20号(甲州街道) (2)世田谷区内の特定緊急輸送道路区間到達率60%以上80%未満の区間 @ 目黒通り A 世田谷通り B 国道20号(甲州街道) (2)世田谷区内の特定緊急輸送道路区間到達率60%未満の区間 @ 世田谷通り A 国道20号(甲州街道) 資料5 東京都緊急輸送ネットワークにおける世田谷区内指定拠点一覧表 (→13ページ 緊急輸送道路・沿道耐震化道路 路線図中★印 ) 出典:東京都地域防災計画 震災編(令和元年度修正)別冊資料 第1次:応急対策の中枢を担う都本庁舎、立川地域防災センター、重要港湾、空港等を連絡する路線 第2次:一次路線と区市町村役場、主要な防災拠点(警察、消防、医療等の初動対応機関)を連絡する路線 第3次:その他の防災拠点(広域輸送拠点、備蓄倉庫棟)を連絡する路線 資料6 世田谷区地震防災マップ(揺れやすさマップ) 資料7 世田谷区地震防災マップ(地域の危険度マップ) 資料8 各まちづくりセンターの担当区域ごとの新耐震と旧耐震の棟数 ■区域別新耐震基準の割合(木造) ■区域別建築物棟数(木造) ■区域別新耐震基準の割合(非木造) ■区域別建築物棟数(非木造) 世田谷区耐震改修促進計画 令和3年4月 表紙デザイン:株式会社ドゥ・アーバン (広報印刷物登録番号 No.1927)