第4章 障害福祉施策実施の取り組み、です。 第4章 障害福祉施策実施の取り組み、の目次 1、主要テーマ以外の障害福祉施策の取り組み、 2、数値目標とサービス見込量 第4章 障害福祉施策実施の取り組み 1、主要テーマ以外の障害福祉施策の取り組み 大項目1、地域で自立した生活を送る 中項目、すこやか、 ○1、現状と課題 ○ 保健・医療・福祉の連携が進んでいるが、対象は高齢者中心となっており、対象を障害者児に拡大する必要がある。 ○ 乳幼児健診等において、障害や疾病を早期に発見し、早期の相談や療育へつなげる必要がある。 ○ こころの健康についても、早期に支援につなげられるよう、対象やテーマを絞った普及啓発を進める必要がある。 ○ 健康づくりの機会や場の提供など、障害者の健康づくりの充実に取り組む必要がある。 ○2、主な取り組み ○ 誰もが、身近な地域で適切な医療が受けられる仕組みづくりを行う。医療と保健福祉の連携に関わる事業を進め、区民が安心して在宅療養ができる環境整備に取り組む。 ○ 乳幼児健康診査にて、子どもの身体面・心理面の発達の確認に加え、子育てのしにくさ、悩み、不安への対応を強化し、親の気づきを促す方向へ拡充する。 ○ 精神障害者の自立促進のため、本人や家族を対象に専門医師や保健師等による保健医療相談を行い、適切な医療の確保と継続のための支援を行う。あわせて、精神障害や精神疾患に関する正しい知識の普及啓発を図り、精神障害者やこころの問題をもつ誰もが安心して地域で暮らせる社会基盤の醸成を推進する。 ○ 障害者への運動指導員等による健康づくり事業を実施する。 大項目3、生きる力を高める 中項目、そだつ、 ○1、現状と課題 ○ 親亡き後も、障害者が地域で安心して生活できる道筋を作るためには、教育が貴重な体験の場としての役割を果たしうることを地域社会全体で共有できるよう取り組む必要がある。 ○2、主な取り組み ○ 障害のある人たちに対する正しい理解と認識を深め、豊かな人権感覚と思いやりの心を育てるため、児童・生徒及び保護者等への理解啓発を促進する。 ○ 障害者等の学習・余暇活動への支援を行う。 中項目、ふれあう、 ○1、現状と課題 ○ 障害者の個別のニーズに対応し、多様な情報媒体によるコミュニケーション支援が必要であるが、十分に対応できていない。 ○2、主な取り組み ○ 視覚障害者向けに、区の政策や行政情報、催し物など様々な情報を掲載している区の広報紙の内容を、デイジー版(CD-ROM)やカセットテープ版、点字版により提供する。また、誰でも使いやすいかたちで、いつでも情報提供できるホームページをめざし、読み上げ・ふりがな機能の提供や掲載情報への配慮を行う。 ○ 視覚情報のユニバーサルデザインガイドラインを庁内に普及・啓発するとともに、区が発行するポスターや印刷物、ホームページや案内板などが、誰にでも見やすく分かりやすいデザインとする。 ○ 利用できるサービスや事業者情報など、必要とする情報を的確に障害者へ提供できる環境を整備する。 ○ 視覚障害者に対し、文書を通じてお知らせする際、点字や音声コード等を活用した情報提供を進め、視覚障害者の情報格差の是正に向けて取り組む。 ○ イベントや講演会などの主催者に、聴覚障害者や視覚障害者へ配慮した運営(手話通訳者や要約筆記、点字、音訳など)と、情報伝達に有効な情報提供機器類等の活用を促進する。 ○ 区のおしらせ「せたがや」や「消費生活センターだより」、ホームページ等により、消費者被害の未然防止を図るとともに消費生活に関する知識の情報提供をする。また、出前講座では、特別支援学校や福祉施設、デイケア会場等へ区民講師を派遣し、講座受講生に直接情報提供を行う。 中項目、つくる、 ○1、現状と課題 ○ 障害者の創作意欲などが発揮できるよう、活動や発表の機会を充実させるとともに文化芸術とふれあえる機会が必要である。 ○2、主な取り組み ○ 障害者施設の美術展や作品展などの多様な文化活動への支援することにより、障害者理解を促進する。 ○ 美術館での視覚障害者向けの鑑賞リーダーによるサポートや、世田谷パブリックシアターでの視覚障害者向けの舞台説明会やイヤホンガイド、聴覚障害者向けの台本貸し出しや字幕付公演など、文化や芸術とふれあうことが出来るよう引き続き取り組む。 【コラム】 演劇と地域と生活、 毎年冬休みの子供企画として、2日間にわたって小学生を対象に演劇ワークショップを行っている。このワークショップの特徴は、1日目にみんなで料理をし、2日目にその体験をもとに演劇をつくり、発表するというものだ。ここでは、料理を作ること、演劇を作ることの楽しさを知ることも目的の一つであるが、それと同時に料理、演劇の体験を通じて地域で生きる人を知ってもらうことも大きなテーマだ。2010年のお正月には、世田谷区でケーキ屋をしている、ゆうじさんに講師としてきてもらった。 ゆうじさんはケーキ屋といっても、いわゆる普通のケーキ屋ではない。ゆうじさんは、日常的に電動車いすを使用する、重度の障害を持ったシェフである。彼は健常者のスタッフに言葉でレシピを伝え、指示することでケーキを作り、そのケーキをゆうじさん自身が電動車椅子で売り歩いている。重度の障害を持ちながら、彼のように地域の中で、自立した生き方を実践している人はまだ多くない。本当の意味での自立の在り方を現在進行形で考えているゆうじさんに子どもたちが出会うことで、エキサイティングな出来事が沢山生まれた。 料理をするという作業を通して、子どもたちはみるみる、ゆうじさんとの距離を縮めていった。料理を終え、ゆうじさんの車椅子に乗って遊んだり、質問したりした後、劇づくりである。子どもたちが印象に残った出来事、話を絵にし、2グループに分かれて劇を作った。 1つのグループは、ゆうじさんが竜宮城の生活をあまりにのんきに楽しむあまり、竜宮城(実はお母さんのお腹の中)から出るのが遅くなってしまったために障害者になってしまった、という話から始まる。そして、そこからゆうじさんの日常生活の様々なエピソードが展開されていく…というもの。子どもたちのゆうじさんへの素直な問いかけがもとになって作られた。障害という重いシリアスな事実を、子どもたちは竜宮城というファンタジーの世界を作り上げることで受けとめた。子どもたちは現実の重さを心と体全てで捉えたのである。 もう1つのグループは、ゆうじさんが喫茶店を開くというストーリを作った。もともとゆうじさんの将来の夢はお店を持つことだったから、ゆうじさん自身が最も驚いた。ゆうじさんは自分の夢について一言も子どもたちに話していなかったにもかかわらず、子どもたちはその夢を劇の中で表出させた。ゆうじさんから発せられた言葉、彼の生き方をリアルに感じ取ったからこそ生まれたものだと思う。まさに子どもたちの創造力が発揮された瞬間だった。 演劇ワークショップは、閉塞感漂う日常をしなやかに生きぬく力が自分自身に存在することに気付く場である。子どもたちが、地域で生活するゆうじさんと出会い、演劇を作る。地域、生活、演劇すべてがつながった「ワークショップ」という虚構の場に子どもたちは存在し、地域に生活することを考え、感じたのである。 〜SPT educational 05『はじめのことば』より、世田谷パブリックシアター、劇場部教育開発課、中村 麻美 氏。 2、数値目標とサービス見込量 サービス供給量を見込むにあたっては、地域生活移行や就労支援といった課題に対応し、国と都の基本指針に基づいて、平成26年度を目標年度とし、以下のとおり数値目標を設定する。 (1)数値目標 ○1施設入所者の地域生活への移行、平成17年10月1日時点の入所者465人の1割(46人)を見込む。 ○2精神障害者関係の目標値、国の基本指針及び考え方に基づき、現在までの実績等を勘案し東京都が設定する。 ○3福祉施設から一般就労への移行等、平成26年度の一般就労移行者は、100人と見込む。 (2)障害福祉サービス見込量の考え方 【基本的な考え方】 国の基本指針については、数値目標及びサービス見込量の基本的な考え方は、変更しない。また、自立支援法の一部改正により新たに創設されたサービスについては、国・都の指針や実績をもとに算定している。 障害者が24時間安心して日々の生活を送れるよう、サービス見込量を設定する。 ○1訪問系サービス、居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、重度障害者等包括支援 現に利用している者の数等を勘案して、利用者数及び量を見込んで設定する。なお、同行援護については、地域生活支援事業(移動支援事業)の利用者のうち、重度の視覚障害者数を勘案して、利用者数及び量を見込んでいる。 ○2日中活動系サービス、生活介護、自立訓練(機能訓練)、自立訓練(生活訓練)、就労移行支援、就労継続支援(A型)、就労継続支援(B型)、療養介護、短期入所(ショートステイ) 区内の公有地を活用した施設整備による生活介護事業の基盤増や特別支援学校の卒業者数等の新たなサービス利用者を見込んで、見込量を設定する。 短期入所については、区内の公有地を活用した施設整備による短期入所の基盤増や今後の利用見込を踏まえ、見込量を設定する。 ○3居住系サービス、共同生活援助(グループホーム)、共同生活介護(ケアホーム)、施設入所支援 旧法入所施設が自立支援法事業に移行することに伴い、利用者それぞれが、施設入所支援やグループホーム・ケアホームなどに住まいを移すことを踏まえ、見込量を設定する。また、区内の公有地を活用した施設整備によるグループホーム・ケアホームの基盤増に取り組むことを踏まえ、見込量を設定する。 ○4相談支援、計画相談支援(個別計画作成)、地域移行支援、地域定着支援 障害福祉サービス及び地域相談支援(地域移行支援・地域定着支援)の利用者数等を勘案し、原則として3年間で計画的に障害福祉サービス及び地域相談支援の利用者を計画相談支援の対象として、利用者数及び見込量を設定する。 (3)地域生活支援事業の見込量の考え方 【基本的な考え方】 ◆ 第3期までに達成すべき数値目標を踏まえ、過去の利用実績と今後の利用者数を勘案し、設定する。 ○1必須事業、相談支援事業、成年後見制度利用支援事業、コミュニケーション支援事業、日常生活用具給付等事業、移動支援事業、地域活動支援センター機能強化事業 ○2その他事業、日中一時支援事業、訪問入浴サービス事業、自動車運転免許取得・改造助成事業、更生訓練費・施設入所者、就職支度金給付事業、点字・声の広報等発行事業、奉仕員養成研修事業、福祉ホーム事業 (4)児童福祉法に基づく障害児通所支援の見込量の考え方 ○1経緯 「障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて障害保健福祉施策を見直すまでの間において障害者等の地域生活を支援するための関係法律の整備に関する法律」(平成22年法律第71号)の公布に伴う児童福祉法の一部改正等により、障害児支援については、身近な地域で支援を受けられるようにする等のため、障害種別に分かれた現行の施設体系について、通所による支援を「障害児通所支援(児童発達支援等)」(市町村が実施)に、入所による支援を「障害児入所支援(障害児入所施設)」(都道府県が実施)にそれぞれ一元化することとなった。 改正法を踏まえた新しい障害児支援制度における国の基本的な枠組みや考え方については、身近な地域で支援が受けられるよう量的な拡大と、引き続き、障害特性に応じた専門的な支援が提供されるよう質の確保を図るなど、障害児支援の強化を図っていくこととしている。 【基本的な考え方】 ◆ 改正法においては、現行の障害児通所施設は、実施主体を都道府県から区市町村に移管したうえ、児童発達支援や医療型児童発達支援、放課後等デイサービスに移行することが想定されている。施設の事業内容を踏まえ、今後の見込量(箇所数)を設定する。 ◆ 現行の児童デイサービスは児童発達支援に、タイムケア事業は放課後等デイサービスに移行することを想定する。これまでの利用実績と今後の利用者数を勘案し、今後の見込量(箇所数)を設定する。 ○2障害児通所支援、児童発達支援、医療型児童発達支援、放課後等デイサービス、保育所等訪問支援 (5)サービス見込量 【障害福祉サービスの見込量】 (1ヶ月あたり) ○居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、重度障害者等包括支援、 平成24年度 61,533時間分、1,087 人(利用者数)、 平成25年度 62,812時間分、1,126 人(利用者数)、 平成26年度 64,128時間分、1,166 人(利用者数)、 ○生活介護、 平成24年度 1,045人*20 日分、 平成25年度 1,070人*20 日分、 平成26年度 1,094人*20 日分、 ○自立訓練(機能訓練)、 平成24年度 42人*6日分、 平成25年度 42人*6日分、 平成26年度 42人*6日分、 ○自立訓練(生活訓練)、 平成24年度 39人*8日分、 平成25年度 39人*8日分、 平成26年度 39人*8日分、 ○就労移行支援、 平成24年度 165人*20日分、 平成25年度 165人*20日分、 平成26年度 165人*20日分、 ○就労継続支援(A型)、 平成24年度 17人*20日分、 平成25年度 21人*20日分、 平成26年度 24人*20日分、 ○就労継続支援(B型)、 平成24年度 899人*20日分、 平成25年度 928人*20日分、 平成26年度 960人*20日分、 ○療養介護、 平成24年度 64人、 平成25年度 66人、 平成26年度 68人、 ○短期入所、 平成24年度 218人*7日分、 平成25年度 226人*7日分、 平成26年度 253人*7日分、 ○共同生活援助(グループホーム)、共同生活介護(ケアホーム)、 平成24年度 242人分、 平成25年度 266人分、 平成26年度 290人分、 ○施設入所支援、 平成24年度 465人分、 平成25年度 465人分、 平成26年度 465人分、 ○計画相談支援(個別計画作成)、 平成24年度 253人 平成25年度 596人 平成26年度 1,080人 ○地域移行支援(新規)、 平成24年度 22人、 平成25年度 19人、 平成26年度 16人、 ○地域定着支援(新規)、 平成24年度 22人、 平成25年度 34人、 平成26年度 46人、 【地域生活支援事業の見込量】 (1)相談支援事業 ○1障害者相談支援事業、実施箇所数 平成24年度 5箇所、 平成25年度 5箇所、 平成26年度 5箇所、 基幹相談支援センターの設置 有り、 ○2住宅入居等支援事業 有り、 (2)成年後見制度利用支援事業、年間利用者数 平成24年度 1人、 平成25年度 1人、 平成26年度 1人、 (3)コミュニケーション支援事業、 ○1手話通訳者・要約筆記者派遣事業、年間利用者数 平成24年度 188人、 平成25年度 205人、 平成26年度 222人、 ○2手話通訳者設置事業、実設置者数 平成24年度 5人、 平成25年度 5人、 平成26年度 5人、 (4)日常生活用具給付等事業、年間件数 平成24年度 1,594件(計)、 平成25年度 1,655件(計) 、 平成26年度 1,716件(計)、 ○1介護・訓練支援用具、年間件数 平成24年度 64件、 平成25年度 66件、 平成26年度 68件、 ○2自立生活支援用具、年間件数 平成24年度 176件、 平成25年度 184件、 平成26年度 192件、 ○3在宅療養等支援用具、年間件数 平成24年度 100件、 平成25年度 105件、 平成26年度 110件、 ○4情報・意思疎通支援用具、年間件数 平成24年度 180件、 平成25年度 194件、 平成26年度 208件、 ○5排泄管理支援用具、年間件数 平成24年度 1,041件、 平成25年度 1,071件、 平成26年度 1,101件、 ○6住宅改修、年間件数 平成24年度 33件、 平成25年度 35件、 平成26年度 37件、 (5)移動支援事業、実施箇所数、年間利用者数、年間利用時間数 平成24年度 143箇所、595人、73,098時間、 平成25年度 154箇所、669人、82,189時間、 平成26年度 163箇所、743人、91,280時間、 (6)地域活動支援センター 地域活動支援センター(T型)、実施箇所数、年間利用者数 平成24年度 2箇所、40人、 平成25年度 2箇所、40人、 平成26年度 2箇所、40人、 ○地域活動支援センター(U型)、実施箇所数、年間利用者数 平成24年度 3箇所、60人、 平成25年度 3箇所、60人、 平成26年度 3箇所、60人、 ○日中一時支援事業、実施箇所数、年間利用者数 平成24年度 11箇所、14,350人、 平成25年度 8箇所、1,400人、 平成26年度 8箇所、1,400人、 ※日中一時支援事業のうちタイムケア事業が放課後等デイサービスに移行予定。 ○訪問入浴サービス事業、年間利用者数 平成24年度 108人、 平成25年度 113人、 平成26年度 118人、 ○自動車運転免許取得・改造助成事業、年間利用者数 平成24年度 25人、 平成25年度 25人、 平成26年度 25人、 ○更生訓練費・施設入所者就職支度金給付事業、年間利用者数 平成24年度 93人、 平成25年度 91人、 平成26年度 89人、 ○点字・声の広報等発行事業、年間利用者数 平成24年度 240人、 平成25年度 240人、 平成26年度 240人、 ○奉仕員養成研修事業、修了者数 平成24年度 385人、 平成25年度 385人、 平成26年度 385人、 ○福祉ホーム事業、年間利用者数 平成24年度 20人、 平成25年度 20人、 平成26年度 20人、 *日中一時支援事業のうちタイムケア事業が放課後等デイサービスに移行予定。 【児童福祉法に基づく障害児通所支援の見込量】 ○児童発達支援、実施箇所数 平成24年度 12箇所、 平成25年度 12箇所、 平成26年度 12箇所、 ○医療型児童発達支援、実施箇所数 設置なし、 ○放課後等デイサービス、実施箇所数 平成24年度 9箇所、 平成25年度 9箇所、 平成26年度 10箇所、 ○保育所等訪問支援、実施箇所数 平成24年度 1箇所、 平成25年度 3箇所、 平成26年度 3箇所、 第4章は、以上です。