表紙 世田谷区本庁舎等における区民利用・交流拠点施設事業運営実施計画 令和6年3月 世田谷区 次ページ 目次 第1章 計画の背景 1 計画策定の趣旨 1ページ 2 区民利用・交流拠点施設について 2ページ (1)施設構成及び開設スケジュール 2ページ (2)施設図面 3ページ 3 計画の体系 5ページ 4 計画期間 5ページ 第2章 運営基本計画の概要 6ページ 1 基本理念 6ページ 2 基本方針 7ページ (1)多様な人々の交流を生み出す場をつくる 7ページ (2)文化・芸術によって暮らしを豊かにする 7ページ (3)みどりで多様な主体をつなぎ、心潤う環境をつくる 7ページ 3 実現に向けた取組み 8ページ (1)区民、市民活動団体及び区等が協働し、地域と連携する一体的な運営組織をつくる 8ページ (2)交流・共生を生み出す「つなぎ役」を設置する 8ページ (3)区民が主体的に関わる事業を実施する 8ページ (4)誰もが使える、憩える空間をつくる 8ページ (5)地域と連携した事業を実施する 8ページ 第3章 事業運営実施計画 1 事業・活動計画 9ページ (1)基本的な考え方 9ページ (2)事業概要 9ページ (3)全体調整 16ページ (4)運営(利用可能)日・時間、参加手続き等 17ページ 2 組織運営計画 20ページ (1)事業・活動計画を実現し、持続する組織のあり方 20ページ (2)本庁舎等整備2期工事竣工までの運営方法について 22ページ 3 収支計画 22ページ 第4章 全体開設に向けて 1 今後のスケジュール 23ページ 参考 計画作成までの検討経過 24ページ 1ページ 第1章 計画の背景 1 計画策定の趣旨  世田谷区では、新しい本庁舎等において、区内の様々な地域から訪れる区民がふれあい、交流できる場所として、世田谷区民会館、区民交流スペース、広場、屋上庭園等、多様な区民利用・交流拠点施設の整備を進めています。  機能の異なる各区民利用・交流拠点施設を総合的、効果的かつ効率的に運営するため、令和4年度に検討した成果をもとに「世田谷区本庁舎等における区民利用・交流拠点施設運営基本計画(以下、「運営基本計画」という。)」を令和5年6月に策定しました。運営基本計画をもとに、区民利用・交流拠点施設の事業運営の細目を定めるため、このたび「世田谷区本庁舎等における区民利用・交流拠点施設事業運営実施計画(以下、「事業運営実施計画」という。)を策定するものです。  区民利用・交流拠点施設は、本庁舎等の整備に伴い段階的に開設していきます。区民交流スペース、広場等が開設する令和8年度を本格的な事業運営開始時期と定め、準備を確実に進めるとともに、その後も必要に応じて事業運営実施計画の見直しを図りながら、運営基本計画に定めた基本理念の実現に努めます。 2ページ 2 区民利用・交流拠点施設について (1)施設構成及び開設スケジュール  区民利用・交流拠点施設は、本庁舎と同じ敷地内に整備されます。 区民利用・交流拠点施設には、これまで長く区民の文化活動等に寄与してきた「世田谷区民会館」のホールや集会室、区民の様々な集まりやイベントの場であった「広場」が再整備されるとともに、「区民交流スペース」「区民交流室」「練習室」「屋上庭園」など、区民交流のための新たな場が追加されています。  本庁舎等整備は、現庁舎・世田谷区民会館・広場を段階的に解体し、三期に分けて建て替えや改修を行っていくことから、 区民利用・交流拠点の開設が3回に分かれています。 主な施設構成及び開設スケジュール(予定)は次のとおりです。 令和6年度(2024年度)開設 ・世田谷区民会館ホール 933席(前舞台使用時:902席) ・世田谷区民会館集会室(2室) 165㎡/95㎡ ・世田谷区民会館練習室(2室) 80㎡/45㎡ ・東1期棟エントランスホール 390㎡+125㎡ ・東1期棟ラウンジ 155㎡ 令和8年度(2026年度)開設 ・東2期棟区民交流スペース 745㎡ ・東2期棟区民交流室(2室) 各25㎡ ・東2期棟ピロティ 680㎡ ・東2期棟屋上庭園 1,335㎡ ・西2期棟区民交流室(2室) 35㎡/40㎡ ・外構広場 1,600㎡ 令和11年度(2029年度)開設 ・西3期棟区民交流室(キッチン付き) 60㎡ 壁芯による。5㎡単位で記載。 工事調整によって変更になる可能性があります。 3ページ (2)施設図面 全体図 1階平面図及び地下1階平面図 4ページ 2階平面図 6階屋上庭園(東棟)平面図 5ページ 3 計画の体系  令和5年6月には、区民利用・交流拠点施設の根幹となる「基本理念」、「基本方針」、「実現に向けた取組み」を中心とした大きな方針を記載した運営基本計画を策定しました。事業運営実施計画では、運営基本計画を踏まえた上で、より具体的・実際的な区民利用・交流拠点施設の事業運営に関しての検討を進め、事業・活動、組織運営に係る計画をまとめています。 【計画における構成図:「運営基本計画」+「事業運営実施計画」】 4 計画期間  事業運営実施計画は、令和6年度を始期とします。全体の事業運営の取組みについては令和8年度からとし、開設前の広報、プレイベント等については計画始期より進めるものとします。 【施設竣工時期、運営基本計画、事業運営実施計画スケジュール】 計画開始後は、検討状況や運営状況により、必要に応じて計画内容を見直すこととする。 6ページ 第2章 運営基本計画の概要  運営基本計画では、本庁舎等整備の基本方針の一つである「区民自治と協働・交流の拠点としての庁舎」を実現するために、基本理念、基本方針、実現に向けた取組みをまとめました。 1 基本理念 区民、市民活動団体及び区が協働して、 多様な人々がともに支えあい、交流し、 心豊かな住みやすい暮らしを実現する  平成28年(2016年)12月策定の世田谷区本庁舎等整備基本構想に基本的方針の一つとして掲げた「区民自治と協働・交流の拠点としての庁舎」。この方針に基づいて設計された新庁舎は、特にエントランス部分に位置する大規模な区民交流スペースについて、設計段階の検討会では、淡水と海水が交じり合い、多様な生物が共生し合う「汽水域」のように、人々の共生の場になり、ここで生まれる新しい関係が社会課題の解決に取り組む体制となることを将来像としました。  この提案を受けて、区民交流スペースや、世田谷区民会館、広場、屋上庭園等も含めた区民利用・交流拠点施設を舞台とし、さまざまな区民、市民活動団体及び区が協働して相互に影響を与え合いながら、多様な人々、一人ひとりが新たな縁を生み出し、交流して、心豊かな住みやすい暮らしを実現することをめざします。 【基本理念+基本方針+実現に向けた取組みの体系図】 7ページ 2 基本方針 (1)多様な人々の交流を生み出す場をつくる ・誰でも日常的に訪れることができる空間や事業を提供する。 ・区民や市民活動団体が運営に関わり、区民利用・交流拠点施設を積極的に利用して活動することで、区民自治に向けた共生・共助を生み出す。 ・区が市民活動団体、地域活動団体、教育機関、事業者等と協働・連携した取組みを実施する。 (2)文化・芸術によって暮らしを豊かにする ・全区的な文化・芸術の拠点として位置づける世田谷区民会館において、区民の誰もが暮らしの中で、多様な文化・芸術にふれ、体験・参加できる機会を提供する。 ・区民、市民活動団体及び区等の文化・芸術の取組みを推進し、心豊かな活力あるコミュニティの形成につなげる。 ・世田谷の歴史や文化・芸術の特色を活用し、地域の魅力向上に寄与する。 (3)みどりで多様な主体をつなぎ、心潤う環境をつくる ・「世田谷みどり33」をめざした「区役所一帯のみどりの拠点」として、魅力ある緑化空間づくりと拡大に取り組み、みどり豊かで住みやすい「世田谷らしさ」のある風景の創出によって、みどりの量と質を高めることに貢献する。 ・多様な人々がみどりを通して環境と調和する場をともに創り上げ、その多面的機能や価値を共有し、すべての持続可能性の基層である「環境」にかかる負荷を低減させるための意識を醸成する。 8ページ 3 実現に向けた取組み  基本理念を達成するためには、「多様な人々が訪れ、交流する場をつくる」取組みが求められます。この取組みを実現するためには、子どもから若者・高齢者や、障害者、外国人等、区民の誰もが関わりやすい仕組みの中で、一緒に時間を共有して、試行を重ねながら、組織や人を育み、進めていくことが必要です。 (1)区民、市民活動団体及び区等が協働し、地域と連携する一体的な運営組織をつくる ・区民、市民活動団体及び区等が運営に参画し、地域と連携する組織を構築し、区民利用・交流拠点施設で実施する事業や活動に横断的に関わる。 ・区民利用・交流拠点施設全体への区民参画のあり方と併せて、緑化空間をコモンのように共同管理することについて検討し、試行する。 (2)交流・共生を生み出す「つなぎ役」を設置する ・地域の課題やニーズに応じ、区民、市民活動団体及び区とのマッチング・交流など様々な案内や相談対応などを行う機能を試行する。 ・区民交流スペース等で、利用者同士が顔見知りになり、つながるためのつなぎ手としての役割を担うこともめざす。 (3)区民が主体的に関わる事業を実施する ・市民活動の持続的発展のため、新たに活動に参加する区民を増やすための普及事業を実施する。 ・誰もが参画・協働できる文化・芸術環境を整備していくために、区民参加の文化事業やワークショップ等を開催する。 ・みどりを楽しむことが区民にとって習慣づけられ、地域におけるみどりの役割を大切にする活動が区民に浸透するよう、「見て、楽しむ」だけでなく、「育み、活かす」事業の推進と定着を図る。 (4)誰もが使える、憩える空間をつくる ・区民が気軽に立ち寄れる、思い思いの時間を過ごせる居場所となるような空間づくりを実施する。 ・区民同士や区民と区などのミーティング、学習や研修、ワークショップなど、多様な体験や新しい経験ができる場を提供する。 ・イベントや展示などを通して、市民活動団体等との協働や文化・芸術の創造性などから生み出される様々な価値により、活力ある賑わいづくりの場としてのイメージを創出する。 (5)地域と連携した事業を実施する ・商店街、教育機関、図書館、公園緑地など、施設周辺地域の人的・文化資源と連携した地域の価値を高める事業を実施する。 9ページ 第3章 事業運営実施計画 1 事業・活動計画 (1)基本的な考え方  運営基本計画に定めた基本方針及び実現に向けた取組みを達成するため、庁舎機能と区民利用施設機能が融合する環境における区民参加・交流・協働の拠点としての事業展開により、これまで以上に積極的に協働を促進させます。「活動を促す学びや出会いの機会を創出し、多くの区民の施設利用につなげる」、「施設で出会った利用団体、利用者及び区の協働を促す」、「施設利用を契機に運営への積極的参画を働きかける」など、本拠点の活用を通じ、交流や協働が促進され、多くの区民の地域活動へとつながり、基本理念である「区民、市民活動団体及び区が協働して、多様な人々がともに支えあい、交流し、心豊かな住みやすい暮らしを実現する」ことを目指します。 (2)事業概要  運営基本計画に定めた基本方針に基づき、3つの観点から区民利用・交流拠点事業を組み立てることとします。事業実施にあたっては、同じく運営基本計画に定めた実現に向けた取組みを反映させながら、その実践を通じ、徐々に規模拡大や充実、深化を図るものとします。  なお、本施設の維持管理については、舞台設備等一部を除き、本庁舎の総合管理業務に含まれています。 ①区民活動・交流事業  基本方針1「多様な人々の交流を生み出す場をつくる」の実現に向け、これまでの検討で積み上げた利用イメージをもとに、次の事業に取り組みます。 10ページ 【利用イメージ】 これまでの検討結果からの施設利用イメージ ・区民利用・交流拠点施設全体が交流の舞台になる。 ・本庁舎等に訪れた人が、色々な場所で思い思いの時間を過ごすことができ、エリアの性質ごとに様々な使われ方が想定される。 事業概要 【事業目的・分類】 市民活動団体の活動や展示の場を提供し、可視化する事業 【事業内容】 区内で様々に取り組まれている市民活動を、区役所のエントランスと融合する区民交流スペースを中心としたガラス張りの環境で実践、展示することにより、区役所を訪れた多くの区民に知ってもらい、交流や参加、活動の促進につながる機会をつくる。 【事業目的・分類】 市民活動に関する情報収集・発信事業 【事業内容】 多様な市民活動を発掘し、普及や交流につなげるため、区民や団体、区が持つ関連情報を、SNSや紙媒体、口コミなども活用して収集し、当事者の意向も確認しながら冊子や動画配信等を活用し、積極的に発信する。 【事業目的・分類】 市民活動団体の活動、交流を促進し、持続性を高める事業 【事業内容】 交流のつなぎ手となるコーディネーターを配置し、市民活動やボランティア等についての情報提供、相談対応、活動団体のマッチング、ライブ配信等活動を普及する事業の実施などの支援を行う。 11ページ 【事業目的・分類】 市民活動団体の新たな活動を支援する事業 【事業内容】 新たな市民活動団体が活動を始める場合や、既存団体が新たな活動や事業に踏み出すにあたって、その活動に関連する団体との交流機会や情報、また、試行の場を創出し、支援する。 【事業目的・分類】 区民と区の交流、協働を生み出す事業 【事業内容】 市民活動をする区民と、それぞれの市民活動に関連する業務の担当者をはじめとする区職員の交流を促し、区の施策展開へつなげるために、協働でのイベント開催や試験的事業の実施、コーディネート機能の共同運営等を行う。 また、協働に関する研修やセミナーを実施する。 【事業目的・分類】 区民の憩いの場所を演出する事業 【事業内容】 区民が気軽に訪れ、思い思いの時間を過ごせるような空間づくりを行う。売店との連携や、時節や過ごし方の変容等に合わせてレイアウトを変えるなど、いつも居心地よく、楽しい空間となることを目指す。  なお、これらの事業を総合的に実施していくためには、多様な区民を受け入れるコミュニケーションツール、多様な活動を支えるWi-Fi、照明、映像、音響、展示等の設備や備品、しつらえを整える一方、利用・参加のルールづくりが重要となります。  特に、事業の中心として新しく整備される区民交流スペースは、交流促進の目的から、複数の活動が壁のない状態で同時に実施されることとなるため、動的活動と静的活動の共存や秘匿情報を扱う活動での利用などが課題となり得ます。基本的な考え方として、利用・参加ルールは最小限にとどめながら、扉や窓、壁、売店の位置、また、活動展示に適した照明やレール等設備の配置等も考慮しつつ、活動内容や過ごし方を想定したテーブル、椅子、ソファー等什器の配置によるゾーニングと誘導を図ります。また、混雑具合及び他の活動状況の案内や時間帯による利用・活動内容の誘導、秘匿情報等を扱う活動は区民交流室の活用、大きな音量等を伴う活動は練習室の案内といった利用調整にもあたります。なお、レイアウトは、利用・活動内容に応じて変更可能となるようしつらえるものとします。 12ページ 【区民交流スペースの利用図・レイアウトイメージ(例)】 開設に向けさらに試行イベント等を重ね、今後設置する(仮称)事業運営委員会での協議等を踏まえて、多様な利用・参加を促す空間づくり、ルールづくりに努めます。 13ページ ②文化・芸術事業  基本方針2「文化・芸術によって暮らしを豊かにする」の実現に向け、これまでの検討で積み上げた利用イメージをもとに、第4期文化・芸術振興計画との整合を図り、次の事業に取り組みます。 【利用イメージ】 これまでの検討結果からの施設利用イメージ ・直接、文化・芸術に触れる場は、文化・芸術の拠点である区民会館ホールがメインとなる。 ・練習室での活動や、ラウンジでのミニコンサートなど、様々な規模の活動が想定される。 ・屋内だけではなく、区民参加の文化事業やワークショップの場として、屋外を使った活動も考えられる。広場全体や、ピロティに面する扉を開放して東1期棟のエントランスホールから区民交流スペースまでを一体として、様々な人が自由に参加できる、広く賑やかな場として使うことも可能。 14ページ 【事業目的・分類】 区民が文化・芸術に出会い、参加・体験することができる事業 【事業内容】 乳幼児からシニア世代まで、区民の誰もが文化・芸術に出会い、参加・体験する機会を創出するため、集会室を利用したワークショップや気軽な体験講座等の参加型事業を行う。 【事業目的・分類】 地域のアーティスト、文化団体と連携する事業 【事業内容】 地域のアーティストや文化・芸術活動団体に対し活動の場を提供することにより、アーティストや団体の活躍の場の拡大を図るとともに、区民が身近に文化・芸術に触れ、楽しむ機会を創出する。 【事業目的・分類】 区民が良質な文化・芸術を鑑賞することができる事業 【事業内容】 区の新たな文化・芸術の拠点となる世田谷区民会館ホールにおいて、多様で良質な音楽コンサート等の公演を実施するとともに、ラウンジでのミニコンサートや、ホワイエでの美術品の展示などを行う。 【事業目的・分類】 文化・芸術の多様性を活かした事業 【事業内容】 人と違うことを評価し、受け容れる文化・芸術の多様性を活かして、広く多様性を認め合う意識醸成を図る事業等を関係団体と連携し行う。 15ページ ③みどり事業  基本方針3「みどりで多様な主体をつなぎ、心潤う環境をつくる」の実現に向け、これまでの検討で積み上げた利用イメージをもとに、次の事業に取り組みます。 【利用イメージ】 これまでの検討結果からの施設利用イメージ ・まず植栽に触れる場所で活動が発生し、そこを拠点として活動が広がっていく。広場には保存・移植されたケヤキが植えられている。 ・みどりに触れる活動として、プランターなどでみどりを増やしつつ、空間を分けることも可能。 ・屋上庭園全体はみどりをコモンのように共同管理をし、みどりに触れるだけではない、みどりを育み活かす活動なども想定される。 16ページ 【事業目的・分類】 みどりに触れ、育む機会を提供する事業 【事業内容】 学校の授業や生涯学習等の学びと連携した植物等の管理や、四季の草花を楽しむ催し、区民利用・交流拠点から近隣の緑道、公園を周るウォーキングツアーの実施など、敷地内外の緑化空間を活かし、みどりに触れる機会を提供する。 【事業目的・分類】 地域にみどりを拡げるための事業 【事業内容】 みどりを増やす活動を普及するための事業や、地域のみどりについての相談対応等を関係課や関係団体と連携して行う。 屋上庭園や広場のみどりを生かした活動等を、デジタルサイネージ等を活用して区民交流スペースや区内関連施設等で配信し、みどりに関する活動を拡げていく。 【事業目的・分類】 みどりを共に育む事業 【事業内容】 区内活動団体が実施している、花の寄せ植え講習会等の活動を、区民利用・交流拠点にも誘致し、区民参加型でみどりに関わる場をつくり、区民の暮らしにみどりが根付くよう、みどりを大切にする意識の醸成を図る。 【事業目的・分類】 みどりを通じて環境保全に寄与する事業 【事業内容】 みどりの大切さを伝える出前講座や講習会等を実施するなど、みどりに対する意識の醸成を通じ、区民が環境保全や環境負荷軽減等について知り、考える事業にも取り組む。 (3)全体調整  これまで掲げた各事業は、相互に関連しており、区民利用・交流拠点としての一体性を保持し、拠点全体の事業効果を最大化するため、以下のような全体調整を図ります。 【事業目的・分類】 利用調整 【事業内容】 拠点全体の年間事業計画に基づき、季節や月毎等の活動テーマを設定し、積極的に区民や団体、区関係課の参加を促す。このテーマに沿った活動を含め様々な目的により団体等が拠点を訪れるにあたり、スペースや時間の重なりの調整のみならず、維持管理や安全上の観点などを考慮しながら、相乗効果や交流への発展性などに配慮した利用調整を行う。 【事業目的・分類】 異なる分野が連携した事業 【事業内容】 市民活動、文化・芸術、みどりといった拠点事業の基幹となる分野はもちろん、教育、子育て、生涯学習、防災、環境、産業、福祉、健康増進等様々な分野と連携した事業を、関係課と関係団体との協働を積極的に促し実施する。 【事業目的・分類】 周辺地域と連携して行う事業 【事業内容】 本拠点は地域にとっての市民活動、文化・芸術活動、みどり推進の拠点ともなるため、近隣の公共施設や商店街、教育機関等と連携した事業を行う。 【事業目的・分類】 施設を活用した賑わい創出事業 【事業内容】 従前本庁舎等で実施されていた大規模なイベントや式典等をはじめ、他会場で催されていた事業の移転拡大実施などを関係課や関係団体に働きかける。また、区内の農産物等を販売するマルシェやキッチンカー出店、季節の行事なども企画し、区役所周辺地域の賑わい創出に努め、本拠点の認知度向上や新たな市民活動の契機につなげる。 17ページ 【事業目的・分類】 広域的に展開する事業 【事業内容】 全区的な拠点として、周辺地域だけでなく区全体を対象としたアウトリーチ事業や情報発信事業、既存関連施設等との連携事業等を展開する。 【事業目的・分類】 (仮称)事業運営委員会事務 【事業内容】 基本理念に掲げる区民交流、協働の拠点となるべく、区、運営事業者、区民、団体などが事業運営について議論する(仮称)事業運営委員会の事務を担う。 (4)運営(利用可能)日・時間、参加手続き等  区民利用・交流拠点においては、単なる施設の提供ではなく、ここで事業・活動が幅広く行われ、多様な区民の参加機会を創出することが必要です。  そのためには、事業内容はもとより、常に利用者像を意識し、そのニーズに寄り添った運営時間や参加手続き等の設定も重要な要素となってきます。  そこで、これまでいただいた区民意見等を踏まえ、次のような考え方で設定するものとし、(仮称)事業運営委員会での協議を踏まえ詳細に決定していきます。  なお、東1期棟のエントランスホール、ラウンジについては、2期工事中の運用状況等を踏まえ、区民利用・交流拠点としての本格的な開設に向け検討を進め、改めて定めることとします。 ①運営日  本拠点は庁舎と一体となったつくりとなっていますが、拠点事業の主旨に鑑み、多くの区民の利用・参加を促すため、従前の世田谷区民会館の運用を参考に、全体として年末年始と設備維持管理上やむを得ない日を除き、閉庁日を含め事業運営することとします。 ②運営時間  運営時間については、それぞれの事業内容や利用者・団体の属性、活動内容等により、利用したい時間帯が分化することも考えられ、多様な交流を促進するねらいとのバランスも考慮しながら設定していく必要があります。  なお、改修前の区民会館では、「午前:9時~正午」「午後:13時~16時30分」「夜間:17時30分~22時」の3区分と、これを通して9時~22時まで使用できる「全日」の4つの利用時間区分を設けていました。  また、区民センターの例では、午後を「12時30分~14時30分(午後1)」「15時~17時(午後2)」の2つに分け、夜間は「17時30分~19時30分(夕方)」「20時~22時(夜間)」の2つに分け、6つの利用時間区分が設けられています。  屋外施設の例では、公園のナイター設備のないスポーツ施設の多くが夏季は19時まで、それ以外の時期は17時までの利用となっています。  区民意見では、区民利用・交流拠点に対し夜間22時ころまでの利用希望が多く、一方では、広場やピロティといった屋外空間も有していることから、拠点機能の最大発揮を図りつつ、近隣への配慮等も勘案し下表のとおり設定します。 18ページ 各拠点の運営時間は以下のとおり。 なお、屋外での大規模イベント等実施の際は個別に設定。 区民会館(ホール・集会室・練習室) 9時から22時 《備考》 この運営時間は条例に定めるとおり。 また、午前は9時から12時、午後は13時から16時30分、夜間は17時30分から22時とする。 東棟1期棟エントランスホール・ラウンジ 9時から22時 《備考》 2期工事期間中は活動を伴わない個人利用を想定。 運営時間については、2期工事期間中は変更となる可能性あり。 区民交流スペース 9時から22時 《備考》 活動を伴わない個人利用は8時30分より 区民交流室 9時から22時 広場 24時間通行可能 《備考》 活動を行う場合は9時から17時 ピロティ 24時間通行可能 《備考》 活動を行う場合は9時から17時 屋上庭園(東棟) 9時から17時 ③参加手続き等  ほとんどの区民利用施設では、公共施設予約システム「けやきネット」での予約ができるようになっていますが、本拠点に対する区民意見では、多くの区民の利用に向け「けやきネット」における団体登録要件よりも柔軟な運用や、DX推進の観点、さらに登録・受付自体の必要性にすら及ぶ手続きの簡便さを求める声が多く寄せられました。  こうした利用・参加条件や参加手続きについても、事業内容や利用想定等を勘案し、下表のような考え方で設定します。 区民会館(ホール・集会室・練習室) 【利用・参加条件】 営利を目的とした利用は不可(ホールを使用する場合を除く) 【利用・参加手続き】 ・団体または個人からの使用申請に基づき使用の承認を行う。 ・使用申請のオンライン化を進める。 区民交流スペース、区民交流室、広場、ピロティ、屋上庭園(東棟) 【利用・参加条件】 政治や宗教活動等は利用・参加不可 【利用・参加手続き】 ・活動を伴わない個人利用は受付・利用手続きなし。 ・団体(区民1人以上を含む2名以上)及び活動を行う個人は、事前に登録のうえ当日参加受付。ただし、1日以上継続して活動や展示を行う場合は団体、個人ともに事前相談を要する。 ・事前相談では、拠点としての活動テーマとの符合や区関係課との協働の有無、他団体との交流促進の可能性等による利用調整を行う。 ・区民を含まない団体・区民以外の個人の活動及び営利活動も可能とするが、すべて事前相談を要する。 ・登録、事前相談は運営事業者の提案に基づくアプリ等により行う。 19ページ ④利用料金(使用料・参加料)  本拠点の利用料金については、広く区民交流を図る目的と受益者負担の原則の兼ね合いを踏まえ、多くの区民の利用を促すことを前提に、それぞれの事業内容にあわせ、下表のような考え方で設定します。その徴収手続きについては、運営事業者によるものとし、具体的な方法はキャッシュレス決済対応を含め、できる限り簡便となるよう運営事業者の提案を求めます。 区民会館(ホール・集会室・練習室) 【利用料金(使用料・参加料)】 区民会館条例等に定める使用料 区民交流スペース、区民交流室、広場、ピロティ、屋上庭園(東棟) 【利用料金(使用料・参加料)】 ・原則として無料 ・1日を超えて継続して活動する場合は、拠点事業経費をもとに算出した参加料が必要(区民を含む団体及び区民は5割減相当額とするが、一定額(材料費相当)以上の料金を徴収する活動の場合は減免なし) ・区民を含まない団体・区民以外の個人は活動時間に関わらず参加料が必要(一定額(材料費相当)以上の料金を徴収する活動の場合は5割増相当額) ・営利活動は活動時間に関わらず参加料が必要(区民を含む団体及び区民は減免なし、区民を含まない団体・区民以外の個人は5割増相当額) ・なお、区との協働による活動は、区民を含む団体及び区民は1日超であっても無料(一定額(材料費相当)以上の料金を徴収する活動は参加料が必要(5割減相当額))とし、区民を含まない団体・区民以外の個人は5割減相当額(一定額(材料費相当)以上の料金を徴収する活動は減免なし)、営利活動の場合は区民を含む団体及び区民は5割減相当額、区民を含まない団体・区民以外の個人は減免なしの参加料がそれぞれ必要 20ページ 2 組織運営計画 (1)事業・活動計画を実現し、持続する組織のあり方 ①運営の全体像  区民参加の運営体制のイメージは下図のとおりです。事業・活動計画で示した取組みを効果的に実現するには、区民、市民活動団体及び区が協働し、そこに専門的なノウハウを有する人や企業等が関わる、区民利用・交流拠点ならではの運営組織が構築される必要があります。  そして、長く関わって経験を蓄積することとともに、新陳代謝や世代交代が行われることも持続可能な組織づくりには大切です。本庁舎等整備2期工事竣工後の本格的な運営開始に向けて区内の団体、区民等との協議を行い、(仮称)事業運営委員会の組成を含め準備を進めます。 【運営イメージ図】 ②(仮称)事業運営委員会  事業運営委員会は、区民のニーズや社会の要請に応じたルール変更、方針の見直しが円滑に図られるよう、区民利用・交流拠点事業の運営における情報や課題を関係者が共有し、改善策を話し合う場とします。その事務局は、運営事業者の補助を受けながら、当面は区が担うものとします。  事業計画や事業報告を評価するという諮問組織的な立場だけでなく、年間を通してより実践的な提案・助言を行い、運営者と並走しながら改善を進めるようなあり方を目指します。  委員については任期を明確化し、長期の固定化を避ける一方、単年度の事業計画のみならず、中期的な目標も協議対象とします。  当初の事業運営委員会組成にあたっては、まず公募等により区民や団体等を含めた(仮称)事業運営委員会準備会を組織し、準備会での議論も踏まえて委員選出や具体的な運営方法を定めていくこととします。 21ページ ③運営組織  区民会館の運営は、文化芸術に精通し、多様で良質な公演から親しみやすいワークショップまで多岐にわたる事業を提供すること、団体から個人利用までさまざまな施設利用ニーズに幅広く応えることが可能な主体が必要です。一方、区民交流スペース等は、事業や場を提供すること以上に区民や市民活動団体をつなぎ、活動を促すコーディネートができる主体が必要です。  こうした拠点事業の特性や専門性を踏まえ、単体または複数の事業者・団体が区と契約し、契約事業者・団体が、区と連携して運営を主体的に担うこととします。その際、契約事業者・団体において、責任者をはじめ事業を効果的・効率的に運営する業務分担と組織を形成することとします。 ④運営主体  区民会館は、その施設特性から、改修前は指定管理者による運営を行っていました。現在は改修中のため直営としていますが、令和8年度後半に交流拠点施設のほとんどが開設するタイミングにあわせ、指定管理者による運営に戻すこととしています。  その他の拠点事業については、区内のNPO法人等の積極的な参画を求めたいところですが、区内NPOや市民活動団体に対して運営への参画可能性を調査したところ、年間を通して全体の運営を実施可能とした団体はほとんどありませんでした。このため、将来的にはNPO等による全体運営を目指すものの、当面は部分的にNPO等市民活動団体が参画可能な組織づくりとし、全体的な運営はNPO等参画のとりまとめが可能な運営事業者が担い、施設の基幹業務の遂行と、NPO等をつなぐ役割を果たす枠組みとします。この事業者と区との契約は、区民会館を含めた交流拠点の全体調整業務を含むことからも、区からの業務委託とします。  なお、区民会館の指定管理者と、区民交流スペース等の運営事業者を同一にすることは、事業運営の一体性保持のうえでは有益ですが、必要となる人員やノウハウの確保等事業参画条件が厳しくなることを想定し、それぞれ選定することとします。  事業者の選定方法は公募を原則とし、今後業務仕様の詳細化にあわせ設定します。なお、新規開設となる区民交流スペース等の事業者選定にあたっては、まず業務仕様や参画要件(事業実績やJV(共同企業体)による参加を可能とするなど)の案を公表し、事業者等の意見を公募するなど丁寧に準備を進めます。  選定時期については、先述の交流拠点全体の開設に向け、各選定事業者による開設準備期間も考慮し、設定します。 22ページ 【事業の枠組みを示した図】 基本的な業務分担は上図のとおりとするが、各事業において他の交流拠点施設を利用することがある。また、上図の複数の委託業務については、一体的に発注する。 (2)本庁舎等整備2期工事竣工までの運営方法について ①運営主体  本庁舎等整備1期工事竣工後の令和6年度中に先行して開設を予定している区民会館は、他のエリアが改修中であり、工事の進捗に応じた運営が必要であることから、従来のように指定管理を導入することが難しく、当面直営にて運営を行います。専門性が必要な業務については、事業者に委託しながら、本事業運営実施計画に基づく事業を段階的に実施していきます。  指定管理者については、区民会館以外の運営事業者と同様令和7年度に選定に入るとともに、(仮称)事業運営委員会の組成準備を進め、2期工事竣工後の全体開設・事業開始に備えます。 ②広報等  令和5年5月実施の区民意識調査では、本拠点の認知度は1割未満であり、開設・事業開始前から、多くの区民の利用につながるよう、各種媒体を通じ広報に努めるとともに、プレイベント等の実施や選定事業者によるPR、事業運営委員会による発信等を検討します。 3 収支計画  区民利用・交流拠点は、ホール等の施設で使用料を徴収したり、事業・活動による利用・参加について一部有料にすることが想定されるため、収入が発生します。  以下に一定の条件設定に基づく試算を示します。今後、事業者選定に向けた事業内容の詳細化、定量化等にあわせ、収支についても精査していきます。 【試算条件】 ・拠点全体開設後の年間事業収支とする ・事業内容や運営日等は事業・活動計画に基づき設定する ・人件費等の単価は本計画策定時のものとする  区民会館 人件費9,290万5千円+事業費2千万円+その他管理費2,034万1千円 =支出計1億3,324万6千円 利用料金等収入7,045万円を差し引くと 合計6,279万6千円 その他(区民交流スペース等) 人件費6,448万円+事業費400万円+その他管理費160万円 =支出計7,008万円 利用料金等収入351万円を差し引くと 合計6,657万円 区民利用・交流拠点施設全体 人件費1億5,738万5千円+事業費2,400万円+その他管理費2,194万1千円 =支出計2億332万6千円 利用料金等収入7,396万円を差し引くと 合計1億2,936万6千円 23ページ 第4章 全体開設に向けて 1 今後のスケジュール  当初は、本庁舎等整備工事の竣工予定に伴い、令和5年度に区民会館が開設し、令和7年度に区民交流スペース等ほとんどの区民利用・交流拠点が開設・事業開始する計画でしたが、工期の延伸により、以下のようにそれぞれ開設時期がずれ込みます。  今後は円滑な開設に向け、順次準備を進めます。なお、今後の本庁舎等整備工事の進捗状況等により変更がありえます。 令和5年度 本庁舎等整備1期工事竣工 事業運営実施計画策定 令和6年度 区民会館開設(業務委託) 事業者選定に向けた業務仕様等案公表・意見募集(区民交流スペース等) (仮称)事業運営委員会準備会委員公募・設置 令和7年度 事業者選定(区民交流スペース等) 令和7から8年度 指定管理者選定(区民会館) (仮称)事業運営委員会組成・設置 令和8年度 指定管理者・事業者による開設準備 庁舎管理規則等関連規定整備 本庁舎等整備2期工事竣工 区民交流スペース等開設 指定管理による運営開始(区民会館) 令和11年度 本庁舎等整備3期工事竣工 区民交流室(キッチン付き)開設 24ページ 参考 計画作成までの検討経過  事業運営実施計画の検討にあたっては、運営基本計画を踏まえ、市民活動団体の意向調査や区民ワークショップによる意見聴取、区民利用・交流拠点施設の運営を想定した試行イベント企画・実施による検証、これらを踏まえた学識経験者によるワーキンググループでの議論などを積み上げることとしており、計画のとりまとめに至るまで、以下のように取り組んできました。 令和5年 4月 NPO意向調査 5月 区民意識調査 6月 試行イベント実施 7月 区民ワークショップ(5地域)開催 類似施設運営者ヒアリング調査 試行イベント実施 8月 学識経験者ワーキンググループ開催 9月 計画素案公表 区内活動団体アンケート 10月 区民意見募集 11月 学識経験者ワーキンググループ開催 シンポジウム開催 12月 学識経験者ワーキンググループ開催 これらの取組みの概要は次のとおりです。 1 NPO意向調査 (1)実施概要 区内NPO法人に対し、区民利用・交流拠点施設について周知を図るとともに、利用意向等のアンケート調査を実施しました。 ①実施時期 令和5年4月 ②調査対象数 420法人 ③回答数 22件(全体の5.2%) ④調査内容 現在の活動内容や活動場所、区民交流スペースの利用の可能性、運営への参画の可能性等 (2)結果概要 ・施設の利用 この施設で現在の活動ができると回答した法人 13法人 ・運営への参画 年間を通じ施設運営業務全体が可能と回答した法人 なし 市民活動に関する相談等の支援業務が可能と回答した法人 2法人 施設での自主事業に関する業務が可能と回答した法人 7法人 25ページ 2 区民意識調査 (1)実施概要 世田谷区民意識調査2023の一部として、区民交流スペースの認知度を調査しました。 ①調査期間 令和5年5月19日(金)~ 6月9日(金) ②対象 世田谷区在住の満18歳以上の方 4,000人 ③有効回収数 1,832人 ④有効回収率 45.8% (2)実施結果 ①区民交流スペース開設時期の認知度 問:区民交流スペースが令和7年度に開設することを知っていますか。  知らない 94.3%  知っている 4.0%  無回答 1.7% ②区民交流スペースに期待すること(複数回答) 問:区民交流スペースに期待することは何ですか。 気軽に休憩や飲食、談話などで利用できる空間づくり 46.1% 文化・芸術に触れる機会の充実(ロビーコンサートなど) 41.4% 展示やワークショップ、マルシェなどイベントの充実 35.5% 区民同士の交流に参加できる機会の充実 26.6% 地域と連携した事業の実施 16.9% 区内の活動団体等の活動・運営に関する支援 13.8% 打合せなどで利用できる会議スペースの充実 12.6% 区民が自分を表現できる場の提供 10.8% イベントの企画運営に携わるような仕組みづくり 9.7% あてはまるものはない 14.7% 無回答 4.6% 3 区民ワークショップ (1)実施概要 区民利用・交流拠点施設の 区民周知を図り、施設運営に関する意見を募るため、説明会を兼ねた区民ワークショップを実施しました。 ①実施期間 令和5年7月3日(月)~7月11日(火) ②実施回数 全5回(5地域で各1回実施) ③参加者数 計50人 年齢層内訳 10~20代 5人 30~40代 5人 50~60代 32人 70代以上 7人 不明 1人 26ページ (2)結果概要  区民利用・交流拠点施設の概要、運営基本計画の説明後に、参加者で意見交換を行いました。主な意見は以下の通りです。 ①レイアウト・備品について ・多様な人が利用できるようユニバーサルデザインに配慮したレイアウト等が必要。 ・少人数での会議利用や、ひとりで利用するエリア、飲食できるエリアなどを分けるとよい。 ・ライブ配信をするための機材やWi-Fi環境を整えてほしい。 ②利用ルールについて ・登録手続きの簡素化やインターネットの活用で予約等の負担を減らせるとよい。 ・利用時間は、朝から夜間まで区民のニーズに合わせて幅広く使えるとよい。 ・利用者像に応じて、利用時間帯を分けてもよい。 ③支援体制・機能について ・区内の様々な活動団体がこの拠点に集い交流する機会を作れるとよい。 ・区役所に来られない方などに向けて、施設での活動をデジタル配信などにより広げていくことが重要。配信を行うにあたりサポートがあるとよい。 ・SNSを活用し、施設での活動や区内団体について効果的な情報発信をしてほしい。 4 類似施設運営者ヒアリング調査 (1)実施概要 具体的な施設運営の検討の参考とするため、類似施設の運営者に対するヒアリング調査を行いました。 ①実施時期 令和5年7月 ②実施対象 都内類似施設2か所 (2)調査項目  運営事業者と選定経緯、業務形態、業務内容、組織体制、経費、運営上の留意点等 5 試行イベント第1回 うめとぴあフェスタへのPRブース出店 (1)実施概要  区民利用・交流拠点施設の運営の具体化に向け、当該施設の運営を想定した試行イベントを実施しました。 ①実施日 令和5年6月3日(土) ②実施場所 保健福祉医療の拠点うめとぴあ ③実施内容 うめとぴあフェスタへのPRブース出店  区民交流スペースに類似したエントランスホールを有する施設のイベントに参加し、区民利用・交流拠点施設の周知及び来場者が参加できるワークショップを行いました。 27ページ (2)結果概要 ワークショップでは、施設の利用イメージについて以下のような提案をいただきました。 ・Wi-Fiが使える ・一人でも気軽に居られる ・仮設ステージで発表会 ・観葉植物の配置 ・のんびり休憩できるスペース ・子どもと来られるやわらかい床やおもちゃ 等 6 試行イベント第2回 「うめとぴあ×なつあそび」イベント実施 (1)実施概要  第1回試行イベントを参考に、区民利用・交流拠点施設の運営を模したイベントを企画・実施し、検討内容の検証を行いました。 ①実施日 令和5年7月29日(土) ②実施場所 保健医療福祉の拠点うめとぴあ ③実施内容  うめとぴあ保健医療福祉総合プラザのエントランスホール等を会場に、屋内外のエリアを組み合わせたイベントを実施しました。 目的 ・レイアウト検討 ・「非日常」「日常」の共存の検討 ・交流につながるような仕掛けの検討 ・区民参加のかたちの検討 ・運営体制の検討 ・区民利用・交流拠点施設のPR 実施イベント ・大道芸やダンス等のパフォーマンス ・科学工作ワークショップ ・キッズスペース ・カフェ営業 ・キッチンカーによる飲食物販売 ・マルシェ(物品販売) (2)結果概要  未就学児から小学生を中心とした子どもたちとその保護者を中心に、多くの来場がありました。同時に、散歩等うめとぴあの日常的な利用者の来場もありました。  イベント実施を通じて、次のように検証結果の概要をまとめました。 ①レイアウト等 ・エリアや時間分けによる人流の変化に対応できるしつらえが有効である。 ・電源等の設備に留意する必要がある。 ・一方、静と動や日常と非日常のすみ分けには工夫が必要となる。 ②交流の仕掛け ・仕切りのない同時活動は交流の契機となりうる。 ・イベント等の準備段階からの協働の可能性も追求する必要がある。 ・飲食は集客に有効である。 28ページ ③区民参加等 ・団体等への働きかけには庁内連携が重要となる。 ・区内大学学生ボランティアネットワークは世代交流にも効果あり、大学連携等も新施設運営に有効と考えられる。 ・うめとぴあの地域交流会議には、区、事業者、地元町会、商店会、学校、関係団体等が参加し、多様な意見交換の場となっており、新施設運営にも参考となる。 7 学識経験者ワーキンググループ (1)実施概要  令和4年度に実施した「世田谷区本庁舎整備に係る区民利用施設総合運営計画策定検討委員会」に参加いただいた学識経験者を委員とするワーキンググループを開催し、素案に関するご意見をいただきました。 ①実施日 第1回 令和5年8月1日(火) 第2回 令和5年11月1日(水) 第3回 令和5年12月28日(木) ②検討委員(敬称略) 跡見学園女子大学マネジメント学部マネジメント学科教授 曽田 修司 武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科教授 齋藤 啓子 東京農業大学地域環境科学部造園科学科准教授 福岡 孝則 (2)結果概要 各委員から素案及び今後の検討に関して、ご意見をいただきました。 ①第1回 【主な検討内容】 ・令和5年度の取組み状況について ・運営実施計画(素案)について 【いただいた主なご意見】 ・日常的な利用者には区職員も含まれることに留意する必要がある。 ・今回の試行イベントは良い機会であったので、より多様なパターンを試行することが望ましい。 ・施設の周知については、試行イベント等の取組みもコンテンツとして利用するとよい。 ・区民会館とその他の施設の運営主体については、JV等、様々な形が考えられるが、区が「一体的運営」として求めるものが明確になるとよい。 ・運営委員会は、期間を定めた方針設定や委員が固定化しないような仕組みとすることが望ましい。 ・運営委員会の事業評価では、利用者の声を聴くことにデジタルを活用するとよい。 29ページ ②第2回 【主な検討内容】 ・運営実施計画(素案)の説明状況等について ・運営実施計画(案)作成に向けた課題整理について 【いただいた主なご意見】 ・区内活動団体を対象に行ったアンケート調査は有意義であり、施設周知の効果もあった。更なる分析によってより理解できる部分があるだろう。 ・既存団体の情報だけでなく、新しい団体が生まれる可能性も意識しておく必要がある。また、区の活動として足りない部分、そこをどの団体が担えるかも検討が必要である。 ・施設の使い方について、実験しながら考えていくということが、運営、運営委員会にもつながっていく。 ・本庁舎と交流拠点施設が一緒になっている特性を活用して、区と区民の協働を進めていくことが重要である。 ・交流拠点施設で活動を行ってもらうための仕掛けづくりをし、人を呼び込んでいくこと、そこに活動団体の活動周知ニーズをマッチングさせるとよい。 ・区の各所管課で行っている既存のイベントを交流拠点施設に誘致して、それぞれをつなげて何かを生み出す方法も運営の全体像を作るにあたって有効ではないか。 ・交流拠点施設への流れだけでなく、各地域への還元など双方向の良い効果が生まれるようにしたい。 ③第3回 【主な検討内容】 ・市民活動団体アンケート調査結果の分析、区民意見募集結果について ・運営実施計画(案)について 【いただいた主なご意見】 ・「協働」というコンセプトを伝えていくことが重要であり、また新しい発想が次々に現れてくる場を目指すべきである。 ・区内でまだ知られていないが良い活動をしている団体、活躍しているがまだ新しい団体もこれから掘り起こしていくことが重要。アンケートだけでなく、積極的にヒアリングなどを実施しパートナーを増やしていくとよい。 ・「運営委員会」など、最初は区が主体となって動き出すことが現実的ではないか。 ・臨機応変に柔軟に対応できるような、また「参加」が担保されるような運営を目指してほしい。 ・運営委員会については、オープンで多様性がある組織構成が望ましい。 ・事業については、限られた予算の中で、骨格となる重要事業を決めることと、創意工夫をして進めていくことのバランスが重要である。 ・「区民交流スペース・区民交流室」、「区民会館(公共施設)」、「広場・ピロティ・屋上庭園(屋外空間)」で展開される各種事業の掛け合わせや、区民の主体的な参加を促すための「振付」を意識することが重要となる。 ・庁内各所管でそれぞれ取り組んでいる事業や取組みについてもこの施設に誘導できるとよい。 ・すでに区内で実施している事業や活動を可視化して知ってもらう、拡げていくという視点に立って始めることも重要ではないか。 ・拠点施設だけに視野を狭めず区内活動の地域ごとの状況を見える化、把握することも重要。デジタルなどを活用して区内の各地域にもアプローチしていくべきではないか。 30ページ 8 区民利用・交流拠点施設に関する区内活動団体アンケート (1)実施概要  区民利用・交流拠点施設の周知を図るとともに、区内活動団体の活動状況や新施設利用のニーズ調査、事業や運営に関する意見を伺い、運営実施計画策定の参考とするため、アンケート調査を実施しました。 ①実施時期 令和5年9月 ②対象団体 区内活動団体 ③送付数 1,630団体 ④回答方法 インターネット、郵送、FAX (2)結果概要 ①回答数 278団体 ②回答率 17.1% ③主な回答 「区民利用・交流拠点施設での活動について」 区民利用・交流拠点施設での活動の意向があると回答した団体 127団体 活動の意向がないと答えた団体の意向がない主な理由 ・地理的に遠く、利用できない。 ・地区内のまちづくりセンターを利用、活動しているため。 ・活動場所から遠く、参加しにくい。 「活動を行うにあたって必要なものについて」 必要なサポートについての回答 SNSを活用した効果的な情報発信 139団体 行政との協働 133団体 活動場所の提供 129団体 市民活動等についての情報提供 106団体 関連団体との交流 106団体 活動の相談 59団体 市民活動に関するセミナー 36団体 その他 (冊子等による配布、 経験・スキルのあるスタッフ、 助成金や補助金に関する 案内や指導 など) 47団体 31ページ 「運営事業者について」 運営事業者として、以下の運営業務について年間を通して担うことが可能とした団体 1:【全体業務】区民利用・交流拠点施設の一括運営 6団体 2:【個別業務】区民活動・交流事業 18団体 3:【個別業務】文化・芸術事業 16団体 4:【個別業務】みどり事業 9団体 5:【個別業務】全体調整 8団体 6:2から5の中で一部の事業のみ運営を担うことができる 43団体 7:1から5以外で貴団体が担える業務がある 26団体 8:年間を通しての運営は難しいが、 一部の期間において運営を担える 33団体 9:担える運営業務はない 152団体 9 「新しい区民利用・交流拠点施設を考えるシンポジウム~協働・交流の場に向けて」開催 (1)実施概要  区民利用・交流拠点施設の周知及び施設の事業や運営等をとりまとめる「運営実施計画」策定に活かすことを目的に、これまでの検討内容についての講演と、ワーキンググループの委員及び区民ワークショップの参加者、世田谷区長によるパネルディスカッションを行いました。 ①実施日 令和5年11月5日(日) ②来場者数 37名 ③登壇者 ワーキンググループ委員 跡見学園女子大学マネジメント学部マネジメント学科教授 曽田 修司 ワーキンググループ委員 武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科教授 齋藤 啓子 ワーキンググループ委員 東京農業大学地域環境科学部造園科学科准教授 福岡 孝則 (講演のみ動画にてご参加) 世田谷地域区民ワークショップ参加者 船木 玲子 玉川地域区民ワークショップ参加者 白澤 洋一 世田谷区長 保坂 展人 32ページ (2)結果概要  パネルディスカッションを通し、以下のようなご意見をいただきました。 ・施設の一体的な活用等を通し、市民活動団体の活動の見える化ができると良いだろう。 ・人々の交流のコーディネーターとして、若い世代の担い手が関わっていけると良い。 ・アクセスについての課題はあるが、Webサービスでのデジタルな発信と掲示板等のアナログな発信の両方を通して、まずは区民に施設を身近に感じていただくことが第一歩として必要だろう。 ・みどりを通した取り組みは幅広い世代が参加でき、具体的な成果が目に見えるため、実施する価値が大きい。広報についても区民が関わって行っていく方法を検討できるとよい。 ・今回のシンポジウムのような区民が参加できる取り組みを通して、施設への愛着が増していくだろう。区にはそのような機会を今後も継続して設けてほしい。 10 世田谷区本庁舎等における区民利用・交流拠点施設運営実施計画 (素案)に対する区民意見募集 (1)概要 意見募集期間 令和5年10月15日~11月12日 意見提出人数 15人(ホームページ4人、シンポジウム11人) 意見総数 26件 (2)意見の内訳 事業・活動計画について 15件 組織運営計画について 8件 収支計画について 1件 その他 2件 合計 26件 (3)主な意見 事業について ・行政と市民団体が、政策ごとの協働と参画をメインにした政策メッセが出来たらぜひ参画したい。 ・大人から子どもによるダンス、日舞等、アマチュアの小団体が集まってのフェスティバルの開催ができないか。 ・世田谷区に在住している多様な世代のミュージシャン、先進的なアーティストを生かして、全年代も楽しめるテクノロジーとメディアアート、音楽を絡めた先鋭的かつアットホーム感のあるアートフェスティバルを実施できるとよい。 33ページ ルールについて ・運用ルールは極力自由で柔軟なものとして、縛りは最小限にするくらいで良い。そのことが多文化共生・多様な人々の交流の場につながる。世田谷の将来を担う若い世代、大学生、子育て世代の人たちが使いやすい居場所となるようにしてほしい。 運営について ・実施する活動や開催するイベントが「世田谷にふさわしいものか」「倫理的に問題がないか」「法律面・コンプライアンス面の問題がないか」などについてチェックする機能が必要ではないか。 ・基本理念は先進的で素晴らしいと思った。実際の運用にあたって、この理念が生かされるにはコーディネーターの存在が重要だと思う。また、事業者や運営委員会も重要である。