区政運営方針

最終更新日 平成23年10月21日

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世田谷区 区政運営方針
平成23年8月

趣旨

平成23年3月11日の東日本大震災と原発事故の災禍の規模と後世への影響はいまだ計り知れない。私たちは、高度経済成長からバブル経済の崩壊、そして長い不況のトンネルをくぐってきた。今、近代日本の中で、大きな社会的転換期を迎えており、パラダイムシフトのただなかにいる。
今回の大災害は、「繰り返されてきた危機」の再来ではなく、「人があたりまえに生きること」の土台を激しく揺さぶった。「災害に強いまちづくり」に対しての関心は高まり、暮らしに身近な自治体に人々が求める期待と需要は、日々増幅している。
世田谷区は、人口88万人を擁する東京最大の基礎的自治体であり、敏感に時代の変化に対応し、また時代を先取りした課題に取り組んできた軌跡を持っている。こうした進取の精神にとんだDNAを活性化させ、人的資源や行政組織をあげて危機の時代を果敢に乗り切ることが求められている。
そこで、世田谷区では平成26年度を起点とする新たな基本構想、基本計画の策定の準備に入る。現在の基本構想は16年前につくられた。

「世田谷区は、区民の創意と活力に支えられた「身近な政府」として、この基本構想のもとに、いっそう先駆的な取組みを進め、地方自治に基礎をおいた新しい地方・中央関係の確立をめざします。」(平成6年9月20日区議会議決)

とした気概を引き継ぎながら、この間の社会の変化を踏まえた次の時代を見通すためのビジョンを示すことが急務となっている。
そこで、平成23年度後半から25年度前半までの約2年間をかけて審議会を設置して、シンポジウムの開催をはじめ、幅広く区民からの意見や提案を受けて議論を練り上げ、「新基本構想」「新基本計画」を策定していくこととする。
次の時代に向けた大きな一歩を準備するための平成24年度~25年度の2年間は、従来からの基本構想、基本計画、実施計画を継承しながら、新たな政策ビジョンを組み立てる重要な時期にあたる。そのために、「区政運営方針」を示して、強固な行財政基盤の確立と区政の新機軸への転換を同時にはかることとする。

方針

平成24年度からの2年間における区政運営にあたっての基本的な視点は、以下に示すとおりである。

なお、平成24年度からの2か年を定める「実施計画・行政経営改革計画」は、防災、環境、福祉など喫緊の課題への対応を優先するとともに、平成26年度からの新基本構想、新基本計画の策定に着手することを考慮して、作成することとする。

(1)災害に強いまちづくり

「区民の生命と財産を守る」ことは区政の責務であり、従来の予想を超えた大規模かつ長期的な災害に対して、行政機能の持続可能な体制整備をはかる。
災害対策総点検をへて、「防災」「減災」を基軸に区政全般の見直しを進める。

  • 区立学校を災害対策・生活再建に向けた拠点施設として、機能を強化していく。区内の高校・各種学校・大学とも災害時の連携を強め、生徒・学生参加の人的ネットワークづくりを進める。
  • 区内27か所の「出張所・まちづくりセンター」単位の災害対策を「顔と顔が見えるコミュニティ」の活性化を通して進めていく。区民と行政がパートナーシップを発揮しながら、日常的に培っていく「住民自治」を災害からの地域再建の要とする。

(2)顔と顔が見える自治のまちづくり

「出張所・まちづくりセンター」単位での、「地域住民自治」の強化をめざし、災害対策の強化、犯罪の抑止、孤独死の防止をめざす。

  • 区民による自主的なコミュニティづくりの支援、NPO等による市民活動を促進する。
  • 住民自治の推進に向け、一層の情報公開と区民参加を進める。
  • 区民、町会・自治会、NPO等の活動と出張所・まちづくりセンター、総合支所はじめ、全庁の各部署とが有機的につながり、総合的なネットワークの力を発揮できる自治体をめざして改革に継続的に取り組む。

(3)自然エネルギーをたくみに使うまちづくり

原発事故と放射性物質の拡散が深刻な影響をもたらしたことに鑑み、地域電力供給情報にもとづいた一層の効果的・効率的な電力需給体制を構築して、持続的節電を実施する。また、二酸化炭素の排出を抑制し、自然エネルギーを活用したまちづくりをめざす。

  • 自然エネルギーを軸とした先駆的な研究、技術、活用の情報を、正確かつスピーディーに発信していく。
  • 区民と事業者、区が連携・協働して、自然エネルギーを活用したまちづくりを推進し、将来の電力の地産地消の比率を高める。地域が一体となって参加する地球温暖化対策を推進する。

(4) 未来を担う子ども、若者を育てる、教育、子ども政策の推進

「子ども、若者は未来の宝」であり、子どもを地域社会で守り育て、若者が社会の担い手として活躍できるように支援を行う。

  • 保育サービス待機児解消を進め、保育の充実をはかる。妊娠・出産・育児にわたるきめ細かな保健福祉サービスの向上に努める。
  • いじめ、暴力、ネグレクトなどから子どもを孤立させない「子どもの人権擁護」の仕組みづくりに取り組む。
  • 若者の可能性を引き出す施策を展開する。「生きにくさ」を抱える若者のメンタルケアや「やり直しの機会」の提供などの支援や雇用対策に取り組む。そして、起業支援、若い力を取り入れたまちづくりを推進する。
  • 区内16の大学の大学生を中心にした「若者の力」を結集して、ボランティア活動や環境・福祉・文化の担い手として間口を広げていく。
  • 保護者や地域が積極的に学校運営に参画し、地域とともに子どもを育てる教育を推進する。
  • 義務教育9年間の区立学校の教育の質を高め、信頼と誇りのもてる学校づくりに取り組む。
  • 世田谷という郷土の地理的・歴史的な特徴を理解し、愛着をもち、世田谷のよさを発信していこうとする子どもを育てる教育を推進する。
  • 将来世田谷区の主人公となる子どもたちが、地域住民の一人として、ボランティア活動、まちづくりの取組みなどに参加し、積極的に地域や社会に関わっていける環境づくりに取り組む。

(5)安心して暮らせる人にやさしいまちづくり

少子高齢社会の中でひとり住まいの増加など、人々の絆が薄れる社会においても、高齢者や障害者が安心して暮らすことができるまち、また、男女が互いに人権を尊重しつつ能力を発揮できる社会の基盤づくりを推進する。

  • 日常的な地域における「顔と顔の見える関係」を土台にして、高齢者、障害者の見守りと安心生活を実現する。災害時の安否確認、避難などの態勢を整備する。
  • 高齢者が積極的に社会参加し、安心して生き生きと暮らすことのできる環境を地域でつくり出すとともに、きめ細かな福祉・介護・医療体制を基盤として、高齢者が尊重されるまちづくりを推進する。
  • 障害者の社会参加と社会的支援を組み合わせ、障害者自身の声が生かされる分け隔てのない社会をつくる。
  • 保健・医療・福祉の連携を推進し、健診や予防行政に取り組み、区民が心も体も健やかに過ごせる健康づくりを積極的に進める。

(6)世田谷区が持つ魅力の発信

以前より存在し集積されてきた「せたがや」イメージを、新しい時代に合った情報として発信する。区民参加で「せたがや」の価値と魅力を語り合いながら、「せたがや」に新たな生命を吹き込む。

  • 多くの文化人が住み、また活発な活動が行なわれている文化都市としての魅力を世界に発信し、文化の力が宿るまちづくりを進める。
  • 緑地や農地を残す田園都市としての魅力を発信し、食の地産地消や災害時の防災拠点としての確保に努める。
  • 「せたがや都市観光」で都市観光のスタイルを確立するとともに「せたがやブランド」のイメージを多元的に進化させる。
  • 自然エネルギーをたくみに生かす環境都市をめざし、みどりの街並みや農産物や情報産業、身近な商店街から大規模商業施設まで、「行ってみたい、すごしてみたい街」として情報発信を強める。

(7)区民、事業者及び行政のパートナーシップによるまちづくり

まちづくりについて、区民、事業者及び行政のパートナーシップをより緊密なものへ構築していく。情報公開と住民参加を徹底しながら、防災、環境共生などの観点からまちづくりを進める。

  • 防災を基軸に街づくりを推進し、住宅、建築物の耐震性の確保に努める。
  • 災害リスク低減の観点から、緑地の保全・公園整備・道路事業をバランスよく実施する。
  • 「みどりとみずの環境共生都市世田谷」(『みどり33』)の段階的目標値を掲げ、実現可能な緑地保全の見通しを立てる。

(8)厳しい財政状況を踏まえた行政経営改革の推進

経済成長型が当たり前だった社会からの転換に対応することを見据え、より必要とされる施策に財源や人員を集中していくために、行政改革、経営改革を推進する。

  • 区民生活を尊重し、持続可能な財政基盤の確立をめざす。
  • 区民・納税者の視点を基本に、財政改革を進める。
  • 政策目的に照らして最適な手法を選択し、財源や人員を集中する。
  • 資産等の有効活用による歳入増の取組みを進める。
  • 債権管理の適正化と収納率の向上をはかる。

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