世田谷区基本計画(素案)【概要版】 令和5年9月 世田谷区 令和6(2024)年度~令和13(2031)年度 第1章 計画の策定について <計画策定にあたって> <計画の位置づけ・期間> (1)位置づけ 向こう8年間に区が重点的に取り組む政策、施策の方向性を明らかにした区政運営の基本的な指針であり、区の最上位の行政計画です。 (2)計画期間(8年間)令和6年(2024年)度から令和13年(2031年)度まで 第2章 計画策定の背景について <目指すべき未来の世田谷の姿> 世田谷区では、平成25年(2013年)9月に区議会で議決された世田谷区基本構想のもと、区政運営の基本的な指針として「世田谷区基本計画」を策定し、取組みを進めてきましたが本計画については、令和5年(2023年)度で最終年次を迎えることとなります。人口動態の変化をはじめ、新型コロナウイルス感染症の感染症拡大や、自然災害の常態化など、この間の社会状況の変化を踏まえ、令和6年度を初年度とする新たな基本計画の素案を策定します。 <社会動向> 世田谷区の総人口は、これまでのような右肩上がりの人口増加は見込めない状況に直面していきます。 これまでに前例のない地球規模の感染症の感染拡大や気候危機が、区政の根幹を揺るがしかねない事態となっています。 物価高騰などにより、区民生活や区内産業は大変厳しい状況下にあるとともに、所得格差や地域社会の分断の広がりへの懸念、社会インフラの老朽化などの課題もあり、区を取り巻く状況は厳しさを増しています。 区民生活について ➢住民の参加意欲や行動意欲の醸成につながるポジティブなまちづくりを進める。 ➢子どもを生み育てやすい環境若者が活躍できる環境を整備する。 ➢子どもの将来性や可能性を保障するため、多様な学びの場を確保する。 など 地域経済について ➢既存産業の振興を図る。 ➢起業家の輩出や育成を支える基盤づくりを進める。 ➢コミュニティビジネスやソーシャルビジネスの振興を図る。 など 都市基盤について ➢防災・減災の視点を加味した災害に強い街づくりを進める。 ➢公共交通環境の維持・確保、整備を図る。 ➢居住地として選ばれる新たな魅力と活力が感じられる都市を創出する。 など 自然環境について ➢自然・生態系の損失を食い止め、回復させていくための行動を進める。 ➢自然の持つ多様な機能を活用していく。 ➢人々の行動やライフスタイル、社会のあり方を変容する取組みを進める。 など 自治体経営について ➢資源や資産に限りがあることを十分認識し、経営効果の最適化を図る。 ➢行政サービスのデジタル化の取組みを一層推進し、区民の利便性向上を図る。 ➢常に変革し続け柔軟に対応可能な自治体経営を実現する。 など 世田谷区の計画体系 こうした急激な社会状況の変化を踏まえ、区政には大きな転換が求められています。 <人口(構成比)> 令和5年(2023年) 高齢者人口(65歳以上)20.4% 生産年齢人口(15-64歳)68.0% 年少人口(0-14歳)11.6% 令和25年(2043年) 高齢者人口(65歳以上)27.1% 年少人口(0-14(2024)9.2% 生産年齢人口(15-64歳)63.7% 第3章 基本方針 区政が目指すべき方向性 持続可能な未来を確保し、あらゆる世代が安心して住み続けられる世田谷をともにつくる 乳幼児から高齢者までのあらゆる世代が安心して住み続けられるまちづくりを進めるとともに、地球環境や生態系が適切に維持保全され、将来世代が必要とするものを損なうことなく選択肢や可能性が広がる未来の確保を目指していきます。 <計画の理念> 計画全体を貫き計画の土台となる根本的な考え方として、次の6つを計画の理念として位置づけます。 ●参加と協働を基盤とする 参加と協働による政策、施策の展開を区政運営の基盤とします。また、区民の主体的な参加への意欲を引き出すコミュニティづくりにつなげます。 ●区民の生命と健康を守る 生命と健康を守ることは、自治体として最優先の課題であり、引き続き積極的に取り組み、身体的な健康のみならず、心の健康につながる心の豊かさなどの視点に配慮します。 ●子ども・若者を中心に据える 子ども・若者は、地域を一緒に創っていく主体として明確に位置づけ、参加しやすく、自分たち自身が社会の真ん中にいると実感できるよう子ども・若者の「今」に焦点をあてて政策、施策の組み立てを考えます。 ●多様性を尊重し活かす 異なる立場や様々な価値観を持つ人々がともに社会を構築できるよう、性別、LGBTQ などの性的指向及びジェンダーアイデンティティ、年齢、国籍、文化の違いや障害の有無から、価値観や家族のあり方、ライフスタイルの多様性まで、広く多様性を尊重し活かしていきます。 ●地域・地区の特性を踏まえる 各地域や地区の特性・課題などを十分考慮し、それぞれの区民ニーズを的確に捉えて政策、施策を組み立てます。 ●日常生活と災害対策・環境対策を結びつける 日常生活と災害対策・環境対策を常に結びつけて考え、政策、施策を組み立てます。 <地域行政の基本となる考え方> <基盤となる取組み> ●地区・地域課題の解決 ●多様なコミュニティづくりと区民参加の推進 ●地域福祉の展開(地域包括ケアの地区展開(包括的支援体制)の充実) ●地域防災力の向上 ●安全で魅力的な街づくり ●行政サービスの向上 ●地域行政の運営体制の充実 地区及び地域の実態に即した総合的な行政サービス及びまちづくりを推進し、もって安全・安心で暮らしやすい地域社会を実現します。 第4章政策 <重点政策> 重点政策が描く将来ビジョン 6つの重点政策を実現することで、「子ども・若者と地域の多様な人々とのつながり」、「地域・産業と学びのつながり」、「多様な人が出会うことによる支援の輪のつながり」、「地球環境の危機と自然の持つ復元力の理解による行動変容へのつながり」、「地域資源と街づくりのつながり」、「区民、事業者のアイデアと区政課題とのつながり」の6つの「つながり」を創出し、持続可能な未来の確保を目指します。 6つのつながりで持続可能な未来をつくる 地球環境の危機と自然の持つ復元力への理解が行動につながる 地域・産業と学びがつながる 区民、事業者のアイデアが課題解決につながる 子ども・若者と地域の多様な人々がつながる 多様な人が出会い、支援の輪がつながる 地域資源と街づくりがつながる 重点政策1 子ども・若者が笑顔で過ごせる環境の整備 子ども・若者と地域の多様な人々がつながる <目指す姿> 子ども・若者が過ごすあらゆる場面において、意見を表明し、自己を表現できる機会や、一人ひとりが自分の心と体を大切にしながら、安心して過ごせる場や機会があり、自ら選択できる環境がある。 子ども・若者が多様な人々と関わりをもちながら、成長していく中で、自己肯定感や自己有用感、社会の真ん中にいるという主体性を実感できる。 「子ども・子育て応援都市」として、子どもや若者、子育て家庭が、地域の中で、周囲の人々にあたたかく見守られ、支えられ、応援されていると実感できる。 成果指標 自分のことが大事だと思う子ども・若者の割合 <視点> 子ども・若者が地域の中で多様な人々と出会い、見守られながら育つ <主な施策> 子どもの権利とその最善の利益を保障する環境づくり 子どもの成長を支える環境の充実 質の高い乳幼児教育・保育の充実 子育て家庭の支援の推進 支援が必要な子ども・子育て家庭のサポート 若者が力を発揮できる環境の充実 生きづらさを抱える若者への支援 安心して暮らせる居住環境の整備 起業の促進と多様な働き方の実現 地域や社会の課題の解決に向けたソーシャルビジネスの推進 重点政策2 新たな学校教育と生涯を通じた学びの充実 地域・産業と学びがつながる <目指す姿> 個に応じた多様な学びの場を確保し、個別最適な学びにより一人ひとりの子どもの将来性や可能性が保障される。 誰もがいつでも何度でも学ぶことができ、やりがいや生きがいを持ちながら、様々なことにチャレンジし、生き生きと暮らせる。 成果指標 学びが楽しいと感じる児童・生徒の割合 生活の中で学びが身近に感じられるようになった区民の割合 <主な施策> キャリア・未来デザイン教育の推進 教育DXの更なる推進 多様な個性が生かされる教育の推進 多様性や個性を認め伸ばす学びの場づくり 相談・支援体制の充実と連携体制の強化 多様な学びの場や居場所の充実 知と学びと文化の情報拠点としての新たな図書館の創造 常に学ぶ区民意識の涵養と社会参加の促進 文化財の保護・普及活動の推進 起業の促進と多様な働き方の実現 地域や社会の課題の解決に向けたソーシャルビジネスの推進 <視点> 子どもを主体とした教育への転換 子どもも大人も一人ひとりが学びの主体 地域・産業と学びを結びつける 重点政策3 多様な人が出会い、支え合い、活動できるコミュニティの醸成 多様な人が出会い、支援の輪がつながる 成果指標 地域で人とのつながりを感じられると思える区民の割合 <視点> 緩やかなつながりを広げる <目指す姿> 地域住民同士の新たなつながりが芽生え、住民の地域活動などへの参加意欲が向上し、地域や地区への区民参加が促進される。 <主な施策> ●主体的に取り組める健康づくりの推進 ●地区でつながり続ける支援体制の構築 ●介護予防の総合的な推進 ●地域防災力の向上 ●誰もが文化・芸術を身近に感じ楽しめる環境の整備 ●交流の促進による文化・芸術活動の活性化 ●スポーツを通じた生きがい・健康づくり ●スポーツを通じた共生社会の実現 ●地域への参加促進と地域活動の活性化 ●区民や活動団体の連携・協働促進 重点政策4 誰もが取り残されることなく生き生きと暮らせるための支援の強化 多様な人が出会い、支援の輪がつながる 成果指標 地域住民の居場所や支えとなりうる地域資源数 <視点> 選択肢をふやす <目指す姿> すべての区民の人権が尊重され、年齢、性別、国籍、障害の有無などに関わらず自らの意思に基づき個性と能力を十分発揮することができ、生き生きと尊厳をもって地域で暮らすことができる。 支援が必要だと思われる人が自らの意思を尊重され、相談や支援、参加につながることができ、災害時にも必要な支援を受けられ安心して生活を送ることができる。 <主な施策> 子育て家庭の支援の推進 若者が力を発揮できる環境の充実 介護予防の総合的な推進 身近な福祉相談の充実と地域づくり 地区でつながり続ける支援体制の構築 安心して暮らせる居住環境の整備 地域生活課題の解決に向けた取組み 在宅医療・介護連携の推進 福祉人材の確保及び育成・定着支援 地域防災力の向上 健康危機管理体制の強化 スポーツを通じた共生社会の実現 人権への理解促進 男女共同参画の推進 DV防止の取組み 多文化共生の推進 地域への参加促進と地域活動の活性化 重点政策5 自然との共生と脱炭素社会の構築 地球環境の危機と自然の持つ復元力への理解が行動につながる <目指す姿> 区民の生活を脅かす気候変動に向き合い、多様な生物に支えられた生態系の健全性を守り、自然の豊かな恵みを実感しながら日々の生活を送ることができる。 区民や事業者は身近な自然である国分寺崖線や大規模公園などを核としたみどりと生きもののネットワークを守り育て、自然との共生に向けた取組みを進め、継承している。また、気候危機に与える影響、効果が広く認識され、脱炭素型のライフスタイルやビジネススタイルへの変容により、脱炭素地域社会が実現している。 成果指標 身近なみどり、自然を大切に思い、みずから守り育てている区民の割合 区内の二酸化炭素排出量 <視点> 意識の醸成から行動につなげ取組みの輪を大きく広げる <主な施策> 多様性や個性を認め伸ばす学びの場づくり 水害を抑制する街づくり 区民・事業者の脱炭素行動の支援 公共施設や区事業活動における脱炭素の実施 地域環境美化活動の推進 ごみ減量と資源循環型社会の形成 世田谷らしいみどりの保全・創出 生物多様性の保全 協働によるみどり豊かなまちづくりの推進 地域や社会の課題の解決に向けたソーシャルビジネスの推進 地域経済の持続可能性を考慮した事業活動及びエシカル消費の推進 重点政策6 安全で魅力的な街づくりと産業連関による新たな価値の創出 地域資源と街づくりがつながる 区民、事業者のアイデアが課題解決につながる <目指す姿> 道路交通網など都市基盤が整備され、地震や台風などの災害に対するレジリエンスの高い街づくりが進み、区民が安全安心に暮らすことができる。 歴史ある風景の保全や街並みの形成、公園の整備などにより良好な住環境が創出され、活動と交流の場に誰もが快適に移動できる魅力的な街づくりが進む。 「暮らしを支える生活関連産業(卸売業・小売業、飲食サービス業、建設業、福祉産業等)」と「既存産業の課題や社会課題を解決する産業(IT・環境等)」、起業家などの連携強化により新たな価値が創出され、地域経済の発展につながる。 成果指標 良好な住環境が確保されていると思う区民の割合 街が魅力的でにぎわいがあると感じている区民の割合 事業活動及び経済活動等の充実度 <視点> 地域・地区の特性を踏まえ、地域資源を有効に活用する課題解決により多くの区民や事業者のアイデアを結びつける <主な施策> 地域防災力の向上 震災に強い街づくり 都市の事前復興 水害を抑制する街づくり 日常の安全・安心な街づくり 多様な地域産業の持続性確保に向けた基盤強化 起業の促進と多様な働き方の実現 地域や社会の課題の解決に向けたソーシャルビジネスの推進 地区特性に応じた街づくりの推進 魅力あるにぎわいの拠点づくり 歩いて楽しめる魅力づくり 地域公共交通の活性化 第4章 政策<分野別政策> 基本構想に定める「九つのビジョン」を具体化するための政策を各分野において体系的に整理するとともに、各分野における課題や施策の方向性などを明らかにします。また、分野別政策の策定にあたり、基本方針が示す総合的な視点を十分考慮するとともに、重点政策との関連性を明確にします。 子ども・若者 政策1.子ども一人ひとりがのびやかに育つ環境づくり 政策2.安心して子育てできる環境の整備 政策3.若者が力を発揮できる環境づくり 教育 政策4.新たな学校教育の推進 政策5.不登校支援の強化 政策6.生涯を通じた学習の充実 健康・福祉 政策7.健康づくりの推進 政策8.福祉につながるネットワークの強化 政策9.地域福祉の推進と基盤整備 災害・危機管理 政策10.安全・安心のまちづくり 政策11.災害に強い街づくり 環境・リサイクル・みどり 政策12.脱炭素化の推進 政策13.快適で暮らしやすい生活環境の構築 政策14.豊かな自然環境の保全・創出 経済・産業 政策15.持続可能な地域経済の実現 文化・スポーツ 政策16.文化・芸術の振興 政策17.生涯スポーツの推進 都市整備 政策18.魅力ある街づくり 政策19.交通環境の整備 政策20.都市基盤の整備・更新 人権・コミュニティ 政策21.多様性の尊重 政策22.地域コミュニティの促進 第4章 政策<分野別政策> 子ども・若者 政策1子ども一人ひとりがのびやかに育つ環境づくり 成果指標 自分のことが好きだと思う子どもの割合 <目指す姿> 地域全体が子どもを権利の主体としてその最善の利益を保障する視点を持ち、子どもが地域の中で自己肯定感を持ちながら自ら生きる力を育むことができるまちになっています。 <主な施策> 子どもの権利とその最善の利益を保障する環境づくり 子どもの成長を支える環境の充実 質の高い乳幼児教育・保育の充実 政策2 安心して子育てできる環境の整備 成果指標 子育てしやすい環境だと感じる保護者の割合 <目指す姿> すべての子育て家庭が、妊娠期から孤立することなく、日々の暮らしの身近なところで、地域の人々や子育て支援につながりながら、安心して暮らしています。また、子育て世帯や子育てを支える多様な世代が、交流できる場や機会が充実し、子どもが健やかに育つことができるまちになっています。 <主な施策> 子育て家庭の支援の推進 支援が必要な子ども・子育て家庭のサポート 政策3 若者が力を発揮できる環境づくり 成果指標 社会や誰かの役に立ちたいと感じると回答した若者の割合 <目指す姿>若者の主体的な活動を促し、世代を超えた出会いや交流の機会を創出していくことで、地域での活動に積極的に参加・参画し、次代の担い手として若者が地域の主役になることができるまちになっています。また、ひきこもり等困難を抱えた若者が自ら選択した居場所や相談機関に支えられ、自分らしくいきいきと生活でき、安心して暮らしていけることができるまちになっています。 <主な施策> 若者が力を発揮できる環境の充実 生きづらさを抱える若者への支援 教育 政策4 新たな学校教育の推進 成果指標 学びが楽しいと感じる児童・生徒の割合 <目指す姿>子どもたちが自ら地域課題の解決策や興味、関心が高いテーマなどについて考える探究的な学びへと学びの質的転換が進み、一人ひとりの多様な個性・能力を伸ばす学校教育が行われるとともに、変化の激しい時代を担う子どもたちが、これからの社会を生きるために必要な基礎をはぐくむ質の高い学校教育が実現しています。 <主な施策> キャリア・未来デザイン教育の推進 教育DXの更なる推進 多様な個性が生かされる教育の推進 多様性や個性を認め伸ばす学びの場づくり 政策5 不登校支援の強化 成果指標 何らかの支援を受けている不登校児童・生徒数 <目指す姿> いじめ等の早期発見や未然防止及び深刻化防止への適切な対応が図られ、学校内外の教育相談や不登校対策が充実し、児童・生徒とその保護者の問題解決を支援する仕組みが構築されています。また、児童・生徒、保護者の状況を的確に把握し、多様性や個性に応じた支援方針が定められ、ICTの活用も視野に入れた多様なプログラムを実施するとともに、学校外の居場所や学びの場を選ぶことも可能になるなど、一人ひとりの状況に即した適切な支援につなげ、どこにも支援につながっていない児童・生徒数が減少しています。 <主な施策> 相談・支援体制の充実と連携体制の強化 多様な学びの場や居場所の充実 政策6 生涯を通じた学習の充実 成果指標 生活の中で学びが身近に感じられるようになった区民の割合 <目指す姿> 区民が年齢を問わず学び続け、いつでも学び直しができるよう、学びの機会と場が充実しているとともに、多様な人材が社会的な資源となってつながりあい、連携・協働を通じて地域コミュニティづくりが広がっています。図書館が、知と学びと文化の情報拠点として、地区の文化や歴史の「知」の拠点として、コミュニティの醸成につながる交流の場所、地域に開かれた知的な居場所となっています。区民が世田谷区に愛着を持ち、世田谷の歴史・文化を大切にしながら、多くの文化財を保存・活用し、貴重な文化財を次の世代に確実に継承しています。 <主な施策> 知と学びと文化の情報拠点としての新たな図書館の創造 常に学ぶ区民意識の涵養と社会参加の促進 文化財の保護・普及活動の推進 健康・福祉 政策7 健康づくりの推進 <目指す姿> 全世代を通して、区民一人ひとりが自身の健康に関心を持ち、主体的に健康づくりの取組みを推進するとともに、感染症や心の不安など心身ともに安心できる支援の仕組みが確立され、いつまでも健康で安らかに暮らしています。また、高齢者が、住民同士の支え合いと事業者との連携による多様な介護予防に取り組むことで、住み慣れた地域で、生きがいをもって、いきいきと自分らしく暮らせるまちになっています。 成果指標 生涯にわたり健やかでこころ豊かに暮らすことができていると思う区民の割合 65歳健康寿命(要介護2) <主な施策> 主体的に取り組める健康づくりの推進 こころの健康づくり 介護予防の総合的な推進 政策8 福祉につながるネットワークの強化 <目指す姿> 健康や身体の悩み、困りごとを抱えた区民が早期に身近な福祉の相談窓口に相談することができ、状況に応じた適切な支援や、関係機関につながることができます。課題が複雑化・複合化した場合など対応が難しいケースについても、様々な機関による支援体制を構築し、隙間ができないよう支援を届けるとともに、地区で寄り添いながらつながり続け、一人ひとりが生きがいや役割を持ち、助け合いながら暮らしています。 成果指標 地域住民の居住所や支えとなりうる地域資源の数 <主な施策> 身近な福祉相談の充実と地域づくり 地区でつながり続ける支援体制の構築 政策9 地域福祉の推進と基盤整備 <目指す姿> 障害の有無にかかわらず、基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んじられているとともに、介護や医療等が必要となっても、必要な人材が確保・育成されており、保健・医療・福祉等のサービスの連携が相互に図られ、総合的に提供されていることで、誰もが安心して住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることができるまちになっています。 成果指標 介護、医療必要時の世田谷区への居住意向 <主な施策> 安心して暮らせる居住環境の整備 地域生活課題の解決に向けた取組み 在宅医療・介護連携の推進 福祉人材の確保及び育成・定着支援 災害・危機管理 政策10 安全・安心のまちづくり <目指す姿> 区民一人ひとりの防災意識が向上し、町会・自治会をはじめとした多様な主体や人材の防災力の底上げがされ、地区のコミュニティが連携して救護や避難に取り組むことができ、地域の防災力が向上しています。また、区民が、日ごろから健康危機に対する意識を持ち、健康危機発生時には正しい情報のもとに適切な行動をとることができます。持続的な安全・安心の施策を展開し、体系的・継続的な治安基盤や関係機関との強固な連携体制を整備することで、安全・安心に暮らし続けることができるまちとなっています。 成果指標 安全・安心に暮らせていると感じる区民の割合 <主な施策> 地域防災力の向上 犯罪防止の取組み 健康危機管理体制の強化 政策11 災害に強い街づくり <目指す姿> 災害に強い街づくりを進めることにより、豪雨や地震といった自然災害に対する強靭さを備え、安心して暮らすことができるまちになっています。また、自然災害が発生した場合における地区での救援・避難から生活再建に向かう復興街づくりを迅速かつ円滑に進められるようになっています。 成果指標 災害に強い街づくりが進んでいると感じる区民の割合 <主な施策> 震災に強い街づくり 都市の事前復興 水害を抑制する街づくり 日常の安全・安心な街づくり 環境・リサイクル・みどり 政策12 脱炭素化の推進 <目指す姿> 将来を担う世代に、良好な環境を引き継いでいくため、区民や事業者の行動や取組みが地球温暖化や気候危機に与える影響、効果が広く認識され、区民・事業者・区をはじめあらゆる主体が一丸となって、2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロを目指し、地球温暖化対策に取り組んでいます。 成果指標 区内の二酸化炭素排出量 <主な施策> 区民・事業者の脱炭素行動の支援 公共施設や区事業活動における脱炭素の実施 政策13 快適で暮らしやすい生活環境の構築 <目指す姿> きれいな空気や水の保全が進められ、良好な生活環境が次代に引き継がれています。地域・区民が協働した、ポイ捨てや歩きたばこの防止などの環境美化への取り組みによりきれいなまちが実現し、いつまでも快適な生活環境で暮らせる魅力あるまちになっています。 成果指標 生活するうえで、まちがきれいであると実感できる感じる区民の割合 <主な施策> 地域環境美化活動の推進 たばこルールの推進 こみ減量と資源循環型社会の形成 政策14 豊かな自然環境の保全・創出 <目指す姿> 国分寺崖線や大規模公園など核となるみどりが保全され、みどりと生きもののネットワークが広がっています。協働による公園緑地の維持管理や農業公園での活動などを通じて、区民は暮らしの中で生物多様性の豊かな恵みを実感しています。まちに広がるみどりは、ヒートアイランド現象を緩和し健全な水循環を保つことで地域の生態系を維持し、安全に暮らし続けられる環境住宅都市として持続可能性が確保されています。 成果指標 みどり率 みどりに関する区民満足度「大変満足している」の割合 <主な施策> 世田谷らしいみどりの保全・創出 生物多様性の保全 協働によるみどり豊かなまちづくりの推進 経済・産業 政策15 持続可能な地域経済の実現 <目指す姿> 事業者の事業活動の基盤強化となる環境整備に加え、幅広い事業者の新たな挑戦や多様な主体による有機的なつながりの促進、多様な働き方の実現、地域課題や社会課題のビジネスの観点からの解決などにより新たな価値が創造される土壌や環境が整っています。これらの環境整備により地域の経済発展と地域や社会の課題の解決を両立する持続可能な地域経済が構築され、豊かな区民生活の実現に寄与しています。 成果指標 事業活動及び経済活動等の充実度 <主な施策> 多様な地域産業の持続性確保に向けた基盤強化 起業の促進と多様な働き方の実現地域や社会の課題の解決に向けたソーシャルビジネスの推進 地域経済の持続可能性を考慮した事業活動及びエシカル消費の推進 文化・スポーツ 政策16 文化・芸術の振興 <目指す姿> 年齢、国籍、障害の有無、また経済的状況にかかわらず、区民の誰もが日常生活または非日常の中で、文化・芸術に親しんでいます。一流の芸術から、気軽に参加できる文化的イベントまで、多彩で幅広い文化・芸術に気軽に触れることができ、文化・芸術活動を行う人同士の交流も活発です。住んでいて楽しく、住み続けたいと思えるまちになっています。 成果指標 区内の文化環境に満足している区民の割合 <主な施策> 誰もが文化・芸術を身近に感じ楽しめる環境の整備 交流の促進による文化・芸術活動の活性化 政策17 生涯スポーツの推進 <目指す姿> 区民が生涯を通じ身近な地域で「いつでも」「どこでも」「だれでも」「いつまでも」気軽にスポーツ・レクリエーションに親しみ、楽しむことができています。 成果指標 週1回以上スポーツや運動をしている区民の割合 <主な施策> スポーツを通じた生きがい・健康づくり スポーツを通じた共生社会の実現 スポーツを通じた活力あるまちづくり 都市整備 政策18 魅力ある街づくり <目指す姿> 地域や文化に根差した歴史ある風景を守り、街並みを形成しながら、魅力が感じられる風景づくりやにぎわいのある拠点づくりなどが進められており、区内外の多くの人々を惹きつけ、新たな居住者が増えています。また、地区の特性を踏まえた参加と協働による地区街づくりや歩行者にやさしい歩きやすい道路環境の整備等を推進することにより、地域コミュニティや共助意識が向上し、区民が安全で快適に暮らし続けることができるまちになっています。 成果指標 自然や街並みなど地域の生活環境がよいと感じる区民の割合 街が魅力的でにぎわいがあると感じている区民の割合 <主な施策> 地区特性に応じた街づくりの推進 魅力あるにぎわいの拠点づくり 歩いて楽しめる魅力づくり 政策19 交通環境の整備 <目指す姿> 区民、交通事業者、区が協力・連携して総合的に「交通まちづくり」に取り組み、交通ネットワークの充実や、公共交通が不便な地域における移動環境の改善などを図ることで、様々な交通手段を活用し、誰もが快適に安全・安心な移動ができるまちになっています。 成果指標 区内の交通手段(移動手段)に満足している区民の割合 <主な施策> 地域公共交通の活性化 自転車利用環境の整備 政策20 都市基盤の整備・更新 <目指す姿> 区民の日常生活を支える重要な都市基盤である道路・公園等について、区民、事業者等との協働により整備計画が実現するとともに、適切な維持・更新が実施され、区民一人ひとりが安全で快適に暮らし続けることができるまちになっています。 成果指標 道路・公園等の都市基盤が整備・維持・更新され、安全で快適に暮らしていると感じている区民の割合 <主な施策> 道路ネットワークの計画的な整備 公園・緑地の計画的な整備 人権・コミュニティ 政策21 多様性の尊重 <目指す姿> 個人の尊厳を尊重し、年齢、性別、国籍、障害の有無等にかかわらず、多様性を認め合い、自分らしく暮らせることができ、人と人との繋がりを大切にし、誰一人取り残されない社会が実現しています。 成果指標 自分らしく安心して暮らしていると感じる区民の割合 <主な施策> 人権への理解促進 男女共同参画の推進 DV防止の取組み 多文化共生の推進 政策22 地域コミュニティの促進 <目指す姿> 区民一人ひとりが地域に関心を持ち、日常生活の中で気軽に参加できる居場所があり、役割を持ちながら孤立することなく地域とのつながりを感じて暮らしています。町会・自治会やNPOなどの様々な団体によって、多様な地域活動が活発に行われる中で、区民相互・団体相互がつながるとともに行政とも連携・協働しながら、多様化する地域の課題解決に主体的に取り組んでいます。 成果指標 身近な地域活動に参加している区民の割合 <主な施策> 地域への参加促進と地域活動の活性化 区民や活動団体の連携・協働促進 第5章 計画実行の指針 計画に掲げる施策の推進にあたり、必ず考慮すべき指針について、次のとおり定めます。 (1)SDGsの推進 基本計画の施策とSDGsとの関連性を明らかにし、関連性を意識しながら分野横断的な施策展開を図り、一体的に推進していきます。 (2)DXの推進 区民主体のサービスデザインを徹底して利便性を高めるため、デジタルファーストで行政サービスを再構築します。 (3)緊急時・非常時の体制整備 緊急事態・非常事態が生じた際は、人命の救助と被害の軽減を最優先に取り組みます。 (4)組織運営の変革 ①柔軟な組織体制 課題に応じた機動的な対応が可能なアジャイル型組織への転換を目指すとともに、民間を含む多様な社会資源とも連携を図りながら、柔軟な組織体制を構築していきます。 ②職員の政策立案・政策実現能力等の向上 EBPM(証拠に基づく政策立案)の推進をはじめ、職員の政策立案能力や政策遂行能力の向上に取り組みます。 ③行政サービスの提供体制の整備 デジタル技術の活用、業務手法の見直しなどを通じて、適切な行政サービスの提供体制を整備します。 (5)情報発信・情報公開 プッシュ型、プル型の情報発信に一層力を入れるとともに、戦略的かつ効果的な情報発信により、世田谷のブランド力の向上を図っていきます。 (6)行政評価 基本計画が目指す目標や姿について指標を設定して進捗状況の把握や評価を行うとともに、各政策や施策についても、指標に基づき定期的に成果管理を行う行政評価を徹底し、課題と改善方法を明らかにします。 (7)他自治体や国際社会との協力関係 政策や施策の立案・推進にあたっては、常に他自治体やグローバルな国際社会への影響などを意識して協力連携を図りながら、取組みを進めます。 第6章 持続可能な自治体経営 計画に掲げる「目指すべき未来の世田谷の姿」の実現に向け、以下の視点からの取組みを進め、持続可能な自治体経営の確立を目指します。 (1)区民目線による行政サービスの向上 (2)多様な主体との連携強化による経営力の向上 (3)経営資源の最適化