第6回世田谷区基本計画審議会 議事録 【日  時】 令和5年2月6日(月) 午後6時30分~午後8時32分 【場  所】 教育総合センター 2階研修室 【出 席 者】 ■ 委員  大杉会長、鈴木副会長、青柳委員(オンライン)、江原委員、小林委員、汐見委員(オンライン)、中村委員、長山委員、森田委員、涌井委員、安藤委員、尾中委員、佐伯委員、下川委員、羽毛田委員(以上15名) ■ 区   保坂区長、中村副区長、松村副区長、岩本副区長、松村技監(オンライン)、加賀谷政策経営部長、舟波地域行政部長(オンライン)、田中保健福祉政策部長(オンライン)、畝目都市整備政策部長(オンライン)、秋山政策企画課長、髙井経営改革・官民連携担当課長(オンライン)、箕田政策研究・調査課長、真鍋政策経営部副参事(計画担当) 開会 【大杉会長】  それでは、定刻になりましたので、第6回世田谷区基本計画審議会を開催いたします。  本日も、お忙しい中、お集まりいただきまして、ありがとうございます。  議事に入る前に、事務局より、本日の出席状況の報告と配付資料の確認をお願いします。 【真鍋副参事】  それでは、事務局より御報告をさせていただきます。  本日は、青柳委員、汐見委員がオンラインでの御参加となります。御欠席の委員はおらず、全員御出席ということになります。  続きまして、配付資料でございます。次第の下段に資料一覧を記載してございます。御確認いただきまして、不足等ございましたら、事務局までお申しつけください。  また、資料1については、前回の審議会でも配付させていただいたステークホルダー意見聴取実施結果ですが、審議会後に1団体より回答をいただきましたので、追加をしております。  続いて、参考資料に飛びますけれども、参考資料1は、第5回審議会の傍聴者からの御意見・御感想となりますので、共有を図らせていただければと存じます。  1点だけ、すみません。その参考資料1に関して、お二方目の御意見になりますけれども、前回のテーマ別の各パネリストの委員が発表時に使ったスライド資料、こちらにつきまして、ぜひ公開をしていただきたいと、市民の議論を進めるためにも参考になり、重要と考えるということで御意見をいただいております。  委員の皆様より御了承いただけるようでございましたら、区のホームページにて公開をさせていただきたいと考えておるところですが、御意見を伺えればと思います。  続きまして、参考資料2でございます。こちらは本日開催された区議会企画総務常任委員会で、本審議会の検討状況を報告した際に出された意見になります。  主な御意見だけ簡単に申し上げますと、例えば、No.1では、町会・自治会の参加、加入といったものを含む中で、DXの推進の記載もあって、町会でのオンライン会議の促進、例えば、そのためにスマホ教室の充実など、1つの政策でほかにも効果が発揮する取組を推進していく、そうした考え方が重要ですとか、ワクワクするということについて、楽しいだけではなく、人に認められる、人のためになるといったことが継続的なワクワクにつながるのではないかといった御意見などがございました。  もう1点、No.3でございますが、現に暮らしている区民へのサービスといったことを考えれば、区の世帯構成で多くを占める一人暮らし世帯や、夫婦のみ世帯に対する施策、こうした考え方を明確に文言として盛り込むべきだといった御意見をいただいております。  議論にあたっての参考としていただければと存じます。  配付資料の確認は以上でございます。 【大杉会長】  ありがとうございます。  今、御報告いただいた中で、前回のパネリストの委員の発表時に使用した資料の扱いについてお尋ねがありましたけれども、いかがでしょうか、公開させていただいてよろしいでしょうか。  御意見をいただいた傍聴者の方は、いろいろな議論を区民の間で進めるためにも活用したいという御意向で、毎回、傍聴者の方々には熱心なこういう感想を寄せていただいておりますけれども、お礼とともに、今の点についても御了解いただけたということで、そのような扱いにさせていただきたいと思います。  これは、ホームページ上で公開していくという形、どういう形でしょうか。 【真鍋副参事】  画面共有の形で前回やらせていただいていますので、データは事務局にいただいております。なのですが、念のため、資料を委員の先生に御確認いただいて、常時、公表するものとして出していい資料なのか、そういったものは少し御確認いただいて、出典等の関係でちょっと出せないということであれば、その旨をおっしゃっていただければ、そこは調整をさせていただきたいというふうに考えております。 【大杉会長】  では、その点、よろしくお願いいたします。 1 基本計画大綱(たたき台)について 【大杉会長】  それでは、議事に入りたいと思います。  議題1、基本計画大綱(たたき台)についてです。  事務局より御説明をお願いいたします。 【真鍋副参事】  それでは、事務局より、基本計画大綱(たたき台)を中心に資料の説明をさせていただきます。  まず、資料2-1でございますが、こちらは、前回、第5回審議会のテーマ別意見交換、こちらでの御意見を整理したものになります。テーマごとにパネリスト委員からの御発言を記載しまして、続いて、意見交換での御意見を記載するという形で整理してございますので、御確認をいただければと思います。  また、資料2-2ですが、これまでもお示ししています基本計画策定の区の考え方でございます。  資料3に重点を置いて説明をさせてください。  これまでの審議会での議論、前回のテーマ別の意見交換、これらを踏まえまして、資料3でございますけれども、基本計画大綱(たたき台)を作成しております。  まず、1ページをおめくりください。  計画策定にあたって考慮すべき事項として、最上位の行政計画としての内容、バックキャスティング、EBPMの推進、目標指標の設定のあり方、区民意見の反映ということで、5項目記載してございます。  続いて、3ページを御覧ください。基本計画の体系案を示しております。  基本方針、計画全体を貫く考え方、マネジメント指針、重点政策、計画の推進という体系で整理していまして、4ページ目は、体系のイメージを図示してございます。  個々の御説明は次ページ以降で説明しますが、図の御説明をさせていただきます。  まず、一番上に「世田谷区基本構想の実現」というものを置きまして、基本構想の実現に向けて目指すべき方向性を示す基本方針、その基本方針として、「持続可能な未来の確保」というものを掲げてございます。  この基本方針を実現するために、その下に描いているものを進めていきますというものですけれども、まず一番下には、参加と協働を基軸として、計画全体を貫く考え方、こちらを土壌として表現をしております。その次に、資源、資産、リスク等を管理し、最適化を図るためのマネジメント指針、こちらを植物の茎、葉という形で表現しています。それらを基盤として、花に当たる部分ですけれども、重点政策ということで、これらを展開していくことで、持続可能な未来を確保するということを表したイメージ図になります。  ちなみに、周りに飛んでいるものは、綿毛、種子でございまして、これらの取組により、持続可能なコミュニティ、持続可能な自然環境、そういったものをつくり出しまして、将来、その種が、また芽を出し、花を咲かせるという継続性、循環といったものを表現してございます。  それでは、個々の説明に移ります。5ページを御覧ください。基本方針の説明になります。  上段は、社会情勢の変容についての記載です。  中段ですけれども、基本構想の「九つのビジョン」を実現し、恵まれた住環境や文化・地域性を子ども・若者世代に引き継ぎ、さらなる発展を遂げるためには、持続可能性の視点を中心に据えた区政運営が不可欠であり、レジリエンスを高めて、コロナ禍により生じた閉塞感や危機的状況を打破するとともに、人口減少への対応、コミュニティ、自然環境、地域経済、都市基盤、自治体経営などにおけます持続可能な未来に向けた環境整備の重要性を記載してございます。  下段ですけれども、参加と協働を基盤とし、公共的役割を担い地域を支えている町会・自治会、商店街、そのような豊富な地域の人材、資源との連携強化により、参加と協働の促進を図りながら持続可能性の確保に向けた施策を推進しまして、地球環境が適切に保全され、現在の世代の要求の実現により、将来の世代が必要とするものを損なうことなく、将来世代の選択肢や可能性を狭めることのない持続可能な未来の確保を目指すことを掲げております。  続きまして、6ページからが計画全体を貫く考え方です。  政策、施策を立案したり、この計画に落とし込んでいく、そうしたときに必ず考慮すべき考え方として、6つ掲げております。  内容の説明は割愛させていただきますが、9ページを御覧いただけますでしょうか。  計画全体を貫く考え方の中で、区政の基盤となります「参加と協働」、こちらをほかの要素をつなぐものとして基軸としております。  その基軸に、「区民の生命と健康を守る」、「日常生活と災害対策・環境対策を結びつける」といった区民の日常生活を支えるものとして1層目に置いています。  2層目には、「子ども・若者を中心に据える」、「多様性を尊重する」という、より広範な区民の主体的な参加を促すものとして、主体ということで2層目に置いています。  最後に、「地域・地区の特性を踏まえる」といったものを、地域住民との協働体制を強化するものとして3層目に記載し、これらの要素が重なりながら、公共の新たな価値の構築を図り、持続可能な未来の確保につなげていくといったことを表現した図になっています。  続きまして、10ページ、マネジメント指針ということで、今回からの記載としています。  内容は、実は一部、これまで「実現の方策」として記載していた事項もかなり含まれているところです。  趣旨としましては、基本計画でしか描けない内容として、緊急時・非常時の体制整備といったものをはじめ、全庁を挙げて取り組むべき横断的課題への対応のためのヒト・モノ・カネといったリソースの最適化を図るための指針を示しています。  章立てとして起こすには少し狭いという懸念もございます。範疇を広げますと、その他の計画全体を貫く考え方ですとか、これからお話しする重点政策、そういったものとの重なりも出てきまして、ちょっと違いを明確にするために、たたき台としては、マネジメント指針として置いております。  内容は記載の6つでございますけれども、こちらにつきましては、事前に御意見をいただいているところなので、後ほど少し補足させてください。  続いて、13ページからは重点政策になります。  基本方針の実現に向け、特に重点的に取り組むべき政策で、分野横断的な体制を整え、関係部署が一体となって取り組む必要がある政策を位置づけています。  まず、重点政策をつなぐコンセプトに「ワクワク感の創出」を据えてございます。中段以降に説明を記載しておりますが、社会の閉塞感や人と人とのつながりの希薄化、コミュニティの分断が進む中で、区民がポジティブな気持ちで行動、参加するには、日常生活の中でワクワク感を得ながらレジリエンスを高め、興味ややりがいを見出せる環境整備が重要であり、区民の参加意欲を高めるワクワク感の創出につながる政策の推進により、施策の実効性を高めて、参加と協働による持続可能性の担保につなげてまいります。  もちろんワクワク感を得るためには、安全安心の確保といったものが不可欠となってきますので、安全安心を確保するための取組をしっかりと進めた上で、外出したいという意欲、人との出会いややりがいの発見、そこからまた新しいことへのチャレンジといった、意欲を引き出すような取組、環境整備を各段階で進めまして、区民の意欲的かつ継続的な参加につなげていく。こうしたものを下支えするものとして、ワクワク感の創出といったものを重点政策をつなぐコンセプトに掲げたところでございます。  こちらもまだ議論が必要なところかと思いますけれども、人との出会い、ワクワク感、意欲といったこれまでの御発言を、キーワードを基に、たたき台ではこちらをコンセプトにしているところです。  14ページからは、6つの重点政策についての記載になります。内容等を御確認いただきまして、御議論をお願いできればと思います。  続いて20ページは、計画の推進として、計画に掲げた施策推進にあたって、重視すべき考え方を記載してございます。情報発信・情報公開から、行政評価、次のページへいって、働き方改革、他自治体や国際社会との協力連携、4項目を記載してございます。  資料3の説明はここまでにし、もう1つ、資料4を御覧いただいてよろしいでしょうか。A3、横のものです。  こちらは、委員に資料の事前送付をさせていただいた際に、当日の円滑な議論のために、任意ではございますが、事前の意見提出をお願いさせていただいて、お送りいただいた委員からの意見を整理したものになります。中村委員、羽毛田委員から御提出をいただいております。  また、前回の資料としてお出しした大綱のイメージに対して、小林委員からいただいた御意見につきましても、委員の皆様には、審議会終了後に共有させていただいたところですけれども、全体構成に関わるため、小林委員の御発言、御意見を一部記載してございます。  左上、小林委員より、緊急時の体制整備などの横串施策をという意見がありました。 【中村委員】  すみません。意見を提出している本人がいるので、説明させていただけますか。もし可能であれば。事務局から説明していただく必要はないと思います。 【真鍋副参事】  かしこまりました。一点だけ、小林委員からいただいた意見を受けて、私どもでマネジメント指針というものを今回改めてつくりました。狭いという話も先ほど少しだけお伝えしたところです。それを受けて、羽毛田委員からも、位置づけが分かりにくいという御意見や、中村委員から、構成の再構成をいただいたので、少しこの辺り、御議論いただきたいという趣旨でございます。  説明は以上でございます。 【大杉会長】  ありがとうございます。  それでは、基本計画大綱(たたき台)に対する意見交換に入りたいと思います。  先ほど事務局からも説明がありましたけれども、事前に御提出いただいた意見の中には、全体構成の見直しに関する内容もありました。全体構成等については、本日固める必要がありますので、その点も含めて御意見を伺ってまいりたいと思います。  前回は、パネリスト、学識経験者の委員の方々を中心にお話を伺う形となりましたので、今回、その議論なども踏まえて、こういう形にまとめられているんですが、まず、区民委員の方々から先に御意見を伺えればというふうに思っております。  今日は、区民委員の方5人とも御出席という形になっておりますので、どなたからでもいいですし、順番でもいいですが、では、安藤委員、どうぞ。 【安藤委員】  区民委員の安藤でございます。私は、前回欠席していたこともありまして、改めて、今回いただいた、たたき台を見て感じた意見を述べさせていただきます。  私が感じたのは、基本方針のところ、もうここ1点になっております。今、「持続可能な未来の確保」ということで書いてあって、この内容そのものは、私、基本的に全て賛同しております。これまで議論した内容を反映していただいているというふうに思っております。  ですけれども、あえてということで考えてきたのが、この「持続可能な未来の確保」と並立する形で、もっと都市としての世田谷の魅力を積極的に高めて、より選択される都市になるという、そういう積極的なメッセージを基本方針のもう1つの柱として訴えることができないかというふうに考えました。  世田谷は非常に魅力ある都市だと思うんですけれども、今、実際に住んでいる住民の立場とすると、非常に家賃も物価もそれなりに高いし、住むということに対して、それなりのコストをみんな払って住んでおり、それから、今、外にいて、世田谷に来たいという人は、そういったコストが障壁になって、なかなか世田谷に住みたいけれども住めないという方も実際にいらっしゃいます。それでもなお、世田谷にやっぱり住みたいというふうな方は、本当にいっぱいいると思います。じゃあ、そういった方たちが、あえて世田谷を選んでくれるような積極的な施策といったところを組んでいくというところが、やっぱりここの中に積極的に表れないと、ちょっと弱いかなという印象を受けました。  どちらかというと、世田谷ではなくても、ほかのところでもある程度共通する課題というふうなところが挙がっているので、それとバランスを取りながら、当然、世田谷の絵をといったところだけではいけないということは十分分かっているんですけれども、この持続可能な未来のところに挙げられているいろいろな政策をやっていくためにも、世田谷そのものが、今、外にいて、これから区民になろうとしている方たちから積極的に選ばれるような、そういう都市としての魅力を高めていく、そういったところを方針としてぜひ入れていただきたいなというふうに思います。  先ほど区議会の意見のほうにもちょっと書いてありましたけれども、今、子育て世代とか、そういったところにフォーカスがあたっておりますけれども、例えば、子どもを育てていない夫婦の方、そもそも結婚していない夫婦の方、独身の方、そういった方も非常に増えていて、多様性がより深まっていると思います。どうしてもこれまで議論している内容は、ある程度、子育て、子ども、家族というふうなところへスポットがあたっていますけれども、そういうスポットがやや当たりにくい、特に何もなければ、区が手を差し伸べる対象になりにくいような人たち、ただ、そういった人たちが実際には世田谷に非常に魅力を感じて住んでくれる方たちでもあると思っています。  なので、そういった方たちに応えていくためには、この中にいろいろ表れている方針のほかに、ちょっともやっとしていますけれども、個別の方針といったところもあります。例えば、ポートランドは非常に魅力的な街だと思いますけれども、世田谷の魅力と言ったら、ポートランドみたいに住みたいねと、こういうふうなところがあるからちょっとお金は高いかもしれないけれども世田谷に住みたいんだというふうに言ってもらえるような、街全体の、それはある意味、ハードに偏るところはあるかもしれません。ですけれども、そのハードの部分と、文化的な部分、緑の面も含めて、区民検討会議でもそういったところに魅力を感じるという方がたくさんいらっしゃいました。  ですので、ここにある持続可能なといったところと、ある意味、並立する形で何らか、中の人が政策を担ってほしい、外の人は、さらに魅力を感じて入ってきてくれる、そういったところを何か文章化、具現化できる、そういった計画ができないかなというふうに感じた次第でございます。  以上です。 【大杉会長】  ありがとうございます。  それでは、羽毛田委員、どうぞ。 【羽毛田委員】  区民委員の羽毛田でございます。まず、全体構成について意見を述べさせていただきます。  コメントも事前に提出しておりますが、基本方針、計画全体を貫く考え方、マネジメント指針、重点政策、計画の推進の項目の違いがすごく分かりづらかったなということが大きな思いです。  特に、区民に向けたメッセージ、ぜひ一緒にこういう世田谷にしていこうというものと、区の行政としてこれを頑張るから任せてくれというところを明確に分かるようにしていただくのがいいのかなというふうに思いました。この全体構成については、そこを強く感じたところです。  なので、5つ分かれているんですけれども、区民全員に届くメッセージ、基本方針と、具体的に取り組むべき重点課題と、区としての計画の立案から実行までの取組の指針とか、姿勢とか、決意表明みたいなもの、三部構成ぐらいが分かりやすいのかなというふうに感じます。  以上です。 【大杉会長】  資料4、ほかにいろいろ御意見をいただいていますけれども、よろしいですか。全体構成案のところは、よろしいですか。 【羽毛田委員】  まとめて言ったほうがいいですか。 【大杉会長】  まとめて出していただいたほうがいいですね。 【羽毛田委員】  分かりました。そうしたら、すみません、続けて、たたき台全体について、幾つか思ったことがあるので、特に重要かなと思っている点についてコメントいたしますが、参加と協働、これが第一に掲げられている点が非常に重要で、ここは非常にポジティブに納得感があります。  1点思っているのが、参加と協働のぜひ門戸を広げるというような書きぶりにしていただきたいなと思っていまして、マクロ的な背景としては、町会加入率が年々減っているというのは明らかな課題ではあるので、さらなる促進という認識ではないのかなと思っています。  それから、結構重厚な響きかなと一個人としても思っていて、参加できるものならしているよというのが率直なところで、参加する時間があって、意欲があって、活躍できる素養があって、それから、何らかの見返りとか達成感があれば、それは参加しますよというふうに思っている人が多いのかなというふうには思っていて、そういう環境がないから、今、徐々にコミュニティが機能不全に陥っているというような現状があるのかなと思っています。  一方、たたき台だと、主体的な参加とか、よりよいコミュニティの醸成とか、結構強い言い方で求められているなと思ったので、もう少し門戸を広げて、多様な参加の仕方が歓迎されているというような打ち出し方であったらいいなというふうに感じたところです。  特に、主体的な参加だけではなくて、DXとか、リモートワークの普及とか、働き方も変わっていて、自分自身がそうなんですけれども、フルタイムで仕事の1つと言っているわけではなくて、多様な参加の在り方ができるようにどんどんなっていっているというふうに思っているので、そういった柔軟な多様な参加の仕方を歓迎するという書き方がいいなと思っています。  ちなみに、最近すごく参加している実感があったのが、いろいろ議論はありますが、ふるさと納税で、やっぱり使い道を指定して、自分で考えて指定すると、ある種の資産運用みたいなもので、そのふるさと納税をするときに、どの基金があって、どういう団体にお金が使われてということを相当自分自身も調べて、じゃあこの使い道にしようというふうなことを、ちょうど昨年12月末にやったので、例えば、時間もかけられない人だけれども、そういうお金を使って意思決定するということも非常に重要な参加かなというふうに思った次第です。  ちょっとたたき台全体を通じて、参加と協働は重要なキーワードなんだと思いますが、キーワードの呼びかけだと、なかなか推進しづらくなってくるのかなと思うので、ここをちょっと工夫して、より多くの人が積極的に参加したくなるような書き方にしたいなというふうに思った次第です。  細かいところは、その他、文言の修正、難し過ぎる表現とかいろいろあったんですけれども、それは資料に記載していただいているので割愛いたします。  以上です。 【大杉会長】  ありがとうございます。  では、いかがでしょうか。  尾中委員。 【尾中委員】  区民委員の尾中でございます。  内容については、すばらしい内容かなと、見ていて思ったんですけれども、今後、若者の方とかが見たときに、羽毛田委員がおっしゃったように、ある程度、キャッチーな言葉、自分事として参加したくなるような見え方というところが重要になってくるのではないかと。書いてある内容については、ごもっともだと思うんですけれども、それをどう表現し、それを基にコミュニティの形成を行っていくのであれば、そこに引き込むというところで、まずは工夫されてもよろしいのかなというふうには見させていただいて思った次第です。  私からは以上です。 【大杉会長】  ありがとうございます。  では、下川委員、どうぞ。 【下川委員】  下川でございます。具体的にこの基本計画のたたき台に対する意見につながっているか、少しずれてしまう可能性はあります。この直近、具体的に私自身がエピソードとして最近体験したことから感じる、考えるきっかけが幾つかありましたので、お話しさせていただければと思います。  1つは、これは父から聞いた内容にもなるんですけれども、実は年末に私の祖母が急に倒れまして、そこから、今からどうすればいいんだろうという状況に陥りました。今まで何とか一人で近くに住んでいる95歳という状況だったんですけれども、そこからけがをしまして、もう立ち上がれない、動けないという状態で、この後、どうすればいいかということが正直分からない状況でした。その中で、すぐに、区のセンターに連絡をしました。そこで、あまりにもスピーディーに、すごく寄り添って対応してくださり、それによって私たちは本当に助けていただき、1か月、2か月を過ごすことができました。  こんなに年末に近いお忙しい時期、もう不安でいっぱいだったところから、具体的に寄り添ってくださって、どういうふうにしていけばいいか、細々説明してくださり、本来だったら介護認定が下りないといろいろとやれないことも、先回りして動いてくださいました。スピードの速さでしたり、フレキシブルな対応というところに驚きまして、本当にまだ今もほかにも大変なことはありますが、1つ1つ進められたのは、区の大きなバックアップがあったからだということを実感しました。  私は、最近こういった場に来させていただくことによって区の様々な取組などを考えるきっかけというところになっていましたけれども、父にとっては、改めて、区民であるということ、そして、区への興味というところにつながりまして、こういったところからまた参加と協働ではないですけれども、自らもっと知っていきたい、もっと関わりたいという気持ちが生まれたところでございます。自分の未来としても、ここにいる安心につながったと申しておりました。  もう1点、今度は、子育て世代というところなんですけれども、議論に何度も上がっているところではありますけれども、子育て世代のママさんと話していまして、驚いた点が1つありましたので、お知らせさせていただきます。  世田谷区に渋谷区から引っ越してこられた方とお話をしていて、保育園でのサポートでしたり、本当に様々な点で助かっているという話がある中で、ただ、この1つだけで渋谷区に戻りたいという気持ちもあるんだという話でした。  それは、本当に便利だったというのが、子育て世代へリーチしやすいLINEに開設されている渋谷区のLINEの公式アカウント、母子手帳がアプリになっているんです。もう皆さん御存じかもしれないですけれども、その母子手帳アプリには、妊娠中や出産後の母子の体調記録でしたり、成長記録、また、データを家族と共有できたりとか、予防接種のスケジュール管理や、プラス地域の情報提供、またアドバイスにも瞬時に乗っていただけるような、そういったものがLINEで見られるということでした。あまりにも便利だったので、もうその1つだけでも得たいというような話がありまして、そうか、子育て世代のママさん、一人の意見にはなりますけれども、利便性というのは非常に大事なキーワードではあるんだなということを感じました。  また、もう1つのエピソードが、最近、外国人のカップルから相談された内容なんですけれども、婚姻届を出すにあたって、その婚前契約でしたり、また、届けを出すというところに対して、どういうふうに手順を踏めばいいかが分からないと。調べているんだけれども、どこに聞けばいいか、また、英語での対応を含めて困っているという相談を受けまして、こういったところもこれから多様性というところを考える中では、1つ大事なポイントでもあるのかなと感じた次第でございます。  最後に、最近、世田谷区の学生さんが、もっと持続可能な食について、みんなで考えるきっかけをつくりたいということで、御自身の大学の学食でいろいろと新たな取組をされようとしているところでして、その中で、せっかく世田谷なんだから世田谷のお野菜を使いたいでしたり、いろいろと調べている中で、こんなにも世田谷には、お野菜だったり、自然豊かな環境があるんだということを知ったんですというお話を伺いました。  その方のお話を聞いていましても、もう既に行動したり、日々考えたりしている方たちはたくさんいらっしゃると思いますので、そういった方たちを巻き込めるような参加と協働の窓口が開かれていくといいなと思った次第です。  ちょっとずれている点もあるかと思いますが、以上でございます。 【大杉会長】  具体的なエピソードを交えて、今、少し、こういう点、分からないことがあるというようなことがあったと思うので、多分、この会議が終わる頃にはお答えが出てくると思いますので、担当者から御回答いただければと思います。  では、佐伯委員、いかがでしょうか。 【佐伯委員】  区民委員の佐伯でございます。  私は、この重点政策の14ページ目である「子ども・若者が笑顔で過ごせる環境の整備」というところで意見を述べさせていただきたいと思います。  上段の「子ども・若者の声をしっかりと聞き政策に反映するため」というところがあるんですけれども、やはりこの場においてもそうなんですけれども、結構経験だったり、知見が豊富な大人の方を前にして意見するというのは、やはりちょっと難しくて、なかなかできないというのが現状で、私以外にも、きっと若者で意見が言いにくいということがあると思いました。じゃあ、政策に反映するために、小・中学校に紙を配布してアンケートを取るという形でも十分素敵だとは思うんですけれども、それ以上に、今の若者のツールであるSNSだったり、ウェブを活用したアンケートの方が、個人的な意見だったら、多分、言いやすい場がつくれるのではないかと思うので、こちらを具体的に意見させていただきます。  また、中段の「すべての子どもが自らの選択により地域で豊かな体験を重ね、力を発揮できる場」というふうにあるんですけれども、恥ずかしながら、18年間、世田谷区に住んでいても、児童館だったり、青少年交流センターを活用した経験が私自身なくて、友達と、じゃあ、そこに行こうとなったこともないので、ここは、私が意見するのもあれなんですけれども、ちょっとずれてしまっているのかなというふうに感じる次第でございます。  具体的にというと、私自身、世田谷区の小学校に通っていたんですけれども、春休みだったり夏休みに、区民の方とプール教室だったり、お祭りがあって、そういうほうが区民の方と関われる機会があったので、今、コロナ禍でちょっと難しいかもしれないんですけれども、スポーツ教室だったり、小学校の放課後だったり土日にスポーツ教室を開いて開放するというふうな具体的な政策のほうが、子どもの豊かな成長だったり体験につながるのではないかなと感じました。  最後になるんですけれども、19ページ、「安全で魅力的な街づくりと産業連携による新たな価値の創出」のところで、結構最初の基本計画のところから、三軒茶屋だったり、下北沢、二子玉川という具体的な地名が挙げられていると思うんですけれども、私がちょっと調べてみたところによると、世田谷区の住んでみたい街づくりのランキングで、駒沢だったり、桜新町、用賀という街も出てきて、世田谷区の中で、ほかにもいろいろな素敵な住みたい地域があって、意外とほかの区民の方から見ると、私たちは、結構、三軒茶屋だったり、下北沢にフォーカスを当てているふうが多いなと思ったんですけれども、そういうほかの世田谷区の地域にも目を向けて、もっと魅力的な街づくりを考えてもいいのかなと思いました。  ありがとうございます。以上です。 【大杉会長】  ありがとうございます。  今回は、区民委員の5名の方から先に御意見をいただきまして、全体構成から、基本方針、指針の考え方、それから具体的なエピソードを交えた御意見などもいただきました。  先ほども申し上げたとおり、今日は、具体的に全体の構成の在り方を固めていきたいというふうに思っておりますので、この後は、もちろん区民委員の方々も再度御発言いただいても構いませんし、その他、皆様から御意見をいただきたいと思います。  先ほどこの説明をいただきまして、それから、事前に、特に御意見をいただいた委員の方々もおられますので、先に、もしよろしければ、では、中村委員、どうぞ。 【中村委員】  資料4で私の出したペーパーをまとめていただいておりますので、ありがとうございます。  羽毛田委員からもお話がありましたけれども、私も読ませていただいて、資料3ですが、全体が非常に分かりにくかったので、意見を出させていただきました。  私の意見は、資料4の最初のところにありますように、今、5本立てになっているものを3本立てにしたらどうかというのが意見です。  その理由を申し上げます。  まず、資料3の3ページを開いていただくと、「基本計画の体系」とあるんですが、最初に「基本方針」があって、これは「今後、世田谷区政が目指すべき方向性」が書いてあるとされております。  次の「計画全体を貫く考え方」、説明を読むと、「政策、施策の立案の際に必ず考慮する考え方」というんですが、この政策、施策を立案するとはいつのことなのかよく分からない。基本計画が出た後に、区が何かをつくるときのことを拘束することを言っているのか、この計画全体を貫く考え方だから、この計画をつくるときに、基本計画そのものの全体を貫く姿なのかがよく分からなかったということがあります。  私の考えは、基本方針と一体になっているものなのではないかと思って、ここを1つにすればよいのではないかと思います。  つまり、4ページの図を見ると、三角形が描いてあって、これはさっきのお話ですと、植木鉢の図のようですが、ちょっと植木鉢というのは二番煎じのような気がしますが、( なぜかというと、地域包括ケアという国が出している資料は、いつも植木鉢の図が出ているので)、それはともかくとして、さっきの御説明は、基本方針と計画全体を貫く考え方と一体的に御説明しましたが、図で見ると、天井と土台になっていて、ここのところがよく分からないというのが率直な感想です。  また3ページに戻っていただくと、「マネジメント指針」とありまして、横断的な課題に対応するときにやらなくてはいけないとあります。マネジメント指針を読むと、別に横断的な課題でなくても、単独の課題でも、このマネジメント指針は通用すると思うのが1つ。次に、ここで言っている横断的課題とは何を言っているのか。基本計画が上げている横断的な課題なのか、今後、世田谷区が直面する様々な横断的課題全てを言っているのか、その意味がよく分からない。  一番下に「計画の推進」とありますが、「政策、施策の推進に当たり~」、ここでいう政策は何の政策なのか。一方、「重点政策」とあり、ここにも政策が出てくる。素直に読むと、政策、重点政策を推進するに当たり重視すべき考え方のように思う。そうすると、これは、基本計画を推進するときに考えなければならない事項である。ところが、「重点政策」を見ると、「分野横断的な」、と書いてあるから、そうすると、マネジメント指針で言っている「横断的な課題」も、どうやらこの資料を作った方は、それを指しているらしい。そうすると、マネジメント指針と「計画の推進」とどこが違うのかよく分からない。  つまり、この計画の体系をつくった考え方に寄り添って考えると、「基本方針」と「計画全体を貫く考え方」が、この基本計画の「基本的な考え方」に当たり、計画の対象が、多分、「重点政策」に当たる。何を対象とするかが書かれている。その対象に向かって、how to、いかに計画を進めるかというのが「計画の推進」と「マネジメント指針」ということなのではないかと私は捉えました。  したがって、そうだとすると、資料4にありますとおり、「基本方針」と「計画全体を貫く考え方」を1つにし、「重点政策」を次に書き、さらに「計画推進の指針」というのを「マネジメント指針」と「計画の推進」と合わせて書いたらどうかというふうに思います。  もし私の捉え方が違うのであれば、もう少しはっきり、この基本計画をつくり、基本計画をつくった後、世田谷区の全ての計画は、このマネジメント指針に従ってやらなくてはならない、そういう発信をするのであれば、そういうふうに書くべきではないかと思いました。そこのところがよく分からなかったというのが実態であります。  2つ目は、9ページに「計画全体を貫く考え方の基軸となる「参加と協働」」ということで、参加と協働を重視していただくのは大変結構なんですが、「基本方針」があり、「計画全体を貫く考え方」があり、さらに「その考え方の基軸となる」という、3つの蝶番が出てきているようで、そこが非常に私は分かりにくかった。9ページは要らないのではないかというのが私の意見です。資料4にありますが、「あらゆる世代が住み続けたい世田谷をともにつくる」という目標を、先ほどの安藤委員とそこは同じなんですが、もう1つ「基本方針」に加えていただいて、「あらゆる世代が住み続けたい世田谷をともにつくる」というコンセプトの下で全てを整理したらどうかと思います。そうしますと、大変申し訳ないんですが、私は「ワクワク感の創出」に変えて、「あらゆる世代が住み続けたい世田谷をともにつくる」ということで全部包含できるのではないかと思いました。それと、「持続可能性の確保」という2つで包含できるのではないかと思って、提案をさせていただきました。  以上です。 【大杉会長】  ありがとうございます。  今の点、少しこの枠組みの理解の仕方にも関わってくるところで、事務局のほうから何かありますか。 【真鍋副参事】  丁寧に説明をしてくださって、よく理解できたところなんですけれども、もともと先ほどの説明の中で言おうと思っておったのですけれども、小林委員からの御発言、御意見を基にこういう整理をしたんですけれども、ちょっと事務局の整理の仕方が誤ったなというふうに思っておりまして、そこに解を与えてくださったというふうに受け止めておりまして、この考え方でどうかということを皆さんに御議論いただきたいなと思っています。  中村委員がおっしゃっている時点のようなものも確かに分かりにくくて申し訳ないなというふうに思っていますが、一応、置いた時点での考え方、「計画全体を貫く考え方」は、計画の策定にあたって、大きな方向性を答申で描いていただいて、それらを尊重して区で政策、施策、事業というものをぶら下げていくことに基本計画策定ではなります。その上での施策、事業をあてがっていく上で、その6つの考え方は外さないということを一番大きな意図としているので、どちらかというと、計画の前段に当たります。  「計画の推進」や「マネジメント指針」というものは、計画ができた後、その計画の実行、推進にあたって考慮すべき事項とか、区としてやっていかなければいけないもの、そうしたものを置いているので、時点としても、「マネジメント指針」と「計画の推進」は近しいというふうに私どもも思っているところです。  これでということではないんですけれども、事務局としては、中村委員の御意見について、整理してくださったなというふうに感じているところです。 【大杉会長】  では、小林委員、どうぞ。 【小林委員】  私の意見に寄り添ってくださったような解説だったんですけれども、私の言いたかったことはちょっと違っていて、要するに、分かりにくいという点では、中村先生や羽毛田さんの意見と同じなんです。  どう言ったらよろしいのでしょうか。例えば、「基本方針」というのは目標とか目指すことですね、言葉としては。前は考え方が2つあったりして、よく分からなかったので、片一方は理念的なことではないでしょうか。1つは、計画をつくるとか、実施のときの考え方ですねというようなことを申し上げたんです。  かつ、「計画の推進」というのはマネジメントのことなので、計画にあたっての考え方と、「マネジメント指針」、「計画の推進」というのは、ある意味、計画の動かし方とつくり方、それはまとめるということもできるというふうに思います。  とにかく分かりやすいことが大事なので、みんなが分かりやすいと言ってくださるようにすればいいのではないかと思うんです。  それよりもずっと私が違和感があるのは、役人っぽいなというのが、はっきり言ってずっと、自分が役人だったので気になるんですよね。役人っぽいの大嫌いなので。ついつい、何でこんなに細かく同じ言葉がたくさん出てくるのかなとか、すごく思うんです。それは置いておいて。  せっかく時間があるし、繰り返しとか、随分入れてくださったこともたくさんあるので、あえて前に共有していただいた私の文書にした意見については、中村先生、せっかく本人がいるんだから言ったらいいじゃないかというお話ですが、ちょっと時間の関係でパスさせていただいて、この会合では、どうしても残る気持ちだけ言わせていただきます。まずやっぱり目標がないということですね。それが私はすごく違和感があって、基本方針に持続可能な未来をつくるというふうに書いてあるんです。これはやっぱりそうだと思います。図では種みたいになっていますが、そこが目標だと思うんですけれども、つまり、持続可能なコミュニティだとか、持続可能な経済だとか、自然だとか、インフラとか、ですね。そこで、それがどんなものなのかをやっぱり基本計画は書くべきだと私は思います。何を目指すか分からなくて抽象的なものを目指しているのは計画としてはまずいのです。他方、私、ずっと思うんですけれども、個別の計画でできることは個別の計画にやらせておけばいいので、基本計画をつくる、基本計画でしか議論できない、そういう目標像を、ぜひここで書くべきだと思うのです。もし大杉会長の今日の趣旨が、構成を固めたいということであれば、私は、目標とか未来像、目指すところ、これが抜けているということはどうしても言いたいなと思いました。  2点目の違和感があるのは、重点政策というものの趣旨が分からないということです。これも私は環境屋さんなので、環境のところを読むと、もうどこにでも書いてあることが書いてあるように思います。そうではなく、基本計画には書くべきことを書いてほしい。環境屋さんが自分を貶めているみたいで、申し訳ない、自己否定になってしまうんですけれども、今の、環境プロパーの文言ではなくて、やっぱり福祉を通じても環境をよくするとか、環境がよくなると福祉もよくなるとか、分かりませんけれども、何か環境屋さんでは書けないことを基本計画ではぜひ書いていただきたいなというのが狙いなんです。  個別計画に任せられることは任せるべきで、しかし、この前の基本計画も見たんですけれども、ほとんど個別計画でできるようなことばかり書いてあって、なるほど基本計画という感じではないんです。それがすごく私は残念だなと。  だから、この重点政策のところも、これは書かないといけないんだと思いますけれども、でも、何を書くべきかはやっぱり議論していただきたいなという感じが非常にいたします。  だから、基本計画らしさがないから、きっといろいろな人の意見が出てくるんだと思う。基本計画でしか、やれないことをやってるんだという意気込みはあっても結局、日頃の計画とすごく似てしまっているので、それで何か据わりが悪いとか、構成を変えたいとかになる。普段の計画ではできないことを目指しているのだけれど、そのために分かりにくくなるんだと思います。けれども、そうした難しいことをこそ言っていただければなというふうに思います。  時間の関係で、言いたいことはいろいろありますけれども、その2点だけ、このたたき台というところでは申し上げたいというふうに思います。 【大杉会長】  ありがとうございます。今、御意見をいただいた中で、全体の構成についてはというのは、そこだけということではなくて、取りあえず、そこはある程度の形には、目処をつけておきたいということでもあります。  それから、この構成の分かりにくさ、弁護するつもりではないんですけれども、こうなってしまっているのは、ある意味では、ここの審議会の性格といいますか、実際には、基本計画そのものは、来年度、行政の側が決めていく、それに対して我々として、どういう考え方でまとめてもらうのかという、そういう考え方を示すということがあります。私もこの何層にも分かれた分け方は、何度言っても、私は役人出身ではないので、余計言うことを聞いてくれないんですけれども、これは複雑で分かりにくいと申し上げてきたところではあるんですけれども、この方向性だとか何かとか、いろいろ言っていることも、そこの部分を言おうとしているというところがあったんですが、ただ、大きな部分に関しては、これは計画の中身そのものに入っていくことなので、ちょっとそこはまとめて言わないと、やっぱり分かりづらいというのが、今、中村委員、小林委員からいただいた御意見なのかと思います。恐らくもうみんな共通に感じているところだったのではないかと思いますので、構成としては、先ほど中村委員が示していただいたぐらいの、この3層ぐらいで全体構成を考えていくというイメージかなと思うんですが、その点も、いや、そうではないと、やっぱり事務局の意見のほうがいいとか、あるいは、別の形もあるとかということがあれば、ぜひ今日、御議論いただきたいと思います。  それから、中身の話も、まさに個別具体の施策、事業に関しては、これはやはり中の行政の職員がよく知っており、個別の計画もあるということですので、ここの場では、前回、ああいうパネルディスカッション風のことをやったというのも、この審議会でだからこそ、こういう点を特に打ち出したいという議論を引き出すためということで行ったということでもあります。  ですから、そこを踏まえて、こういう形で置きたい、この重点政策とか、そういうようなところを、じゃあ、どういうふうに示していくのか、そこを今回なるべく議論を煮詰めていただく方向で進めていければなというふうに考えているところです。  ちょっと私から長くなりましたけれども、御意見をいただければと思いますが、いかがでしょうか。  安藤委員、どうぞ。 【安藤委員】  重点政策のところが、ちょっともじもじしていて、読みにくいです。みんながそういった声ですので、そうなってしまうのですけれども、もう少しここがすっきりしていると、全体も分かりやすいのかなと。結局、言いたいことは、多分この中でもある程度、キーワード的なものがあるので、もう少し、この1個1個のまとまりは全然このままでいいと思うんですけれども、簡潔に書いたほうが読みやすいかなというふうに思いました。全体を理解するときに、ちょっと時間がかかるので、何となくこの重点政策が重くて、この後につながるところのものを先取りして書いているような感じが多分にあるので、もう少しすっきり、より抽象的な感じに書いてあってもいいのかなというふうに思いました。 【大杉会長】  ありがとうございます。  抽象化という話なのか、重点政策にふさわしい重点を置いて書く、ここに書かなくても、当然やらなければいけないことが行政はたくさんあって、そこも恐らく全てここの下にぶら下がらなければいけないという発想になっているので、いろいろつい書き込んでしまっているというところがあるのではないかと思うんですけれども、事務局、何かありますか。 【真鍋副参事】  今の基本計画で、重点政策の後に、さらに分野別政策というものがあり、これがある意味、区の政策全体を網羅していて、各分野別計画は、基本計画と整合を取ってやっていきましょうと。どの分野別計画にも位置づけ、体系を見ると、基本計画があって、分野別計画があって、しっかりと整合を取っていきますということを掲げている関係で、網羅的にはなるけれども、分野別政策は必要かというふうには思っております。  その辺りは区のほうでつくっていくんですが、重点施策というのは何かといったときに、今回、今の入れている説明では、横断的に取り組まないといけないもの、分野の狭間とかに落ちてきたけれども、そういったところでしっかりと連携し取り組まなければいけないものにスポットを当てて、今回、重点政策を掲げていこうというのが、今の時点での案にはなっています。 【大杉会長】  事務局の認識としては、そういう認識でまとめられているということですが。  ほかに。  どうぞ、小林委員。 【小林委員】  重点政策というのは、恐らくそういう個別計画では対応できないようなものだけれども、横断的に取り組むと解ける問題があって、かつ、そういうことをやらないと、基本計画自体が実行できないというような縛りがあるべきと思うんですね。そういう定義、自己規定が来た後に、じゃあ、それに値するものが何なのかというのは、ほとんどここで議論していないので、そこは時間を取って少し議論していただかないと、ここに書いてあることは本当にいいのかなというのが、よく分からないんです。  それからもう1つは、中村先生がさっき、スパッと削除されていましたけれども、ワクワク感とは何ですかということがちょっとあって、誰がここで議論したのかなという気がちょっとするんですけれども、いや、私、悪いと言っているのではないですよ。ワクワク感が大事だということであれば、それでもやっぱり絞っていくべきだと思う。この政策がワクワク感に通じるんだというものを書くべきだと思うんですけれども、自分の専門のところで言うと、あまりワクワクしない。いや、ちょっと申し訳ないんですけれども。  そういう意味で、お気持ちはすごく分かるんですけれども、やっぱりちょっと、これはみんなで知恵を出さないといけないのではないかなという感じがします。  中村先生はワクワク感を切ってしまいましたけれども、どうですか。その辺もちょっとよく分からないです。 【中村委員】  小林先生からお話がありましたので、多分、この審議会の経過を見ると、何回か目のときに、いろいろ事務局から出していただいたもの、我々が発言したことを拾って書いていただいたものです。その際に、どうも体系性に欠けるという議論があり、あるいは、ばらばらではないか、という話があり、それについて、つなぐコンセプトを工夫するということで、事務局が苦労して「ワクワク感の創出」を考えていただいた。全てワクワクということでつないでいただいたと私は認識しています。私は、事務局の御苦労は多としますけれども、つなぐのであれば別のつなぎ方もあるのではないかというふうに思ったので、ワクワク感を否定しているわけではないんですが、つなぐためにつくったという生まれた経過があるので、どうもポジティブに、ワクワク感そのものについて御説明もできていないということになります。そういうことであれば、代わりのつなぎ方はあるのではないかという提案をさせていただいたので、それは皆さんで議論していただければいいと思います。  先ほど事務局のほうからお話がありましたけれども、結局、我々は、区に対して基本計画をつくる際に、こういう計画がいいのではないかという提案する立場にある。しみじみ考えてみると、そもそも基本計画をつくって、区は何をしようとしているのか。つまり、基本計画にどれだけの拘束性を持たせているのか。各部の仕事を、各実施計画をつくるときに、基本計画を踏まえていないと駄目だということが徹底しているのか、計画をそういった意味で査定する部署があるのか、予算なり政策をつくるときに、区として、そういうことをチェックしているのか、さらにそれを行政評価しているのか、そこのことなのではないかと思います。  つまり、基本計画を踏まえていれば予算が通るとか政策化されるという保証があるなら、もし私が区の職員であるとすると、それを意識してつくると思うんですが、そういう計画になっていないと、計画は立派にできても、ただ文書としてあるだけで、実際、区政に機能していないということになるのではないかと思います。  だから、基本計画で、さっきのマネジメント計画でもよろしいですが、マネジメントで6項目あったら、この6項目でチェックして、チェックする部があって、それを通らない限り、新しい政策は認めない、そういう保証があれば、マネジメント指針でもいいと思います。そういうものでもないとすると、あるいは、この計画をつくるときに、このマネジメント指針に基づいてつくったということであると、何か迫力に欠けるなと思いました。もう1回繰り返しますと、基本計画に我々は何をイメージして、区に提言する際に何をイメージして提言をしなければならないのかというのは、我々自身に問われているところだと思いますし、そう言えば、私どもが提言すれば、区はちゃんとそれをやってくれるという保証があるのかどうかという話にまでつながるのではないかと思いましたので、発言させていただきました。 【大杉会長】  ありがとうございます。  最後の点、お答えできるところ、お願いします。 【真鍋副参事】  ありがとうございます。何からお答えすればと思うんですけれども、今、基本計画と別の冊子で動いているのが実施計画で、基本計画の10年に対して、4年、4年、2年というものがあって、今、2年の計画の期間となっています。第2回のときに評価をお示ししましたのが、その実施計画中心の評価なんですけれども、基本計画を具体化するための年次計画で、4年間の行動、どういう行動を取ります、基本計画を実現するために、こういうことをやっていきます、そのために政策経費という費用をこのぐらい使っていきます。経常的にかかる経費はちょっと置いておくとして、政策的に増やしていったり、これをやっていくということを掲げているので、基本計画に載ってくると、今度、実施計画に反映して、そこに載せたものの具現化を図っていくというのがオーソドックスな考え方かなと思っています。  今回、基本計画と実施計画を一体化するということで、基本計画の中に直接実施計画をつくって、4年間の期間で具体的な事業、項目を入れていくということは考えているところです。なので、基本計画というもので、一定程度、今後の予算にも反映してくるというのは1つあります。  もう1点が、マネジメント指針のところです。小林委員からも前々から言われていたことも含めて、10ページには、例えば、SDGsの推進ということを書かせていただいています。これがSDGsの推進全般を指しているというよりは、ちゃんとSDGsとの関係性を明らかにしてというのが一段目です。  二段目が、ちょっとお話は近しいかなと思っていますが、例えばこれはマネジメント指針、計画をつくるときではなくて、計画推進にあたってと近い考え方だと先ほど申し上げましたけれども、個別の事業の意思決定にあたって、その事業が、SDGsだけではなくてもいいと思うんですけれども、様々な与える効果をしっかりと評価し、そこで意思決定をしていく。複眼的な視点でシナジー効果を発揮するため、1つにいいことというものだけで決めるのではなく、これにもいいし、これにもいいから、こっちを選ぼう、そういったような視点に努めなさいということを書いています。これは多分、基本計画にしか書けないことかと。これを受けて、どういう体制でやっていくかというのは、区が受け止めるところかなと思いますので、ちょっと細かくここの基本計画にそこを謳うかということはありますけれども、例えば、予算のとき、政策の意思決定のとき、そういったところで考慮していくべきこととして、ここに置かせていただいているというのが今の状況でございます。  ちょっと足りているか分からないですけれども、以上です。 【大杉会長】  区長、どうぞ。 【保坂区長】  実は、皆さんのお手元に、クリーム色の冊子がございまして、これが未来につながるプランということで、2年間だけのつなぎの計画になります。22ページを開いていただくと、次期基本計画に向けてという章が出てきて、実は基本計画を振り返ってみれば、計画しなかった行政パートナーシップだったり、GIGAスクールだったり、いろいろやりましたことが書いてあり、その次の24ページのところだと、マッチングについて検証し、考え方を示し、26ページから次期基本計画の検討にあたってというところで、生存の危機と向き合う時代とか、子ども・若者の自殺が非常に顕著である、社会的孤立、孤独の問題が重要だとかというようなことを書いています。  この冊子自体は、今議論していただいている基本計画に向けたつなぎではあるんですが、1つの、こういうふうにつなごうとしたというところで、参考にもしていただきたいなと思います。  以上です。 【大杉会長】  ありがとうございます。  今、区長からも御説明ありましたところと、その前段に当たる基本構想が、合わせて、言わば、区からの我々に対する、こういう大きな区としてはやりたいことだという考え方の部分で、それを踏まえた上で、実際に行政側が基本計画をつくっていくための仕様書を我々が作成するというイメージ。これらを踏まえて、こういうような基本計画を行政側がつくってくださいというようなときの、我々の知見を集めて、こういう方向性でということを打ち出すのが、今回、我々がこの審議会としてまとめる答申という形になろうかと思います。  それから、担当のほうからは話がなかったのが、計画に基づいての評価とか、そういうようなことについては行ってきているということで、よかったですか。予算の場、予算決めはもちろんとして、実施後の評価というようなことも、これまでも随時行ってきているということでよかったですか。 【真鍋副参事】  行政評価につきましては、例年、決算時に毎年やっておりまして、各年度、実施計画を中心に評価をしております。  実施計画、未来つながるプランの1個前のものが、ちょうど4年間終わったところなので、今年度の9月には、4年間分の評価ということでやっております。それを整理してお示ししたものが、第2回のときに基本計画期間の取組の振り返りという形でお見せしたものです。あのとき、指標の在り方とか、様々御意見をいただきましたが、あちらが行政評価に近いものとしてお示ししたものになっていまして、行政評価は大綱たたき台にも書かせていただきましたけれども、今後も毎年度やっていくことを予定してございます。 【大杉会長】  よろしいでしょうか。  では、江原委員、どうぞ。 【江原委員】  少しずれてしまうかもしれないんですが、この重点政策と基本方針の「持続可能な未来の確保」というところの、何か全然合わないんです。それが一番問題なのかなと思って。皆さんの言っていることは大体分かって、とてもいい御指摘をいただいて、すごく私も分かりにくかったんですが、基本方針の「持続可能な未来の確保」と、今、こちらの隣のほうのプランを読ませていただいたら、かなり具体的な危機がたくさん並べられていて、だからこそ持続可能な未来なんですよね。持続可能な未来がやっぱり相当危ないんですよ、私たちの社会は。その水準の話が、最低、区ではここまでやりますよという話があって、その上で、さらにやるなら、ワクワク感だよねという、そういう二段階なのではないかな、みたいな気がして、重点政策が、ワクワク感の創出だとなっているのは、何か能天気な感じ、すみません、大丈夫なのかなという。もうそれどころではない。やっぱり地球環境は危機だし、産業、日本もどうなるか分からない。人口問題はこんなに大変だよ、お金はないよみたいな、こういう問題が既に書いてあるんですね、こちらに。その中で、私たちは持続可能な未来を確保していくという区のものすごく大きな方針があって、だから、これだけやるわけです。でも、それだけでは駄目ですよね、世田谷はもっと未来に向けて出さなければねというところで、恐らくワクワク感なんだろうと思うんですね。その辺を2つ書き分けながら書いていただけると、区民としては、こういうふうに安心を私たちに与えてくれようと区はしていて、やろうと思っているんだということが分かり、なおかつ、もっと先にいくんだということまで分かれば、やっぱりこれは大きな意味があるかなと、そんなふうに思いました。 【大杉会長】  ありがとうございます。  涌井委員、どうぞ。 【涌井委員】  私は、この4ページの「ワクワク感の創出」、これは要するに、引っ込み思案な人たちに対して、ぜひ皆さんで参加してくださいよという、花に虫媒を促す生き物を誘因するホルモンとして読み取ることはできるとは思います。だけど、そうした活動を永続的に開花させるための土壌としてどのように地域にストックさせていくのかというところの解がよく見えない。  そこで、故きを訪ねて新しきを知るという言葉に準えれば、平成25年6月29日に開催された世田谷区の基本構想についてのシンポジウムにおいて、宮台真司さんが講演をされています。氏はそこで何を訴えたのかと言えば、結構我々の議論に関連したことを述べられています。そこでは先ず非常時の常態化という論点を指摘し、それがこれからのまちづくりの上で考えていかなければいけない重要な観点と指摘しています。  もう1つは、今後ますます中間層が分断され、結果として、所得が両極に分かれてしまい格差感が増大します。その結果、地域が分断されるということにつながります。したがって、どのように共同体をつくり出すのかということが非常に重要だというのが氏の論点でした。しかも、共同体というのは、下手をすると、非常に全体主義的な傾向になるので、そうではなくて、区民一人一人に自立的な参加を促し、そのストックを地域にどう残していくのかということを考えていく必要があります。言わばバージョンアップした共同体をどう構築するのかということが非常に重要なんだという指摘を以って時代を喝破しているわけです。  本当にそうした社会に突入していると私は共感しています。そうした現実を考えてみたときに、ワクワク感かなあとも思います。大体この絵は、植物学的に言うと間違っているんです。ワクワク感というのは蜜から生き物を誘引するホルモンのようなものであり、受粉という植物側の目的達成のために、いわばワクワク感で呼ぶわけです。受粉をして結実して種になって飛んでいくわけです。だから、このワクワク感だけでは駄目なので、そのワクワク感で何を狙うのかという目的を明確にせねばなりません。例えば、地域の共同体をどうやって成熟させるのかという目的です。高齢者の問題にしても、ハンデキャッパーの人たちについても、どうやって相互扶助するのか。どうやって自分たちが街づくりに参画していくのか、どのように自然環境に、保全に協力をしていくのか、こういう体制ができないのではないかと。入り口はワクワク感でも結構なんですけれども、これは蜜で、あくまでも健全な種を結実させ、どうやって風に飛ばすかというところのほうが重要で、私、この会議でも何回か申し上げたんですが、最大に非常に重要なことは、公と私が対立するのではなくて、改めて自主的な共を再構築できるような地域社会をどうつくっていくのかというところが非常に重要なのではないかと考えております。  世田谷と一言で言っても、個別の特性を持つ地域が概念的に行政区界として世田谷と称している訳ですから、それぞれが違うと認識し、その違いを超えたサービスの共有と、それに触発された自律的な共同体として一体化していくというのが、ご提案頂いたこの絵の意味するところかと思います。そうした観点でこの絵を見ると、非常によく整理されていると見えてきます。きれいに整理されているなと。でも、何か哲学といいますか、何を目指しているのか、「どの様な目標により、共有できる都市像を描くのか」というところがよく分からないというのが私の率直な印象です。  以上です。 【大杉会長】  ありがとうございます。  今の論点、いろいろ御意見あるかと思いますが。  それでは、鈴木委員。 【鈴木副会長】  鈴木です。自分の理解だと、この絵を見ているんですけれども、基本計画体系イメージ、僕自身は、委員が言ってきたものはこの中には全部散らばっているのかなと、新たに何かが足らないという話ではないというふうに思うんです。  どれを一番上に持ってくるのかという話だと思って聞いておりまして、あと、自分の整理の問題もそうなんですけれども、私は最初にここの絵、この一番下の「区民の生命と健康を守る」、それはもう最上位ですよねというのは、この委員会でも掲げさせていただいて、それで憲法13条の理解とかでもそうなんですけれども、それに対して、それはもう当たり前の話であって、もうちょっとワクワクしたりとか、出会ったりとかという議論は確かにあったと思うんです。だから、それを基にして、このようなところが出てきていることはあると理解しています。ただ、そのワクワクというのは、皆さん今おっしゃっているように、ワクワクだけでなくて、僕が見ている景色というのは、どちらかというと、社会的弱者のところがあるので、そこが取り残されていて、ワクワクなんてないですよねというのが僕の意識ではあるし、そのような発言はしてきたんですけれども、ワクワクと弱者保護とかというような形の視点を両方入れるということもあるのかなというふうには思いながら今まできました。  現時点で僕らがやらなければいけないこととして、さっき中村先生に示していただいたので、そのような形でまとめていくのか、提言ではないですけれども、休憩を入れて、ホワイトボードか何かで体系みたいなものを整理できるのかなと。今のままだと、一番上が何なのか、これがよくないですねというのは皆さんの中から出てきているんですけれども、じゃあ、何をトップにするのかということで、「持続可能な未来の確保」、それを目標に掲げましょうというのであれば、この一番上はもう決まる話であって、あとはどういう形の整理なのかというふうにはなるのかなと。  私の理解だと、計画を貫く考え方で、区民の生命と健康を守るという話と、多様性の尊重とかというような話もかぶってくるし、いろいろなワクワクの中の6つの中でも、皆さんがおっしゃっているように、全部重なっているんです。いろいろな言葉が散りばめられているけれども、結局、同じような段階ということなので、僕も中村先生がおっしゃったように、かぶりがあるから、3段階構成にしようということは賛成です。だとすると、その一番上の基本方針などは、持続可能な未来でいいのか、または、参加と協働というのも一番上に持ってくるのか、それを合わせ技で目標と手段というような形で一番上に持ってくるのか。 あとはまた、重点政策というところでいうと、住み続けたい世田谷と仮に中村先生がおっしゃっていますが、その中に貫くワクワクという言葉を使うか使わないかは別にしても、今、6つあるものというのは、この中には入ってはくるのかなというふうには、皆さんの意見を考えるとそう思っていまして。 あと、最後のところで、推進のパートのところも、緊急時・非常時の体制整備とか、SDGsとか、DX、公共施設、僕はこれ、さっき区長が話されたところの中の居場所の話もあって、公共施設の有効利用の中には居場所を入れましょうということを提言しようと思っていたんですけれども、入るということであると。あとは人材育成とか、柔軟なという、こういうものも土台として、エンジンとしてというか、そのような形として入るというのは理解できる話かなというふうには思っています。 多分、どれを頭に持ってきて包含概念にするのか、もっと、小林先生がおっしゃっているように、環境とか、そっちのほうを頭のほうに土台として持ってくるのか、そうではなくて、人のソフト的なものを持ってくるのかとか、そういうところも何かちょっとここで合意する必要があるのかなというふうに思っています。 【大杉会長】  ありがとうございます。  ここは非常に重要な論点なので、今日まだ御発言いただいていない委員からもご意見をいただければと思います。 【長山委員】  長山です。事務局でまとめてもらっている資料ですけれども、私もよくできているなと思いますし、これまでの議論を踏まえられていると思います。  改めて、今の基本計画、こちらの構成と比べてどうなのか、1つ1つ、何が変わっているのか見てきました。重点政策は、今回も6つありますが、何が違っているのかということで、改めて見ますと、今回のこの議論がバックキャスティングで未来から見ていくということがあった結果だと思うのですが、意外にも今の計画とほぼ、焼き直しというか、延長のようなことになっています。  実はあまり内容的に変わっていないので、ワクワク感ということを言うことで、何となく新しく見えるような感じになっていると思いました。ただ、「実現の方策」というところを「マネジメント指針」という形にして、DX等々を入れているというところなどは、すごくいいなとは思っています。  参加と協働というのも、前からずっと言われてきていて、別に今回が何か新しいことを言っていたのではない。前は参加と協働と、ネットワークというものがあって、ネットワークという言葉を外しているんですけれども、なぜ外したのか教えてもらいたいです。今の計画から、むしろ漏れているというか、今の計画にある重要な言葉をあえて外しているところも散見されるので、その辺りを御説明していただきたいと思いました。  例えば、6つの施策の中ですと、1つ、今の計画の中で入っていないのが「文化の創造と知のネットワークづくり」です。ここにスポーツとか含めて、文化芸術のことが書かれていたのですが、今回の6つの重点政策の中には入っていない。あとは大体網羅されていますが、今の計画を改めてよく読んでみて、今回検討している計画との比較を事務局には作ってもらえるとありがたいなと思いました。 【大杉会長】  ありがとうございます。  では、森田先生、お願いします。 【森田委員】  森田です。本当に難しくて、私の一番基本計画のところに書き込みたいことは何かということを最初にお話ししたときを思い出していたんです。その中で、つまり、個別計画ではできないことを、やっぱりここの基本計画で書くべきだということを思っていて、そのときに、子ども・若者、そしてその家族をどういうふうにつないでいくのかというようなことを含めて、一番初めの部分、人間の始まりの部分というところに私はずっと関わってきました。そのときに、やっぱりこの不安感とか、不安定感というふうに言ったほうがいいのかもしれないんですが、あるいは世の中に対する不信感とか、希望が本当に持てないこの社会の中で、この一番上のところに何を持ってくるんだろうと、今ずっと考えていました。  基本構想の実現というのは、これは基本構想が実現されれば、この先が実現されるというのも、これもやっぱり非常に無責任だし、ここは何なのだろうなと思って考えてみると、非常に古いんだけれども、例えば、平和とか、あるいは人権とか、あるいは共に生きるという共生とか、やっぱりこういうような個別計画では何ともできない、でも、全てのところを貫いていくような一番大事な、さっき言った、ちょっとふわふわしている、将来が見通せないという、この今、子ども・若者たち、そして子どもを産むという決断すらなかなかつかないというようなこの社会の中で、関係性を取るということでもものすごく不安な状況というものがあるんですね。  そうすると、例えばここでは、平和都市として、絶対にここでは争いに関して許さないというようなこととか、それから、どんな人権侵害も決して許さないというようなものとか、その具体化として、例えばSDGsなどというものも、当然ですけれども、持続可能な社会がなければ、それは絶対実現できないわけなので、そういうようなところの話を、もう一段、私たちの中で、この世田谷区の中だからこそ、みんな幸せに暮らしていけるという、安心してこの中で自分自身の人生を送っていかれるというような、そういう何か一本筋の通る理念ということをきちんと出すということが、私は、本当に小さい子どもたちに言わなければいけないことかなと今思っています。  そういう意味で、方法論は多様にあると思いますし、やらなければいけないことというのも非常に重層的にあると思うんですけれども、この一番上の言葉ということをまずはいろいろな分野の専門の方や、各年齢の方がいらっしゃるので、世田谷区が目指す本当に基本的な目標は何なんだろうという辺りを、みんなが願う暮らしの中での目標は何だろうということが一言で表せるといいのではないかなと思います。  だから、参加とか協働とかという、これは1つの方法論ですよね。みんなが参加する、みんなが協働する。そのことによってどんな社会を世田谷区は実現して、だからこそ、皆さん、どうぞ世田谷区においでくださいというふうに次になるんだと思うんですけれども、いかがでしょうか。 【大杉会長】  ありがとうございます。  オンラインで御参加のお二人の委員につきましても、ぜひ御意見をいただきたいんですが、青柳委員、よろしいでしょうか。 【青柳委員】  皆さんの御意見と今日のこのたたき台をいただいて、よくおまとめくださったなと思いますが、やはり子ども・若者を中心に据えていろいろなことを考えるという場合に、今、非常に厳しい状況しか頭に浮かんでこないのです。  1つは、もうこれは世界的にそうなのですけれども、先ほどどなたかおっしゃっていましたが、中産階級がどんどん痩せてきて、上と下に二極化しつつある。これはフランスやイギリス、あるいはイタリアでも、ヨーロッパ文化の一番いい部分の1つであった中産階級が支えている中の、文化やいろいろな部分が、どんどん今、痩せてきていると思います。  世田谷区というところは、日本の中でも中産階級がパーセンテージとして一番多いところのひとつで、その中産階級が支えている地域の環境や様々なものが今現在あるわけです。しかし、これは世界の趨勢からすると、支えている中産階級が、どんどん日本も痩せていくとなると、世田谷の今の状況というのは、果たしてどれだけ守れるのかということがあると思います。一番最初のほうでバックキャスティングの考え方を取り入れてということがありますが、そうすると、子どもたちや若者たちが成人したり、あるいは、社会で活躍するようになる20年後、30年後のときに、例えば、今の治安状況を守れるのか、それから今の環境状態を守れるのか、今の福祉厚生の水準を守れるのか、恐らくそれは全て定量的には下っていくのではないか。その下っていく中であっても、今程度の状況を維持する、実現するというのだったら、それを何で補うのか。例えば文化であるとか、あるいはコミュニティのつながりであるとかという少し暗いところも意識しておかざるを得ない状況になっているのではないか。  もう1つ申し上げたいのは、タイタニック号でも、乗客がたった1,000人ぐらいで、それから船員が1,000人ぐらいで、2,000人ほどしか乗っていない船でも、あの氷山を見つけても進路を変えられなかったわけです。今、日本というのは、1億2,000万もいる大きな、何十万倍もの船なんです。それがまずい方向にずっと行っているけれども、これ、誰も恐らく変えることはできない。その中で、どうこの世田谷区という地域を守っていくかということのずるさを考えなくてはいけない。例えば、今の環境を守ろうということで、今の消費電力を守ろうとしたら、20年後、30年後にどれだけのお金がかかるのか。そういうことも考えていかなくてはいけない。  ですから、先ほど委員長がおっしゃっていたように、ここに書いてあるのは、考え方とかデータとかで、あとは行政の方でいろいろ具体的な計画を考えるとおっしゃっているけれども、それでももちろんいいと思うのですが、しかし、そういう状況が今現実に我々の足元にあるということです。ですから、ワクワク感についても、そういう厳しい状況になったときにでも、ワクワクできるような状況をつくるというのだったら分かりますけれども、ただワクワクだと私には分からない。  それから、今、もう本当に日本は、1,500兆円を超える地方と国家の財政赤字があって、これが子どもや若者たちに引き継がれるわけです。そういう中でどうするのか。よほど知恵を使わないと、今のレベルを維持できないのではないかという気がしておりますが、しかし、それもなかなか難しいことなので、これは皆さん、どうお考えになるかによるのではないかと思います。  ちょっと水を差すようで申し訳ございません。以上です。 【大杉会長】  ありがとうございます。  では、汐見委員、いかがでしょうか。 【汐見委員】  ありがとうございました。まとめが苦労されているなというようなことだけはよく伝わってきました。  ただ、なぜいろいろ意見が出てくるのかなというふうにさっきから考えていたんですが、私もまだ意見がまとまっているわけではないんですが、世田谷区の基本構想といった場合に、世田谷区という、もう人口100万近くなるような大きな1つのコミュニティを、どういうふうに21世紀の中盤に向けてつくっていって、世田谷区が、そこに住んでいる人にとっても本当に住みやすいだけではなくて、若い世代にとっては、そこで夢が描けるような、ここでワクワク感と言われていますが、そういうふうなコミュニティになっていくのかという全体の構造が、いま一つちょっと浮かびにくいというか、そういうことがあっていたというふうに、今、考えたんです。  というのは、1つのコミュニティを成り立たせていくときに、古い言葉で言うしかないんですが、そこに住んでいる人が、どのように生産活動をやり、どのように消費活動をするのかというところが、コミュニティが持続していくときの一番ベースですよね。だけれども、世田谷区で、どういう生産活動をしていくかということについては、今まであまり議論されたことがないような気がするんですね。ただ、持続可能なコミュニティをつくっていくと言った場合に、私などは、個人的には、もう1回、日本が農業というものを再評価するような国になって、日本が本当のベースの産業は、やっぱり農業なんだというふうになっていかないと、残れないと僕は思っているんです。  食糧自給率が世界の先進国の中で最も低い中で、いろいろな環境問題があったときに、様々な影響を受けていくのが食糧だと思っているんです。それから、エネルギーなんですけれども、そういうことについては、こういうふうに世田谷はやっていくんだという、まず大きなところがあって、それから、生産に対して消費活動というのが、その消費と関係することで社会のインフラということで、エネルギーをどういうふうに確保していくのか。できたら世田谷区で消費する電力は、最低限、半分以上はクリーンなエネルギーでやっていくような、そういうコミュニティにしていくんだとか。 それから、一番深刻になっていくと僕が思うのは、やっぱり少子高齢化の問題だと思うんですよね。子どもを次の世代に託していくということで、子ども1人が生まれたら、その生まれた近所の人がみんな喜んでいるというか、昔は子どもが1人生まれたら、みんなで踊ったというんですが、今の社会は、子ども1人生まれても、どこで誰が生まれたか分からないような、そういうコミュニティです。私は今、仙台の、近所で子ども1人が生まれたらみんなで踊ろうというような、そういう街をもう1回つくろうというプロジェクトに関わっているんですが、そういうふうにして、出産、育児という問題と、それから、たくさんこれから増えてくる高齢者が、本当に世田谷では高齢者が生き生きしているねというような、そういうふうな街をどうつくっていくのかとか、そこは多分、このいろいろな計画の中に全部入るのだと思うんですが、そういう新しい世田谷のコミュニティを、こういう形でつくっていくという、そのことと関わって、当面、それをやるためには、これが重点課題なんだという形でこの6点が出ているということであると大変分かりやすいんですが、例えば4ページの図でいうと、今、私がちょっと申し上げた持続可能な何々というのは、一応、これ、たんぽぽの綿毛みたいな形で飛んでいるようなところには書かれているんですよね。  だけれども、どちらかというと、そこのところにどうかみ合っていく重点施策なのかという、その構造がちょっと見えにくかったので、これは1個1個丁寧にやっていって、やれるというプランであれば、特にあれこれ言う必要はないと思うんですが、やっと1つの重点施策が、こういう形で、こうした大きな新しい世田谷というコミュニティづくりにつながっていくんだという、そこの構造がもうちょっと見えたら、このプランが、なるほどという形で納得されるのではないか。1個1個何か意見があるわけではないんですが、そういう構造をもう少し見えるようにできないかというのが感想でした。  失礼しました。 【大杉会長】  ありがとうございます。  全体の構成もそうですし、重点政策に関しても、先ほど長山委員のほうからも出されたように、前回のものの延長、バックキャスティングというよりは、フォアキャスティングでつくっていないかみたいな御指摘になるのかと思いますし、もし何か事務局のほうから少し、今答えられることがあれば、なかなか厳しいところかもしれませんが。 【真鍋副参事】  例えば、重点政策のつくりで言うと、この間、第1回の審議会の意見の整理、2回目の審議と積み重ねたもの、すみません、今日はお付けしていないんですけれども、あったと思うんです。あれをキーワード化した上で分野に分けて、御議論の中では重点的に取り組むべき課題というのはこういうものですよねということで整理し、そうすると、このぐらいの6つに分けられるのではないですかということはお示ししてきたかと思うんです。それが現行計画と近しいものがあったり、抜けているものがあったりというのはあるかなというふうに思っていますが、極力、審議会での御意見・御発言で出てきたものを中心に整理しているというのは、今の6つの重点施策のつくりになっています。  基本構想という20年のものがあるというのも確かにございまして、そこの具現化、具体化というのは、当然目指していかなければいけないというのは、区の方の思いとしてはございますけれども、だからといって、今、無理やり、あまり御議論になっていないものを入れているということはしていないという状況で、抜けているものは確かにあろうかなというふうには思っています。 【大杉会長】  小林委員、どうぞ。 【小林委員】  何度も発言させていただいて申し訳ございません。重点政策の話もあるんですけれども、鈴木副会長が提起されたお話、要するに、目標といいますか、目指すところについて、まずはやっぱり議論しなければいけないと思うんですが、先ほどの青柳委員の御意見とか、汐見委員の御意見は、私は、そうだなとすごく腑に落ちて聞いておりました。  やっぱり状況は厳しいんだと思うんです。なので、多少、選ばれ感、言葉を返すようで申し訳ないですが、選ばれる世田谷というよりは、大変申し訳ないんですけれども、住み続けられる世田谷みたいな形の危機感を持ったほうがいいのではないかなという感じがするんです。  でも、別に世田谷区がほかよりいいところであってはいけないなどとは思っているわけではないんです。もちろんいいところであってほしいと思っております。そこは必ずしも矛盾ではない。区民エゴと、いいところであってほしいということは両立する考えがあるのではないか、それは、何かというと、持続可能性とは何かというところにヒントがあると思うんです。持続可能性は、ほかに無理を押しつけて、犠牲を出して、自分だけ得をすると続かないんですよね。強食モデルといいますけれども、人を食って生き延びるのではないということなんです。みんなで助け合って、支え合っていくということが持続可能性なので、そういう意味で、世田谷区はむしろほかを犠牲にしないで、なるべくいい暮らしをするという見本をつくる所だというふうに言えば、区民のエゴではなくなるのではないかと個人的には思います。  そういうことが分かるような、まずは基本方針みたいなものをつくるべきで、これ、実際に資料を読んで思ったので、私、前回審議会資料への提出済みの意見に一応いろいろ書きましたけれども、目標については、そこに書きました、「人や自然が支え合って、生き生きと住み続けられる世田谷」みたいなものが、今までの議論の一番落としどころに近いのではないかなという感じがあります。  鈴木先生は、私は環境本位だろうと言ってくださったので、実は私はそうなんです。人間は生態系の一部になるべきだと思っているんですけれども、そんなことをここで言ったら、誰もそうだとは言わないので、そこまでは言いません。でも、人や自然が支え合ってということでフィジカルな姿が入っていて、持続可能性のセンスも入っていますので、暮らし続けられるというところに持続可能性がありそうということを示唆することで、そんなものが目標に関する審議会の今の雰囲気かなというふうに思います。  特に言いたかったのは、それはきれいな作文にすることではなくて、その目標が何なのかということです。バックキャスティングというので、だから、例えばこういうことが言えるかどうか分かりませんけれども、お子様の自殺率が日本平均よりはるかに低いとか、何か分かりませんけれども、そういう何か具体的な姿をたくさん書いていただかないと、結局今のままだと、長山委員がおっしゃったように、フォアキャスティングまがいになってしまうのだと。今の困ったことを解決するというだけの計画だと思いますが、もしバックキャスティングの計画というなら、やはり目指す像を、さっき言ったことですけれども、やっぱりなるべく数量的に、それから指標として、何の項目ということが分かるように書いていただければ、すごく分かりやすい基本計画になるかなと思います。その辺がもうちょっと、要するに、こうしたいというよりは、中身、コンテンツかなという気がするんですけれども、コンテンツがあるものだったら、構成も何とかなる。構成が先でコンテンツが後になってしまっているのではないのかなという感じもちょっといたします。  重点政策のところも一言言いたいんですが、前から見ると、環境のところが縦割りになってしまって申し訳ないんですけれども、持続可能性の環境の部分というと、恐らくいろいろな人が参加して、参加と協働は何か、手段という話がありましたけれども、手段でもあるけれども、私は支え合うことが目的でもあるような気がして、参加と協働自身は、むしろ目標でもあると思う。だから、2回出てくるのはしようがないと思っているんです。 が、まあ、そこは置いておいて申し上げますと、参加と協働でしかできないことを環境分野で考えると、例えば、グリーンインフラです。それはやっぱり街づくりとか、そういうものと組み合わさらないと達成できないので、グリーンインフラをつくるというのはすごく大事。  あとは、一人ずつでもできるんですけれども、横につながるというようなこと。例えば、ごみ出しのルールだとか、電気を融通し合うとか、あるいは、日当たりをうまく最適にするとか、いろいろなことがあると思います。そういうものは環境屋さんだけではできないので、そういうものはあるかなと。議論すればいいんですけれども、そういう目標に向かってできる、みんなが参加しないとできない分野横断的な対策があると思っていて、単に政策に抜けがないとかという問題ではなくて、これでなければというものがあると思うので、そこを議論してほしいなと思いました。 【大杉会長】  ありがとうございます。  涌井委員、どうぞ。 【涌井委員】  すみません。どうもありがとうございます。  今、小林委員がおっしゃったことは、本当にそのとおりだと思うんです。これ、ワクワク感のところなんですけれども、実はこれ、インクルーシブなものでなければいけないので、そうすると、先ほど来、私が申し上げているように、これから何でもかんでも区が公でやってくれるという話ではないような気がするんです。地域住民がどうやって自分事として自分の周りのことを片づけていくのかという、この訓練ができないんです。結果としては、タックスペイヤーとタックスイーターの関係なんです。やっぱりもう一度、公と私の間の共をどうやって再構築するか。そうした地域共同体みたいなものをどうつくるのかというところが非常に重要で、花の形で言えば、それがこのインクルーシブな形で地域共同体をつくるという、磨き上げるといいますか、そういうものを書きながら、真ん中に蜜のワクワクというのがあってもいいのかもしれない。要するに、そういうことが一番優先されるのではないかなと。  これはちょっと質問なんですけれども、私、フィジカルな計画屋なので、フィジカルな経営言語はよく分からないんだけれども、ここで提示された花の植木鉢はどんな形を想定されているのでしょうか。それを教えてほしい。ずっと僕は空間的な世田谷の都市像はどのような姿を想定しているのかを聞いてきたんだけれども、住みたい、住みやすいという植木鉢の形はどういう形にしようとしているのか。こんな花を咲かせようというコンテンツはよく分かりました。非常に熟議された成果だと思うんですが、どういう植木鉢に植えるんですかね。 【大杉会長】  ちょっとお答えできないんじゃないかな。大丈夫ですか。 【真鍋副参事】  いろいろいただきまして、一応、絵の言い訳だけしておくと、これは地面という意味なので、植木鉢ではないんですけれども、土壌ということで申し上げたんですけれどもいかがでしょうか。 【涌井委員】  ああ、そうなんですか。私は、世田谷区という立派な植木鉢だというふうに思ったんです。土壌だったら、別に世田谷じゃなくてもいいんじゃないかと。 【真鍋副参事】  重点政策の(6)のところには、先ほど区民委員からも、ここだけではないよということは言われましたけれども、三軒茶屋、下北沢、二子玉川と書きましたけれども、そうした街づくりをはじめとして、目指す都市像を明確にして都市を創出しなさいよということを、基本計画ではそこまで謳っています。  一方で、一度その話になったときにお見せしたと思うんですけれども、今の基本計画に都市の街づくりの像というものが載っています。これが都市マスタープラン、20年ぐらいを想定する世田谷区都市整備方針の中に描かれているものと一致している。おおむね20年間、基本構想と同じぐらいの期間なんですけれども、あるというところが、今の描いている都市像はまずここにあります。  その中で第2章として、地域整備方針という地域の整備の方向性を謳ったものが実はありまして、そこについては今後の議論になりますけれども、必要に応じて10年ぐらいで見直すということもあるので、そうしたことも意識して、目指す都市像を明確にしなさいということを大綱では謳っています。ただ、基本計画の中に全て都市像が描けたり、先ほど言ったいろいろな地域があって、いろいろな特色があって、それぞれという中では、なかなかそこを、個別のものを描き切るというのは難しいのかなというふうには思っています。 【大杉会長】  青柳委員、どうぞ。 【青柳委員】  言わずもがななんですけれども、私、時々長野県に行って、長野教育会というところで講演したりするのですが、あそこは先生方が自主的に勉強会をやっています。長野県全体の小・中学校の人事権まで持っているという、文科省から見ると、非常に問題のところだったのですが、先生一人一人が、教師であることを大変誇りに思って先生をやってくださっていらっしゃる。だから、教育県というような名前が今でも通用しているところです。  私たちが子どもたちに残せるものは何かと言ったら、やはり教育だと思うのです。小学校、中学校で、例えば世田谷区だけでも、英語のほかに中国語を教えるとか、あるいは、少し野外生活でサバイバルを経験させるとか、世田谷の公立に行けば、そういうことができるというようなことで、今現在どんどん進行している教育格差を区としてできるだけカバーしてあげられる。つまり、教育の世田谷区というようなことになれば、本当にすばらしい地域になるのではないかなと思います。  というのも、前にもお話ししたように、あるインターナショナルスクールなどでは、小学生、1年、2年、3年まで、遠足に行ったら、男の子も女の子も立ち小便させているのです。そういうことでサバイバル感覚というか、本当のゼロになったときにどう生きていくかという経験までさせている。しかし、そういうことは今、教育格差の中で、私立でしかできなくなってしまっているということもありますので、そういうことを少し、教育の重要さについて、ぜひこの中に取り入れていただければなと私は希望しております。  以上です。 【大杉会長】  ありがとうございます。  安藤委員、どうぞ。 【安藤委員】  私は、すごく日本国憲法が好きで、特にその中でも前文が好きなんです。前文を読めば、中の細かい条文のところは特に読まなくてもというわけではないですけれども、前文に精神が基本的に表れていると思っています。しかも、結構それなりに長い文章ですけれども、十分読み物として読めるものになっていると思っています。  この基本方針のところも、後ろのほうが、先ほど言ったように、もじもじしているのはちょっと読みにくいんですけれども、ぜひここの基本方針に、今、この場でいろいろな委員の先生方、区民委員の方が言ったいろいろな世田谷の今抱えている問題意識、ちょっと暗い面もありますけれども、そういった面とか、それから、そういった中でも今後明るい未来をつくることを目指していこうという面と、そういったものを区民に読んでもらうという目線で訴えかける文章をぜひここに入れてほしいなと。そうすると、区民の方も、これを目にしたときに、ここの文章を読むと、そういうふうなことで世田谷区はつくっていくんだな、そういう哲学がこもっているんだなということが多分分かると思います。憲法を例に出しましたけれども、多分、皆さん、ピンとこられると思うんですけれども、現在ここにまとまっているのは、やっぱりまだ文章として、哲学という言い方は、これはちょっとまだ薄いなと思っています。  なので、ここの部分は文章的に少し長くなってもいいので、ぜひここまでの議論をうまく集約して、問題意識と、その未来といったところを含めて、読み物としての文章をつくっていただきたいなというふうに思いました。 【大杉会長】  ありがとうございます。  さて、そろそろお時間が予定していた時間になろうかとしているところですけれども、議論としては、ちょっと今日、様々な角度から御議論をいただきまして、ただ、頭出しはこういうようなことをきちんともう1回、ばらして組み立てるぐらいの過程がないと、いいものはつくれないと思っていますので、事務局はあまりそう思っていないと思うんですけれども、今日は非常にいい会だったのではないかなというふうに思っております。  この今の安藤委員から、基本方針の中にも書かれているように、やはり基本構想で「九つのビジョン」を示しているんですが、これまで行政の方も様々な計画を立てて、着実に進めてきたところでもあろうかと思いますが、その一方で、社会全体が大きく変わって、新たな問題も起き、難しい問題が起きているという認識、かなりこの委員の中でも共有されていたかと思います。  そのときに、今までだけの、前の基本構想をつくった時点でのコンセプトでは、ちょっとこれは足りないのではないのかというところも、いろいろな方々が、言葉は少しずつ違うかもしれないですけれども、いただいたというところを、ここをしっかり踏まえて、じゃあ、この「九つのビジョン」を、今、改めて達成するためにはどうするのかというところを、しっかりとこの重点政策という、この重点政策ということ自体は、皆さん、合意いただいているところでもありますので、中身は、ちょっとそこの組替えも含めて、要素としては、どなたも異論はなかったかと思います。ただ、その組立て方とか、どこをどう強調していくのか、そこが少しまだ生煮えのままだったのかなというふうにも思っておりますので、そこをこれから事務局、1回整理していただいて、また改めて御提案をさせていただき、御議論いただきたいというふうに思っております。  今日のところは、もうお時間になりましたので、一旦、議題1については、これで終了とさせていただきたいというふうに思います。  事務局から何か事務連絡はありますか。 【真鍋副参事】  事務局より、2点、事務連絡をさせていただきます。  議事録、動画については、これまでどおり、議事録は1週間後に送付します。4日後ぐらいまでに修正があればお送りください。動画は2月13日に公開しますので、2月9日木曜日までに、何かあれば御連絡をお願いします。  事務連絡2点目です。第7回審議会、3月14日火曜日、6時半から、会場はこちらになります。  今いただいた意見を整理して、なるべく早めに資料をお送りし、今回もお願いしたように、意見をいただき、少し整理した段階で臨むとか、そういったことをやらないと、7回の審議会について整理しづらいかなと思うので、少しやり方は会長とも相談をさせていただきながら、また御依頼をさせていただくこともあろうかというふうに考えておりますが、引き続き、よろしくお願いいたします。  事務局からは以上です。 【大杉会長】  次回、第7回が、実質的には最後かなという感じでしたか。 【真鍋副参事】  予定としては、本日のたたき台を基に大綱(案)というものを作成し、御意見をもらい、その御意見を踏まえて第8回に答申というストーリーを描いています。 【大杉会長】  シナリオでいくと、第8回はセレモニーに近いものに持っていきたかったところかとは思いますが、最後の最後まで、ちょっと御議論いただくことにもなりそうかもしれませんし、でも、それぐらいしっかりと、せっかくですからいいものをつくっていきたいと思いますので、ぜひお付き合いいただきたいと思います。  ということで、今日のところは、この第6回につきましては、これで終了いたしたいと思います。長時間、どうもありがとうございました。 ―― 了 ――