令和4年第2回世田谷区議会定例会区長招集挨拶

最終更新日 令和4年6月13日

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招集挨拶をする保坂区長

令和4年第2回世田谷区議会定例会にあたり、区議会議員並びに区民の皆様にご挨拶を申し上げます。

本年の10月1日に、世田谷区は「区制施行90周年」を迎えます。世田谷区の形成と礎となる作業に貢献されてきた先達の歩みに思いを巡らしながら、未来を担う子どもたちが参加することのできる行事などを展開していきます。

10月16日、記念式典を人見記念講堂で開催します。この場において、今日の世田谷区の発展を支えていただいた区民の方々を顕彰し、感謝の意をお伝えします。また、区議会のご同意をいただけましたら、新たな名誉区民として、4名の方を顕彰したいと考えております。

記念式典以外にも、多様な形で区民の方にご参加いただくことのできる関連イベントや行事等も企画します。感染状況を見極めながら、多世代が参画し心に刻む「区制施行90周年」にしたいと考えています。

今回の「区制施行90周年」から、10年後は100周年となります。私たちは今、深刻な危機の時代の只中にありますが、地域を大切にして温かく互いを思いやる「世田谷らしさ」を財産に着実に歩んでいきたいと思います。

2年に及ぶコロナ禍で、「移動の自由」が制限され、「対面接触」を最少化すべく様々な対策を取ってきました。世田谷区でも、今年1月から3月にかけて、オミクロン株の爆発的な感染拡大にさらされ、検査・診断・治療のキャパシティを大幅に上回る危機的事態に直面しました。昨年8月のデルタ株に比べて、重症化例が少なくて症状も軽い方が多かった一方、高齢者を中心に生命の危機に直面し、犠牲になられた方もいらっしゃいます。

ここに、謹んで哀悼の意を捧げるとともに、一人でも死者を抑える努力を継続することを誓い、新たなる変異株と健康危機に備えていきます。

振り返れば、令和2年(2020年)のコロナ禍の初期段階から、感染拡大期に医療が逼迫し、「高齢者施設でのクラスター」が続発して多くの高齢者が施設内で亡くなったヨーロッパでの悲劇を起こさないことを重点目標として、PCR検査体制の拡充や、定期検査と随時検査を組み合わせた社会的検査を実施する体制を構築してきました。

昨年9月からは、定期検査にかわって「抗原定性検査キット」を活用し、希望する高齢者施設等へ配布、軽い倦怠感など体調が気になる際に、素早く検査するとともに、医療チームが駆けつけて周囲の関係者を一斉検査する随時検査を強化してきました。昨年春からのワクチン接種もまた高齢者施設を最優先で訪問接種することから始め、昨年11月には厚生労働省に対して3回目のワクチン接種を1日でも早く実施出来るように働きかけ、12月末から実施しました。

この2年間、感染症対策やワクチンの専門家も含む医療関係者を中心に、新型コロナウイルス感染症対策本部会議において有識者との意見交換を行い、大局的なアドバイスをいただいてきた他、区内のコロナ治療にあたる医療機関の責任者と世田谷区医師会・玉川医師会と世田谷保健所・保健福祉政策部を中心とした区の関係所管が情報交換を重ねる連絡会議も重ね、地域医療と保健衛生にかかる緊密な連携を構築することが出来ました。

1月からの第6波における急速な感染拡大局面では、これまで機能してきたPCR検査体制も混みあうようになり、発熱等の症状が出たらすぐに検査という原則が揺らぎ、医師の診断による「みなし陽性」との扱いも生まれました。地域のクリニックの抗原検査キットの不足に対して、区民への提供予定のキットを急遽、医療機関にまわす等の緊急対応も行いました。

今後は、保健所の検査体制をさらに拡充します。第7波については、第6波のピーク時の1.5倍を想定し、新たな検査会場の設置を準備しています。社会的検査においても随時検査の体制を引き続き強化していくとともに、迅速に検査結果が判明する抗原定性検査キットを十分に確保し、高齢者施設・障害者施設をはじめ、学校、保育園等への十分な備蓄を図ります。

また、ウイルスの変異の特性を予測するのは困難であることから、区の酸素ステーションの維持・運営は継続します。

次に、新型コロナワクチン接種についてです。

4回目の接種が始まりました。高齢者施設入所者等への接種、また一般の60歳以上の方や基礎疾患を有する方への接種を順次進めています。6月中旬からは集団接種会場を増設するとともに、世田谷区医師会、玉川医師会の協力をいただき、区内の病院・診療所での個別接種もすでに開始しています。

接種券の発送も本格化します。3回目接種での実績を踏まえて、引き続き分散発送を行うとともに、コールセンターの体制も強化し、速やかに予約いただける体制を整えます。ご自分で予約が難しい方のために、まちづくりセンターでの予約支援も継続します。4回目接種のピークとなる7月、8月に向け、接種体制の確保や円滑な運営の取組みを加速していきます。

1・2回目や3回目の接種にも、引き続き取り組みます。3回目の接種率は5月17日時点で、対象者人口の6割を超えました。5歳から11歳のお子さんの接種も含め、幅広い世代へのワクチン接種を進めていきます。

次に、新型コロナウイルス感染症の後遺症についてです。

変異株による感染者の急増やワクチン接種の促進により新型コロナウイルス感染症を取り巻く状況が大きく変化したことを受け、区民生活への影響を把握し、社会的な理解を進めるなどにつなげるため、昨年12月に2回目となる後遺症アンケート調査を行い、3月に報告書としてとりまとめました。計18,553人の方々を対象に調査を実施し、有効回答数として計6,289人にご協力いただきました。

アンケートの自由意見欄には、健康面の不安のほかに「自己負担による検査の強制」「感染による給与減や退職」「職場の雰囲気の悪化」等の労働問題の課題に関する意見がございました。こうした声に応えるべく、労働相談や生活に関する相談窓口等との連携により、後遺症に起因する困りごとへの相談に総合的に対応できるよう体制を整備したところです。

また、4月に2回目の調査結果をもとに東京都副知事と意見交換し、社会的な側面での支援などについても要望してまいりました。今後、東京都と連携した後遺症の実態把握と有効な支援のあり方を検討していきます。

2月24日から始まったロシアによるウクライナ侵攻は、長期戦の様相を呈しています。ウクライナ市街地の徹底的な破壊やミサイル・砲撃等により、民間人を含む多くの犠牲者が出ています。

一方的な侵略戦争を自己正当化するプーチン大統領は、世界各国からの非難と経済制裁を受けても、強硬姿勢を崩さずに「特別軍事作戦」と称してきましたが、5月9日の戦勝記念日にすら一時的、かつ一部の「勝利宣言」さえすることが出来ませんでした。ロシア側にも多くの死傷者が出ていることを認めながらも、作戦の継続を訴えました。ロシア軍の攻撃により、ウクライナから戦禍を逃れて多くの人々が国外に出て、遠隔地である日本にも多くの方が滞在し、世田谷区内でも新たな生活を始めようとされています。

区では庁内に「ウクライナ避難民支援のためのプロジェクトチーム」を立ち上げ、国に対して、自治体として避難民支援の意思表示の申し出を表明しています。

区内に在住するご家族を頼って避難される方も含め、住宅環境、福祉・介護・医療、日本語習得の機会提供、子どもたちへの教育など、切れ目のない生活支援が必要となります。

このたび、区の国際平和交流基金も活用して、避難民支援に取り組むとともに、ウクライナ避難民支援を契機として幅広く多文化共生社会を発展させ、在住外国人の支援を充実するために、ふるさと納税も含めた「国際平和交流基金への寄附」を幅広く呼びかけていきます。

さて、区政運営の基盤である次期基本計画の策定にあたっては、2年を超えたコロナ禍が地域コミュニティや社会経済活動に大きな影響を与えています。更には、ロシアによるウクライナ侵攻の影響によるエネルギー、食糧不足、中国の長期間に及ぶロックダウンで生じた物流滞留等に加えて、「金融緩和」を続ける日銀の政策で軌道修正がきかない円の独歩安で輸入コストが高騰、物価高が新たに区民生活を脅かしています。

地球環境の変化と世界情勢の不安定化という時代にあって、区民生活に責任を持つ自治体として「私たちの今」を正確に捉える必要が生じています。

世田谷区基本構想(平成25年・2013年議決)に基づいた「9つのビジョン」は現在もなお必要不可欠な視点ですが、次期基本計画には、一昨年からの「激動の2年間」を経過して見えてきた哲学・倫理・文明史的視点を持って、新たな局面に向き合い、困難な課題に挑戦する必要があります。

すでに、本年3月末に、次期基本計画に向かう2年間に橋をかける「世田谷区未来つながるプラン」を策定し、「区民・事業者の活動を支え地域活性化を図る」、「コロナ後を見据えた持続可能な社会の実現」など、4つの政策の柱のもと次期基本計画の検討のスタートラインに立っています。

「世田谷区基本構想」と共につくりあげた「世田谷区基本計画」(平成26年・2014年策定)のサブタイトルは「子どもが輝く参加と協働のまち せたがや」です。計画の内容に入る前に「マッチングによる政策の推進」を図解しながら強調してきました。今日、新たに「参加と協働」と「マッチング」を民主的で機動的な行政組織改革に反映させる意義は増大しています。

この10年間、無作為抽出型区民ワークショップや、幅広い区民参加の議論の場では、すぐれた分析や提案、角度を変えた論点や手法が活発に語られました。私たち行政組織は、自らの限られた情報文化圏に止まることなく、こうした「参加と協働」の場で忌憚のない意見交換を重ね、政策形成力をさらに鍛える必要があります。

第一期工事の新庁舎が建設されています。今後、順次建設されていく中庭を囲むように配置される低層棟が連鎖する執務環境は、所管の枠を超えた柔軟で機敏なマッチングを推進し、区民利用スペースの活用も伴って「参加と協働」が深化する場面をつくることが可能です。

次期基本計画の策定にあたり、「参加と協働」「マッチング」を共にダイナミックに進化させていきます。無作為抽出型ワークショップやシンポジウム、パブリックコメント等の募集に加えて、デジタル技術を活用した新たな意見集約ツールを導入するなど、幅広い世代が参画できるように工夫していきます。

8年前、現在の基本計画を策定した際に、「参加と協働」「マッチング」を区政運営の土台となる価値軸としました。次期基本計画に向かう現在、この間のデジタル技術の飛躍的発展を踏まえながら、「参加と協働」を進展させ、即時即応のマッチングが出来る柔軟な組織改革を進める可能性が広がっています。この好機を逃さずに生かします。

積極的な住民参加と熟議を定着させるツールとして活用し、デジタル・デモクラシーの実現をはかるDXを実現します。

7月から実施予定の公募と無作為抽出により選出した区民によるワークショップ形式の区民検討会議について、リアルとデジタルのハイブリッドで開催します。区民検討会議に留まらず、様々なステージ・段階において、デジタル技術も活用し、広範で多様な区民参加を図っていきます。

また、9月から基本計画審議会での議論を始めます。審議会において、各分野における個別の論点に加え、時代を画する総合的な議論ができるような委員構成とし、区民検討会議からの代表5名程度も参画していただき、議論を行ってまいります。同時平行しながら議会への報告を重ねていきます。

次に、地域行政についてです。

これまで、地域行政制度改革の議論を続けてきました。地区防災の拠点であり、身近なコミュニティの土台となるまちづくりセンターに、多世代の区民や活動団体の積極的な参加の道を開きます。

さらに、「総合支所は地域経営をけん引する役割を担う」ことを明確にして、総合支所の専門性の向上を図りながら、住民自治と区民参加のもとに地域課題の解決力を発揮していきます。

地域行政推進に関する条例の制定に向けて、区民意見や議会でのご議論、庁内検討を進め、このたび素案を取りまとめたところです。条例では、「区民が必要な行政サービスを利用できる環境や体制などの整備に努めること」「区民が区政に関する意見を述べ、区政への参加を促進する環境の整備に努めること」などを区の責務として定めます。

まちづくりセンターと総合支所や本庁等をオンラインで繋ぎ、より身近な窓口で相談や手続きができる環境の整備を進めるため、今年度より5か所のモデル地区において試行を始めます。

また、地域包括ケアの地区展開において、これまでのまちづくりセンター、あんしんすこやかセンター、社会福祉協議会の三者に児童館を加えた四者連携により、特に子どもに関する居場所や情報共有の基盤づくりなどの社会資源開発と子育てネットワークと町会・自治会等の地縁のネットワークとの結びつきを強化します。さらに、地区内の多様な団体等が相互の活動を知り、協力や連携する関係づくりを促進する場や、共に話し合うワークショップ・意見交換会等にオンラインを活用し、区民参加の機会を充実させます。そのような機会も活用して課題解決に向けた取組みをまとめ、総合調整機能を高めてまいります。

今後、素案に対するパブリックコメントや説明会を行い、いただいた意見等をもとに、条例案、計画案の作成を進めていきます。また、自治体DXを推進して、デジタル技術を用いた区民参加や意見提出も準備していきます。

次に、DX推進についてです。

区では自治体DXを推し進めるため、昨年度、DX推進担当の部署を設けて「Re DESIGN SETAGAYA」というプロジェクトを進めてきました。

DX推進を本格化させるために、今年度より強力な布陣を敷きました。行政組織に横串を刺していき、デジタルツールを活用して情報共有とマッチングも実現し、地域行政制度から広報広聴機能に至るまで「世田谷区役所」の文化を刷新し、その厚みを増す時期に入りました。

このたび、区議会の同意を頂いて3人目の副区長として松村克彦副区長を登用しました。松村副区長は、これまでも民間企業の立場から、仕事や組織のあり方の改革、地域包括ケアや障害者雇用の現場を自治体とつなぐ「官民連携」の経験があると聞いています。さっそく、DX専任の副区長として、本庁舎整備から地域行政制度、行政組織改革等、区が直面している喫緊の課題解決にあたってもらいます。

次に、公園整備と世田谷みどり33についてです。

このたび、かねてから交渉を進めていました北烏山7丁目にある岩崎学生寮周辺の樹林地について、用地取得の目途がたち4月に売買契約を締結いたしました。

この樹林地は、学生寮の敷地の一部として昭和20年代から育ってきたもので、長い歴史の中で雑木林として形成され、地域の貴重な緑として近隣の方に親しまれてきました。平成14年(2001年)には地域の方により1万名を超える署名を頂くなど保全を求める声を受け、区として取得のための交渉を重ねてきたものです。ここは、貴重な約3ヘクタールを超える樹林地です。区民共有の地域財産として保全・活用していくため、住民参加の機会を持ちながら、整備を進めてまいります。

「みどり33」について報告いたします。昨年度に実施したみどりの資源調査でみどり率が24.38%となりました。残念ながら、前回5年前の調査と比べて0.8ポイント減少という結果になりました。

この間、公共施設の緑化や区民のみどりづくりの支援などに取り組んできました。5年間で20カ所(約2.1ヘクタール)の公園等の整備に取り組み、今後は玉川野毛町公園の拡張、上用賀公園の拡張、先ほどの北烏山7丁目緑地など、大規模な公園・緑地整備も進めていきます。一方で相続にともなう都市農地の減少や敷地の細分化により民有地のみどりが失われています。

コロナ禍の2年間でテレワークなど働き方の変化が進みました。職住近接も見直されて、地域で過ごす時間も増えてきた方々も目立つようになりました。「緑豊かな住宅都市」としての落ち着きや潤いは、暮らしの基盤としてかけがえのない価値となります。

加えて激甚化する気候危機がもたらす水害から街を守るグリーンインフラの推進によって、生物多様性を回復するみどりの充実は、都市環境の基軸に据える事業となります。

「みどり33」は10年後に迫った区制100年をゴールとしています。「区制施行90周年」を機に、住環境を悪化させず、みどりを拡充するために、もうひとまわり大きなムーブメントに結びつけていきます。

次に、下北沢のまちづくりについてです。

長い年月をかけてきた下北沢のまちづくりが進んで、全体像が見えてきました。小田急線上部利用は、鉄道事業者と綿密に連携しつつ、北沢デザイン会議等の幅広い区民参加のシンポジウムやワークショップ、意見交換を行いながら進めてきた施設整備も仕上げの時期を迎えています。

下北沢駅南西口前には、区内で保存されていた「都電の敷石」が並べられた小広場を囲んで、特色ある商業施設が出来ました。今年の1月には、ここから鎌倉通りまでを歩くことが出来る区の通路が完成し、地域住民や来街者の散歩道として賑わいをみせています。

3月末には、京王井の頭線高架下と周辺には、新たな商業施設と区の図書館カウンターがオープンし、多くの人が行き交っています。また区で整備したアクセス道路は歩行者を主体とした道路ですが、緊急時には下北沢駅と茶沢通りを結ぶ車両等の動線としての役割を持っています。また、整備中の駅前広場の地下には、すでに100トンの防火貯水槽が2基設置されており、駅周辺の火災等に対する防災能力の向上にも大きく寄与しています。

この間、小田急電鉄は、「BE YOU(ビーユー)シモキタらしく、自分らしく」をキャッチフレーズにして、まちを支える「支援型の開発」を掲げ、インキュベーション(起業)支援としてシェアオフィスも出来ています。また、京王電鉄では、商業エリアとワークプレイスが同居した「遊ぶ」と「働く」が混ざり合う新しい下北沢の形を体現する施設を開業しました。

このように、音楽、演劇などサブカルチャーのまちとして若者を中心に人気がある下北沢において、新たに起業支援の場としてのオフィスなどがオープンすることで「働く」という要素が加わり、昼間人口の増加や幅広い世代での経済活動が展開され、更なるまちの活性化が期待できます。

新しいまちの姿がメディアで紹介されることも多くなってきており、更なる賑わいの創出とともに、持続可能な街の運営も課題となっています。今後、エリアマネジメントの取り組みも視野にいれながら、下北沢の魅力をより高めていく街づくりを、鉄道各社、地域と連携しながら着実に進めてまいります。

また、大規模な再開発事業としては、二子玉川の街づくりがあります。

平成12年(2000年)に「二子玉川東地区第一種市街地再開発事業」として都市計画決定され、平成27年(2015年)に完成しています。約11.2haの計画区域内に整備された商業、住宅の中高層ビルと、隣接整備した二子玉川公園とあわせて、広域生活・文化拠点として活気ある賑わいを見せています。

ハード面の整備に続いて、持続可能な街づくりをするために、平成27年(2015年)に、町会、企業などが連携して、「二子玉川エリアマネジメンツ」が立ち上がり、その後、令和2年(2020年)には都市再生推進法人にも指定され、多摩川の水辺空間を活用した事業や公益還元活動などを行い、更なる魅力ある街づくりに取り組んでいます。

また、文化芸術分野では、日本最大規模の子ども映画祭であるキネコ国際映画祭が、世田谷区との共催で盛会に開催されています。

引き続き、地域住民、団体、企業などと連携協力し、ネットワークを拡げながら、まちの発展、活性化を進めてまいります。

次に、旧池尻中学校跡地活用についてです。

この事業については、区議会をはじめ、地元の学校関係者などからも様々なご意見をいただいてきました。とりわけ、運営や評価の手法、校庭の利用方法、産業振興公社との役割分担等については、区議会とのさらなる議論や学校関係者との対話を深めることが必要との判断の下、想定していた4月の運営事業者公募を延期してきました。

その上でこの間、区の経済産業政策の全体像や産業振興公社との役割分担などについてお示しするとともに、5月の区民生活常任委員会においては拠点の運営方法や施設整備等を含む運営事業者公募の考え方についてご報告してきました。

5月末をもって、世田谷ものづくり学校は閉館しました。この17年間、他に類例が少なかった時期から自治体による廃校活用の先駆的事例として、起業創業支援をはじめ、文化的情報発信や、地域コミュニティへの寄与など一定の役割を果たしてきました。

今後は、早期に耐震補強工事等の必要な整備を行った上で、時代の変化等を踏まえ、新たな価値を生み出す「出会いと創造の場」としての新たな産業活性化拠点の整備を行っていきます。地元事業者が前向きな取組に挑戦する場、区民が集い交流の機会を得て新たな活動にチャレンジできる場、事業者と区民の交流をベースに地域の課題を産業の視点から解決していく場、将来の区内産業を担う子どもたちの学びの場など、地元産業と区民に有益で親しまれる施設となることを目指していきます。

今後、運営事業者公募の手続きに進んでいきたいと考えていますが、引き続き、区民、区議会等へ十分な説明や意見交換などに努めながら、事業者の選定にしっかりと取り組んでまいりたいと考えています。

次に、高齢者福祉についてです。

昨年12月、旧若林小学校跡地に教育総合センターがオープンしたところですが、6月1日には、同跡地の北側部分に高齢者施設が開設されました。地域密着型特別養護老人ホームのほか、認知症高齢者グループホーム、小規模多機能型居宅介護、地域交流スペースが併設されています。

要望の強い高齢者施設を整備していくとともに、介護人材を確保することが喫緊の課題となっています。介護の仕事に光を当てて、新たな魅力を発信するイベントが開催されました。

5月3日、玉川せせらぎホールにて「KAiGO PRiDE(かいごぷらいど)」の写真展とトークセッションイベントは、広告業界のトップで活躍するフォトグラファーが介護現場で働く人一人ひとりの表情をとらえて撮りおろしたポートレートが展示され、トークセッションで被写体となった人々が感想を語りました。

「介護はいのちを守る仕事」「かけがえのない素晴らしい仕事」というメッセージが伝わってきました。この写真展は、うめとぴあにて6月3日まで行われ、大きな反響を呼びました。

次に、障害施策についてです。

区では、東京2020大会を契機と捉え先導的共生社会ホストタウンとしてシンポジウムの開催や動画配信など工夫をしながら障害理解の促進や障害者差別の解消に取り組んできましたが、未だ十分な状況ではありません。

こうした状況を踏まえ、障害当事者や家族、関係機関などからご意見を伺い、区として障害理解の促進や障害者差別の解消、めざすべき地域共生社会にむけたスタンスを定めた「(仮称)世田谷区障害理解の促進と地域共生社会の実現をめざす条例(素案)」を取りまとめました。区民・議会の皆様からの意見を頂きながら、条例案の策定を進めていきます。

また、障害当事者や家族にとって、家族の急病等の緊急事態にあたって、緊急時の相談及び受入・対応、地域の体制が課題です。まずは、本年10月より北沢地域をモデル地域として体制強化に取り組む準備を進めていきます。

次に、「ヤングケアラーへの支援」についてです。

区は今年度、区立小学校に在籍する4年生から6年生の児童、区立中学校に在籍する全生徒、及び区内在住の高校生世代に対し、実態を把握するため、ヤングケアラーに関するアンケート調査を行います。

ヤングケアラーの子どもが直面する問題として、家族の介護などのために、年齢に見合わない重い責任や負担が続くことで、本人の育ちや学びに大きな影響をもたらす可能性が指摘されています。子どもが、家事や家族のケアを長時間担うことで、教育機会の喪失による学びの格差の拡大や、本来享受できたはずの「子どもとしての時間」が失われるなど、「子どもの権利」が侵害されている恐れがあります。これまで、家庭内のデリケートな問題であり、本人や家族に自覚がないといった理由から、表面化しにくい構造が現在も続いています。

本調査によって実態を明らかにし、表面化してこなかった支援のニーズを可視化するとともに、私たち自身のヤングケアラーへ気づきの感度を高めることが重要です。

子どもの生の声を聞き、介護等の必要な家族への支援につなげていけるように、取り組みを進めます。

次に、不登校特例校の開設についてです。

令和4年4月1日に、弦巻の教育会館内に不登校特例校分教室『ねいろ』を開設しました。

現在、20名の生徒が入室しており、正規の教員4名のほか、非常勤講師などを配置して、生徒一人ひとりのチャレンジ意欲や個性、能力を伸ばし、社会の一員として自立できる力を育むことを目的とした教育活動を行っています。

また、『ねいろ』では、生徒の実態に合わせた特別な教育課程を編成しています。自らが興味や関心に基づきテーマを設定し、「表現活動」、「体験活動」、「探究活動」を通じて学びを深める「キャリアデザイン学習」を特色にしています。

今後も、生徒の個性や能力、チャレンジする気持ちを大切にしながら、自立できる力を育む、柔軟かつ特色ある学校運営を行ってまいります。

次に、補正予算案について申し上げます。

ワクチンの4回目接種をはじめとした新型コロナウイルス感染症防止対策や、生活困窮者等支援、原油価格・物価高騰に伴う小・中学校給食食材費の上昇などについて、速やかに対応するため計上するものです。

一般会計と学校給食費会計を合わせますと、77億3,100万円の増額補正となります。

最後に、本議会にご提案申し上げます案件は、令和4年度世田谷区一般会計補正予算(第2次)など議案12件、報告5件、同意4件です。

何とぞ慎重にご審議の上、速やかにご議決賜りますようお願いしまして、ご挨拶とします。

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