令和3年第1回区議会定例会区長招集挨拶

最終更新日 令和3年2月24日

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招集挨拶をする保坂区長

令和3年第1回世田谷区議会定例会の開催にあたり、区議会議員並びに区民の皆様にご挨拶を申しあげます。

昨年1月、世界保健機関(WHO)は、新型コロナウイルス感染症の流行について「緊急事態」に当たると宣言し、3月には世界的な大流行(パンデミック)を表明しました。この1年間で、感染者は1億1千万人、死者も240万人を超えて、今なお極めて深刻な事態にあります。

年末年始は、世田谷区内でも感染者の急激な増加が見られました。業務が集中する世田谷保健所に対して、全庁を挙げた応援体制を組むことで、電話対応に、事務処理に懸命に取り組みました。感染拡大により医療体制が逼迫する中で、やむなく在宅療養で待機される方も増え、入院調整は困難を極めましたが、都と特別区で体制を調整した結果、年末年始に(特別区を含む都内)保健所の職員が都庁に集まり、夜間・深夜の入院調整を共同で行うことが実現しました。

1月7日、再び2度目となる国による「緊急事態宣言」が発出されました。東京都ではこの日、2,520人となる感染者の急激な増加に「このままでは、救える生命も救えなくなる」とコロナ治療にあたる医療現場からの悲痛な訴えが伝えられ、飲食店の午後8時までの時間短縮等や、マスクをしない会話のリスクを強調するキャンペーンによって、1月下旬には感染者の漸減が見られるようになりました。ただし、英国等からの「変異株」への感染事例も報告され始めていることから予断を許しません。

世田谷区においても、これまでに65名の方が亡くなられています。区内の感染者数は、8,456人となり、「入院中236人」「宿泊療養中54人」「自宅療養中116人」(2月19日現在)となっています。この間、亡くなられた方々に、心からの哀悼の意を捧げると共に、闘病中の方々の1日も早いご快癒をお祈りいたします。また、本来、入院治療が必要な方が自宅待機するような状況を改善するため、私が先頭に立って、医療現場や東京都と連携して全力を尽くします。 

一方で、昨年12月に「世田谷区新型コロナウイルス感染症対策本部」の下に住民接種班を置き、2月10日からは「住民接種担当部」を立ち上げてワクチン接種体制の準備にも総力をあげています。

区内医療機関に連絡・訪問して医療関係者への接種体制を準備していただくと共に、今後の住民接種へのご協力もお願いしています。また、世田谷区医師会・玉川医師会と共に有識者との意見交換で、自らワクチン開発にあたっている東京都医学総合研究所の小原道法特任研究員にも参加いただいて、先行して供給が始まるとされているファイザー社や、モデルナ社のmRNAワクチンとアストラゼネカ社のウイルスベクターワクチンの特性等について把握をしながら準備を進めています。

このワクチン接種事業は、全国の自治体が一斉に取り組む前例のない大事業です。すでに、アメリカやヨーロッパ等で接種が始まっていますが、区としては対象となる区民で接種希望の方全員に、間違いなく安全かつ早く接種を進めていく体制づくりに全力をあげています。

報道によると、2月14日にファイザー社のワクチンが薬事承認を受け、国の病院等に所属する医療従事者への先行接種が始まりました。さらに、4月にも高齢者への接種が始まり、その後に基礎疾患のある方、そして一般の方と範囲が広がっていきます。ただし、先行するファイザー社のワクチンの日本への供給も「今年前半」から「年内」と変わりました。供給時期の不安定要素はありますが、区民にとって最善の選択を臨機応変にしていきます。

一方でモデルナ社、アストラゼネカ社のワクチンについては、薬事承認の日程はまだ決まらず、供給時期も発表されていません。また、3社のワクチンは保管条件、管理や運搬手法も違います。3種類のワクチン接種を、異なる条件の下で正確に、大量に行うという困難な事業となりますが、しっかりとやり抜く決意です。

これらの「ワクチン」に対して、正確な知識を求める区民の皆さんに対して、情報発信を行うとともに、接種に関する全般的な問い合わせには、区のコールセンターが対応していきます。また、各ワクチンの特性や副反応への対処など、専門的な相談内容に対しては、都がコールセンターを開きます。さらに、国に対してもワクチンの安全性や有効性など、最新の知見に基づいた情報発信を行うように要請していきます。

また、4月以降開設するワクチン集団接種の会場として、区立保健医療福祉総合プラザうめとぴあ、区民会館、区民センターなど、区内の複数の施設を予定しています。集団接種会場として予定される各施設については、集団接種を実施する期間中、区民の皆さんの利用を一時停止させていただきます。利用を企画されていた区民の皆さんには申し訳ありませんが、ご理解ご協力をお願いいたします。 

新型コロナウイルス感染症に対するPCR検査体制については、昨年春以来続けてきた感染疑いのある有症状の方や濃厚接触者を対象とした検査可能件数は、第3次補正予算において、1日600件程度迄可能となるように拡充しています。さらに、昨年12月より世田谷区・玉川両医師会に委託実施している診療所等において、インフルエンザ検査とPCR検査の両方を実施する体制を整備したほか、世田谷区医師会が区内病院敷地内にトレーラーハウスを仮設し巡回診療所を新設するなど、検査体制の充実を図りました。

また、社会的インフラを継続的に維持し、重症化を避けるためのPCR検査として、介護事業所や障害者施設などを対象に「社会的検査」を昨年10月から開始しました。2月21日時点で、延べ680カ所を超える施設に対し、1万2千人以上の方に検査を受けていただきました。年末年始に区内の感染者が急増した際には、社会的検査を担当するチームが保健所と連携して、感染者の発生した介護施設や保育園等の関係者、多人数を一斉検査するために出向き、施設内の感染拡大を防ぐことができました。

社会的検査を受けた施設の中には、一度に多くの無症状の陽性者が出た例もありました。施設の方のお話を伺うと「早い段階で対処ができ、利用者の症状が重篤になる前に判明したことにより、より早い事業の回復ができた」「積極的に検査に取り組んだこともあり、陽性者が出ても利用者の方や同業の方などからの励ましの言葉が多く寄せられた」など、社会的検査の効果を前向きに評価するお声もいただいたところです。

社会的検査を通して、定期検査及び随時検査によって、重症化や死亡者の抑制につなげたいと考えています。世界各国では、新型コロナウイルス感染症の犠牲者の多くが、介護施設の高齢者に集中していると言われています。感染リスクの高い高齢者を守るためにも、早い段階で定期的な検査を導入することが大切です。

さらに、定期検査の対象を、宿泊を伴う施設の高齢者の利用者等に拡大する見直しを行ったほか、より簡易かつ迅速に検査が出来て、必要な検査回数を確保するため、1月13日から東京都の区市町村連携型事業スキームを活用して、「プール方式」でのスクリーニング検査を開始しました。

昨年8月に発表した区の社会的検査に対して、厚生労働省は行政検査として感染拡大地域では積極的に認めるという見解を9月15日に通知しましたが、その際に「プール方式」だけは該当しないとして除外されていました。10月に東京大学先端科学技術研究センターの「プール方式」の実証試験の報告を区の有識者との意見交換で受け、厚生労働省に提出して改めて承認を求めてきました。 

12月25日には、田村厚生労働大臣と会談し、「プール方式」の早期採用を求めたところ、「なるべく早くやりたい」との前向きな意向をいただき、年明けの1月22日には「プール方式を認める」との発表がありました。すでに、札幌市や大阪市等の政令指定都市や、香川県、埼玉県等の都道府県に介護施設等への社会的検査は勢いよく広がっています。「プール方式」も活用されることになり、限られた財源を効果的に使う感染拡大防止に寄与するものと考えています。

一方で、介護施設等を新型コロナウイルス感染症の拡大から守るため、施設内の感染予防対策を徹底することが重要です。とりわけ、重症化リスクの高い介護サービス事業所に対し、区長としての手紙を送りました。文中、社会的検査の受検勧奨や、希望する施設への感染症アドバイザーの派遣、オンライン研修配信などの事業を紹介させていただきました。

昨年来、呼びかけてきた「ふるさと納税」も活用した「世田谷区新型コロナウイルスをともに乗りこえる寄附金」には8,500万円を超えるご協力を頂いたことに感謝申し上げます。区内の病院等に防護用品を届けた他、来年度における新型コロナウイルス感染症対策に生かしていきます。

また、昨年春から、疲弊する区内経済を支えるための緊急融資をはじめ、生活困窮者への「緊急小口資金」や「総合支援資金生活支援費」、住居確保給付金の受付体制を強化しました。世田谷個店応援券やせたがやPayの発行支援などの経済支援策にも取り組んできました。引き続き、中小企業等ハンズオン支援事業の実施、業態転換、福祉人材の確保、新ビジネス創出支援など社会経済活動の支援にも全力で取り組んでいきます。

次に、自治体DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進についてです。

「DXとは、デジタル技術の導入や活用をきっかけに「変革」し続けていくこと。コロナ禍において、様々な分野で導入が加速したデジタル技術は、人々の日々の生活に必要不可欠なものとなり、社会全体を変えています」で始まる文章は、世田谷区でデジタル改革をすすめるにあたってまとめた「世田谷区DX推進方針Ver.1(案)」のコンセプト「Re・Design SETAGAYA(リ・デザイン セタガヤ)」の冒頭部分です。

「区民や地域団体、事業者、すべての人は、時間や場所を選ばず区役所に関わる手続きをすることができる。区役所は、生み出した資源(時間・空間・ヒト・コスト)を公共サービスに還元する。行政の新しい価値を創造する理念が込められています」と、基本姿勢を明らかにしています。

これからは、「区民の視点に立った行政サービスの変革」「区民参加と協働の多様化の推進」「区役所の業務における役割のシフト」と、3つの観点からそれぞれの分野の改革を押し進め、即実行出来るものからスモールスタートし、トライアンドエラーによる改善を重ねていくと共に、区民ニーズの動向や技術革新、社会環境の変化に柔軟に対応し、スピード感をもって取り組みます。新年度には全庁を牽引する専管組織を設けます。

私たちは、コロナ禍で行政サービスのあり方や、仕事や働き方の大きな転換のさなかにいます。また、東京一極集中が反転して、東京23区からの人口減少傾向が始まったことや、地域行政制度の改革とともに迫られるコミュニティの再構築等の課題に直面しています。令和3年度は、6年度から始まる次期「世田谷区基本計画」も視野に入れた長期的視点を持ちながら、目下の行政課題に取り組んでいくことになります。

次に、本庁舎等整備についてです。

昨年、事業費の縮減や財源の工夫を行い、区の中期財政見通しを見極めた上で、一旦保留していた施工者選定の手続きを9月に再開しました。工事の難易度が非常に高いため、世田谷区としては初めての技術提案型総合評価方式の一般競争入札を行いました。

2月1日に開札したところ、低入札価格調査の対象となり、落札者の決定には1か月程度の調査を要することとなりましたが、本年の7月には工事に着手する予定です。

厳しい財政状況においても、災害対策機能の強化等、区が取り組むべき重要な課題として、引き続き、本庁舎等整備を着実に進めてまいります。また、この本庁舎等整備を契機として、DXの推進など、様々な分野において、行政としての質を一層高めることができるよう、努めていきます。

次に、世田谷区地域防災計画[令和3年修正]についてです。

 区では、国の災害関連法令等の改正や、東京都の「地域防災計画(震災編)」の修正、および、区が一昨年10月の台風第19号を受けて行った「風水害対策総点検」の内容や、新型コロナウイルス等感染症対策を踏まえたうえで、計画の修正作業を行ってきました。「風水害対策の強化」、「受援・応援体制の充実強化」、「災害対策本部機能の強化」、「多様性に配慮した女性の視点」などの修正を加えて、1月の世田谷区防災会議において世田谷区地域防災計画[令和3年修正]を決定いたしました。

次に、地域行政の推進についてです。

平成3年(1991年)に発足した世田谷独自の地域行政制度は、住民にもっとも身近な地区に行政施設を置き、5つの総合支所を地域につくり、全区は区役所本庁という3層構造のもと、約30年にわたり定着してきました。

この間人口も当時の77万人から92万人へと増加し、大都市部の一角を占める世田谷区でありながら、「住民参加の街づくり」を基本に、住民自治の力を土台にして、地域のまちづくり、コミュニティ形成に地域行政制度は大きく寄与してきました。

この30年間の社会環境の変化は著しいものがあります。家族の形が大きく変容し、かつてのような三世代同居から核家族化への流れが加速し、高齢化社会と共に一人暮らしが広がっています。

私は、平成23年(2011年)の区長就任以来、世田谷区のレガシーとして残されていた地区のまちづくりセンターに着目し、車座集会で多くの住民の声を聞く中で、防災塾の開催や、「福祉の相談窓口」の設置へと改革を進めてきました。とくに、まちづくりセンターで、あんしんすこやかセンターと社会福祉協議会が結び合う「三者連携」は厚生労働省の「福祉相談窓口の地域一元化」のモデルとなり、区民に安心できる地域福祉基盤を提供しています。

昨年度、(仮称)地域行政条例の制定を念頭に、28カ所となったまちづくりセンターでの車座集会で住民の声を聞きました。すでに、1年以上続いているコロナ禍にあって、地域コミュニティの再構築に向けた取組みもさらに重要となっています。また、DXによる行政サービスの変容も、新たな可能性を示しつつあります。

今般、(仮称)地域行政推進条例の骨子案と、将来を見据えた地域行政制度の改革の方向性についても取りまとめました。今後、区議会における議論、パブリックコメント、地域説明会などで、ご意見ご提案をいただき、条例制定と地域行政推進計画の策定に向けた検討を深化させてまいります。

次に、昨年より延期された東京2020大会についてです。

本年開催予定の、東京2020大会については、馬術競技が行われる馬事公苑会場周辺の環境整備等に関して、東京2020組織委員会や東京都などと、協議しています。また、アメリカ合衆国選手団の事前キャンプの受け入れ準備をしているところです。1月30日には二子玉川で、国と川崎市とともに、共生社会ホストタウンサミットin 多摩川を開催しました。平和やスポーツの祭典となる東京2020大会を契機に、アメリカ合衆国との交流や多様性を尊重し、互いに支えあう共生社会をレガシーとして、後世に伝えてまいります。

次に、「高齢者の地域参加促進施策」についてです。

新型コロナウイルス感染症の影響も長引き、高齢者の外出控えによるフレイルが心配されるところです。「高齢者の居場所」という視点で区内施設や社会資源を見直して、多様性のある高齢者の地域参加の場を可視化していきます。千歳温水プールの4階にある「健康運動室」や、ひだまり友遊会館を活用し、社会福祉協議会や高齢者団体の参加を得て、高齢者が個人単位でも参加が容易で、くつろぎ、交流し、楽しみ、新たに学びと発見のある場を提供していきます。

フレイル予防では、世田谷区保健センターやスポーツ振興財団などと連携し、各地域の身近な活動場所などで高齢者の健康づくり活動を支援していきます。さらには、AIを活用したボランティア活動支援や短時間就労や就業支援マッチングにも取組み、全体として高齢者の地域参加や居場所づくりを推進してまいります。

次に、地域保健福祉審議会のふたつの計画案の答申についてです。 

「高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画案」では、「自立支援・介護予防・重度化防止の推進」「高齢者が活躍できるまちづくり」「介護人材の確保・定着支援」の3つを重点取組みに定めています。また、介護保険料は、介護給付費等が増加する状況や介護報酬の引き上げの改定がありますが、厳しい経済環境等をふまえて、介護給付費準備基金の活用により、介護保険制度始まって以来の全所得階層の保険料の引き下げを行います。

「せたがやノーマライゼーションプラン –世田谷区障害施策推進計画-(案)」は障害者差別の解消や地域の支えあいの推進、精神障害施策の充実、医療的ケア児者への支援などを通して、地域共生社会を実現していきます。

次に、医療的ケア児(者)への支援についてです。

国立成育医療研究センターや医療的ケア児を預かる医療型短期入所施設「もみじの家」との連携を強化し、「(仮称)世田谷区医療的ケア相談支援センター事業」の試行を、本年8月より開始いたします。医療的ケアに関する家族からの相談を受け付けると共に、それぞれの当事者の支援プランの作成、区内施設に対する技術支援・人材育成を担っていきます。

次に、「待機児童ゼロ」の継続に向けた取組みについてです。

令和2年4月の国の基準にもとづく保育待機児童は解消しましたが、希望する園に未だに入園できない方がおり、また、認可外保育施設を含めた利用状況では、0歳児に余裕があるにもかかわらず、1歳児の定員が逼迫する地域が偏在していることから、認証保育所で0歳児定員を1歳児定員に振り替えて財政支援を加える等の対応を行ってまいりました。今年度は、保育需要が高い「世田谷・北沢地域」を中心に445人の定員増を見込みます。保育需要の強い地域と結びつけた施設整備を進めていきます。

次に、世田谷区社会的養育推進計画についてです。 

昨年4月の児童相談所開設により、東京都の児童相談所時代にあった子ども家庭支援センターとの情報ギャップは解消し、基礎自治体で「子どもの安全・生命を守る」という役割を果たしています。社会的養育の着実な推進のためには、「世田谷区社会的養育推進計画」の策定に向けて、児童福祉審議会において専門的かつ掘り下げた議論をいただくと共に、里親家庭や児童養護施設での生活経験のある若者や、里親となった養育家庭や施設長等の当事者ヒアリングもまじえた議論を進めていただきました。

こうしてまとめられた計画案の答申を受け、先日の福祉保健常任委員会でお示ししました。本計画案は、地域での互いの顔が見える関係を大事にして社会的養護の当事者の視点と地域における社会的包摂を基本とした世田谷区の特徴をとらえた内容となっております。引き続き区議会のご意見を伺いながら、3月の策定を目指してまいります。

次に、「世田谷区ひきこもり支援に係る基本方針」です。

高齢の親と長期化したひきこもり状態にある子の「8050問題」が深刻な社会問題となっています。世田谷区はこれまでも、ひきこもり状態にある方に関して、生活困窮者支援、若者支援、発達障害支援等の各分野で、関係所管及び各支援機関が協力しながら取り組んできました。「世田谷区・ひきこもり支援にかかわる基本方針」において、ひきこもり支援の現在と課題を整理し、それぞれの取組みが相互連携を強めて、子どもから高齢期までの支援体制を再構築します。

国の重層的支援体制整備事業を活用して、縦割りの壁を横つなぎで一体化し、当事者の尊厳を守り、家族を支える支援システムを築いていきます。主な取組み内容として、令和4年度4月を目途に「(仮称)ひきこもり相談窓口」を開設します。「ぷらっとホーム世田谷」と「メルクマールせたがや」の両支援機関を、三軒茶屋の同一建物内に移転させ、40歳以上も含めた幅広いひきこもり支援の相談窓口に位置づけます。

次に、世田谷区認知症とともに生きる希望計画についてです。

令和2年10月1日に「世田谷区認知症とともに生きる希望条例」を施行しました。認知症当事者が尊厳を保ち、自ら参画出来る地域社会を築くことができる認知症施策を取りまとめ、「世田谷区認知症とともに生きる希望計画(案)」をつくりました。この計画(案)では、4つの重点テーマを掲げています。

1に「認知症観の転換」、2に「認知症の本人が発信・参加、ともにつくる」、3に「みんなが『備える』『私の希望ファイル』」、4に「希望と人権を大切に、暮らしやすい地域をともにつくる」です。

これらの重点テーマを一体的に進めるために、「情報発信・共有プロジェクト」「本人発信・参画プロジェクト」「『私の希望ファイル』プロジェクト」「地域づくりプロジェクト」の4つの推進プロジェクトを設置します。条例と計画で掲げる理念を、福祉や介護に関わる多くの人々で共有し、また地域社会に浸透させていくことが重要です。28地区の単位で、本人も参画し、子どもたちや若者から多世代にまたがって、職業や立場を超えて参加と協働を進め、チームで力を合わせて、具体的な活動に取り組む推進体制をつくります。

計画については、区民の皆さんや区議会のご意見を伺いながら本計画を3月に策定し、認知症施策を総合的に推進してまいります。

続いて、国民健康保険制度における子どもに係る均等割保険料の軽減についてです。

国民健康保険制度における均等割保険料につきましては、赤ちゃんから高齢者まで、所得の有無に関係なく世帯全員が保険料負担の対象となっています。私はかねてより、これは人頭税のような仕組みであり、特に子育て世帯への負担が重く、早急に改善すべきであると主張してまいりました。また特別区長会として、国に対し制度改正を重ねて要望してまいりました。

こうした中、国は昨年12月23日、この均等割保険料について、少子化対策の観点から子育て世帯の経済的負担を軽減するため、すべての未就学児を対象に5割軽減する制度を、令和4年度から導入する方針を示しました。

区として長年の要望が実現したことで、さらなる子育て支援の拡充を目指して、この度の新たな軽減制度の実施に向けた準備を進めてまいります。

次に、「生活困窮世帯等の子どもと家庭を支える学習・生活支援の拠点事業」についてです。

区は、子どもの現在ならびに将来が、生まれ育った環境に左右されることがないように、新たな貧困の連鎖を生まないことを目指し、昨年度には、子どもの貧困対策計画を策定しました。

コロナ禍にあって、多くの仕事が影響を受け、保護者の収入減や社会的困窮が広がっています。区は、これまでも子どもの貧困対策を続けてきましたが、支援の届いていない子どもたちが多くいることを想定しています。子どもの学びと成長を丸ごとサポートする拠点を開設し、実効性のある子どもの貧困対策を進めていきます。 

これまで、児童館や青少年交流センターをはじめとした子どもの居場所でつくりあげた成果との連携を図りながら、孤立した状況におかれた子どもたちの学習や生活の支援に、保護者の相談支援も含めてしっかりと取り組みます。

次に、街づくりについてです。

外環道については、工事着手にあたって区として工事の安全性を前提とし、区民への情報提供や誠実で丁寧な対応等を条件に事業者に7項目の要望を挙げ、区としても協力してきました。こうした中、昨年10月に調布市内のトンネル工事現場付近で地表面の陥没事象が発生し、その後も周辺地中に3箇所の空洞が発見されています。

陥没事象発生直後から国及び事業者に対し、直接、要請書を2度にわたり手渡し、区民への説明会の実施、十分な再発防止策と安全対策が講じられるまでは、工事を再開しないことなどを強く求めました。今後も国、事業者に対し、区民の安全・安心を守る立場から強く働きかけを続けてまいります。

次に、ICTを活用した新たな学びについてです。

昨年春のコロナ禍による学校の一斉休校の際には、区にとっても教育現場でのICT化対応の不十分さが明らかとなり、オンライン授業や学校・家庭のネットワーク環境について、早急な整備が必要となりました。保護者の皆様の強い要望も受け、教育に空白を生じさせないよう、教育委員会を中心として懸命な努力を重ねました。

当面、児童生徒一人1台の端末配置、学校内ネットワーク環境などのハード整備、双方向学習支援の魅力的なソフト等整備の充実を支援します。

さらにグローバル社会の到来、AIの発展などの流れの中で、子どもたちの価値観の多様化を尊重し、子どもたちの学び方にも多様性をもたせることが必要となります。子どもたちの習熟度に応じた学び、学ぶ楽しさを味わい子どもの意欲を高める機会などを提供するにあたり、ICTの活用は、すべての子どもたちの可能性を引き出す教育への転換の一助となります。

多様な学びへの「教育の質の転換」の追い風にすべくICTを活用した学びの実現に向けて、教育委員会の積極的な取り組みを支援してまいります。

次に、教育総合センターについてです。

いよいよ今年の12月にオープンする教育総合センターを拠点として、世田谷の新たな教育を展開していくため、この度、運営計画の案をとりまとめました。

コロナ禍により世界中が大きく変わろうとしている中、明治以来の学校教育の骨格構造が変わるような教育改革が進んでいます。

従来までの一斉授業から、個別最適化を目指した個別学習を重視し、また、知識を学び身につけることと同時に、自ら課題を発見して仲間と問題意識を共有し、チームで課題解決に取り組む協働的な学びが求められています。

教育総合センターは、子どもたちの学びが主体的で探究的な学習へと転換していく教育の土台であり、未来を照らすサーチライトであり、教育の刷新を主導していくための役割を担っていきます。

学校現場にいる教員の人材育成をはじめとする具体的支援、新たなICT環境の活用、子どもたちの個性や特性を尊重し1人ひとりに寄り添う支援、公立私立を含めた乳幼児教育の質の向上、教育の課題や未来を展望した研究活動、地域や社会との連携などに取り組んでまいります。

次に、令和2年度補正予算について申し上げます。

まず、新型コロナウイルス感染症ワクチン住民接種の準備に早急に着手する必要が生じたため、事務経費等について、地方自治法第179条第1項の規定に基づく専決処分により、歳入歳出それぞれ10億8,500万円を所要経費とした、一般会計第5次補正予算を決定いたしました。今定例会におきましてそのご報告をさせていただきますので、よろしくご審議のほどお願いいたします。

続いて、令和2年度の一般会計第6次、及び3つの特別会計の第2次補正予算ですが、公共工事の前倒しなど、令和3年度予算と連動させた複数年による予算の対応とともに、新型コロナウイルス感染症対策経費の増、今年度の緊急見直しや事業進捗による減額などについて、合計マイナス47億7,500万円の補正予算を計上するものです。

次に令和3年度当初予算について申し上げます。

一般会計の予算規模は、3,199億8,900万円、前年度と比べ、マイナス2.4%の減となっております。

歳入につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響等により、特別区税でマイナス76億円、特別区交付金でマイナス52億円、合わせてマイナス128億円という大幅な減収を見込んでいます。

歳出につきましては、事務事業見直しによる歳出の抑制や、補正予算と連動した工事の前倒しなどにより必要な財源を確保したうえで、「世田谷区政策方針」のもと、感染症防止対策をはじめとした、区民生活の安全と安心を守り抜くための施策を、最優先に編成したところです。

一般会計に、4つの特別会計を合わせました予算額の合計は、4,923億7,800万円、前年度比マイナス2.8%の減となっております。

本議会にご提案申しあげます案件は、「令和3年度世田谷区一般会計予算」など議案42件、専決1件、諮問1件、報告15件です。

何とぞ慎重にご審議のうえ、速やかにご議決賜りますようお願いしまして、ご挨拶とします。

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