令和元年第2回区議会定例会区長招集挨拶

最終更新日 令和元年6月12日

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召集挨拶をされる保坂区長の写真
招集挨拶をする保坂区長

令和元年第2回世田谷区議会定例会の開催にあたり、区議会議員並びに区民の皆様にご挨拶を申しあげます。

4月1日、世田谷区は326名の新入職員を迎えました。会場の世田谷区民会館ホールには、緊張と期待に満ちた表情で新入職員が並びました。この8年で1,880名を超える新人職員を迎え、一人ひとり辞令とともに握手を交わしてきました。もはや、全職員の35%を占めるまでとなり、ベテラン職員の退職とともに区政の最前線を担っています。少子・高齢化と教育改革、地域コミュニティ活性化と環境共生、基盤整備など多くの課題に直面する中、91万区政を支えるバトンが、引き継がれていきます。

同じ日に、都立梅ヶ丘病院跡地の保健・医療・福祉の全区的な拠点の一翼を担う民間施設棟「東京リハビリテーションセンター世田谷」がオープンしました。高齢者支援施設及び障害者支援施設として多様なサービスの提供が始まりました。この建物の隣では、区の複合棟「保健医療福祉総合プラザ」の建設が進んでいます。両施設が連携し保健医療福祉の拠点となる「うめとぴあ」となります。「相談支援・人材育成」、「健康を守り、創造する機能」、「高齢者等の在宅復帰・在宅療養支援」、「障害者の地域生活への移行・継続支援」の4つの機能を実現すべく、2020年4月の「うめとぴあ」の本格稼動に向け着実に準備を進めます。

5月1日には、30年続いた平成が終わり、令和へと新たな時代に変わりました。この日、区役所には626組のカップルが婚姻届を提出し、人生の新たなスタートを切りました。令和の元号は、日本最古の歌集であり、幅広い階層の人々が読んだ古(いにしえ)の歌が収められている万葉集からの引用とされています。平和で、麗(うるわ)しい花を大きく咲かせる時代を創ることを区民の皆様とともに願っています。

ここから、4年間の区政運営方針について述べます。

先の選挙では、区政の各分野で取り組んできた世田谷改革のバージョンアップについて公約に掲げました。この中から、改革を牽引する3つの取組みについて述べます。

まず、初めに、「地域行政の検証と改革の取組み」についてです。

昭和50年代半ばとなる1980年頃に、世田谷区は地域行政制度の検討をはじめています。当時の区は、すでに人口80万人を抱え、東京最大の人口であり全国の政令指定都市と肩を並べる有数の規模の自治体でした。その頃の大場啓二区長は、「区長になった時から、『世田谷区政は政令指定都市を預かった気構えで』と号令をかけた」と著書の中で振り返っています。特別区において前例のない、政令指定都市の行政区に匹敵するものとして区内に5つの総合支所を配置しました。さらに、住民本位・区民参加のもと地域ごとの特性に沿った区民主役のまちづくりや地域の福祉を充実させる方向で、地域行政制度が構想された経緯も述べています。

実に構想から企画へと10数年の歳月をかけ、平成3年・1991年に、区独自の「地域行政制度」の導入にいたりました。

地区・地域・本庁をつなぐ「3層構造」をベースに、平成6年・1994年には27地区体制とし、平成9年・1997年には保健所と福祉事務所を統合再編した保健福祉センターを5地域に設置しました。平成17年・2005年には全ての出張所で窓口サービスを行っていた体制から取り扱い件数の多い7か所に絞った出張所の見直しや、その後のまちづくりセンターへの転換を進めてきました。平成18年・2006年に、総合支所内の組織体制を再編しました。

平成23年・2011年の東日本大震災以降は、災害対策や復興のための地域コミュニティの重要性が再認識されるようになりました。私は、区長に就任して以降、このことを念頭に、地区まちづくりに重点的に取り組みました。平成28年・2016年には地域包括ケアの地区展開を進め、分散していたあんしんすこやかセンターと社会福祉協議会を、住民に最も身近なまちづくりセンターに集約して、全27か所の「福祉の相談窓口」を設け、また防災塾を開いて住民の手で72時間生き延びるための地区防災計画をつくるなど、まちづくりセンターの機能を強化しました。

総合支所の機能も「ネウボラ・チーム」や「子ども家庭支援センター」を中心に強化しました。また、区民の利便性向上のため、窓口での待ち時間を大幅に短縮した「くみん窓口」を設置するなど、「地域行政制度」は、時代の変化の荒波にさらされながら区民生活に根付いてきました。平成30年・2018年に、保健福祉センター所長を総合支所副支所長の兼任で設けました。

今日までに、地域行政制度の開始から28年が経ち、12年の準備期間も含めると40年の月日が流れました。少子高齢化の進展や人口の増加などによる地域の姿や社会のあり様が大きく変化する時代にあって、住民自治や身近な行政サービスのあり方及び三層構造による行政運営の方法について、区民とともに改めて整理し、将来に向け持続可能なものにしていく時期がきています。「本庁と総合支所」、「総合支所とまちづくりセンター」、それぞれの関係の見直しも必要です。地域や地区に根ざした住民自治をどう形づくるか、活発な議論をしなくてはなりません。

人口は91万人を超え、やがては100万都市も見据えた大都市・世田谷区としての自治体運営をどうしていくか、都区制度や自治権拡充について議論し、区がめざすべき「自治体のかたち」を区民に提示して、自治権拡充の道を切りひらく必要があります。

そのため、「参加と協働」を一層促進させ、区、区民が、地域行政の基本理念や役割と責務を広く共有し、互いを尊重しながら、相互扶助の活発な地域社会の実現に向けて、「打てば響くまちづくり」を実現するため、地域行政推進に関する条例制定を進めます。

まず、せたがや自治政策研究所の機能を活かし、この間の地域行政のあゆみの歴史を検証し、現在直面する課題の整理を行い、区がめざす地域内分権と自治権拡充についてまとめます。検討にあたっては、区民との意見を交換する場を設け、その都度、議会のご意見をいただきながら「参加と協働」による区民主体の条例案としていく決意です。

第2に、23区初となる「区立児童相談所の開設にむけた改革の取組み」についてです。

児童福祉法は、戦後の福祉制度の土台となる福祉三法の一つとして、敗戦直後の昭和22年・1947年に制定されました。

当時、東京・上野の地下道には、戦災で親を失くし野宿を強いられている戦災孤児が多数いて、子どもたちの服は汚れ、ノミ・シラミもたかっていることから、子どもたちを保護した後に、消毒殺虫のために、DDTを頭から振りかけることもありました。戦災孤児の保護が、一時保護所の始まりです。児童相談所は、こうした戦災孤児たちの救済と支援のための行政組織ということであったと聞いています。
その後、時代は大きく変わりましたが、今日でも一部の一時保護所では、子どもたちが保護されるときに、衛生面などを理由に衣服は全て保護所の服に着がえるなどの習慣が続いています。また、食事の時に目を合わることや子ども同士の会話が禁止されているなど、少年院などの矯正施設であるかのような処遇も見られます。

児童福祉法制定から70数年、従来の「子ども観」の転換を迫るものとして、国連子どもの権利条約の批准があげられます。権利主体としての子ども、子どもの市民的権利、自己決定権などが明記され、世田谷区においても、平易な文章で書かれた「子ども条例」に反映されています。

児童相談行政は、戦後の混乱期に立ち上げられたシステムから、子どもの最善の利益を実現する仕組みへと時代と社会の要請にこたえて構築されるべき時期に入っています。

平成28年・2016年の児童福祉法改正により、児童相談所について、「特別区も設置できる」という規定が加わりました。この規定は、自治権拡充のやりとりをめぐる都と区の長い議論の経過の中から生まれてきたもので、都区間協議で確認された53項目の区への検討対象事務の中で、特別に抜き出した最優先項目が児童相談所の移管でした。東日本大震災を挟んで、都区間の協議が停滞し、歩み寄らない膠着状態が長らく続きましたが、当時の区長会会長による厚生労働大臣への働きかけもあり、児童福祉法の改正がついに実現しました。

この法改正では、子どもが権利の主体であることが明確になり、子どもと家庭への養育支援から代替養育までの社会的養護の充実が求められることとなりました。

また、法改正とともにつくられた国の「新しい社会的養育ビジョン」では、就学前児童の里親委託率を75%にひきあげ、施設での養育から家庭的養育を原則にすることや、家庭復帰の可能性のない場合は、養子縁組などを提供して永続的解決(パーマネンシー保障)の徹底が示されました。これからは、里親家庭の確保など、代替養育の受け皿の拡充と支援に取り組むなど、一時保護所も含めた社会的養護のシステムを、子どもの権利が保障された「子どもの権利条約」批准後の水準に引き上げていきます。

区は、身近な基礎自治体として、子ども家庭支援センターを通して、地域の多様な関係機関と顔の見える密な連携協力関係を築いてきました。また、児童虐待の予防から、気軽な相談、早期発見・早期対応、その後の地域の見守りなどにしっかりと取り組んできました。これまでの経験を踏まえて、区が児童相談所を運営することが、子どもの生命と安全を守るにふさわしいと考え、江戸川区、荒川区とともに、特別区における児童相談所設置の議論をリードし、実現への道筋をつけてきました。

先日、来年4月に世田谷区立の児童相談所を開設するため、児童相談所設置にあたっての政令指定の要請を、東京都の副申とともに、厚生労働省に行いました。開設まであと1年を切り、総合福祉センター跡の改修や一時保護所の整備、児童福祉司や児童心理司、児童相談所職員などの育成、児童相談所と子ども家庭支援センターの一元的な運用のためのルールづくりなど、開設に向けた準備の総仕上げに取り組んでいます。

第3に、「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を契機にした共生社会のための改革の取組み」についてです。

東京2020大会の開催まで450日を切りました。馬事公苑での馬術競技大会には、国内だけでなく海外からも多くの訪問客が観戦に来られ、世田谷区をアピールする絶好の機会となります。区では、「共生のまち世田谷の実現」に向けて、地域経済やたくさんの人との交流が地域の活性化につながるよう、「オール世田谷」で取組みを進めていきます。

オリンピック憲章の根本原則には、「人種、肌の色、性別、性的志向、言語、宗教、政治的またはその他の意見、国あるいは社会的な出身、財産、出自やその他の身分などの理由による、いかなる種類の差別も受けることなく」と明記されています。

また、世田谷区基本構想にも、個人の尊厳を尊重し、年齢、性別、国籍、障害の有無などにかかわらず、多様性を認め合い、人権を尊重する社会をめざすことを掲げています。
平成30年・2018年に制定した「世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例」を基盤に、本年3月に「多文化共生プラン」を策定しました。また、この4月には、平成27年・2015年に始めた「同性パートナーシップ宣誓」において戸籍上は異性でも自認する性が同じであるカップルを対象に加えるなどの制度改正をしました。

区の外国人人口は5月には22,000人を超え、アジア諸国など世界各国からの転入増加が続いています。「誰もが共に参画・活躍でき、人権が尊重され、安心・安全に暮らせる 多文化共生のまち せたがや」をめざし、今年度は「せたがや国際メッセ」や外国人のための日本語教室の実施、在住外国人との意見交換会の開催に加え、ニーズ調査なども予定しています。

一過性の観光とは一線を画した文化・体験交流型のまちなか観光を展開し、訪日外国人のみならず、在住外国人や海外体験の豊富な区民との交流・協働を進め、区内大学とも「国際交流ラウンジ」などで連携を図り、国際交流の輪を広げていきます。

東京2020大会のレガシーとして国際交流の基盤を確かなものにするため、これまでの姉妹都市の3都市の他に新たに、子どもたちを対象とした教育・文化交流に、フィンランドのビヒティ市や台湾の高雄市、アメリカのポートランド市との交流を進めます。本年6月には、ドゥブリング区長一行が姉妹都市提携35周年の再調印式のため来訪され、秋には私たち世田谷区の方も、同区を訪問する予定です。

また、区は都内では最初の共生社会ホストタウンにも登録し、ユニバーサルデザインのまちづくりや心のバリアフリー、障害者スポーツの推進を3つの柱で取り組んでいきます。

ここからは、区政各分野の課題について述べます。

まず、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた具体的な取組みについてです。

これまで大蔵運動場及び大蔵第二運動場がアメリカ選手団のキャンプ地として決定したことを契機とし、さらにホストタウンとしての登録によりアメリカのスポーツ選手などと区民との交流事業を実施してきました。とりわけ、子どもたちと選手との交流を出来るだけ多く実現させることで、驚きや感動を生み、夢や希望、国際理解を深めていきます。また、パラリンピックの正式種目でもある「ボッチャ」の普及を通じ、障害者スポーツを推進し、障害理解を深めるなど、世田谷区の将来にわたり刻まれていくレガシーを残していきます。

また、観光案内や交通案内、馬術競技PRなどを目的にしたボランティアの募集では650名の募集に対し、900名以上の応募がありました。大変高い関心と意欲が区民に広がっていることをうかがわせます。来年の大会に備えての体制づくりとともに、在住外国人との交流を深め、コミュニティに迎えていく努力を重ねます。

併せて、東京2020大会を契機とした教育の取組みについてです。

まず、今年度においては、子どもたちのおもてなし事業として、区の歌である「おーい せたがや」にあわせたダンスを幼稚園や小学校、中学校の授業や行事などで踊ります。区民まつりや地域の商店街のお祭りなどで紹介し、来年度には、世田谷区を訪れるアスリートや外国人訪問者に披露するなど、地域とともに東京2020大会を盛り上げていきます。

さらに、今後、アメリカとの交流を更に深めていくため、現在、世田谷区とオレゴン州ポートランド市の中学生との交流事業を計画しています。今年度中に、現地の実地調査や参加者の募集を行い、来年度から中学生の派遣を予定しています。

次に、環境とエネルギーについてです。

「世田谷発、エネルギー革命」を実行し、「脱原発」と「自然エネルギー促進」を加速し、原発に依存しない脱化石燃料社会への道を拓きます。

平成27年度・2015年度に策定した世田谷区環境基本計画が5年目を迎え、現在、後期計画に向けた中間見直しの検討を進めています。再生可能エネルギーの一層の普及促進や豪雨対策などのグリーンインフラの取組み、住宅の省エネルギー化の促進など新たな課題も含め、持続可能な社会の実現をめざして対策を進めていきます。特に、再生可能エネルギーの利用については、4月より区役所本庁舎に再生可能エネルギー100%の電力を導入し、自治体版RE100に取り組んでいます。引き続き、自然エネルギー活用に取り組む自治体間連携を通して区民や事業者などへも利用拡大を図り、地球温暖化の原因とされる温室効果ガス排出の削減に努めます。

次に、「高齢福祉と介護人材対策」についてです。

介護などの支援を必要とする高齢者が増加する中、今年度は4つの特別養護老人ホームを開設するなど、介護サービスの基盤整備を計画的に推進しています。介護予防や認知症施策などの取組みと合わせ、介護が必要になっても住み慣れた地域で安心して暮らせる地域づくりを進めています。

一方、労働力人口が減少する中、介護サービスの担い手となる人材の確保は、引き続き厳しい状況にあります。

区では今年度より、事業者が介護職員の採用活動に要した費用や、介護業務の身体的な負担軽減に資する腰痛予防ウエアなどの購入費に対する助成事業を新たに開始しました。介護ロボットやICT機器の導入経費助成など、これまでの取組みと合わせ事業者を支援します。

区内の介護事業所で働き始めた人たちを対象に世田谷区介護職員等合同入職式を継続し、介護事業者やハローワーク、介護福祉士養成校などとの意見交換も行いながら、更なる介護人材対策を推進します。

また、「貧困・格差」及び「住宅確保要配慮者」対策では、世田谷区居住支援協議会を軸に、高齢者・障害者・ひとり親の子育て世帯などの住宅支援体制を強めます。区営住宅をはじめ、公共政策を格差・貧困対策の柱と位置づけ、空き家活用を本格化します。また、社会福祉協議会を通して、こども食堂を支援し、食品廃棄防止のフードドライブ事業から食材供給のマッチングを充実します。子ども・子育て支援の地域のネットワークと連携しながら、養育困難家庭を支援します。「世田谷区児童養護施設退所者等奨学基金」、せたがや若者フェアスタート事業では、この4月から1,600万円を超えるご寄附をいただき、寄附総額は約9,100万円、1,000件超となりました。反響の大きさを受けとめて、今後の継続的発展をめざし、さらなる事業内容の充実を図ります。

次に、子ども分野から、保育についてです。

「保育待機児童対策」について述べます。

4月1日時点の世田谷区の保育待機児童ですが、前年度より16人減少し、470人となりました。区では、平成30年度・2018年度の保育施設整備において、認可保育園8か所、小規模保育事業4か所の新設による定員拡充に取り組み、前年比で492人の定員の増を図りました。待機児童数については昨年度に引き続き減少したものの、今年度は微減にとどまり、また、昨年度、0人だった3歳児でふたたび12人の待機児童が生じる結果となりました。入園申し込みをされた保護者の皆様には、ご希望の応えきれていないことに大変申し訳なく思っています。

今年度は待機児童解消に向けた計画上の最終年度です。本年10月からの幼児教育の無償化の影響を正確に予測することは難しいのですが、地域別保育ニーズに配慮しながら、保育所整備に全力をあげるとともに、あらゆる手法を通じて待機児童解消を確実に実現できるよう、担当所管に指示をしたところです。

次に、都市整備では、災害に強く、みどり溢れる美しい街をめざすため、近年多発している豪雨対策の要として、河川や下水道などのハードインフラ整備促進とともに、雨水を地中で受けとめる区民参加のグリーンインフラの推進を加速します。またこの間、成果をあげてきた木造住宅密集地域の不燃化を促進し、暮らしに密着した狭あい道路の拡幅整備、地先道路、主要生活道路などのネットワークを整えるとともに、無電柱化の推進など都市基盤整備に取り組み、玉川野毛町公園や上用賀公園の拡張整備を進め、みどり率33%をめざします。

ここで、「建築物の絶対高さ及び敷地面積の最低限度の制限の見直し」についてです。

区がめざす将来都市像を構成するひとつである「みどりとやすらぎがあり、住みたくなるまち」の実現に向けて良好な住環境を維持し、世田谷らしい住みやすいまちを形成するため、この4月1日から建築物の高さ及び敷地面積に関する新しいルールの運用を開始しました。

区は、社会状況の変化を受けて、きめ細やかな規制による住宅地の住環境の保全と、緑地や空地などを確保した市街地環境の向上に資する建築物への誘導を図ることが、住宅都市としての発展を支える基本であると考え、平成27年度・2015年度より、都市計画の見直しに着手しました。

見直しにあたっては、区民の皆様のご意見、学識経験者による検討部会や都市計画審議会の助言を受けて検討を重ね、「建築物の高さ及び敷地面積に関するルールの見直しの基本的考え方」を策定し、区内の約4割で都市計画の変更を行いました。

敷地面積の制限は、建蔽率に応じて60平方メートルから100平方メートルの4種類とし、絶対高さ制限については、市街地環境への貢献や公共性に配慮した特例を設けつつ、地域に応じて15mから45mの7種類としています。

世田谷区の魅力を高め、光と風、みどりを確保した世田谷らしい住みやすいまちをめざし、まちづくりを区民との協働で進めます。

次に、教育分野についてです。これまで、区民参加のもと世田谷区総合教育会議を重ね、「学びの質の転換」など教育改革に向けた議論を進めてきました。

地域に立脚した公教育として、義務教育や乳幼児教育の質を高めていくため、若林小学校跡地に「教育総合センター」を開設し、学校現場の支援、教員の支援、教材のレベルアップとともに乳幼児教育支援センター機能などを整備します。

SDGsの理念を発展させたシチズンシップ教育、個性が尊重され、自らの問いから探求的に学ぶ自律的な学習を定着させます。区立学校で、これまで以上に子どもたちの学習と成長を支援する特色ある教育を創りだします。

また、子どもたちが情報通信技術の発展などの社会の在り方が変容する新しい社会を生き抜く力を身につけるため、ICTやAIなどの多様な情報技術を取り入れ、情報活用力の育成を図っていく必要があります。各家庭のICT機器の学校での活用の検証をします。e-ラーニングの活用による家庭学習支援の全中学校での実施や中学校特別教室へのICT機器の配備、ICT支援員の派遣など、さらなるICT環境の整備を進めます。

教員の多忙化を緩和するために、過度の学校依存からバランスのよい地域と学校の関係を進め、地域運営学校を発展させ、学校と地域資源をつなぐ環境を豊かなものとしていきます。
また、特別支援教室の全中学校への開設を進めます。また、医療的ケア児の受け入れ校への看護師の配置、発達障害などの子どものために、きめ細かな学習支援の環境を創ります。全ての子どもたちがともに学ぶ真のインクルーシブ教育をめざします。

さて、ふるさと納税についてです。

世田谷区への影響について、この5月時点の速報値では、令和元年度は約53億円もの区税収入が失われることになりました。区は、23区一体になり、国へ「地域活性化、ふるさと応援」の制度本来の趣旨に立ち返るよう訴え、国は返戻品において調達額を3割以下とし、地場産品に限る旨の制度改正を行いました。しかし、ギフト券や高額返礼品等の極端な自治体は制度から排除されましたが、3割以下での返礼品へのお墨付きとなり、税源流失をさらに長期にわたり固定化するおそれもあります。引き続き、寄附金控除の上限額の引き下げや、地方交付税による水平調整の仕組みの見直しなど、抜本的な制度改正を訴えてまいります。53億円という流出額は極めて重く、見直しの働きかけとともに内外に思い切った社会的な共感を呼ぶ事業への寄附の呼びかけなど、寄附文化の醸成に努めてまいります。

最後に、令和元年度一般会計第1次補正予算について申しあげます。

本年10月より実施が予定されている幼児教育無償化及び国によるプレミアム付商品券の発行事業などへの対応や、耐震再診断結果を踏まえた一部の小・中学校の改築、学校体育館への空調設備設置へ速やかに対応するため、歳入歳出それぞれ64億9,600万円の補正予算を計上するものです。

よろしくご審議のほどお願い申しあげます。

本議会にご提案申しあげます案件は、職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例など議案12件、諮問1件、報告7件です。

何とぞ慎重にご審議の上、速やかにご議決賜りますようお願いしまして、ご挨拶とします。

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