区長記者会見(令和4年11月21日)
最終更新日 令和4年11月29日
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令和4年11月21日(月曜日)、保坂展人(ほさかのぶと)区長が記者会見を行いました。
区長あいさつ
今年度7回目の記者会見を始めます。
世田谷区を本拠地として活動し、「ウォーキングサッカー体験会」や「スフィーダカップ」の開催等、区政にもご協力いただいている女子サッカーチームの「スフィーダ世田谷FC」が、2022年のプレナスなでしこリーグ1部で優勝しました。おめでとうございます。初優勝ということで、11月15日(火曜日)には、チームの皆さんに区役所を訪問いただき、優勝の報告を受けました。今後もサッカーでの活躍はもちろん、区内での地域貢献活動にも引き続きご協力いただければと思います。
次に、11月13日(日曜日)に開催した「世田谷区制90周年 第17回世田谷246ハーフマラソン」についてです。
一昨年度は新型コロナウイルス感染症の影響により中止となりましたが、今年は昨年度に引き続き、感染対策を講じながら実施しました。当日は、1,234名のランナーが参加し、駒沢オリンピック公園陸上競技場から国道246号を駆け抜け、多摩川沿いや玉堤通り等の緑豊かな世田谷の街並みを感じながら、約21キロのコースを全力で走られました。また、1,400名の定員に対して約4,000名の申し込みがありました。大会結果について、総合優勝の第1位は、国士舘大学のピーター・カマウ選手、第2位は青山学院大学の田中悠登選手、第3位は駒澤大学の吉本真啓選手でした。昨年に引き続き、ハーフマラソンのランナーを抽選とし、その他に、出走権を体験型記念品とした一口5万円のふるさと納税を募集して、最終的に95件、485万円のご寄附をいただきました。いただいた寄附金については、世田谷区スポーツ推進基金に積み立て、生涯スポーツの振興やパラスポーツ等に役立ててまいります。
次に、「世田谷区制施行90周年 令和4年度世田谷区子どもの虐待防止推進講演会&養育家庭体験発表会」の実施報告です。
10月里親月間・11月児童虐待防止推進月間のイベントとして、11月1日(火曜日)に、当日は、会場152人・オンライン39名、合わせて191名の方にご参加いただきました。第1部では、ミュージシャンのSUGIZOさんに登壇していただき、「今伝えたいこと~子どもたちの未来のために~」をテーマに、ご自身の活動を踏まえて、「子どもたちが安心して暮らすことができる社会を築くためにこれからも活動していきたい」ということや、里親についても、ご自身でいつかなりたいと希望されていること等お話しいただきました。第2部では、親の虐待や病気等、様々な事情で家族と離れて暮らす子どもを、自らの家庭に迎え入れて温かい愛情と理解を持って育てる里親の体験者とその実子の方、また、別の里親のもとで育った里子経験者の方に、養育体験を発表していただきました。第3部では、世田谷区児童相談所長も加えて、パネルディスカッションを行いました。ディスカッションでは、子どもたちの命を守るために何ができるのか、パネラーによる活発な議論を行いました。参加者からは、「里親の体験者とその実子の方や、里親家庭で育った子どもの体験談等の当事者の声のほか、SUGIZOさんの思い等を聞き、大変熱いシンポジウムだった」という感想が語られました。
次に、11月5日(土曜日)に開催したシンポジウム「『子どもがいきいきわくわく育つまち』ってどんなまち?」についてです。
当日は、110名の方にご参加いただきました。第1部では、東洋大学名誉教授の森田明美先生にご登壇いただき、「子どもの権利を具体化する世田谷区の挑戦」と題して、これまでに子どもの権利を巡って行われた区の取り組みについて、国連が定める子どもの権利条約の4つの一般原則と合わせてお話をいただきました。第2部では、子どもの人権擁護委員の半田勝久委員による「せたがやホッと子どもサポート」についての活動報告と、NPO法人せたがや子育てネット代表の松田妙子氏による「子どもの権利について考えるティーンエイジ会議」についての活動報告をいただきました。第3部においては、森田先生をコーディネーターに、私もパネリストとして参加して、区内で活動している大人のほか、児童養護施設出身で自らNPOをつくり社会的発信をされている田中れいかさん、ブローハン聡さん等を交えてパネルディスカッションを行いました。ここで議論されたことは、今後の子ども・若者施策に活かしていきたいと思っています。当日の内容は後日、世田谷区の公式YouTubeで配信する予定です。
次に、新潟県の津南町と十日町市への視察実施と自然エネルギー活用による自治体間ネットワーク会議の開催についてです。
実地調査として、津南町と十日町市へ10月26日(水曜日)から10月27日(木曜日)にかけて視察に行ってまいりました。ちょうどこの時期、この両自治体に跨る越後妻有(えちごつまり)では、全国に広がった地域芸術祭の始まりとなった「大地の芸術祭」が開催され、アート作品が街中や里山に点在していました。人々の暮らしとアートが融合された素晴らしい取り組みでした。津南町では、昨年8月にオンラインで実施した協定締結について、改めて確認式を行い、その後、小水力発電所等の施設を見学させていただきました。翌日は十日町市の関口市長にお会いして、十日町市の発電所を視察しました。この発電所は、松之山温泉の源泉にあたり、「地熱バイナリー発電所」という形で稼働を始めているとのことでした。この両自治体から世田谷区に給電いただいて、連携を深めている状況を視察することができました。今後もこのような取り組みを広げていこうと思います。翌日10月28日(金曜日)には、「自然エネルギー活用による自治体間ネットワーク会議」をオンラインで開催し、全国の自治体や団体等153名の参加がありました。今回は「脱炭素先行地域づくり」をテーマとして、環境省や川崎市、長野県企業局より、貴重な報告と意見交換をする機会をいただきました。参加された皆様には、再生可能エネルギーの活用拡大と脱炭素社会への政策に活かしていただき、世田谷区が先行して行ってきたエネルギーにおける自治体間連携の輪が、全国に広がることを期待しております。こちらも、世田谷区の公式YouTubeでアーカイブ配信する予定です。
次に、「世田谷のボロ市」でございます。
新型コロナの影響を受け開催ができない時期が続きましたが、3年ぶりの「世田谷のボロ市」を、12月15日(木曜日)、16日(金曜日)と1月15日(日曜日)、16日(月曜日)に開催いたします。今年度は、5年に1回の「市町代官見廻行列」を予定しており、当時の武将の装束を付けた行列がご覧になれます。詳細については、世田谷区のホームページまたはせたがやコールまでお問い合わせください。
次に、「世田谷ヤングケアラー・若者ケアラー支援シンポジウム」の開催についてです。
ヤングケアラーや若者ケアラーに対する支援者、区民及び職員等の理解を深めるとともに、当事者やその家族が必要な支援ができる環境づくりに向けたシンポジウムを開催します。12月15日(木曜日)午後1時30分から北沢タウンホールで行います。第1部では、日本女子大学名誉教授、一般社団法人日本ケアラー連盟代表理事の堀越栄子氏をお招きし、「ヤングケアラー・若者ケアラーの現状と抱えている課題、必要な支援」について講演をいただきます。第2部では、一般社団法人ヤングケアラー協会代表理事の宮崎成悟氏、社会福祉法人奉優会地域包括ケア事業本部本部長の川口有美子氏、きぬた子ども家庭支援センター子ども家庭支援課長の加藤より、ヤングケアラー・若者ケアラーに関する取り組みを紹介していただいた後、パネルディスカッションを行います。
発表項目
これから発表項目に入ります。
新型コロナ・インフルエンザウイルス同時流行に備えた区の対応について
まず、新型コロナウイルス感染症に対する取り組みについて、令和4年第4回区議会定例会へ補正予算案として提出する2点について報告いたします。
はじめに、区内の介護事業所等を対象とした社会的検査を継続実施しておりますが、この冬は、新型コロナウイルスの感染拡大や季節インフルエンザの同時流行等が懸念されることから、感染拡大防止のために令和4年12月末までとしていた社会的検査の実施期間を、令和5年3月末まで延長いたします。また、今後の感染拡大に備えて、区内保育園・幼稚園等の利用者及び同居する家族を対象に、抗原定性検査キットを今年の7月に配布したことに続きまして、(施設を通じて)一人に2個ずつ配布してまいります。
次に、区では8月からオンライン診療の確保として、オンラインで申し込 み、診療を受け、バイク便等により処方薬を自宅で受け取るといった仕組みを行ってきましたが、年末年始を含む第8波に備えたオンライン診療の体制確保の拡充にむけて、次の3つの対応を行います。
1点目に、オンライン診療体制の確保を継続して実施します。2点目に、新たに臨時の子ども専用の同時検査・診療所を確保します。3点目に、同時検査・オンライン診療体制を確保します。1点目のオンライン診療体制の確保について、8月10日(水曜日)より実施してきたオンライン診療体制を継続します。8月の開始当初は、150前後の申し込みがありましたが、現在は、申し込みの大幅な上昇はなく、主に10代後半から20代前後の利用となっております。今後、申し込みが増加するであろうとの予想のもと、オンライン診療体制を確保し、継続します。また、現在は、バイク便で、抗原定性検査キットを自宅に配達し、オンライン診療の後に、バイク便で薬もお持ちするという対応をしておりますが、今後の感染拡大を睨んで、12月8日(木曜日)以降は、処方箋をお近くの薬局に送付をし、薬局で薬を受け取っていただくという運用に変えてまいります。2点目については新しい取り組みで、子どものインフルエンザ、新型コロナウイルスの感染拡大により、クリニック等がひっ迫することが予想されるため、臨時の「小児専用同時検査・診療所」の確保にむけて準備を進めております。12月8日(木曜日)以降準備が整い次第実施します。インフルエンザ感染者の過半数が子どもであることも、この取り組みの根拠の一つとなっております。利用の流れとしましては、インフルエンザと新型コロナウイルスを同時に検査ができるキットを活用して、医師または看護師により検査を行い、検査の結果を受けて対面診療を行います。3点目も新たな取り組みで、大人用の同時検査・オンライン診療体制を確保します。区内3ヶ所程度での実施を予定しており、対象は、16歳以上の区内在住者及び高齢者施設や保育園等の社会的検査対象施設の職員となります。指定する場所にお越しいただき、インフルエンザと新型コロナウイルスの検査を同時に受け、検査結果をもとにそのうち1か所ではその場でオンライン診療を受けていただき、それ以外では検査後、検査結果に基づき自宅でオンラインの診療を受けていただくといった流れとなります。
区では今後も、新型コロナウイルスの感染拡大防止の対策に取り組んでまいります。区民の皆さんには、これまで以上に、体調管理に気をつけていただき、感染予防対策へのご理解ご協力をお願いしたいと思います。
世田谷区ふるさと納税の新展開について
次に、ふるさと納税の新展開についてです。
世田谷区では、ふるさと納税による区民税の流出が、令和4年度は87億円と昨年より17億円増加し、14年間の累計では364億円と大変多くの財源が流出しています。制度上、抜本的な見直しが必要だと特別区長会等を通して主張してきましたが、見直しの議論は進んでいません。そうしたことも踏まえて、区ではこれまで返礼品競争には加わらない方針で、社会参加型・地域貢献型の寄附を募ってきました。例えば、児童養護施設を退所した18歳以上の若者を支援する取組み「せたがや若者フェアスタート事業」の基金に累計2億円以上の寄附をいただくなど、これまでに累計15億円の寄附をいただいています。
しかし、行政需要が多様化する中、流出額の累計が364億円となる状況を踏まえて、区として方針を変更し、世田谷のまちと産業の魅力を全国に発信しながら、返礼品を充実させて、本日特設サイトを開設することにしました。
内容を紹介していきます。区内には全国でも抜きん出た実力を持つ事業者がいらっしゃり、返礼品として全国的にも有名な逸品をそろえることができ、ラインナップは約100品目に及びます。世田谷で生まれ、全国的に知られるようになったモノ、コトを、ふるさと納税を通してアピールしていきたいと思っています。返礼品の一部ですが、一つ目は、尾山台に店舗を構える、日本におけるフランス菓子の第一人者である河田勝彦(かわたかつひこ)シェフの「オーボンヴュータン」から焼き菓子の詰合せを提供いただいています。次に、オーダーカットで和牛を提供する「精肉店TOKYO COWBOY(東京カウボーイ)」から、お店で調理したローストビーフを提供いただいております。最後に、品物ではなく体験型の返礼品として、2020年9月に小田急線世田谷代田駅に隣接する立地に開業した「由縁別邸 代田」から、旅館に宿泊できる宿泊クーポン券を提供いただいております。箱根から運ぶ温泉を楽しめる露天風呂つきの大浴場と茶寮、割烹からなり、連日賑わっていらっしゃいます。今話題のドラマの撮影地も近く、様々なニーズでご活用いただきたいと思います。そのほかにも「二子玉川エクセルホテル東急」や、「マスタードホテルSHIMOKITA」等、様々なメニューを用意しました。ぜひ新しい取組みで成果を上げたいと思っています。
世田谷区パートナーシップ宣誓の拡充について
続いて、「世田谷区パートナーシップ宣誓」の拡充についてです。
こちらは、7年前の2015年に全国で初めて、渋谷区と同時に始めた取り組みです。現在では累計206組のパートナーが宣誓されています。全国の状況を見ますと、9月30日(金曜日)現在で241自治体に上り、人口カバー率は50%を超えて、55.6%に達しています。11月からは、都も制度を開始したことで制度適用人口が7,800万人台半ばまで増えました。そして、区においてもパートナーシップ宣誓の制度をより使いやすくしようとバージョンアップしました。
11月1日より、「世田谷区パートナーシップ宣誓」を拡充しまして、「世田谷区パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓」へと新しくなりました。主な変更点として、1点目に対象者の拡大です。対象を同性パートナーに限定していたところから、パートナーの双方または一方が性的マイノリティであれば宣誓いただけるよう拡大しました。2点目に、ファミリーシップ宣誓の新設です。パートナーお二人のお子さんや親御さんとともに宣誓いただけます。3点目に、宣誓書受領証に通称名を印字できるようになりました。宣誓書に記載いただくことで、交付する宣誓書受領証へ通称名も印字します。
会見にご出席の皆さんに、これからの世田谷区パートナーシップ宣誓書受領証を配付しています。この宣誓書受領証は、当事者のお二人がパートナーシップをもって、お互いを尊重していくことを宣誓し、その宣誓書を受領した証明書になります。これに加え、新たにファミリーシップ宣誓書も作りました。ファミリーシップ宣誓書では、新たにお子さんあるいは、ともに暮らす親御さんを、家族であると宣誓していただき、その受領を証明するものです。利用者の利便性を考慮して、様々な機会にご活用いただけるカード型の受領証です。
区ではこのほか、同一世帯であること、パートナーシップまたはファミリーシップ宣誓書受領証を提示することを要件として、パートナーをはじめお子さんや親御さんについて、住民票の続柄を「縁故者」と記載できるようになりました。
都とも11月1日付けで協定を締結し、区の行政サービスにおいて都の受理証明書が、また都の行政サービスにおいて区の宣誓書受領証が相互に活用できることとなりました。今後も都や他自治体と連携を図りながら、多様性を認め合う社会の実現に向けて進んでいきたいと思います。また、国の制度にはまだ及んでいない状況が1日も早く変化することを望んでいます。
最後に、宣誓の記念に写真を撮っていただけるフォトパネルも用意しています。
私からの発表は以上です。
質疑応答
- 記者
ふるさと納税について、行政需要が多様化する中で方針を変更したということだが、その理由を具体的に教えていただきたい。
- 区長
区として、ふるさと納税を全面的に否定しているわけではない。ただし、一定の上限が必要ではないかということと、税制改正によって住民税の控除限度額が個人住民税所得割額の2割に引き上げられたため、元の1割に戻してはどうかということを、再三、総務省へ申し入れしてきたが、なかなか変わらない。一方で、流出額は継続して上昇しており、1年で87億円という財源が流出していく状況にある。また、物価高もあり、生活のために利用しなければならないという思いも理解できる。
今回紹介した返礼品は、区民が選べるものは少なく、多くは区外の方々に選んでいただくことになるが、流出した財源を一部でも取り戻して財源を確保するため、昨年から議論を重ねた結果、方針転換した。ただし、区ではこれまで社会参加型・地域貢献型の寄附に取り組んできたこともあり、何でもありではなく、世田谷ならではの返礼品を選定している。今回紹介したのは一部で、約100品目の返礼品をそろえた。これらをどれだけ選んでいただけるかは、これからの我々の努力次第と思っている。
- 記者
関連して、区内事業者から、返礼品に選定してほしいといった声はあったか。
- 区長
区内事業者については、以前から「世田谷みやげ」の取組みがあり、そこに登録されることで注目度が高まり、売り上げにも少し貢献したとも聞いている。今回の返礼品の選定では、「世田谷みやげ」にリストアップされているものも考慮に入れつつ、それ以外の品々にも範囲を広げて検討した。約100品目でのスタートだが、今後は、反応を見ながら拡大していきたいと思っている。
- 記者
民間のふるさと納税のWEBサイト等の利用ではなく、独自のWEBサイトを新設したのは、返礼品競争には加わらないという位置付けや狙いがあるのか。
- 商業課長
「ふるさとチョイス」や「さとふる」などの民間のふるさと納税のプラットフォームサイトも活用しているが、区ではこれまで返礼品を出していなかったこともあり、完全に後発であり、こうしたプラットフォームサイトの中では完全に埋没してしまう。今回、このような取組みを今年度から開始したことをアピールするため、改めてWEBサイトを新設したという経緯である。
- 記者
プラットフォームサイトは具体的にどこを使用しているか。
- 経営改革・官民連携担当課長
「ふるさとチョイス」と「さとふる」を使用している。今回追加された新たな返礼品は、現時点で「ふるさとチョイス」で選択できる。「さとふる」は、手続き上時間がかかるということで、まだ対応していない状況である。
- 記者
新型コロナウイルス感染症の対策について、3つの体制整備の発表があったが、それぞれ1日あたり何名程度の受け入れが可能か。
- 保健福祉政策部次長
まず、今までも行っていた「オンライン診療」は、1日あたり40名から80名程度。次に、「小児専用同時検査・診療所」は1日最大で80名程度。もう一つの「同時検査・オンライン診療」は3か所程度で、1か所あたり40名程度を想定しており合計120名程度と考えている。
- 記者
新型コロナウイルス感染症・インフルエンザウイルスの同時流行の関係で、小児専用診療所の設置は、他自治体と比べても珍しい取組みかと思うが、第8波と、インフルエンザとの同時流行に備えなければならないという点で、区長の考えを聞かせていただきたい。
- 区長
現在はまだ同時流行に入った段階ではないが、オーストラリアの事態等を見ると、十分想定され得るという意見、予測が、医師会や各専門家、区の保健所からも出ている。そして、小児科のクリニックは数が少ないこともある。そうした状況で同時流行となると、インフルエンザか新型コロナか分からない親子連れがクリニックに殺到することが予想され、キャパシティオーバーになる。前回の第7波でも同様のことが発生しており、子どもの場合はり患しやすいと言われるので、高い確率でこうした状況が発生するのではないかと考えている。そのため、子どもの診療を受け止める臨時の診療枠組みを作ろうと、8月から検討を開始し準備を進めた。ここまでの体制が必要なかったという結果であれば、それはそれで嬉しいことだが、これで間に合うのかという不安もある。
- 記者
パートナーシップ制度の拡充について、ファミリーシップ制度はどういった場面での利用を想定しているか、また、今回拡充した意義を伺いたい。
- 区長
区でパートナーシップ宣誓をした方々のなかには、女性同士でそれぞれお子さんがいる方や、どちらか一方がお子さんを育てながら宣誓される方もいる。今回の発表の中でもSUGIZOさんが講演された養育家庭に関するイベントを紹介したが、今後、養育家庭等になっていただくことも少し視野に入れている。今回のファミリーシップ制度をどのくらいの方々が宣誓されるかが着目点だと思う。
- 生活文化政策部長
区として関係性を認めることで、子どもや親との関係性にまつわる、生活のなかの様々な煩わしい部分を解消する意味があると考えている。
- 記者
定例記者会見からフリーの記者が排除されてしまった問題について、伺いたい。前回10月24日(月曜日)に開催された定例記者会見の翌日、排除されたフリーの記者に対し、秘書課長より連絡があり、不快な思いをさせて申し訳ないという保坂区長からの伝言があった。区長も同じ認識か。
- 区長
フリーであるため会見に入れないという説明に、結果としてなっていたということに対し、本意ではないし、これをお詫びしたいと伝えた。現在もお詫びをしたいと思っている。
- 記者
記者会見会場のスペースには限りがあり、感染症拡大防止対策として記者同士の間隔をしっかりと開ける必要があるためとして、定員が10名に限定されている。この件について、区長として職員に改善するように指示をしたのか。記者同士の間隔を確保した上で、より大勢の記者が参加できるような検討を指示したのか。
- 区長
現在、新型コロナウイルス感染症の第8波が拡大している。区の管理職会議においても、原則オンラインに切り換える等、なるべく接触の機会を減らすことで行っている。新型コロナウイルス感染症が終息したら、通常の形に戻したいと思っている。10名は少ないように感じるかもしれないが、様々な質問を受け、それに回答する区の各管理職やYouTube配信など、10名のほかに区の職員も様々な役割で会場内に入っているため、現状ではやむを得ないと思っている。
- 記者
第1庁舎の目の前にある第3庁舎にはブライトホールというイベントスペースがある。過去には、定員60名のセミナーを開催し、映像の中継配信がされた実績もあるようだ。平面図を確認したところ、この会場の4倍以上はあった。記者の距離を確保しつつ、定員を大幅に増やし、映像の中継もできる場所が目の前に存在するのではないか。
- 区長
11年以上、区長としてこの庁舎の中で仕事をしているが、4倍というほどの広さは無いのではないか。また、記者会見の直前まで、発表項目に従って、様々な調べものや指示を行っている。現在の会見場は、これでも本庁舎の中では広い部屋である。新庁舎完成後、もう少し広いところができるかもしれないが、現状ではご理解いただきたい。
- 記者
会見では、記者に対し質問内容の事前提出を要求している。区長は、過去に内閣総理大臣記者会見における質問の事前提出を批判されていた。予定調和の質疑に終始する記者会見に違和感を持つ、記者が事前に質問を伝えて官僚がつくった回答の原稿を読み上げているだけで自分の言葉で語っていないと、批判的な言葉を多数ツイートされていた。ご自分の会見においては、質問内容の事前提出を要求し、開催案内にも明記している。なぜ質問の事前提出を要求するのか。
- 区長
質問の事前提出は、質問内容を全部出してくれという趣旨ではない。記者の方は会見において区政に対する様々なご質問があろうかと思う。できるだけ時間を無駄にしないために、その問題について答えられる管理職を会見に参加させるなどの手配をしたいということが理由である。
- 記者
質問の事前提出を要求することに対して、区長は、予定調和の質疑に終始する記者会見に違和感を持つと実際批判されていた。
- 区長
今このやりとりは予定調和か。
- 記者
発表項目の内容については、予定調和だと感じる。発表項目以外の一般質疑が始まったのは、会見終了予定時刻の10分前を過ぎたあたりであった。
- 区長
それはやむを得ないのではないか。
- 記者
次回以降、会見の質問について、事前提出を記者に要求しないように改善をしていただきたい。
- 区長
事前提出について、質問内容を全て提出してほしいとは言っていない。取材の趣旨を聞くということは、これまでもやってきたことである。趣旨を聞きとり、それにお答えできる体制をなるべく作っておきたいという目的である。簡潔なもので結構だが、それが提出できないということであれば仕方がないと考える。
- 記者
東京都が、都全体の図柄付ナンバープレートの導入を目指している。区では、以前より世田谷ナンバーを始めているが、導入が大きく伸びてない現状があるかと思う。今回の都全体のデザインの導入に関して、どのように受け止めているのか。また、今後の世田谷独自の図柄の普及拡大に向けて、意気込み等を伺いたい。
- 区長
図柄入りナンバープレートは、ナンバープレートにオリジナルのデザインを入れて寄附を募っていくもので、区が提案した経緯もある。国土交通省も、カリフォルニア州にあるヨセミテ国立公園のような、シンボルとして機能していた事例を想定していたと思うが、現状は、寄附自体が、はっきりした形が見えてこない制度になっているため、もう少しわかりやすい制度に変えて欲しい。
世田谷ナンバープレートがあまり伸びていないのは我々の努力不足もあると思うので、辛抱強くPRしていきたい。1回決めたデザインが絶対的ということではないため、より良いものに変えていくことも将来検討できるかと思っている。
- 記者
区史編さん事業において、著作権侵害が発生しているが、それに対して、区長としての責任と今後の進め方について伺いたい。
- 区長
区史編さん事業については様々なトラブルがあったと聞いているが、質問するにあたり何がどのように著作権侵害されたのかを指摘していただきたい。今回の質問は一度預かり、改めて回答させていただく。
- 記者
区史編さん事業において著作権侵害を受けたとされる方が、区からパワーハラスメントにあたる言動があったということが区議会でも問題になっているかと思う。このようなパワーハラスメントが起こったことについて、現在でも適切な対応がされていないが、なぜなのか伺いたい。
- 区長
ご質問の内容について、例えば区がどのように抗議を受けているかなど、具体的な区とのやり取りなど詳細を把握してお答えした方が良いと考える。なお、区では、職場におけるハラスメントについての規定を設けており、対外的にも行わないよう努力している。
- 記者
前回の記者会見への参加を希望して当日、会見場にも来たが、フリーランスであることを理由に会場の入口で広報広聴課の職員により排除された。区長も長年フリーランスのジャーナリストとして活動した実績がありご理解いただけると思うが、明らかにフリーランス差別であり、フリーランスの取材・報道の自由を侵害したと思うが、そのような認識はあるか。
- 区長
私自身、フリージャーナリストを排除するという考えはない。これまでも取材趣旨等を伺ったうえで参加していただいたこともある。前回の記者会見では、お二人の参加の申し入れに対して、結果として記者会見場に入れなかったこととなり、またフリーランスであることを理由に参加できないという認識を与えたこと、ご不快な思いをさせたことについては、誠に申し訳なく思っている。前回の当日のやり取りについては記者会見の後に知ることになり、謝罪の連絡をするように秘書課長に指示をし、今回については、フリージャーナリストも参加できるように案内した。
なお、定員10名という制約は、新型コロナウイルス感染症の第8波への対応ということで、ご理解いただきたい。また、今回は、報道各社に限らずフリージャーナリストも4名参加していただいている。参加できなかった方の中には、フリージャーナリスト以外に報道各社の方もいて、YouTubeで配信をご覧いただいているので、ご理解いただきたい。
今後は、フリージャーナリストであることを理由に会見に参加できないということはないよう徹底していきたいと思う。今回、そのような対応をきちんと伝えられなかったことについては、私の責任である。謝罪申し上げる。
- 記者
記者会見会場に初めて入り、記者席よりも公務員席が広く人数も多く驚いた。これでは記者数を10名としなければいけないと感じた。昔から保坂区長を存じ上げている私としては、なぜこんなに職員に頼るようになったのかが不思議だが、どのように考えているのか。
- 区長
区には92万人近い区民が暮らし、区役所では様々な事業や住民サービスを行っている。その全てを熟知しているわけではなく、例えば、事業のより詳細な内容となると、各担当管理職で対応するよう出席してもらっている。具体例を言えば、インフルエンザと新型コロナウイルス感染症への対策で、有効状況はどうなのかという質問が予想される場合に備えて保健所長にも参加してもらっている。区長として発言するべきことは話しており、質問の全てを管理職に答えてもらうような対応はしていないつもりである。
- 記者
本日の記者会見に参加を申し込んだが、先着順のため参加できなかったフリージャーナリストがいる。その方と私と区長が同席して何年か前に会食をした際に、区長が国政復帰の考えもあると話されていたと思う。実際に区長のツイッターでは、国政に関する不満などが様々投稿されている。仮に国政に復帰するとしたら、今、国政で何をしたいか、今の国政のどこが一番問題か伺いたい。
- 区長
私は元衆議院議員で15年ほど、例えば入管や操業系施設内の問題など、様々な人権問題について、他の議員があまり取り上げないことも問題提起してきた。現在は、世田谷区で推進している様々な事業や土台になっているプロジェクトにおいて責任のある立場のため、基本、区長としての仕事をしていく考えだが、永田町の問題や総務大臣の更迭など、国の動きについても常にアンテナを立てており、外部に発信することの中に、国政に関する事項が多いことは事実だと思っている。だからといって、国政に傾いているというわけではない。
今の国政に足りていないものとしては、例えば、新自由主義政策による様々な矛盾や陰の部分が全面的に出てきているのではと思っている。特に格差の問題については深刻だ。児童養護施設の奨学金支援等について区で取り組んでいるが、経済構造をもう一度政治の力で元に戻していき、格差を縮めるような政策を更に強く打ち出して欲しい。そこが、あえて問われると仮定すれば、国政へ望んでいることである。
添付ファイル
- 会見スライド資料(PDF形式 6,610キロバイト)
- 1_今後の新型コロナ・インフルエンザウイルス同時流行に備えた区の対応について(PDF形式 141キロバイト)
- 2_世田谷区ふるさと納税の新展開について(PDF形式 201キロバイト)
- 3_世田谷区パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓の拡充について(PDF形式 136キロバイト)
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電話番号 03-5432-2010
ファクシミリ 03-5432-3001