区長記者会見(令和4年7月22日)

最終更新日 令和4年8月1日

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会見を行う区長
記者会見の様子

令和4年7月22日(金曜日)、保坂展人(ほさかのぶと)区長が記者会見を行いました。

動画はこちらからご覧になれます。新しいウインドウが開きます

PDFファイルを開きます会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。

区長あいさつ

皆さんこんにちは。第4回目の定例記者会見を始めます。

まず、新型コロナウイルス感染症の感染拡大についてです。こちらのグラフのとおり、昨日7月21日には、以前の第6波をはるかに上回る人数、2,807人の発生届が出されています。区の感染者数の推移は、都と相似しています。感染者数が急速に拡大しており、夏本番を迎え、人の流れも活発な時期です。昨日、都の小池知事に要望書を提出しましたので、主な部分を紹介します。

1点目は、第7波に向けた体制強化です。うちさぽ東京(自宅療養サポートセンター)や、自宅療養者フォローアップセンターの回線数増加や、対象者拡大などを通して、第7波を迎え撃てる体制を整えていただきたいということです。

2点目は、都の無料PCR検査から医療へのアクセスです。現在、世田谷区内でも、都のPCR検査等無料化事業において、川崎重工グループによる、自動PCR検査ロボットシステムを利用した無料PCR検査を実施していただいています。一時は、検査希望者が減少していた時期が続きましたが、現在は大変混雑していると聞いています。

この無料PCR検査で、陽性疑いと結果が出た場合、陽性疑いについては、その後、確定診断を受ける必要があります。その際に発熱外来など医療機関が大変混雑している状況であり、ここのフォローが必要ではないかということです。無料PCR検査センターで、陽性疑いの方に対して、例えば、電話やオンライン診療等で確定するというような体制を整えてほしいと思います。

3点目は、これからお盆休みの期間となり、お休みを予定している診療機関もあるかと思いますが、年末年始の時のように、都の独自加算での協力金等による医療・診療体制の強化もやっていただきたい。

4点目は、この新型コロナウイルス感染症は、感染症法上の2類と分類されています。5類が良いかというと、それはそれで問題があるかと思いますが、現在の取り扱いで、指数関数的に感染者が増える状況では、なかなか回らなくなってくると思います。都の判断というよりは、国で変えていかなければいけない部分ですが、そういった意見も出しています。

5点目以降は、医師会との調整になりますが、地域医療も大変ひっ迫していますので、ここをフォローする体制を整えていただきたい。それから、報道等でもオミクロン株は比較的軽症の方が多いと言われていますが、そのなかでも重症化する方の多くは、やはり高齢者です。高齢者といえば、高齢者施設が大変リスクが高く、世田谷区もPCR検査やワクチン接種などにより、高齢者施設を守る取組みをしてきました。これに対して、陽性者が発生した時にただちに訪問して診察するような体制を、都全体でカバーできるようにしていただきたい。そして、妊婦の方や人工透析を受けている方など、それぞれの専門医療のネットワークとコロナ対策をつなげて、しっかり取り組んでいただきたい、という点を書面で要望させていただきました。

さて、区のまちづくりの話題に入りたいと思います。

たびたび記者会見でも取り上げていますが、小田急線の線路の地下化による上部利用について、全体像がかなり見えてきました。前回の記者会見でもお伝えしたとおり、5月末には小田急線の「下北線路街」が全面オープンしました。また、京王電鉄の「ミカン下北」もオープンしています。2キロメートル近い工事区間で残るのは、時間を要する駅前広場等です。明日7月23日に、世田谷代田駅との間に「シモキタ雨庭広場」がオープンします。この広場には、雨が降ると水がたまる「レインガーデン」が整備されていますが、これは世田谷区の公園等でも積極的に整備しているものです。明日、7月23日午前11時から、オープニングイベントを開催する予定です。

次に、下北沢駅周辺で長期間工事が続いておりますが、これまでの下北沢のにぎわいを絶やすことなく、まちの魅力アップ、活性化に向けて、地元商店街を中心に駅前周辺で様々な試みやイベント等が行われてきました。今回、こうした取り組みを始め、個性的で多種多様な文化にあふれた下北沢を、地域内外に発信していくことを目的に、「下北沢オリジナルロゴデザインコンテスト」が企画されています。商店街中心の企画ですが、世田谷区も応援していきます。下北沢にふさわしいロゴを公募し、グランプリ受賞作品はTシャツ等に使用して地域を盛り上げていくとのことです。公募期間は、本日7月22日より9月30日までの約2か月間で、グランプリの発表は10月下旬から11月上旬頃を予定しているとのことです。審査員には、世田谷まちなか観光アドバイザーを務めていただいている今村さまをはじめ、様々な分野で活躍している方が務められます。下北沢は、世界的なガイドブックである「タイムアウト」において、世界で最もクールなまちの2番目に取り上げられましたが、今回様々な施設ができ上がってきたことを踏まえ、さらなるまちづくり参加の機会にしていきたいと思っています。

次に、基本計画の検討状況についてご説明します。

世田谷区では、平成25年に世田谷区基本構想を策定しました。この基本構想をもとに策定された現在の基本計画は、令和5年度で終わりとなるため、令和6年度からの次の10年間の基本計画について、議論を開始してまいります。

検討体制については、区民検討会議、議会、様々なステークホルダー、基本計画審議会で議論を重ねながら、内容を作り上げていきたいと思います。

区民検討会議は、多くの区民の方々から関心・お申し込みをいただき、公募と無作為抽出により選出した計49人の方を委員といたしました。明日7月23日から、ワークショップ形式による会議を、リアルとデジタルのいわゆるハイブリッドで開催いたします。10年後の区の将来像や区民参加のあり方について、議論をいただきたいと思っております。

明日が1回目、8月6日が2回目、8月20日が3回目ということで、ハイピッチに議論が進められ、その後、49人の委員の中から5人の方を基本計画審議会の委員に選出いたします。基本計画審議会は、9月から始まり、概ね月1回のペースで全8回開催し、来年の3月には審議会からの答申を受ける予定になっております。

次に、総合教育会議の開催です。

世田谷区では、法律に基づき、総合教育会議を開催しております。

総合教育会議は、区長と教育委員会が、学習指導要領における「主体的・対話的で深い学び」とはどういうことなのかといった話を議論したり、様々な教育政策の方向性などについて、外部の方に問題提起をしていただきながら、オープンな場で議論する場として、これまで年2回開催をしてまいりました。

今年は、「コロナ後を見据えた学びの変化について」をテーマに、7月30日に開催します。オンラインでの視聴は、500人まで参加が可能ですので、多くの皆さんに参加していただきたいと思います。

第1部の基調講演では、お二人の方にお話をしていただきます。

初めに、下北沢小学校の校長で、全国連合小学校長会長の大字弘一郎(おおじこういちろう)さんから、「学校現場における子どもの変化」について話していただきます。次に、東京大学名誉教授で、せたがや文化財団理事長の青柳正規(あおやぎまさのり)さんからは、「コロナ後を見据えた学びの変化」について講演いただき、コロナという大変大きな異変と子ども達の育ちや教育といったことについて、問題提起をしていただきます。

発表項目

ここから発表項目になります。

「せたがやPay」による消費喚起策の拡充について

世田谷区では、コロナ禍や物価上昇により区内経済が疲弊していることを踏まえて、「せたがやPay」を活用した、緊急経済対策を実施してまいります。

現在、国や都は補正予算を編成し、自治体が活用可能な支援策を示したところです。今回、都がキャッシュレス決済型のポイント還元事業という補助事業「生活応援事業」を実施することから、その補助金も利用し、もともと予定していた「せたがやPay」による消費喚起策のキャンペーンを、さらに拡充して行います。

当初、今月7月から9月までと10月から12月までの期間、区内中小個店で買い物をした際に、利用者に20%のポイント還元を行う予定でした。都の予算もついたため、ポイント還元率を30%に引き上げて開始し、実施期間も7月22日から令和5年1月末までに拡充します。

予算規模も、当初の1億円から9億円に拡充して実施する予定ですので、多くの方にご活用いただけると思っております。飲食店等をはじめとする中小個店に対する支援であり、区民生活の応援ということにもなります。

新型コロナワクチン住民接種の実施状況について

まず4回目の接種状況を報告します。

5月25日から始まった4回目接種は、60歳以上の方が、7月21日時点で31,434人、約13.3%の方が接種済みで、まだ本格軌道に乗ったとは言えませんが、これから集中的に予約が入っていますので、今後、接種を進められると思っております。

75歳以上の方の4回目接種率は16.7%となっています。オミクロン株のBA.5は恐ろしい感染力があり、高齢者の方には重症化のリスクがあることから、4回目接種に効果を発揮してもらいたいと思います。

4回目接種について、集団接種では9会場で、個別接種ではクリニック等約300か所の区内医療機関で実施しています。

高齢者施設については、いの一番で4回目接種も行っております。5月30日から特別養護老人ホームを皮切りに接種を開始し、現在まで31施設で、約1,100人の方に接種をしております。

障害者施設については、この高齢者施設の巡回接種チームを活用し、対象施設82施設に対して、7月14日より接種を開始しております。

また、4回目接種の対象が拡大されます。当初、高齢者施設の入所者に対して、4回目の接種を行うのであれば、介護に携わる職員の方も当然対象にするべきだと言ってきました。この度、オミクロン株の感染拡大を受け、医療従事者と高齢者施設従事者に接種対象を拡大する方針が示されました。本日7月22日の午前に、厚生労働省の厚生科学審議会が行われ、正式に決定されたため、7月15日からの接種券の申請受付を開始しました。

次に3回目接種についてです。65歳以上の方の接種率が約88%に達しているのに対し、20代では約44%、30代では約53%と、活動的な若い世代、或いはお子さんたちは、まだまだ3回目の接種に至っていない状況です。

そこで、3回目接種促進の取り組みとして、武田社ワクチン(ノババックス)を使用した接種にも取り組みます。8月20日と8月28日に、それぞれ約400回分と約500回分を準備しました。これまで、副反応等が心配で接種を控えていた方も含め、接種の機会を作りたいと思います。

続いて、7月から実施しているウィークエンド夜間接種について、7月末までの実施予定でしたが、8月中も引き続き実施いたします。

また、3回目が未接種者の方に対し、8月中を目途に接種の勧奨チラシを発送する予定です。ワクチンについては以上です。

「せたがやホッと子どもサポート」について

次に、区が長期的に取り組んでいることに触れたいと思います。「せたがやホッと子どもサポート」(以下、「せたホッと」)についてです。記者の皆さんに「せたがやホッと子どもサポート活動報告書〈令和3年度〉」を配付していますが、子どもの人権擁護機関として長らく活動しており、いじめや暴力等から子どもを守る、そして、子どもの立場に立って権利擁護、地位救済を図るための独立性のある第三者機関として、子どもの立場で相談に耳を傾け、一緒に解決方法を考えるということで運営しています。

「せたホッと」は特に、子どもたちによく知られているということが特徴です。子どもたちが参加するお祭りなどで、「せたホッと」を知っているか聞いてみると、「知っている。」という答えが返ってきます。年2回、周知のためのカードを配っており、子どもたち自身からの電話やメール、最近ははがきも用いて、様々な相談を受け付けています。

「せたホッと」の特徴の一つとして、いじめ、からかいや嫌なことを言われる等で、学校に行くのが辛いといった訴えを受けたときに、内容次第で、相談を受ける臨床心理士等の資格を持つ相談・調査専門員の方々が、何らかの即時対応が必要だと判断すると、3人の子どもサポート委員に相談します。例えば、仲間はずれにされ、学校に行きたくないであったり、先生が分かってくれないだったり、親との関係がまずい状態になってしまったり、といった声を受け、これは大事だと判断すると、条例で位置付けられた、大学の先生や弁護士である3人の子どもサポート委員(月田みづえさん、半田勝久さん、平尾潔さん)の1人が、相談・調査専門員とチームを組んで対応します。例えば、いじめや暴力があったという訴えがあった学校に訪問して、校長先生や担任の先生と会って、何度か協議を重ねながら修復を図っていくという、いじめ解決活動を実施していることが特徴です。

第三者機関だからといって、どこかに発表して終わりということではなく、現にいじめなどで苦しんでいる子の環境が改善されることを目的として、アドバイスや補助など様々なことを行っています。この「せたホッと」を通して、何とか状況を改善したという学校がいくつもあります。そうした取組みが一段落すると、今度はいじめの授業を、主に平尾先生が学校で行います。発足当初は、学校の中に、教育委員会や学校と異なる組織である「せたホッと」が入ることに、違和感等もあったと聞いていますが、今やすっかり定着し、逆に、学校から「せたホッと」へ相談があるということも起きております。

夏休みに入りましたが、夏休みから特に9月1日、2日にかけて、多くの子どもたちが、学校生活を前に戸惑ったり、心が揺らいだり、あるいは残念なことに、自ら命を断つという子どもたちもいます。困ったことがあったらぜひ相談してほしいです。こちらのフリーダイヤル(0120-810-293)、メール、はがきやFAX等でお寄せいただき、夏休みで時間がある時に、解決の糸口を掴んでほしいと思っています。相談時間は、月曜日から金曜日までの午後1時から午後8時まで。土曜日は午前10時から午後6時までです。日曜日と祝日・休日、年末年始がお休みです。新規相談の実績は、電話がとても多く、はがきでの相談も件数が伸びています。令和2年度は相談件数が少なかったですが、新型コロナの影響で学校が休みになったことで、学校に居る時間自体が少なくなり、子ども同士のトラブルについては減少したのではないかと思われます。子どもの権利が法制化され、子ども家庭庁の設置が決まったという時期でもあり、第三者機関がどういった役割を果たしているかの実例として紹介しました。

最後に、イベントの紹介です。

はじめに、3年連続で中止となった「世田谷区たまがわ花火大会」の代替イベントとして開催する「世田谷区制90周年たまがわスカイランタン&ミニ花火フェスティバル」についてお知らせします。開催日時は、令和4年10月1日(土曜日)の午後6時から午後7時です。スカイランタンの打ち上げは、無病息災を祈る民族風習としてアジア等で行われており、空に上がっていく姿は幻想的です。ミニ花火は、30メートルほどの高さまで打ち上がるもので、通常の花火大会で見られるような大型の花火ではありませんが、楽しんでいただけると思います。

続いて開催方法ですが、密にならないよう人数を制限して実施するため、完全チケット制として、無料の観覧席は設けません。スカイランタンの打ち上げについては、300基販売予定で、チケット1枚で4人で入場可能です。ミニ花火ショーについては、2人用シート席と1人用椅子席の2種類で、合計3,000人分の観覧席を販売する予定です。チケット情報の公開は8月15日(金曜日)、チケット販売は8月22日の週を予定しています。

次に、東京2020大会1周年記念イベントについてです。

大会後のレガシーの取り組みとして、スポーツに対する関心や気運の高まりを一過性のもので終わらせないよう、無観客で会場での観戦ができなかった競技を身近で観戦・体験するイベントを、アメリカ選手団がキャンプ会場として使った総合運動場で8月13日(土曜日)に開催します。

観戦は3つの競技を予定しています。画面に表示されているのは、イベントに出演されるアスリートの皆さんです。車椅子バスケットボールは、東京2020大会銀メダリスト2名が在籍している「パラ神奈川SC(スポーツクラブ)」のチームの皆さん、アーティスティックスイミングは、リオ五輪日本代表で銅メダリストの三井梨沙子さんと、箱山愛香さんにご参加いただきます。アーバンスポーツはBMX、フリースタイルバスケットボール、ストリートダンス、ダブルダッチを、世界大会日本代表選手を始めとした、トップアスリートに参加していただきます。

次に、「世田谷区・川場村縁組協定40周年記念イベント~想いを結んで空に~」をご説明します。これは、群馬県川場村で、8月20日(土曜日)と翌日21日(日曜日)にかけて川場村中央公園周辺と区民健康村なかのビレジ周辺で開催します。イベントの開催概要としては、物産展、子ども遊びコーナー、スタンプラリー、バードゴルフ体験、ステージイベント、スカイランタンの打ち上げなどを行います。

次に、区民の皆さんに事前募集した体験イベントですが、20日(土曜日)は川場村の伝統工芸品の生品ほうきづくり体験、区と村の小学生によるサッカー交流教室、村内の史跡・名所巡りバスツアーを行います。翌21日(日曜日)には、「友好の森」の歩道整備を川場村の方と一緒に行います。募集は既に終了しており、23組74名の区民の方にご参加いただく予定です。

以上、イベントについてご案内しましたが、新型コロナウイルス感染症の広がりと影響を注視し、安全を優先に判断してまいりたいと思います。 

質疑応答

  • 記者

「シモキタ雨庭広場」でのレインガーデンについて、これは、豪雨対策などの防災の取り組みの実証実験として整備されたものか。効果的であれば今後もこういった機能を持たせていくのか構想があれば伺いたい。

  • 区長

区では、グリーンインフラ政策を、公園や土木、道路などの様々な所管が連携して進めている。豪雨対策としては、氾濫が予想されるところに貯水池をつくるというハード面の整備もあるが、これには非常に時間がかかる。

一方で、区民全体の取り組みとして、雨水を下水に流さない、或いは下水に流すとしても時間差を設けることで、下水のキャパシティオーバーなどを抑制する都市構造にできるだけ早く転換していきたいと考えている。例えば、上用賀公園には大きなレインガーデンがある。また、街中の公園では、子どもの遊び場のようなえぐった形にくぼ地が作られており、雨が降ると水が貯まる構造になっている。うめとぴあ(区立保健医療福祉総合プラザ)では、建物に降った雨が下水に入るまでに時間差を設ける構造が機能として整備されている。レインガーデンは機会があれば作るという考え方で進めているが、今回の下北沢線路街において、レインガーデンを見るのが初めてだという方も多いと思う。

都市水害において、下水をいくら太くしても、多摩川自体の水量が上がってきてしまうと、流すことはできない。グリーンインフラは、1軒の家で取り組んでも効果はほとんど見えてこないが、100軒、1,000軒、5,000軒と広まっていけば、効果が表れるだろう。

区では、雨水タンク設置助成等を40年程前から行っている。当時は世田谷ダムなどと呼ばれ、都市水害対策というより国分寺崖線の湧水を保全する対策であった。40年前から区が行ってきたこの取り組みを、昨今の集中豪雨などの豪雨対策としてシンボル的に雨庭公園をつくり、こうした考え方を広げていきたいと考えている。

  • 記者

新型コロナワクチン接種について、若い方の3回目接種率が高くない原因を、どのように捉えているか。対応策についても、経緯とともに伺いたい。また、都の小池知事に要望書を提出したとの話があったが、国民の中からは行動制限等を求める声も上がっている。区長の考えを伺いたい。

  • 区長

要望書において、行動制限について直接言及はしていないが、これまで以上の注意喚起をお願いしたい。この2年間、感染拡大防止のため、さまざまな工夫や配慮が行なわれてきたが、この数ヶ月は、若い世代の中で配慮をしなくても大丈夫だろうとなった部分もあったと思う。ただ、これからお盆になり移動が増える季節となるため、飲食の機会などで自身の行動の選択にあたり、感染拡大期であることを十分に注意していただきたい。沖縄県では感染が拡大し、医療の逼迫度合は東京以上である。その状況に東京も進んでいるという危機感を持っている。

緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の手法について、効果が疑問視されていることはあると思う。飲食店を場にした感染率を踏まえると、感染防止対策として、飲食店だけをカバーすれば良いということではない。

若い方の3回目接種率が高くないことについては、副反応の問題もあると思うが、オミクロン株は、感染しても比較的症状が軽い、怖くないという意識があるのではないか。しかし、20代の死亡例もあり、高齢者や基礎疾患がある方は、感染を機に基礎疾患が悪化し、入院が長期化するということが現に起きている。

高齢者や基礎疾患のある方を守り感染の連鎖をできるだけ抑えるため、また、自身の感染防御効果も高いというデータもあるため、3回目接種を進めていきたい。そのような意味でも、武田社ワクチン(ノババックス)を使用した接種を準備した。

  • 記者

感染第六波の際に抗原定性検査キットを配布したと思うが、現在再び発熱外来が逼迫しているということで、検査キットの配布を検討しているか伺いたい。

  • 区長

抗原定性検査キットをどのように届けられるかなど、昨日今日で打ち合わせを行っていた。区では今年度、55万キットを目安として検査キットの確保を進めており、現時点でかなりの数を確保しているが、さらに追加で発注しているところである。

現在、発熱する方が非常に多く、クリニックの予約があっという間に埋まってしまい、来院されたご本人が、感染しているかどうかがわからない状態となっていることが深刻な問題である。政府は昨日、クリニック等から抗原定性検査キットを配布してもらうことを検討したようだが、想定される抗原定性検査キットの配布数が少ない。それに加え、最近では、クリニックを予約診療としても当日に予約なしで来院する方がかなり多いため、お断りすることが大変だというメールをクリニックの医師よりいただいている。そのような状況で、院内に抗原定性検査キットを置いておき、持って帰ってもらうだけということが本当に可能かどうか、また、どんな形がベストなのかを医師会の皆さんとよく相談したいと考えている。

発熱患者がクリニックでは診察を受けられずに抗原定性検査キットを持ち帰り、自ら検査をして陽性となっても、医師の診断がなければ確定することはできない。そうすると何度もクリニックに通うことになってしまう。その状況を改善するために、抗原定性検査キットで陽性疑いとなった場合は、オンライン診療で確定できるように診療体制の充実を都に要請しており、区でもできる限りそのような体制を拡充していきたいと考えている。

また、医療機関以外の配布ルートとして、区で今年の1月に区内在住在勤の方を対象に抗原定性検査キットを配布した際には、早期に予定数量に達することになった。医療機関の検査キットが非常に不足している事態となった際には、約5万キットを提供したことがある。その結果、区内の医療機関では、検査キットの不足は起きずに済んだと思っている。

その後は、スムーズな検査を希望する方にお渡ししできないかという薬剤師会とのお話で、65歳以上の方と基礎疾患がある方にのみ、薬剤師会加盟の薬局でお渡しすることになった。

  • 記者

昨日今日と検討されて、抗原定性検査キットを配布するかどうかはまだ決まっていないのか。 

  • 区長

配布の仕方について検討しているところである。検討の方向性として、区民が検査難民とならないようカバーしていきたい。

  • 記者

今月中に配るというイメージか。 

  • 区長

できるだけ早く配りたいと思っている。 

  • 記者

松村副区長が就任されて間もなく2ヶ月になると思うが、区のDXの方向性で何か見えてきたものや、実際に変わっている部分があったら教えていただきたい。 

  • 区長

松村副区長も世田谷区で50人ほどいる部長一人一人と個別に意見交換が完了したところだが、今回の検査キット配布の件など、突発的に起こる課題に対する体制までは、まだ追いついていない。私と話している限りでは、区民に向けてわかりやすくということももちろん大事であり、区役所内の様々な部署がお互いにどんなことをしているかを情報共有して、チームとして強化していく仕組みについて、さらに立ち上げなければいけないと提案していた。 

  • 記者

旧池尻中学校の跡地利用について、池尻中学校旧校舎を利用した「世田谷ものづくり学校」が今年5月に閉鎖されたことに伴い、区では現在、企業支援を含む新たな複合施設を整備するため、今月から運営事業者を募集している。区の計画では、旧校庭・旧体育館も含めた一体的な活用として募集しているが、旧池尻中に隣接する池尻小学校と地域スポーツ団体は、中学校の廃校前から旧校庭を利用しており、子どもたちの教育環境・運動環境にマイナスの影響が大きいと、PTAが中心になって計画の見直し交渉をしていると聞いている。校庭の分割について、PTAや住民側は、池尻小学校に残る部分を現状の7割から9割に変更するよう求めているが、これを踏まえて2点伺う。

1点目は、今回の事業において小学校側の校庭が、区側が提示する7割にしなければならない理由を伺いたい。2点目は、区長自身、住民との議論は尽くされたと考えているか。それとも、これからも議論を継続していくのか。計画全体の今後の進め方について、その点に触れながら伺いたい。

  • 区長

池尻小学校は、旧池尻中学校と隣接して校庭も続いているため、現在は、2校分の校庭を池尻小学校あるいはスポーツ団体が使用しており、それ以外の校舎等でものづくり学校が運営されていた形である。ただ、世田谷パン祭りなどのイベント時には、ものづくり学校側が校庭を使用することもあった。当初は、新しい複合施設、旧中学校の校舎を利用した場所にも、オープンスペースが必要ということで小学校部分と旧中学校部分を2分割にする形を想定していたが、PTAの方々の様々な懸念や心配、あるいは地域スポーツ団体のご意見等があり、色々と話し合い、現在のところは、今おっしゃられたように、校庭全体の7割が小学校分ということになっている。

新しく事業者募集している施設は、起業・創業など様々なチャレンジャーが集まってくるような拠点として、地域施設ではなく全区的な施設を計画している。そのなかで、様々な分野でチャレンジャーとして色々な技術や開発に取り組んでいる人たちとともに、子どもたちが何かを作ったり楽しんだりということはぜひやっていただきたい。子どもたちが参加する様々な催しやイベントを可能とするためにも、新しい施設にはオープンな空間が欲しいということがある。現に、ものづくり学校でイベントが実施された際には、池尻小学校の子どもたちもおそらく参加してくれていた。小学校部分を除いた、校庭の部分は、池尻小学校の子どもたちはもちろん、周辺や区全体の子どもたちや利用者が使える場として開いていきたい。ただ、硬直した形で考えているわけではないため、様々な要望を聞いていく。学校からは、フェンスを設けてほしいと要望を受けているということで、フェンスを可動式にしたり、開口部を広くしたりすることができないか、運動会の時には広く使える形にすることはできないかなど、様々な項目で検討を重ね、話し合いを現在進めているところである。2番目の質問の答えになるが、決してすべて決め打ちで一切変わらないということではなく、できるだけ双方の思いが達成できるよう話し合いは継続していきたいと考えている。区の案として校庭の範囲の区切りがないと、事業者募集が行えないため、現状の配分比を前提としているその使い方については工夫を凝らしていきたい。

  • 記者

現状の区切りを前提にということで、区切りの部分は現在の方針で行くという理解でよろしいか

  • 商業課長

現在、事業者の募集を始めているが、敷地面積については、お話いただいた境界線で事業者へ貸し出すということで募集している。この線は動かさないが、オープンスペースの利用の仕方については、事業者に提案いただきながら、その一方で地元の方、PTAの方とも話し合いを続け、全区施設でもあり地域施設でもあるというような使い方ができるか、話し合いを続けていこうということで進めている。

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