区長記者会見(令和3年11月17日)

最終更新日 令和3年11月25日

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記者会見を行う区長の写真
記者会見の様子

令和3年11月17日(水曜日)、保坂展人(ほさかのぶと)区長が記者会見を行いました。

動画はこちらからご覧になれます。新しいウインドウが開きます

PDFファイルを開きます会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。

区長あいさつ

今年度7回目の記者会見を始めます。

本日はまず、区民の皆様にお詫びしなければならない案件が4件ございますので、ご報告とお詫びをさせていただきたいと思います。

まず、10月31日に執行された衆議院議員選挙及び最高裁判所裁判官国民審査において、誤った事務処理を行った事案が2点ありました。

1点目は、10月25日月曜日に、二子玉川まちづくりセンターの期日前投票所において、東京都第5区と第6区の投票箱を置き間違えた事案です。この投票所は、第5区と第6区両方の投票受付を行っており、投票所内を二つのエリアに区切って受付をしていましたが、8時30分の投票開始から、従事員が気づいた午前9時頃までの約30分間、小選挙区、比例代表、最高裁判所、三つの投票箱が、第5区と第6区、それぞれ逆に設置されており、その間に6名の方が誤った投票箱に投函を終えられていたということです。この6名の方には、訪問等により、小選挙区の投票が無効になることをご説明させていただき、謝罪いたしました。

次に2点目ですが、10月31日に行われた開票作業において、第6区の最高裁判所裁判官国民審査の開票結果を東京都選挙管理委員会事務局に報告する際、誤った数値を報告した事案です。開票作業終了後、各裁判官の「罷免を可とする投票の数」、いわゆる「×」の数の集計において、一部のデータが加算されていない状態のものを正しいものと誤認し、各裁判官の「×」の数が実際よりも少ない誤った数値を都選管に報告したものです。都選管には11月2日に、正しい数値を改めて報告しております。

選挙人の方の貴重な投票が無効になる事態となってしまったこと、また、正しい集計結果を報告できなかったことにつきまして、区といたしましても大変重く受けとめております。大変申し訳ございませんでした。今後このような事態が起こることのないようにしたいと思います。

次に、高齢介護サービス費等の支給について、支給金額が本来お支払いすべき金額より少なかったという事案についてご報告します。介護保険では、介護サービス等の1か月当たりの利用者負担額の世帯合算額が一定の上限額を超えた場合に、その上限額を超えた分をお支払いする制度があり、これが「高額介護サービス費」というものです。今般、本人負担分がある公費医療の対象となっている、訪問看護等の介護保険サービスを利用した要介護被保険者等につきまして、高額介護サービス費等の算定では、本来は、利用者負担額の世帯合算額にその本人負担分を含めて計算すべきところを、その本人負担分を含めずにシステムによる算定をしていたことが判明しました。これは、別件で介護保険法施行令とシステムとの整合を見直している時に分かったものです。区として、いつから間違いが生じていたのかを調べ、少なくとも平成27年度から同じ方法で計算していたことが分かりました。算定の誤りによる追加支給対象期間は2年という時効から、令和3年10月から2年遡り、令和元年10月から令和3年7月利用分で、高額介護サービス費等のみで追加支給対象世帯と支給額は、延べ2,009世帯、延べ2,489人で、金額にして3,794,347円です。なお、令和3年8月以降の利用分については、11月以降の事務処理となりますので、対象とはなりません。また、高額医療合算介護サービス費等、高額介護合算療養費、高額障害福祉サービス等給付費の支給についての影響を一部確認したことから、現在、調査の幅を広げて確認作業を行っております。今後、対象が広がる可能性がありますが、対象者には順次、お詫びとともに追加支給に関する措置を記した通知を郵送し、適正額を追加支給してまいります。現在、当該算定の誤りを解消するためのシステム改修を実施しています。改めてシステムのチェックを行い、適正な事務の執行に努めるとともに、再発防止の徹底を図ってまいります。

最後に、令和元年台風19号被害による、令和元年度における特別区民税・都民税減免申請において、一部の還付手続きが完了していないことが判明しましたのでご報告します。これは、当時の台風により被災した土地・家屋があった場合、罹災証明書が出た方で、かつ申請をした場合、特別区民税・都民税が減免されるという制度です。令和2年に区民からの問い合わせにより、職員が処理を怠り完了していなかったことが判明しました。その後の調査で、全体で15件の申請手続きが完了していなかったことが判明し、過納付に該当する区民への手続き8件、571,300円について直ちに正しい処理を行い還付いたしました。なお、令和2年度に判明した2件、296,600円については、令和2年度中に還付済です。区では改めて、台風19号において罹災証明書を発行した対象者691件について全件調査を実施しましたが、他に同様の事例がないことを確認いたしました。台風で大変な被害を受けられた区民の方々の切実な思いが込められた申請が、このように長きに渡って対応されてないという、決して起きてはならないミスが生じました。大変申し訳ございません。今後、関係職員に対し厳正に対処していくとともに、このようなことがないよう、適正な事務執行に当たるとともに、再発防止に努めてまいります。

私としても、このようにあってはならない事態を立て続けにご報告しなければならないことは深刻であると考え、今回の一連の件が落ち着いた翌日の11月4日に全庁に対して、改めて執務に関し注意を促すとともに、気を引き締めて適正な事務処理に努めるよう指示いたしました。大変申し訳ございません。 

発表項目

それでは、これより発表項目に移ります。

新型コロナウイルス感染症後遺症アンケートの結果について

まず、新型コロナワクチンのこれまでの接種実績についてです。現在、世田谷区における2回目の接種率は、まだVRSに登録していないクリニックなど個別接種の実績も含めて、11月10日時点で満12歳以上の区民の80%を超えました。昨日11月16日の時点では、VRSへの未登録分も含めて、2回目接種済み人数が67万人、接種率は80.8%となっています。年代別では、65歳以上は92%、75歳以上では95%と大変高くなっており、60代も約9割近い接種率になっております。3回目接種の準備については後ほど触れます。 

先般、新型コロナウイルス感染症の後遺症アンケートの結果を速報値で発表しましたが、この度、より詳細な分析を実施したので、その分析結果をご報告いたします。

こちらの後遺症アンケートは、令和3年4月15日までに新型コロナウイルスに感染された8,959人の方全員に対して調査票をお送りしたものです。その結果、3,710人の方から郵送またはインターネットで回答が得られ、そのうちの約半分、48.1%の方が「後遺症がある」と回答しています。後遺症の調査、アンケートはいくつか行われていますが、実施主体はほとんどが医療機関で、医療機関を退院した方を追跡した調査が多くなっています。一方世田谷区では、症状を特に訴えていない高齢者施設入所者等のPCR検査を順次行っていますので、今回のアンケート対象者には無症状で感染されていた方も含まれていますが、その中でも約半分の方が「後遺症があった」と回答されています。

スライドの左上に「New」と記載してあるものが、今回の最終報告でわかった内容ですのでご注目いただきたい。まず、後遺症があると回答した方の割合について。性別ごとでは、後遺症があると答えた方が男性41.9%、女性は54.3%で、女性の方が後遺症の出現確率が高くなっています。年齢別では、30代、40代、50代で後遺症があると回答した方の割合が高くなり、若い方と年配の方については少し低くなっています。また、基礎疾患の有無で見ますと、基礎疾患なしの方が46.8%、ありの方が50.4%と、あまり大きな差は見られませんでした。次に、陽性と診断された時期別で、第1波、第2波、第3波、それ以降と分けて見たところ、後遺症の有無の割合に違いは見られませんでした。次に、療養中の症状別に見たところ、先ほど申し上げたような無症状の方(1,407名)でも、約3割の方が何らかの後遺症があったと回答しています。また軽症、中等症の方では約6割、重症の方では少し多く、73%の方が後遺症ありと回答しています。

次に、後遺症としてどういった症状があるか、症状ごとの発症率を見ていきます。全体では、嗅覚障害が54.4%、続いて全身の倦怠感、味覚障害、咳という順で高くなっています。性別ごとに見ますと、嗅覚障害については男性が50%手前であるのに対し、女性は60%近い方が症状を訴えられていて、10%以上差があるということです。味覚障害についても、女性の方が多いということがわかります。また、年齢別に見ますと、10代から30代、若い世代に嗅覚障害が多くなっています。一方、10歳未満の子どもでは咳が1位、40代以上では全身の倦怠感が1位となっています。次に、基礎疾患の有無別で見ますと、基礎疾患有りの場合は、全身の倦怠感を5割以上の方が感じています。一方、基礎疾患無しの場合は、6割を超える方が嗅覚障害を訴えており、基礎疾患有りと無しの間では後遺症の出方が違うということがわかります。また、陽性診断時期別では、第1波では全身の倦怠感、第2波・第3波では嗅覚障害が多くなっています。

ここから、一定期間経過後の後遺症の保有率、後遺症がどれだけの期間残ったかを見ていきます。まず男性のケースです。陽性診断日から30日時点では、ほぼすべての年代で6割以上の方が後遺症を抱えていました。1年を超えた時点でも10%近い方が後遺症を抱えていらっしゃるということがわかりました。また、120日の時点では、20代・30代では3割まで減少するが、40代から70代では4割以上となっており、若い世代の発症及び症状の改善が早く、40代以上は少し長くなることがわかります。一方で20代・30代でも、半年から1年時点でも後遺症の症状があり、長引く方もいらっしゃいます。女性のケースでは、男性と同じく、30日時点で保有率のグラフが跳ね上がり期間経過とともに下がっていっていますが、跳ね上がる勢いがやや男性よりも大きな波として表れています。その他の傾向については、男性と大きな差はありませんでした。

 次に、日常生活に支障のある症状で最も多い症状については、20代から40代では嗅覚障害となっており、嗅覚障害が長期化しやすいことがうかがえます。

次に、療養中や療養終了後の困ったことについては、全体では「体調や健康面の不安」や、「家族への感染の不安」が多くなっています。年代別に見ると、30代から50代で「体調や健康面の不安」、「家族への感染の不安」が、他の年代と比較して高かったということです。また、どの年代においても、「療養生活の不安やストレス」が3位以内に入っていたこともわかります。最後に、全体の上位に入っていた「体調や健康面の不安」、「家族への感染の不安」、「療養生活での不安やストレス」について詳細を見ると、「体調や健康面の不安」では、嗅覚障害・味覚障害に療養中から困っており、これらの症状が悪化すること、続くことに不安があったという声が多くあります。「家族への感染の不安」では、感染を避けて食事をとることや準備が大変だったことや、子どもや夫などの家族が濃厚接触により学校・仕事を休むことによる不安があったということです。「療養生活での不安やストレス」では、後遺症がある方は職場に復帰できなくなるのではないかということに不安があり、後遺症がない方は、隔離療養にストレスを感じていたということです。

 自由記述欄に書かれていた実際にあったエピソードとしては、職場や交友関係のある方から避けられたり、職場で陰性証明を求められ非常に復帰しづらい空気があったというような声もありました。あるいは、誹謗中傷のメールが届いていた、自宅にこもりきりになってしまっているお子さんのメンタルケアに苦慮されている、数ヶ月寝たきりになって仕事を失うことの不安や、死を意識する時間もあったなど、大変な苦痛に直面された方が大勢いらっしゃいました。こういった不安や後遺症を今現在も抱えている方もいらっしゃり、この問題の取り組みが非常に重要だということを改めて認識いたしました。

本調査の報告書は、すでに区のホームページに掲載しております。詳細なデータについてもオープンデータとして公表しておりますので、ぜひご覧ください。

今後、厚生労働省をはじめ、東京都、医師会、医療機関など様々な関係機関に情報提供し、意見交換をして参りたいというふうに思っています。アンケートについては、東京大学のゲノムAI、生命倫理チームの伊藤先生をはじめとする複数の専門家をチーム化し、第一次調査の解析を行っていただいています。報道機関の皆さんから解析等の詳細について求めがあれば説明する席を別途、設けていきたいと思っています。 

第5次補正予算(案)における区の取組みについて

次に、第5次補正予算(案)における区の取組みについて2点紹介します。

感染症後遺症実態調査の追加実施(前回調査対象者以降の陽性者対象)

まず1点目ですが、先ほどご説明した後遺症アンケートにはアルファ株、デルタ株の症例は含まれていないため、追加調査を実施いたします。調査対象は令和3年4月16日以降、9月30日までに世田谷保健所に発生届が提出された方、約18,700人です。調査方法は今回同様、郵送またはインターネット回答にて行います。今後、質問項目等を専門家のご意見も含めて調整し、12月に調査を開始し、来春には最終報告を策定することを予定しております。

抗原定性検査のさらなる活用について

2点目は、社会的検査における抗原定性検査のさらなる活用についてです。

今年感染拡大した7月から8月の第5波においては、感染者の急増により、社会的検査の随時検査が申し込みから実施まで1週間近くかかってしまうなど、機能が追いつかなかったという反省がございます。そこで8月末から抗原定性検査を導入することにより、随時検査の補完を行い、学校活動を支援する行事前検査、つまり部活の大会や修学旅行の前にこの抗原定性検査を行って、感染拡大防止に努めるという運用を行っています。

今回、さらなる拡充策として、感染拡大が懸念される12月以降に向けて、職員用に常備する抗原定性検査の簡易キットを社会的検査の対象となる事業所や施設に対して事前配布します。また、保育園や幼稚園等の利用者の家庭内感染対策を目的として、これら抗原定性検査の簡易キットの配布を行います。

今後の感染拡大に向けた対応として、第一に、随時検査、PCR検査の体制を3チームから6チームに増やて強化いたします。第二に、抗原定性検査のさらなる活用を図ります。特に家庭内感染を防御するための簡易キットを配布します。

感染拡大が懸念される12月以降の備えとして、抗原定性検査簡易キットの対象事由を拡大するとともに、対象施設への事前配布を行います。これまでは、随時検査の補完として、事業所・施設内で感染者が発生した場合にこの簡易キットを使用してきましたが、今回「感染者または、感染疑いのある方に接触した可能性が高く、感染の不安がある場合」、また、「軽い倦怠感や喉の痛みなど、体調が気になる場合」というところまで対象事由を拡大します。配布対象は、社会的検査の対象となる全事業所・施設の職員です。

次に、家庭内感染対策を目的とした抗原定性検査の簡易キットの配布です。第5波においては、感染経路は家庭内感染が非常に多く、また、子ども関連施設の感染が多く見られたことを踏まえ、家庭内、施設内での感染を予防する目的で、保育園等の利用者に対して配布します。区内の幼稚園・保育園の利用者や同居する家族に対して、1世帯2個を基本に12月中旬以降、約7万キットの配布を予定しています。こちらの簡易キットは、ご家庭で軽い倦怠感、のどの痛みなど体調が気になる場合に使用いただくようお願いします。

令和3年8月9日から22日の間の感染源の状況は、家族・同居人が50%でした。また、7月から8月にかけての1か月あたりの増加件数が、4月から7月までの1か月あたりの平均増加件数の約7.7倍と急増しました。

今後においても、保育園や幼稚園では、園児がワクチン接種の対象外であることや、マスク着用の難しさ、ソーシャルディスタンスのとりづらさなどの理由から、感染拡大が懸念されるところです。そのため、家庭内、施設内での感染を予防する目的として、利用者に対し簡易キットを配布し、家庭内・施設内感染、また、施設からそれぞれの家庭へなど拡大していくところをブロックしていこうという考え方です。

国の承認している簡易キットの市販化や、経口薬の検討が進んでいますが、第5波における保育園等の感染拡大を踏まえ、第6波に向けた緊急対策として、簡易キットを配付します。子どもの場合は症状が軽い、あるいは無症状の感染も多いですが、Ct値の分析によればウイルス量がかなり多いお子さんもいらっしゃいました。Ct値が低いということは感染させやすいことに繋がり、従ってそのお子さんが自身は症状はないけれど、家庭内で兄弟、親、あるいは、高齢者等に感染させるということも確認されています。そういったことに対して有効に、早期に遮断する役割を果たしてもらいたいと思っています。 

教育総合センターの開設について

最後に、教育総合センターの開設についてです。世田谷区の教育の新たな拠点である教育総合センターを12月20日に開設します。旧若林小学校の移転跡地で、敷地面積約5,600平方メートル、延べ床面積約4,600平方メートルと大きな施設で、環状七号線の若林陸橋のそばに位置しています。

現在の教育センターでは、教育相談や様々な教員研修等を実施しておりますが、新しい教育総合センターには、区職員向け研修室や、せたがや自治政策研究所なども入ります。そして、非認知的能力を育むための乳幼児教育・保育の支援も行います。

本日午前中も区内17大学の学長や学部次長と教育総合センターについて意見交換しましたが、大学が持っている様々な研究課題やプロジェクトを持ち寄っていただき、マッチング、見える化、連携を図っていきます。世田谷区ならではの新しい社会資源を育む場にしていきたいと思います。

また教育総合センターは、関係者のみの閉じられた施設ではなく、区民の皆様にご利用いただける芝生の屋外広場や「えがおの森」という交流スペースを設けます。子どもたちや区民の皆様が自由に入れる開放的な空間にしていきたいと思っています。また、240人を収容できる研修室や、教育相談の面談室、プレイルーム等も充実しています。

さらに、「ほっとスクール城山」を移転します。また、子どもたちそれぞれの学び、育ちを保障する場も設けて参ります。内覧会も実施しますのでぜひ取材していただけたらと思います。

その他

日産自動車株式会社及び日産東京販売株式会社との電気自動車を活用した「災害連携協定」締結について

続きまして、すでに報道もされていますが、日産自動車とEV(電気自動車)を利用した防災力強化と脱炭素化という目的での災害連携協定を締結しました。日産自動車では、2018年より自治体との連携等も含めた「ブルー・スイッチ」というプロジェクトを推進していると聞いています。EVのバッテリーは1台で避難所を3日間運用可能とのことです。今回の協定は、災害時には10台のEVが駆けつけてくれるという内容になっています。

同様に、空き家活用や粗大ごみリサイクルなど様々な官民連携の取組み一覧をお配りしていますので、取材の参考にご覧ください。今後も、こうした民間との連携を進めて行きたいと思います。

 新型コロナワクチンの3回目接種について

最後に、新型コロナワクチンの3回目接種について申し上げたいと思います。これまで私はワクチン接種について、基礎自治体の現状や意見を聞いた上でシステム構築をしてくれということを昨年から再三にわたり、国に行き直接求めてまいりました。しかしながら、今回も十分な意見聴取は行われず、昨日の厚生労働省の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会では、これまで「2回目と3回目の接種期間は概ね8か月間」と国の方で一貫して説明してきたのに対し、突如として「8か月を標準とし、地域の感染状況を踏まえて自治体の判断で8か月より前に追加接種を実施する場合においては6か月以上の間隔を置くこと」と、非常にわかりにくい結論が出されました。これは、薬事承認でファイザーの3回目接種の間隔が6か月以上となっていることを対応させたものと考えています。昨日の特別区長会総会でも、この件についてどうするんだと1時間ほど議論になり、その最中に、ワクチン担当大臣や厚生労働大臣が記者会見で「間違った情報が広がっている。8か月が基本であり、8か月未満は特殊ケースで、接種間隔を自由に自治体が前倒してはならない」と全く逆のことをおっしゃり、自治体は大変混乱をしています。23区でも、夜通しどのくらい前倒しできるかを協議したというような自治体も多いです。現実的に、今が11月の半ばですので12月1日から前倒しと言われても会場はなく、またワクチン供給はどうするのかといった課題も全く解決していません。

ただ他方、横浜市立大学が公表したデータによると、ワクチン接種後、特に3週間後あたりでは抗体価、中和抗体価ともに上がっていくが、半年経過するとその抗体値はガクッと下がるデータが出ています。また、ワクチン接種が進んでいるイスラエルの感染状況を見ても、2回目の接種が50%台に達したところから、概ね6か月経過したところで感染が再拡大しています。状況がそれぞれ違うと思いますが、世界各国の例を見ると、8か月というのにどれだけの論拠があるのか疑問です。世田谷区内にも、ワクチンを2回接種したが、抗体価が下がりブレイクスルー感染してしまった方、特に高齢者では中等症まで進んでいるような方が見受けられます。分科会の館田氏はインタビューで、「日本はヨーロッパより2か月遅れて接種をスタートした。今、ご案内のようにヨーロッパは大変な状況になっている。これを踏まえると、日本においては1月半ばから2月にかけての時期を第6波の想定とし、なるべく早く接種を始めた方がいい」と仰っています。ですから、国に対してなるべく3回目接種については、特に高齢者施設等については早く取り組ませてほしいと申し上げてきたのですが、これをめぐって二転三転、朝令暮改が繰り返されているということに対して、非常に困惑をしております。

15日の厚生科学審議会で配られた資料の中には、「ファイザー社製ワクチンの感染予防効果の推移については、2回目接種後6か月までの追跡期間において全年代で経時的に低下し、2回目接種後6か月では50%前後まで低下したと報告されている」とあり、データにより、それ以下の値を示しているものもあります。会議の中でも、医療従事者はそのリスクから半年経過した時点で接種させてほしいという指摘もあります。ただ、私たち世田谷区を含め、各自治体は8か月を前提とした接種券送付、会場手配などを現在まで進めてきています。それをいきなり2週間後に「2か月前倒し」と言い出すのは余りにも無茶な話です。私としても、少しでも早められないのかという気持ちはありますが、こういった大事なことをめぐって厚生労働省の専門部会が出した結論と大臣がおっしゃることが異なるということは、大変混乱を招いてしまうのではないかと思います。

さらに言えば、河野前ワクチン担当大臣は当時、「3回目は職域接種はやらない」とおっしゃっていましたが、いつの間にか「職域接種はやりましょう」という話に変わりました。また昨日の審議会では、交互接種、つまり1・2回目にモデルナのワクチンを打っていた方が3回目はファイザーを打つということも認められました。他の自治体もそうだと思いますが、世田谷区としては職域接種が実施されないことを前提としてモデルナ、ファイザーとそれぞれの会場をこれまでに接種した比率によって用意してきました。その前提が覆ることで、比率を改めて検討せざるを得なくなっています。情報が錯綜し、国会でも議論が全くないような状態が続いていることで、実務を担う自治体へのしわ寄せが厳しくなっています。

5歳から12歳未満のお子さんたちへのワクチン接種についても再び話題に上っているところで、厚生労働省から「実施の内容については2月頃に確立する」というような通知が突然届きました。子どもの場合の重症例は非常に少なく、そういった意味では議論が足りていないと思います。方針を定めるにあたっては、自治体の現場の声をしっかり聞くという姿勢をとってほしいということを強く要請したいと思います。

高齢者施設では、8月、9月にはすでにブレイクスルー感染が起きています。多くの方は重症に至っていませんが、中には中等症まで症状が進んでしまった方もいらっしゃるわけです。私としては、高齢者施設については6か月以上と国が決めたことも踏まえ、できるだけ早く訪問接種や嘱託医による接種を始めていきたいと考えています。高齢者施設を全て回るには3ヶ月かかりますので、1月の終わりから始めたとすると完了は4月になります。これからの寒い時期、また周期的な感染の波、抗体価が下がってきている時期に防衛線を張るという意味で、大変大事な取り組みだと思っております。現状では、高齢者施設に関してはぜひ先行して行いたいと考えており、このことについては厚生労働大臣にも強く申し入れを行っていきたいと考えています。

課題として、接種券がない場合の対応がございます。12月以降、高齢者施設入所者に対する3回目接種を開始するとしても、高齢者施設には別の市区町村から通われている方なども多数おり、接種券が送られてくるタイミングは各自治体で異なります。また職員の方も、世田谷区民ではなく近隣自治体にお住まいの方も多いです。そういった接種券のない場合でも接種ができるよう、国にはぜひ実現していただきたいと思います。

世田谷区の高齢者施設、特養の施設長会からも、ぜひ早期接種に踏み切ってほしいという要望を受けております。また医療関係者、病院の先生方からも、3回目のブースター接種を行いたいという声が出ています。今、この記者会見と同時並行で、自治体に対する厚労省の3回目接種の説明会が行われていますが、その経過を見ながら、国にははっきりとした説明を求めていきたいと思います。

私からは以上です。 

質疑応答

  • 記者

冒頭で説明のあった高額介護サービス費の算定誤りについて、10月にプレスリリースされているがその続報ということか。また、時効期間の2年より以前の算定誤りについては追加支給されないということか。

  • 高齢福祉部長

1点目の質問について、10月29日のプレスリリース時点では、令和元年10月から11月の2か月分しか追加支給の内容が判明していなかった。その後の調査により2年間分全ての追加支給内容が判明したため、本日区長から報告させていただいたものである。

2点目、時効となった算定誤り分の追加支給については、大変申し訳ないが、時効は2年間となっているため、その2年間の範囲で追加支給をさせていただくものである。

  • 区長

つまり、それ以前については支給出来ないということになる。 

  • 記者

本日の会見内容ではないが、先週8日に小田急電鉄が小児運賃の一律50円化を発表した。区内には10駅ほど小田急電鉄の駅があると思うが、今回の決定をどのように受け止めているか。また、小田急電鉄は自治体や企業とも子育て支援で連携していきたいということを同時に発表しているが、もしそういった申し出があった場合、区としてどのように対応していく考えか。

  • 区長

小田急電鉄には、下北沢を中心としたまちづくりに関して何度も住民参加のワークショップ等にもご参加いただいており、現在、線路上部において小田急電鉄の商業施設、また区が整備した通路等が組み合わさり、次々と出来上がっているところである。昨日もちょうど小田急電鉄にご案内いただき、最近オープンした場所を視察してきたところである。

また、京王電鉄からもご案内いただき、ガード下の施設等の進捗状況を見せていただいたが、その時もこの小児運賃一律50円の話題になった。どの交通機関もコロナ禍により運賃収入が下がっている中で、企業として大変画期的な、勇気ある判断をされたと思う。運賃がどこまで行っても50円ということで、子ども連れで少し遠出してみようかというインセンティブが高まると思う。一律50円という値段以外の意味でも、子育てに対しあたたかい沿線であろうと考えられているのではないか。区としてこの小田急電鉄の判断をどのように、区の政策や子ども支援に結びつけていくかは今後の課題になるが、コロナ禍でさらに少子化傾向に拍車がかかる今、やはりどこかで反転のシチュエーションを作らなければならない。世田谷区ではこの時期、徹底的に子育て支援をするまちという部分を強化していきたいと思っているため、この運賃変更については大歓迎である。50円という単なる値段だけに留まらない価値が地域全体に広がるのではないかと考えている。

  • 記者

教育総合センターの開設についてお尋ねする。教育総合センターには子どもの教育支援以外に高齢者関係の施設も入るということで、いわゆる複合型の施設になると理解している。他の自治体も含めてだが、世田谷区も公共施設の複合化を進め、運営の効率化や区有財産の削減を図っていく方針があり、教育総合センターもその一例であると思うが、今後、同様の施設を区内で整備する考えはあるか。

  • 区長

高齢者施設と教育総合センターは、どちらも旧若林小学校の敷地に開設することは事実だが、建物としては全く別のものになる。ただおっしゃるように、旧希望丘中学校の跡地にも高齢者施設を作り、その残余の部分に保育園やほっとスクール、青少年交流センターや地域集会施設を作っており、その使い方と非常に類似しているかと思う。

教育総合センターに関して着目いただきたいのは、独立した機関である教育委員会と、区の職員研修を担当する部署、そしてせたがや自治政策研究所というシンクタンクが同じオフィスに入る、いわば相互乗り入れの部分である。様々な研修や講演、セミナー等を一緒に組んでいくことで、相互作用が生まれると考えている。単に同居するというだけではなく、区内大学や国内企業、様々な区民グループとの連携がより深まっていくだろう。単なるハードの複合化だけではなく、利用の複合化を通じて、ソフトとしても豊かなものにしていきたいと思う。教員研究と職員研究を合同で行うことも予定しており、通常、区の職員と学校の教員が話をすることはほとんどないが、今後はそれが可能になってくるのではないかと考えている。

  • 記者

新型コロナウイルス後遺症のアンケート結果を踏まえ、区長としての率直な感想と、どのように活かしていきたいと考えているか、今後の対策について伺いたい。

  • 区長

アンケートの自由記述欄には、皆さんがどのような不安を持ったのかがぎっしりと綴られていた。例えば、お子さんがまだ小さい中で家族内で感染が広がってしまった、あるいは広げないように大変な思いをした。感染したことについての心無い誹謗中傷のメールがあった、また、職場に感染したことが知れ渡っており復帰した際に非常に苦痛があった等、1枚1枚その記述を読んでいくと、改めて本当に多くの区民の皆さんがご苦労され、ウイルスと向かい合ってこられたということを強く実感する。「今日の感染者は何人」という数字の発表の裏に、感染された方お一人ずつのそれぞれのご家庭があり、痛みがあり、苦しさがある。

世田谷区の後遺症アンケートは、今後予定しているものも含めると27,000人を超える規模での全数調査となり、ここまで大規模に、徹底的に行われるのは初めてのことであると思う。アンケートから浮かび上がってくるのは、後遺症に関して、どこまでが補償の対象になるのかという問題、そして、例えば後遺症が酷く職場に通えないのに、なかなかそれを証明するための診断、基準が定着していないという問題である。このアンケート調査によって、新型コロナウイルス感染症の後遺症は相当長期化する場合があること、かなり多くの方、特に女性では半数以上が1か月以内に後遺症を抱えるケースが多いということへの理解が広まってほしいと思う。世田谷区でも後遺症の相談窓口は開設しているが、その診療あるいは治療についての制度はまだまだ整っていないのが現状である。調査結果を厚生労働省や東京都に持っていき、後遺症への対策を早く進めていただくよう求めたいと思う。

今後の追加調査により、アルファ株、デルタ株では後遺症にどのような特性があるのかということもしっかりと分析をした上で、対応につなげていきたい。

  • 記者

抗原定性検査について、その重要性をどのように認識しているか、第5波の状況等も踏まえて改めて伺いたい。

  • 区長

抗原定性検査については、ウイルス量が一定のCt値以上でないと陽性の反応が出ないという限界がある一方、広範囲に配布できるという利点がある。例えば修学旅行前に、生徒全員に対し行事前検査を実施するということを既に世田谷区では行っている。もし、保育園で感染が広がった今年の8月に抗原定性検査の簡易キットが家庭にあったなら、早い時点で感染に気付き、接触を回避するような拡大防止策を取って感染の連鎖を防ぐことができたのではないかと思う。国もようやく感染拡大時期には無料のPCR検査を実施するということを言い始めたところである。

今の時期は非常に感染が抑えられており、このまま終わってくれればどんなにいいだろうと思うが、残念ながら世界中のどの国においても未だいわゆる収束宣言は出されていない。そのように考えれば、やはり高確率で次の感染の波が起きると予想され、また入国制限の緩和等で次の変異株が出てくることもあり得る。このような状況を踏まえて、しっかり備えるということを最大限行っていきたいと考えている。

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