区長記者会見(令和2年8月24日)

最終更新日 令和2年8月24日

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記者会見を行う区長の写真
記者会見の様子

令和2年8月24日(月曜日)、保坂展人(ほさかのぶと)区長が記者会見を行いました。

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PDFファイルを開きます会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。

区長あいさつ

皆さんこんにちは。本日は、臨時の記者会見ということでお集まりいただきました。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のためのPCR検査の拡大における一連の取り組みを、区のこれまでの予算面、そして、区として新型コロナウイルスに今後どのように取り組んでいくのかを中心にお話ししていきたいと思います。また、長年の懸案であり、準備を進めている本庁舎等整備についてもお話しいたします。

「世田谷区政策方針」について

区内の新型コロナウイルスの感染者数は、7月に第2波を迎え、8月に入ってからも増加し、8月1日は74名という非常に多い感染者数を記録している状況です。また、区内の高齢者施設や子ども施設等でも集団感染が確認されるなど、年代を問わず感染が広がっており、大変危機感を持っているところです。

区では、感染症拡大防止のための緊急対策として、速やかに対応すべき内容について、今年度すでに2度にわたり補正予算を組んで参りました。第一次補正におきましては、今後の新型コロナウイルス感染症へのさらなる対策として予備費を5億円増額させ、第二次補正においては、医療機関に対する支援事業として5億3500万円、社会福祉施設等への感染防止対策に対する支援として1億6000万円を含めた新型コロナウイルス感染拡大防止対策や、中小企業や商店街への支援、そして家庭学習の支援やICT環境の整備など子どもの育ちと学びを支える対策として総額42億6100万円の補正予算を組んで、時機を逸することなく対応を図ってきました。

今回、新型コロナウイルス感染症とのたたかいは長期的なものになることを考え、また、この先、区財政の税収減も見込まれる中で、感染防止対策と同時に区民・事業者の社会・経済活動の支援、活性化との両立を図るため、当面の区政運営の方針として、「世田谷区政策方針」を策定いたしました。

政策方針は、4つの柱を中心としております。

一つ目は、「新型コロナウイルス感染症防止対策」です。92万人の人口を擁する区として、区民の健康・安全を守るために、区の現状把握及び分析を進めるとともに、専門家による最新の知見や助言も得て、必要で戦略的な感染防止対策を進めていきます。

二つ目は、「区民の生活と区内事業者等の活動を守る取り組み」です。感染防止対策と、区民や事業者の社会・経済活動の再開、維持、活性化とのバランスを保つため、今後、必要な支援策をタイミング良く講じていきます。

三つ目は、「子どもの学びと育ちの支援」です。この間、一斉休校など不安の多い状況が続いている中で、心身ともに成長期にある子どもたちが、困難な環境でも温かく、一人一人の可能性を十分に伸ばすことができるよう支援していきます。GIGAスクールの取り組み等も先行して行い、誰一人取り残すことのない、個別最適化された学習環境を保障していきます。

最後に四つ目の柱は、「施策事業の本質的な見直し、事業手法の転換」です。コロナ禍の影響により、区民生活や事業活動に大きな影響が出ています。そこで、区が取り組む施策の優先順位を大胆に見直し、同時に、財源が数年間にわたり大きく損なわれることも予想して、予算規模を縮小し、施策事業のあり方も丁寧に見直して持続可能なものにしていきたいと考えています。

発表項目

今回、第三次補正予算案を、この政策方針に基づき、区として作成いたしました。補正予算案の内容については、次回の9月7日の定例記者会見にて全体像をお話させていただきます。本日の会見では、新型コロナウイルス感染症の防止対策と区の本庁舎整備に絞って説明してまいります。

新型コロナウイルス感染症対策について

まず、新型コロナウイルス感染症対策についてです。

世田谷区では、新型コロナウイルス感染症に関して、区内の医療機関での受け入れ態勢を強化し、地域医療体制の確保を図ることを目的に、医療機関に対する支援事業を実施して参ります。すでにご承知の方も多いと思いますけれども、新型コロナウイルス治療に取り組んできた病院が大変な収入減、いわゆる赤字経営の中で苦慮しているという現実があり、そこを何とか支援したいという内容でございます。

一つ目の支援は、入院病床の確保支援です。新型コロナウイルス感染症の専用病床として確保した病床に空きがあった場合については、1日1床あたり1万4400円の助成を行います。また、区民が入院した場合については、1日1床あたり8000円の助成を行って参ります。

二つ目は、発熱外来の設置・運営支援です。通常の診察と空間、動線を分けて発熱外来を設置し、保険診療等によってPCR検査を実施していただいている医療機関に対して、3時間以上の診察で1日につき4万1700円を助成します。

三つ目は、休業・縮小施設の再開支援です。医師や看護師、事務員などの医療機関の従業員や入院患者の感染等によって、外来診療の休診や病床の使用停止に至った病院や診療所を支援いたします。休診したラインごとに1日につき4万1700円、使用を停止した病床1床について1日8000円を助成するものです。コロナ対応が本格化した1月末にさかのぼって適用し、年度末まで助成対象といたします。従って、春先の時期の影響もこの助成でカバーしていただくということでございます。

二次補正ですでに措置をしている分と、今回の三次補正予算案と合わせ、二次が3億800万円、三次が4億3300万円ですので、計7億4000万円の事業規模となります。

次に、PCR検査の拡大について、一連の取り組みをお話していきたいと思います。

7月27日に世田谷区の新型コロナウイルス感染症対策本部で開催された有識者との意見交換の場で、東京大学先端科学技術研究センターの児玉名誉教授から提案された「社会的検査をするべきではないか」という問題提起は、大きな反響を呼びました。また、検査の数自体も一桁増やしていくべきというような問題提起もいただきました。私は積極的にこの提言を評価し、各報道機関の取材などでも発言させていただきました。

新型コロナウイルス感染症の拡大は、世界的に共通であり、かつ時期的な違いがいくらかあるとはいえ同時に各国の対応が試されている課題だと思います。初期段階で感染防止対策を徹底し、封じ込めに成功したとみられる国、また、感染拡大とともに対策を強めて沈静化している国、またウイルスの脅威を軽視していまだに感染拡大に歯止めがかからない国、また一旦は流行が鎮静化したように見えても再拡大に対して苦戦をしている国など、様々です。私たちは世界同時に起きているこの新型コロナウイルスの対策について、世界各国あるいは都市の、成功例からは学び、失敗例は教訓にしていくということでなければならないと思います。市中感染の状況を掴み、症状のない陽性者を早期に発見して対処していくために、PCR検査を徹底した国や地域、都市を参考にしようと思っております。

例えばニューヨーク州は春先に大変多くの死者を出し、手痛い犠牲を払いました。一方、クオモ知事のリーダーシップで徹底した検査を実施し、8月20日には9万8800件と10万件近い検査を行っているそうです。それにより、入院者数や死者数も一挙に抑制されていると聞いております。

日本では、PCR検査の数を増やせないかというテーマが堂々めぐりのように半年間語られてきました。確かに、春先の状況と比較すると検査数は急拡大しているようにも見えますが、世界各国のPCR検査数と比べると、格段に低い状況というのが現実です。

国内においても、また、世田谷区も、試行錯誤しながら検査体制を整えてまいりました。春先の時点では、十分な検査体制が組めていなかったことで検査を待っていただく状況も生じ、あるいは、後に撤回しておりますが、厚生労働省が示した「37度5分の熱が4日間続いてから」という誤った受診の目安がかなり広まったことで、受診したときには既に重症になっているというケースもございました。このような、検査渋滞、検査が足らない、あるいは検査がなかなかできないことで症状が進んでしまうことだけは何とか避けたいということで取り組みを続け、保健所はじめ、世田谷区・玉川両医師会のご協力も得て、直近の数値では8月3日に332件という数のPCR検査を実施できるようになっております。

本日発表するPCR検査の拡充ですが、(1)従来からの保健所・医師会での検査センター、病院による検査数を倍増させることと、(2)介護・高齢者施設や保育所など、社会生活の維持のために必要な「社会的検査」の、2方面から検査拡充を追求いたします。

まず、「(1)感染症の疑いのある有症状の方や濃厚接触者に対するPCR検査」を、現状では300件台のところ、約倍の600件に拡充して参ります。それに加え、「(2)社会的インフラを継続的に維持するためのPCR検査」を、第一段階としてまず1日あたり1000件を目安に、介護や保育といった他者との接触を避けられない従事者に対して、社会的検査をスタートさせていきます。

検査拡大のために、大量計測の可能なオートメーションの検査機器の導入と活用がございます。これは、(1)において、現在運営中のPCR検査実施場所に検査機器を設置・導入することの検討を進めています。検査をする場所に検査機器がありますので、検体搬送あるいは包装する手間がなくなるためスピードアップを図ることができ、判定結果までの時間が大幅に短縮される効果があります。

(2)の社会的検査については、検体採取を前鼻腔、つまり鼻の比較的浅いところをご自身で拭っていただく、「前鼻腔ぬぐい」の自己採取という形で行う予定です。これは医師、看護師等の医療スタッフの立ち会いのもとに行います。検査チームが事業所や施設を訪れ決められた場所で採取するか、特定の検査場所に時間予約で来ていただくか、方法を検討しています。

各検査の詳細について申し上げます。

まず、(1)感染症の疑いのある有症状の方や濃厚接触者のPCR検査体制についてです。施設内感染が起きれば、時には100人を超える規模で濃厚接触者が発生して、PCR検査をかける必要が生じることもあり得ます。現在、区内の両医師会、医療機関、世田谷保健所で行っているPCR検査を、300件から600件に倍増するとともに、先ほど申し上げたように、検査機器を導入し半日程度の検査結果の時間短縮化を見込んでおります。これらに係る事業費として、8億5000万円を見込み、第三次補正予算案に盛り込んだところです。

続いて、「(2)社会的インフラを継続的に維持するためのPCR検査(社会的検査)」についてです。社会的インフラを継続するために、人との接触を回避しにくい仕事に就かれている方への検査を社会的検査として位置付けました。

また、厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策本部は、8月18日の事務連絡のQ&Aで次のように述べています。

Q:「感染者が多数発生している地域やクラスターが発生している地域においては、医療施設、高齢者施設等に勤務する者や新規入院・新規入所者等については、当該施設で感染者がいない場合であっても、『当該感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者』として、行政検査の対象としてもよいか。」

A:「医療機関や高齢者施設等においては、クラスターが発生した場合の影響が極めて大きくなることが考えられます。検査前確率が高い(感染者が多数発生している、またはクラスターが発生している)と考えられる地域(保健所管内)において、医療施設、高齢者施設等に勤務する方や当該施設に既に入院・入所されている方及び新規に入院・入所される方について、施設内における新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、幅広く行政検査を実施していただくことは可能ですので、適切に実施いただくようお願いいたします。」

世田谷区としては、社会的検査について厚生労働省の見解が初めて示されたものと受け止めています。先般、厚生労働省に対して確認を求めたところでもありますが、この内容は、まさに世田谷区の「社会的検査」と同様で、とりわけクラスターが発生したり、かなり大勢の方が一挙に感染するようなケースが全国でみられる中、そういった地域について、国はおそらく自治体の判断を重んじるのだろうと思いますけれども、社会的検査という私どもの概念とほぼ違わないものについて、行政検査と見ることができるという内容になっています。なお細かいことについては、これから協議をし、詳細を詰めていきたいと思っております。

今回は検査のハードルを低くしていくという意味で、第一段階として9月中旬を目途に、社会的検査を行っていきます。区の発症事例が多い介護事業所、保育園・幼稚園の職員と、特養の新規入所予定者へ実施していきます。対象人数が約2万3千人のため、検査を一巡するだけでも相当の検査数にはなりますが、検査対象とする職業や施設を拡大することも検討をしていきたいと思っています。

社会的検査という意味では、その時の感染状況にもよりますが、どの程度の周期・範囲で行うのかという課題はありますが、まずは大量に検査を実施していく。最初に一歩踏み込んで参りたいと思います。

続いて検査方法について申し上げます。

通常の検査は一つの検体を一つの試験管に入れるものですが、今回は前鼻腔の自己採取として、プール方式で行いたいと考えています。一つの試験管に複数の検体を入れ、検査で陽性となった試験管のグループのみ、それぞれ個別に検査していくことで検査器にかける全体数を減らしていこうというものです。実は東大先端研の方で、相当数の検体を取り実証実験を行っており、プール方式は一度にいくつの検体を取るべきか、どのような方法で行うかなど検証していただいています。メーカーが異なる検査キットを使うと結果に差が出たということもあったようで、技術的にもう少し時間をかけて検証したいと報告を受けています。プール方式の検証を9月いっぱいは行いながら、概ね10月には実践に入りたいと考えています。

なお、プール方式については現在、厚生労働省の国立感染症研究所において実証試験中であると聞いていますが、アメリカでは7月に、アメリカ食品医薬品局が緊急使用許可という基準で、まとめる検体は4つであればいいのではないかと出ております。そのため、持続可能なキットで、検査のクオリティを上げるとともに、10月には、4検体をまとめてということを基本にプール方式を開始していきたいということです。それまでは従来の手法での検査から出発し、追ってプール方式に切り換えていき、プール方式を用いて1日あたり1000件というスケールを目指して参りたいと思います。

現在、プール方式は行政検査にはなりませんが、今後厚生労働省が認めるというような見解がでたら、区の取組みもまた変わってくると思います。

今回の事業費につきましては、医師・看護師等の委託や検査費用など合わせまして、約4億1400万円を見込んでいます。財源については区の独自財源のほか、ふるさと納税における寄附金、そして賛同を得た民間企業などからの支援なども考えています。また、東京都と国の財政的な支援、あるいは理解と協力も必要不可欠だと思っております。

今回の社会的検査の取組みの特徴としては、検査のための独自フレームをつくることにあります。今、保健所は非常に多忙です。その上で1日1000件の検査を、どのようにやるかというところで、民間委託によって、施設からの検査申し込みに対する受付や、検査の日程・場所の調整を民間委託で行います。また、今詳細は協議中ですが、採取した検査キットの運搬や、検査結果で陽性となった場合の行動確認いわゆるコンタクトトレーサーとしての活動。陽性者が誰と会い、どのように行動をされたかについてのレポートもつけて、保健所へ報告していただくという流れを考えています。保健所は、限りある人数で最大限頑張って活動をしています。長期にわたって相当無理をさせている状況です。さらにこの1000人単位の検査を保健所が背負うということは言えませんので、検査のための特別フレームを立ち上げる部分に特徴があります。

次に財源についてです。区での検討当初は、先程の厚生労働省の社会的検査の見解はございませんでしたので、理解をいただき寄附を集めるなどの手法も取り入れながらスタートすることとしました。4月末から募集を開始した「世田谷区新型コロナウイルスをともに乗りこえる寄附金」は、24日現在で4,270万円を超える多大なご寄附をいただいております。第1回の活用では、N95マスクなどを医療機関などへ配付したところです。新たに第2回目としてバージョンを変え、PCR検査の拡充を加えて目標を5,000万円と大きくいたしました。このガバメントクラウドファンディングも含めて、現在約4,300万円の寄附は、専用口座への寄附や、窓口に直接持ってこられる方も多くいらっしゃいました。今後も大いに呼びかけて参りたいと思います。この会見と同時に、本日13時から寄附募集を始めておりますのでご紹介をお願いいたします。

本庁舎整備について

続いて、本庁舎整備についてです。

本庁舎整備については、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う区の緊急対策を踏まえ、本来であれば今年の5月以降に施工者選定に関する手続きに着手する予定でしたが、一旦保留をし、この間、事業全体で15億円の経費縮減を図るとともに、財源を確保し、今後の財政見通しをつけました。

これまで、十分ではない災害対策やバリアフリーへの対応、スペースの狭隘化という現状を打破するために、本庁舎整備の検討を進めてきました。平成28年に基本構想でまとめた5つの基本的方針に基づき、31年3月に基本設計、令和2年3月には実施設計概要をまとめたところです。そうした中で、新型コロナウイルス感染症拡大があり、財政状況に本当に持続可能性があるのかということで、一旦手続きを止め、再検討したということでございます。

改めて本庁舎整備の意義を振り返ります。

まず、災害対策の拠点として、現在の庁舎は十分な機能がないこと。また、半世紀以上前にできた施設ということで、窓口や待合スペース、事務スペースが不足している。さらに、省エネやバリアフリーへの対応が十分ではないこと、そして区民の参加と協働を推進するスペースが不足していると、こういった課題が現在の庁舎にはございます。最大の課題はやはり、耐震性などについて十分な機能を持っていないということです。そこで、幾多の議論はありましたし、経済状況は厳しい中ではありますが、本庁舎整備を推進していこうと判断いたしました。

この間、先ほど申し上げたように、事業費の縮減についてはさらに検討を重ねて参りました。この事業費の縮減については、区民の利用者の利便性・快適性を損なわないことを留意しながら、災害対策機能の強化という喫緊の課題を抱えていますので、設計変更などによって工事着工の延期を要するといったことのないよう、対策を行って参りました。

その結果、建設・解体工事費で約10億円、関連事業費で5億円、総事業費合計で約15億円を縮減いたしました。また、財源の内訳も工夫し、基金と起債の計画的な活用により、総事業費に係る一般財源の負担を最小限とする財源構成に見直しを行っています。一般財源が88億円であったところを、15億ほど削り、66億円と最小化いたしました。

今後のスケジュールとして、工事施工者選定の入札公告は、令和2年9月上旬、開札は令和3年2月頃、着工時期は令和3年7月頃を予定しております。

私からは以上になります。

質疑応答

  • 記者

社会的検査についてお聞きする。今回、新たに感染症の疑いがある有症状者や濃厚接触者以外の方へ、症状の有無にかかわらずに検査をするということだが、実施の主体は保健所や医師会ではなく、完全に民間に検査を委託するということか。その場合、どういった民間委託先をイメージしているか。

  • 区長

区が想定している検査手法内容、業務を実行可能な民間事業者へ委託して行う。また、この検査が行政検査に該当するかどうかについては、先ほど申し上げたように厚生労働省と現在協議中であるので、その結果によって変わっていく可能性はある。

  • 記者

来月の議会に提案する補正予算案に計上する社会的検査にかかる経費は、実際の検査費用、委託費も含めて4億1400万円あまりということでよいか。

  • 区長

その通り。感染症の疑いがある有症状の方や濃厚接触者のPCR検査の拡充のために8億5000万円、社会的検査の実施のために4億1400万円、これらを合わせた金額を補正予算案に盛り込んでいる。

  • 記者

区内の介護事業所、保育園、幼稚園の職員全員が検査対象になるということか。

  • 区長

基本的に全員が対象だが、もちろん強制ではないので受けたくないという方についてはその意思が尊重されることになる。なお、厚生労働省の接触確認アプリ「cocoa」をインストールしていただくことを検査と同時にお願いしようと考えている。

  • 記者

検査対象のひとつに「特養等の入所予定者」とあるが、予定者に絞っているのはなぜか。

  • 区長

保健所や医師会ではない外部の検査フレームを新たに作り、1日1000人規模の検査を回していく、いわばスタート段階であるので、まずは対象者を限定させていただいた。今後、社会的検査を実施していきながらさらに検討を重ね、対象を拡大していくことはありうると考えている。

  • 記者

社会的検査については、今後、定期的に行っていくという考えか。

  • 区長

世田谷区は92万人の人口を擁しており、保育に1万人、介護に1万2000人と、携わっている方の絶対数が非常に多い。安全を守るという観点からは、1回やればそれで良いということではないのではないかと思っている。ただ、まずは一巡させていただき、そののちにどのぐらいの間隔でやるのか検討していきたい。また、対象についても、例えば障害をお持ちの方の施設も接触が不可避という意味では同じではという声も上がっているところであるので、この点も含めて検討していきたい。

  • 記者

一部報道では、2万人の方々への検査が一巡するのに2ヶ月ほどかかるとされていたが、区としてそのような見立てはあるか。

  • 保健福祉政策部長

単純計算では、1日1000件の検査を実施したとすると、対象が2万3千人なので概ね1か月ほどで終わることになる。ただ、1日1000件というのは、50人ほどが入れる会場で20クールの検査を行うことを想定した検査単位である。職員の方に検査会場に行ってもらうのは難しいという事業者の方も多いと思うが、検査チームが事業所へ訪問して検査を実施した場合、50人単位で行うのは難しく、30人あるいは20人単位になる場合もありうるため、1か月で全ての検査を終えるのは厳しい状況かもしれないと考えている。

  • 区長

先ほど申し上げた通り、今回の社会的検査は1人1人に対するPCR検査という従来の形から始まり、プール式の導入は少し後になる。また、介護施設や医療機関等の職員の皆さんは交代制で勤務されており、非番の方がいらっしゃるということもあるので、検査件数については少し幅を持たせて見る必要があると思う。いろいろと試行錯誤する中で、いつの時点で軌道に乗せられるかによって、検査が1日1000件に到達するまでの期日は変わってくると思う。

  • 記者

社会的検査の意義について、区長からあらためてコメントをいただきたい。

  • 区長

日本も全く同じであるが、世界中の新型コロナウイルスで亡くなった半数の方が、医療機関の院内感染や高齢者施設、介護施設内での感染で重症化し、亡くなっているということに非常に危機感を持っている。世田谷区内でも、5人以上の感染者が出るいわゆるクラスターのケースが幼稚園や介護施設において複数発生している。また、5人まではいかないまでも1人あるいは2人感染したという施設で言えば、相当の数になる。介護施設で働いている方々からも、できるだけ早くこの社会的検査を実施してほしいという要望の声も上がっている。

社会的検査を実施することで、事態が深刻になる前に、もし感染している方や症状のない感染者の方がいれば、その方をピックアップしてクラスター化を防止し、地域全体に感染が拡大することを防ぐ効果があると思っている。

  • 記者

庁舎整備についてお伺いする。確認だが、当初の公告では、選定方式が制限付一般競争入札の総合評価で、発注方式も分割せずに一括ということだったが、今回も同じ方針を維持されるのか。

  • 庁舎整備担当部長

入札方式については、提案型の総合評価方式の制限付一般競争入札、そして分割せずに一括発注で行うということで以前と変わりない。

  • 記者

社会的な自粛によって経済が立ち行かなくなる“コロナ不況”があちこちで危惧されている中で、感染をどのように防いでいくかということだけではなく、経済活動とのバランスをとっていくことも重要な課題であると思う。世田谷区の社会的検査は、感染予防に配慮しながらも経済社会活動を活発に進めていくための取り組みだと思うが、例えば、人が集まるところとして、区役所の職員に全員検査を行う、あるいは商店や様々な事業所にも検査対象を拡大していくなどの考えはあるか。

  • 区長

経済界からも、小林慶一郎氏などから、検査には確かにお金はかかるけれども、集中して行うことが最大の経済効果を生むのではないかという声が上がっていると受け止めている。

今日発表した内容は、既存の検査で600件、社会的検査で1000件と、最大限に実施したとして1600件の検査数ということになり、一桁上がってはいるが、8月当初の目標値である2000、3000件に比べれば少し低くなっていることは認めざるをえない。

実際にやってみて、検査を拡大することがどうしてこれだけ困難なのかということがよくわかった。外部の検査フレームを作るというのも前例のないことで、手探りでいろいろと協議を重ねながら職員が苦労して組み立ててくれたものである。まずはそこからスタートしたい。

例えばいくつかの飲食店が軒を並べているような通りで何件かの感染が出た場合に、その通り全体を検査するということは既に始まっている。今後、社会的検査をさらに拡充していけば、検査のハードルはどんどん低くなってくると思う。検査の単価がまだまだ高いなど、現時点ではいくつかの課題があるが、この間、世田谷区が社会的検査の必要性について発信してきたことを、それなりに国も受け止めてくれていると厚生労働省からの通知の内容等から見て取っている。

国が社会的検査に対する財源をしっかりとつけてくれるのであれば、社会的検査は世田谷区だけではなく、他の自治体にも広がっていくと思う。

感染が怖いのでどこにも行けず誰にも会えないという現在の状況はかなり長引く可能性もある以上、少なくても幾つかのチェックポイントはあり、そのチェックポイントで安全を確認して活動すると。例えば劇団などでは、公演を行う前に自費で全員に対しPCR検査を行い、さらに公演期間の中日にも検査を実施するというようなことを行っていると聞いている。これは演劇活動を続けるためにどうするかという工夫であると思うが、社会レベルでそういった工夫を練り上げていくのがこの9月、10月ではないかと考えている。その意味で、今回の世田谷区の社会的検査をしっかりと成功させ、プール式検査の技術的な課題も全てクリアしていくことで、社会的検査というものをひとつの制度として定着させていきたいと考えている。

  • 記者

介護事業所、保育園、幼稚園で勤務する職員は、区内在勤の方が対象か。

  • 保健福祉政策部長

今回の検査は、事業者単位で受けていただくことを考えている。

  • 記者

区内在住で、区外の施設で働く方は対象となるか。

  • 保健福祉政策部長

施設単位での受検を想定しているため、基本的には区内の事業者単位で受けていただくことを考えている。

  • 記者

医療従事者が対象外となった理由は。

  • 区長

区内医療機関との意見交換のなかで、多くの病院で早い時期から、検査機器を独自に導入し、複数回検査を行っていると聞いている。今後の可能性として、街角のクリニックなど小規模な医療機関の必要性も考えられる。また、先ほど取り上げた厚生労働省の事務連絡のQ&A中にも、行政検査の対象として医療機関の記載があるため、検討対象になると考えられる。

  • 記者

今後、厚生労働省が行政検査について指針・基準を出した場合に影響があるかどうかという点で、検体採取の方法として自己採取は法的に問題ないか。

  • 区長

今回発表した社会的検査の仕組みは、厚生労働省の8月18日の事務連絡を想定しない段階で作成している。そのため、行政検査になるかどうかはあまり考慮していない。主眼はいかにコストを低減していくか。唾液検査なども検討したが、今回は前鼻腔の自己採取という方法が、コスト・精度の面で望ましいと考えた。FDA(アメリカ食品医薬品局)が前鼻腔の自己採取で4検体でのプール式という一応の基準を出していることからも信頼性はあるかと思う。ただ、仮に行政検査となった際、自己採取が問題だということになれば再検討してもいいと考えている。

  • 記者

保健所は現在でも非常に大変な状況だと思う。今回の社会的検査で、約2万3000人に検査するとなれば、当然その分の検査結果の連絡や陽性者への対応が発生するだろう。保健所の負担軽減という面で、以前にも民間委託の可能性に言及されていた。保健所の法的な権限や制限などもある中で、どこまで民間に委託するか。

  • 区長

陰性の方々については、委託事業者から通知をしてもらう。陽性の方については、最終的には保健所で対応するが、その手前で労力を要する行動確認の部分、これは民間委託する方向で協議をしている。

保健所の負担としては、従来の検査を300件から600件に増やすだけでも大変な状況である。社会的検査も全て保健所で行うのは体制として難しいため、民間委託という形で別システムを用意した。社会的検査の一つの手法として示し、成功させたいと考えている。

  • 記者

これまでの区長の発言等では、プール方式というのは5人の検体をひとまとめにして実施するという説明があったと思うが、今回の社会的検査は4人をひとまとめにする予定ということで良いか。

  • 区長

はい。

  • 記者

陽性者の行動履歴確認の委託は、検査を委託するのと同じ事業者に委託するのか。

  • 保健福祉政策部長

陽性者の行動確認、コンタクトトレーサーについては、できれば一連の流れの中で行いたいため、検査を委託するのと同じ事業者に委託したいと考えている。ただ、区の様々な事業で保健指導等を受託する事業者は増えてきているので、同じ事業者でなくても受託できる事業者はあると考えている。

  • 記者

今回の発表は社会的検査の第1弾ということだが、その第一歩を踏まえて、最終的にはどこを目指しているか。

  • 区長

社会的検査については、一定の範囲拡大は必要ではないかと思っている。

現在のところ、幸いにして世田谷区ではどこかの地域で集中的な感染が発生したという状況には至ってないが、区内には飲食店街や繁華街もあるため、地域的にローラーをかけるような検査も、必要なときには躊躇なく実施していこうと考えている。

日本の場合、検査手法と検査費用、財源の面で、なかなか検査が増えないような仕組みのまま、ここまできてしまった。今回はそこを思い切って拡張する。厚生労働省の方でも、社会的検査という概念について一定の理解が生まれてきたように思う。いわゆる検査のハードルをできるだけ低くしていきたい。

第2弾、第3弾も当然考えているが、感染状況が10月、11月にどのような状態になっているのかは予想できない部分がある。社会的検査を行っていく期間についても、感染状況によって、ずっと続くのか、一定期間で終了するのかも変わってくるため、現時点では確たることは言えないが、まずはこのような方法で第一弾をスタートさせていきたい。

  • 記者

区民の皆さんも不安を抱えている方が多いと思う。今後も厳しい感染状況が続けば、行政検査になるかどうかは別としても、例えばニューヨークのように、希望者については誰でも社会的検査を受けられるという段階まで目指していく考えか。それとも、ある程度は対象を区切っていかざるをえないという考えか。

  • 区長

前提として、大量に検査する体制が今のところ日本にはなく、世田谷区においてもまさにこれからやろうとしているところである。今回の試みがどの程度順調に回りだすか、プール式を導入し、コストがどこまで安くなっていくか等、様々な要素を見合わせながら、例えば自己都合でPCR検査を受けたいという方にどのように対応するのかということはこれから検討していきたい。全体としては、PCR検査をより迅速に、大量に実施していくために、コスト、速度、ボリュームすべての面の追求を重ねていきたい。

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