区長記者会見(令和2年6月23日)

最終更新日 令和2年6月30日

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記者会見を行う区長の様子の写真
記者会見の様子

令和2年6月23日(火曜日)、保坂展人(ほさかのぶと)区長が記者会見を行いました。

動画はこちらからご覧になれます。新しいウインドウが開きます

PDFファイルを開きます会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。


皆さんこんにちは。今年度第3回目の定例記者会見を始めたいと思います。4月・5月は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、事前質問をいただいた上でYouTube配信するという形で行わせていただきました。今回は通常の方法で行います。

まず、現在の新型コロナウイルス感染症の状況から申し上げていきます。5月25日、東京都においても緊急事態宣言が解除され、6月19日には、都の休業要請も一部大規模イベントを除き、全面的に解除されました。しかしながら、6月に入り都内の新規陽性者数が、30人を超える日が何度か発生するなど、予断を許さない状況が続いています。

一方、世田谷区内においては、5月中旬以降、1日の陽性者数は0人が続くときもあり、0~4人の範囲で落ち着きを見せておりましたが、6月に入り、1日あたり数人ずつという日が続き、7人という日も出てきております。まだまだ警戒を続けなければいけない状況だと思います。

区のホームページには、日ごとの感染状況を掲載していますが、6月22日現在、累計の陽性者数が480人、そのうち入院されている方が23人、ホテル等で療養中の方が2人、そして438人の方が退院等されています。また、残念ながら亡くなられた方が17名いらっしゃいます。こうした状況の中で、男女別では、男性284名、女性196名となり、年代別では、多い順に30代、40代、20代となっております。

また、すでに濃厚接触者の特定や健康観察は終了していますが、6月上旬、区内の飲食店において狭い空間で飲食をともにした方々が感染したという事例が発生しております。飲食店に従事する皆様にもご努力いただいていますが、改めて感染拡大防止の取組みを徹底していただくとともに、区民の皆様には、自らの健康を守るために、飲食店を利用される場合や、自宅での会食という場合にも、いわゆる「三密」を避けるようご注意をいただきたいと思います。

さて、新型コロナウイルス感染症の収束が見えない状況を受け、残念ですが、本年11月8日(日曜日)開催予定の「第15回世田谷246ハーフマラソン」は、感染拡大のリスクを回避することが困難なため、実行委員会において中止が決定されました。来年度以降の大会開催については、新型コロナウイルス感染症の感染状況や、日本陸上競技連盟から示される予定のガイドラインなどを踏まえて、実行委員会、関係機関と協議しながら検討して参ります。また、246ハーフマラソンをはじめ、各種スポーツイベントを楽しみにされていた区民の皆さんのため、開催予定の11月8日(日曜日)に、新しい生活様式を織り込んだイベントの実施も検討をしております。また、「世田谷区たまがわ花火大会」についても、本年10月3日(土曜日)に川崎市との同時開催を予定しておりましたが、来場されるお客様の感染拡大を防止することが困難であるということで、開催を見送ることをすでに決定をしております。川崎市も同様の判断をされたと聞いております。

次に学校、保育園、児童館、区民利用施設等の再開についてです。区立小中学校は、6月1日より段階的に再開し、毎週少しずつ分散登校を増やしながら、今週より通常の時間割での授業を実施し、あわせて給食の提供も再開しています。また、6月1日から美術館やスポーツ施設、公園なども順次再開し、15日からは区民センターや地区会館なども、感染防止策を講じた上で再開しています。施設ごとの再開状況など詳細は区のホームページでご確認ください。

区立保育園、私立保育園については、6月末まで登園自粛を要請し縮小保育を実施していますが、7月1日より登園自粛を解除し、通常保育に向け、段階的に移行して参ります。今後、区内保育所の代表者の方々と、感染予防と保育の質の確保の両立が可能な新しい保育のあり方を検討し、8月末を目途に、各保育所等にお示しする予定です。

また、区立幼稚園、認定こども園についても、登園自粛の要請は6月末までとし、7月1日以降、園児を分散登園させながら、段階的に教育、保育を実施していきます。

この間、休館が続く児童館については、7月1日より、利用者の特定できる予約制の講座や、時間帯による利用対象者の設定などを行い、段階的に運営を再開することにいたします。来館時の検温や入館表の記入、部屋の換気など適切な感染防止対策を講じながら、8月1日以降は通常運営を目指しています。

区立図書館については、これまで段階的にサービス再開を進めており、通常開館は当初7月1日からの予定でしたが、時期を前倒しして、明日24日から感染症対策を実施した上で、通常開館をいたします。利用者のマスク着用や、館内滞在時間に制限を設けるなどしながら、施設や貸出資料の消毒等に努め、安全を図って参ります。

次に、特別定額給付金についてです。10万円の給付を、49万世帯以上に正確に、なるべく早く届くように努力して参りましたが、なかなか件数が伸びておらず、お待たせしている区民の皆様には大変申し訳なく思っています。振り返りますと、世田谷区では、5月2日からのオンライン申請が約3万3,000件ございました。ご存じのように、住民基本台帳と情報が結びついていないなど、かなり苦労しながら照合作業を終え、オンライン申請約2万8,000件については振り込みが完了しました。現在は、書き間違いや申請内容に不明点がある約5,000件について、1件1件精査しながら取り組んでいる状況です。なお、オンライン申請は今月の12日で受付を終了しています。

これより早い段階で、一番はじめに着手したのが、DV等で配慮しなければいけない方々への対応です。先行して進め、現在678件の方々がリストアップされ、593件について支払いを完了しています。

こちらの定額給付金について、区は、かねてより委託実績のあるトッパン・フォームズという企業に委託しました。委託先で、申請内容のスキャニングや口座番号等の入力などのシステムを開発し、区の支払い処理にまわしていくという流れです。これが完成したのが、6月19日ということで、多少の時間がかかってしまいました。この間、職員のほうで、先着の申込み約6,400件を手作業で処理しました。

現時点の給付状況は、オンライン申請分の約2万8,000件、そして、郵送申請分については、手作業での約6,400件とシステム処理での約2万5,000件、すべて合わせて約6万件という状況です。

全体でおよそ38万件の申請書が届いており、区民の77.5%が申請している割合でございます。現在はシステムができ上がっているので、1日ごとの処理件数をなるべく増やしていくよう委託先と交渉しているところでございます。

また、当初の想定以上に時間がかかり、申請から給付に概ね1ヶ月を要しているところです。その中で、大変あってはならないことですが、確認の仕組みをつくり、複数のチェックをかけていながら、事務的なミスで、9世帯の方々へ計240万円を二重に支払ってしまうということが発生いたしました。大変申し訳なく考えており、お詫びをしたいと思います。

なお、現在、区民の皆さまから、なぜこれだけ時間を要しているのか、というお尋ねやお叱りのお電話をいただいております。今後は、給付作業のピッチを上げていくと同時に、現時点での作業状況といった情報を分かりやすく公表していきたいと思います。

次に、「世田谷区新型コロナウイルスをともに乗り越える寄附金」についてです。

区では、4月30日にこの寄付金を立ち上げ、皆様からの寄附を募集して参りました。現在、384件、1,500万円を超えるご寄附をいただいております。頂いたご寄附を活用し、医療現場、福祉現場に必要なものを届けるため、早速動いていきたいと思います。

また、6月4日から「断チャリプロジェクト」に参加いたしました。このプロジェクトは、ブランド品の宅配買い取りサービス「ブランディア」を運営する株式会社デファクトスタンダードと、「ふるさとチョイス」を運営する株式会社トラストバンクが連携し、使わなくなった洋服やバッグなどで寄附をすることができる取り組みです。株式会社デファクトスタンダードへ、不要になったけれども価値があるものを送っていただくと、その評価額相当が「ふるさとチョイス」を通して「新型コロナウイルスをともに乗り越える寄附金」に寄附されるという仕組みでございます。こちらのプロジェクトについてもご案内させていただきます。

それでは発表項目に移ります。

はじめに、PCR検査等の実施状況についてです。

これまでの取り組みとして、区内医療機関と世田谷保健所での検査実施に加え、世田谷区医師会及び玉川医師会との連携を強めてPCR検査を行っています。

5月1日より世田谷区医師会が保険診療を開始し、これまでは保健所の帰国者・接触者電話相談センターを通してPCR検査を受けていただく流れであったところ、かかりつけ医を通してダイレクトに世田谷区医師会の地域外来・検査センターを活用していただくこともできるようになりました。また玉川医師会におきましても、5月13日からドライブスルー方式によるPCR検査を実施しています。

6月21日まで実施してきた世田谷保健所や両医師会によるPCR検査で、約2,500件の検体を採取し、さらに、帰国者・接触者外来などの区内医療機関でのPCR検査件数を加えた検査総数は、約4,400件となります。

区内両医師会をはじめ、区内医療機関、世田谷保健所による検査体制が構築でき、現在は電話相談センターに電話をすれば、電話の時間帯が早ければその日のうちにPCR検査を受けていただくことができ、また世田谷区医師会の地域外来・検査センターでは、医師が必要と判断すればその場でCTの画像診断も受けていただけるようになってございます。

続いて、今後の検査体制についてです。PCR検査体制の維持・拡充を進めるにあたり、検査件数の増大、医療従事者の安全確保の視点も重要となることから、区では以下の取り組みを講じて参ります。

一つ目は、世田谷区医師会及び玉川医師会による検査体制の継続です。両医師会において実施している検査については、7月1日以降も継続すると伺っております。世田谷区医師会につきましては、引き続き検査拠点を活用した検査を継続します。一方、玉川医師会は、現在実施中のドライブスルー方式によるPCR検査は6月25日をもって終了いたしますが、5月27日から1ヶ所の区内病院において、その医療機関との協力・連携によるPCR検査を開始しており、そちらの方に移行するものです。

二つ目は、濃厚接触者への検査対象の拡大についてです。区としてもこの間、素早い検査こそが感染症の拡大防止をするものとして対応してきました。今後さらに濃厚接触者につきましても、すべて検査対象とし、速やかに陽性者を発見していきます。世田谷保健所におきましては、この方たちを対象とした時間を確保し、時間を区切って検査を実施して参ります。

三つ目は、医師・看護師の派遣についてです。医療従事者の人材確保が大変難しいことから、区では、民間機関活用による医師・看護師の派遣を実施し、7月1日以降の検査継続を踏まえ、9月末日までの契約を行い、検査体制を維持して参ります。

四つ目は、PCR検査体制の確保についてです。現在、PCR検査を実施している区内両医師会、区内医療機関、世田谷保健所における検査体制をさらに拡充するべく、区で把握している医療機関以外でのPCR検査の実施状況などの調査に取り組み、検査件数の把握を行って参ります。検査件数全体を把握することで、第2波、第3波に備えての体制をしっかりと築いて参りたいと考えております。

最後に、医療機関への支援についてです。新型コロナウイルス診療に熱心に取り組んだ医療機関の経営が大変厳しい状況になっていることが、報道番組等でも指摘されております。私どもとしてもこのような状況を非常に懸念していることから、区としての助成を行うこととして、先ほど紹介した「新型コロナウイルスをともに乗り越える寄附金」の募集などにより、財源の確保や医療防護具などの物資支援に取り組むとともに、区内医療機関のニーズを把握するため、区内医療機関・両医師会・区の担当所管の密接な情報連絡体制を構築して参りました。今後、N95マスクや防護服など、物資面での具体的な支援を実施していきたいと考えております。あわせて病床確保等に対する支援など、財政面からの支援も実施して参ります。

次に、風水害対策総点検を踏まえた取り組みについてです。

昨年10月、多摩川の溢水や内水氾濫など大変大きな被害をもたらした台風19号を教訓に、全庁的に「風水害対策総点検」を実施し、取り組みをまとめました。

まず、職員間における避難所の運営状況などの情報共有が互いにできるように、通信用アプリ「LINE WORKS(ラインワークス)」を今月中に管理職のスマートフォンに導入し、出水期における運用体制を整備いたします。また、導入後においては、効果を検証した上で、新たに配備する拠点隊職員用のスマートフォンなどへの導入を進めて参ります。

また、洪水ハザードマップを全面改定し、昨日6月22日から区ホームページに暫定版を掲載しております。改定にあたっては、区民にとってわかりやすいハザードマップを目指し、9月には完成版を全戸配布していく予定でございます。

また、土のうステーションについては、令和元年度中に54基から60基に増やしており、7月末までにさらに10基を増設し、70基を設置します。

そして8月下旬には、多摩川の無堤防部分に溢水対策用の土のう等保管倉庫を現地近くに設置するとともに、最大毎分10立方メートルの排水が可能な排水ポンプ車を2台導入していく予定でございます。

次に、風水害時の避難所開設・運営についてです。多摩川の洪水に関する避難情報「避難準備・高齢者等避難開始(警戒レベル3)」の発令を早め、多摩川洪水浸水想定区域から離れた施設などを台風接近・通過前日(24時間前)までに水害時避難所(第1次)として開設し、早めに避難した方の受け入れを開始します。その後、台風接近・通過当日(暴風雨前)に、水害時避難所(第2次)を開設し、避難された方の受入れを実施します。水害時避難所の開設・運営にあたっては、区が主体となり、地域住民の皆さんの協力をいただく準備も進めて参ります。

また、8月下旬には、避難してこられた方々の携帯電話やスマートフォンなどの充電が可能となるよう、避難所となる学校等に大容量のポータブル蓄電池を配置いたします。また9月には、災害時の電源確保への活用を見込み、電気自動車7台の配置を予定しています。

そして、避難所における新型コロナウイルス等の感染症対策として、マスクや手指消毒液などの衛生用品の準備を呼びかけるとともに、「三密」を避けるため、体育館だけではなく各教室、視聴覚室、ランチルーム等を含めて、避難スペースとして活用して参ります。また、宿泊施設などへの自主避難や自宅周辺で危険がない場合の在宅避難、知人や友人、親戚宅などへの縁故避難も、有効な避難方法の一つとして推奨して参ります。今後も区民の皆様と力を合わせて、風水害対策に取り組んで参ります。

最後に、台風19号に伴う浸水被害への区の取り組みに関する住民説明会についてです。区では、昨年12月21日、22日に浸水被害状況や各種支援制度などに関する住民説明会を開催しました。今回は、7月19日と26日に説明会を開催し、本日ご説明いたしました、風水害対策総点検の区の具体的な取り組みや、浸水被害の検証状況などについて、周辺住民の方々を対象にご説明する予定です。新型コロナウイルス感染症対策として、密集を避ける必要があるため、出席人数に定員を設け、参加は事前申し込み制、参加希望者が定員を上回った場合は抽選とさせていただきます。開催時間・場所については現在調整中ですが、決まり次第、区のホームページ等で周知してまいります。

私からの発表は以上となります。

質疑応答

記者 抗体検査を特集したNHKのクローズアップ現代プラスに区長が出演していたが、抗体検査に関して区は取り組む考えがあるか、あるとしたらどのような計画か。

区長 先週のNHKの番組の中で、東京大学の先端科学技術研究センター(以後、先端研)の児玉名誉教授を尋ね、新型コロナウイルス感染症の現状と今後の見通しを伺った。その中で、抗体検査のデータを積み上げていくことは重要だとお聞きした。先端研では、区内の特別養護老人ホーム芦花ホームで、入所者など一連の関係者に一斉に抗体検査を行い、実情を調査している。

また、区内の東京都医学総合研究所では、定量的な調査に用いることができる簡便なキットによる抗体検査の機械を導入したとのことで、抗体検査について情報提供を受けている。区内の状況調査、とりわけ医療施設、福祉施設や障害者施設での施設内感染を防御していく一つのツールとして、簡易PCR検査と組み合わせる手法を確立できないか、現在検討を詰めているところである。結論が出次第、発表していきたい。

記者 医療機関への支援について、支援の財源は基本的に寄附金で検討しているのか。また、具体的な支援策を教えてほしい。

区長 医療機関への支援について、寄附金の方は、急を要するマスクやガウンといった医療防護具の支援から始めていく。また、コロナ診療に取り組んだ医療機関の経営的行き詰まりへの支援として、区の第2次補正予算において3億円を財源化した。また区として、更なる支援を国や都へ働きかけていきたいと考えている。

記者 風水害時の避難所開設について、これまでの運用とどのように変わったのか。

危機管理部長 これまでは、台風の接近状況に応じて開設の判断を行っていた。今後は、台風19号クラスの台風が来たときには、早めに「避難準備・高齢者等避難開始警戒(レベル3)」を発令し、接近する24時間前までに、水害避難所(第1次)として開設し避難する方々を受けいれる。また、水害避難所(第2次)として、避難所を2段階で開設していく点が変わっている。

区長 もう1点、車座集会の中で、多摩川周辺の地域からは数多く意見をいただいた。その中で、「台風時の避難所運営は区の職員が仕切ることになっている。しかし、台風19号のような、一つの避難所に数百人が避難する事態では職員数名だけで仕切ることはできない。地域住民、PTAやおやじの会などの参加も必要ではないか。」との声があった。加えて、今後は新型コロナウイルス感染症を踏まえたスペースの確保など、これまでとは大きく異なる配慮も必要となる。区としては、区の職員が責任を持つのはもちろんだが、地域の皆様の参加と協力も得ながら、台風時の避難所体制を作っていくよう切り換えていきたいと考えている。

記者 4月に、区内の社員寮でPCR検査待ちだった男性が孤独死し、死後に陽性が判明したという報道があったが、現時点で議会や報道機関に、説明がなされていない。感染症に対する危機感の周知や他自治体の対応の参考となると推測でき、ある程度概要を明らかにするメリットもあると考えるが、区が公表しない理由を教えてほしい。

区長 報道を見て、本当に心痛いことでご冥福をお祈り申し上げた。記事は友人の証言だったが、この件については、ご遺族が公表を望まない意思が明確にあり、保健所が公表しないことに繋がった。私としては、事実として保健所の電話回線が当時繋がりにくい状態であり、改善しようとしていた中で起きてしまい、本当に申し訳なく思う。その後、電話体制を拡充し一定の改善は果たした。しかしながら、今後これまでの対応についての検証は必須になる。その中で、今回の報道の件も検証していきたい。

記者 区の個人情報保護条例において、死者は該当するのか。

総務部長 亡くなった方であっても条例で保護すべき個人情報であることには変わらない。

記者 区の個人情報保護条例の第16条に、人の生命、身体、健康または財産の安全を守るため、外部提供することについて緊急かつやむを得ないと認められるときは、本人の同意を得ずに外部提供することができる、とあるが、この新型コロナウイルス感染症は非常に重大な、人の健康を害する危険なものと思うが、この条文には該当しないか。

総務部長 第16条で規定している外部提供は、区の持つ個人情報を区以外の機関に提供することを基本的に意味しており、ホームページに掲載するなどの公表とは考え方が異なる。その上で、新型コロナウイルス感染症によって緊急かつやむを得ないと認められる状況と判断されれば、外部提供をすることもあるが、条例に規定する個人情報保護の観点から必要最小限になるだろう。

記者 国の個人情報保護法では死者は守られないが、世田谷区の条例は、該当するのか。

総務部長 亡くなった方であっても、どういうご病気、死因だったと公表することはないと考えている。

記者 ホームページへの掲載と報道機関への情報提供を同列に考えているのか。

総務部長 同列ではない。

記者 確認だが、世田谷区の条例では個人情報に死者も含まれるというのは、解釈か、それとも本文に書いてあるのか。

総務部長 解釈である。

区長 今ご質問いただいている問題には二つの要素があると思う。一つは、新型コロナウイルスという未知の感染症に対し、検査の結果待ちをされていた方が突然亡くなるということが実際に起きたのだから、どのような症状が出るのか、どのように深刻化するのかについて多くの人が知る必要があるという面ではご指摘の通りだと思う。ただ、一方で本件については、その状況について一切公表して欲しくないというご意向が遺族の方から保健所へあったと聞いている。そういった事情から保健所としては概要を明らかにすることが難しかったのではないかと思う。どのようなケースが起き、そこにどのようなリスクがあるのかということについては、先ほど述べた検証作業の中で考え、示していきたい。

記者 事案の概要を公表することに、遺族の同意が必要という根拠はあるのか。90万人以上の区民がいる世田谷区で「50歳代の男性の事案」として公表したとしても、直ちに個人が特定されるとは思えない。「個人が特定されるおそれ」を過剰に考慮し皆が知りたいことあるいは知らされるべきことまで公表しないのは、こちらからすると「隠している」というふうにしか思えない。未知なるウイルスと区長もおっしゃっている以上、きちんと説明しないと区民は安心しないのではないか。もう一度、見解をお聞きしたい。

区長 今回の感染症対策の中で、保健所はり患された方一人ひとりの同意を得ながら、個人の特定にはつながらない形で感染者数などの情報を公表している。公表の仕方は各自治体でそれぞれ異なり、例えば「50代の男性」という形で公表している自治体もあるのは存じ上げている。ただ、今回のケースでは、事柄の推移を一切言わないで欲しいと遺族の方が強く望まれ、保健所としてはそれを尊重せざるを得なかったのだろうと思う。

新型コロナウイルスの諸症状が劇症化し、亡くなるという重大な結果が生じた例について、普遍的にどのような教訓があるのかは、今後整理し検証していく。

記者 「保健所としては尊重せざるを得なかった」と言うが、保健所へしっかりと指示を出すのが首長の役割だと思う。情報をどこまで公開できるかは区長の手腕にかかっている。この事例については、保健所が公表できないと言うから公表しなかったのか、それとも区長としても公表しない方がいいと思っているのか。また、区長がこの事例を知ったのは何によってか。

区長 まず、この事例を知ったのは報道によってである。

次に、この事例が起きたのは保健所が早朝から深夜までフル回転で取り組んでいた時期であり、一つ一つにおける保健所の判断というものをまずは尊重してきたことは事実である。死亡という重大な結果になった事案の中で、当時電話が繋がらないという状況があったことについては、記者会見の中で本当に申し訳なかったと所感を述べさせていただいた上で、改善を図り、現在に繋げていると考えている。また、新型コロナウイルスの特徴としてどのような症状があるのかということについては、ご本人を特定しない形でその症状の推移を疫学的に検証することはできると思う。第1波の大きな波が少し落ち着いている今、これまでの取り組みを振り返り、総括する中で検証していきたいと思う。

また、情報の開示は当然必要なことと考えているが、どこまで開示するかについては意見が分かれるところである。今後どのようなルールで公表していくかについては、保健所も含めて徹底的に議論し、その結果、世田谷区としての公表の基準を変更するということになれば、変更していきたいと思う。

記者 この事例は区の体制を検証するために大きな事案であるのに、議会などでも詳細を答えていないことに疑問を感じている。世田谷区には90万人も区民がいる中で、当時なぜ電話回線が3回線しかなかったのか、その原因は何なのかということを早く考えるためにも、議会で詳細を回答すべきだったのではないか。今回の事案が区長の口からも議会でも詳細にされないことで、区の対応を検証することについて腰が重いと感じてしまうが、その点いかがか。

また、この事例についてはご遺族に同席された記者の方が新聞記事にもしているのに、ご遺族が保健所に対しては「一切詳細を言わないでほしい」とおっしゃっているというのはどうしても違和感があるのだが、間違いないのか。

区長 電話回線が3回線と不足していたのには、感染拡大を受けて増設の算段をしていたものの、電話対応できる専門知識を持った人材の確保に時間を要したという事情がある。この方が亡くなったという報道があった後のタイミングで回線が増えたという状況で、本当に申し訳なかったと思う。

また、もう一つのご質問について、遺族の方が「詳細を一切言わないでほしい」と言われていることは事実であるし、私の記憶では新聞記事にも遺族の方のご意向は書かれていたと思う。ご遺族のそのようなお気持ちに対して一定の配慮をし、お答えを控えている。

ただし、前のご質問の方が言われたように、50代という働き盛りの方において新型コロナウイルスが突如重症化し、部屋で亡くなるという事態まで引き起こしたことは重大な事実であり、そのプロセスの疫学的な検証は区の課題であると思う。このケースについてはご遺族のご意向を踏まえて公表は難しいとしてきたのがこれまでの対応だが、例えば感染者の年代や男女、検査総数など、公表できる項目については世田谷区としても徐々に増やしているところであるので、今回のご指摘を受け、あらためて公表のあり方を検証していきたいと思う。

今後、第2波、第3波に向けて検査能力をしっかりと高め、なるべく早く検査を受けていただけるようにし、重症化することがないようにしていく。電話が繋がらない、症状があるのに治療に結びつけられないといった状況だけは必ず無くしたいと考えている。

記者 本庁舎等整備工事について、新型コロナウイルスの影響で5月中旬に予定されていた工事公告が見送られ、今後については8月頃の区の財政状況を見て判断するとのことだが、見込みとしては、年度内に施工者の選定を再開することはできそうか。また、区長として今後どのように進めていきたいと考えているか。

区長 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、区民の皆さんの経済的な困窮、事業の行き詰まりが幅広く起きており、区としても税や保険料の猶予等を行っている状況である。世田谷区の財政への影響がどれほどのものになるのか明確に予想する必要があり、現在はその見極めに取り組んでいる状況である。

また、新庁舎をめぐって、感染症の急激な拡大が起きた際の危機管理という観点での議論を十分に行ってきたわけではない。現在、公衆衛生を担当する保健所の位置や導線などの見直し作業を行っているところである。

まだ確定的なことは申し上げられないが、8月までの時間、慎重に諸条件を検討し、決定していきたいと考えている。

記者 洪水ハザードマップの改定について、9月中に完成版を全戸配布するとあるが、この改定と全戸配布にかかった費用は。またホームページ上で公開するだけでなく、あえて全戸配布する意図について区長のコメントをいただきたい。

危機管理部長 費用については、印刷経費が約2,000万円、配付経費が約1,000万円となっており、合計で3,000万円ほどである。

区長 昨年の台風19号接近時、アクセス集中によりホームページが繋がりにくい状態が生じた。インターネットは確かに便利だが絶対的なものではないということが、この時の経験でよくわかったところである。台風19号は大変な被害をもたらした水害であったので、洪水ハザードマップに関心を持つ方はかなり増えていると思う。9月という水害への関心の高い時期に全戸配布することで、家のどこかに貼っておいたり、すぐに取り出せるところに置いておいたりして、実際に避難される際に携行していただくなど活用していただけるのではないかと考えている。

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