区長記者会見(令和元年11月18日)

最終更新日 令和元年11月25日

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記者会見を行う区長の様子の写真
記者会見の様子

令和元年11月18日(月曜日)、保坂展人(ほさかのぶと)区長が記者会見を行いました。

動画はこちらからご覧になれます。新しいウインドウが開きます


 

皆さんこんにちは。今年度、第6回目の定例記者会見を始めていきたいと思います。

まず、発表項目の前にいくつかお知らせいたします。

「児童養護施設退所者等奨学金基金」の寄付が、1億円を突破いたしました。これは、満18歳となり、児童福祉法の規定によって児童養護施設を退所しなければいけない若者たち及び、里親のもとで育った若者たちが進学する場合、給付型奨学金として、月3万円×12ヶ月、年間36万円を給付し支えていく取組みです。もとより募金がどれだけ広がるかという見通しがありませんでしたので、当初は5000万円の区の一般会計予算を切り出してスタートいたしました。その寄附額がこの4年をもって、1億円という大台に乗りました。毎年継続して寄附していただいている方も次第に増えております。また、町会・自治会の回覧版などでもこの基金についてお知らせをしたり、商店街をはじめ、各種団体にもご協力をいただいているところです。

給付型奨学金は、4年前の時点ではまだ珍しかったこともあり、当時盛んに報道していただいたことが起爆剤になって取組みが広がりましたが、その後も継続的に広がっています。基金は大分貯まっている状態です。進学を選ばずに就業する若者たちも多数いますので、そういった若者たちも含めて、生活基盤の支援が必要だと思っています。

この給付型奨学金を柱の一つとするフェアスタート事業では、2番目の柱を住宅支援としており、この中で区営住宅を何部屋か提供し、月1万円でシェアして住んでもらう取組みを行なっています。また、居場所支援として、交流やお互いの情報交換のための場も設けています。しかし、一人暮らしを始める、或いは住宅をシェアするという中でなかなか難しい問題が出てくることもあり、施設などの集団生活で18歳まで過ごした若者たちにとって、もう少し進路や日々の出来事に関する相談役が身近にいるような生活基盤が望ましいと思いますので、こういった点も念頭に置きながら、支援の新たなステージを考えていきたいと思っています。

これらと関連しますが、11月22日に「子どもの虐待防止推進講演会&養育家庭体験発表会」を開催します。これは世田谷区と、現在児童相談所を運営している東京都が共同で開催するものです。今回のテーマは「みんなで守ろう子どものいのち」で、イランで孤児院に入り、その後来日して特別養子縁組で里親のもとで育ったサヘル・ローズさんに、ご自分の体験についてお話しいただく予定です。第2部では実際の里親をやっている方、里子として育っている方、双方からお話しいただき、第3部では、私がコーディネーターとなり、ご登壇いただいた方々とのパネルディスカッションを行ないます。

区が4月の児童相談所開設に向けて準備を行なう中で、かなり大きなテーマの一つが、里親の拡充です。現在世田谷区には、約91万の人口に対し、二桁前半程度の人数の里親しかいません。国は新たな社会的養護の仕組みの中で、児童養護施設はもう増設しないと明示しています。従って里親の家庭的環境で、親子分離を余儀なくされた子どもたちをしっかり支えていく必要がありますが、この里親とはどのようなもので、どのような責任が伴うのか、困ったときにどのようにすればよいのかなど、まだまだ整備されていない部分もあります。従って世田谷区では東京都のこの里親育成の事業を引き継ぎながら、里親の担い手を大いに増やすため、この講演会を1つのきっかけとできればと思っております。

次に、区のふるさと納税に関する取組みについてです。

世田谷区のふるさと納税については、ほぼ毎回記者会見で触れておりますが、今年度は約54億円の区税収の流出が見込まれており、来年度の推定が約70億円、そのままの伸び率が続くと、数年先には100億円を突破する見込みです。しかし、ただ非常事態だ、大変だと言っていても、なかなか区民の皆さんに伝わりません。そこで現在、「ふるセタ」というキャンペーンを行なっております。「ふるセタ」ロゴと「心のふるさと」を指差すポーズをつくり、様々な方にご協力いただき、12月末まで区内の広報掲示板にポスターを掲示したり、ウェブサイトで動画を公開したりしています。世田谷区の場合は、返礼品ではなく、先ほどご紹介した児童養護施設の給付型奨学金や、医療的ケアが必要なお子さんとその兄弟も含めた家族へのレクリエーション支援など、福祉や地域貢献といった寄附の使途から選んでいただく形での呼びかけを進めていきたいと思います。

次に、「車座集会」の取組みについてです。

現在、区内28地区で「車座集会」をやっております。これは平成23年、平成27年に続き3回目の実施になりますが、各地区のまちづくりセンターを巡回しながら区民との間の討論や質疑を行なっております。昨日までですでに池尻、奥沢、船橋、烏山、用賀、成城、九品仏、上馬と8地区で行なっており、今回のテーマは、世田谷区が政令指定都市を目指して大場元区長が地域行政制度を作ったそもそもの歩みを振り返り、そして現在、時代が大きく変わり、社会基盤や年齢構成も大きく変わった世田谷区でどのようなビジョンをつくりながら、住民自治を基本にする地域行政制度を構築していくかということです。「住民とともにまちのグランドデザインをつくる」「若い世代の意見を聞く場づくり」、あるいは「台風などによる水害対策」、「交通不便地域の解消」や「自転車のルール」、そのほか地域に即した話題など、様々なテーマについて話し合いを行ない、残り20地区になりますが、来年2月まで続けていく予定です。

ここから発表項目に入りたいと思います。

はじめに、世田谷プラスチック・スマートプロジェクトについてです。

近年世界的な環境問題になっている海洋プラスチックごみ問題に対して、世田谷区においても区・区民・事業者がそれぞれ何をすべきか議論を行って参りました。

今年2月には海洋プラスチック問題を考えるシンポジウムを開催したところですが、今回作成した啓発チラシによりさらに問題意識を広げていきたいと思っております。プラスチックごみの海洋流出の防止の取り組みとして、多摩川クリーン作戦という河川敷の清掃活動や、東京2020大会を契機に区内の一斉清掃活動を行うクリーンアッププロジェクトなどに取り組んでいきます。また、プラスチックごみの発生抑制の取り組みとしては、使い捨てプラスチックの削減に取り組むお店を「せたがやスマートショップ」として支援していく活動や、現在区役所第1庁舎1階で実施を始めている、ご自宅で余っているエコバッグを持ち寄っていただき必要な方に提供する「エコバッグシェア」といったプロジェクトも進めております。

まずは日常の暮らしの転換からということで、この世田谷プラスチック・スマートプロジェクトを積極的に推進して参ります。

次に、先導的共生社会ホストタウンの認定についてです。

東京2020大会におけるホストタウンのうち、共生社会の実現を目指している自治体を国は「共生社会ホストタウン」として登録しており、世田谷区も2017年12月に登録を受けております。この「共生社会ホストタウン」の中でもより先進的な取り組みを行う「先導的共生社会ホストタウン」としての認定を国へ申請した結果、10月11日付けで認定されました。

現在の登録状況としては、共生社会ホストタウンが37自治体、そのうち先導的共生社会ホストタウンが12自治体です。都内では世田谷区のほかに江戸川区が先導的共生社会ホストタウンとして登録されています。

国への申請にあたり、重点的に取り組む事業として次の3点を挙げております。

1点目は、アメリカ代表の車いすラグビーのパラリンピアン、障害当事者の参加によるバリアフリーまち歩き点検と心のバリアフリーシンポジウムを10月21日に開催しました。2点目に、障害の有無に関わらず小中学校や町会、自治会、障害福祉施設、アメリカチーム、民間企業など16チームが参加した「ボッチャ世田谷カップ」を8月24日に開催しました。ボッチャの用具を小学校全校に配置するなど競技をさらに広げていく取り組みも行っており、ボッチャのまちを目指していこうと考えています。3点目に、障害をお持ちの方も含めた住民参加でサイン整備計画を策定し、馬事公苑からその最寄り駅の千歳船橋、経堂、上町、桜新町、用賀5駅までのルート上のサイン整備や、段差、視覚障害者誘導用ブロックの点検及び改修を実施しております。こちらは令和元年度末、3月に完了予定でございます。

今後は先導的共生社会ホストタウンとして他自治体とも連携協力しながら取り組みを推進し、「共生社会」を実現していきたいと思います。

次に、保育施設の整備状況についてお話しします。

世田谷区は保育待機児解消に向けて保育施設の整備に取り組んでおり、現時点での整備状況をご説明いたします。本年4月1日時点の待機児童数は470名でしたが、来年、令和2年4月に新規開設する保育施設は、認可保育園13か所、認定こども園1か所、小規模保育事業2か所で、全体として合計16か所、保育定員751人の増を予定しています。そのうち、最も待機児童が多いと言われている0~2歳の低年齢児を対象とする保育施設は8か所、155人の定員増となります。また、既存の認可施設の定員拡大や認可外施設が認可施設に移行する影響で146人分が増える見込みですので、こちらも合わせると897人分の増となります。まだ数としては十分ではありませんが、引き続き保育施設の整備を進めていきたいと思っております。

最後に、イベントの紹介をしていきたいと思います。

まず、世田谷子育てメッセについてです。

11月29・30日の金曜日・土曜日に二子玉川で開催いたします。今年で18回目の開催となりますが、子ども・子育ての支援活動を行っている団体や地域のお母さん方のグループなどが集まり、ブースで自らの活動を披露し、また交流をするという趣旨のイベントであります。毎回大変にぎわっており、この子育てメッセで知り合ってネットワークができるというようなことも数多くあると聞いております。毎年、妊婦さんや、乳幼児とその家族などにご来場いただき、昨年度は1,100名の方がご来場されました。会場は、二子玉川ライズ8階の東京都市大学夢キャンパスと、そこに隣接するカタリストBAというスペースです。東京都市大学にもご協力をいただき、学生による読み聞かせや工作コーナーなどコラボ企画も行う予定です。子育て家庭や妊婦さんが身近にいる地域の人たちのグループと知り合い、繋がっていく効果があるイベントとなっております。この2日間で約50の団体が参加いたします。世田谷区の子育て基盤の一翼を担う、様々な団体やサークル、そしてお父さんお母さんが参加するイベントですので、ぜひ取材いただければと思います。

次に、「多文化共生シンポジウム」~やさしい日本語でつながろう~についてご案内します。

区では、「全ての人が、国籍、民族等の異なる人々の互いの文化的違いを認め合い、対等な関係を築こうとしながら、共に生きていこう」という、多文化共生社会の構築に向けて、今年3月に「世田谷区多文化共生プラン」を策定したところです。

プランの基本方針の一つに、多文化共生の意識づくり及び偏見・差別の解消を掲げ、誰もが参加しやすく、多様な文化について理解を深める機会を作ることとしておりまして、12月5日、北沢タウンホールにおいてこのシンポジウムを行います。

この「やさしい日本語でつながろう」というテーマですが、先月の台風災害に際してツイッター、ホームページで情報発信を行う中でも、日本に居住している外国人の方がすぐに理解できる「やさしい日本語」で発信する必要性を実感したところであります。外国人にわかりやすい日本語というのは、ご高齢の方などあらゆる日本人にとってもわかりやすい言葉ということですので、区としてもしっかりと活用し、取り組んでいきたいと考えています。

シンポジウムでは、一部で明治大学の山脇啓造氏による「多文化社会の地域づくり」の基調講演、二部ではやさしい日本語ツーリズム研究会代表の吉開章氏による「やさしい日本語」とは何かについての講演をいただきます。三部では、区内で多文化共生のための子育てに関するNPOの代表であるゴロウィナ・クセーニャさんと私も加わり、やさしい日本語と多文化共生についてのパネルディスカッションを行います。

この事業によって、世田谷区が行う情報発信に「やさしい日本語」をさらに導入し、海外から世田谷に移り住んで来られた方たちに、よりわかりやすく正確に情報を伝えていくことを目指したいと思います。

最後に、千歳船橋駅列車接近メロディー導入記念式典です。

千歳船橋駅の列車接近メロディーに、「知床旅情」を導入いたします。「知床旅情」は皆さんおなじみの曲ですが、世田谷区名誉区民の故森繁久彌さんの代表的楽曲として知られています。船橋は森繁さんが60年暮らした町であり、「森繁通り」という通りがあるほどゆかりの深い地となっています。また、平成26年には、ミュージカル「屋根の上のバイオリン弾き」で森繁さんが演じられた「テヴィエ」像が区へ寄贈されたことから、これを千歳船橋駅改札前に設置いたしました。同年から知床まつり・物産展が毎年、この駅前広場で開催されております。

今回のメロディー導入は、商店街振興組合や町会・自治会等からなる森繁さんの没後10周年記念事業委員会が小田急電鉄と協議し実現したものです。記念式典には加藤登紀子さんも駆けつけ、没後10周年を振り返るということになります。

私の方からは以上です。

質疑応答

記者:今年度4月1日時点の待機児童数が470人ということだが、ゼロになるのはいつごろと見込んでいるのか。
 

区長:1日も早くゼロに近づけたいという思いで整備をしている。現在、認可保育園の入園申込み手続きを行っているが、現時点で例年に比べて100人ほど多くなっているので、この数も大いに関連してくる。
 

保育担当部長:来年度の4月にむけての保育定員増は897名分を見込んでいる。定員増の計画目標としては令和元年度で1,387名分としていたが、結果として490人分の未達となっている。三軒茶屋含む世田谷地域や下北沢含む北沢地域の整備が進んでいなかったが、開設予定の13ヶ所の認可保育所のうち5園を北沢に整備するとともに、低年齢児の保育施設についても効果的な整備を実施していく。その他、懸案であった育児休暇の延長を希望される方の入園選考に関しては、この10月から育休の延長を希望することを確認できた保護者については、利用調整に際し、保育の必要性が低い方として選考を行うこととしている。11月に入園の応募が締め切られるので、その結果を見て、1歳から3歳児までを年度単位で預かる定期利用保育の拡大実施などを区内の各保育園に呼びかけ、ソフト、ハード両面より待機児童ゼロを目指して取り組んでいく。
 

記者 世田谷区は東京都の補助に加え、保育士の給与上乗せをしているかと思う。保育定員が増えると当然保育士も必要になると思うが、このほか、保育士確保のために新たに検討していることがあれば教えてほしい。
 

区長 現在、保育士等宿舎借上げ支援事業として、保育運営事業者がマンションやアパートなどを賃借した場合に、国、東京都、世田谷区、事業者で最高8万2000円まで賃料の補助を行っている。現在2000人近い保育士がこの制度を利用して住居費のサポートを受けており、この制度の期限が2021年3月31日までとなっているため、区としては東京都、国に対して継続に向けた働きかけを強めている。
 

記者 意見として申し上げるが、記者の質問時、1回発言する度に、区長が回答している間に職員がマイクを持っていってしまう。区長の回答に対し追加の質問が発生するのは当たり前で、その間、記者にマイクを預けておくことにそれほど不都合はないと思うが、いかがか。
 

区長 今後、ご意見を踏まえてやっていきたいと思う。
 

記者 台風から1か月が経った。対応の進捗状況や、見えてきた課題について聞きたい。
 

区長 当初、避難所開設数は8か所で足りる見込みでいたが、大きく外れる結果となった。今後、避難所開設のあり方について十分な計画を立てるべく現在議論している。

避難所運営の仕方についても、ペット同行避難の可否や避難所の運営等、震災時とルールが違うのではとのご指摘もいただいた。水害時の避難所運営は職員だけでも行える見込みでいたが、震災時と同様に住民の方の力もあってしかるべきなので、今後はルールについて再検討していきたい。

さらに、避難所自体が絶対的に足りないという問題も見えてきた。成城ホールや駒沢大学玉川校舎などには千人を超える方が集まり、比較的窮屈な状態になっていたようだ。区内の大学や高校、民間企業で比較的広いスペースを持たれているところで、特に多摩川や周辺の河川氾濫に備えられるような地域にあるところを避難所候補としてピックアップし、協定等の締結に向けて取り組んでいく必要があると考えている。

また、正確な情報提供も課題である。今回、避難所開設情報を見て避難所まで行ったにも関わらず、すでに定員となっており他の避難所へ行かざるを得なかった、という事態が起きた。インターネット上の仕組みなどを使ってよりリアルタイムな情報発信ができる体制も必要であると考えている。

また、今回氾濫、越水が起きた多摩川の無堤防地域については現在京浜河川事務所において工事に向けての準備を行っているところだが、工事完了までの間の水害に備え、土のうよりも強力な止水装置の現地での配備を協議し、対処ができるように準備を始めている。さらに多摩川流域全体の水位予測をより正確に行い情報共有できる体制を構築するため、京浜河川事務所、国土交通省に対し、区災害対策本部に職員を派遣していただけないかと要望しているところである。

さらに今回は5200世帯で比較的長時間の停電が発生した。仮に区内全域で避難所も含めて停電が広がるような事態や、猛暑や冷え等も考え、点検していく。

また、全面冠水した二子玉川緑地運動場の復旧も大きな課題である。世田谷区は人口が大変多く、子どもも多いため、スポーツを楽しみにしている団体の方が多い。河川敷の運動場はサッカーや野球、テニスができる貴重なスペースであるので、できるだけスピーディーな復旧に向けて、近隣の大田区、川崎市と連携し、国への要望を出していきたい。

また、世田谷記念病院で160人の患者さん全員が浸水被害のために別の病院へ移送されるなど、今回の台風で事業者も大きな被害を受けている。国の制度で、被災した中小企業が活用できるグループ補助金というものがあるが、現在のところ東京都は適用除外とされているため、この課題についても国へ要望していきたいと思っている。

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