暮らしに役立つ情報をお届けする生活情報誌、 せたがや消費生活センターだより、 2023年(令和5年)6月号 No.238 P2、3 悪質なステマ広告と真っ当なアフィリエイト広告の違い 仕組みや特徴を正しく理解して騙されない消費者になろう! P4、5 高齢者見守り通信、 リバースモーゲージとリースバック〜知っておきたい仕組みや注意点〜 急増!定期購入のトラブルにご注意を! P6 クレジットカードの不正利用に注意! エシカルコラム 気づけば減らせる食品ロス〜毎日の食事を見直してみよう〜 世田谷区消費生活センター 相談窓口のご案内 相談専用電話 03-3410-6522 高齢者(65歳以上)専用電話 03-5486-6501 相談日時 ※祝・休日、年末年始を除く [お願い]まずはお電話でのご相談をご利用くださいますようお願いします。 月曜〜金曜(電話・来所)午前9時〜午後 4時30 分土曜(電話のみ)午前9時〜午後3時30 分 日曜・祝日は消費者ホットライン 午前10時〜午後4時(国民生活センター)※年末年始を除く 消費者庁消費者ホットライン188イメージキャラクター イヤヤン P.2 悪質なステマ広告と真っ当なアフィリエイト広告の違い 仕組みや特徴を正しく理解して騙されない消費者になろう! クロスワーク株式会社 代表 笠井北斗 アフィリエイトが世に出始めた1999年より日本と米国でアフィリエイトビジネスに 携わり続け、アフィリエイト歴20年以上となるアフィリエイトプログラムの専門家。 アフィリエイターとしての活動に加え、広告主や代理店、ASPのアフィリエイト広告 出稿支援も行う。日本アフィリエイト協議会(JAO)2022年度の代表理事を務める。 ステルスマーケティングとは? ステルスマーケティング(以下ステマ)という言葉をご存じでしょうか。なんとなく聞いたことがある、という方は多いかと思いますが、ステマの意味や特徴まで詳しく説明できるという方はなかなかいらっしゃらないのではないでしょうか。 “広告であることが消費者にとって分かりにくいマーケティング手法”が一般的にステマと呼ばれていますが、日本では実はステマの法律上の定義は無く、ステマ自体も違法行為でもありません。しかし2022年末、消費者庁の有識者検討会がステマを規制する必要ありとの報告書を取りまとめたことで、消費者庁では景品表示法でステマを定義し規制する方向で動き出しています。 具体的には景品表示法でステマを「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」と定義し、2023年秋頃までに規制を始める予定です。これにより、例えばインフルエンサーが企業から依頼されて商品をSNSで紹介する際には、投稿内に「広告」や「A社から商品の提供を受けて投稿しています」といった表示が求められるようになります。 消費者側からすれば企業からお金や商品をもらって投稿しているのか、それとも自主的な意思で投稿されたのか、より判別しやすくなります。 また、ステマに手を染める悪質な事業者は景品表示法で行政処分されるようになりますので、ステマ自体も減っていくことが期待されます。 P3  アフィリエイト広告とは? ステマ規制に関する報道の中でもよく出てくる言葉の1つが、成果報酬型のインターネット・マーケティングである「アフィリエイト広告」です。アフィリエイト広告はサイトやブログを運営する第三者(いわゆるアフィリエイター)が、広告主の商品・サービスを新しいアイデアや消費者目線で紹介し、販売や申込につながった時だけ広告費(成果報酬)が発生するという仕組みになっています。  日本でもようやく法規制が進んできた悪質なステマとは違い、アフィリエイト広告は広告主にとっても消費者にとってもメリットのある仕組みのため、取り組まれる個人・法人も年々増加し市場規模も拡大し続けています。消費者庁の有識者会議が出した報告書内にも「アフィリエイト広告そのものが問題のある広告手法ではない」と明記されています。  ただし、アフィリエイト広告そのものは問題のある広告手法ではありませんが、アフィリエイターの中には成果報酬欲しさに虚偽・誇大な表示を行う人達もいます。過去には健康食品が病気に効くと自身のサイトで宣伝していたアフィリエイターが警察に書類送検されたり、化粧品を塗るだけでシミが消えると宣伝していたアフィリエイターの表示内容に消費者庁から注意喚起が出されたこともあります。  こうした悪質なアフィリエイターによる問題表示を無くすため、消費者庁は2022年6月に景品表示法の「事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針」を改訂し、広告主に対してアフィリエイトサイト上で不当表示がなされないよう、必要な措置を講じることを求めています。  また、業界団体である一般社団法人日本アフィリエイト協議会でも、悪質なアフィリエイト関係者の排除や、これからアフィリエイトを始める方向けの無料オンライン講座の定期開催等、日本のアフィリエイト広告ビジネスを健全に成長させるために様々な取り組みを行っています。 悪質なステマと問題のあるアフィリエイト広告に騙されないためには? 悪質な事業者には行政処分を経ずに罰金を科す直罰規定や、悪質事業者に対する課徴金の引き上げが景品表示法の改正案に盛り込まれる等、消費者行政側も悪質なステマや問題のあるアフィリエイト広告の撲滅に向け積極的に取り組んでいます。ただ消費者側も、問題のある事業者の商品やサービスの広告表示に騙されないよう注意する必要があります。中でも消費者がとくに注意すべきなのが、『美と金ジャンルの“だけ”表示』です。 『美と金ジャンルの“だけ”表示』とは、健康食品や化粧品、エステなどの美容系ジャンルと、副業や投資などの金儲け系ジャンルのことで、これらのジャンルは悪質なステマや問題のあるアフィリエイト広告が多く、消費者がトラブルに遭いやすくなっています。こうした美容や金儲けジャンルの表示で、「〇〇を飲む“だけ”で痩せる」「□□を塗る“だけ”でシミが消える」「△△を使う“だけ”でお金が稼げる」というように、その商品やサービス“だけ”で大きな成果を得られるかのようなものを見かけたら、安易に信じないようにしましょう。 1つの商品・サービスだけで肉体や資産が劇的に変化する!・・・なんてうまい話はまずあり得ません。SNSや動画サイトの投稿で『美と金ジャンルの“だけ”表示』を見かけたら、それは悪質なステマかもしれません。騙されないようご注意頂ければと思います。 P.4 高齢者見守り通信 リバースモーゲージ(高齢者向けの資金調達、貸付制度)とリースバック~知っておきたい仕組みや注意点~ ファイナンシャルプランナー 豊田眞弓 FPラウンジ代表。 独立系FPとして相談業務や講演、コラム寄稿などで活動。 「親の介護・相続と自分の老後に備える.com」主宰。 大学・短大で非常勤講師も務める。 老後資金や介護資金不足を補う方法として、リバースモーゲージやリースバックがありますが、契約にあたっては十分に注意しましょう。 ■リバースモーゲージとは? 自宅に住みながら自宅を担保に生活資金等を借りるしくみで、住宅ローンと異なり、借入残高が徐々に増えていく商品。一部の銀行などのほか、低所得層を対象に自治体の一部でも扱っています(不動産担保型生活資金)。対象年齢は「55~84歳」「60歳以上」など高めです。定期的に受け取る年金型や一括融資型のほか、決められた金額の範囲で利用する自由融資型があります。 使途は、通常、生活資金や家のリフォーム・建て替え、医療・介護関連、レジャーなど自由ですが、事業や投資はNG。定年後に住宅ローン残債をリバースモーゲージで完済し、生活を安定させる活用法もあります。 対象不動産は、首都圏等の一定評価額以上の戸建てが中心です(マンションが対象となる場合もあり)。契約者や配偶者の推定相続人の同意や連帯保証人を求められる場合もあります。  月々の返済は、利息のみか、または生存中は返済がない金融機関もあります。本人が亡くなった後も配偶者が契約を引き継げるものが多いですが、金融機関によっては再審査があり、結果次第では利用できない場合もあるので確認が必要です。  本人(または配偶者)が亡くなると、相続人が返済するか、家を売却して返済します。担保物件を売却しても借入が残る場合、遺族に請求が行く「リコース型」と、請求されない「ノンリコース型」があるので、検討する際は確認をしておきましょう。 <リバースモーゲージの注意点>(金融機関等で異なる場合もある) ・本人と配偶者以外に同居人がいると利用できない ・遺族に家を残せない可能性が高い ・不動産の評価額は年1回程度見直され、利用限度額も変動する ・利用限度額を超えて借りることはできない ・金利が上がれば利用限度額が引き下げられる ・リコース型の場合、相続人に負担が発生する可能性がある P.5 ■リースバックとは? 自宅をリースバック事業者に売却して売却代金を受け取る一方、リースバック事業者と賃貸契約を結び、リース料(家賃)を払って一定期間、自宅に住み続けるしくみです。多くの場合、年齢制限はありません。  売却代金は一時金で受け取り、使途も自由です。対象物件のエリアや種類、条件等はリースバック事業者によって異なります。戸建て・マンションとも対象のところが多いですが、一定評価額以下は対象外とする事業者もあります。  賃貸契約には、中途解約や契約更新などが断られにくく、借り手に有利な普通借家契約と、契約期間が限定され、満了後は新たに契約し直すなどオーナーに有利な定期借家契約があります。どちらの契約になるか確認しておきましょう。また、自宅を買い戻せる契約もありますが、買い戻す金額は売却額より高めに設定されていることが多いようです。買い戻す可能性があるなら事前に確認をしておきましょう。 実際に利用する際には複数の見積もり(査定)をとって比較し、より自分に合うものを選びましょう。国土交通省は、リースバックに関するトラブル回避などのため、サイトで「住宅のリースバックに関するガイドブック」を公表しているので、利用の前に一読しましょう。 〇リースバックの注意点 ・自宅は自分のものでなくなる(名義も変わる) ・売却額は通常の売却額より低めのことが多い ・売却後に住み続けると家賃がかかり続ける ・定期借家契約の場合、満了後に居住を継続できる保証はない 老後資金不足を補うための自宅の活用法としては、元気なうちに売却して換金し、賃貸に住み替える方法もあります。自分に合う方法を冷静に検討しましょう。 急増!定期購入のトラブルにご注意を! 「解約の電話が繋がらない!」 「クーポン利用で初回購入のみの解約が出来なくなった!」 定期購入に関するトラブルが急増しています。 トラブルを回避するためのポイントを紹介します。 購入する前に最終確認画面でよく見てほしいポイント ①1回限りの購入か         「○カ月コース」「定期」「自動更新」「無期限」などの表示が あれば継続的な購入です。 ②定期購入の場合、2回目からはいくらになるか         2回目以降は1回目より高価であることが多いです。 ③解約や返品の方法は何か         簡単に解約ができるか確認してください。 「いつでも解約可能」とあっても、初回で解約をすると定価との 差額を支払うよう定められている場合があります。 P.6 クレジットカードの不正利用に注意! それ、不正利用かもしれません! クレジットカードの不正利用には様々な手法がありますが、中でもカードの番号が盗まれて不正に利用されてしまう「番号盗用」が全体の9割以上を占めており(※1)、特に注意が必要です。 また、「番号盗用」による被害額は年々増加しており(※1)、いつあなたが狙われてもおかしくありません。 近年は詐欺サイトやメール、SMSも巧妙化し、一目では詐欺と判別がつきません。個人情報やクレジットカード番号を入力する際は、一度手を止め、家族や知人、消費生活センターに相談しましょう。 ほんの少しの“気づき”があなたの財産を守ることにつながります。 (※1)一般社団法人日本クレジット協会の調査結果に基づく統計 エシカルコラム 日本では、食品の半分以上を輸入に頼っているにも関わらず、食べ残しや口に合わないなどの理由で年間522万トンの食品が破棄されており、世田谷区では家庭から年間約1万トンの食品が廃棄されています。 食品ロスは、ただ単に「もったいない」だけでなく、食品の生産・加工・運搬・保管・廃棄に使われたエネルギーが全て無駄になってしまいます。 食品ロスは、日々のちょっとした行動で減らすことができます。皆さんも日々の生活から実践してみてください。 食品ロスを減らす3つのポイント 買いすぎない 作りすぎない 注文しすぎない 今からできる食品ロス削減の取り組み! ・買い物する前に冷蔵庫を確認しよう! ・料理を作るときは家族で話し合ってから。 ・賞味期限は「美味しく食べられる目安」 ・外食の時は量の調整や持ち帰りができるかをお店の人に聞いてみましょう。 ⇒美味しく食べ切って食品ロスを減らしましょう! 世田谷区食品ロス推進計画についてはこちらから→ 清掃・リサイクル部事業課 電話番号 03-6304-3253 発行:世田谷区経済産業部消費生活課 年4回(3月・6月・9月・12月)発行 聴覚等 が不自由な方は、ファクシミリでお問い合わせください。 〒154-0004 世田谷区太子堂2-16-7 区役所三軒茶屋分庁舎3階 電話 03-3410-6521・ 6523 ファクシミリ 03-3411-6845 『消費生活センターだより』は、区役所、総合支所、 出張所、まちづくりセンター、図書館、区民センター、地区会館等で配布しています。消 費生活センターの各事業は、区のホームページからご覧いただけます。