暮らしに役立つ情報をお届けする生活情報誌 せたがや消費生活センターだより 2021年(令和3年)6月号ナンバー230 p.2〜3 「知っておきたい 健康食品の上手な使い方」 p.4 電気・ガスの契約内容を確認しましょう! p.5 エシカルコラム 世田谷産農産物「せたがやそだち」を購入してみませんか? 食品による子どもの窒息・誤嚥事故に注意! p.6 高齢者見守り通信 消費生活センターからのお知らせ 薬の包装シートの誤飲に注意! 地域生活安全課からのお知らせ 区役所や厚生労働省を騙ったサギに注意!! 世田谷区消費生活センター 相談窓口のご案内 相談専用電話 電話03-3410-6522 高齢者(65歳以上)専用電話 電話03-5486-6501 相談日時 ※祝・休日、年末年始を除く [お願い]新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、来所による相談をお控えいただき、電話でのご相談をご利用くださいますようお願いします。 電話でのご相談をご利用ください。 月曜〜金曜(電話・来所)午前9時〜午後4時30分 土曜(電話のみ)午前9時〜午後3時30分 日曜・祝日は消費者ホットライン 電話188 午前10時〜午後4時(国民生活センター)※年末年始を除く 世田谷線「三軒茶屋駅」徒歩3分 田園都市線「三軒茶屋駅」北口A徒歩1分 バス すべて「三軒茶屋」バス停下車 回覧 ホームページでの情報提供 http://www.city.setagaya.lg.jp/ 世田谷区公式HP 目次から探す くらし手続き 消費生活 2〜3ページ 知っておきたい 健康食品の上手な使い方 昭和女子大学食安全マネジメント学科 教 授 梅垣 敬三 静岡薬科大学卒。同大学院博士課程修了(薬学博士)。 国立健康・栄養研究所に約32年間勤務し、2018年4月から現職。 健康食品は玉石混交  健康食品は「健康に何らかの効果が期待できる食品全般」をさし、玉石混交です。それらは国の食品に関する機能性表示制度の視点から、保健機能食品と「いわゆる健康食品」に分けられます。保健機能食品とは、特定保健用食品(通称、トクホ)、栄養機能食品、機能性表示食品の総称名で、機能性の根拠がそれなりにあり、一定の条件を満たせば機能性が表示できます。一方、「いわゆる健康食品」は機能性の根拠が不明で、機能性や健康効果を表示することが認められていません。注意したいことは、「いわゆる健康食品」の中に違法に薬の成分を入れた製品が紛れていることです。このような製品は、行政が「無承認無許可医薬品」として摘発しなければ、食品として流通して重篤な健康被害を起こします。 健康食品と医薬品は全く違うもの  健康食品の宣伝で、手軽に摂取して病気が治ることをイメージさせるものがあります。しかし、健康食品に病気の治療効果はありません。健康食品と医薬品には3つの大きな違いがあります。それらは、1)製品としての品質(有効成分の量、有害物質の混入の有無)、2)病者を対象とした有効性と安全性の根拠(エビデンス)、3)安全かつ効果的に利用できる環境(医師や薬剤師の助言の有無)です。  健康食品では原材料と製品の情報が混同されています。健康食品に利用されている原材料の品質はあくまで食品レベルで、有効性や安全性の十分な検討もせず、製品には複数の原材料が入れられています。結果として、製品全体としての品質はきわめて多様となり、原材料の情報が製品に適用できなくなるのです。  健康食品の効果を病者で調べた信頼できる研究はありません。病者が摂取した際にどのような有害影響が出るかはわからないのです。また、健康食品と医薬品を併用したとき、医薬品の治療効果が弱まったり副作用が増強されたりする可能性もあります。そのため病者が、健康食品を自己判断で利用することは避けるべきです。 健康食品の情報は冷静に判断  健康食品で参照されている情報には、テレビCM、友人・知人のロコミ、インターネット情報などがあります。これらの情報源をたどると、大部分は販売者側から出されたもので、効果が過大評価され安全性が過小評価されています。販売者は製品販売に都合の悪い情報は出しにくいのです。そこで、健康食品の情報を見る際には、「誰がその情報を出しているか」を確認し、専門家と称する人が出している情報でも、うのみにしないことが肝要です。 健康食品の利用による2つの被害  健康食品による被害には、高額な製品購入による経済的被害と健康被害があります。経済的被害がほとんどですが、健康被害を受けることもあります。健康被害としては、下痢や腹痛、発疹などのアレルギー症状が多く、まれに肝障害もあります。ちなみに、天然物エキスは「天然・自然は安全」とイメージされていますが、国内外で肝障害を起こした事例があります。また、米国はサプリメントの先進国との認識から、海外品を個人輸入したことで健康被害を受けた事例があります。利用目的が、ダイエット、強壮強精、ボディービル、利用者が高齢者や基礎疾患をもっている人で、健康被害を受けやすいことが知られています。 健康食品との望ましい付き合い方  どれだけ優れた健康食品でも、全ての人に安全で効果が期待できるものはありません。「誰が、どのような目的で、どのように利用するか」によって、製品は有益にも有害にもなります。では、健康食品とどのように付き合えばよいのでしょうか。  健康食品は玉石混交ですが、保健機能食品、その中でもトクホは、上手く使えば有益なものとなります。トクホは消費者が実際に購入する製品で有効性と安全性が調べられていて、ほとんどが特定成分を過剰量で摂取しにくい形態(お茶やヨーグルトなど)です。そこでトクホを適切な生活習慣を実践する「気付き」「動機づけ」として利用しましょう。バランスの取れた食事や運動は、健康の保持増進の基本です。トクホ以外の健康食品を利用する場合にも、必ず生活習慣の見直しを意識することが重要です。  優れた製品でも、実際に摂取してみなければ自身にあっているかわかりません。その判断に役立つのが、「摂取日、製品名、摂取量、その時々の体調」を記載したメモの作成です(下図)。効果が実感できない状況で漫然と利用し続けることは、お金の無駄遣いだけでなく、健康被害につながります。「良い実感」があるか否かをメモしていくことで、継続して摂取する価値があるか判断できます。メモは体調不良を感じた時の摂取中止の判断、体調不良と製品の因果関係の推定に役立ちます。なお、メモをする食品は、とりあえずサプリメント形状の製品のみでよいでしょう。  上記の内容は、国立健康・栄養研究所の【「健康食品」の安全性・有効性情報(https://hfnet.nibiohn.go.jp/)】のサイト内(「基礎知識」の項目)に詳細に出されていますので、是非参照してください。 健康食品の摂取状況メモ(例) 年月日 ○年◎月1日 製品名A(メー力一名) 2粒×3回 製品名B(メー力一名) 2粒×1回 備考(体調や気になる事項の記録)(○、△、×印でも良い) 良い実感がある(○) 年月日 ○年◎月2日 製品名A(メー力一名) 2粒×3回 製品名B(メー力一名) 摂取せず 備考(体調や気になる事項の記録)(○、△、×印でも良い) わからない(△) 年月日 ○年◎月3日 製品名A(メー力一名) 摂取せず 製品名B(メー力一名) 2粒×1回 備考(体調や気になる事項の記録)(○、△、×印でも良い) 調子が悪い(胃が痛い) (×) 注:いつ、どこの製品を、どれだけ摂取したか、またその時の体調を記録していく。 4ページ 電気・ガスの契約内容を確認しましょう! 〜電力・ガス自由化をめぐるトラブル〜  平成28年に電力の小売全面自由化、平成29年には、ガスの小売全面自由化が始まり、電気とガス、電気と携帯電話などの組み合わせによるセット割引やポイントサービスなど、様々な料金メニューやサービスが登場しました。消費者にとっては、自分のライフスタイルに合わせたプランを選ぶことができるようになりましたが、反面、消費生活センターには、電力・ガス会社の電話勧誘や訪問販売に関する相談も多く寄せられています。 相談事例1  昨晩、突然自宅に訪問があり、「電気の契約についてアパートの管理会社から依頼があり、全戸を順次回っている。電気料金がわかる検針票を見せてほしい。」と言われた。検針票を見せ、言われるままに書面にサインをした。渡された契約書には、全く知らない事業者の名前が書いてあった。今日、管理会社に問い合わせたらそのような依頼はしていないとのことだった。 相談事例2  離れて暮らす高齢の父が、電話で「電気とガスをセットで契約すると安くなる。」としつこく勧められて契約してしまった。後日、請求金額を確認すると、以前より高額になっているようだ。父は騙されて契約してしまったのではないかと心配している。 消費生活センターから ●勧誘してきた事業者と新たに契約する事業者の社名や連絡先を必ず確認しましょう! 知らない人の夜間の訪問や勧誘はきっぱりと断りましょう。また、電話や訪問販売で勧誘を受けた場合は、どこの会社と契約したのかわからない、というようなことがないよう、社名や問い合わせ先をしっかり確認しましょう。急がされても決してすぐに応じることなく、契約は慎重に行いましょう。 ●検針票の記載情報は慎重に取り扱いましょう! 氏名、住所だけでなく顧客番号、供給地点特定番号などの検針票の記載情報は重要な個人情報です。これらの情報によって電力・ガス会社は契約を行っていますので、電話勧誘や訪問販売で情報を聞かれてもすぐに教えてしまわないように気を付けてください。 ●契約を変更してしまってもクーリング・オフできる場合があります。 電話や訪問販売で勧誘を受け、契約の切り替えについて承諾した場合は、法定の契約書面(クーリング・オフに関する事項など、法律に定められた事項を記載した書面)を受け取った日から8日以内であれば、原則としてクーリング・オフができます。事業者に言われるがまま契約してしまったとしても、慌てずに対処しましょう。法定の契約書面を受け取っていない場合でもクーリング・オフは可能です。 ●電気・ガス料金のプランや算定方法をよく説明してもらいましょう! 電気・ガス会社は、勧誘の際にプランや算定方法について説明を行う義務があります。契約内容や料金の割引期間などの契約条件をよく説明してもらい、メリット・デメリットを把握したうえで契約しましょう。 ●電気・ガスの契約トラブルや制度の仕組みで不明なことや不審なことがあったら相談しましょう! 経済産業省電力・ガス取引監視等委員会相談窓口 電話03−3501−5725 5ページ エシカルコラム 世田谷産農産物「せたがやそだち」を購入してみませんか? 23区内で農地がある区は11区です。世田谷区もその一つで約82ヘクタールの農地があり、ジャガイモやキャベツ、大根、トマト、キュウリなど数十種類の野菜類をはじめ、ブドウやミカン、ブルーベリーなどの果樹、パンジーやビオラ、ユリなどの花き類や植木類が農家さんにより栽培されています。 野菜類だけでも年間720トン以上の収穫があり、農家の個人直売所やJAの共同直売所などで販売もされていますので、一度購入してみませんか。 採れたて新鮮な農産物を地元で消費する、いわゆる地産地消を実践することで、エシカル消費にも貢献できます。 〈世田谷農産物直売所マップ〉 区内に260か所ほどある農産物直売所のうち、掲載の了承を得た約120か所の情報を地図付きで紹介した「世田谷農産物直売所マップ」を発行しています。 都市農業課や図書館、まちづくりセンターなどで配布していますので、どうぞご利用ください。 都市農業課 電話03−3411−6658 6ページ 食品による子どもの窒息・誤嚥事故に注意! 〜「目を離さない」だけでは不十分  厚生労働省の人口動態調査によると、平成26年から令和元年までの6年間に、食品を誤嚥して窒息したことにより、14歳以下の子どもが80名死亡していました。そのうち5歳以下が9割を占めています。  子どもは咳をする力が弱く、気管に入りそうになったものを咳で押し返すことがうまくできません。子どもの窒息・誤嚥事故防止のため、以下のことに注意しましょう。 1 豆やナッツ類など、硬くてかみ砕く必要のある食品は、5歳以下の子どもには食べさせないでください。 喉頭や気管に詰まると窒息しやすく大変危険です。 小さく砕いた場合でも、気管に入りこんでしまうと肺炎や気管支炎になるリスクがあります。 2 ミニトマトやブドウ等の球状の食品を丸ごと食べさせると、窒息するリスクがあります。 乳幼児には、4等分する、調理して軟らかくする等してよく噛んで食べさせましょう。 3 食べている時は、姿勢をよくし、食べることに集中させましょう。 食物を口に入れたままで、走ったり、笑ったり、泣いたり、寝転んだり、声をだしたりすると、誤って吸引し、窒息・誤嚥するリスクがあります。 高齢者見守り通信 消費生活センターからのお知らせ 薬の包装シートの誤飲に注意!  薬を包装シートごと誤って服用してしまう事故が起きています。慌てていたり、ついうっかりして誤飲する例が多くみられます。 こんな事故が起きています ケース1  薬を包装シートごと飲んでしまった。病院を受診し、内視鏡で取り出してもらったが、食道に傷があり入院した。(90歳代) ケース2  薬を包装シートから取り出したつもりが、シートがついたまま飲んでしまった。 のどに痛みとひっかかりがあったので、病院を受診し、内視鏡で食道にあった包装シートを取り出してもらった。(80歳代) 事故を防ぐために 1錠ずつに切り分けない。  包装シートは誤飲防止のため、1錠ずつ切り離せないように横か縦の一方向にのみミシン目が入っています。はさみなどで1錠ずつに切り分けないようにしましょう。包装シートは切り離すと角が鋭く、誤飲すると消化管を傷つけ、穴が開いてしまうことがあります。 高齢者の事故が目立ちます。家族など周りにいる人も気を配りましょう。 飲み込んだかもしれないと思ったらすぐに診察を受けましょう。  飲み込んだ自覚がなくても、のどなどに違和感があり、誤飲が疑われる場合は医療機関を受診するようにしましょう。 地域生活安全課からのお知らせ 区役所や厚生労働省を騙ったサギに注意!! 地域生活安全課 電話03-5432-2267 こんな電話はすべてサギ 〇医療費の還付金があります 〇高額医療費の払い戻しがあります 〇ワクチン接種には予約金が必要です 〇ワクチン接種の助成金がでます 特殊詐欺を防止するための電話相談 世田谷区特殊詐欺相談ホットライン 電話03-5432-2121 相談時間 月〜金曜日 午前9時〜午後5時(祝・休日、年末年始を除く) 自動通話録音機の無料貸出  電話を使った詐欺を撃退するため、自動通話録音機を貸し出しています。 区内在住で、おおむね65歳以上の方 申込:電話で地域生活安全課(03-5432-2267)へ 発行:世田谷区経済産業部消費生活課 年4回(3月・6月・9月・12月)発行 聴覚等が不自由な方は、ファクシミリでお問い合わせください。 〒154-0004 世田谷区太子堂2-16-7 区役所三軒茶屋分庁舎3階 電話 03-3410-6521・6523 ファクシミリ 03-3411-6845 『消費生活センターだより』は、区役所、総合支所、出張所、まちづくりセンター、図書館、区民センター、地区会館等で配布しています。 消費生活センターの各事業は、区のホームページからご覧いただけます。