ミニコミ紙107号について、テキスト形式で掲載します。 発行は烏山地区ミニコミ紙編集委員会です。 事務局は烏山まちづくりセンターです。 1面 翻訳アプリでおもてなし!? 烏山地区身近なまちづくり推進協議会文化部会主催の学習会が、11月26日火曜日、烏山区民センターの集会室で行われました。 世田谷区の職員による2020年に開催される東京2020オリンピック・パラリンピックと世田谷区の関わりなどについての説明がありました。 世田谷区内では馬事公苑で馬術競技が行われることになっており、競技場となる馬事公苑の状況や、競技スケジュールなどについての話がありました。 そして、アメリカチームが世田谷区立大蔵運動場、大蔵第二運動場でトレーニングキャンプを行うことなどについての説明もありました。 烏山地域はこれらの地区とは若干距離があるので、直接の影響は少ないとみられますが、調布のスタジアムなどで別の競技が行われるということで、 京王線の混雑の予想などについての話もありました。調布のスタジアムでは、ラグビーワールドカップの試合も行われていたこともあり、同じぐらいなのか、それ以上なのかはまだ分からないということです。 学習会は2部構成になっていて、後半は、給田にあるアジア人財キャリアデザインセンターからのお客様を交え、交流を兼ねた学習会を行いました。 日本にやってくる外国人観光客の数は年々増え続けています。観光地を巡る方もおられるでしょう。買い物をしたい方もおられるでしょう。 そんな時、やはり言葉が大きな障害になってきます。日本人はなぜか、外国語に対する恐怖があるという方が多いようです。 そこで、タブレット端末やスマートフォンのアプリケーションの機能を使って、翻訳をスムーズに行ってコミュニケーションをとっていこうという試みが行われました。 会場にはアジア人財キャリアデザインセンターからインドネシア人4名、ベトナム人6名が参加してくださいました。彼らは日本語を勉強中ではありますが、 今回はインドネシア語、ベトナム語の翻訳アプリを使ってコミュニケーションをとっていきました。最初は、言葉を機械が認識するのに時間がかかったりしていたようですが、 コツを覚えると、スムーズに会話として成り立っていくようになりました。丁寧な言葉よりも簡潔な文章の方が認識しやすいこともわかりました。 今回参加した外国人の方々は、これから技能実習生として、日本全国各地で仕事に就かれ、技能を学んでいくそうです。そんな込み入った話などもできるようになりました 。およそ40分のコミュニケーションタイムはあっという間に終わってしまい、名残惜しいお別れとなりました。 参加者の方にお話を聞くと、何となく英語はできるが、ベトナム語は一言もわからない、しかし、こういった機械を使うことによって、言葉という障壁が低くなるというのは素晴らしいことだという言葉をいただきました。 これから烏山給田地区にもたくさんの外国の方が訪れることになるでしょう。道に迷ったり、場所を探したり、困っていたりすることもあると思います。そんなときは「どうしたの?」と日本語でもいいので声をかけてあげるようにしたいと思います。 実際言語が通じなくても、写真や身振り手振り、単語などで何とかなるものです。決して正確な文章でなくてもいい。最終的には伝わるか伝わらないかであって、正しい言葉を話すのは、そこまで重要ではない(正しい言葉を話すのは理想ではありますが)、 要は伝えたい、コミュニケーションを取りたい気持ちがあるかが大切なようです。話しかけるチャンスがあったら、ぜひ試してみましょう。 2面〜3面 「防災」について考える 〜先日の、台風19号を受けて〜 2019年10月12日、過去最強クラスといわれた台風19号が伊豆半島に上陸し、その後、神奈川、東京などを通過していきました。 西日本から東日本にかけて、これまで経験したことのないような大雨が降り、大規模な河川氾濫や土砂崩れなど大きな被害が出たことは、皆さん記憶に新しいと思います。 この大雨で、気象庁は1都12県に大雨特別警報を発表(12日15時30分に静岡県、神奈川県、東京都、埼玉県、群馬県、山梨県、長野県の7都県、19時50分に茨城県、栃木県、新潟県、福島県、宮城県の5県、13日0時40分に岩手県)しました。 被害は広範囲にわたり、60名以上の死者、13名以上の行方不明、400名近くの重軽傷者が出ました。多摩川、千曲川、阿武隈川など70以上の河川で堤防が決壊、住宅などが浸水しました。断水や停電の被害も出ました。 事前に強大な台風19号が到来することはメディアなどで報じられていたため、鉄道などは計画運休などを実施しました。そのほか、店舗などは計画休業や営業短縮などを行いました。 これらについてはやはり事前に周知を図ったことが功を奏したのか大きな混乱はなかったように感じました。 今回、世田谷区は5地域それぞれで自主避難所を開設していました。烏山総合支所地域振興課にそのことについて話を聞きました。 10月10日に世田谷区の災害対策本部が設置され、ホームページで、事前に自主避難所の設置が周知されました。烏山地域では烏山区民センターと上北沢地区会館に決まりました。 11日午後に大雨注意報、12日朝4時過ぎに大雨警報が発令されました。自主避難所は10時に開設されました。9時半ごろからすでに開設を知った数名が待機をしていたそうです。 受付を開始し、烏山区民センターでは、避難場所として2階の大広間が設定されました。自主避難ということで、仕切りなどはなく、大きな部屋という感じでの開放になりました。飲食料の配布、毛布などの配布もありませんでした。 避難者は自主的に来ているので、各自で準備をしてきていたようです。大広間の収容想定は70名。夕方5時ごろ、この想定人数を超えそうになったため、その後は区民センターのホールを開放。 最大時(夜10時頃)103名が自主避難者として区民センターに滞在していたということです。避難者の多くは烏山地域の居住者でしたが、中には浸水被害のあった玉川、砧地域からの自主避難者がいました。 京王線が午後から計画運休を順次始めるということで、その前に電車で移動されてきたそうです。実際、砧、玉川地域の自主避難所は想定収容人数を超えており、それを見越しての来所だったようです。 午後9時半ごろ風雨は最強の状態になりましたが、夜10時半過ぎには風雨が急激に収まり始めました。それに伴い、夜11時頃から帰宅される方が出始めたということです。自主避難なので、帰宅も自主的です。 最終的に翌日朝6時には24名が滞在し、午前7時には自主避難者は全員帰宅されたということです。自主避難所はその後、閉所されました。 地域振興課に話を聞くと、これまでは地震などでの被害を想定した避難行動については、訓練などを行ってきたが、台風被害を見越しての動きというのは今までなかったということで、課題もいくつか見つかったと話されていました。 まずは周知の方法。今回は世田谷区のホームページとツイッターに自主避難所の情報が掲載されました。しかし、それ以外の方法での周知はなかったということです。なので、設置を知らなかった方も多くいたはずです。 烏山地域では、今回停電は伴わなく幸いでしたが、1ヶ月前に起きた台風による停電被害でもわかるように複数日、多いところでは2週間以上停電するということがあると、区のホームページを閲覧する手段がなくなります。 スマートフォンもいずれ充電がなくなります。そうしたときに避難情報などをどう知っていくのか、どう知らせていくのかは解決方法が見いだせていないようです。 普段から大きな災害が予想されるときは自主避難所、またそれ以上の規模の避難所がどこに開設されるのかを周知しておく必要性を感じます。詳しくは区のホームページをご覧くださいというフレーズをよく耳にしますが、 便利すぎてそれが止まってしまったときにどうなるのかもう一度見直す必要を感じます。 烏山地区では小学校などに開設される地震被害を想定した避難所があります。これからは、今回のような台風や大規模(長期間)停電などにも対応していく必要があるかもしれません。 いずれにしましても、こういった避難所は、地元の方々の協力なくしては設営できないのです。どうやって周知していくのかということにも課題を感じます。 今回の台風、世田谷区でも浸水被害が出た地域があり、過去には堤防が大きく決壊したこともあります。こういったことは、我々の想定をはるかに超えることが多々あります。 それを予防することはもちろんですが、被害が出た時どうしていくのか、行政だけに任せるのではなく、住民が自主的に行動できるように心がける、また、その知識を得るための機会を多数設ける必要があるのではないでしょうか。 3面 冬に怖い、「ヒートショック」!!! ヒートショックをご存知ですか?ヒートショックとは、急な温度差によって体に起こる悪い影響のことを言います。例えば温度の急な変化によって血圧も急激に変化して(急に温度が下がって血圧が上がるなど) それを要因として失神、脳梗塞や心筋梗塞などの症状が起きることがあります。死に至る場合も多くあります。特に冬場は、暖かい場所と寒い場所の温度の差が大きいので、ヒートショックが起きやすくなります。 日本では「部屋」を暖めるという感覚ですが、欧米では家全体を温めるというイメージが一般的です。部屋は暖かいが、トイレや浴室が寒い、ということが日本の家屋では多いのです。 ヒートショックを避けるためには家の中の温度差を少なくするのが解決方法ですので、省エネも大切ですが、なるべく温度差を作らないようにする工夫、暮らし方が大切です。 急に寒いというだけでなく、急に熱いというものでもヒートショックは起きます。実は、高齢者が入浴中に溺れて死亡する事故は増加傾向にあり、消費者庁は注意を呼び掛けています。 暖かい部屋と寒い浴室、熱い湯の温度差で血圧がジェットコースターのように大きく上下変動する「ヒートショック」による失神や心筋梗塞が死亡の原因とみられるということです。 消費者庁は「入浴前には脱衣所や浴室を暖めた上で、湯温は41度以下に抑えてほしい」と啓発しています。 夏は熱中症にも気を付けたいですが冬のヒートショック、充分にお気を付けください。 4面 皆さんは、知っていましたか!? 〜建物に設置できる、「樽」の秘密〜 過日、私が烏山区民センターの横を通ると、雨水タンクがあるのに気がつきました。ワインの木樽ぐらいの大きさがあります。どうやら、センターの屋根に降った雨を集めてタンクに溜めるというもののようです。 世田谷区のホームページを検索してみると出てきました。ページには「屋根に降った雨水を貯めて、必要な時に利用することができるタンクのことです。雨水タンクを設置することにより、 大雨時に雨水が下水道管や河川へ一気に流入することを抑制できるため、道路の冠水や河川の氾濫の抑制にも繋がります。また、花の水やり、庭の散水、洗車や掃除などに有効利用できます。」 「ひとつひとつのタンクの大きさは限られています。しかし、より多くの区民の方々にタンクを設置していただくことによって、「世田谷ダム」が完成します!!」と書いてあります。 このタンク、いったいどのぐらい雨水を溜めることができるのか?調べてみました。いくつかのメーカーから様々な色や形の製品が販売されているようです。 大きさも80リットルから200リットルを超えるものまであり、値段も1万円程度のものからあるようです。溜めた雨水は、草木への水やりや、夏の打ち水などに使えます。緊急時は生活用水としてトイレの水などにも応用できるでしょう。 飲用には基本的には適さないと思いますが、非常時は適切な処理を行えば、飲料水としても使えるかもしれません。非常時は断水により飲料水の枯渇が心配されますが、実はトイレなどに使う生活用水も重要です。 雨水タンクはいざというときに役に立つことが大いに期待されます。調べてみると、諸条件がありますが、世田谷区内にある建物に対してこの雨水タンクを設置する場合、本体購入費、設置経費について、 補助を受けられるケースもあるので、設置や補助の条件などについては土木計画課 河川・雨水対策担当に問い合わせてほしいということでした。 今は冬季ですので、あまり気になりませんが、夏季は非常に気温が上がってきます。アスファルト舗装やコンクリートはかなり表面温度が上がります。こういったときに打ち水は有効です。 梅雨時に降水量が少ないと、水道の制限も行われますが、こういったときに大いに役に立つ雨水タンク、区民センターの東側の壁横に設置してあります。設置した後は基本的にお金がかからないので、再生可能資源として注目してみてください。 4面 東京2020オリンピック・パラリンピックについて 〜補足〜 世田谷区は、東京2020オリンピック・パラリンピックの際に、区立大蔵運動場と大蔵第二運動場でアメリカ選手団のキャンプを迎え入れます。 平成29年10月23日に、アメリカオリンピック委員会と世田谷区の契約締結が行われました。そのため、キャンプ会場となる大蔵運動場と大蔵第二運動場は、 2020年7月から8月末まで、一般使用できない期間があります。世田谷区は、アメリカホストタウンとして登録されています。Team USAの選手たちは、「Thank you, Japan」というプロジェクトで、競技だけではなく、文化を体験し、交流を深めるそうです。 前回のリオ大会では554名のアメリカ人選手が競技に参加しました。(日本は333名)同じ規模で来日するとしたら、多くの選手が世田谷を知ることになります。 交流イベントなどで、触れ合うチャンスがあったら、ぜひ選手の名前と参加する競技を覚えておきましょう。実際にオリンピック・パラリンピックが始まったときに見え方が違ってきますよ。 オリンピック・パラリンピックにおいて、世田谷区内では馬事公苑で馬術競技が行われます。こちらも楽しみですね。