まつばらだより第84号 令和3年3月15日発行 まつばらだより編集委員会(事務局 松原まちづくりセンター) 電話03(3321)4186 広がるキャッシュレス スマホ決済の利用にあたって 最近では支払いの手段としてキャッシュレス 決済が広がっており、特にスマートフォン(以下「スマホ」)を利用した「〇〇Pay」の普及が急速 に進んでいます。新型コロナウイルス感染症の観点から、接触の機会を減らしたり、政府によるマイ ナポイント事業が展開されたりとその勢いは止まることを知りません。世田谷区でも2月20日より 世田谷区商店街振興組合連合会運営のもと「せたがやPay」が利用開始となりました。 スマホ決済は財布やクレジットカードを取り出すことなく、スマホさえあれば決済が数秒で済む利 便性の高いものです。 一方で、不正ログインによるトラブルの事例や管理が難しそうという声も少なくないそうです。本 紙ではスマホ決済の利用のメリット、注意点をご紹介します。 ・財布やクレジットカードを取り出す必要がない。 ・アプリから支払い履歴を確認することができる。 ・チャージ式のものもあり、お金の使い過ぎを防ぐことができるなど。 しかし、オンラインサービスである以上、残念ながらシステムやサービスの「弱いところ」を狙う サイバー犯罪者は後を絶ちません。お金に関することですから、安全性が第一。登録時に2段階認証 (※)などしっかりした本人確認を行うか確認し、不安を感じるようなら登録しないという選択も大 切です。加えて、アプリの登録・設定後にはスマホに必ず顔認証や指紋認証をかけ、少しでも第三者 の悪用を防ぐ工夫をしましょう。 また、利用者の弱点を狙った詐欺の手口にもご注意ください。本物の「〇〇Pay」に成りすました 偽のアプリをインストールさせ、個人情報やログイン情報をだまし取るケースがあります。 スマホ決済は簡単に利用できるので、しっかり理解をしてサービスを利用することが重要です。 ※2段階認証・・・一般的に、パスワード認証後に指紋やセキュリティコードなど、パスワードと 別の要素を求める認証方式 ・決済の仕組みを知る。(支払いの方法やタイミング、利用の流れや制限など) ・アプリやスマホに認証設定をする。 ・偽アプリや便乗アプリに注意する。 ・自分に合った支払い方式を検討する。(前払い方式、即時支払い方式、後払い方式など) ・トラブル発生時に備え、予め連絡先を確認する。 ・スマホ紛失時に備え、予め利用停止方法を確認する。 ・スマホ買い替えの際には、それまで使用していたスマホを初期化するなど。 スマホ決済のメリットや注意点を確認し、上手に利用しましょう。 防災コラム 〜 在宅避難のすすめ〜 東日本大震災から10年が経ちましたが、地震への備えは疎かになっていないでしょうか。 大規模な地震が発生した場合、自宅建物が倒壊や火災で住み続けられない方のために避難所を開設 しますが、収容できる人数は最大でも人口の2割以下で、8割以上の方は在宅避難なります。(※こ の数値は学校施設の面積を3.3u2人で算出した数値で、感染症対策等を考慮していません。) また、避難所での生活は居住スペースや物資に限りがあり、見知らぬ人との共同生活でプライバ シーも万全ではありません。残念ながら良好な生活環境とは限らないため、大きなストレスを抱えた り、体調を崩してしまう方もいます。 在宅避難の被災者も手続きを行うことで避難所における救援物資や支援を受けることができます。 自宅が安全な場合は家族のペースで生活できるので、在宅避難を選択してみませんか。 (1)避難行動判断の目安 揺れが収まってから慌てずに次の項目などを確認しましょう。 <家屋>柱が傾いているなど倒壊の恐れがある。またはその判断が難しい。 <周囲>自宅に火事が迫っている。 <情報>区・警察・消防や防災組織から避難の指示がある。 ひとつでも当てはまる場合は、一時集合所や広域避難場所へすぐに避難してください。家 にいることが不安な場合も避難しましょう。状況を確認し、家にいても安全なら在宅避難を 開始します。ただし、在宅避難のためには事前の備えが必要です。 (2)在宅避難のために必要な備え 日ごろから自宅の点検や備蓄を行い、在宅避難をできる準備を整えておきましょう。 <家屋> 耐震診断を受け、必要に応じて耐震補強を施す。 世田谷区では住宅の耐震診断などの支援を行っています。 安全な場所の確保と家具類に転倒防止策を施す。 <情報> 防災マップやハザードマップを確認する。 「災害時の情報入手方法」を確認し、準備する。 <備蓄> 非常用トイレを備蓄する。(トイレの使用回数1人約5回/1日) 排水設備や公共の下水道に損傷があると、汚水が逆流する場合がありま す。損傷がないことを確認できるまで水を流してはいけません。特に集合 住宅は配管を共有しているため注意が必要です。排泄を我慢すると健康を 維持できないので、非常用トイレを備蓄しておきましょう。 水や食料を最低3日分、できれば10日分を備蓄する。 1人あたりの水の必要量は1日3?です。加工食品は普段から少し多めに 買っておき、古いものから使用するローリングストックをおすすめしま す。首都圏は人口が多く物資が行き渡りにくいため、10日分の備蓄があ るとより安心です。 カセットコンロとカセットボンベ、懐中電灯、モバイルバッテ リーや蓄電池などを備蓄する。 世田谷区や東京都などでは蓄電池の導入補助事業を実施しています。 (3)在宅避難を開始したら @余震に注意して安全に過ごせる場所を確保します。 作業時は手袋や履物でけがを防ぎましょう。 A家のトイレに非常用トイレを設置します。 B食事の際は冷蔵庫→冷凍庫の順に食材を消費します。 冷凍庫は開閉しなければ一定程度温度を保つことができます。 C生活に必要な情報を入手します。 D適度な運動と規則正しい生活で心身の健康を保ちます。 E家族や地域の人々と協力して避難生活を乗り切りましょう。 (4)在宅避難者も避難所の支援対象です 在宅避難者も指定避難所で「避難者カード」を提出すれば、安否確認や生活物資などの支 援を受けることができます。 (5)在宅避難が難しいときは?(まつばら防災マップと合わせてご覧ください。) 世田谷区の避難所等への避難の流れは主に@自宅→A一時集合所→(B広域避難場 所→)C指定避難所という流れで行います。避難勧告や避難指示が出た時も同様です。 家屋の倒壊や周辺の火災など自宅が危険になったときはA一時集合所へ避難します。この ときに危険が去り、自宅が安全な時は@自宅に戻りますが、自宅が安全でない場合はC指 定避難所に避難します。(火災延焼などによりA一時集合所に危険が迫ったときはB広 域避難場所に避難します。) Memo:避難所の生活 避難所(指定避難所)は、自宅で居住できなくなった被災者が一時的に入所して避難生活を送る ための場所です。見知らぬ人達と共同生活を送るため、我慢しなければいけないことも少なくあり ません。避難所生活でのストレスの多くは、住環境の悪さと人間関係のトラブルなどによるものと 言われています。そこで、避難所で生活するための注意点を一部ご紹介します。 ・避難所は町会・自治会などで構成する「避難所運営委員会」が開設しますが、運営は入所者が 協力して行います。入所した被災者は避難所のお客様ではなく運営主体でもあります。 ・スペースや物資が限られていることから十分な供給は期待できません。可能であれば自宅にあ る生活必需品や備蓄物資を持参しましょう。 ・避難所では防犯意識を高めましょう。完ぺきな居住環境ではないため、不安や利己心からいさ かいや窃盗、性犯罪、暴力など様々な犯罪が発生する恐れがあります。 ※本紙の掲載情報は上町地区町会連合会「在宅避難のすすめ」や「せたがや防災」、「東京 防災」などを参考に作成しております。 防犯コラム 〜特殊詐欺のイメージと悪質商法〜 もしも知らない人からの電話を取ってしまったら・・・ 「コロナが流行っていますが、体調はいかがでしょうか。」 普段知らない人からの電話は取らないように気を付けてはいるものの、不意にこ んな電話を取ってしまったら、どのように対応するか一度想像してみてください。 上記の文言は一例ですが、このような世間話をされたときについつい話し込んで しまうお話好きな人はいませんか。実はこちら、数多ある特殊詐欺の手口のほんのひとつなので す。いわゆる「アポ電」の一種で、日常会話に始まり、こちらに違和感を与えることなく生活リズ ムや家族構成を聞き出してターゲットにするか判断します。 「特殊詐欺」という文言から日常生活には関係のない、何か異質なものとして認識しがちではな いかと思いますが、皆さんのもとにある日突然やってきます。お金をだまし取られた方の9割以上 が「自分は大丈夫」と思っていたそうで、特殊詐欺への無関心さが被害を呼び込む形と なっています。 特殊詐欺防止のために、まずは特殊詐欺に関心を持つことから始めましょう。 詐欺のニュースや記事を見て、手口を学んでおくことで詐欺だと気づきやすくなります。最近で は新型コロナウイルス感染症やワクチンに乗じた特殊詐欺が多発しています。 また、お金の話をされたり困ったときはすぐに周囲や警察に相談し、自身の身を守る行動をとり ましょう。その行動が自分だけではなく、ほかの人達の被害を防ぐことに繋がるかもしれません。 「屋根を無料で点検します。」・・・飛び込み営業の点検は要注意! 突然の訪問で屋根や排水管などの無料点検を持ちかけられたら、悪質商法を疑いましょう。松原 地区は屋根の飛び込み営業が多いようで、松原まちづくりセンターにも複数の相談がありました。 突然訪問してきた業者が「無料で屋根を診断します。」と真摯な様を装って屋根に上がり、異常 がないのに予め用意した偽の写真を見せて「屋根に異常があるので修理をしましょう」と提案した り、最悪の場合、壊れていない屋根を壊して修理を持ちかける場合もあるそうです。特に高齢者は 自分で屋根に上がることが難しいため、業者の話を信じて契約してしまうことが多いようです。 突然の訪問で屋根や住宅の無料点検を勧められたら、きっぱりと断りましょう。 また、業者の対応に不安を感じることがあれば、@消費者センターへ相談しましょう。 屋根や住宅等の修繕は、A世田谷区住宅相談連絡協議会やB総合設備メンテナンス センターで工事業者の紹介をしています。 @世田谷区消費者センター(月〜金曜日 電話・来所 9:00〜16:30) 相談専用電話番号:03-3410-6522 (土曜日は電話のみ 9:00〜15:30) 65歳以上の方専用電話番号:03-5486-6501 A(住宅修改築)世田谷区住宅相談連絡協議会(月〜金曜日 9:00〜17:00) 電話番号:03-3413-3046 B(水道や下水道修繕の相談は)総合設備メンテナンスセンター(24時間) 電話番号:0120-850-195 電話番号:03-3585-0195(携帯電話・PHS用) 編集後記 コロナ禍で急速に普及したキャッシュレス決済。先月から「せたがやペイ」も始まりました。 よく知って上手に利用したいですね。防災コラムは、ぜひともご一読いただき、家族構成に応 じた備蓄品の見直しをしていきましょう。(編集委員一同)