世田谷区人と動物との調和のとれた共生推進プラン(第2次)案(概要) 1.共生推進プランの位置づけ   平成16年に施行された「世田谷区人と動物との調和のとれた共生に関する条例」(以下「共生条例」という。)第3条に基づく計画です。  本プランは、区の動物愛護管理施策の基本的な方針や取り組むべき施策を定めたものであり、区民、ボランティア・関係団体、区といった動物愛護管理に関わる様々な主体に共通の行動指針となるものです。 2.共生推進プラン改定にあたっての考え方 (1)基本理念  共生条例は、区における人と動物との調和のとれた共生社会の推進について基本的な理念について定めたものです。 共生推進プランの改定にあたっては、共生条例及び第1期共生推進プランの理念を踏まえつつ、新たな課題等を加え、今後重点的に取組むべき施策として目標設定します。 (2)視点  動物行政に精通した学識経験者や獣医師、東京都動物愛護推進員、ボランティア団体等の代表者、町会役員、区関係所管等の委員から構成する「世田谷区人と動物との共生推進のための連携協議会」における議論や、区民意見募集や区民参加のワークショップの実施により幅広く意見を聴取し、様々な立場からの意見を反映します。 3.共生推進プラン改定の背景  近年、区内では飼い主が高齢や入院等様々な理由により飼育が困難になる事例や、飼い主の判断力、認知能力の低下によりペットが管理しきれない頭数に増えてしまう多頭飼育崩壊が発生し、現在も複数の事案に対応しているところです。 また、新型コロナウイルス感染症による在宅時間の増加等が要因と思われる犬の新規登録の増加や、令和4年6月1日より、一部改正された動物の愛護及び管理に関する法律が施行され、犬猫等販売業者は、犬又は猫を取得したときは、当該犬又は猫にマイクロチップを装着し、その情報を環境省が整備するデータベースに登録することが義務化される等、人と動物を取り巻く現状が大きく変化しており、喫緊の課題にいち早く的確に対応する必要があるため、動物愛護管理に関わる様々な主体に共通の行動指針となる共生推進プランを早急に改定する必要があります。 4.共生推進プラン改正(案)について 共生推進プラン(平成17年7月策定)概要 【目的】 人と動物との調和のとれた共生社会の実現 【基本視点】 1 すべての者の取組み 2 飼い主責務の徹底 3 区民、動物ボランティア・公共的団体   等との連携と協働の推進 【共生推進プラン】 1 動物に対する理解の促進 2 適正飼育の推進 3 保育園、幼稚園、小学校等における啓発 4 災害時対応の整備 5 普及啓発媒体の効果的・効率的活用 6 人材・団体等の育成 7 区と公共的団体等との連携と協力 人と動物をめぐる社会情勢の変化(新たな課題) ・高齢化と少子化・核家族化の進展による、飼育困難となるケースの発生 ・災害時における同行避難ペット数の増加 ・新型コロナウイルス感染症の影響により、在宅時間が増えたことに伴うペットと接する時間の増加や癒しを求めて新たにペットを飼育する人の増加 ・犬猫のマイクロチップ装着義務化など、ICTやDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展 ・動物由来感染症予防の推進 現行プランの理念を踏まえつつ、17年経過による新たな課題を加え、今後重点的に取組むべき施策の整理が必要。 (1) 基本理念 人と動物との調和のとれた共生社会を推進し、健康で豊かな生活環境の形成 (2) 全体像  区民、ボランティア・関係団体、区がそれぞれの役割を果たしながら、互いに連携・協力して取組みを進めていく必要があります。 各主体が協働し、区民の健康で豊かな生活環境の形成に寄与し、人と動物とが幸せに暮らすことのできる安心・支えあいの共生社会の実現をめざします。 (3)  目標 (新規)区民と動物が安心できるコミュニティの形成 (新規)人と動物との共生推進事業の推進 (継続)飼い主のいない猫対策の推進 (継続)動物由来感染症予防の推進(狂犬病定期予防注射の徹底) (4) 取組むべき事項(重点施策) (新規)飼い主と区民が安心して暮らせる生活環境の形成     ⇒@動物愛護の普及啓発       ・飼い主の飼育マナー等の啓発       ・飼い猫の不妊・去勢手術への助成金交付       ・区による普及啓発事業・動物の遺棄・虐待防止の取組み      A災害時の動物救護体制の充実      B犬の飼い主へのアンケート調査の実施 (新規)共生推進ボランティアの制度・助成の実施     ⇒@世田谷区人と動物との共生推進のための連携協議会の設置      A共生推進ボランティア事業の実施       ・世田谷区動物連絡員制度の設立      B災害時の動物救護体制の充実      C飼育困難・多頭飼育崩壊事例解決に向けた取組み       ・高齢者等による一時的な飼育困難への対応       ・多頭飼育崩壊への対応       ・活動ボランティアへの助成制度の実施 (継続)地域猫活動の推進・普及啓発     ⇒@地域猫活動の推進       ・「世田谷区地域ねこ活動セミナー」の実施       ・飼い主のいない猫の不妊・去勢手術への助成金交付       ・地域への普及啓発      A世田谷区動物連絡員制度を活用した取組みの実施 (継続)狂犬病定期予防注射及び動物由来感染症の普及啓発     ⇒@狂犬病予防注射の普及啓発       ・犬の飼い主への狂犬病定期予防注射のお知らせの郵送       ・東京都獣医師会世田谷支部と狂犬病定期予防注射実施に関する協定       ・狂犬病予防注射の啓発ポスターによる広報      A動物由来感染症に関する正しい知識の普及啓発