【風水害編】 第3部 災害応急・復旧対策計画 第10章 公共施設等の応急・復旧対策 公共土木施設及び鉄道施設並びにその他の公共施設等の機能回復のため、迅速に応急・復旧措置を行う。 第1節 公共土木施設等 1 道路・橋りょう 災害が発生した場合、各道路管理者等は、交通規制等の措置又はう回道路の選定など、通行者の安全対策を講じる。 各道路管理者等は、パトロール等による広報を行う。 各道路管理者等は、被災道路、橋りょうについて、応急措置及び応急復旧対策を実施する。 雪害時には、迅速な道路啓開活動の実施など、除雪体制の充実を図る。 (1)災害時の応急措置 機関名 区 対策内容 道路パトロールの実施 被害状況の把握と講評 区道の応急・復旧対策 機関名 都建設局、各支庁 対策内容 各建設事務所及び各支庁は、道路の被害状況を把握し、状況に応じ直ちに応急・復旧を行い、交通路を確保 機関名 警視庁・警察署 対策内容 発災時における、被災状況に応じた交通規制等の措置など、通行者の安全対策を実施 パトロール等を兼ねた広報を実施 機関名 関東地方整備局 対策内容 被害を受けた道路及び交通状況を速やかに把握するため、国道事務所及び出張所においてはパトロールカー等による巡視を実施 ヘリコプター及び道路情報モニター等から道路の情報を収集 巡視の結果及びモニター等からの情報をもとに、必要に応じたう回道路の選定、その誘導等の措置とともに、速やかな応急・復旧工事を実施し、交通路としての機能を確保 機関名 首都高速道路 対策内容 警察が実施する交通規制に協力し、規制状況等を広報 利用者の被災状況を緊急に把握し、消防等関係機関への迅速な情報伝達、出動・協力要請により、被災者の救出救護その他安全を確保   (2)応急復旧対策 機関名 区(区道)、都建設局(都道等) 対策内容 応急復旧作業は、緊急道路障害物除去を最優先に行うこととし、「災害時における応急対策業務に関する協定」及び「協力承諾書」に基づき実施 逐次道路の被災箇所で、放置すると二次被害を生ずるおそれがある箇所の応急復旧や、一般道路の障害物除去作業等を実施 協力業者が災害時に使用できる建設機械等の把握を行うなど、平素から資機材を確保 降雪時における道路交通の安全を確保するため、あらかじめ稼働可能な資機材や労力の把握を行い、迅速かつ適切な除雪活動実施の体制を確保 機関名 関東地方整備局 対策内容 パトロールによる巡視結果等をもとに被害を受けた道路の応急復旧計画を策定し、速やかに応急復旧工事を行い、緊急輸送路としての機能を確保 発災直後の混乱期に緊急復旧のための資機材を確保するため、直轄備蓄及び建設業者との協力協定のほか、首都近隣区域において防災資機材備蓄基地の整備を計画的に推進 機関名 首都高速道路 対策内容 災害が発生したときは、二次災害の防止と緊急輸送機能を最優先で確保 ①道路構造物、管理施設等について、その被害の状況を緊急点検し、必要に応じ応急復旧 ②工事の箇所については、その被災の状況に応じて必要な措置を実施 平素から資機材を確保するため、使用できる建設機械等を把握   2 河川及び内水排除施設 洪水等により、被害が発生した場合、各施設の管理者は、被害状況を速やかに調査し、応急・復旧を行い、あわせて排水を行う。 (1)災害時の応急措置 機関名 区 対策内容 水防活動と並行して管内の河川管理施設、特に工事中の箇所及び危険箇所を重点的に巡視し、被害箇所については、直ちに都に報告するとともに、必要な措置を実施 排水場施設に被害が生じた場合は、直ちに建設局に報告し、移動式排水ポンプ車の派遣を求め、排水作業を継続し、内水の氾濫による被害の拡大を防止 23区内の区が管理する河川管理施設の応急・復旧については、大規模なものを除き、都の指導の下に実施 機関名 都建設局 対策内容 災害が発生した場合、直ちに、堤防、護岸、排水施設、防災船着場等の河川管理施設及び工事箇所の被災状況を確認 都が管理する河川管理施設については、応急復旧対策を全般的に実施 区市町村の実施する応急措置に関し、必要に応じて備蓄資器材の提供、技術的助言及び総合調整を行うほか、応急・復旧対策を総合的判断の下に実施 排水機場施設の被害をとりまとめるほか、総合的判断の下に、移動式排水ポンプ車の派遣を決定 区が管理する河川管理施設の応急・復旧対策について区に技術的助言を行うほか、大規模なものについては直接実施 舟航河川における障害物を除去しゅんせつし、清掃船の航行可能河川における浮遊物を除去 巡回・点検及び応急対策については、災害時における応急対策に関する協定により対処 機関名 都下水道局 対策内容 水再生センター、ポンプ所等の排水施設に被害を受けた場合は、特に、氾濫水による被害の拡大防止に重点を置き、区関係部局及び水防団体との相互の協力及び応援態勢の確立を図り、速やかに施設を復旧 被害が大規模で、復旧活動が都下水道局だけでは実施困難であり、かつ緊急を要する場合には、災害時における水再生センター等の応急復旧業務に関する協定を締結している民間団体に協力を得て対処 機関名 関東地方整備局 対策内容 直ちに、堤防、護岸、排水施設等の河川管理施設及び工事箇所の被災状況を確認 破損等の被害を受けた場合には、特に、氾濫水による被害の拡大防止に重点を置き、速やかに施設を復旧 都及び区市町村等の行う応急対策に関し、要請があれば技術的支援を実施 (2)復旧対策 河川及び内水排除施設の管理者は、管理する施設が被害を受けた場合、被害状況を速やかに調査し、被害を受けた施設を復旧する。  特に、公共の安全確保上、緊急に復旧を行う必要のある対象は、次のとおりである。 ①堤防、護岸、天然河岸の決壊で住民の日常生活に重大な影響を与えているもの ②堤防護岸等の決壊で破堤のおそれがあるもの ③河川の堤防護岸等の脚部の深掘れで、根固めをする必要があるもの ④河川の埋そくで流水の疎通及び船舶の航行を著しく阻害するもの ⑤護岸、床止、水門、樋門、樋管又は天然河岸の全壊又は決壊で、これを放置すると著しい被害を生ずるおそれがあるもの ⑥防災船着場本体、堤内地から防災船着場本体までのアクセス路、斜路   第2節 鉄道施設 1 運行基準 各鉄道事業者の運行基準に従い、速度規制又は運転中止を行う。 2 災害時の応急措置 各鉄道事業者は、旅客等の安全確保及び緊急輸送を行うため、災害対策本部等を設置する。 各鉄道事業者は、列車及び旅客の安全確認のため、徐行等の運転規制を実施する。 各鉄道事業者は、駅での混乱防止や、列車内の乗客の安全確保のため、必要に応じて、速やかに避難誘導を実施する。 各鉄道事業者は、駅や列車内での混乱防止のため、案内放送等による情報提供を行う。 3 事故発生時の救護活動 各鉄道事業者は、災害対策本部と協力し、負傷者の救護を優先的に行い、必要に応じ、警察及び消防署に出動要請する。 4 浸水時等の対応 機関名 東急電鉄 対策内容 災害発生時、駅の出入口から浸水のおそれがあるときは、浸水防止板を使用して防護に当たる。 浸水により列車運転に支障があると予想された場合は、直ちに運輸司令所長に報告するとともに、旅客を安全な場所に避難させる等の措置を取り、その状況を把握し、駅長に報告する。 機関名 京王電鉄 対策内容 被害の予想される地点には、排水ポンプ、水位警報装置等を設置、状況に応じて係員を巡回させ、被害の未然防止を図る。 浸水防止対策は次による。 (1)浸水防止の土のう配備 (2)排水ポンプによる浸水箇所の排水 (3)止水板による浸水の防止 機関名 小田急電鉄 対策内容 地下区間に設置してある排水ポンプにより排水する。必要に応じて係員による点検を実施する。 5 復旧対策 鉄道施設は、都市機能の確保や各種の復旧対策に寄与するため、速やかに応急復旧を行って輸送の確保に努める。 各鉄道事業者は、被害状況を調査し、必要に応じ、迅速かつ適切に復旧作業を行う。 各鉄道事業者は、応急対策の終了後、被害原因等の調査分析を行い、この結果に基づき、再び同様な被害を受けないよう、本復旧計画を立て実施する。 第3節 社会公共施設等 1 各医療機関 施設長は、あらかじめ策定した計画に基づき、患者の生命保護を最重点に対応する。 通信手段の確保に努めるとともに、状況に応じて必要な措置をとるなど万全を期する。 2 社会福祉施設等 社会福祉施設等の責任者は、被災後速やかに施設内外を点検し、落下・倒壊等の危険箇所の有無を確認する。必要に応じて応急修理を行い、安全を確保する。 利用者の状況、職員の状況、施設建物の被害状況を把握し、必要に応じ施設の応急計画を策定する。 施設独自での復旧が困難である場合は、区市町村が組織した「要支援者支援班」等関係機関に連絡し援助を要請する。 風水害の被害を受けなかった施設の責任者は、援助を必要とする施設の責任者に積極的に協力し、入所者の安全を確保する。 3 公園・運動施設 国土交通省京浜河川事務所などと協議し、河川敷内の陥没箇所の整備や河川敷沿いのスポーツ施設のあり方について検討する。 4 学校施設 (1)応急対策 校(園)長は、避難について特に綿密な計画を樹立しておき、それに基づいて行動することとし、特に園児・児童・生徒等の安全確保に万全を期する。 自衛防災組織を編成して、分担に基づいて行動する。 緊急時には、関係機関へ通報して臨機の措置を講じる。 学校施設が避難所になった場合は、避難者の健康と安全の確保に努めるとともに、火災予防について十分な措置をとる。 学校施設の応急修理を迅速に実施する。 (2)応急復旧対策 区立学校の施設が台風等で教育活動ができない状態にあると判断した場合には、区教育委員会は、緊急に校(園)長及び都教育庁と連絡を密にして、応急教育計画などを作成する。 園児、児童、生徒の実態を十分把握し、生活環境の急激な変化による心理的な不安や動揺を早急に解消するためにも教育活動の中断がないように努める。 被害を受けた施設のうち緊急に復旧を必要とするものについては、計画をたて速やかに復旧を行う。   5 文化財施設 (1)応急対策 文化財に被害が発生した場合は、その所有者又は管理者は、直ちに東京消防庁・消防署等の関係機関に通報するとともに被害の拡大防止に努め、被災状況を速やかに調査し、区指定の文化財にあっては区教育委員会、都、国指定の文化財にあっては、都教育委員会を経由して、その結果を文化庁長官に報告する。 関係機関は被災文化財の被害拡大を防ぐため、協力して応急措置を講じる。 (2)復旧対策 被災した文化財等の廃棄、散逸を防止するため、被害状況と文化財等の重要度に応じて、都教育委員会、区教育委員会及び文化財管理者等において修復等について協議を行う。 6 区立文化施設・社会教育施設 (1)避難誘導 区立文化施設・社会教育施設の管理者は、施設の利用者等が不特定多数であることから、利用者等の避難誘導に当たっては、あらかじめ定められた避難先に誘導し、混乱防止及び安全確保に万全を期する。 災害状況に即した対応ができるよう区災対区民支援部及び区災対教育部は、関係機関との緊急連絡体制を確立する。 (2)復旧計画 区災対区民支援部及び区災対教育部は、区立文化施設・社会教育施設については、災害後直ちに被害状況を調査し、被害状況によっては、施設ごとに再開等の計画を立て、早急に開館する。 当面の応急措置が終了し、社会一般が安定し日常生活が平常に戻れば、復旧計画を立て、本格的な復旧を行う。