【風水害編】 第3部 災害応急・復旧対策計画 第3部 災害応急・復旧対策計画 第1章 初動態勢 大規模な風水害が発生した場合に、世田谷区水防本部又は、世田谷区災害対策本部を設置するとともに、都、区その他防災機関は、迅速な初動態勢により応急活動を開始する。 世田谷区災害対策本部の設置は、気象情報で台風の接近等により、強い降雨または強風の継続等が予報され、洪水氾濫、土砂災害発生のおそれが高まっている場合にくわえて、台風の規模や進路、鉄道などの計画運休の情報を考慮するものとする。 本部長室会議は、以下(1)~(2)の目的に応じて開催する。 (1)本部長、副本部長、災対各部長の全構成員が出席し、区の対応方針等を決定するために行う。 (2)避難所運営等の個別協議に関係する災対部長が出席し、個別の対応方針等を決定するために行う。 世田谷区災害対策本部が設置された場合、災対各部長と災対各部は以下のとおり行動する。 (1)災対各部長は、本部決定事項等を速やかに災対各部へ伝達し、「世田谷区風水害対応タイムライン」より、災対各部の役割と対応を確認する。 (2)災対各部は、「世田谷区風水害対応タイムライン」の災対各部の対応に基づき、空振りを恐れず、必要な要員を確保する。 <主な機関の応急活動> *図表省略 第1節 世田谷区災害対策本部の組織・運営 1 世田谷区災害対策本部等の分掌事務等 (1)世田谷区災害対策本部の分掌事務 震災編 第2部第1章第2節「1 区の役割」を準用する。 2 世田谷区災害対策本部の設置等 (1)世田谷区災害対策本部の設置 災害対策本部の設置、水防本部から災害対策本部への移行については、次のとおりとする。 災害対策本部の設置については、大規模な風水害が発生するおそれがある場合に、水防本部長と水防副本部長が協議し、区長が決定する。 災害対策本部を設置した場合には、水防本部及び地域水防本部の業務は災対各部として統合され、災害対策本部長が指示する。 次の場合には、水防本部の設置を待たずに、災害対策本部を設置する。 ア 気象情報で台風の接近等により、強い降雨または強風の継続等が予報されている、または、それらが発生している状況において、洪水氾濫、土砂災害発生のおそれが高まっている場合、台風の規模や進路、鉄道などの計画運休情報を考慮し、災害対策本部長が必要と判断したとき。 イ 上記に関わらず、災害対策本部長が必要と判断したとき。 災害対策本部を設置した場合の災対各部の要員は、災対各部で判断する。 災害対策本部は、風水害のおそれが解消し、応急活動がおおむね終了したと認めるときには解散するものとする。 第2節 世田谷区水防本部の組織・運営 1 水防機関の活動計画 水防本部は、気象状況等により洪水のおそれがあるときは、水防本部長(担任副区長)の指示に基づき直ちに事態に即応した配備態勢をとるとともに、水防活動を行うものとする。 (1)水防本部の活動 水防管理団体(区)は、出水期前に河川の巡視を行い、水防上危険であると認められた箇所があるときは、その管理者に連絡して必要な措置を求める。 また、気象状況等により洪水のおそれがあるときは、直ちに事態に即応した配備態勢をとるとともに、おおむね次の水防活動を行う。 ①水防本部長及び地域水防本部長の指示に基づき、水防本部及び地域水防本部を設置する。 ②水防作業に必要な資器材の調達及び備蓄をする。 ③水防計画に定めた箇所の雨量、水位の観測を行う。 ④水防活動を十分に行うために、気象情報、洪水予報及び水防警報等の情報を収集、把握し、連絡する。 ⑤気象状況並びに水位に応じて管理者、消防機関と緊密な連絡のもと河川等の監視警戒を行い、異常を発見したときは直ちに関係機関に連絡するとともに、事態に即応した措置を講ずる。 ⑥次の場合には、消防機関に対し、出動することを要請する。この場合には直ちに都建設局(水防本部)に報告するものとする。 ア 水防警報により、出動又は指示の警告があったとき イ 水位が氾濫注意水位(警戒水位)に達し、危険のおそれがあるとき ウ その他水防上必要と認めたとき ⑦水防のため必要があると認めるときは、現場の秩序あるいは保全維持、避難誘導のために警察署長に対して、警察官の出動を求める。 ⑧水防のため緊急の必要があるときは、他の水防管理者に対し、応援を求めることができる。応援のため派遣された者は、応援を求めた水防管理者の所管の下に行動する。 ⑨洪水や雨水出水(河川に排水できずに氾濫した水)による被害情報の収集を行う。さらに浸水被害情報を得たときは、関係機関に連絡するとともに、事態に即応した措置を講ずる。 ⑩堤防その他の施設が決壊またはこれに準ずる事態が発生したときは、直ちに関係機関に通知する。また、決壊したときは、できる限り氾濫による被害が拡大しないように努めなければならない。 ⑪水防のためやむを得ない必要があるときは、その区域内に居住する者、または現場にある者をして、作業に従事させることができる。 ⑫洪水による著しい危険が切迫しているときは、必要と認める区域の居住者に対し、立ち退くべきことを指示することができる。この場合、遅滞なく地元警察署長に、その旨を通知しなければならない。 ⑬水防従事者に対して、水防作業に必要な技術上の指導を行う。 ⑭水防のため緊急の必要があるときは、都知事に対し、自衛隊の派遣を要請することができる。   (2)水防組織 区における水防組織は、次のとおりである。 <世田谷区水防組織図> *図表省略   (3)水防本部の構成 区は、洪水や風水害のおそれがあるときは、世田谷区水防本部(以下「水防本部」という。)及び地域水防本部(以下「地域本部」という。)を設置するものとする。 ①水防本部長は都市整備領域を所掌する担任副区長とし、その下に水防副本部長3名(災害対策担当、水防担当、土砂災害警戒等担当)と地域水防本部長5名を置く。 ②水防副本部長(災害対策担当)には危機管理部長を充て、その下に災害対策班長(危機管理部副参事)、ごみ処理総括班長(清掃・リサイクル部長)、消毒処理総括班長(世田谷保健所長)を置く。 ③水防副本部長(水防担当)には土木部長(職務代行第1順位:道路・交通計画部長、第2順位:みどり33推進担当部長、第3順位:豪雨対策推進担当参事)を充てる。 ④水防副本部長(水防担当)のもとに土木統括・情報班長2名(土木計画調整課長、豪雨対策・下水道整備課長)、土木渉外・調査班長(道路管理課長)、土木対策班長3名(公園緑地課長、工事第一課長、工事第二課長)、土木対策機動班長6名(みどり政策課長、道路計画課長、道路事業推進課長、交通政策課長、道路・交通計画部副参事、交通安全自転車課長)、多摩川河川敷工作物撤去班長2名(公園緑地課長、スポーツ推進課長)を置く。 ⑤土木対策班長のもとに地域支援班長5名を置く。水防副本部長(水防担当)は、地域支援班長を指名し、これを各土木・公園管理事務所に派遣する。 ⑥水防副本部長(水防担当)は、状況に応じて多摩川現地指揮班を設置する。 ⑦地域水防本部長には総合支所長を充て、そのもとに地域水防副本部長(総合支所副支所長)を置く。 ⑧地域水防副本部長のもとに地域総務班長(地域振興課長)、地域対策班長6名(区民課長、生活支援課長、保健福祉課長、健康づくり課長、子ども家庭支援課長、街づくり課長)を置く。 ⑨水防副本部長(土砂災害警戒等担当)には、防災街づくり担当部長(職務代行第1順位:都市整備政策部長)を充てる。 ⑩水防副本部長(土砂災害警戒等担当)のもとに土砂災害警戒等班長2名(防災街づくり課長、建築安全課長)、土砂災害警戒等支援班長7名(都市計画課長、都市デザイン課長、市街地整備課長、建築調整課長、建築審査課長、住宅管理課長、居住支援課長)を置く。 (4)機構 水防本部及び地域水防本部の設置及び解散の時期は次のとおりである。 ①水防本部長は、次の場合に水防本部を設置するものとする。 大雨、洪水のいずれかの警報が発表されたとき。 多摩川、野川・仙川のいずれかに氾濫警戒情報・氾濫危険情報が発表されたとき。 谷沢川、丸子川、呑川のいずれかに氾濫危険情報が発表されたとき 水防警報(出動)が発表されたとき。 集中豪雨等により局地的な被害が発生するおそれがあると認めたとき。 台風の暴風等による被害が発生するおそれがあるとき  その他水防本部長が必要と認めたとき。 ②地域水防本部長は、次の場合に地域水防本部を設置する。 水防本部が設置されたとき。 上に関わらず、集中豪雨など局地的な被害が発生するおそれがあると認めたとき、また、台風の暴風等による被害が発生するおそれがあると認めたときは、水防本部長に協議のうえ、各地域水防本部を設置する。 ③水防本部長は次の場合に水防本部及び地域水防本部を解散する。 洪水のおそれ、暴風による道路や公園への影響、建物等への被害のおそれが解消し、水防活動がおおむね終了したと認めたとき。 (5)所掌事務 ① 水防本部 災害対策担当 (ア)災害対策班 水防本部長指令の総括に関すること 災害対策の総合調整に関すること 気象及び災害情報収集の総括に関すること 防災関係機関との連携に関すること 防災行政無線システム、防災情報システムの運用管理に関すること 被害状況報告の集計及び資料作成の総括に関すること 避難指示、避難勧告等の発令に関すること 警戒区域の設定、立入制限、退去命令に関すること 他の水防管理者への応援要請及び知事への自衛隊派遣要請に関すること 東京都(総務局総合防災部)への水防に関する報告 (イ)ごみ処理総括班 被災地のごみ処理対策に関すること 被災地のごみの排出指導に関すること (ウ)消毒処理総括班 被災地の総合衛生対策に関すること 水防担当 (ア)土木統括・情報班 水防計画に関すること 水防担当の総合調整、他の担当との連携・連絡・調整に関すること 水防実施状況の総合記録・議会報告に関すること 気象情報の収集・整理・情報提供に関すること 水防資器材等の調達・配布の調整に関すること 他の班に属しないこと (イ)土木渉外・調査班 国、都及び水防機関との連絡に関すること 消防との事前調整・応援・連絡に関すること 警察との事前調整・出勤・連絡に関すること 国土交通省、東京都との協定締結・報告書提出等に関すること 被害状況の調査、記録及び報告に関すること 浸水確認箇所一覧・浸水確認箇所図に関すること 水防訓練における水防担当の窓口・調整に関すること (ウ)土木対策班 班の動員配置に関すること 水防実施状況の記録及び報告に関すること 地域内の被害状況の収集、記録及び報告に関すること 気象情報の観測通報及び資料の収集・整理(地元住民への情報提供を含む)に関すること 水防資器材の調達・運搬(業者の応援を含む)に関すること 公共土木施設(公園を含む)の監視及び応急処置に関すること 住民要請による被害箇所の受付及び応急処置に関すること 所管工事現場等の警戒巡視に関すること 水門、陸閘等の監視、操作に関すること 危険箇所の警戒巡視に関すること 河川の監視、状況報告及び応急処置に関すること 河川情報の収集及び整理・情報提供に関すること (エ)土木対策機動班 土木対策班の応援に関すること (オ)多摩川河川敷工作物撤去班 多摩川河川敷内の工作物の撤去(業者委託を含む)に関すること (カ)多摩川現地指揮班 現場の情報収集及び堤防巡視、並びに関係部署との連絡調整に関すること 多摩川の水防活動における指揮に関すること (キ)土木対策支援班 管轄内における水防活動の支援に関すること 平常時における河川等の巡視及び異常個所の通報に関すること 管轄内における現場報道対応に関すること 土砂災害警戒等担当 (ア)土砂災害警戒等班 土砂災害の警戒活動、土砂災害警戒区域等の巡視に関すること 土砂災害による被災状況の収集・記録及び報告に関すること 玉川総合支所、砧総合支所において土砂災害警戒活動に従事する人員の派遣に関すること 台風等の強風に関する観測通報及び資料の収集・整理に関すること 台風等の強風による被害状況の収集、記録及び報告に関すること 台風等の強風による被害で、公共物等に危険を及ぼすおそれのある建物や屋外広告物等への指導に関すること (イ)土砂災害警戒等支援班 土砂災害警戒等班の支援に関すること 地域水防本部 (ア)地域総務班 管内の警戒パトロール及び被害状況の把握、通報に関すること 区民からの通報、問合わせへの対応に関すること 避難所、救護所の設置運営に関すること 地域水防本部の庶務、人事及び経理に関すること 水防実施状況の記録に関すること 水門、陸閘等の操作の場合における地元住民への情報提供等の周知に関すること 気象情報の観測通報および資料の収集・整理(地元住民への情報提供含む)に関すること 他の班に属しないこと (イ)地域対策班 地域の水防活動に関すること   第3節 区職員の初動態勢 1 水防本部の参集基準 水防本部長及び地域水防本部長は、区が分担する水防活動に万全を期するため、次の状況に応じて職員を参集させ対応を指示するものとする。 区分 準備段階 内容 台風の接近等により水防態勢の準備が必要と判断される場合。 区分 気象注意報(の可能性大) 内容 周辺地域の状況等により気象注意報が発表される可能性が高いと事前に予想される場合。 区分 気象警報(の可能性大) 内容 注意報発令後の状況等により気象警報が発表される可能性が高いと事前に予想される場合。 区分 警報 内容 各種の警報が発表され被害の発生が予想される場合。 区分 発災 内容 集中豪雨等により浸水被害等が発生した場合。 2 水防実施状況報告 水防本部長は、水防活動終了後3日以内に、水防実施状況報告書第1号・第2号様式により、区長および都第二建設事務所に報告するものとする。 *水防計画 除雪計画 *水防本部・地域水防本部防災行政無線一覧〔資料編資料第117・P279〕   第4節 都の活動体制 東京都地域防災計画 風水害編 第3部「第1章 初動態勢」による。 第5節 救助・救急対策 1 救助・救急活動態勢等 震災編 第2部第5章第5節第2「2 消火・救助・救急活動」を準用する。 2 救助・救急体制の整備 (1) 東京消防庁・消防署の救助・救急体制 ①救助体制の整備 先遣隊として災害実態の早期把握や、活動、指揮拠点を形成するため、ドローン、特殊車両、エアボート等を装備する即応対処部隊を創設し、即応体制を強化する。 区水防本部・区災害対策本部との情報共有と意志決定の迅速化を図るため、必要な要員を当該本部に派遣する。 水害地の救助活動を効率的に行うため、水防部隊の整備強化を図り、風水害地からの救助体制を強化する。 災害時に使用する建設資器材及び船艇等については、関係事業所協定に基づく迅速な調整及び事前協議により調達計画を樹立する。 ②救急体制の整備 救急活動を効率的に行うため救急車等の増強を図り、風水害により発生する傷病者に対する搬送体制を強化する。 ③救助・救急資器材等の整備 災害が予想される地域の消防署、消防出張所を優先に、水害地での救助・救急及び消防活動を行うための資器材等の整備増強を図る。   第6節 応援協力・派遣要請 1 応援協力 震災編 第2部第5章第5節第2「3 応援協力・派遣要請」を準用する。 2 区による自衛隊への災害派遣要請 震災編 第2部第5章第5節第2「3 応援協力・派遣要請」を準用する。 第7節 防災機関の活動体制 区及び都は、風水害による災害が発生した場合、指定地方行政機関、指定公共機関及び指定地方公共機関の所管に係る災害応急対策が円滑に行われるよう、その業務について協力する。 指定地方行政機関等は上記の責務を遂行するため必要な組織を整備するとともに、災害応急対策に従事する職員の配置及び服務の基準を定める。