第10章 物流・備蓄・輸送対策の推進 本章における対策の基本的考え方 災害により平常時の市場流通機能が被害を受けた場合でも、避難者の生命を守るため、食料・水・毛布等の生活必需品を確保するとともに、その物資を迅速かつ的確に避難者へ供給する必要がある。 本章では、物資の備蓄及び調達、区防災倉庫・地域内輸送拠点、車両等輸送手段の確保及び円滑な搬送の実施体制等についての対策を示す。 第10章 物流・備蓄・輸送対策の推進 第1節 現在の到達状況 1 食料・水・生活必需品等の確保 区と都は、避難者用に、ビスケット、アルファ化米などの食料、調製粉乳のほか、毛布、肌着、敷物、紙おむつ、生理用品などの生活必需品を備蓄するとともに、食料や生活必需品等物資の調達について、あらかじめ物販事業者や業界団体等に協力を依頼している。 また、都は、震災時の飲料水等を確保するため、居住場所からおおむね半径2kmの距離内に1箇所の災害時給水ステーション(給水拠点)を整備している。区は震災時の飲料水等を確保するため、区立小中学校等に応急給水資器材等を設置している。 都と区を合わせて、おおむね3日分の食料を確保(4日目からは、国・他道府県等や物販事業者(小売事業者等)からの調達物資(炊き出し等)での対応を想定) 被災乳幼児(2歳未満)用の調整粉乳等を都と区を合わせて、おおむね7日分以上確保 家庭内備蓄の普及啓発 *食料の備蓄状況〔資料編資料第71・P176〕 *食料の主な調達先〔資料編資料第72・P177〕 *生活必需品の主な調達先〔資料編資料第73・P177〕 *基本備蓄物品〔資料編資料第74・P178〕 *避難所用防災倉庫備蓄一覧(標準版)〔資料編資料第75・P180〕 *応急給水資器材配置場所一覧〔資料編資料第25・P48〕 2 区防災倉庫及び地域内輸送拠点の整備 区は、避難者用の備蓄物資を保管するための区防災倉庫を整備している。 都は、物資の積替・配送等を行う広域輸送基地を整備し、区は、地域における物資の受入れ、配分等の拠点として地域内輸送拠点を指定している。 また、区は、防災倉庫や地域内輸送拠点等から避難所への物資輸送を協定締結団体や物流事業者の協力を得て行う。 義援物資については、都と区が被害の状況等を把握し、その募集を行うか否かを検討し決定することとなっている。 区防災倉庫111箇所(避難所運営用防災倉庫95箇所、広域用防災倉庫16箇所)を整備(令和2年4月現在) 地域内輸送拠点は、第1順位として羽田クロノゲート(ヤマト運輸(株))、第2順位としてヤマト運輸(株)成城支店、国士舘大学、世田谷区立大蔵第二運動場を指定する。まず、第1順位の羽田クロノゲートで物資の集積や配送を始め、羽田クロノゲートの被災状況や物資の集積状況や態勢等に応じて、ヤマト運輸(株)成城支店や国士舘大学、大蔵第二運動場を順次開設していく。   3 輸送体制の整備 区内運送業者等との協定・契約締結等により、車両等の確保に努めている。 燃料の供給に関する協定を締結し、燃料等の確保に努めている。物資輸送のオペレーションは、区災対物資管理部が行うこととなっている。 第2節 課題 【被害想定(東京湾北部地震)】 *図表省略 1 食料・水・生活必需品の確保に向けた課題 被害の程度によっては、物資の途絶が3日以上に及び、備蓄している食料や生活必需品が足りなくなるおそれがある。 また、高齢者など要配慮者及び女性の視点にも配慮した食料・生活必需品の備蓄や多様なニーズに対応できる調達体制を整備する必要がある。 飲料水については、地震により水道施設が被害を受けた場合、一刻も早く通常の給水を再開するために被害箇所を復旧するとともに、復旧するまでの間、応急給水により必要な飲料水等を確保する必要がある。また、災害時給水ステーション(給水拠点)が遠い地域等への対応も図る必要がある。 2 区防災倉庫及び地域内輸送拠点の整備 物資の保管場所の不足、区防災倉庫及び地域内輸送拠点での物流事業者との連携不足等により、発災時の荷さばきの仕組みが機能不全になるおそれがあり、区防災倉庫及び地域内輸送拠点における災害時の効率的な運営体制について検証する必要がある。 また、発災時に迅速かつ的確に物資を輸送するため、区防災倉庫及び地域内輸送拠点の地理的配置についても検証する必要がある。 3 輸送体制の整備 発災時における物資輸送を的確に行うことができるよう、輸送ルートの検討、輸送手段、荷受け・荷さばき、物資の在庫管理など、物流事業者等と協力し、効率的かつ効果的な物資輸送体制を整備する必要がある。 第3節 対策の方向性 1 食料・水・生活必需品等の確保 食料・生活必需品等の確保 都と区で連携し、発災後3日分の食料・生活必需品等の確保に努める。また、備蓄にあたっては、多様性に配慮した女性の視点にも留意し、食料・生活必需品の確保に努める。 都の備蓄物資は、区の要請に基づき放出することが原則だが、要請を待ついとまがない時は、都は、区からの要請を待たずに必要な物資又は資材の供給(プッシュ型支援)を行うこととなっている。 また、区は、都や協定先事業者等との連携強化等により、様々なニーズに対応できるよう調達体制の拡充に努める。 水の確保 災害時給水ステーション(給水拠点)が遠い地域等については、区が確保している受水槽、消火栓及び避難所応急給水栓等の施設を活用するなど、多面的な飲料水の確保に向けて必要な取組みを行う。 なお、飲料水確保策については、都水道局及び区の役割分担を基本としつつ、自助・共助による応急給水の実施を支援する。 生活用水についても同様に復旧状況も踏まえ、必要量の確保に努める。 2 区防災倉庫及び地域内輸送拠点の整備 物流事業者と連携した区防災倉庫及び地域内輸送拠点における効率的な運営体制を構築するとともに、事業者と連携し、集積した支援物資を保管する場所を確保する。 また、区防災倉庫の整理統合や新しい倉庫の確保について検討を行う。 3 輸送体制の整備 発災時における関係者間の情報共有や連絡調整の迅速化等のため、発災時における円滑な物資輸送を可能とする体制を検討する。 第4節 到達目標 1 3日分の物資の確保と強固な調達体制の構築 必要となる食料・水・生活必需品等については、発災後3日間は都と連携して、備蓄・調達で対応するものとする。また、避難者の多様なニーズに応え、物資の供給を円滑に実施するため、事業者等との連携等により、調達体制を構築するとともに、備蓄にあたっては、多様性に配慮した女性の視点にも留意した食料・生活必需品の備蓄を推進する。 2 支援物資の荷さばき機能の強化 地域内輸送拠点での物資の受入れ・仕分け・積替え等の荷さばき作業を、事業者等との連携により、円滑に進める体制を構築する。 3 物流事業者等と連携した円滑な物資輸送体制の構築 区本部における物資輸送のオペレーション体制を再検討し、発災時において、物資輸送に関する情報収集、判断、連絡調整等を迅速かつ的確に行う体制の構築を図る。 第5節 具体的な取組み 第1 予防対策 1 食料及び生活必需品等の確保 2 飲料水及び生活用水の確保 3 区防災倉庫及び地域内輸送拠点の整備 4 輸送体制の整備 5 輸送車両等の確保 6 燃料の確保 1 食料及び生活必需品等の確保 (1)対策内容と役割分担 機関名 区(災対統括部) 対策内容 被災者の生活の維持のため、あらかじめ必要な食料、飲料水、生活必需品等を備蓄 区民等による物資の備蓄について意識向上を図る(全区) 機関名 区(災対地域本部) 対策内容 区民等による物資の備蓄について意識向上を図る(地域) 機関名 区(災対物資管理部) 対策内容 災害時協力協定先、災害時協力行政機関との連絡体制の整備 機関名 都本部 対策内容 都民、事業者による物資の備蓄について意識向上を図る。 要請があった場合に備えて、あらかじめ食料・生活必需品の調達体制を構築 機関名 都都市整備局 対策内容 都民、事業者による物資の備蓄を促進するため、都市開発の機を捉え、防災備蓄倉庫の整備を促進 機関名 都福祉保健局 対策内容 広域的な見地から区市町村備蓄物資の補完を行うため、備蓄を推進 機関名 都生活文化局、都産業労働局、都中央卸売市場 対策内容 要請があった場合に備えて、あらかじめ食料・生活必需品の調達体制を構築 ①詳細な取組み内容 【実施主体】区災対統括部、区災対地域本部、区災対物資管理部 区は、都と連携して、分散備蓄等により発災後3日分の物資の確保に努める。 被災者に対する食料・生活必需品等の確保については、「震災対策における都・区間の役割分担」により、次のとおりとなっている。 食料については、区が当初の1日分を確保(調製粉乳は3日分)し、都は広域的な見地から区の補完又は帰宅困難者に対応する量の食料を備蓄・調達し、対処する。 毛布等の生活必需品等については、都が主体となって必要最小限を備蓄・調達により確保する。 必要備蓄量の算出に当たっては、都の被害想定における区の最大避難者数等を基準とする。平成24年に公表された「首都直下地震等による東京の被害想定」による避難所生活者数約16万人を想定し、一人1日3食分の食料を確保する。 炊き出し等の体制が整うまでの間は、備蓄による食料を被災者に供給する。 被災地で求められる物資は、時間の経過とともに変化することを踏まえるとともに、要配慮者や女性・子どもなど、様々な避難者のニーズに対応した物資の確保に留意する。 被災乳幼児(0歳児)のための調製粉乳の備蓄について、区は災害発生後の最初の3日分を備蓄する。 *震災対策における都・区間の役割分担〔資料編資料第143・P367〕 *基本備蓄物品〔資料編資料第74・P178〕 *避難所用防災倉庫備蓄一覧(標準版)〔資料編資料第75・P180〕 *広域用防災倉庫備蓄物品一覧〔資料編資料第76・P182〕 【実施主体】都福祉保健局 区の避難所やその近隣に、物資を分散して備蓄することにより、発災時において避難者に迅速に物資を提供できるよう、区と連携して、分散備蓄等により発災後3日分の備蓄の継続に努める。 被災乳幼児(0歳児)用として必要な調製粉乳は、都及び区で確保する。災害発生後の最初の3日分は区で対応し、都は広域的見地から区を補完するため、以後の4日分を確保する。 2 飲料水及び生活用水の確保 (1)対策内容と役割分担 機関名 区(災対統括部) 対策内容 受水槽及び応急給水資器材等による避難所における水の確保 区民等への水備蓄の啓発(全区) 機関名 区(災対地域本部) 対策内容 震災対策用井戸等の推進 区民等への水備蓄の啓発(地域) 機関名 区(災対物資管理部) 対策内容 都や関係団体と連携した水の確保体制の構築 機関名 都水道局 対策内容 災害時給水ステーション(給水拠点)となる応急給水槽及び浄水場(所)・給水所において、応急給水に必要な資器材等を管理 災害時給水ステーション(給水拠点)である浄水場(所)・給水所において、災害発生時に参集の上活動する要員をあらかじめ指定 区や防災区民区民組織等が、水道局職員の参集を待たずに応急給水活動ができる施設を整備 区が避難所等において、消火栓等からの応急給水ができるよう、スタンドパイプ等の応急給水用資機材器材を貸与 区が避難所等の敷地内において、応急給水ができるよう、給水管の耐震化と併せて応急給水栓を整備 機関名 都総務局 対策内容 震災時の飲料水等を確保するため、災害時給水ステーション(給水拠点)を設置 災害時給水ステーション(給水拠点)となる応急給水槽及び浄水場(所)・給水所において、応急給水に必要な施設や資器材等を整備 機関名 都都市整備局 対策内容 都民、事業者による飲料水の備蓄を促進するため、都市開発の機を捉え、防災備蓄倉庫の整備を促進 防災都市づくり施策として整備してきた地域における防災上の拠点について、局が所管している災害時給水ステーション(給水拠点)となる貯水槽などの既存の施設の維持管理・更新を適切に実施 (2)詳細な取組み内容 ①飲料水の確保 【実施主体】区災対統括部、区災対地域本部、区災対物資管理部 被災時には、生命維持に必要な飲料水が不足することが想定されるため、(災害時における)水の確保は極めて重要である。 現在、災害時給水ステーション(給水拠点)の給水所、応急給水槽、建築物の受水槽等の活用を主としている。また、断水していない配水管の消火栓等から応急給水資器材等を用いて給水する。 ただし、全ての避難所で受水槽の有効水量※を満たしているわけではないため、水が必要な場所への供給体制や手法を検討する必要がある。 ※3日間に必要な量(1日1人当たり3リットル×3日分×避難所の収容可能人数) なお、区は、飲料水が不足した場合に備え、「災害時における飲料の提供協力に関する協定書」を締結している。 *区有井戸一覧〔資料編資料第78・P189〕 *災害時における井戸、貯水槽又は浴場の使用に関する協力協定 〔資料編資料協定第31・P450〕 ②生活用水の確保 【実施主体】区災対地域本部、区災対統括部、区災対物資管理部 有効に使用されている民間所有の井戸を、震災時に近隣間での生活用水として活用するため、震災対策用井戸として指定している。 世田谷区公衆浴場商業協同組合世田谷支部と協定締結し、公衆浴場所有の井戸を震災時に有効に活用することとした。 *震災対策用井戸数と選定基準〔資料編資料第79・P189〕 *世田谷区震災対策用井戸の指定に関する要綱〔資料編資料第80・P190〕 *世田谷区震災対策用井戸のポンプの設置及び修理に要する経費補助金交付要綱 〔資料編資料第81・P192〕 *災害時における井戸、貯水槽又は浴場の使用に関する協力協定 〔資料編資料協定第31・P450〕 ③災害時給水ステーション(給水拠点)の整備 【実施主体】都水道局 応急給水槽については、電気設備や自家用発電設備などの老朽化に対応して計画的な更新を図る。 飲料水の災害時給水ステーション(給水拠点)となる浄水場(所)、給水所等において、仮設給水栓など応急給水用資器材の計画的な更新を図り、資器材の整備を推進するとともに、これら資器材を収納する倉庫を整備する。また、近くにこれらの施設のない地域には、概ね2kmの範囲内に災害時給水ステーション(給水拠点)の確保を目的に応急給水槽(1,500m3又は100m3)を建設する。 平成11年度には、中町二丁目公園(中町2‐34)に応急給水槽(100m3)を建設したことにより、区内のほぼ全域が災害時給水ステーション(給水拠点)から2kmの範囲内となった。 *災害時給水ステーション(給水拠点)一覧〔資料編資料第77・P188〕 災害時に迅速かつ的確な給水活動の実施を確保するため、設置場所、地勢及び施設水準などを考慮し、応急給水用給水設備の改良を行う。 *浄水場(所)・給水所等及び応急給水槽の施設数、確保水量一覧 〔資料編資料第82・P194〕 *給水施設の維持管理及び運用に関する協定書〔資料編資料協定第30・P448〕 【実施主体】事業所、区民 事業所及び家庭においては、水道の復旧には時間を要するので、平素から水の汲み置き等により生活用水の確保に努める。 3 区防災倉庫及び地域内輸送拠点の整備 (1)対策内容と役割分担 機関名 区(災対統括部) 対策内容 区防災倉庫の設置及び備蓄物資管理 機関名 区(災対地域本部) 対策内容 区防災倉庫の設置及び備蓄物資管理 機関名 区(災対物資管理部) 対策内容 備蓄物資の輸送及び配分の方法の策定 地域内輸送拠点の指定 関係団体等と連携し、輸送体制の運営体制を構築 機関名 都総務局 対策内容 国や他道府県等からの支援物資を円滑に受入れるため、あらかじめ受援体制を整える。 機関名 都福祉保健局 対策内容 迅速かつ的確に物資を輸送するため、都備蓄倉庫を配置 都の備蓄物資を管理 都備蓄倉庫及びトラックターミナルの効率的な運営体制を構築 (2)詳細な取組み内容 【実施主体】区災対統括部、区災対地域本部、区災対物資管理部 区防災倉庫の確保及び平時における管理運営を行う。また、災害時に迅速な備蓄物資の配布をするための体制を構築する。 ①区による防災倉庫の整備 避難所運営用防災倉庫の整備 避難所として指定されている区立小・中学校等では、自宅での居住が困難な被災者に対して、一時的に生活する場所として必要な食料品、生活必需品等を備蓄している。 *避難所運営用防災倉庫備蓄一覧(標準版)〔資料編資料第75・P180〕 広域用防災倉庫 広域用防災倉庫は、避難所運営用防災倉庫の補完的機能を持たせるとともに、その他必要な物品を備蓄する。 *広域用防災倉庫一覧〔資料編資料第84・P196〕 都有防災倉庫 都有防災倉庫は、都調達の食料品及び日用品を収納している。 ②備蓄物品 避難所用備蓄物品 避難所用備蓄物品については、統一された物品が備蓄されている。防災倉庫の資機材が被災時に活用できるよう、訓練等で使い方の習熟を図る。 *避難所運営用防災倉庫備蓄一覧(標準版)〔資料編資料第75・P180〕 その他の備蓄物品 広域用防災倉庫は、避難所運営用防災倉庫を補完する倉庫として、おおむね避難所用防災倉庫と同様の物品を備蓄している。その他、必要な物品を備蓄している。 ③分散備蓄 災害時の輸送路の損壊や車両確保等の不確実を考慮し、分散備蓄の確保を進めるよう努める。 ④輸送手段 区が避難所等へ食料及び生活必需品等を搬送するための仕分け・一時的保管機能を持つ場所として、あらかじめ地域内輸送拠点を指定し、都福祉保健局に報告する。 【実施主体】都福祉保健局 区が指定した地域内輸送拠点を把握する。 4 輸送体制の整備 (1)対策内容と役割分担 機関名 区(災対物資管理部) 対策内容 物流事業者等と連携した陸上輸送体制の整備 地域内輸送拠点の指定・運用の確立 都と連携した空路輸送体制の整備 機関名 区(災対地域本部) 対策内容 集積地及び配送拠点の指定・運用の確立 機関名 区(災対土木部) 対策内容 緊急道路障害物除去路線の指定 機関名 各防災機関 対策内容 緊急輸送ネットワークの拠点を指定 機関名 都各局 対策内容 各防災機関が指定した拠点について、緊急輸送ネットワークを整備 都災害情報システム(DIS)を活用した情報連絡体制の整備 物資輸送に関する訓練の実施 (2)詳細な取組み内容 ①陸上輸送体制の整備 【実施主体】区災対物資管理部、区災対地域本部、区災対土木部 他県等と都内の要所を有機的に結ぶ主要道路と、緊急物資等の受け入れ・積み替え・配分等を行う輸送拠点等を結んだ、緊急輸送路ネットワークを確立し、輸送拠点から避難所等への支援物資の輸送体制を構築する。 *一般国道246号二子玉川ランプの使用に関する覚書〔資料編資料協定第18・P423〕 ア 輸送拠点の指定 応急対策活動の種類 輸送拠点(広域輸送) 種別  陸上輸送基地 施設名称 京浜トラックターミナル 応急対策活動の種類 輸送拠点(地域内輸送) 種別 地域内輸送拠点 施設名称 羽田クロノゲート(第1順位)、ヤマト運輸(株)成城支店(第2順位)、国士舘大学(第2順位)、大蔵第二運動場(第2順位)※ ※ 第1順位の羽田クロノゲートで物資の集積や配送を基本とし、直接、避難所等に輸送することとする。羽田クロノゲートの被災状況や物資の集積状況や態勢等に応じて、ヤマト運輸(株)成城支店や国士舘大学、大蔵第二運動場を順次開設していく。   イ 輸送体制イメージ *図表省略 ※ 第2順位の地域内輸送拠点から避難所への物資の搬送は、避難所の状況により、各総合支所の区民会館等を経由する場合や避難所に直接配送する場合がある。 ウ 緊急物資その他の集積地及び配送拠点 地域内輸送拠点のほかに、主に区内の食料等の調達物資の集積地及び配送拠点として、各総合支所を単位に区民会館を指定する。 〔災害時における食料及び生活必需品等の集積地〕 集積地名 世田谷区民会館 所在地  世田谷4-21-27 電話   5432-2837 建物(構造)鉄筋コンクリート 建物面積(m2)5,446 集積地名 北沢区民会館(北沢タウンホール) 所在地  北沢2-8-18 電話   5478-8006 建物(構造)鉄筋コンクリート 建物面積(m2)1,829 集積地名 玉川区民会館 所在地  等々力3-4-1 電話   3702-1675 建物(構造)鉄筋コンクリート 建物面積(m2)1,734 集積地名 砧区民会館(成城ホール) 所在地  成城6-2-1 電話   3482-1313 建物(構造)鉄筋コンクリート 建物面積(m2)1,834 集積地名 烏山区民会館 所在地  烏山6-2-19 電話   3326-3511 建物(構造)鉄筋コンクリート 建物面積(m2)5,310   エ 緊急輸送に供する道路 緊急輸送に供する道路として、都は緊急輸送道路を、区は緊急道路障害物除去路線を指定している。 *東京都緊急輸送道路ネットワーク計画(都建設局) *世田谷区緊急道路障害物除去作業要務集(区災対土木部) オ 民間の物資集積協力施設 地域内輸送拠点や各総合支所に設置する集積地の被災状況や物資の集積状況、態勢等に応じて、各総合支所を単位に区内大学の体育館等を利用できるよう協力要請を行っており、現在、下記大学と協力協定を締結し、集積地として確保している。 〔災害時協力協定締結先大学(輸送拠点)〕 地域 世田谷 大学名 昭和女子大学 所在地 太子堂1-7 地域 世田谷 大学名 駒澤大学 所在地 駒沢1-23-1 地域 北沢 大学名 日本大学文理学部 所在地 桜上水3-25-40 地域 玉川 大学名 日本体育大学 所在地 深沢7-1-1 地域 玉川 大学名 産業能率大学 所在地 等々力6-39-15 地域 玉川 大学名 多摩美術大学 所在地 上野毛3-15-34 地域 砧 大学名 日本大学商学部 所在地 砧5-2-1 地域 砧 大学名 成城大学 所在地 成城6-1-20 地域 烏山 大学名 日本女子体育大学※ 所在地 北烏山8-19-1   ※日本女子体育大学は令和2年4月から令和5年3月までの期間は校舎改築工事のため使用しない。 カ 救援物資の取扱い 需要に応じた物資の調達を行うため、救援物資は、原則として、区の要請に基づき自治体や関係機関、事業者等から提供されるものを優先して取り扱うこととする。 ②空路輸送体制の整備 ヘリコプターの活用 【実施主体】都、区 災害時には、道路障害や交通混雑のため被災状況の把握、人員の移動及び陸上輸送が困難となることも予測される。 都及び区は、ヘリコプターによる援助物資や人員の緊急空輸を考慮して、予め災害時臨時離着陸場候補地を選定し、関係機関との調整を図るものとする。 *災害時臨時離着陸場候補地一覧〔資料編資料第30・P71〕   ヘリサインの設置 【実施主体】都関係局、区 震災時に、被災地上空から被害状況を確認するとともに、地上の救助機関部隊や都本部と連携し、迅速かつ効率的なヘリコプターによる応急対策活動を行う。そのため、ヘリサインは、応援航空部隊の道しるべとして、また、災害対策上重要な施設を上空から即時に特定する上で、重要な役割を果たす。区では、区内小中学校38箇所(平成25年3月現在)にヘリサインを設置している。 ③緊急輸送ネットワークの整備 【実施主体】各防災機関、都各局  震災時に果たすべき輸送路の機能に応じて、第一次(区市町村、他県との連絡)、第二次(主要初動対応機関との連絡)、第三次(緊急物資輸送拠点との連絡)の緊急輸送ネットワークを整備する。 第一次緊急輸送ネットワーク 応急対策の中枢を担う都本庁舎、立川地域防災センター、区市町村庁舎、輸送路管理機関及び重要港湾、空港等を連絡する輸送路 第二次緊急輸送ネットワーク 第一次緊急輸送路と放送機関、自衛隊や警察・消防・医療機関等の主要初動対応機関、ライフライン機関、ヘリコプター災害時臨時離着陸場候補地等を連絡する輸送路 第三次緊急輸送ネットワーク トラックターミナルや駅等の広域輸送拠点、備蓄倉庫と区市町村の地域内輸送拠点等を連絡する輸送路 輸送路の多ルート化を図るため、陸・海・空・水上・地下にわたる輸送ネットワークを整備する。 緊急輸送ネットワークの実効性を担保するため、交通規制を実施する「緊急自動車専用路」、「緊急交通路」及び道路障害物の除去や応急補修を優先的に行う「緊急道路障害物除去路線」との整合を図る。 5 輸送車両等の確保 (1)対策内容と役割分担 機関名 区(災対物資管理部) 対策内容 車両等の調達先及び調達予定数、調達体制、手順を整える。 災対各部の災害応急等に使用する車両の緊急車両事前届出を図る。 機関名 警視庁・警察署 対策内容 緊急通行車両等の確認 (2)詳細な取組み内容 【実施主体】区災対物資管理部 緊急車両の事前申請等、区保有車両の災害時利用に向けた管理を行う。 関係機関と円滑な輸送手段の調達ができるよう連絡体制を確立し、有効な輸送手段の確保についても検討する。 *災害時における輸送業務等の協力に関する協定〔資料編資料協定第59・P508〕 *災害時における緊急輸送業務の協力に関する協定             〔資料編資料協定第57・P504、資料協定第58・P506、資料協定85・P564〕 緊急通行車両全般については、第2部「第4章 安全な交通ネットワーク及びライフライン等の確保」による。 6 燃料の確保 (1)対策内容と役割分担 機関名 区(災対物資管理部) 対策内容 区民生活の確保、炊き出し活動、その他災害応急対策に必要な燃料の確保体制を整備する。 協定締結団体との連携体制を整備する。 機関名 都総務局 対策内容 石油燃料の供給体制を整備 (2)詳細な取組み内容 【実施主体】区災対物資管理部 区は、都石油商業組合世田谷支部、世田谷石油燃料商業組合(世田谷燃料組合睦会、玉川燃料睦会)、一般社団法人東京都LPガス協会山ノ手支部と災害時協力協定を締結し、避難所等における炊き出し活動等に必要な燃料の確保対策を進めている。 *災害時における燃料等の供給に関する協力協定〔資料編資料協定第33・P453〕 *災害時における灯油等燃料類供給に関する協力協定〔資料編資料協定第34・P455〕 *災害時におけるプロパンガスの供給に関する協力協定〔資料編資料協定第36・P459〕 協定の実効性を高めるため、関係機関の協力を得ながら実践的な訓練を実施するとともに、平時における燃料のストック状況、発災後の連絡体制、燃料の搬送体制、燃料供給を受ける施設の受入体制など、実効性のある体制を構築する。 災害時に一般車両が給油所に殺到することを抑制するため、日頃から車両の燃料を満タンにする「満タン運動」を展開し、自家用車等の燃料の日常備蓄を促進していく。 第2 応急対策 1 備蓄物資の供給 2 飲料水の供給 3 物資の調達要請 4 国・他道府県等からの支援物資の受入れ・配分 5 義援物資の取扱い 6 輸送車両の確保 7 ヘリコプター等の確保 8 燃料の供給 1 備蓄物資の供給 (1)対策内容と役割分担 機関名 区(災対地域本部) 対策内容 区備蓄物資を被災者へ給(貸)与 機関名 区(災対物資管理部) 対策内容 区備蓄物資を被災者へ給(貸)与する体制整備 機関名 都福祉保健局 対策内容 都備蓄物資を区へ放出 (2)詳細な取組み内容 【実施主体】区災対地域本部、区災対物資管理部、区災対統括部 ①食品の給与 震災時における被災者への食品等の給与を実施する。 被災者に対する食品の給与は、区が開設する避難所等において、災害救助法の定める基準に従って行う。 被災者に食品等の給与を実施する場合、給食の順位、給食の範囲、献立、炊出方法等について定めるとともに、炊き出しに必要な人員、調理器具、熱源等を確保する。 備蓄物資として都福祉保健局が区に事前に配置してあるものは、都福祉保健局長の承認を得て、区が輸送し被災者に給与する。 ただし、緊急を要する場合は、被災者への給与を優先して実施し、事後に報告する。 必要に応じて、災害情報システム(DIS)への入力等により、都福祉保健局に備蓄物資の放出を要請し、地域内輸送拠点で受領する。 避難所等において、混乱が生じないよう避難所毎に作成した避難所運営マニュアルに基づき配布する。 配布の対象者 避難所に受入れた被災者及び在宅避難者を対象とする。住家に被害を受けて炊事のできない者及び帰宅困難者についても配布するよう努める。 配布の限度額 災害救助法施行規則による配布限度額とする。 配布期間 災害発生から7日間を原則とするが、被害の状況に応じて配布を必要とする期間対応する。 配布基準等 区分 0歳~1歳 時期 1日目(第1食)~3日目まで 食品 調製粉乳等 時期 4日目以降  食品 都の救援物資により配布 区分 一般(1歳~74 歳) 時期 1日目(第1食~第2食) 食品 ビスケット 時期 1日(第3食) 食品 アルファ米 時期 2~4日目以降 食品 都の救援物資により配布 区分 75 歳~ 時期 1日目 食品 おかゆ 時期 2日目以降 食品 都の救援物資により配布 被災者への配布 被災者に対する食料等の配布は、原則として避難所において実施する。 食料等の配布は各避難所で作成した避難所運営マニュアルに基づき、避難所運営本部の指示により、日赤奉仕団、ボランティア、民間団体の協力を得て実施する。特に、要配慮者等から優先して実施できるよう配分方法を定めておく。 食料等の配布に当たっては、アレルギーのある方に対する配慮に努める。 ② 活必需品の給(貸)与 震災時における被災世帯に対する生活必需品等の給(貸)与を実施する。 被災者に生活必需品等を給(貸)与する場合、災害救助法の定める基準に従って、配分方法等について定める。 区が被災し、区において給(貸)与の実施が困難な場合は、知事に応援を要請する。 備蓄物資(毛布、敷物等)として、都福祉保健局が区に事前に配置してあるものは、都福祉保健局長の承認を得て区が輸送し被災者に給(貸)与する。ただし、緊急を要する場合は事後に報告する。 必要に応じて、災害情報システム(DIS)への入力等により、都福祉保健局に備蓄物資の放出を要請し、地域内輸送拠点で受領する。 避難所への備蓄物品(毛布・ビスケットなど)の搬送に係る人員・車両の配備については、区有車を活用するとともに、協定締結団体と連携することを考慮し、計画する。 避難所等において、混乱のおきないよう避難所毎に作成した避難所運営マニュアルに基づき配布する。 配布の対象者 避難所に受入れた被災者及び在宅避難者を対象とする。住家に被害を受けて炊事のできない者及び帰宅困難者についても配布するよう努める。 配布の限度額 災害救助法施行規則による配布限度額とする。 配布期間 災害発生から7日間を原則とするが、被害の状況に応じて配布を必要とする期間対応する。 配布する主な生活必需品 毛布、タオル、肌着、子供用紙おむつ、大人用紙おむつ、生理用品、紙食器、ブルーシート 被災者への配布 被災者に対する生活必需品等の配布は、原則として避難所において実施する。 生活必需品等の配布は、各避難所で作成した避難所運営マニュアルに基づき、避難所運営本部の指示により、日赤奉仕団、ボランティア、民間団体の協力を得て実施する。特に要配慮者等から優先して実施できるよう配分方法を定めておく。 【実施主体】都福祉保健局 災害救助法適用後、区長から要請があった場合は、都福祉保健局が備蓄している物資を放出し、区の指定する地域内輸送拠点に輸送する。 主として避難所生活者を対象に食料及び生活必需品を放出する。 緊急を要し、区からの要請又は要求を待ついとまがないと認められるときは、要請又は要求を待たずに、必要な物資の供給など必要な措置(プッシュ型支援)を講じる。 都備蓄倉庫には、あらかじめ協力を依頼している物流事業者、都福祉保健局職員等を配置し、搬出作業を行う。 被災地以外の隣接区市の避難所に避難した被災者に対しても、当該区市長において救援に協力するよう連絡する。 区長から調製粉乳の調達依頼があった場合は、都福祉保健局保有の備蓄調製粉乳を放出する。 2 飲料水の供給 (1)対策内容と役割分担 災害時の飲料水の供給については、「震災対策等における都・区間の役割分担」に基づき、災害時給水ステーション(給水拠点)の設置及び維持管理は都が行い、区民に対する供給は区が行う。 機関名 区災対地域本部施設管理者等 対策内容(給水拠点)  応急給水槽での資器材の設置、区民への給水活動 対策内容(車両輸送)  車両輸送による応急給水の受け入れ及び住民、施設利用者への給水活動 対策内容(仮設給水栓) 区民への給水活動、仮設給水栓の管理 機関名 区災対物資管理部 対策内容(給水拠点)  給水所の開設決定 対策内容(車両輸送)  東京都への車両輸送による応急給水依頼 対策内容(仮設給水栓) 特になし 機関名 都水道局 対策内容(給水拠点)  災害時給水ステーション(給水拠点)(浄水場(所)・給水所等)における資器材の設置 対策内容(車両輸送)  車両への注水、水の輸送 対策内容(仮設給水栓) 仮設給水栓の設置、区民への給水活動(区へ引き継ぐまで)   (2)業務手順 1発 災 2応急給水の実施に係る計画を定め、給水態勢を確立 3応急給水に必要な人員を災害時給水ステーション(給水拠点)に配置 4応急給水に必要な資器材等を設置 5応急給水を実施 (3)詳細な取組み内容 【実施主体】区災対物資管理部、区災対地域本部、都水道局 ①震災時の応急給水の方法 応急給水の実施に係る計画を定め、給水態勢を確立する。 発災時、1人1日最低必要量(3リットル)の飲料水を確保するため、互いに協力して応急給水体制の確立を図る。 飲料水のほか、水洗トイレ等で使用する生活用水の確保に努める。 迅速かつ的確に給水状況など必要な状況を把握し、浄水場(所)・給水所等の災害時給水ステーション(給水拠点)で応急給水を行う。 災害時給水ステーション(給水拠点)からの距離がおおむね2km以上離れている避難場所や断水地域の状況、水道施設の復旧状況等に応じて、応急給水を行う。給水車の要請が多数の場合は、原則、「病院等」「水を供給できない給水拠点」「避難所」の対応順位で、応急給水を行う。 避難所応急給水栓が設置されている場合は、区市町が応急給水用資器材を接続して応急給水を行う。   ② 災害時給水ステーション(給水拠点)等での都と区の役割分担 〔都水道局と区の給水体制〕 区災対物資管理部、区災対地域本部 給水地点は、災害の状況によりそれぞれ定める。 応急給水槽では、区が応急給水に必要な資器材等の設営及び被災者への応急給水を行う。 浄水場(所)・給水所において、区は、被災者への応急給水を行う。 建築物等に設置されている受水槽の水の積極的活用を図る。 生活用水として、震災対策用井戸の活用を図る。 応急給水槽(45箇所)用として災害用給水袋(3リットル、1箇所5,000枚)及びポリバケツを配備している。 発災時、区が通水状況を水道局に確認した後、区や区民が応急給水用資器材を設置して応急給水を行う。 道路障害物除去が遅れ輸送が困難な場合、給水が可能となるまでの間は、区において受水槽の水を利用するなど、あらゆる方法によって飲料水の確保に努める。 応急給水槽等の災害時給水ステーション(給水拠点)や避難所等での給水活動、避難所応急給水栓を活用した応急給水については、防災区民組織やボランティアの協力を得て実施する。 都水道局 浄水場(所)・給水所において、都は、応急給水に必要な参集職員を指定しており、災害時には資器材等を設営、応急給水を行う。 消火栓等を活用した応急給水については、応急給水用資器材を水道局が区に貸与する。 車両輸送を必要とする医療施設等については、組立式給水タンク等の応急給水用資器材を活用し、都水道局保有車両及び雇上車両などによって輸送する。 後方医療機関となる医療施設及び重度心身障害児(者)施設等への給水については、所在地区の関係行政機関等から都本部を通じ、緊急要請があった場合、都は、車両輸送により対応する。 *給水施設の維持管理及び運用に関する協定書〔資料編資料協定第30・P448〕 ③ 飲料水の給水基準 震災時における飲料水の給水基準は、1日1人当たり3リットルとする。   3 物資の調達要請 (1)対策内容と役割分担 機関名 区(災対物資管理部) 対策内容 必要な物資の調達計画を策定 状況により、物資の調達を都福祉保健局に要請 協定締結団体への要請をする 機関名 都本部 対策内容 あらかじめ協力依頼している物販事業者(小売事業者等)に物資の調達を要請 国・他道府県等との連絡調整 機関名 都生活文化局 対策内容 都生活協同組合連合会から応急生活物資を調達 機関名 都福祉保健局 対策内容 状況により、関係局等に調達を依頼し、直ちに所要量を確保するとともに、都本部を通じて国・他道府県等へ応援を要請 機関名 都産業労働局 対策内容 米穀、副食品及び調味料を調達 (2)詳細な取組み内容 【実施主体】区災対物資管理部、区災対地域本部 食料 被災者に対する炊き出しその他による食品の給与のため、調達(備蓄を含む。)計画を策定する。 調達計画は、食品の多様化や高齢者等に配慮した主食及び副食の調達数量、調達先その他調達に必要な事項について定める。 食料の調達は、区・都備蓄分の提供のほか、都及び相互応援協力協定を締結している自治体や民間協力協定を締結している区内取扱い業者をはじめ、あらゆる方面から必要数量を調達することとする。 *災害時における応急物資の優先供給及び被災者支援に関する協定書・実施細目 〔資料編資料協定第27・28・P442〕 *災害時における米穀供給に関する協力協定〔資料編資料協定第29・P446〕 生活必需品 震災時において実施する被災者への生活必需品等給(貸)与のため、調達(備蓄を含む。)計画を策定する。 調達計画は、被災世帯を想定して生活必需品等の調達数量、調達先その他調達に必要な事項について定める。 生活必需品の調達は、区・都備蓄分の提供のほか、都及び相互応援協力協定を締結している自治体や民間協力協定を締結している区内取扱業者をはじめ、あらゆる方面から必要数量を調達することとする。 *災害時における応急物資の優先供給及び被災者支援に関する協定書 〔資料編資協定料第27・28・P442〕 *災害時における燃料等の供給に関する協力協定〔資料編資料協定第33・P453〕 *災害時における灯油等燃料類供給に関する協力協定〔資料編資料協定第36・P459〕 *災害時におけるプロパンガスの供給に関する協力協定〔資料編資料協定第37・P461〕 都への要請 災害救助法適用後、生活必需品等の給(貸)与の必要が生じたときは、状況により、物資の調達を都福祉保健局に要請する。ただし、被災の状況により、現地調達が適当と認められる場合については、現地調達する。 4 国・他道府県等からの支援物資の受入れ・配分 (1)対策内容と役割分担 機関名 区(災対統括部) 対策内容 災害時における相互応援協定に基づく支援物資の要請 機関名 区(災対物資管理部) 対策内容 災害時における相互応援協定に基づく支援物資の確保 機関名 区(災対区民支援部) 対策内容 義援金等の調整 機関名 都本部 対策内容 国(現地対策本部)との連絡調整 他県等との連絡調整 広域輸送基地の開設 広域輸送基地での支援物資の受入れ・荷さばき等 広域輸送基地から地域内輸送拠点への輸送 機関名 都福祉保健局、都港湾局 対策内容 広域輸送基地の開設 広域輸送基地での支援物資の受入れ・荷さばき等作業 広域輸送基地から地域内輸送拠点への輸送 (2)詳細な取組み内容 災害時における相互応援に関する協定を締結している東京23区、城南5区(品川区、目黒区、大田区、渋谷区、世田谷区)、調布市、狛江市、群馬県川場村、熊谷市、つくば市、十日町市、高崎市、三鷹市、小山市、松本市に対して、協定に基づき、支援物資の提供を要請する。なお、物資受入拠点の確保、物資受入拠点までの支援物資の輸送、物資受入拠点の運営等とこれらに係る経費負担については、協定内容に基づき対応する。 5 義援物資の取扱い 平成24年7月31日に発表された、中央防災会議防災対策推進検討会議の最終報告では、「個人が被災地に小口・混載の支援物資を送ることは、被災地において内容物の確認、仕分けなどの作業が必要となり、被災地方公共団体の負担になることから、特定個人向けのものであって配送も可能な場合は除き、抑制を図るべきである。」とされている。 区及び都福祉保健局は、義援物資の取扱いについて、上記の報告内容や生活必需品等の需給状況等を踏まえ、適宜その要否を検討・決定し、受付・問合せ先等を広報するなど迅速に対応していく。また、個人からは救援物資ではなく義援金により援助するように呼びかける。 6 輸送車両の確保 (1)対策内容と役割分担 機関名 区(災対物資管理部) 対策内容 必要な車両等の調達・調整 配車計画の作成 緊急通行車両等の事前届出 協定締結団体への要請のための連絡態勢・手順の調整 必要な車両が調達不能の場合は、都財務局へ調達あっせんを要請 機関名 都水道局、都下水道局、警視庁・警察署、東京消防庁・消防署、都交通局 対策内容 独自に調達計画を立てる。 (2)詳細な取組み内容 ①車両の調達及び配車 調達 【実施主体】区災対物資管理部 乗用車及び貨物自動車は、庁有車を使用し、災害の状況に応じて配車計画を作成する。また、災害時には交通規制が行われるため、緊急通行車両等の事前届出を行っておく。 災害が発生又は発生するおそれがある時点で、車両が不足する場合は、区と災害時協力協定を締結している民間協力団体等から調達する。 必要な車両が調達不能の場合は、都財務局に対して調達のあっせんを要請する。 災害時の交通規制、その他災害の状況に応じて車両の使用ができないなどの場合は、必要に応じてバイク、自転車等を活用する。 搬送に必要な車両は、区所有の車両を充てるほか、都トラック協会世田谷支部等の協力及び都財務局の車両のあっせんにより確保する。 *庁有車両一覧〔資料編資料第85・P197〕 *災害時における緊急輸送業務の協力に関する協定              〔資料編資料協定第57・P504、資料協定第58・P506、資料協定第85・P564〕   民間協力団体からの自転車等の調達 【実施主体】区災対物資管理部、区災対土木部 区において必要とする自転車等が不足した場合には、区災対物資管理部において台数、引渡し場所等を取りまとめ、区と災害時協力協定を締結している民間協力団体から調達し、集中管理する。団体との連絡調整は、区災対土木部が行う。 *災害時における自転車等の供給に関する協力協定〔資料編資料協定第38・P463〕 配車計画 【実施主体】区災対物資管理部、区災対地域本部 配車に当たっては、区所有車両を優先的に活用し、り災者の連絡、資機材、食料等の運送等の緊急用務に対して優先的に配車する。 区災対物資管理部において、災害対策に必要な車両の調達及び配車についての総合調整を行う。 配車手続 区災対地域本部においては、区災対地域本部に所属する庁有車より配車を行う。 区災対各部(区災対地域本部)において車両を必要とする場合は、車種、トン数、台数、引渡場所、日時を明示の上、区災対物資管理部に請求する。 区災対物資管理部は、庁有車のほか、供給先から調達した車を請求部に引渡する。 区災対物資管理部は、供給先から調達した車両について、交通規制「除外」手続を速やかに行う。 車両の待機 災害発生のおそれがあるとき、区災対物資管理部はその状況に応じ、調達できる範囲内で車両を待機させることができる。 区災対各部において待機車両を必要とするときは、区災対物資管理部に請求し、当該部用として待機させることができる。 【実施主体】東京消防庁・消防署 消防機関が災害活動上必要と認める場合は、原則として災害現場又はその付近のものを活用するが、これにより難い場合は、調達計画に基づき調達するものとする。また、さらに不足する場合は、区本部を通じて関係機関に要請するものとする。 【実施主体】都財務局 他道府県及び関係防災機関から車両の供与があったときは、集中受入を行う。   7 ヘリコプター等の確保 (1)対策内容と役割分担 機関名 区(災対統括部) 対策内容 都総合防災部へのヘリコプターの要請 協定締結団体へのヘリコプターの要請 機関名 区(災対物資管理部) 対策内容 協定締結団体へのヘリコプターの要請 機関名 都総合防災部 対策内容 区からのヘリコプター等の要請の調整・調達・配分 (2)業務手順 *図表省略   8 燃料 (1)対策内容と役割分担 機関名 区(災対物資管理部) 対策内容 区内の被災状況及び交通規制の状況等の情報を収集し、協定締結団体等に提供する。 機関名 協定締結団体 対策内容 協定に基づき、燃料の提供を行う。 機関名 都本部 対策内容 国との連絡調整 都内の被災状況及び交通規制の状況等の情報を収集し、石油連盟等に提供する。 機関名 石油連盟 対策内容 協定に基づき、災害対策上特に重要な施設や緊急通行車両等に対し、給油を行う。 機関名 都石油業協同組合 対策内容 給油の要請、給油作業への協力を行う。 (2)詳細な取組み内容 【実施主体】区災対物資管理部、協定締結団体 燃料供給の必要が生じた場合、施設の担当者等は、まずは、平時の取引先に燃料供給を依頼する。 平時の取引先での燃料の調達が不可能な場合、協定に基づいて、協定団体等に燃料供給を要請する。または、都各局を経由し、都本部へ要請する。 【実施主体】都総務局、石油連盟、都石油業協同組合、都石油商業組合、給油対象施設 給油の必要が生じた場合、給油対象施設の担当者等は、まずは、平時の取引先に給油を依頼する。 平時の取引先での給油調達が不可能な場合、「大規模災害時における石油燃料の安定供給に関する協定」の緊急供給施設については、供給を担当する石油連盟の加盟会社等に給油を要請する。 都本部は、各局からの要請に基づき、協定締結団体・事業者に給油を要請する。 協定に基づき、石油燃料の供給を行う期間は、災害発生から都内全ての交通規制が解除されるまでの期間とする。 都本部は、協定締結団体・事業者での給油調達が不可能な場合、国へ要請する。 第3 復旧対策 1 多様なニーズへの対応 2 炊き出し 3 水の安全確保 4 生活用水の確保 5 物資の輸送 1 多様なニーズへの対応 被災地で求められる物資は、時間の経過とともに変化し、多様化すると考えられる。また、要配慮者、女性、子どもなど避難者の特性によって必要となる物資は異なる。 区は、変化していく避難者ニーズの把握及びニーズに対応した物資の確保及び配布に努めるとともに、生理用品、女性用下着の配布は女性が行うなど、物資の配布方法についても配慮する。 都は、広域的見地から区を補完するため、国・他道府県等からの支援物資の受入体制及び事業者からの調達体制を整えて、必要な物資の確保に努める。 企業、団体からの大口の義援物資については、上記の体制の中で受入れを検討する。 2 炊き出し (1)対策内容と役割分担 機関名 区(災対地域本部) 対策内容 震災後およそ4日目以降、原則として食料の配布等により給食する。 機関名 区(災対物資管理部) 対策内容 都福祉保健局への調達要請 機関名 都福祉保健局 対策内容 区長から炊き出しの要請に対応する。 (2)業務手順 *図表省略 (3)詳細な取組み内容 【実施主体】区災対地域本部、区災対物資管理部 震災後およそ4日目以降、原則として米飯の炊き出しにより給食する。 区で被災者に対する炊き出しその他による食品等の給与の実施が困難な場合は、炊き出し等について都福祉保健局に応援を要請する。 【実施主体】都福祉保健局 被災した区市町村長から炊き出しの要請があった場合、都福祉保健局は、都本部等に対して応援を依頼するとともに、日本赤十字社に対して応援要請等の措置を講じる。 3 水の安全確保 (1)対策内容と役割分担 機関名 区(災対医療衛生部)、都福祉保健局 対策内容 状況に応じて、衛生指導班を編成し、飲料水が塩素消毒されているか確認を行う。 区民への消毒薬の配布及び消毒の確認並びに飲料水の消毒指導を行う。 (2)業務手順 〔水の安全確保の流れ〕 1発災 2応急給水の実施 3活動人員・検査薬・消毒薬・移動手段等の確保 4給水設備の点検・残留塩素濃度の確認 5消毒されているか確認 6消毒薬の配布・消毒指導 7ライフライン復旧 8給水設備の点検・残留塩素濃度の確認 (3)詳細な取組み内容 【実施主体】区災対医療衛生部 区は、「衛生指導班」を編成し、飲料水の消毒及び消毒効果の確認を行う。 避難所での飲料水の安全を確保するため、必要に応じて飲用に供する水の消毒を行う。 それ以後の消毒について、消毒の確認を行うとともに、区民が自主的に消毒を行えるように消毒薬を配布し、消毒方法及び消毒の確認方法を区民に指導する。 ライフライン復旧後、区民が給水設備の点検及び残留塩素濃度を確認し、飲用の可否等について、適正に周知する。 4 生活用水の確保 (1)対策内容と役割分担 機関名 区(災対地域本部) 対策内容 避難場所・避難所における生活用水の確保 機関名 区民・事業者 対策内容 事業所・家庭等における生活用水の確保 (2)詳細な取組み内容 【実施主体】区 避難所では、断水した場合には、学校のプール等で確保した水を使用する。 生活用水として、震災対策用井戸の活用を図る。 【実施主体】区民・事業者 事業所・家庭等における対応 浄水機能に支障が発生している場合には、汲(く)み置き、河川水等によって水を確保する。   5 物資の輸送 都、他道府県等からの支援物資は、原則、都福祉保健局が区の指定する地域内輸送拠点等まで輸送する。 地域内輸送拠点から避難所等への支援物資の輸送は、民間協力団体と連携して区が実施する。 (1)対策内容と役割分担 機関名 区(災対物資管理部) 対策内容 災害時協力協定先や都への物資を輸送調整 機関名 区(災対地域本部) 区の集積地から避難所等へ物資を輸送 機関名 都福祉保健局 対策内容 調達した物資、国・他道府県等から陸上輸送による応援物資等を、区の指定する地域内輸送拠点に輸送 機関名 都生活文化局、都産業労働局、都中央卸売市場 対策内容 調達した物資を、広域輸送基地又は区の指定する地域内輸送拠点まで輸送 機関名 都本部 対策内容 調達した物資、国・他道府県等から陸上輸送による応援物資等を、区の指定する地域内輸送拠点に輸送 国・他道府県等からの支援物資で、滞留の可能性のある物資について一時保管 (2)業務手順 調達物資の輸送 調達した食料及び生活必需品等は、広域輸送基地又は区が指定する地域内輸送拠点へ、調達業者等の協力を得て輸送する。 応援要請時には、原則として、状況に応じた適正な車両規模による単種類積載を依頼する。 〔陸上搬送概念図〕 *図表省略 (3)詳細な業務内容 【実施主体】区災対地域本部、区災対物資管理部 区が調達(都からの調達分を含む。)する食料及び生活必需品等の輸送及び配分の方法について定める。 地域内輸送拠点を指定し、都福祉保健局に報告する。 地域内輸送拠点で受入れた物資を避難所等へ輸送する。 ※ 調達した食料・生活必需品等の被災者への配布については、「第2 応急対策 1 備蓄物資の供給」と同様に行う。 応急対策用資材、生活必需品等物資の輸送においては、関係機関と密接な連絡を図り、迅速、的確な輸送体制を確保する。 ①輸送方法 輸送方法は、災害の状況、輸送物資等の種類・数量・交通路の状況等により次の方法のうち最も適切な方法により行う。 車両による輸送   鉄道・船舶による輸送   航空機による輸送 人力による輸送  ②物資等の輸送 食品等生活必需品の輸送 医療品及び衛生器材の輸送 災害復旧用資材の輸送 これらの輸送については、災害の状況等を十分考慮して関係機関と密接な連絡をとりながら実施するものとする。 食料・生活必需品等の搬送 ①避難所ごとに把握されたニーズの連絡を受けた区災対物資管理部は、必要に応じ都等に物資の提供を要請し、運搬の手配を行う。 ②区が備蓄する物資及び都が区に事前に配置している物資で都福祉保健局長の承認を得て区が使用する物資は、区が搬送する。 ③都からの救援物資は、都福祉保健局が区の集積地まで搬送し、集積地からは区が搬送する。 ④都米穀小売商業組合世田谷支部からの調達食料は、原則的には提供場所まで搬送することになっているが、区もこれに協力し搬送する。 ⑤区が搬送する場合には、協力要請・調達先から集積所への搬送は区災対物資管理部、倉庫・集積所から避難所への搬送は区災対地域本部が行う。