第9章 避難者対策 本章における対策の基本的考え方 避難者対策の重要性と対策内容の基本的考え方 区民の避難に備え、災害対策基本法に基づき、区長が事前に避難場所や避難所を指定し、発災時の避難体制を整備しておくことが必要である。 また、首都直下地震等の大規模災害に備え、自治体の枠を越える避難先の確保や広域避難も含めた的確な避難誘導の在り方についての検討が必要である。 本章では、避難者対策として、避難所・避難場所等の指定・安全化をはじめとする避難体制の整備に係る取組みを定めている。 第9章 避難者対策 第1節 現在の到達状況 1 避難体制の整備 区は、危険が切迫した場合に、区民等を守るため、避難準備・高齢者等避難開始の発令及び避難勧告又は避難指示(緊急)の発令を行う。この際に、迅速かつ適切に対応できるよう関係機関との連携体制、避難に関する手順について検討を進めている。 2 避難所・避難場所の指定及び管理運営の整備 区では、町会・自治会等が選定する「一時(いっとき)集合所」、区が指定する「指定避難所(及び予備避難所)」「福祉避難所(高齢者)(障害者)(母子)」、都が指定する「広域避難場所」の大きく分けて4種類の避難先がある。避難所が不足している状況から、関係団体との連携を図り、避難所の確保を推進し、各避難所又は避難場所等の役割について、区民に周知している。 また、指定避難所となる区立小中学校の耐震化は令和2年度時点で71.1%となっており、「避難所運営マニュアル」を、指定避難所となる学校ごとに避難所運営組織がそれぞれ作成・更新している。区内で震度5弱以上の地震が発生した場合、避難所運営委員は自宅等の安全確認後に自動参集することを「避難所運営マニュアル」に記載し、そのマニュアルに基づいて開設、運営の訓練を行っている。 【避難所運営要員の確保】 避難所運営組織の中核をなす町会・自治会への加入率低下・高齢化の進行により、実働人員の確保が困難である。 【避難所における運営訓練】 指定避難所(区立小中学校等)において、避難所運営訓練を実施している。 【避難所への飲料水の搬送】 地域住民等でも容易に給水活動に使用できるよう、都水道局が施設整備を順次行っており、施設の使用について区と都で覚書を締結した。 都水道局から、消火栓を活用して応急給水を行うことのできるスタンドパイプ等の資器材の提供を受けており、平成26年度までに区内の全ての指定避難所に配備した。 避難所で飲み水を確保できるよう都水道局による応急給水栓の設置工事を行っており、現在75箇所に設置している。(令和2年3月) 【避難所におけるペット・補助犬対応】 避難所運営マニュアルで標準的なルールを定め、パンフレット「災害時にペットを守るために」で周知している。 補助犬の対応を避難所運営マニュアル(標準版)に記載した。 【福祉避難所(高齢者)(障害者)の指定】 福祉避難所(高齢者)(障害者)指定施設については、96施設(高齢者施設55施設、障害者施設41施設)と協定を締結している。 【福祉避難所(高齢者)(障害者)の開設・運営支援】 福祉避難所(高齢者)(障害者)の円滑な開設・運営を支援するため、協定施設との連絡会や訓練を実施するなど、実効性の高いマニュアル整備に取り組んでいる。 【福祉避難所(母子)の指定】 福祉避難所(母子)の指定施設については、令和2年3月時点で9施設と協定を締結している。 【福祉避難所(母子)の開設・運営支援】 福祉避難所(母子)の円滑な開設・運営に向け、平成30年度には、災対各部の役割分担や実施体制、設営・運営・閉鎖の標準的な手順等を示す「福祉避難所(母子)運営マニュアル【全体版】」及び、各施設の特性を踏まえた開設準備や運営等の手順等を示す「福祉避難所(母子)運営マニュアル【施設版】」を策定した。 指定施設1箇所において、マニュアルの検証等を目的として訓練を実施した。 3 多様性に配慮した女性の視点を踏まえた避難所運営体制の確立  区では、平成30年3月に「世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例」を制定し、全ての人が多様性を認め合い、人権が尊重される社会の実現に向け、様々な分野において取組みを推進している。  また、区では、「世田谷区第二次男女共同参画プラン(平成29年度~平成38年度)」において、世田谷区防災会議女性の視点部会における検討を踏まえ、地域の防災力向上を図るために、政策・方針決定過程から女性の参画を進めている。 さらに、多様性に配慮した女性の視点からの避難所運営体制の確立に向け、地域の避難所運営組織への啓発活動や、「避難所運営マニュアル(標準版)」に多様性に配慮した女性の視点を反映するなどの取組みを実施している。 4 避難行動要支援者の支援体制 区では、世田谷区避難行動要支援者避難支援プランを作成し、地域住民相互の助け合い活動が円滑に行えるよう、地域の助けあい活動のための仕組みづくりを行っている。 令和元年11月現在、避難行動要支援者支援事業については、100町会・自治会と協定を締結している。 区内の避難行動要支援者の人数は、8,375人となっている。 避難行動要支援者支援事業の協定を締結した町会・自治会においては、避難行動要支援者のうち、本人が事前に町会・自治会に提供する名簿への登載に同意した者は4,030人中2,404人となっており、同意率は約6割となっている。 重層的な安否確認体制を整備するため、介護事業者等との連携強化に向けた検討会や図上演習等を実施している。 第2節 課題 【被害想定(東京湾北部地震)】 *図表省略 1 避難体制の整備 自治体の枠を越えた大規模災害時における、避難先の確保や広域避難も含めた的確な避難誘導の在り方について検討が必要である。 2 避難所・避難場所の指定及び管理運営の整備 避難所によっては、管理運営の担い手が不足している場合がある。 避難所における安全・安心の確保のため、マニュアル等に反映したり、避難所管理運営の推進を図る必要がある。 【避難所運営要員の確保】 町会・自治会とともに避難所運営を支える新たな担い手の加入も視野に入れながら避難所運営組織を充実していくことが必要である。 避難所運営要員がほとんど参集できない場合や学校に関係者がいない場合等で、避難所の対応方法や役割分担について整理していく必要がある。 【避難所における運営訓練】 訓練の円滑な進行が求められるため、避難所本来の運営体制強化やレベルアップが疎かになる傾向がある。 避難所を運営委員のみで運営していくことは困難であるため、避難者等を含めた区民が運営委員と協力し、一体となって避難所を開設・運営していかなければならないことについて、区民への一層の周知が必要である。 避難所外との物資輸送や情報伝達、予備避難所の開設・運営について、検討を進める必要がある。 【避難所における飲料水等の確保】 地域住民等が給水活動を行える体制づくりについて、検討する必要がある。 【避難所におけるペット対応】 東京都の方針を受けて、原則犬・猫等の小動物(避難者に危険を及ぼさない動物等)の同行避難を行う。 ペット同行避難の標準的なルールを、個々の避難所の実情に合わせてどのように適用していくのか検討するとともに、避難所運営組織及び飼い主への周知が必要である。 【福祉避難所(高齢者)(障害者)の開設・運営の支援】 福祉避難所(高齢者)(障害者)の協定施設数の更なる拡充が必要であるとともに、福祉避難所(高齢者)(障害者)の開設に向けた災対マニュアル及び協定施設向けの運営マニュアルについて、受入れの優先判断や移送方法、施設との情報伝達、必要物資の搬送方法等の検討を行う必要がある。 【福祉避難所(母子)の開設・運営等】 福祉避難所(母子)の円滑な開設・運営に向け、マニュアル未整備の指定施設の解消、備蓄の拡充と保管場所の確保、継続的な運営訓練の実施、医療体制との連携の検討等に取り組んでいく必要がある。 【避難所や車中泊等の避難者の保健衛生対策】 過去の大規模災害を踏まえ、避難所や車中泊等の避難者の健康管理や感染症予防について検討を行う必要がある。 避難所の開設・運営において、新型コロナウイルス等感染症の感染拡大防止を図るための対策について検討する必要がある。 【避難所の停電対策】 令和元年房総半島台風(台風第15号)、令和元年東日本台風(台風第19号)による大規模停電が発生したことを踏まえ、特に多くの方が避難する避難所の電源を確保する必要がある。 3 多様性に配慮した女性の視点を踏まえた避難所運営体制の確立 避難所における安全・安心の確保や、女性や要配慮者のニーズに応えるため、マニュアル等に反映したり、避難所管理運営の推進を図る必要がある。 救援物資の配分や避難所生活の運営等において、男女共同参画や性的マイノリティへの配慮など、多様性に配慮した女性の視点から十分に対応できるように、議論を行う必要がある。 多様性に配慮した女性の視点を取り入れた避難所運営体制の充実強化を図るためには、避難所運営における女性の参画を推進する必要がある。 避難所運営で必要と考えるものや、避難所生活・応急仮設住宅生活における心身への影響は、性別や心身の状況等で異なるため、平常時から災害時における多様性に配慮した女性の視点について理解を促進する必要がある。 4 避難行動要支援者の支援体制 新たな被害想定では、死者の中に避難行動要支援者が多くを占めているため、支援体制の一層の強化が必要である。具体的には、以下の項目が挙げられる。 避難行動要支援者支援事業の協定締結数の不足及び協定を締結した町会・自治会における高齢化に伴う担い手不足について、対策を講じる必要がある。 重層的な安否確認体制の整備については、介護事業者等との連携強化に引き続き取り組むとともに、今後は障害者関連の事業者とも連携を図る必要がある。 第3節 対策の方向性 1 避難体制の整備 的確な避難勧告・避難指示(緊急)の発令、避難誘導や衛生管理の徹底等による避難所生活の安全・安心の確保など、区民の避難全般にわたる対策を総合的に推進する。 2 避難所・避難場所の指定及び管理運営の整備 避難有効面積や避難距離等を踏まえた、避難場所等の指定及び安全化を図る。 また、災害関連死にも影響する、避難所等における良好な生活環境の確保に向けて、避難所における安全性の確保や避難所管理運営マニュアル等における要配慮者のニーズに応じた対策、車中泊など避難所に滞在することができないと判断した被災者への配慮について検討する。 【避難所運営要員の確保】 避難所運営を支える人員を確保し、避難所運営組織の構成メンバーが交代した場合にも活動を持続できるよう、継続的な確認、訓練を実施する。 【避難所における運営訓練】 避難所運営委員会を中心に数多くの区民が参加し、自助・共助による避難所の開設・運営ができるよう、訓練の実施や意識の啓発に努める。 訓練実施時は、目的を明確にするよう働きかけ、有効な知識・技能の習得を進める。 訓練参加者の固定化を避けるための有効な周知・啓発手段について、運営委員会等区民と行政の協力で検討していく。 避難所外との物資輸送や情報伝達、予備避難所の開設・運営について、検討を進める。 【避難所への飲料水の搬送】 地域住民等でも容易に給水活動が行えるよう、給水拠点での応急給水訓練を定期的に実施する。 【避難所におけるペット・補助犬対応】 ペット同行避難を考慮し、ルールの周知を図っていくため、ペット同行避難訓練の実施や同行避難時の注意点等の啓発に努める。 補助犬の対応を考慮した避難所運営訓練の実現に向けて検討を行う。 【福祉避難所(高齢者)(障害者)の開設・運営への支援】 福祉避難所(高齢者)(障害者)の開設・運営について、受入れの優先判断及び移送方法、資器材や介護用品等の必要物資の確保及び搬送方法、施設との情報伝達方法等を検討する。 【福祉避難所(母子)の開設・運営等】 協定締結団体(大学等)との連携を強化し、全指定施設への福祉避難所(母子)運営マニュアル【施設版】整備の早期実現に取り組む。 実践的な運営訓練の継続的な実施に取り組む。 設営や開設直後の運営に必要な備蓄品を拡充し、広域防災倉庫等に福祉避難所(母子)用スペースを設けるとともに、保管場所確保に取り組む。 福祉避難所(母子)の円滑な運営に向け、災害医療コーディネーターや区内の医療機関等、発災からの時間経過も考慮しながら、医療体制との適切な連携のあり方を検討する。 【避難所や車中泊等の避難者の保健衛生対策】 過去の大規模災害を踏まえ、避難所や車中泊等の避難者の健康管理について検討する。 指定避難所以外の施設も活用し、避難所のスペースの確保に努める(震災時、水害時)。 新型コロナウイルス等感染症への対策を想定した避難所開設・運営における留意事項等を作成する。 避難所への避難の際は新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)をインストールしたうえで避難頂くよう区民に周知する。 【避難所の停電対策】 避難所に配備しているガソリン、ガスボンベ式発電機などの燃料が枯渇した場合を想定し、電気自動車(庁有車)及び外部給電器を導入する。 避難が長期化した場合の携帯電話への充電手段を確保するため、避難所や帰宅困難者支援施設に大容量ポータブル蓄電池を配備する。 3 多様性に配慮した女性の視点を踏まえた避難所運営体制の確立 避難所運営マニュアル等における女性や要配慮者のニーズに応じた対策について定める。 世田谷区第二次男女共同参画プランに掲げた施策に沿った事業展開をすることで、災害対策における男女共同参画の視点等に立った配慮を進めていく。 災害対策の検討過程における多様性に配慮した女性の視点は重要な観点であることから、災害に関する方針等の検討過程への女性の参画の拡大を図っていく。 災害時における男女共同参画や性的マイノリティ、要配慮者等への配慮の必要性やその対応等に対する理解を広めていく。 4 避難行動要支援者対策の強化 「世田谷区避難行動要支援者避難支援プラン」(平成29年3月改定)に基づき、避難行動要支援者の安否確認・避難支援、避難生活の支援等の取組みを推進する。 避難行動要支援者の安否確認を迅速かつ円滑に行うため、他分野にわたる対策において関係機関、関係各部とさらに検討を進め、支援体制の強化を図る。 引き続き町会・自治会との避難行動要支援者支援事業に取り組むとともに、新たな地域の人材(担い手)が参加・協働できる仕組みづくりを検討する。 重層的な安否確認体制を整備するため、介護事業者等との取組みに加えて、障害者関連の事業者とも連携を図る。 避難生活の支援において、在宅や避難所、福祉避難所で生活している要配慮者への福祉サービスの再開・提供、健康状態の把握や見守り、物資の調達・供給体制等について検討を行う。 第4節 到達目標 1 避難先の確保や避難誘導の仕組みの構築 災害時に想定している避難者数は、区内の避難所の想定収容人数を大幅に超えている。そのため、関係団体等と連携し、避難先の確保や避難誘導の仕組みを構築する。 2 避難所等の確保や安全性等の確保 避難所が不足している状況にあることから、区有施設の更なる有効活用や、一定規模以上の建物を有する民間施設との避難所提供に関する協定の締結を積極的に進めることにより、避難所の拡充を図っていく。また、災害時に避難所等の円滑な開設・運営を行うことのできる体制を構築する。 3 多様性に配慮した女性の視点を踏まえた避難所運営体制の確立 安全性を考慮した避難所の確保を図るとともに、女性や要配慮者など多様性に配慮した女性の視点も踏まえた避難所運営体制を確立する。被災女性等に対する相談窓口を設置するなど、支援体制を推進する。 4 避難行動要支援者の安否確認体制の強化 災害救助では、災害発生から72時間が経過すると生存率が急激に低下するといわれている。中でも避難行動要支援者は自力での避難や救助を求めることが困難なため、本人・家族による「自助」や地域住民による「共助」による取組みを基本として、発災直後から安否確認を開始し、発災後48時間程度までに安否確認情報を集約することを目標に体制づくりを進める。 第5節 具体的な取組み 第1 予防対策 1 避難体制の整備(避難行動要支援者対策を含む) 2 避難所・避難場所等の指定・安全化 3 避難所の管理運営体制の整備等 1 避難体制の整備 ここでは、震災時における避難体制の整備について記載する。洪水時の避難体制については、風水害編「第6章 避難者対策」に記載する。 (1)対策内容と役割分担 機関名 区(災対地域本部) 対策内容 発災時に備えた地域の実情の把握 避難勧告等を行う場合の対応を検討 防災訓練等の実施 避難場所、避難所等の周知 機関名 区(災対保健福祉部) 対策内容 避難行動要支援者の把握及び避難行動要支援者名簿の作成 「世田谷区避難行動要支援者避難支援プラン」の策定 避難行動要支援者の特性に応じた避難支援体制の整備 機関名 区(災対統括部) 対策内容 避難場所使用に関する他の区との調整 運用要領の策定 避難場所、避難所等の周知 避難勧告等発令基準の整備 機関名 区(町会・自治会) 対策内容 地域の助けあい活動の実施 防災訓練等の実施 一時集合所の選定 機関名 東京消防庁・消防署 対策内容 区等と連携した要配慮者に対する防災訓練の実施 緊急通報システム等の活用 地域が一体となった協力体制づくりの推進 社会福祉施設等と地域の連携を促進 機関名 都総務局 対策内容 広域避難誘導に関する検討 震災対策訓練等を通じた防災行動力の向上 避難場所等の周知に関する区市町村との連携 機関名 都福祉保健局 対策内容 区市町村における避難行動要支援者名簿の作成等の要配慮者対策の強化を支援 災害福祉広域支援ネットワークにおける災害時の活動体制の構築に向けた検討 緊急通報システムの活用を促進 機関名 都教育庁 対策内容 都立学校に対する避難計画の作成等指導 機関名 都関係各局 対策内容 各施設における自衛消防訓練内容の充実 在住外国人及び外国人旅行者等への防災知識の普及・啓発 外国人旅行者応対マニュアルの配布 在住外国人のための防災訓練の実施 在京大使館等との連絡体制の確保 (2)詳細な取組み内容 ①避難体制の整備 【実施主体】区災対地域本部、区災対保健福祉部 区は、避難勧告等の発令区域・タイミング、指定緊急避難場所、避難経路等の住民の避難誘導等警戒避難体制をあらかじめ計画するものとする。その際、水害と土砂災害、複数河川の氾濫、台風等による高潮と河川洪水との同時発生等、複合的な災害が発生することを考慮するよう努める。 地域又は町会・自治会単位に、避難時における集団の形成や自主統制の状況について、地域の実情を把握するよう努める。 避難の勧告又は指示を行ういとまがない場合の区民の避難について、あらかじめ地域の実情や発災時の状況に応じた避難の方法を想定しておく。 他自治体にわたる避難場所又は他自治体の被災住民も利用する避難場所の運用について、関係する自治体があらかじめ協議して対処する。 避難住民の安全を保持するため、災害時に事態の推移に即応した適切な措置を講ずるとともに、その内容及び方法等について、あらかじめ運用要領を定めておく。措置内容はおおむね次のとおりである。 避難場所の規模及び周辺の状況を勘案し、運用に要する職員を適切に配置する。 情報伝達手段を確保し、適宜正確な情報を提供するとともに適切な指示を行う。 傷病者に対し救急医療を施す体制を確保する。 避難場所の衛生保全に努める。 避難期間に応じて、水、食料及び救急物資の手配を行うとともに、その配給方法等を定め、平等かつ能率的な配給を実施する。 避難解除となった場合の避難者の帰宅行動又は避難所への移動を、安全かつ円滑に誘導する。 効率的・効果的な避難を実現するため、避難場所や避難所、一時集合所などの役割、安全な避難方法について、防災訓練の実施や防災マップの作成・配布等を行いつつ、関係団体と連携を図りながら周知していく。 避難所は、スペースや備蓄が限られており、周辺の住民全員を受け入れることはできないため、基本的には、自宅の倒壊や火災等により生活ができなくなった方のために開設される。そのため、区では自宅が安全な場合、避難所生活ではなく自宅での生活を続ける「在宅避難」とそのための備えを周知する。 内閣府が策定した「避難勧告等に関するガイドライン」に基づき、避難すべき区域及び判断基準(具体的な考え方)を含めたマニュアルを策定するなど、避難勧告等が適切なタイミングで適当な対象地域に発令できるよう努める。また、当該ガイドラインに記載されている「立退き避難が必要な居住者等に求める行動」(P.10)(「近隣の安全な場所への移動」「屋内安全確保」等)について、日頃から住民等への周知徹底に努める。 区は、在宅避難や自主避難、縁故避難など多様な避難の方法について、平常時から周知を図ることに加え、避難所に避難する際はマスク、消毒用アルコール、石鹸等の衛生用物品を持参するように、区ホームページ、災害・防犯情報メール、ツイッター、区のおしらせ等を活用して区民に呼びかける。 区は、東京消防庁・消防署と協働して、防災区民組織を中心とした訓練を実施するなど、地域の防災行動力の向上に努める。 小規模な火災が発生し、近隣空地への退避を余儀なくされる場合もある。このため、区は、平常時から、近隣の公園など一時集合所の状況・位置について確認する。 災害時において、被災者の他地区への移送等、他の地方公共団体の円滑な協力が得られるよう他の地方公共団体と協定等を締結し、協力体制の確立を図る。 ②地域における要配慮者の安全対策 【実施主体】区災対保健福祉部、区災対地域本部、区災対医療衛生部、区災対統括部、区災対区民支援部、東京消防庁・消防署、民生委員・児童委員、町会・自治会 災害時において、安否確認や救援には、地域における協力体制が不可欠である。 安全対策の普及・啓発 高齢者及び障害者を地震災害から守るための本人・家族・地域社会の行動マニュアル「いざという時のために」を作成し、平成24年度発行版より視覚障害者に対応するため、音声コードを掲載している。 災害時区民行動マニュアルは、文字データのホームページ掲載等を行っている。 外国人に対しても、「災害時区民行動マニュアル」「世田谷区防災マップアプリ」の英語版・中国語版・ハングル版を作成し、防災知識の普及・啓発に努めている。また、「せたがや便利帳」の英語・中国語・ハングル版を作成・配布している。 避難所運営マニュアル(標準版)の案内掲示として、外国の方などにも分かりやすい表現「やさしい日本語」を作成している。 平成19年9月には、聴覚障害者のための防災手帳の配布を開始した。 在宅要医療者に対して、災害時の準備の啓発用として「災害の備え」リーフレットを配布している。 区の保健師が中心となって、かかりつけ医、訪問看護ステーション等の協力の下、在宅で人工呼吸器を使用している方の災害時個別支援計画を作成している。 ③災害時の助けあいネットワークの整備(避難行動要支援者対策) 【実施主体】区災対保健福祉部、区災対地域本部、区災対統括部、区災対区民支援部、東京消防庁・消防署、民生委員・児童委員、町会・自治会、保健福祉サービス事業者 災害時において、安否確認や救援には、地域における協力体制が不可欠である。区は、地域の支え合い活動等を通して、町会・自治会等で実施される避難行動要支援者への支援活動(災害時の助けあいネットワーク)を推進する。 世田谷区避難行動要支援者避難支援プランの整備等 平成25年の災害対策基本法の改正を受けて、国の「災害時要援護者の避難支援ガイドライン」が全面的に改訂され、平成25年8月に「避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針」が作成された。これを踏まえて、区では、平成22年に策定した「世田谷区災害時要援護者避難支援プラン(全体計画)」を改定し、平成29年3月に「世田谷区避難行動要支援者避難支援プラン」を策定した。 区では、災害時の助けあいネットワークづくりを支援するため、平成18年度から区と町会・自治会との協働による「避難行動要支援者支援事業」に取り組んでいる。この事業では、避難行動要支援者の支援に関する協定を締結した町会・自治会に対して避難行動要支援者名簿を提供し、平常時からの助けあい活動を推進している。 一部の町会・自治会では、区との協定の有無に関わらず、自主的に避難行動要支援者の安否確認や救援体制を整備する取組みを行っている。区は、日頃からこれらの活動内容を把握するとともに、災害時に安否確認の情報を共有できる関係づくりに努める。 区は、避難行動要支援者に対する重層的な安否確認体制を整備するため、民生委員・児童委員や保健福祉サービス事業者等と連携した体制づくりを進める。 災害時に実効性のある安否確認・避難支援等がなされるよう、避難支援者等と連携して、避難行動要支援者一人ひとりの「個別計画」の策定を推進する。 避難行動要支援者の避難支援に関する全体的な考え方 (ア)避難支援者となる者 災害対策基本法 における「避難支援等関係者」のことであり、避難行動要支援者の安否確認や避難生活の支援等に携わる関係者とする。 町会・自治会 民生委員・児童委員 世田谷区社会福祉協議会 世田谷ボランティア協会 地域包括支援センター(あんしんすこやかセンター) 保健福祉サービス事業者 警察署 消防署・消防団 (イ)避難行動要支援者対象者名簿に掲載する者の範囲 区は、避難行動要支援者として避難行動要支援者対象者名簿に掲載する対象者は、要配慮者のうち、災害発生時や災害が発生するおそれがある場合に自力で避難することが難しい者又は避難に時間を要する者等で、その円滑かつ迅速な避難の確保を図るために特に支援を要する者とし、次に掲げる対象範囲に該当する者とする(対象者:約8,600人)。 なお、福祉施設や医療機関等に入所・入院している者は、当該施設の職員等が災害時の避難支援等を行うことが可能なため、対象から除外する。 要介護度4又は5に認定されている者 ひとりぐらしの高齢者又は高齢者のみ世帯で、要介護度3に該当する者(その者の近隣に、常時その者の様子を知り得る親族がいる者を除く。) 身体障害者手帳1級で、次の種別に該当する者(視覚、四肢、体幹、半身、両下肢、片下肢、移動、聴覚) ※ 聴覚障害については2級までを対象とする 愛の手帳1度又は2度の者 精神障害や難病の者等のうち区長が特に支援が必要と認めた者 (ウ)避難行動要支援者対象者名簿作成に必要な個人情報及びその入手方法 区は、区の福祉担当部署で管理している情報をもとに、名簿登載の対象範囲に該当する者を抽出した避難行動要支援者対象者名簿を作成する。 (エ)避難行動要支援者対象者名簿の記載項目 避難行動要支援者対象名簿に登載する情報は、次のとおりである。 氏名、生年月日、年齢、性別、住所、電話番号・FAX番号、避難支援等を必要とする事由(高齢者等・身体障害・知的障害の別)、世帯主氏名、町会・自治会名、避難所名、その他、避難支援等の実施に関し区長が必要と認める事項 (オ)行政機関への配備・共有 避難行動要支援者対象者名簿は、次に掲げる行政機関へ配備し、平常時から避難行動要支援者情報を把握・共有し、災害時に迅速に活用できるよう努める。 東京消防庁・消防署 警視庁・警察署 まちづくりセンター 総合支所保健福祉課 保健福祉政策部保健医療福祉推進課 総合支所地域振興課 避難行動要支援者の情報については、個人情報保護審議会へ諮問した上で、要介護・身体障害・知的障害など一定以上の個人情報をまとめ、関係所管で共有している。同情報は、警視庁・警察署・東京消防庁・消防署へも随時提供する。 (カ)避難行動要支援者同意者名簿の作成及び事前の提供 区は、平常時から名簿情報を提供するため、避難行動要支援者本人の同意を得た上で避難行動要支援者同意者名簿を作成し、区と協定を締結した町会・自治会及び該当地区の民生委員・児童委員に提供する。 避難行動要支援者同意者名簿は、避難行動要支援者対象者名簿をもとに作成し、避難行動要支援者に関する次の事項を記載する。 氏名、年齢、性別、住所、電話番号・FAX番号、避難支援等を必要とする事由(高齢者等・身体障害・知的障害の別)、世帯主氏名、町会・自治会名、避難所名、その他、避難支援等の実施に際し区長が必要と認める事項 (キ)避難行動要支援者対象者名簿・避難行動要支援者同意者名簿の更新 原則として、避難行動要支援者対象者名簿は年に3回、避難行動要支援者同意者名簿は年に1回更新するものとする。 (ク)名簿情報の提供に際し情報漏えいを防止するために区が求める措置及び区が講ずる措置 避難行動要支援者対象者名簿について、区は、世田谷区個人情報保護条例等に基づき、個人情報の適正な管理及び安全の保護を図る。 避難行動要支援者同意者名簿には、町会・自治会等への個人情報の提供について、避難行動要支援者本人の同意を得た者のみを登載する。また、区は、町会・自治会等と、名簿の管理等について事故・漏えいの防止や名簿管理者の区への届け出などの遵守事項を定めた協定を締結する。 (ケ)避難行動要支援者が円滑に避難のための立退きを行うことができるための通知又は警告の配慮 避難行動要支援者の中には、避難等に必要な情報を入手できれば自ら避難行動をとることが可能な者もいる。そのため、避難支援者が避難行動要支援者同意者名簿を活用して着実な情報伝達及び早い段階での避難行動を促進できるよう、情報伝達に当たっては、次の点に特に配慮する。 高齢者や障害者等にも分かりやすい言葉や表現を用いた説明などにより、一人ひとりに的確に伝わるようにする。 同じ障害であっても、必要とする情報伝達の方法等は異なる場合がある。 高齢者や障害者の特性に応じて必要な情報を選んで流す。 防災行政無線(戸別受信機)や広報車による情報伝達に加え、緊急速報メールなど、多様な手段による情報伝達手段を確保する。 (コ)避難支援者の安全確保 避難支援者に対し、災害時には自身や家族の安全を確保のうえで避難行動要支援者への安否確認・避難支援等の支援を行うことの周知に努める。 ④災害時における要配慮者対策 【実施主体】◎区災対保健福祉部、区災対区民支援部、区災対医療衛生部、区災対地域本部、東京消防庁・消防署、民生委員・児童委員、町会・自治会 区では、平常時から地域との協力体制を構築するとともに、災害時においては、避難行動要支援者を含む要配慮者への的確な対策を行う体制の整備を図る。 避難行動要支援者担当組織の設置と地域等との連携 地域の区民組織、民生・児童委員、介護事業者、地域包括支援センター(あんしんすこやかセンター)、各まちづくりセンター等と連携の上、有効な安否確認ができる手段の確立について、検討する。 なお、地域との連携を円滑にするため、あらかじめ関係機関との役割分担を明確化し、必要に応じて連絡会等の情報交換を行う。 また、災害時には、区災対保健福祉部に避難行動要支援者の担当組織を設置するとともに、区災対地域本部に「避難行動要支援者情報確認担当」を設置し、避難行動要支援者のための必要な情報の一元的収集把握に努め、避難行動要支援者の安否確認や支援サービス、福祉避難所(高齢者)(障害者)の利用調整等を行う総合調整窓口とする。 外国人災害時情報センターの設置 外国人は、言語の違いにより、必要となる情報の把握が困難となることが予想されるため、「外国人災害時情報センター」を設置し、災害時に必要な情報を迅速かつ的確に収集・提供する。また、都外国人災害時支援センターへ語学ボランティアの派遣を要請し、通訳や翻訳等に協力できるボランティアを確保する。 なお、平成19年3月には、指定避難所での案内表示の充実のため、全避難所に多言語シートを配備した。 区災対地域本部における支援 区災対地域本部のケースワーカー、保健師、介護指導職員等が、高齢者、障害者の相談・支援を実施するとともに、地域包括支援センター(あんしんすこやかセンター)、世田谷区介護サービスネットワーク(介護事業者連絡会)等との連携により、安否確認や被災後のサービス継続などの支援を図る。 手話通訳者の派遣 聴覚障害者への情報提供、避難生活支援のための手話通訳者派遣を特定非営利活動法人世田谷区聴覚障害者協会に要請する。 *災害時の聴覚障害者への支援活動に関する協定〔資料編資料協定第67・P525〕 ⑤東京消防庁・消防署の要配慮者対策 【実施主体】東京消防庁・消防署 介護を要する高齢者、障害者、乳幼児、妊産婦などの要配慮者にとっては、災害時に適切な防災行動をとることは、必ずしも容易ではない。環境の整備や周囲からの支援等が不可欠である。 これらの要配慮者の安全を確保するため、東京消防庁・消防署では、次のような施策を展開する。 地域における安全体制の確保 近隣あるいは地域住民との日常的なふれあいを基盤とした、地域協力体制づくりの推進を図る。 防災行動力向上のため防災訓練指導を実施する。 社会福祉施設等の安全対策等 社会福祉施設等と周辺地域の事業所、町会、自治会等との間及び施設等相互間での災害時応援協定等の締結促進を図る。 各施設等の自衛消防訓練指導の充実に努める。 総合的な防火防災診断の推進 要配慮者の居住環境の安全化を図るため、区、福祉関係機関、町会・自治会等と連携を図り、総合的な防火防災診断を実施する。 2 避難場所・避難所等の指定・安全化 (1)対策内容と役割分担 機関名 区(災対統括部) 対策内容 災害対策基本法に基づく広域避難場所・指定避難所等の指定及び区民への周知 機関名 区(災対地域本部) 対策内容 避難場所・指定避難所等の地域住民への周知 避難場所・指定避難所等の安全性確保 機関名 区(災対保健福祉部) 対策内容 福祉避難所の指定・確保及び地域住民への周知 福祉避難所の安全性確保 機関名 東京消防庁・消防署 対策内容 消防水利の整備 避難所における消防用設備等の維持管理状況等の確認 機関名 都建設局 対策内容 避難場所へ安全に避難できるよう道路や道路上の橋りょうを整備 避難場所や救助拠点となる都立公園の整備 機関名 都水道局 対策内容 避難所への供給ルートの耐震継手化を推進 機関名 都下水道局(南部下水道事務所) 対策内容 避難所などからの排水を受け入れる下水道管とマンホールの接続部の耐震化 機関名 東京電力グループ、東京ガス 対策内容 避難道路沿い施設の安全化 機関名 都総務局 対策内容 指定管理者等の役割の明確化 避難所での避難者と帰宅困難者の受入ルールの検討 避難場所・避難所等の住民への周知 機関名 都環境局 対策内容 避難場所隣接地及び避難道路沿いにある高圧ガス施設の安全化 機関名 都都市整備局 対策内容 東京都震災対策条例に基づく、区部における避難場所、避難道路、地区内残留地区の指定   (2)詳細な取組み内容 区長は、災害対策基本法及び施行令等に定める基準等に基づき、避難場所及び避難所を指定する。 避難所には、指定避難所、予備避難所及び福祉避難所(高齢者)(障害者)(母子)があり、避難場所には一時(いっとき)集合所と広域避難場所がある。ここでは、それらの指定基準及び機能等を記載する。 【実施主体】区災対統括部、区災対地域本部、区災対保健福祉部 区分 避難所 指定基準等 自宅での生活に支障をきたすため、被災者が一時的に避難生活を行う場所 指定避難所、予備避難所及び福祉避難所を準備 区分 避難所(指定避難所) 指定基準等 区立小中学校等を指定 災害時に、まず開設する避難所 区分 避難所(予備避難所) 指定基準等 区内協定団体等の施設43箇所指定。 指定避難所が被災で機能しない場合や指定避難所では被災者を収容しきれない場合等は、区の要請に基づき開設する。 区分 避難所(福祉避難所) 指定基準等 自宅や指定避難所等での生活に支障をきたすため、特別な配慮を必要とする要配慮者を一時的に受入れ、保護する 高齢者・障害者向けと妊産婦・乳幼児向けの福祉避難所を準備 区分 避難所(高齢者)(障害者) 指定基準等 区内協定団体等の施設96箇所指定 自宅や指定避難所等での生活が困難な配慮を要する者のうち、高齢者や障害者及びその家族のために、区の要請に基づき開設する。 区分 避難所(母子) 指定基準等 区内協定施設 自宅や指定避難所等での生活が困難な要配慮者のうち、妊産婦・乳幼児及びその家族のために、区の要請に基づき、開設する。 区分 避難場所(一時集合所) 指定基準等 近隣の避難者が一時的に集合して様子を見る場所 区分 避難場所(広域避難場所) 指定基準等 広域火災や延焼等から避難する場所(東京都震災対策条例に基づき指定される避難場所) ①避難所の指定 避難所の指定基準及び機能 避難所とは、被災者が一時的に避難生活をする場所である。指定避難所(区立小中学校等)と予備避難所及び福祉避難所(区内協定団体等の施設)の避難所を準備している。   (ア)指定避難所の指定基準及び機能 指定基準 区は、まず指定避難所を開設するが、指定避難所が被災により機能しない場合、あるいは指定避難所では被災者を収容しきれない場合等は、協定を締結している近隣施設等を、その協力を得ながら予備避難所として開設する。 指定避難所は、原則として町会(又は自治会)又は学区を単位として指定する。 指定避難所は、耐震・耐火・鉄筋構造を備えた区立小中学校を利用する。 指定避難所に受入れられる被災者数は、おおむね居室3.3㎡当たり2人とする。 区があらかじめ指定する指定避難所は、資料編のとおり。 指定避難所に指定した建物については、建物の安全性の確認・確保に努めるものとする。 公共施設整備方針や学校跡地活用方針における基本的な考え方(共通)に基づき、学校跡地については、災害時の指定避難所としての機能を確保する。 指定避難所に指定した建物については、消防用設備等の点検を確実に行う等、安全性を確認・確保するとともに、被災者の性別も踏まえ、プライバシーの確保や生活環境を良好に保つよう努める。 *指定避難所一覧(対象区域別編)〔資料編資料第62・P146〕 機能 【実施主体】区災対地域本部、区災対教育部 区立小・中学校には、食料等の備蓄や必要な資器材、台帳等を整備するなど、指定避難所機能の強化を図るとともに、日頃から学校・家庭・地域・関係防災機関等との計画的、継続的な連携・協力を図っていく。 避難所運営組織は、日頃から避難所運営訓練等を行い、災害時に自主的に避難所開設ができるように努める。 *指定避難所一覧(対象区域別編)〔資料編資料第62・P146〕 *避難所運営マニュアル(標準版)(区災害対策課、総合支所、学校、避難所運営組織) *学校安全対策マニュアル(区教育委員会) (イ)予備避難所の指定基準及び機能 避難所が不足する場合に備え、民間施設等と協定を結ぶなど、予備避難所の確保に努める。 【実施主体】区災対地域本部、区災対統括部、都 都立高校・私立大学・国立学校等 区は、区内の都立高校・私立大学・国立学校等と相互協力協定を締結しており、災害の状況に応じて予備避難所として開設する。 企業等の大規模施設の指定 区は、日本郵便株式会社ゆうぽうと世田谷レクセンターと相互協力協定を締結しており、災害の状況に応じて予備避難所として開設する。 区では、今後も区内企業等と災害時の相互協力関係の構築を進めていく。 *避難所施設利用に関する協定〔資料編資料協定第107~115・P626〕 *洪水発生時もしくは洪水発生の恐れがある場合における避難所施設利用に関する協定書 〔資料編資料協定第106・P624〕 *水害等の発生時等における施設の利用に関する協定書 〔資料編資料協定第144・P709〕 区立施設等の指定 大広間・和室等を有する施設等を予備避難所として開設することも想定する。 野外の受入れ施設 避難所が不足する場合には、一時的に被災者を受入れるため、必要に応じて野外に予備避難所としての受入れ施設を開設する。 野外に受入施設を開設した場合の関係機関への連絡及び管理責任者の設置については、指定避難所の開設時と同様とする。 野外受入施設の開設に必要な資材が不足する時は、都福祉保健局に調達を依頼する。 野外受入施設の開設期間は、指定避難所が開設されるまでの期間又は応急仮設住宅が建設されるまでの間とする。 *予備避難所一覧〔資料編資料第63・P154〕 *災害時における協力体制に関する協定書〔資料編資料協定第99~105・P608〕 〔資料編資料協定第145・P711〕 *避難所施設利用に関する協定〔資料編資料協定第107~115・P626〕 *洪水発生時もしくは洪水発生の恐れがある場合における避難所施設利用に関する協定書 〔資料編資料協定第106・P624〕 *水害等の発生時等における施設の利用に関する協定書 〔資料編資料協定第144・P709〕 福祉避難所(高齢者)(障害者)の指定基準及び機能 自宅や指定避難所等での生活に支障をきたすため、特別な配慮を必要とする要配慮者を一時的に受け入れ、保護するため、社会福祉施設等を利用した福祉避難所(高齢者)(障害者)を開設し、支援を行う。 (ア)指定基準 【実施主体】区災対保健福祉部、区災対統括部、区災対地域本部 福祉避難所(高齢者)(障害者)の基準 指定施設の指定要件 施設自体の安全性が確保されていること 施設内における要配慮者の安全性が確保されていること 要配慮者の避難スペースが確保されていること。 福祉避難所(高齢者)(障害者)の整備方針 福祉避難所(高齢者)(障害者)の備えるべき施設機能及び運営計画について、既設施設については福祉避難所(高齢者)(障害者)の指定後に当該施設の実態に応じた内容を調整する。 また、新規施設については、福祉避難所(高齢者)(障害者)運営に必要となる設備等を整備相談段階から求めていく。 福祉避難所(高齢者)(障害者)の確保 社会福祉施設等を利用した福祉避難所(高齢者)(障害者) 特別養護老人ホームや障害者施設等の社会福祉施設等は、介護等に必要な資器材を備えるとともに、バリアフリー化がされている等、高齢者や障害者等に配慮した建物構造となっている。また、施設の運営や要配慮者の支援に必要な人材を確保しやすい施設であるため、社会福祉施設等を利用する。 その他の公共施設等を利用した福祉避難所 社会福祉施設等を利用した福祉避難所(高齢者)のほか、特別支援学校等の公共施設等から福祉避難所(障害者)として利用可能な施設を確保する。 *障害者等を対象とした避難所施設利用に関する協定書〔資料編資料協定第116・P645〕 *災害時における被災住民の避難に関する相互応援協定〔資料編資料協定第130・P676〕 *災害時における介護用品等の供給に関する協定〔資料編資料協定第39・P465〕 *福祉避難所(高齢者)(障害者)一覧〔資料編資料第64・P156〕 (イ)機能 【実施主体】区災対保健福祉部 福祉避難所(高齢者)(障害者)の受入対象者 災害時に自宅や指定避難所等での生活に支障をきたすため、特別な配慮を要する要介護高齢者や障害者とする(原則、介護者同伴とする)。 要配慮者の特性に応じた受入れ 福祉避難所(高齢者)(障害者)では、要配慮者の特性に配慮した支援を行うため、原則として、高齢者は高齢者施設(福祉避難所(高齢者))、障害者は障害者施設(福祉避難所(障害者))において受入れるものとする。 福祉避難所(高齢者)(障害者)への受入れ 指定避難所等において避難生活が困難な高齢者・障害者等については、介護者の有無や高齢者・障害者の状況を踏まえ、福祉避難所(高齢者)(障害者)の施設と調整を行った上で、受入れの手続を行う。 開設・運営の事前準備 福祉避難所(高齢者)(障害者)の開設・運営が円滑に行えるよう、福祉避難所(高齢者)(障害者)に指定されている施設等と協議や演習を実施し、災害発生時期に応じた運営マニュアルの整備を進める。 福祉避難所(高齢者)(障害者)で必要な物資の備蓄 アルファ化米やスタンドパイプ等の必要物資を福祉避難所(高齢者)(障害者)に備蓄・貸与する。 福祉避難所(高齢者)(障害者)で必要となる資器材及び介護用品等については、広域用防災倉庫に福祉避難所(高齢者)(障害者)スペースを設け、備蓄に取り組む。 ウ 福祉避難所(母子)の指定基準及び機能 (ア)指定基準 【実施主体】区災対保健福祉部、区災対統括部、区災対地域本部 福祉避難所(母子)の基準 指定施設の指定要件 施設自体の安全性が確保されていること 施設内における要配慮者の安全性が確保されていること 要配慮者の避難スペースが確保されていること 福祉避難所(母子)の整備方針 協定に基づく指定施設について、施設機能や他の災害対策機能の設置状況等を考慮しながら、備えるべき機能の確保策や運営計画について協議し、整備を推進していく。 (イ)機能 【実施主体】区災対保健福祉部 福祉避難所(母子)の受入対象者 災害時に自宅や指定避難所等での生活に支障をきたすため、特別な配慮を要する妊産婦・乳幼児及びその家族とする。ただし、家族の受け入れについては、妊産婦・乳児の受け入れを優先するため、制限することも想定する。 福祉避難所(母子)への受入れ 指定避難所等において避難生活が困難な妊産婦・乳児については、健康相談等の保健活動を通じてスクリーニングを行い、指定施設の受け入れ状況と調整を行った上で、受入れの手続を行う。 開設・運営の事前準備 福祉避難所(母子)の開設・運営が円滑に行えるよう、福祉避難所(母子)に指定されている施設と協議や訓練を実施し、災害発生時期や施設の個別状況を踏まえた運営マニュアルの見直しを継続して行う。 協定に基づく独立行政法人国立成育医療研究センターによる妊産婦等の受入れや、公益社団法人東京都助産師会による助産師の派遣について、より効率的かつ効果的な仕組みとなるよう、必要な協議を継続して行う。 福祉避難所(母子)で必要な物資の備蓄 離乳食や超音波心音計等、福祉避難所(母子)で必要となる資器材及び用品等について、広域用防災倉庫等に福祉避難所(母子)用のスペースを設確保し、備蓄に取り組む。 *福祉避難所(母子)一覧〔資料編資料第64・P156〕 ②避難場所 大地震時に発生する延焼火災やその他の危険から避難者の生命を保護するために必要な面積を有する大規模公園、緑地等のオープンスペースをいう。 ア 一時(いっとき)集合所の指定基準及び機能 (ア)指定基準 一時集合所とは、近隣の避難者が一時的に集合して様子を見る場所のことであり、集合した人々の安全が確保されるスペースを有する身近な公園、緑地、学校のグランド、神社・仏閣の境内、団地の広場等から、町会・自治会等が事前に指定するものである。 (イ)機能 家屋の倒壊や火災など、自宅が危険になった場合には、身近な一時集合所に集合して様子を見ることとなる。そして、火災延焼などにより、一時集合所にも危険が迫った場合には、広域避難場所へ避難する。 一時集合所には、避難者に混乱が発生することを防止するために、町会・自治会等の防災区民組織を核として、避難者が一定の地域、事業所単位に集団を形成し、避難態勢を整える場としての役割がある。 また、その効果は次のとおりである。 情報伝達等が効率的に行える。 近隣相互の助け合いや不在者等の確認が容易になる。 防災区民組織のリーダー等の指示で避難するため、整然とした避難が期待できる。 なお、一時集合所は、地震発生後の状況に応じて、初期消火活動、救援・救護活動などの地域の防災活動の拠点としての性格も担う。 *一時集合所種類別一覧〔資料編資料第65・P160〕 *一時集合所一覧〔資料編資料第66・P161〕   広域避難場所の指定基準及び機能 (ア)指定基準 都は、東京都震災対策条例に基づき、震災時に拡大する火災から住民を安全に保護するために避難場所を指定している。 広域避難場所は、震災時に拡大する火災から住民を安全に保護するため、火災が鎮火するまで待つ場所として指定している。広域避難場所は、指定された広域避難場所までの避難距離が3km 未満となるようにその避難圏域を指定し、広域避難場所周辺での大規模な市街地火災が発生した場合のふく射熱を考慮した利用可能な空間として、避難計画人口一人当たり1㎡以上を確保することを原則としている。 (イ)機能 都区間の役割分担により、震災時における広域避難場所の運用は、区が行う。ただし、区のみの対応が困難な場合には、都が補完する。また、二区市以上の住民が利用する広域避難場所については、あらかじめ関係自治体において協議する。 広域避難場所における措置内容等は、次のとおりとする。 広域避難場所の規模及び周辺状況を勘案し、運用に要する職員を適切に配置する。 情報伝達手段を確保し、適宜正確な情報を提供するとともに、適切な指示を行う。 傷病者に対して救急医療を施すため、救護所及び医師等の確保を図る。 広域避難場所の衛生保全に努める。 避難期間に応じて、水、食料及び救急物資の手配を行うとともに、適切な配給に努める。 避難解除となった場合の避難者の帰宅行動又は避難所への移動を安全かつ円滑に誘導する。 *広域避難場所一覧〔資料編資料第67・P167〕   (ウ)広域避難場所等の整備計画 所管 都 項目 広域避難場所の指定 内容 都は、区部においては、平成30年6月現在、広域避難場所213箇所を指定している。 所管 都、区災対地域本部、区災対統括部 項目 広域避難場所標識の整備 都は、区内21箇所の「広域避難場所」周辺に延べ112基の標示板を設置した。なお、広域避難場所標識の変更に伴い、平成4~8年度に設置場所の変更・廃止を含め見直し、順次建替を実施した。(平成19年度6基、合計112基) 内容 広域避難場所標識を新たに設置する場合又は指定緊急避難場所を指定して誘導標識を設置する場合は、日本工業規格に基づく災害種別一般図記号を使用して、どの災害の種別に対応した広域避難場所であるかを明示した上で、標識の見方に関する周知に努めるものとする。あわせて、当該標識の多言語対応(英語、中国語、韓国語)も図る。 所管 区災対地域本部、区災対統括部 項目 広域避難場所の標示 内容 住居表示街区案内板に、取替時、該当広域避難場所名を明示する。 所管 区災対統括部 項目 利用管理の協議 内容 「広域避難場所」内施設の管理者等と、災害時の運用方法及び必要な施設整備について、理解を求め、協議する。   〔広域避難場所〕 区内(23箇所) 駒場東大一帯 (※目黒区、渋谷区も利用) 世田谷公園一帯 (※目黒区も利用) 日本大学文理学部一帯 羽根木公園一帯 昭和女子大学一帯 駒沢オリンピック公園一帯 (※目黒区も利用) 都立園芸高校 砧公園・大蔵運動公園一帯 馬事公苑・東京農業大学一帯 祖師谷公園・総合工科高校一帯 第一生命グランド一帯 芦花公園・明大八幡山グランド一帯 (※杉並区も利用) 玉川野毛町公園一帯 成城学園一帯 国士舘大学一帯 きたみふれあい広場一帯(※狛江市も利用) 学芸大学附属高校一帯 烏山北住宅・日本女子体育大学一帯 多摩川河川敷・二子橋一帯 多摩川河川敷・田園調布先一帯 (※大田区も利用) 東京学芸大学附属世田谷小・中学校一帯 太子堂円泉ヶ丘公園・三宿の森緑地一帯 駒場地区 区外(1箇所) 明大和泉校舎一帯 (※杉並区も利用) 合計 24箇所  ※数字は避難場所番号 避難道路の指定基準及び機能 (ア)指定基準 「広域避難場所」への距離が長い地区、又は火災の延焼危険の高い地区で、道路の道幅は原則として15m以上のもの。 ※ 平成20年2月、都の広域避難場所の見直しにより、それまで避難道路に指定されていた目黒通り(等々力六丁目から多摩川河川敷)は、指定を解除された。 ※ 平成25年5月、都の広域避難場所の見直しにより、それまで避難道路に指定されていた駒沢通り(目黒区中央町二丁目から駒沢オリンピック公園一帯)は指定を解除された。   (イ)避難道路等の整備計画 所管 都 項目 避難道路の指定 現況 都は、区内の避難道路として、現在指定を行っていない。 計画 避難圏域の改定に応じて必要な見直しを行う。 所管 都第二建設事務所 項目 避難道路の維持 現況および計画 避難道路に指定されている都道の維持管理に努め、道路破損が生じた場合は、直ちに破損箇所の修理等を行う。 所管 区災対地域本部 項目 街路消火器の設置 現況 避難道路沿いに、約100m間隔で、街路消火器を設置した。 計画 維持管理 所管 区災対地域本部 項目 市民消火隊 現況 都は、避難道路沿いに、地域住民により「市民消火隊」を結成させ(昭和47年度)、その後(昭和54年)区に移管した。 計画 地域の防災区民組織の一員となって、避難路の安全確保に努めるよう働きかける。 所管 東京消防庁・消防署 項目 消防水利の整備 現況および計画 避難道路周辺の火災が延焼拡大すると、避難者は危険な状態に陥ることになる。その安全確保のためこれらの地域には、消防活動の根幹をなす消防水利が必要となる。消防水利の整備については、市街地の変化や地域特性等を踏まえて総合的に推進している。特に、焼失危険度の高い地域や避難道路等の震災対策上重要な地域に対しては、100㎥防火水槽を中心に整備を推進している。   3 避難所等の管理運営体制の整備等 (1)対策内容と役割分担 機関名 区(災対地域本部) 対策内容 「避難所運営マニュアル」作成・管理 避難所の食料備蓄や必要な資器材、台帳等の管理・整備 避難所の衛生管理対策の促進 動物の同行避難の体制整備 学校災害対策本部との連携 機関名 区(災対教育部) 対策内容 災対地域本部への協力 学校災害対策本部との連携(災対地域本部との連携・協力) 機関名 区(災対医療衛生部) 対策内容 動物の同行避難の普及啓発 都、関係団体等と協力した動物救護体制の整備 避難所の環境衛生・食品衛生管理対策の促進 機関名 区(災対清掃部) 対策内容 し尿処理等に関するマニュアル作成 機関名 区(災対統括部) 対策内容 「避難所運営マニュアル」標準版の作成・更新 避難所の食料備蓄や必要な資器材、台帳等の整備 要配慮者で在宅避難する者への支援体制の構築 動物の同行避難の体制整備支援 機関名 区(災対保健福祉部) 対策内容 要配慮者で在宅避難する者への支援体制の構築 「福祉避難所(高齢者・障害者・母子)運営マニュアル」の作成・更新 機関名 東京消防庁・消防署 対策内容 避難所の防火安全対策の策定等による区の避難所運営支援 機関名 町会・自治会 対策内容 避難所運営訓練の実施 機関名 都生活文化局 対策内容 東京ボランティア・市民活動センターとの連携による都災害ボランティアセンターの設置・運営訓練等を実施など 機関名 都福祉保健局 対策内容 避難所管理運営指針の改訂に伴う要配慮者に係る指針の改定 区避難所運営体制整備の支援・情報共有 避難所の衛生管理対策の推進 飼養動物の同行避難等に関する区市町村の受入体制等の整備支援 区市町村、関係団体と協力した動物救護体制の整備 福祉関係団体の協力によるボランティア派遣体制の確保 機関名 都教育庁 対策内容 「学校危機管理マニュアル」に基づき、避難所指定の学校における避難所の支援に関する運営計画を策定 (2)詳細な取組み内容 【実施主体】区災対地域本部、区災対教育部、区災対医療衛生部、区災対清掃部、区災対統括部、区災対保健福祉部 ①指定避難所等 指定避難所等の管理運営が混乱なく円滑に行われるよう、事前に「避難所運営マニュアル」を作成する。マニュアルの作成にあたっては、避難所運営マニュアル(標準版)を踏まえ、高齢者、障害者、乳幼児、妊産婦等に配慮する。 指定避難所等における貯水槽、仮設トイレ、簡易トイレ(屋内設置用)、マット、非常用電源、通信機器等のほか、高齢者、障害者、乳幼児、妊産婦等の要配慮者のニーズにも対応した避難の実施に必要な施設・設備の整備に努める。さらに、テレビ、ラジオ、インターネット、公衆電話等、被災者による情報の入手に資する機器の整備を図るものとする。 ②福祉避難所(高齢者)(障害者) 福祉避難所(高齢者)(障害者)用の資器材や介護用品等の備蓄については、広域用防災倉庫に福祉避難所(高齢者)(障害者)用スペースを設けて備蓄に取り組む。また、福祉避難所(高齢者)(障害者)用の医薬品の調達・供給体制を構築する。 ③福祉避難所(母子) 協定締結団体(大学等)との連携を強化し、全指定施設の福祉避難所(母子)運営マニュアル【施設版】整備の早期実現に取り組む。 実践的な運営訓練の継続的な実施に取り組む。 設営や開設直後の運営に必要な備蓄品を拡充し、広域防災倉庫等に福祉避難所(母子)用スペースを設けるとともに、保管場所確保に取り組む。 災害医療コーディネーターや区内の医療機関等、発災から時間経過も考慮しながら、医療体制との適切な連携のあり方を検討する。 ④ 多様性に配慮した女性の視点を踏まえた避難所運営体制 避難所の運営において女性の参画を推進するとともに、避難所運営マニュアル(標準版)に基づき、要配慮者や女性のニーズを踏まえた対応に配慮する。 多様性に配慮した女性の視点からの防災対策について、せたがや女性防災コーディネーターを中心とした地域啓発研修等の開催により、年齢、性別、職業等を問わず幅広い層への意識啓発を図る。 避難所運営や地域の防災活動への女性の参画推進を図るため、引き続き女性防災コーディネーターの育成を進めるとともに、彼女たちの活動の場を確保するなどのフォローアップに努める。 ⑤避難所内での感染症防止対策 区立小中学校等の防災倉庫に、マスクや手指消毒液等の避難所用感染症対策セットを配備する。 *避難所用感染症対策セット〔資料編資料第68 P169〕 避難所となる区立小中学校においては、体育館以外にも、教室、視聴覚室、ランチルーム等も含めて避難スペースとして活用し、発熱等の症状がある避難者を隔離できる専用スペースや動線を確保する。 避難所の開設・運営における新型コロナウイルス等感染症の対策を想定した留意事項を作成し、各避難所の運営マニュアルに反映させる。 避難所の開設・運営に関係する人員に対し、感染症防止対策に関する留意事項を整理した上で、研修等を実施する(避難者受入れ時、発熱等の症状のある区民に対する対応等)。 避難所への避難の際は新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)をインストールしたうえで避難頂くよう区民に周知する。 ⑥食料・資器材・人的支援の確保 地域内の公立小中学校等を指定避難所として指定したときは、食料の備蓄や必要な資器材、台帳等を整備するなど、避難所機能の強化を図る。 都に人的あるいは物資の支援を要請する際に、より具体的な内容を伝達できるよう、体制整備を図る。 従前の避難所運営組織のメンバーのみで運営を担うのではなく、避難所への避難者や在宅での避難者にも協力をよびかけるなど、人材の確保に努める。 避難所や帰宅困難者支援施設に大容量ポータブル蓄電池を配備する。 感染症対策を考慮し、マスク、体温計、消毒用アルコール、石鹸等を避難所の備蓄品として配備する。 ⑦衛生管理・トイレ等の機能の確保 避難所運営組織の中に衛生管理担当を設置するなど、避難所の衛生管理対策を促進する。 避難所や車中泊等の避難者の健康障害の発生防止のための事前の方策を検討する。 「避難所運営マニュアル(標準版)」等を活用し、トイレ等の設置体制・維持管理方法等に関して周知する。 ⑧安全の確保 避難所運営組織の中で、防火担当責任者を指定し、避難所の防火安全対策を促進する。 避難所において、子どもを見守り、一人にしないなど、子どもの安全を確保する。 ⑨動物救護体制 ペットの同行避難の体制づくりを進めるとともに、関係団体と動物救護活動への協力体制を整備する。 災害発生時には、飼育動物も多大な被害を受けることから、動物の飼い主に対して、平常時からの飼育動物のしつけや身元の表示、餌・水・常備薬・ケージなどの備蓄について普及啓発を実施する。 ペット同行避難の必要がないよう、自宅の耐震化、ペットの預け先の確保等について普及啓発する。 ⑩情報通信体制 避難所には、受け入れた避難者が安否確認や情報収集を行いやすくするため、災害時用公衆電話(特設公衆電話)やWi-Fiアクセスポイント等の整備のほか、発災時の速やかな設置や利用者の適切な利用への誘導が可能な体制整備に努める。 災害用伝言ダイヤル(171)、災害用伝言板(web171)等の災害用安否確認サービス等の使い方を説明できる体制整備に努める。 災害対策本部態勢や水防態勢において、職員間における避難所の状況などの情報収集・共有のため、通信用アプリを導入し、出水期においての運用体制を整備する。   4 車中泊 (1)対策内容 車中泊者発生抑制に向けた普及啓発 避難所環境の整備促進 大震災時の交通規制及び新たな自動車の乗り出し自粛依頼に係る普及啓発 (2)詳細な取組み内容 ①都における震災時の車中泊に係る基本的考え方 以下の理由により、都内における車中泊は、原則、認めることは困難である。 (理由) 東京都震災対策条例により車両での避難を禁止していること 大震災発生時は、人命救助や消火活動等のため、都内では、警視庁から、新たな自動車の乗り出し自粛依頼や、大規模な交通規制が実施されること 緊急自動車専用路(警視庁等の交通規制)の対象以外においても、道路上等における駐車が被災者支援等に致命的な影響を与える可能性が大きいこと 都内では、オープンスペースは限定的で、発災時における応急活動等の用途が決定している場所が多く存在すること エコノミークラス症候群等、健康問題に対する適切な対応に課題があること。 ②車中泊者発生抑制に向けた取組み 発災時の混乱防止に向け、以下の事項について、ホームページやツイッター、その他媒体等で、予め都民に普及啓発し意識の醸成に努める。 (啓発事項) 東京都震災対策条例の趣旨(車両による避難の禁止) 大震災時の交通規制及び新たな自動車の乗り出し自粛依頼 緊急輸送道路以外の区道等も避難所支援等に必須の輸送路であり、閉塞すると支援が滞る懸念があること 都内の大規模な公園等は発災時の用途が定められていること 過去の災害においても、車中泊等により健康被害が生じており、健康リスクが存在しうること 区においては、多様な避難者が安全に安心して避難生活を送れるよう、平素から避難所環境の整備等に努めていく。 第2 応急対策 1 避難誘導 2 避難所の開設・運営 3 動物救護 4 ボランティアの受入れ 5 被災者の他地区への移送 1 避難誘導 ここでは、震災時における避難誘導の流れについて記載する。洪水時の避難については、風水害編 第3部「第6章 避難者対策」に記載する。 (1)対策内容と役割分担 機関名 区(災対統括部) 対策内容 災害対策基本法に規定する区長の役割 (避難勧告・避難指示(緊急)の発令、避難誘導) 都への補完要請 水防法に基づく避難指示 機関名 区(災対地域本部) 対策内容 避難勧告・避難指示(緊急)の発令 区民等への避難誘導 避難行動要支援者の安否確認等 避難所等の運用 水防法に基づく避難指示 機関名 区(災対保健福祉部) 対策内容 避難行動要支援者の安否確認等 要配慮者に関する情報収集 機関名 警視庁・警察署 対策内容 警察官を配置し、区及び関係機関と連携して、次の措置をとる。 避難状況の把握 広域避難場所の秩序保持 被害情報の収集と広報活動 行方不明者の把握 相談所の開設等による相談等の受理 (区長が避難指示できない場合)警察官による避難指示 区民の避難誘導 機関名 東京消防庁・消防署 対策内容 災害の進展等により、区民を避難させる必要がある場合の区への通報 人命危険が著しく切迫し、通報するいとまのない場合の関係機関と連携した避難勧告又は指示及び区へのその内容の通報 被災状況を勘案し、必要な情報を区、関係機関に通報 避難勧告又は指示の伝達 機関名 京王電鉄 対策内容 駅構内及び列車内の旅客に対する避難誘導 利用者への避難方法の周知徹底 機関名 小田急電鉄 対策内容 駅構内及び列車内の旅客に対する避難誘導(放送・掲示・チラシ配布) 機関名 東急電鉄 対策内容 駅構内及び列車内の旅客に対する避難誘導(放送・掲示・チラシ配布・マニュアル作成) 機関名 避難支援者 対策内容 避難支援者は、自らの安全を確認したうえで、災害時助け合いネットワーク等で、日頃から把握している避難行動要支援者について、安否確認や避難支援に努める。 機関名 都本部 対策内容 災害対策基本法に規定する知事の役割 (応急措置、区市町村の代行(避難指示、応急措置)) 区市町村からの要請に関する都関係各局との連絡調整・区の補完 機関名 都関係各局 対策内容 区市町村からの要請対応 機関名 都福祉保健局 要配慮者に関する区市町村及び近隣県市等との連絡調整 機関名 都建設局 地すべり等防止法に基づく避難指示 水防法に基づく避難指示 (2)業務手順 〔避難勧告等〕 *図表省略   〔避難誘導〕 *図表省略 〔避難の流れ〕 *図表省略 (3)詳細な取組み内容 避難勧告等により立退き避難が必要な居住者等に求める行動については、風水害編第3部第6章「避難者対策」に記載する。 ①避難勧告等 【実施主体】区災対統括部、区災対地域本部 避難の勧告・指示 区内において危険が切迫した場合には、区長は警察署長及び消防署長と協議の上、要避難地域及び避難先を定めて避難を勧告又は指示する。 災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、人の生命身体を保護するために必要があると認められるときには、区長は、警戒区域を設定し、当該区域への立ち入りを制限もしくは禁止し、又は退去を命ずる。 平常時から、地域又は町会・自治会単位で、避難時における集団の形成の状況、避難行動要支援者の避難支援の態勢について地域の実情を把握するよう努める。 ②避難誘導 【実施主体】区災対統括部、区災対地域本部、区災対保健福祉部、区災対教育部 協力要請 区は、避難の勧告又は指示を決定したときは、速やかに警視庁・警察署・東京消防庁・消防署等関係機関に対して避難誘導に関する協力を要請する。 避難勧告・指示による避難 避難の勧告又は指示が出された場合、集団を形成し、警視庁・警察署及び東京消防庁・消防署等の協力を得て、避難を行う。 防災区民組織や町会・自治会、事業所等においては、組織単位ごとに集団を形成し、あらかじめ指定してある一時集合所に避難者を集合させる。 その後、防災区民組織の班長や事業所の管理者等各組織のリーダーを中心に集団を編成し、延焼等により被害の拡大が予想される場合は、広域避難場所等に避難する。 避難行動要支援者の支援 避難支援者は自らの安全を確認したうえで、災害時助け合いネットワーク等で、日頃から把握している避難行動要支援者について、安否確認や避難支援に努める。 区が避難の勧告又は指示を行ういとまがない場合 区が避難の勧告又は指示を行ういとまがない場合の区民の避難について、あらかじめ地域各組織の実情に応じて、発災時の状況に応じた避難の方法を想定しておく。 小中学校、保育園等での避難 区立小中学校・保育園・幼稚園・児童館等においては、震災の状況に応じ、校(園・館)長以下各職員により、生徒、児童等の避難誘導、保護に努める。   【実施主体】警視庁・警察署 自主的避難 発災直後は、町会・自治会、事業所等のリーダーを中心に編成したグループで、一時集合所等に集合した後、指定された避難場所等への自主避難とする。 この場合、避難道路、主要交差点に警察官を配置して、避難誘導にあたる。 避難勧告・指示による避難 区長による避難の勧告、指示があった場合等は、できる限り必要な部隊を編成派遣し、避難地域の責任者、管理者等のリーダーと緊密に連携して避難誘導にあたる。 避難行動要支援者の避難 高齢者、障害者等の避難行動要支援者に対しては、優先して避難誘導を行うものとし、この場合は、家族、近隣住民、町会・自治会等のリーダーが相互に連携協力して避難誘導に当たる。 避難誘導上の留意事項 自動車による避難は中止させる。 家財等の持ち出しは中止させる。 避難時の携行品は必要最小限に止めさせる。 避難は、努めて町会・自治会、事業所等の組織を単位とし、リーダーを中心に統制ある行動を取るよう指導する。 避難誘導に当たっては、現場での個別広報のほか、ヘリコプターによる上空からの広報活動を行う。 火災等の規模や態様等により、できる限り必要な部隊を配置する。 現場の警察官は、危険が切迫し、特に急を要すると認めるときは、警察官職務執行法に基づく避難等の措置をとる。 【実施主体】東京消防庁・消防署 各関係機関への情報連絡 避難の勧告又は指示により、地域住民が避難を行う場合は、災害の規模、道路、橋りょうの状況、火災の拡大の経路及び消防部隊の運用等を勘案し、避難に必要な情報を区等関係機関に通報する。 避難誘導 区民の避難が開始された場合は、消防団員は資器材を活用して地域住民の避難の誘導に当たる。 避難経路の安全確保 避難の勧告・指示が出された時点以降の消火活動は、避難場所や避難道路の安全確保に努める。 避難勧告又は指示がなされた場合は、災害状況及び消防力の余力に応じ、広報車の活用等により避難勧告又は指示の伝達を行う。   2 避難所の開設・管理運営 災害により現に被害を受け、住居等を喪失するなど引き続き救助を要するものについては、避難所を開設し、応急的な食料等の配付を行う。 (1)対策内容と役割分担 機関名 区(災対地域本部) 対策内容 避難所の開設・管理運営 避難所の運営等対策 避難所が不足する場合、受入場所・施設を開設 食料・生活必需品等の供給 避難所におけるトイレ機能の確保 区民への情報提供 避難所における防火安全性の確保 福祉避難所(高齢者)(障害者)(母子)の開設・運営支援 公衆浴場の確保 避難住民に対する健康相談 機関名 区(災対教育部) 対策内容 災対地域本部への協力 学校災害対策本部との連携(災対地域本部との連携・協力) 避難所における防火安全の支援 機関名 区(災対保健福祉部) 対策内容 福祉避難所(高齢者)(障害者)(母子)の開設・管理運営 機関名 区(災対物資管理部) 対策内容 食料・生活必需品等の供給 機関名 区(災対医療衛生部) 対策内容 避難住民に対する健康相談の支援 飲料水等・食品の衛生的な取扱指導・安全の確保 公衆浴場の衛生管理 感染症予防・拡大防止対策 機関名 区(災対財政・広報部) 対策内容 区民への情報提供 機関名 区(災対清掃部) 対策内容 避難所の衛生管理対策 機関名 警視庁・警察署 対策内容 避難状況の把握 避難所の秩序保持 被害情報の収集と広報活動 行方不明者の把握 相談所の開設等による相談等の受理 機関名 避難所運営組織 対策内容 避難所の開設・管理運営 機関名 都本部 対策内容 必要な避難所確保のための区市町村支援 機関名 都財務局 対策内容 野外受入施設の開設に向けたテントの調達 機関名 都福祉保健局 対策内容 DISによる避難所及び福祉避難所(高齢者)(障害者)開設状況の把握・国への報告 避難所管理運営に関する支援 福祉避難所等への福祉専門職派遣による運営支援 野外受入施設設置に必要な資材に関する連絡調整 保健医療調整本部としての位置づけの下、保健医療活動の総合調整を図る。 避難住民に対する食品の衛生的な取扱指導 区市町村の衛生管理対策支援 生活必需品等の配分について区市町村から要請があった場合、都総務局・日赤東京都支部等に対して応援要請等の措置を講じる。 機関名 都教育庁 対策内容 都立学校に避難所を開設する場合の避難所運営協力の支援 学校危機管理マニュアル等に基づく、避難所の開設・管理運営への協力 (2)業務手順 【東京都】 避難所確保支援 食料・生活必需品等の供給支援 管理運営・衛生管理対策支援(福祉保健局) 開設状況把握(福祉保健局) 避難所運営協力(教育庁) 【区】 避難所開設・管理運営 (3)詳細な取組み内容 ①指定避難所の開設等 【実施主体】区災対地域本部、区災対教育部、避難所運営組織 指定避難所の開設 区と地域住民が協働して指定避難所の開設を行う。 指定避難所の開設に当たっては、その開設の判断を含めて、区本部と避難所運営組織、学校災害対策本部が十分な調整を図りながら行うものとする。ただし、災害の発生状況により十分な調整が取れない時は、避難所運営組織が指定避難所を開設することができる。 指定避難所の統括管理責任者は、指定避難所の属する地域の災対地域本部長(総合支所長)とする。 ボランティアや職能団体等、専門性を有した外部支援者等の協力を得られるよう努めるとともに、必要に応じて、他の地方公共団体に対して協力を求める。 指定避難所の開設期間は災害発生の日から7日以内とする。ただし、状況により期間を延長する必要がある場合には、都知事の事前承認(内閣総理大臣の承認を含む。)を受ける。 避難所を開設したときは、開設日時、場所、避難者数及び開設予定期間等を速やかに、都福祉保健局及び地元警察署、消防署等関係機関に報告する。都への報告は、原則として都災害情報システム(DIS)への入力等により行う。なお、個別の連絡調整については、都防災行政無線で行う。 立入禁止区域、土足禁止区域、喫煙(分煙)区域を設定する。 避難住民の生活環境上、必要な物品を確保する。 在宅避難者等(在宅避難する要配慮者を含む。)に対しても、生活環境の整備に必要な措置を講じるよう努める。 要配慮者の特性に応じて必要となる物品を確保する。 避難所のライフラインの回復に時間を要すると見込まれる場合や、道路の途絶による孤立が続くと見込まれる場合は、当該地域に避難所を設置・維持することの適否を検討するものとする。 指定避難所の管理運営 避難所の管理運営が混乱なく円滑に行われるよう、事前に管理運営の基準や方法を定めておく。 指定避難所の運営に当たっては、学校災害対策本部の協力を得て、学校教育機能と十分な調整を図りながら行う。 避難所の管理責任者は、避難所運営組織の中で、防火担当責任者を指定し、防火安全対策を講じる。 区災害対策課、総合支所、学校、避難所運営組織は連携のうえ、学校施設の利用計画及び指定避難所の管理運営等の策定手順を示すマニュアルとして、避難所ごとに避難所運営マニュアルを作成する。 屋内施設への受入れは、乳幼児・高齢者・障害者・妊産婦等の要配慮者を優先する。 学校長は教職員の役割分担、初動態勢等、学校災害対策本部としての計画をあらかじめ策定し、指定避難所の管理運営について、協力・支援を行う。 避難所に避難した被災者に対し、正確かつ迅速な情報提供を行うため、テレビ・ラジオ等の設置、臨時広報紙の発行、特設公衆電話、インターネット、FAX等の整備を行う。被災者の特性に応じた情報提供手段をとるものとする。 原則として犬、猫等の小動物(避難者に危害を及ぼさない小動物等)の同行避難の受入れを行う。 区ボランティアマッチングセンター等を通じて、避難所で活動するボランティアを派遣する。(第2部第2章第5節第2「5 ボランティアとの連携」参照) 避難者の把握 区民の避難所への適正誘導及び収容並びに過密状況を把握する。 避難所ごとに収容されている避難者に係る情報の早期把握及び避難所で生活せず食事のみ受け取りに来ている被災者等に係る情報の把握に努め、必要な措置について配慮するとともに、都等へ報告を行う。   ②福祉避難所(高齢者)(障害者)の開設等 【実施主体】区災対保健福祉部、区災対地域本部 ア 福祉避難所(高齢者)(障害者)の開設 福祉避難所(高齢者)(障害者)の開設に当たっては、当該施設管理者との調整を十分に図りながら行うものとする。 福祉避難所(高齢者)(障害者)を開設した場合は、管理責任者を置く。 福祉避難所(高齢者)(障害者)を開設した場合は、開設の日時、場所、避難者の数及び開設予定期間を、速やかに所定の様式により都知事(都福祉保健局)及び所轄の警察署、消防署等関係機関に連絡する。 イ 福祉避難所(高齢者)(障害者)の管理運営 福祉避難所(高齢者)(障害者)の管理運営については、民間及び公的社会福祉施設も含めて、社会福祉施設、その他の公共施設等の施設の設置目的、位置、構造、規模等の概況、災害時における他目的の利用計画の有無、法人の協力体制等に応じて、施設ごとに福祉避難所(高齢者)(障害者)機能を明確化して、各々の運営体制を整備する。 基本的な運営方式については、各々の施設設置者又は管理者との相互協力協定に定めることとし、具体的な開設及び運営の具体的手順等については、課題別に協議し災害時の運用マニュアルを作成する。 また、福祉避難所(高齢者)(障害者)の運営は、要配慮者の特性に応じた支援が必要であり、指定避難所等から福祉避難所(高齢者)(障害者)への移送手段についても確保する。 福祉避難所(高齢者)(障害者)の運営に必要な物品・資器材及び食料・飲料水等については、多様な手段・方式を用いて、必要な物資等を調達する。 (ア)専門業者等との優先供給協定(福祉用具等) (イ)民間協力団体等との相互協力協定(介護・看護等に要する資器材、食料等) (ウ)周辺の広域避難場所用倉庫の活用 *災害時における介護用品等の供給に関する協定〔資料編資料協定第39・P465〕 福祉避難所(高齢者)(障害者)への移送手段を確保するため、高齢者や障害者の移送に携わっている事業者や団体等との連携など、移送の担い手の拡充を図る。 社会福祉士や介護福祉士等の資格を有する専門ボランティアや他自治体からの応援職員について、円滑な受入れや効率的な配置等を行えるよう、体制整備を図る。 福祉避難所等において運営に支障を来たしている場合、東京都災害福祉広域調整センターへ福祉専門職員の派遣を要請する。派遣を受けた場合、福祉専門職員の福祉避難所等への派遣調整を行う。 ウ 福祉避難所(高齢者)(障害者)の受入判断 福祉避難所(高齢者)(障害者)での受入れが必要となる要配慮者の優先判断を行うため、所定の利用シートを作成する。利用シートの作成は、区の職員が行うほか、緊急の場合には福祉避難所(高齢者)(障害者)協定施設の職員も作成することを可能とする。 区は、福祉避難所(高齢者)(障害者)での受入れを必要とする要配慮者を把握した場合は、利用シートに基づき、受入れの優先判断を行う。なお、福祉避難所(高齢者)(障害者)協定施設では、近隣の要配慮者から避難所の提供を求められる場合が想定される。そのため、協定施設は利用シートを作成した上で、一定の要件を満たしている場合には、福祉避難所(高齢者)(障害者)の管理責任者が緊急的な受入れを判断することを可能とする。 ③福祉避難所(母子)の開設等 【実施主体】区災対保健福祉部、区災対地域本部 ア 福祉避難所(母子)の開設 福祉避難所(母子)の開設に当たっては、当該施設管理者との調整を十分に図りながら行うものとする。 福祉避難所(母子)の開設を決定した場合は、開設の日時、場所、避難者の数及び開設予定期間等を、速やかに所定の様式により都知事(都福祉保健局)及び所轄の警察署、消防署等関係機関等に連絡する。 イ 福祉避難所(母子)の管理運営 福祉避難所(母子)の管理運営については、施設の設置目的、位置、構造、規模等の概況、災害時における他目的の利用計画の有無、法人の協力体制等に応じて、施設ごとに福祉避難所(母子)機能を明確化して、各々の運営体制を整備する。 具体的な開設及び運営の具体的手順等については、各々の施設設置者又は管理者と課題別に協議し、福祉避難所(母子)運営マニュアル【施設版】を作成する。 福祉避難所(母子)の運営に必要な物品・資器材及び食料・飲料水等については、多様な手段・方式を用いて、必要な物資等を調達する。 ウ 福祉避難所(母子)の受入判断 指定避難所を巡回訪問する各支所の保健師等が、受け入れ要件に該当する避難者について、「確認シート」等を基に情報収集を行い、各地域本部から集まった情報をもとに、災対保健福祉部で受入れの優先判断を行い、入所者を決定する。 ④多様性に配慮した女性の視点を踏まえた避難所運営体制の確立 【実施主体】区災対地域本部、避難所運営組織 避難所の管理運営にあたっては、女性の参画の推進及び学校教育機能の確保に努めるとともに、男女に配慮した着替え場所や授乳場所の確保、生理用品や女性用下着などの女性による配布、筆記具の準備をはじめ音声による伝達ややさしい日本語・ピクトグラム等の活用など障害の状況に応じた柔軟な情報提供、高齢者や障害者に配慮した避難所における安全性の確保など、多様性への配慮に留意し、被災者の生活環境を良好に保つよう努める。 女性や子ども、要配慮者などの避難生活におけるニーズの把握や環境整備のための手法を検討する。 被災により、女性が様々な不安や悩み、ストレスを抱えることや、女性に対する暴力等が懸念されることから、男女共同参画センター“らぷらす”が平常時から行っている男女共同参画の視点からの相談等の業務を迅速に復旧し、被災女性に対する相談窓口を設置し、情報提供することで、被災女性等の心身のケアに努める。 必要な人が必要な支給物品を、プライバシーを守って受け取れるように配慮する。 ⑤感染症防止対策を踏まえた避難所運営体制の確立 区は、新型コロナウイルス等感染症の発生およびまん延防止のため、発生した災害(震災、水害など)、被災者の状況、避難所の収容人数等を考慮し、指定避難所以外の予備避難所なども開設するなど、可能な限り多くの避難所の確保・開設を図る。 区は、避難所の衛生状態を常に良好に保つとともに、避難者に対して手洗い、咳エチケット等の基本的な感染防止対策を徹底し、避難所内の十分な換気に努める。 発熱や咳等の症状がある避難者がマスクを所持していない場合は、備蓄しているマスクを配付する。 一般の避難者と咳や発熱の症状がある者との避難区域を分けるとともに、トイレや手洗い等までの動線についても重複しないよう設定する。 避難所内で感染者が発生した場合は、平常時と同様に、保健所に報告し、指示を受け、搬送、隔離、消毒を実施する。 ⑥食料・生活必需品等の供給・貸与 【実施主体】区災対地域本部、区災対物資管理部 被災者に対する食料・生活必需品等の供給・貸与は、区が開設する避難所等において、災害救助法に定める基準に従って行う。 炊き出し等の体制が整うまでの間は、都及び区の備蓄又は調達する食料等を支給する。 被災者に対する炊き出しその他による食品給与の配布基準は、原則として、災害救助法施行細則に定めるところによる。 この基準により難い事情がある場合(期間の延長、特別基準の設定)は、避難所開設期間延長の承認申請と同様に、別途、知事の事前承認(内閣総理大臣の承認を含む。)を得て定める。 ⑦避難所における物資供給のスキーム 【実施主体】区、都 *図表省略 ⑧飲料水等の安全確保 【実施主体】区災対医療衛生部、都福祉保健局 区は、避難所での飲料水の安全を確保するため、必要に応じて飲用に供する水の消毒を行う。 区は、衛生指導班を編成し、避難所における飲み水の安全確保や避難所の環境整備に対応する。衛生指導班は、それ以後の消毒について、消毒の確認を行うとともに、区民が自主的に消毒を行えるように消毒薬を配布し、消毒方法及び消毒の確認方法を区民に指導する。 衛生指導班は、以下の活動を行う。 飲料水が塩素で消毒されているかの確認 区民(避難所管理者等)への消毒薬・簡易残留塩素検出紙の配布 区民(避難所管理者等)への消毒の実施方法及び残留塩素の確認方法の指導 避難所の衛生状態を調査 室内環境の保持や寝具類の衛生確保のための助言・指導 トイレ・ごみ保管場所の適正管理、ハエや蚊の防除方法についての助言・指導   ⑨食品の安全確保 【実施主体】区災対医療衛生部 区は、衛生指導班を編成し、食品の安全を確保する。 炊飯所、弁当・給食調理場等の衛生確保 食品集積所の衛生確保 避難所の食品衛生指導 その他食品に起因する危害発生の防止 食中毒発生時の対応 避難住民に対する食品の衛生的な取扱いの指導等を行う。 避難所における食品取扱管理者の設置促進等、食品衛生管理体制の確立 食品の衛生確保、日付管理等の徹底 手洗いの励行 調理器具の洗浄殺菌と使い分けの徹底   残飯、廃棄物等の適正処理の徹底 情報提供 殺菌、消毒剤の適切な使用 乳幼児、高齢者などの食事の特性に応じた衛生指導 ⑩トイレ機能の確保 【実施主体】区災対清掃部、区災対地域本部 被災後、断水した場合には、学校のプール、雨水貯留槽等で確保した水を使用し、機能の回復を図る。 発災後3日目までは、し尿収集車によるし尿の収集・運搬が困難な状況が予想されることから、区は、可能な限りし尿収集車による収集を要しない災害用トイレを活用し、対応する。 発災後4日目からは、区は、し尿収集車による収集が可能な災害用トイレを含めて確保し、対応する。 備蓄分が不足した場合には、区は都に対して要請し、都は広域応援等により必要数を確保する。 トイレは男女別だけではなく、多様性の視点に配慮し、だれでも使用できるトイレも設置等する。 ⑪衛生管理対策 【実施主体】区災対医療衛生部、区災対清掃部 ごみの適切な排出方法、トイレの使用方法など、避難住民への衛生管理上の留意事項を周知する。 衛生管理等にアセスメントシート※を使用する。(※災害時に避難所等の衛生管理を図るため、要配慮者人数や体調不良者の症状を記録するための票) インフルエンザ等の感染症予防(手洗い、うがい等)の励行を避難住民に周知するとともに、患者発生時の感染拡大防止対策を実施する。 ⑫健康相談等 【実施主体】区災対地域本部、区災対医療衛生部、区災対保健福祉部 区は、保健師・管理栄養士その他必要な職種からなる医療衛生班を編成し、避難所における健康相談、その他必要な保健活動を行う。 避難の長期化等必要に応じて、避難者や避難所に係わる運営スタッフ等の健康状態及び医師や看護師等による巡回の必要性を把握し、必要な措置を講じるよう努める。また、プライバシーの確保状況、入浴施設設置の有無及び利用頻度、洗濯等の頻度、暑さ・寒さ対策の必要性、食料の確保、配食等の状況、ごみの処理状況など、避難所の衛生状態等の把握に努め、必要な措置を講じるよう努める。 要配慮者の心身双方の健康状態には特段の配慮を行い、滞在スペースを作る。要配慮者の特性や個々の状態、ニーズを把握し、必要に応じ福祉避難所(高齢者)(障害者)への移送、福祉施設等への入所、介護職員等の派遣等を行うものとする。 世田谷区介護サービスネットワークと連携し、避難所への提供可能な訪問サービスを把握し、訪問サービスの提供を要請する。 避難所や車中泊等で長期にわたる不自由な避難生活により、心身の健康に様々な影響を及ぼす可能性があることから、健康障害の発生防止のための啓発を行う。   ⑬公衆浴場等の確保・衛生管理 【実施主体】区災対地域本部、区災対医療衛生部 区は、公衆浴場の営業状況、仮設浴場、シャワー施設の設置状況を把握する。 避難住民に対してその情報を提供するとともに、浴場等の確保に努め避難所の衛生管理を支援する。 ※ 指定避難所、指定緊急避難場所の指定 1 指定緊急避難場所、指定避難所とは 平成25年6月災害対策基本法の改正において、切迫した災害の危険から逃れるための緊急避難場所と、一定期間滞在し、避難者の生活環境を確保するための避難所が明確に区別された。法で定められる指定緊急避難場所、指定避難所の定義は以下のとおりである。 指定緊急避難場所 災害が発生し、又は発生のおそれがある場合にその危険から逃れるための避難場所。異常な現象※ごとに安全性等の一定の基準を満たす施設又は場所。 ※洪水・崖崩れ、土石流及び地滑り・高潮・地震・津波・大規模な火事・内水氾濫・火山現象 指定避難所 災害の危険性があり避難した区民等を災害の危険性が無くなるまでに、必要な間滞在させ、また、家に戻れなくなった区民等を一時的に滞在させるための施設。 *指定緊急避難場所一覧(災害対策基本法)〔資料編資料第69・P170〕 *指定避難所一覧(災害対策基本法)〔資料編資料第70・P172〕   3 車中泊 (1)対策内容と役割分担 機関名 区(災対地域本部) 対策内容 車中泊者発生抑制に向けた普及啓発 避難所環境の整備促進 車中泊者等の状況把握及び都福祉保健局への報告 避難所に来訪できない車中泊者への必要に応じた支援  (エコノミークラス症候群等防止のための普及啓発等) 機関名 警視庁 対策内容 大震災時の交通規制及び新たな自動車の乗り出し自粛依頼に係る普及啓発 機関名 都本部 対策内容 車中泊者発生抑制に向けた普及啓発 車中泊者等に関する区市町村への情報提供 必要な避難所確保のための区市町村支援(再掲) 機関名 都福祉保健局 対策内容 車中泊者発生抑制に向けた普及啓発 車中泊者等の情報収集(区市町村) 避難所管理運営に関する支援(再掲) (2)詳細な取組み内容 発災時には、以下のとおり対応することを原則とするが、地域性や避難所運営組織等の状況を踏まえ、適切な対応を図る。 【実施主体】区災対地域本部 都における震災時の車中泊に係る基本的な考え方(P489)に基づき、啓発事項(P490)について、発災後にも積極的な呼びかけ等を行い、混乱を防止する。 在宅避難ができない被災者に対しては、避難所に避難するよう呼びかける。 区は、車中泊など避難所に滞在することができないと判断した被災者等を含めた避難者等に係る情報の早期把握に努める。 健康面等についての相談・支援などは、区において現行で想定されている体制の中で、必要に応じて都や地域等との連携の上、対応に努める。あわせて、エコノミークラス症候群等防止のための普及啓発等に努める。   4 動物救護 (1)対策内容と役割分担 機関名 区(災対医療衛生部) 対策内容 避難所等における動物の適正飼養の指導等 避難所等における動物の飼養状況の把握及び都・関係団体への情報提供 地域及び関係団体、関係所管との連携強化及び普及啓発 機関名 区(災対地域本部) 対策内容 同行避難動物の飼養場所等の確保 機関名 都福祉保健局 対策内容 被災動物の保護 関係団体等との連絡調整 関係団体等との協働による「動物救援本部」の設置 避難所等における動物の適正飼養の指導等 (2)業務手順 *図表省略 (3)詳細な取組み内容 【実施主体】区災対医療衛生部 災害時には、負傷又は放し飼い状態の動物が多数生じるとともに、ペットが飼い主とともに避難所に同行避難してくることが想定されている。区は動物愛護の観点及び放し飼い状態の動物による区民への危害発生を防ぐため、動物救護体制の整備を図っていく。 *災害時の動物救護活動についての協定書〔資料編資料協定第51・P492〕 ①動物救護体制の整備 既に災害時協定を締結している東京都獣医師会のほかに、都や関係団体と様々な形での災害時における協力体制の強化を図る。 事前に登録された被災動物ボランティアが避難所での支援活動や、避難所情報の発信、預かりの場の提供拡充を行う。 避難所における同行避難に対する支援を行う。 ②動物救護活動の実施 区は、災害状況に応じ動物の医療救護の必要を認めた場合は、東京都獣医師会世田谷支部に動物救護活動の実施を要請する。 動物救護活動の実施場所は、東京都獣医師会世田谷支部の保有する動物病院内等に設置する。 区は、都が関係団体等と協力して負傷又は放し飼い状態の被災動物を保護することに協力する。危険動物の逸走時において関係機関との情報連絡、被災者の救助体制を構築し対応する。 【実施主体】区災対地域本部 ③避難所での受入れ 都の方針を受けて、原則として、犬、猫等の小動物(避難者に危害を及ぼさない小動物)の同行避難を行う。 飼育動物の同行避難を含めた対応については、地域及び関係団体、関係所管との連携強化を図る。 開設した避難所に、動物の飼養場所を避難所施設に応じて確保する。避難所内に同行避難動物の飼養場所を確保することが困難な場合は、近接した避難スペース等に飼養場所を確保する。   5 ボランティアの受入れ (1)対策内容と役割分担 避難所の運営におけるボランティアの受入れについて、必要な流れを示す。 機関名 区(災対保健福祉部) 対策内容 「避難所管理運営の指針」に基づいたマニュアル等の業務手順によるボランティアの派遣要請及び受入れ 区ボランティアマッチングセンターにおいて、必要なボランティアを派遣 機関名 都生活文化局 対策内容 東京ボランティア・市民活動センターと協働で、都災害ボランティアセンターを設置・運営し、区市町村災害ボランティアセンターを支援 都防災(語学)ボランティアを派遣 機関名 都福祉保健局 対策内容 福祉関係団体等の協力によるボランティア派遣について、区市町村に対する広域的支援 (2)業務手順・取組み内容 【実施主体】区災対保健福祉部 「避難所管理運営の指針」に基づいたマニュアル等の業務手順により、ボランティアを受入れる。 区ボランティアマッチングセンターを通じて、避難所で活動するボランティアを派遣する。 ボランティア等と連携した要配慮者対策は、次のとおりである。 介護、看護など専門的な職種である他の自治体からの応援職員について、受入れ及び従事の体制の整備を図る。 福祉保健所(高齢者)(障害者)(母子)等において、施設職員との調整を行った上でボランティアと連携した介護、看護等の活動を行う。 区は、日常保健福祉に従事しているボランティアの人たちが、災害時にも十分な力を発揮できる体制をつくるため、ボランティア団体、社会福祉施設等と連携・調整する。   6 被災者の他地区への移送 (1)対策内容と役割分担 機関名 区 対策内容 人員・救急物資等の輸送 (被災地側) 移送について知事(都福祉保健局)に要請 移送先における避難所管理者を決定し、移送先へ派遣 避難所運営への積極的な協力 (受入側) 受入態勢を整備 移送後の避難所運営 機関名 都本部 対策内容 都県境を越える避難についての調整 機関名 都福祉保健局 対策内容 被災者の移送先の決定 移送先の区市町村との調整 被災者の移送方法を決定、移送手段の確保 区市町村による要配慮者等の移送支援 (2)業務手順 〔移送先の決定〕 *図表省略 ※ なお、移送に伴う車両の調達については、第2部第10章第5節第2「6 輸送車両の確保」を参照 (3)詳細な取組み内容 ①被災者の他地区への移送 【実施主体】区災対統括部 区長は、区の避難所に被災者を受入れることが困難な時は、被災者の他地区(近隣の非被災地区若しくは小被災地区又は隣接県)への移送について、知事(都福祉保健局)に要請する。 被災者の他区市町村への移送を要請した区長は、所属職員の中から移送先における避難所管理者を定め、移送先の区市町村に派遣するよう努める。 都知事から他区市町村の被災者の受入れを指示されたときは、直ちに避難所を開設し受入態勢を整備し、避難所の運営に協力する。 移送された被災者の避難所の運営は、原則として受入側の区市町村が行い、移送元の区市町村は運営に積極的に協力する。 移送に要する資材、輸送方法等については、あらかじめ整備しておく。 避難行動要支援者の広域避難については、他区市町村の福祉避難所(高齢者)(障害者)(母子)への避難の要請等について、あらかじめ検討しておく。 ②人員・救急物資等の輸送 【実施主体】区災対物資管理部 災害時における被災者の避難、傷病者の収容並びに隔離、災害応急救助従事職員の派遣、応急対策用資材、生活必需品等物資の輸送などについて、関係機関と密接な連絡を図り、迅速かつ的確な輸送体制を確保する。 輸送方法 輸送方法は、災害の状況、輸送物資等の種類・数量・交通路の状況等により次の方法のうち最も適切な方法により行う。 (ア)車両による輸送 (イ)船舶による輸送 (ウ)航空機による輸送 (エ)人力による輸送 人員の輸送 (ア)被災者の輸送 これらの輸送については、災害の状況等を十分考慮し、関係機関と密接な連絡をとりながら実施する。