災害時帰宅困難者ハンドブック 表紙 世田谷区 2ページ 30年以内に70%の確率で発生すると予測されている首都圏直下地震や 局地的豪雨による交通機関の途絶えなどにより、 首都圏では帰宅困難者が多数発生することが予想されます。 帰宅困難者とは災害時に外出している人のうち、 公共交通機関が停止し、徒歩で帰宅することが困難な人のことです。 帰宅困難者が多数発生すると、救助・救命活動に支障をきたし、 また、徒歩で帰宅中に余震などで二次災害にあったりする可能性もあります。 災害発生時はむやみに移動せず、安全な場所にとどまりましょう。 帰宅困難者に関する課題を解決するには、 行政が対策を実施していく「公助」だけでなく、 個人や企業による自主的な取組として、 「自助」「共助」も含め、社会全体で対策を進めていくことが重要です。 本ハンドブックを活用して、災害時に適切な対応が取れるよう備えましょう。 本ハンドブックのもくじは次のとおりです。 1.帰宅困難者の行動のポイント P3 2.地震から身を守るには?P4 3.日頃備えておきたいことP6 4.事業所における帰宅困難者対策P11 裏表紙 防災メモ 発行:世田谷区危機管理室災害対策課 〒154-8504東京都世田谷区世田谷4-21-27 TEL.03-5432-2262 ファックス.03-5432-3014 2019年3月発行 3ページ 1 帰宅困難者の行動のポイント 大地震に遭遇しても「あわてず、落ち着いて」行動するために、 居場所に応じた 身の守り方を覚えておきましょう。 施設が安全な場合、発災後 3 日間は勤務先などに留まりましょう。 @むやみに移動しない 災害発生後、すぐに帰宅しようとすることは大変危険です。徒歩帰宅するかを適切 に状況判断するため、事前にしっかりと準備しておきましょう。 A安否確認をする 災害用伝言ダイヤル171などを活用し、家族や職場と連絡をとり、 冷静に行動できるよう気持ちを落ち着かせましょう。 あらかじめ、家族や職場などで連絡方法を 共有しておきましょう。(8・9ページ参照) B正確な情報をキャッチして冷静に行動する 災害時にはデマなどの情報が流れやすいため、 正確な情報源により情報を入手し、 どのような行動が安全なのか判断しましょう。(9ページ参照) 災害用伝言ダイヤル171などを活用し、家族や職場と連絡をとり、 冷静に行動できるよう気持ちを落ち着かせましょう。 あらかじめ、家族や職場などで連絡方法を共有しておきましょう。(8・9ページ参照) Cお互いに助け合う 一時待機できる施設においては、要配慮者 (高齢者、障害者、乳幼児、妊産婦など)を優先しましょう。 4ページ 2. 地震から身を守るには? 職場では、窓際やロッカー、棚などから離れる。 机やテーブルなどの下に入り、机などの脚をしっかり握る。 揺れがおさまったらガスの元栓を閉めるなど、火元を確認する。 デパートでは、ショーケースの転倒、商品の落下、ガラスの破片に注意する。 スーパーでは、柱や壁際に身を寄せ、手荷物などで頭を守る。 店員の指示に従って行動する。 学校では、教職員や校内放送の指示に従う。本棚や窓から離れる。 教室内では、机の下に入り、机の脚をしっかり握る。 エレベーターでは、全ての階のボタンを押し、停止した階で降りる。 閉じ込められた時は、非常ボタンやインターホンで連絡をとり、救出を待つ。 地下街では、大きな柱に身を寄せる。火災が発生したらハンカチなどで 鼻と口を覆い、壁づたいに体を低くして地上に避難する。 5ページ 大地震に遭遇しても「あわてず、落ち着いて」行動するために、 居場所に応じた 身の守り方を覚えておきましょう。 住宅街では、ブロック塀や石壁、門柱などから離れる。 屋根瓦などの落下物に注意する。垂れ下がった電線には触れない。 劇場・映画館では、手荷物などで頭を守る。 頭上に大きな照明などがある場合は、その場から移動する。 係員の指示に従って行動する。 駅では、掲示板や看板などの落下物に注意する。 大きな揺れがおさまるまで近くの柱に寄り添い、駅員の指示に従う。 車の運転中では、ハンドルをしっかり握って徐々にスピードを落とし、道路の左側に 停車してエンジンを切る。揺れがおさまるまで車外には出ない。 車を離れる時は窓を閉め、エンジンキーをつけたままにする。ドアをロックしない。 (通行の妨げになった際に移動させるため) 車で避難すると緊急車両などの妨げになる。 どうしても車で避難しなければならない場合を除いて、徒歩で避難する。 繁華街では、ガラスや看板などの落下物に注意し、手荷物などで頭を守る。 塀、電柱、自動販売機などから離れ、広場などへ逃げる。 電車・バスでは、網棚からの落下物に注意し、つり革や手すりにしっかりつかまる。 座っている場合は足をふんばって状態を前かがみにし、頭を守る。 係員の指示に従って行動する。 6ページ 3 日頃備えておきたいこと @帰宅経路地図を作成しておく 実際に自宅まで歩いてみて、地域の特徴を把握し、 自分の帰宅経路の地図を作成しておきましょう。 複数の帰宅経路を検討しておくと安心です。 地図には避難所や広域避難場所、休憩箇所や公共トイレなどの位置など、 実際に役立つ情報を盛り込んでおきましょう。 A帰宅困難者に対する支援施設を知っておく 災害時に、徒歩での帰宅が困難な方に対して、いくつかの支援をしています。 「家に帰れない!」帰宅困難者等を受け入れてくれる施設は、いちじたいざいしせつで す。 設置時期は、発災から72時間(最大3日間)程度までです。 支援事項は、食料、飲料水、ブランケット、トイレ、休憩場所、情報などです。 「徒歩で帰れるものの、途中で休憩したい」徒歩帰宅者を受け入れてくれる支援施設は、 帰宅困難者支援施設です。 設置時期は、発災から24時間程度までです。 支援事項は、飲料水、トイレ、休憩場所などです。 「徒歩で帰れるものの、途中で休憩したい」徒歩帰宅者を受け入れてくれる支援施設は、 災害時帰宅支援ステーションです。 設置時期は、発災後、東京都から要請後です。 支援事項は、飲料水、トイレ、帰宅支援情報などです。 1都指定施設の一時滞在施設は次のとおりです。 世田谷市場 世田谷総合高等学校 駒沢オリンピック公園総合運動場 松原高等学校 総合工科高等学校 園芸高等学校 深沢高等学校 7ページ 区指定施設の帰宅困難者支援施設は次のとおりです。 太子堂区民センター 上馬地区会館 経堂地区会館 北沢総合支所 代田区民センター 深沢区民センター 桜新町区民集会所 砧区民会館成城ホール 大蔵第二運動場ロビー 烏山区民センター 上北沢区民センター 区協定締結施設の帰宅困難者支援施設は次のとおりです。 世田谷郵便局 災害時帰宅支援ステーションとは、災害時、帰宅困難者の徒歩帰宅を支援するため、 可能な範囲で飲料水、トイレ、情報などを提供する施設です。 ガソリンスタンド(都との協定による施設)、コンビニエンスストア(都との協定によ る施設)、都立高校(都の指定施設)などがあります。 帰宅困難支援ステーションとして協定する施設にはステッカーが貼ってあります。 8ページ 区では「災害時区民行動マニュアル(マップ版)(英語・中国語・ハングル版有)」など の防災啓発物の配布を行っております。 また、あらかじめ「世田谷区防災マップアプリ」をダウンロードしておくことで、通信 ができない状況でもスマートフォン・タブレットで、指定避難所などの確認ができます。 B家族との連絡方法を決めておく 大規模災害発生時には、むやみに移動せず、安全を確認した上で、 職場や外出先等に留まるようにしてください。 安心して職場等に留まれるよう、裏表紙の「防災メモ」などを活用しながら あらかじめ家族等と話し合って、複数の連絡手段の確保に努めましょう。 以下のような災害時の安否確認サービスがあります。 1災害用伝言ダイヤル(171) 災害発生時、個人の安否確認手段としてNTT東日本が運用するサービスです。 利用方法は「171」をダイヤルし、利用ガイダンスに従って 伝言の録音・再生を行ってください。 2災害用伝言板(WEB171)インターネットを利用した伝言板です。 被災地域の居住者が、電話番号等をもとに伝言情報(テキスト・音声・画像)の 登録等が可能です。毎月1日と15日に体験できます。 https://www.web171.jpへアクセスし、画面に従って 伝言情報の登録・閲覧を行ってください。 9ページ 3災害用伝言板サービス 大規模な災害時は、携帯電話会社のHPトップ画面に「災害用伝言板サービス」 が表示され、安否情報の登録や確認ができるようになります。全社一括検索が 可能ですので、お使いの携帯電話会社の災害用伝言板で、他社携帯電話をご利用 の方の情報を検索することができます。 毎月1日と15日に体験できます。 4「J-anpi」安否情報まとめて検索 「J-anpi」は、電話番号や氏名を入力することで、 各通信事業者の災害用伝言板および報道機関、企業・団体が 提供する安否情報を対象に一括で検索し、結果をまとめて確認することができます。 C正確な情報収集をしよう 災害時には確かな情報源から正確な情報収集をしましょう。 1世田谷区ホームページ http://www.city.setagaya.lg.jp/ 2世田谷区災害・防犯情報メール配信サービス メールアドレスを登録された方を対象に、 災害情報や気象情報、防犯等に関する情報を送信しています。 登録方法や内容はhttp://www.bousai-mail.jp/setagaya/ (携帯電話・パソコン共通)をご参照ください。 3Twitter(ツイッター) 区に関連する防犯・防災情報等を流します。 @setagaya_kikiをフォローしましょう。 4ラジオ エフエム世田谷(周波数FM83.4MHz) 地震や大雨などの災害時に区内の情報をお知らせします。 5防災行政無線 区内189か所に設置している防災無線塔から災害情報等をお知らせします。 10ページ 5 帰宅困難を想定した備え 備蓄物品を勤務先などに用意しておいたり、 外出時の被災を想定した物を持ち歩いていると、いざというとき役に立ちます。 また、普段使っているものを常に少し多めに備える 「日常備蓄」を心がけると、管理・継続がしやすいです。 食品の品目は次のとおりです。 飲料水は、ペットボトルで、水や自分が普段飲んでいる飲料を用意しましょう。 携帯食料は、チョコレートなどエネルギーのある携帯しやすいお菓子などを 常に手元に置きましょう。 生活用品は、懐中電灯など携帯しやすいペンライトなどが重宝します。 携帯ラジオは、運びやすい形のものが便利です。 タオルは、汗を拭いたり、首に巻いて寒さをしのいだり、帽子の代用にするなど使えま す。 ティッシュ類は、ウェットティッシュなどもあると便利です。 徒歩帰宅に便利なものとしては次のとおりです。 スニーカーは長距離を歩くことを想定して、 履き慣れたスニーカーを用意しましょう。 寒暖対策用品としては、夏場は帽子、冬場はカイロ・手袋など。 マスクや雨具などもあると便利です。 地図・帰宅地図は、あらかじめ、自宅までの帰宅経路地図を作り、 休憩場所などを確認しましょう。 携帯電話等の充電器は、電池式、ソーラー式など使い勝手により用意しましょう。 現金(小銭)は、公衆電話を利用するために10円玉を用意しましょう。 11ページ 4 事業所における帰宅困難者対策 事業所経営者のみなさまへ 東日本大震災では、首都圏において公共交通機関の運行に多大な支障が生じました。 その結果、公共交通機関を使用して通勤・通学している人々の帰宅手段が閉ざされ、 約515万人の帰宅困難者が発生しました。 これらの帰宅困難者の課題を解決するには 個人や企業による自主的な取組を進めていくことが重要です。 そのために東京都は、平成24年に「東京都帰宅困難者条例」を制定し、 「帰宅困難者対策実施計画」を策定しました。 具体的な対策については「東京都帰宅困難者対策ハンドブック」や 都ホームページを参照し、対策を進めましょう。 1事業所における帰宅困難者対策のポイント @一斉帰宅の抑制 A施設内待機のための備蓄の確保(従業員3日分以上の飲料水・食料・必要物資) B備蓄の10%ルールなど、共助の推進(外部の帰宅困難者のため) C施設の安全確保 D安否確認・情報収集手段の確保 E混乱収拾後の帰宅ルールの策定 F上記などに関する事業所防災計画などの作成と訓練による検証 2問い合わせ先 都帰宅困難者対策全般東京都総務局総合防災部防災管理課03-5388-2485 事業所防災計画東京消防庁予防部防火管理課03-3212-2111 東京都帰宅困難者対策ポータルサイト 3東京都防災アプリ 「東京防災」「東京くらし防災」「災害時モード」の3つのモードで構成され、 防災ブック「東京防災」「東京くらし防災」の閲覧・検索でき、 オフラインにも対応しています。 クイズやゲーム、安否確認、防災情報を掲載した防災マップや自分が登録したエリアの 災害情報が確認できます。(多言語(英・中(簡・繁)・韓)版も一部コンテンツで利用 できます。 裏表紙 11 防災メモ 自分の必要な情報についてはメモをしておきましょう。 問い合わせ先 危機管理室災害対策 連絡先03-5432-2262 ファックス03-5432-3014 世田谷総合支所地域振興課地域振興・防災  連絡先03-5432-2831 ファックス03-5432-3032 北沢総合支所地域振興課地域振興・防災  連絡先03-5478-8028 ファックス03-5478-8004 玉川総合支所地域振興課地域振興・防災  連絡先03-3702-1603 ファックス03-3702-0942 砧総合支所地域振興課地域振興・防災  連絡先03-3482-2169 ファックス03-3482-1655 烏山総合支所地域振興課地域振興・防災  連絡先03-3326-9249 ファックス03-3326-1050