世田谷区国民保護計画 [本 編] 令和3年3月修正 世田谷区  目次 第1章  総論 3 第1節 区の責務、計画の位置づけ、構成等 3 1 国民保護措置の実施 3 2 区の責務及び区国民保護計画の位置づけ 4 3 区国民保護計画の基本的な考え方 4 4 区国民保護計画の構成 5 5 区国民保護計画の見直し、変更手続 5 第2節 国民保護措置に関する基本方針 6 1 基本的人権の尊重 6 2 国民の権利・利益の迅速な救済 6 3 国民に対する情報提供 6 4 関係機関相互の連携協力の確保 6 5 国民の協力 6 6 要配慮者への配慮及び国際人道法の的確な実施 6 7 指定公共機関及び指定地方公共機関の自主性の尊重 6 8 国民保護措置に従事する者等の安全の確保 7 9 外国人への国民保護措置の適用 7 第3節 関係機関の事務又は業務の大綱等 8 第4節 世田谷区の概況 10 1 世田谷区の地勢 10 2 人口・産業 11 第5節 区の国民保護計画が対象とする事態 13 1 想定する事態類型 13 2 武力攻撃事態の特徴 14 3 緊急対処事態の特徴 16 4 NBCを使用した攻撃の特徴 17 5 緊急対処事態に関する読み替え 18 第2章 平素からの備え 21 第1節 組織・体制の整備等 21 第1 区組織・体制の整備 21 1 区の各部等における平素からの備え 21 2 区職員の参集基準等 26 3 消防の初動体制の把握等 29 4 国民の権利・利益の救済に係る手続 29 第2 関係機関との連携体制の整備 30 1 基本的考え方 30 2 都との連携 30 3 近接区市との連携 31 4 指定公共機関等との連携 31 5 事業所に対する支援 32 6 自主防災組織等に対する支援 32 第3 通信連絡体制の整備 33 1 非常通信体制の整備 33 2 非常通信体制の確保 33 第4 情報収集・提供等の体制整備 35 1 基本的考え方 35 2 警報等の伝達に必要な準備 35 3 安否情報の収集、整理及び提供に必要な準備 37 4 被災情報の収集・報告に必要な準備 39 5 広報及び広聴 40 第5 特殊標章等の整備 41 第6 研修及び訓練 43 1 研修 43 2 訓練 43 第2節 避難、救援及び武力攻撃災害への対処に関する平素からの備え 45 1 避難に関する基本的事項 45 2 避難実施要領のパターンの作成 47 3 救援に関する基本的事項 47 4 運送事業者の輸送力・輸送施設の把握等 47 5 避難施設の指定への協力 51 6 生活関連等施設の把握等 51 第3節 物資及び資材の備蓄、整備 53 1 区における備蓄 53 2 区が管理する施設及び設備の整備及び点検等 54 第4節 要配慮者の支援体制の整備 55 1 要配慮者支援 55 2 地域等との連携 55 3 社会福祉法人施設等の活用等 55 4 外国人に対する配慮 55 5 ボランティア等との連携 55 第5節 国民保護に関する啓発 56 1 国民保護措置に関する啓発 56 2 住民がとるべき行動等に関する啓発 56 第3章 武力攻撃事態等への対処 59 第1節 初動連絡体制の迅速な確立及び初動対応 59 1 事態認定前における危機管理対策委員会の設置及び初動対応 59 2 武力攻撃等の兆候に関する連絡があった場合等の対応 62 第2節 区対策本部の設置等 63 1 区対策本部の設置 63 2 区国民保護対策本部の組織等 65 3 通信の確保 76 4 特殊標章等の交付及び管理 76 第3節 関係機関相互の連携 77 1 国・都の対策本部との連携 77 2 都知事、指定行政機関の長、指定地方行政機関の長等への措置要請等 77 3 自衛隊の部隊等の派遣要請の求め等 78 4 他の区市町村長等に対する応援の要求、事務の委託 78 5 指定行政機関の長等に対する職員の派遣要請 79 6 区の行う応援等 79 7 自主防災組織等に対する支援等 80 8 住民への協力の要請 80 第4節 国民の権利・利益の救済に係る手続き等 81 1 国民の権利・利益の迅速な救済 81 2 国民の権利・利益に関する文書の保存 81 第5節 警報及び避難の指示等 82 第1 警報の伝達等 82 1 警報の内容の伝達・通知の手順 82 2 警報の内容の伝達・通知 82 3 警報の内容の伝達方法 83 4 緊急通報の伝達及び通知 84 第2 避難住民の誘導等 86 1 避難の指示の伝達 86 2 避難の指示に係る手順 86 3 避難実施要領の策定 87 4 避難住民の誘導 91 5 想定される避難の形態と区による誘導 94 6 特にNBCを使用した攻撃の場合の避難上の留意点 102 第6節 救援 103 1 救援の実施 103 2 関係機関との連携 103 3 救援の程度及び方法の基準 103 4 救援の内容 104 第7節 安否情報の収集・提供 108 1 安否情報の収集 108 2 都に対する報告 110 3 安否情報の照会に対する回答 110 4 日本赤十字社に対する協力 112 第8節 武力攻撃災害への対処 113 第1 武力攻撃災害への対処 113 1 武力攻撃災害への対処の基本的考え方 113 2 武力攻撃災害の兆候の通報 113 第2 応急措置等 114 1 退避の指示 114 2 警戒区域の設定 117 3 応急公用負担等 118 4 消防に関する措置等 119 第3 生活関連等施設における災害への対処等 120 1 生活関連等施設の安全確保 120 2 危険物質等に係る武力攻撃災害の防止及び防除 120 第4 NBC攻撃による災害への対処等 122 1 NBC攻撃による災害への対処 122 2 区長の権限と要員の安全確保 123 第9節 被災情報の収集及び報告 125 第10節 保健衛生の確保その他の措置 127 1 保健衛生の確保 127 2 災害廃棄物の処理 128 3 し尿等の処理 128 第11節 国民生活の安定に関する措置 129 1 生活関連物資等の価格安定 129 2 避難住民等の生活安定等 129 3 生活基盤等の確保 129 第4章 復旧・復興 133 第1節 応急の復旧 133 1 基本的考え方 133 2 公共的施設の応急の復旧 133 第2節 武力攻撃災害の復旧・復興 134 第3節 国民保護措置に要した費用の支弁等 135 1 国民保護措置に要した費用の支弁、国への負担金の請求 135 2 損失補償及び損害補償 136 3 総合調整及び指示に係る損失の補てん 136 第5章 他区市町村からの避難住民等の受入れ 139 1 基本的考え方 139 2 受入態勢の整備 140 3 避難誘導への協力 140 4 救援 140 5 安否情報の収集・提供 140 6 避難や救援等における備え 140 第6章 大規模テロ等(緊急対処事態)への対処 143 第1節 基本的考え方 143 1 緊急対処事態 143 2 区緊急対処事態対策本部(本章では「区対策本部」という。)設置指定前における事案発生への対処 144 第2節 初動対応力の強化 145 1 危機管理体制の強化 145 2 対処マニュアルの整備 145 3 発生現場における連携協力のための体制づくり 146 4 不特定多数の人々への情報伝達手段の確保 146 5 装備・資材の調達 146 6 訓練等の実施 146 7 住民・昼間区民への啓発 146 第3節 平時における警戒 147 1 危機情報等の把握・活用 147 2 危機情報等の共有 147 3 警戒対応 147 第4節 発生時の対処 148 1 区対策本部の設置指定が行われている場合 148 2 区対策本部の設置指定が行われていない場合 148 3 区災害対策本部等による対応 149 4 区対策本部への移行 151 第5節 大規模テロ等の類型に応じた対処 152 1 危険物質を有する施設への攻撃 152 2 大規模集客施設等への攻撃 152 3 大量殺傷物質による攻撃(ダーティボム) 153 4 大量殺傷物質による攻撃(生物剤) 154 5 大量殺傷物質による攻撃(化学剤) 155 6 交通機関を破壊手段とした攻撃 155 用語集 157 索引 168 第1章  総論 第1節 区の責務、計画の位置づけ、構成等 区は、住民の生命、身体及び財産を保護する責務にかんがみ、国民の保護のための措置を的確かつ迅速に実施するため、以下のとおり、区の責務を明らかにするとともに、区の国民の保護に関する計画の趣旨、構成等について定める。 1 国民保護措置の実施 ○ 武力攻撃事態又は武力攻撃予測事態に至ったとき、政府は、武力攻撃事態等への対処に関する基本的な方針(以下「対処基本方針」という。)を定め、内閣総理大臣を本部長とする事態対策本部を設置し、国民保護措置を総合的に推進することとしている。 ○ 都道府県及び区市町村は、閣議決定による設置指定に基づき、それぞれの首長を本部長とする国民保護対策本部を設置し、それぞれの国民保護計画で定めるところにより、国民保護措置を実施する。 【武力攻撃事態等の発生から国民保護措置実施までの基本的な流れ】 2 区の責務及び区国民保護計画の位置づけ (1) 区の責務 区(区長及びその他の執行機関をいう。以下同じ。)は、武力攻撃事態等において、武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律(以下「国民保護法」という。)その他の法令、国民の保護に関する基本指針(平成17年3月閣議決定。以下「基本指針」という。)及び都の国民の保護に関する計画(以下「都国民保護計画」という。)を踏まえ、区の国民の保護に関する計画(以下「区国民保護計画」という。)に基づき、区民の協力を得つつ、他の機関と連携協力し、自ら国民の保護のための措置(以下「国民保護措置」という。)を的確かつ迅速に実施し、その区域において関係機関が実施する国民保護措置を総合的に推進する。 (2) 区国民保護計画の位置づけ 区は、その責務にかんがみ、国民保護法第35条の規定に基づき、区国民保護計画を作成する。 (3) 区国民保護計画に定める事項 区国民保護計画においては、その区域に係る国民保護措置の総合的な推進に関する事項、区が実施する国民保護措置に関する事項等国民保護法第35条第2項 各号に掲げる事項について定める。 3 区国民保護計画の基本的な考え方 (1) 武力攻撃事態等の8類型への対処 区国民保護計画は、武力攻撃事態等として8類型を想定(P13 第5節 1 参照)し、それらへの対処方針を示すものである。 区は、区国民保護計画で定めるところにより、国民保護措置を実施することを基本とし、事態の状況に応じて柔軟に対処する。 (2) テロへの対処を重視 区国民保護計画は、都国民保護計画を踏まえ、緊急対処事態(大規模なテロ等)への対処を重視する。 (3) 武力攻撃事態等認定前の事態への対処 区国民保護計画は、予測不可能なテロ等により災害が発生する場合も想定し、政府による事態認定前における対処の方針を含めた計画とする。 認定前については、「世田谷区危機管理基本マニュアル」や災害対策基本法などの既存の仕組みを活用して必要な措置を実施する。 (4) 災害対策等の仕組みを活用 区国民保護計画の策定にあたっては、武力攻撃事態等に迅速かつ的確に対処する観点から、「世田谷区危機管理基本マニュアル」や「世田谷区地域防災計画」等既存の災害対策の仕組みの活用を図る。 また、区は、国民保護措置を実施するための組織・体制の整備、救援物資等の備蓄、訓練の実施等にあたり、災害対策との有機的な連携に配慮する。 4 区国民保護計画の構成 区国民保護計画は、以下の各章により構成する。 第1章 総論 第2章 平素からの備え 第3章 武力攻撃事態等への対処 第4章 復旧・復興 第5章 他区市町村からの避難住民等の受入れ 第6章 大規模テロ等(緊急対処事態)への対処 資料編 5 区国民保護計画の見直し、変更手続 (1) 区国民保護計画の見直し 区国民保護計画については、今後、国における国民保護措置に係る研究成果や新たなシステムの構築、都国民保護計画の見直し、国民保護措置についての訓練の検証結果等を踏まえ、不断の見直しを行う。 区国民保護計画の見直しに当たっては、世田谷区国民保護協議会(以下、「区国民保護協議会」という。)に諮るとともに、広く関係者の意見を求める。 (2) 区国民保護計画の変更手続 区国民保護計画の変更に当たっては、計画策定時と同様、国民保護法第39条第3項の規定に基づき、区国民保護協議会に諮問のうえ、都知事に協議し、区議会に報告し、公表する。 ただし、武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律施行令(以下「国民保護法施行令」という。)で定める軽微な変更については、区国民保護協議会への諮問及び都知事への協議は要しない。 第2節 国民保護措置に関する基本方針 区は、国民保護措置を的確かつ迅速に実施するに当たり、特に留意すべき事項について、以下のとおり定める。 1 基本的人権の尊重 区は、国民保護措置の実施に当たっては、日本国憲法の保障する国民の自由と権利を尊重することとし、国民の自由と権利に制限が加えられるときであっても、その制限は必要最小限のものに限り、公正かつ適正な手続の下に行う。 2 国民の権利・利益の迅速な救済 区は、国民保護措置の実施に伴う損失補償、国民保護措置に係る不服申立て又は訴訟その他の国民の権利利益の救済に係る手続を、できる限り迅速に処理するよう努める。 3 国民に対する情報提供 区は、武力攻撃事態等においては、国民に対し、国民保護措置に関する正確な情報を、適時に、かつ、適切な方法で提供する。 4 関係機関相互の連携協力の確保 区は、国、都、近隣区市並びに関係指定公共機関及び関係指定地方公共機関と平素から相互の連携体制の整備に努める。 また、区は神奈川県川崎市と多摩川を介して隣接していることから、川崎市との連携体制について考慮する。 5 国民の協力 区は、国民保護法の規定により国民保護措置の実施のため必要があると認めるときは、国民に対し、必要な援助について協力を要請する。この場合において、国民は、その自発的な意思により、必要な協力をするよう努めるものとする。 また、区は、自主防災組織の充実・活性化、ボランティアへの支援に努める。 6 要配慮者への配慮及び国際人道法の的確な実施 区は、国民保護措置の実施に当たっては、高齢者、障害者等要配慮者の保護について留意する。 また、区は、国民保護措置を実施するに当たっては、国際的な武力紛争において適用される国際人道法の的確な実施を確保する。 7 指定公共機関及び指定地方公共機関の自主性の尊重 区は、指定公共機関及び指定地方公共機関の国民保護措置の実施方法については、指定公共機関及び指定地方公共機関が武力攻撃事態等の状況に即して自主的に判断するものであることに留意する。 8 国民保護措置に従事する者等の安全の確保 区は、国民保護措置に従事する者の安全の確保に十分に配慮するものとする。また、要請に応じて国民保護措置に協力する者に対しては、その内容に応じて安全の確保に十分に配慮する。 9 外国人への国民保護措置の適用 区は、日本に居住し、又は滞在している外国人についても、武力攻撃災害等から保護すべきことに留意する。 第3節 関係機関の事務又は業務の大綱等 区は、国民保護措置の実施に当たり関係機関との円滑な連携を確保できるよう、国民保護法における区の役割を確認するとともに、関係機関の連絡窓口をあらかじめ把握しておく。 ○国民保護措置の全体の仕組み 国民保護に関する業務の全体像 ○区の事務 1 国民保護計画の作成 2 国民保護協議会の設置、運営 3 国民保護対策本部及び緊急対処事態対策本部の設置、運営 4 組織・体制の整備、訓練 5 警報の伝達、避難実施要領の策定、避難住民の誘導、関係機関の調整その他の住民の避難に関する措置の実施 6 救援の実施、安否情報の収集及び提供その他の避難住民等の救援に関する措置の実施 7 退避の指示、警戒区域の設定、廃棄物の処理、被災情報の収集その他の武力攻撃災害への対処に関する措置の実施 8 生活基盤等の確保、その他の国民生活の安定に関する措置の実施 9 武力攻撃災害の復旧に関する措置の実施 ○都の事務(都国民保護計画より) 1 国民保護計画の作成 2 国民保護協議会の設置、運営 3 国民保護対策本部及び緊急対処事態対策本部の設置、運営 4 組織・体制の整備、訓練 5 警報の通知 6 住民に対する避難の指示、避難住民の誘導に関する措置、都道府県の区域を越える住民の避難に関する措置その他の住民の避難に関する措置の実施 7 救援の実施、安否情報の収集及び提供その他の避難住民等の救援に関する措置の実施 8 武力攻撃災害の防除及び軽減、緊急通報の発令、退避の指示、警戒区域の設定、保健衛生の確保、被災情報の収集その他の武力攻撃災害への対処に関する措置の実施 9 生活基盤等の確保、生活関連物資等の価格の安定等のための措置その他の国民生活の安定に関する措置の実施 10 交通規制の実施 11 武力攻撃災害の復旧に関する措置の実施 第4節 世田谷区の概況 1 世田谷区の地勢 (1) 位置と面積 ○ 世田谷区は、東京都区部の西端に位置し、東は目黒区・渋谷区に、北は杉並区・三鷹市に、西は調布市・狛江市に、そして南は大田区に接し、さらに多摩川を挟んで神奈川県に対している。 ○ 地形的な位置では、世田谷区は、関東平野の南西部にある武蔵野台地の南東部にあり、この台地と多摩川沿いの沖積平野にまたがっている。 ○ 面積は、58.05km2であり、23区の中で2番目に広い。ほぼ平行四辺形をなしており、東西約9km、南北約8kmである。 (2) 地形 ○ 世田谷区の標高の最低部分は、多摩川の西方の沖積地で約10m、高い部分は台地面で35~45mである。低地と台地の間には、多摩川に沿って成城付近から南東に大蔵・瀬田を通って尾山台に至る高度差約20mの急な崖がある。 ○ 台地面は、仙川、野川、谷沢川、呑川、九品仏川、蛇崩川、烏山川、北沢川などによって樹枝状に浸食され、丘や谷の起伏ができている。 ○ 世田谷区の台地は、武蔵野台地の一部である。武蔵野台地は、西の青梅市を頂点として、東の東京湾に向かって開けた古多摩川の扇状地であるが、ただ単なる扇状地ではない。いくつかの段丘面がみられ、下末吉段丘(淀橋台、荏原台、田園調布台はこの中に含まれる。)、武蔵野段丘、沖積面などがあって複雑である。通常武蔵野台地という場合は、上記の諸段丘面をさしている。 (3) 地質 ○ 武蔵野段丘の地表面は、関東ローム層であり、数メートルの厚さに覆われ、その下に武蔵野礫層がある。それより下には東京層、さらにその下に三浦層群があるが、場所によって多少の違いがある。等々力渓谷では東京層の露出が見られる。立川段丘も古多摩川の堆積物からなっている。 ○ 淀橋台、荏原台の地質は武蔵野段丘や立川段丘のものと違い、厚いローム層の下に海成の砂、泥からなる東京層があることから、海底面が陸地になった部分とみられる。 ○ 低平な沖積地は、多摩川と台地を浸食して流れるいくつかの川の作用でできたもので土、砂、礫からなっている。   〔世田谷区の地層表〕 図表略 *「安心して住めるまちづくりを」平成15年2月 世田谷区 2 人口・産業 (1) 人口 〔人口と世帯 (平成31年1月1日現在)〕 図表略 *「世田谷区統計書」平成30年度版(2018) 世田谷区 〔昼夜間人口〕(平成27年国勢調査による 東京都の昼間人口(従業地・通学地による人口)) 図表略   (2) 産業・都市施設等 ① 産業 工業 (平成30年工業統計調査) 事業所数 138 従業者数 2,015人 商業 (平成26年経済センサス基礎調査) 卸売業,小売業 7,253 従業者数 59,223人 農業 (平成30年度農家基本調査) 農家戸数 318戸 農家世帯員数 708人 経営耕地面積 85.89ha 田 0ha 普通畑 85.89ha ② 都市施設等 ア 道路 (平成31年4月1日現在) 図表略 *令和元年度世田谷区土木施設現況調書  イ 河川(平成31年4月1日現在) 総延長 51,630m 1級 27,920m 2級 23,710m *令和元年度 世田谷区土木施設現況調書 ウ 公園・身近な広場 (平成31年4月1日現在) 区立都市公園 424か所 1,614,870 m2 身近な広場 125か所 133,340m2 市民緑地 13か所 16,878m2 区内都立公園 4か所 921,707m2 1人当たり面積 2.94㎡ *令和元年度 世田谷区土木施設現況調書 第5節 区の国民保護計画が対象とする事態 区国民保護計画においては、以下のとおり都国民保護計画において想定されている武力攻撃事態4類型及び緊急対処事態4類型を対象とする。また、それぞれの類型において、NBC兵器等(*)を用いた攻撃が行われる可能性があることも考慮する。 (*)N:核(物質)Nuclear、B:生物剤Biological、C:化学剤Chemical 1 想定する事態類型 区国民保護計画においては、武力攻撃事態及び緊急対処事態として、都国民保護計画において想定されている事態を対象とする。なお、基本指針においては、以下に掲げる各4類型が対象として想定されている。 事 態 事 態 類 型 武力攻撃事態 ① 着上陸侵攻 ② ゲリラや特殊部隊による攻撃 ③ 弾道ミサイル攻撃 ④ 航空攻撃 緊急対処事態 (大規模テロ等) ① 危険物質を有する施設への攻撃 (ガスホルダー等に対する攻撃) ② 大規模集客施設等への攻撃  (ターミナル駅、列車等への攻撃) ③ 大量殺傷物質による攻撃  (炭そ菌、サリン等を使用した攻撃など) ④ 交通機関を破壊手段とした攻撃  (航空機による多数の死傷者を伴う自爆テロ等の攻撃) (1) 本計画では、世界の首都や大都市で大規模なテロが多く発生している状況を踏まえ、緊急対処事態(大規模なテロ等)への対処を重視する。 (2) また、大都市東京に大きな影響を与えかねないサイバーテロについても、今後の検討課題とする。 2 武力攻撃事態の特徴 武力攻撃事態とは、我が国に対する外部からの武力攻撃が発生した事態、又は武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められる事態をいう。 ○類型ごとの主な特徴は、次のとおりである。 事態の類型 特 徴 1 着上陸侵攻 ・ 多数の船舶等をもって沿岸部に直接上陸して、我が国の国土を占領する攻撃 《攻撃目標となりやすい地域》 船舶により上陸を行う場合は、上陸用の小型船舶等が接岸容易な地形を有する沿岸部が当初の侵攻目標となりやすいと考えられる。 航空機により侵攻部隊を投入する場合には、大型の輸送機が離着陸可能な空港が存在する地域が目標となる可能性が高く、当該空港が上陸用の小型船舶等の接岸容易な地域と近接している場合には特に目標となりやすいと考えられる。なお、着上陸侵攻の場合、それに先立ち航空機や弾道ミサイルによる攻撃が実施される可能性が高いと考えられる。 《想定される主な被害》 主として、爆弾、砲弾等による家屋、施設等の破壊、火災等が考えられ、石油コンビナートなど、攻撃目標となる施設の種類によっては、二次被害の発生が想定される。 《被害の範囲・期間》 一般的に国民保護措置を実施すべき地域が広範囲になるとともに、その期間も比較的長期に及ぶことが予想される。 《事態の予測・察知》 攻撃国の船舶、戦闘機の集結の状況、進行方向等から、事前予測が可能である。 2 ゲリラや特殊部隊による攻撃 ・ 比較的少数の特殊部隊等を潜入させ、重要施設への襲撃や要人の暗殺等を実施する攻撃 《攻撃目標となりやすい地域》 都市部の政治経済の中枢、鉄道、橋りょう、ダム、原子力関連施設などに対する注意が必要である。 《想定される主な被害》 少人数のグループにより行われ、使用可能な武器も限定されることから、主な被害は施設の破壊等が考えられる。 《被害の範囲・期間》 被害の範囲は比較的狭い範囲に限定されるのが一般的であるが、攻撃目標となる施設の種類によっては、二次被害の発生も想定される。 《事態の予測・察知》 警察、自衛隊等による監視活動等により、その兆候の早期発見に努めることとなるが、事前にその活動を予測あるいは察知できず、突発的に被害が生ずることも考えられる。 3 弾道ミサイル攻撃 ・ 弾道ミサイルを使用して我が国を直接打撃する攻撃 《攻撃目標となりやすい地域》 発射の兆候を事前に察知した場合でも、発射された段階で攻撃目標を特定することは極めて困難である。 《想定される主な被害》 通常弾頭の場合にはNBC弾頭の場合と比較して被害は局限され家屋施設等の破壊、火災等が考えられる。 《被害の範囲・期間》 弾頭の種類(通常弾頭又はNBC弾頭)により、被害の様相が大きく異なる。ただし、着弾前に弾頭の種類を特定することは困難である。 《事態の予測・察知》 発射後、極めて短時間で我が国に着弾することが予想される。 4 航空攻撃 ・ 爆撃機及び戦闘機等で我が国領空に侵入し、爆弾等を投下する攻撃 《攻撃目標となりやすい地域》 航空攻撃を行う側の意図及び弾薬の種類等により異なるが、その威力を最大限に発揮することを敵国が意図すれば、都市部が主要な目標となることも想定される。また、ライフラインのインフラ施設が目標となることもあり得る。 《想定される主な被害》 通常弾頭の場合には、家屋、施設等の破壊、火災等が考えられる。 《被害の範囲・期間》 航空攻撃はその意図が達成されるまで繰り返し行われることも考えられる。 《事態の予測・察知》 弾道ミサイル攻撃の場合に比べその兆候を察知することは比較的容易であるが、対応の時間が少なく、また攻撃目標を特定することが困難である。 3 緊急対処事態の特徴 緊急対処事態とは、武力攻撃の手段に準ずる手段を用いて、多数の人を殺傷する行為が発生した事態、又は発生する明白な危険が切迫していると認められる事態で、国家として緊急に対処することが必要なものをいう。 また、本計画では、世界の首都や大都市で大規模なテロが多く発生している状況や、国内外の注目が集まる東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会への危機管理の視点を踏まえ、緊急対処事態(大規模なテロ等)への対処を重視していく。 ○事態ごとの主な特徴は、次のとおりである。 事態の類型 特 徴 1 危険物質を有する施設への攻撃 原子力事業所等の破壊が行われた場合、大量の放射性物質等が放出され、周辺住民が被ばくするとともに、汚染された飲食物を摂取した住民が被ばくする。(都内には原子力事業所等は存在しない。) 石油コンビナート及び可燃性ガス貯蔵施設等が爆破された場合、爆発及び火災の発生により住民に被害が発生するとともに、建物、ライフライン等が被災し、社会経済活動に支障が生ずる。 危険物積載船への攻撃が行われた場合、危険物の拡散による沿岸住民への被害が発生するとともに、港湾及び航路の閉塞、海洋資源の汚染等社会経済活動に支障が生ずる。 ダムの破壊が行われた場合、下流に及ぼす被害(水害)は多大なものとなる。 2 大規模集客施設等への攻撃 大規模集客施設(ターミナル駅、劇場、大規模な商業施設など)や列車等の爆破が行われた場合、爆破による人的被害が発生し、施設が崩壊した場合には人的被害は多大なものとなる。 3 大量殺傷物質による攻撃 4の「NBCを使用した攻撃」(次頁)と同様の被害を発生させる。 4 交通機関を破壊手段としたテロ 航空機等による自爆テロが行われた場合、主な被害は施設の破壊に伴う人的被害であり、施設の規模によって被害の大きさが変わる。 攻撃目標の施設が破壊された場合、周辺にも大きな被害が発生するおそれがある。 爆発、火災等の発生により住民に被害が発生するとともに、建物、ライフライン等が被災し、社会経済活動にも支障が生ずる。 4 NBCを使用した攻撃の特徴 武力攻撃事態、緊急対処事態の各類型において、NBC攻撃(核等又は生物剤若しくは化学剤を用いた兵器等による攻撃を言う。以下同じ。)が行われることも考慮する。 ○類型ごとの主な特徴は、次のとおりである。 種 別 特 徴 1 核兵器等 ・ 核兵器を用いた攻撃による被害は、当初は主に核爆発に伴う熱線、爆風及び初期核放射線によって、その後は放射性降下物(灰等)や初期核放射線を吸収した建築物や土壌から発する放射によって生ずる。 ・ ダーティボムは、爆薬と放射性物質を組み合わせたもので、核兵器に比して小規模ではあるが、爆薬による爆発の被害と放射能による被害をもたらす。 ・ 放射性物質又は放射線の存在は五感では感知できない。 ・ 原因となる放射性物質や放射線種の特定が困難である。 2 生物兵器等 ・ 人に知られることなく散布することが可能である。 ・ 生物兵器が使用されたと判明した時には、感染者が移動することにより、二次的な感染を引き起こし、広範囲に多数の感染者が発生するおそれがある。 ・ 生物兵器としては、一般的に、天然痘、炭疽菌、ペスト等があげられている。 3 化学兵器等 ・ 急性症状を有する死傷者が発生するが、原因物質の特定は困難である。 ・ 建物屋内や交通機関内部など閉鎖的な空間で発生した場合、多数の死傷者が発生する可能性がある。 ・ 地形・気象等の影響を受けて、風下方向に拡散し、空気より重いサリン等の神経剤は地をはうように広がる。 ・ 特有のにおいがあるもの、無臭のもの等、その性質は化学剤の種類によって異なる。 ・ 化学兵器としては、一般的に、サリン、VXガス、マスタードガス、イペリット等があげられている。 5 緊急対処事態に関する読み替え 区国民保護計画における「武力攻撃事態等」には、緊急対処事態を含む。また「緊急対処事態」の場合は、次表のように読み替えるものとする。 武力攻撃事態の場合 緊急対処事態の場合 対処基本方針 緊急対処事態対処方針 国民保護措置 緊急対処保護措置 国民保護対策本部 緊急対処事態対策本部 国民保護対策本部長 緊急対処事態対策本部長 なお、次の規定については、緊急対処事態においては準用されない。 ・ 事態対策本部長の総合調整の権限に関する規定 ・ 内閣総理大臣の指示・代執行権に関する規定 ・ 国際人道法に関する規定 ・ 特殊標章等に関する規定 ・ 生活関連物資等の価格の安定、金銭債務の支払猶予等に関する規定 第2章 平素からの備え 第1節 組織・体制の整備等 第1 区組織・体制の整備 区は、国民保護措置を的確かつ迅速に実施するため、国民保護措置の実施に必要な組織及び体制、職員の配置及び服務基準等の整備を図る必要があることから、以下のとおり、各部の平素からの備えについて定める。 1 区の各部等における平素からの備え 区の各部等は、国民保護措置を的確かつ迅速に実施するため、その準備に係る業務を行う。 区各部等における平素からの準備に係る業務の内容は、次のとおりとする。 【区各部等における平素からの備え】 危機管理部 政策経営部ICT推進課 選挙管理委員会事務局 1) 区国民保護対策本部(現地対策本部含む。)の設置・運営に関すること。 2) 国民保護措置に係る区の対処方針の策定に関すること。 3) 国民保護対策の総合調整に関すること。 4) 国民保護協議会の運営に関すること。 5) 東京都及び関係機関との連絡体制の整備に関すること。 6) 協力協定団体への協力体制の整備に関すること。 7) 危機情報及び被災情報の収集・提供体制の整備に関すること。 8) 防災行政無線システムの運用管理及び復旧に関すること。 9) 安否情報の収集・提供の総括に関すること。 10) 特殊標章等の交付・管理(消防職員及び消防団員を除く。)に関すること。 11) 避難実施要領・避難住民の復帰に関する要領の作成に関すること。 12) 住民に対する警報の内容の伝達及び緊急通報の内容の伝達に関すること。 13) 国民保護措置についての研修・訓練の総括に関すること。 14) 退避の指示及び警戒区域の設定に関すること。 15) 救援の総括に関すること。 総務部 庁舎整備担当部 1) 本庁舎来庁者の救護及び避難誘導の体制整備に関すること。 2) 本庁舎の管理及び保全に関すること。 3) 被害状況報告の集計及び資料作成の総括に関すること。 4) 区議会との連絡その他渉外に関すること。 5) 職員の配置調整、服務及び給与に関すること。 6) 職員の被災状況の調査に関すること。 7) 職員の給食に関すること。 8) 職員の医療救護及び公務災害に関すること。 9) 工作物等の保管の公示に関すること。 10) 国民保護措置に係る損失補償、不服申立て、訴訟等に関すること。 区議会事務局 1) 区議会議員との連絡に関すること。 区長室 1) 区長及び副区長との連絡に関すること。 政策経営部(ただしICT推進課を除く) 財政担当部 交流推進担当部 監査事務局 1) 広報及び広聴に関すること。 2) 報道機関との連絡に関すること。 3) 国民保護対策関係予算に関すること。 4)各災対地域本部への支援に関すること。 財務部 会計室 1) 車両等の調達及び配分に関すること。 2) 物資及び資器材の調達、輸送及び配分並びに備蓄物資の輸送及び配分の総括に関すること。 3) 給水活動に関すること。 4) 国民保護措置に必要な経費及び物品の出納に関すること。 施設営繕担当部 1) 公共建築物の被害状況把握及び危険度判定に関すること。 世田谷 北 沢 玉 川 砧 烏 山    各総合支所 1) 総合支所庁舎の管理及び保全に関すること。 2) 拠点隊への指示及び支援に関すること。 3) 来庁者、施設利用者及び被災者の救護及び避難誘導の体制整備に関すること。 4) 罹災証明、火葬許可証等の発行の調整に関すること。 5) 武力攻撃災害状況の調査及び情報収集の体制整備に関すること。 6) 救援物資、応急食料、飲料水その他資器材の輸送及び配布に関すること。 7) 物資集積場の管理に関すること。 8) 医療救護所の設置及び運営に関すること。 9) 避難所の設置及び運営に関すること。 10) 広域避難場所の運用に関すること。 11) 拠点隊の応援に関すること。 12) 道路、河川、橋りょう、溝渠、水門等の状況に係る情報収集に関すること。 13) 道路、河川等の障害物の除去に係る情報収集に関すること。 14) 遺体の捜索、収容及び埋葬に係る情報収集に関すること。 15) 遺体収容所の設置、運営等の統括に関すること。 16) 安否情報の収集に関すること。 17) 要配慮者の安否確認に関すること。 18) 被災区民への総合的な福祉サービスの提供に関すること。 19) 総合相談窓口の設置に関すること。 20) 二次避難所の入所に関すること。 21) 各被災地の医療衛生状況の把握及び国民保護対策医療衛生部との調整に関すること。 まちづくりセンター 1) 来庁者、施設利用者及び被災者の救護及び避難誘導に関すること。 2) 武力攻撃災害状況の調査及び情報収集に関すること。 3) 安否情報の収集に関すること。 生活文化政策部 地域行政部 スポーツ推進部 1) 義援金品の受領及び配分に関すること。 2) 日本赤十字社東京都支部との連絡体制の整備に関すること。 3) 帰宅困難者対策に関すること。 4) 外国人災害時情報センターの設置に関すること。 5) 他自治体との連絡体制の整備に関すること。 6) 安否情報の収集・提供体制の整備に関すること。 7) 生活再建の支援、広域火葬実施の調整及び罹災証明の発行に係る総合調整に関すること。 環境政策部 1) 環境保全調査及び対策に関すること。 経済産業部 1) 区内事業者の被害状況調査及び支援に関すること。 清掃・リサイクル部 1) ごみの収集及び処理に関すること。 2) し尿の収集及び処理に関すること。 3) がれきの処理に関すること。 保健福祉政策部 障害福祉部 高齢福祉部 1) ボランティアに関する総合調整に関すること。 2) 要配慮者への支援に関する総合調整に関すること。 3) 二次避難所の設置及び運営に関すること。 4) 各災対地域本部への支援に関すること。 子ども・若者部 児童相談所 保育部 1) 保育施設の整備点検及び応急復旧に関すること。 2) 他部に対する応援のための体制整備に関すること。 3) 乳幼児対策に関すること。 世田谷保健所 1) 医師会、歯科医師会、薬剤師会その他の医療関係団体への協力要請等に関すること。 2) 被災地の総合衛生対策に関すること。 3) 危険物質の汚染拡大の防止措置に関すること。 都市整備政策部 防災街づくり担当部 1) 被災建築物の応急危険度判定に係る総合調整に関すること。 2) 住家の被害状況調査の総合調整に関すること。 みどり33推進担当部 1) 公園及び身近な広場の点検及び応急復旧の連絡調整に関すること。 道路・交通計画部 1) 土木・建築関係民間協力団体への協力要請に関すること。 2) 道路の応急復旧及び障害物の除去の連絡調整に関すること。 3) 遺体の捜索、収容及び埋葬に関すること。 4) 道路、河川、橋りょう、溝渠、水門等の点検整備及び応急復旧に関すること。 5) 道路、河川等の障害物の除去に関すること。 6) 水防活動に関すること。 7) 土地、建物その他の工作物の一時使用又は土石、竹木その他の物件の使用若しくは収用並びに工作物等の除去及び保管に関すること。 8) 警戒区域への立入り制限又は禁止及び警戒区域からの退去命令に関すること。 9) 公共交通機関との連絡調整に関すること。 土木部 1) 公共土木施設の点検、応急復旧及び障害物の除去の連絡調整に関すること。 2) 道路の応急復旧及び障害物の除去の連絡調整に関すること。 3) 遺体の捜索、収容及び埋葬に関すること。 4) し尿処理の総合調整に関すること。 5) 道路、河川、橋りょう、溝渠、水門等の点検整備及び応急復旧に関すること。 6) 道路、河川等の障害物の除去に関すること。 7) 水防活動に関すること。 8) 土地、建物その他の工作物の一時使用又は土石、竹木その他の物件の使用若しくは収用並びに工作物等の除去及び保管に関すること。 9) 警戒区域への立入り制限又は禁止及び警戒区域からの退去命令に関すること。 教育総務部 教育政策部 生涯学習部 1) 武力攻撃災害時における応急教育に関すること。 2) 学校教育施設の整備点検及び応急復旧に関すること。 3) 学校機能の復旧及び調整に関すること。 4) 学校災害対策本部との連絡調整に関すること。 5) 避難所運営における各地域本部との協力に関すること。 6) 避難所における給食施設の調整に関すること。 ※ 国民保護に関する業務の総括、各部等間の調整及び企画立案等については、危機管理部災害対策課長等の国民保護担当責任者が行う。   【参考】関係機関における平素の業務 (東京都国民保護計画より参照) 東京消防庁 第三消防方面本部 世田谷消防署 玉川消防署 成城消防署 1) 消防活動体制の整備に関すること 2) 通信体制の整備に関すること 3) 情報収集・提供体制の整備に関すること 4) 消防団に関すること 5) 装備・資機材の整備に関すること 6) 特殊標章の交付・管理に関すること(※) 7) 生活関連等施設、危険物質等(消防法に関するものに限る。)取扱所の安全化対策に関すること 8) 事業所に対する避難等自主防災体制の指導に関すること 9) 避難住民の臨時の収容施設等に関する基準に関すること 10) 都民の防災知識の普及及び防災行動力の向上に関すること ※東京消防庁職員及び特別区の消防団員に限る。 警視庁 第三方面本部 世田谷警察署 北沢警察署 玉川警察署 成城警察署 1) 警備体制の整備に関すること 2) 情報収集・提供等の体制整備に関すること 3) 警備情報の収集に関すること 4) 通信体制の整備に関すること 5) 装備・資機材の整備に関すること 6) 交通規制に関すること 7) 生活関連等施設の安全確保の助言に関すること 8) 関係県警察との連携に関すること 2 区職員の参集基準等 (1) 職員の迅速な参集体制の整備  区は、武力攻撃災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合の初動対応に万全を期するため、武力攻撃事態等に対処するために必要な職員が迅速に参集できる体制を整備する。 (2) 24時間即応体制の確保 区は、武力攻撃等が発生した場合において、事態の推移に応じて速やかに対応する必要があるため、東京消防庁(消防署)との間で構築されている情報連絡体制を踏まえて当直等の強化(警戒待機管理職及び警備(巡視)の職員等が当直を行い、速やかに区長及び国民保護担当職員へ連絡が取れる体制も含む。)を行うなど、速やかに区長及び危機管理部職員に連絡が取れる24時間即応可能な体制を確保する。 (3) 区の体制及び職員の参集基準等 ア 区は、事態の状況に応じて適切な措置を講ずるため、下記の体制を整備するとともに、その参集基準を定める。 その際、区長の行う判断を常時補佐できる体制の整備に努める。 【職員参集基準】 ①情報連絡体制 (危機連絡会議体制) 危機管理部長 危機管理部職員 その他関連部署の職員 ②危機管理対策委員会体制 危機管理対策委員会の構成員(特別職、関係部長等) 危機管理部職員 その他関連部署の職員 ③区国民保護対策本部体制 ④区災害対策本部体制 本部長、本部員及び本部職員 (本部職員は、区地域防災計画に準じて別途定める「非常配備態勢」の基準に基づき参集する。) ※ 表中の①、②の参集する職員については、事態の状況に応じて関連各部署において判断する。 イ 政府による事態認定及び対策本部の設置の指定の有無、事態の状況等に応じて、全庁的にとる初動体制の基準については、次のとおりとする。 【事態の状況に応じた初動体制の確立】 事態認定有 本部設置 指定通知前 ・情報収集・分析等の対応が必要な場合等 ①情報連絡体制 (危機連絡会議体制) ・全庁的な情報の収集・分析、対応策の検討、総合調整が必要な場合等 ②危機管理対策委員会体制 本部設置 指定通知後 ・対策本部を設置し、国民保護措置を実施 ③国民保護対策本部体制 事態認定無 ・情報収集・分析等の対応が必要な場合等 ①情報連絡体制 (危機連絡会議体制) ・全庁的な情報の収集・分析、対応策の検討、総合調整が必要な場合等 ②危機管理対策委員会体制 ・突発的に事態が発生するなどにより、被害が災害対策基本法上の災害に該当するため、国民保護に準じた措置を実施する必要がある場合等 ④災害対策本部体制 ※ ①、②のいずれの体制をとるかの判断については、危機管理部長が、関連担当部長や副区長等と協議した結果を踏まえ、区長が行う。 【体制と設置者(招集者)】 体  制 設置者(招集者) ① 情報連絡体制(危機連絡会議体制) 危機管理部長 ② 危機管理対策委員会体制 区長 ③ 国民保護対策本部体制 区長 ④ 災害対策本部体制 区長 (4) 幹部職員等への連絡手段の確保 区の幹部職員及び危機管理部職員は、常時、参集時の連絡手段として、携帯電話を携行し、電話・メール等による連絡手段を確保する。 (5) 幹部職員等の参集が困難な場合の対応 区の幹部職員及び危機管理部職員が、交通の途絶、職員の被災などにより参集が困難な場合等も想定し、あらかじめ、事態の状況に応じた職員の参集手段を確保する。 なお、区長と連絡がとれないときは、「世田谷区国民保護対策本部及び緊急対処事態対策本部条例施行規則」第4条に定める本部長の職務代理者により、区対策本部を設置できるものとする。 (6) 本部の代替機能の確保 区は、区対策本部が被災した場合等、区対策本部を庁舎内に設置できない場合に備え、区対策本部の予備施設を次のとおり指定する。 施 設 名 場  所 第1順位 砧総合支所 成城6-2-1 第2順位 玉川総合支所 等々力3-4-1 (7) 職員の服務基準 区は、(3)イの表中の①~④の体制ごとに、参集した職員の行うべき所掌事務を区地域防災計画に準じて別に定める。 (8) 交代要員等の確保 区は、区対策本部を設置した場合は、防災に関する体制を活用しつつ、その機能が確保されるよう、以下の項目について定める。 ①交代要員の確保その他職員の配置 ②食料、燃料等の備蓄 ③自家発電設備の確保 ④仮眠設備等の確保  等 (9) 下馬災害対策職員住宅への入居職員の参集 下馬災害対策職員住宅への入居職員は、武力攻撃災害が発生するおそれがある場合は、必要に応じて危機管理部の態勢に従事する。 3 消防の初動体制の把握等 (1) 東京消防庁(消防署)の初動体制の把握等 区は、東京消防庁(消防署)からの情報を受け、その初動体制を把握する。また、地域防災計画における東京消防庁(消防署)との情報連絡体制を踏まえ、特に初動時における緊密な連携を図る。 (2) 消防団の充実・活性化の推進等 区は、消防団が避難住民の誘導等に重要な役割を担うことにかんがみ、都及び東京消防庁(消防署)と連携し、地域住民の消防団への参加促進、消防団に係る広報活動、全国の先進事例の情報提供、施設及び設備の整備の支援等の取組みを積極的に行い、消防団の充実・活性化を図る。 また、区は都と連携し、消防団に対する国民保護措置についての研修を実施するとともに、国民保護措置についての訓練に消防団が参加できるよう配慮する。 (3) 消防団の参集基準 区は、東京消防庁が定める消防団員の参集基準を把握する。 4 国民の権利・利益の救済に係る手続 区は、国民保護措置の実施に伴う損失補償、国民保護措置に係る不服申立て又は訴訟その他の国民の権利利益の救済に係る手続を迅速に処理するための体制を整備する。 【国民の権利利益の救済に係る手続項目一覧】   損失補償 (法第159条第1項) 特定物資()の収用に関すること。(法第81条第2項) 特定物資の保管命令に関すること。(法第81条第3項) 土地等の使用に関すること。(法第82条) 応急公用負担に関すること。(法第113条第3項) 損害補償 (法第160条) 国民への協力要請によるもの (法第70条第1・3項、80条第1項、115条第1項、123条第1項) 不服申立てに関すること。(法第6条、175条) 訴訟に関すること。(法第6条、175条) ※表中の「法」は、「国民保護法」を示す。 第2 関係機関との連携体制の整備 区は、国民保護措置を実施するに当たり国、都、近接区市、指定公共機関、指定地方公共機関、その他の関係機関と相互に連携協力することが不可欠であるため、以下のとおり、関係機関との連携体制整備のあり方について定める。 1 基本的考え方 (1) 防災のための連携体制の活用 区は、武力攻撃事態等への効果的かつ迅速な対処ができるよう、防災のための連携体制も活用し、関係機関との連携体制を整備する。 (2) 関係機関の計画との整合性の確保 区は、国、都道府県、近接区市(神奈川県川崎市を含む。以下同じ。)、指定公共機関及び指定地方公共機関その他の関係機関の連絡先を把握するとともに、関係機関が作成する国民保護計画及び国民保護業務計画との整合性の確保を図る。 (3) 関係機関相互の意思疎通 区は、個別の課題に関して関係機関による意見交換の場を設けること等により、関係機関の意思疎通を図り、人的なネットワークを構築する。この場合において、区国民保護協議会の部会を活用すること等により、関係機関の積極的な参加が得られるように留意する。 2 都との連携 (1) 都の連絡先の把握等 区は、緊急時に連絡すべき都の連絡先及び担当部署(担当部局名、所在地、電話(FAX)番号、メールアドレス等)について把握するとともに、定期的に更新を行い、国民保護措置の実施の要請等が円滑に実施できるよう、都と必要な連携を図る。 (2) 都との情報共有 警報の内容、経路や運送手段等の避難、救援の方法等に関し、都との間で緊密な情報の共有を図る。 (3) 区国民保護計画の都への協議 区は、都との国民保護計画の協議を通じて、都の行う国民保護措置と区の行う国民保護措置との整合性の確保を図る。 (4) 区と都の役割分担 区は、救援や備蓄、安否情報の収集・提供など、都と区が適切に役割分担することで的確かつ迅速な対応をなしうる措置については、地域防災計画における役割分担を基本として、都と協議し、役割分担を明らかにする。   (5) 警察との連携 区長は、避難住民の誘導が円滑に行えるよう、また自らが管理する道路について、武力攻撃事態において、道路の通行禁止措置等に関する情報を道路利用者に積極的に提供できるよう、警察と必要な連携を図る。 (6) 消防との連携 区は、東京消防庁(消防署)における武力攻撃災害の防除及び軽減のための消火、救助・救急等の活動並びに避難住民の誘導が円滑に行われるよう、緊密な連携を図る。 3 近接区市との連携 (1) 近接区市との連携 区は、近接区市の連絡先、担当部署等に関する最新の情報を常に把握するとともに、近接区市相互の国民保護計画の内容について協議する機会を設けることや、防災に関し締結されている区市間の相互応援協定等について必要な見直しを行うこと等により、武力攻撃災害の防除、避難の実施体制、物資及び資材の供給体制等における近接市相互間の連携を図る。 特に都県境を越えた避難や救援を行う場合の避難経路や運送手段等に関する情報共有についても検討していく。 (2) 事務の一部の委託のための準備 区は、武力攻撃事態において、国民保護措置実施のため、事務の一部を他の地方公共団体に委託する場合を想定し、近接区市と平素から意見交換を行う。 4 指定公共機関等との連携 (1) 指定公共機関等の連絡先の把握 区は、区内の指定公共機関等との緊密な連携を図るとともに、指定公共機関等の連絡先、担当部署等について最新の情報を常に把握しておく。 (2) 医療機関との連携 区は、事態発生時に医療機関の活動が速やかに行われるよう都と協力して、災害拠点病院、救命救急センター、地区医師会等との連絡体制を確認するとともに、平素からの意見交換や訓練を通じて、緊急時の医療ネットワークと広域的な連携を図る。 また、特殊な災害への対応が迅速に行えるよう専門的な知見を有する機関との連携に努める。 (3) 関係機関との協定の締結等 区は、関係機関から物資及び資材の供給並びに避難住民の運送等について必要な協力が得られるよう、防災のために締結されている協定の見直しを行うなど、防災に準じた必要な連携体制の整備を図る。 また、区は、都及び関係機関と協力し、区内の事業所における武力攻撃事態等の観点を交えた防災対策への取組みに支援を行うよう努めるとともに、民間企業の有する広範な人的・物的ネットワークとの連携の確保を図る。 5 事業所に対する支援 区は、東京消防庁(消防署)が実施する事業所の施設管理者及び事業者に対する火災や地震等のための既存のマニュアル等を参考とした避難誘導のための計画等の作成などの指導について、必要に応じて協力する。 6 自主防災組織等に対する支援 (1) 自主防災組織等に対する支援 区は、自主防災組織及び町会・自治会等のリーダー等に対する研修等を通じて国民保護措置の周知及び自主防災組織等の活性化を推進し、その充実を図るとともに、自主防災組織等相互間、消防団及び区等との間の連携が図られるよう配慮する。 また、都と連携し、自主防災組織等が行う消火、救助、救援等のための活動を支援する。 なお、自主防災組織に対する指導、訓練を実施するにあたっては、東京消防庁(消防署)の協力を得て火災や地震等の対応に準じた避難要領等の啓発を行う。 (2) 自主防災組織以外のボランティア団体等に対する支援 区は、防災のための連携体制を踏まえ、日本赤十字社、世田谷区社会福祉協議会、世田谷ボランティア協会、区内NPO等との連携を図り、武力攻撃事態等においてボランティア活動が円滑に行われるよう、その活動環境の整備を図る。 第3 通信連絡体制の整備 区は、武力攻撃事態等において国民保護措置を的確かつ迅速に実施するためには、非常通信体制の整備等による通信の確保が重要であることから、地域防災計画で整備された通信連絡体制を活用するとともに、通信連絡手段の多様化や必要な通信機器の整備・充実等について、以下のとおり非常通信体制の整備等について定める。 1 非常通信体制の整備 区は、国民保護措置の実施に関し、非常通信体制の整備、重要通信の確保に関する対策の推進を図るものとし、自然災害その他の非常時における通信の円滑な運用を図ること等を目的として、関係省庁、地方公共団体、主要な電気通信事業者等で構成された非常通信協議会との連携に十分配慮する。 2 非常通信体制の確保 区は、武力攻撃災害発生時においても情報の収集、提供を確実に行うため、情報伝達ルートの多ルート化や停電等に備えて非常用電源の確保を図るなど、都国民保護計画における通信連絡系統を踏まえ、自然災害時における体制を活用し、情報収集、連絡体制の確保に努める。 《各機関相互の通信連絡系統》   また、非常通信体制の確保に当たっては、自然災害時において確保している通信手段を活用するとともに、以下の事項に十分留意し、その運営・管理、整備等を行う。 施設・設備面 ‧ 非常通信設備等の情報通信手段の施設について、非常通信の取り扱いや機器の操作の習熟を含めた管理・運用体制の構築を図る。 ‧ 武力攻撃災害による被害を受けた場合に備え、複数の情報伝達手段の整備(有線・無線による伝送路の多ルート化等)、関連機器装置の二重化等の障害発生時における情報収集体制の確保を図る。 ‧ 武力攻撃災害時の区組織内及び区と関係機関、関係機関相互の緊急時の連絡手段として、災害時優先電話や区が整備する自営線、光通信等の一般通信回線を活用したネットワークを整備する。また、一般通信回線を補完(停電時バックアップを含む。)するため、緊急時の連絡手段として、地域系及び移動系防災行政無線を活用する。 ‧ 都と区との情報連絡手段として、多重無線及びMCA無線による防災行政無線システムを活用する。 ‧ 被災状況等の情報や区民及び防災区民組織等への避難情報の提供など、情報の収集及び伝達を支援するための防災情報システムを整備する。 ‧ 武力攻撃災害時において確実な利用ができるよう、国民保護措置の実施に必要な非常通信設備を定期的に点検する。 運用面 ‧ 夜間・休日の場合等における体制を確保するとともに、平素から情報の収集・連絡体制の整備を図る。 ‧ 武力攻撃災害による被害を受けた場合に備え、通信輻輳時及び途絶時並びに庁舎への電源供給が絶たれた場合を想定した、関係機関との実践的通信訓練の実施を図る。 ‧ 通信訓練を行うに当たっては、地理的条件や交通事情等を想定し、避難先施設との間の通信の確保等に関する訓練を行うものとし、訓練終了後に評価を行い、必要に応じ体制等の改善を行う。 ‧ 無線通信系の通信輻輳時の混信等の対策に十分留意し、武力攻撃事態等非常時における運用計画を定めるとともに、関係機関との間で携帯電話等の電気通信事業用移動通信及び防災行政無線等の業務用移動通信を活用した運用方法等についての十分な調整を図る。 ‧ 電気通信事業者により提供されている災害時優先電話等の効果的な活用を図る。 ‧ 担当職員の役割・責任の明確化等を図るとともに、担当職員が被害を受けた場合に備え、円滑に他の職員が代行できるような体制の構築を図る。 ‧ 区民への情報提供については、高齢者、障害者、外国人その他の情報の伝達に際し配慮を要する者及びその他通常の手段では情報の入手が困難と考えられる者に対しても情報を伝達できるよう必要な検討を行う。 第4 情報収集・提供等の体制整備 区は、武力攻撃事態等において、国民保護措置に関する情報提供、警報の内容の通知及び伝達、被災情報の収集・報告、安否情報の収集・整理等を行うため、情報収集・提供等の体制整備のために必要な事項について、以下のとおり定める。 1 基本的考え方 (1) 情報収集・提供のための体制の整備 区は、武力攻撃等の状況、国民保護措置の実施状況、被災情報その他の情報等を収集又は整理し、関係機関及び住民に対しこれらの情報の提供等を適時かつ適切に実施するための体制を整備する。 (2) 緊急情報ネットワークシステム(Em-Net)の整備 区は、国(官邸)から国民保護情報などの緊急情報を送信する、緊急情報ネットワークシステムを導入している。 (3) 情報の共有 区は、国民保護措置の実施のため必要な情報の収集、蓄積及び更新に努めるとともに、これらの情報が関係機関により円滑に利用されるよう、情報セキュリティ等に留意しながらデータベース化等に努める。 2 警報等の伝達に必要な準備 (1) 警報の伝達体制の整備 ○ 区は、都知事から警報の内容の通知があった場合の住民及び関係団体への伝達方法等についてあらかじめ定めておくとともに、住民及び関係団体に伝達方法等の理解が行き渡るよう、事前に説明や周知を図る。 この場合において、民生委員や世田谷区社会福祉協議会、世田谷ボランティア協会等との協力体制を構築するなど、高齢者、障害者、外国人等に対する伝達に配慮する。 ○ 区長は、その職員を指揮し、消防の協力を得て、あるいは自主防災組織等の自発的な協力を得ることなどにより、住民等に警報の内容を伝達することができるよう、体制の整備に努めるものとする。 ○ 警報の伝達にあたっては、広報車の使用、自主防災組織による伝達、自治会等への協力依頼などの防災行政無線による伝達以外の効果的な方法も検討する。 (2) 防災行政無線の整備 区は、武力攻撃事態等における迅速な警報の内容の伝達等に必要となる同報系その他の防災行政無線の整備を図っている。 (3) 全国瞬時警報システム(J-ALERT)の整備 区は、対処に時間的余裕のない事態に関する情報を、住民に迅速かつ確実に伝達するため、全国瞬時警報システム(J-ALERT)を整備する。 (4) 警察との連携 区は、武力攻撃事態等において、住民に対する警報の内容の伝達が的確かつ迅速に行われるよう、警察との協力体制を構築する。 (5) 国民保護に係るサイレンの住民への周知 国民保護に係るサイレン音(「国民保護に係る警報のサイレンについて」平成17年7月6日付消防運第17号国民保護運用室長通知)については、訓練等のさまざまな機会を活用して住民に十分な周知を図る。 (6) 大規模集客施設等に対する警報の伝達のための準備 ○ 区は、都から警報の内容の通知を受けたときに、区長が迅速に警報の内容の伝達を行うこととなる区域内に所在する大規模集客施設等(学校、病院、駅、劇場等の文化施設、競技施設等)、大規模な繁華街、大規模集合住宅、その他の多数の者が利用又は居住する施設について、都との役割分担も考慮して定める。 また、区は、各々の施設の管理者等の連絡先の把握、情報連絡体制を整備する。 ○ 区は、都及び東京消防庁(消防署)が行う、大規模集客施設の管理者に対する、突発的なテロ等が発生した場合における当該施設内の人々への情報提供(館内放送等)や避難誘導体制の整備等に関する指導・助言に協力する。 (7) 民間事業者からの協力の確保 区は、都と連携して、民間事業者が、警報の内容の伝達や住民の避難誘導等を主体的に実施できるよう、各種の取り組みを推進する。 その際、先進的な事業者の取組みをPRすること等により、協力が得られやすくなるような環境の整備に努める。 (8) 多様な手法を活用した情報の収集・提供 区は、情報収集にあたっては、都や関係機関等との情報連絡体制により行うほか、高所カメラやインターネットの活用を図るとともに、自主防災組織、区民及び民間協力団体等による助け合いのネットワーク等を活用する。また、情報提供にあたっては、防災行政無線や広報車、エフエム世田谷、CATV、災害・防犯情報メール配信サービス、防災無線電話応答サービスを活用するほか、区民防災会議、区民及び民間協力団体等による助け合いのネットワーク等を活用する。   3 安否情報の収集、整理及び提供に必要な準備 (1) 安否情報収集のための体制整備 区は、安否情報(以下参照)を円滑に収集、整理、報告及び提供することができるよう、安否情報の収集、整理及び提供の責任者をあらかじめ定め、必要な研修・訓練を行っておくものとする。 また、都と安否情報の収集・回答部署、責任者等の情報を共有するなど、相互の協力体制を確保する。 (2) 安否情報の種類及び報告様式 区は、避難住民及び武力攻撃災害により死亡し又は負傷した住民の安否情報に関して、原則として武力攻撃事態等における安否情報の収集及び報告の方法並びに安否情報の照会及び回答の手続その他の必要な事項を定める省令(以下「安否情報省令」という。)に規定する様式(以下「省令様式」という。)第1号及び第2号の安否情報収集様式により収集し、安否情報システムを用いて都に報告するための体制を整備する。 (3) 安否情報の収集に協力を求める関係機関の把握 区は、安否情報の収集を円滑に行うため、医療機関、大規模事業所、諸学校等の安否情報を保有し、収集に協力を求める可能性のある関係機関について、既存の統計資料等に基づいてあらかじめ把握する。   なお、都及び区は、次の役割分担により、安否情報の収集・提供に努める。 ○ 安否情報の収集は、住民に関する情報を有する区が行うことを基本とし、都は、都の施設等からの収集等補完的に対応する。 ・都‥‥‥‥‥ 都管理の避難施設、都の施設(病院・学校等) 警視庁、東京消防庁等 ・区‥‥‥‥‥ 区管理の避難施設 区の施設(学校等) 区域内の医療機関、警察署、消防署、大規模事業所、 諸学校等 ○ 住民からの照会に対しては、都、区それぞれが、共有する安否情報に基づき回答する。 (4) 住民等への周知 区は、避難所に氏名や身分を確認できるもの(運転免許証、パスポート、写真入りの社員証等)を携行するよう、都と連携して、住民等に周知する。 (5)安否情報システムの活用 区は、安否情報の収集、報告及び提供を行うため、「武力攻撃事態等における安否情報の収集・提供システム」(安否情報システム)()を活用する。 (6)近接区市との協力体制の確保 区は、都県境を越えて通勤・通学等をする者を含め安否情報の提供を円滑に行うため、近接区市と相互の協力体制の確保に努める。   4 被災情報の収集・報告に必要な準備 (1) 情報収集・連絡体制の整備 ○ 区は、被災情報の収集、整理及び都知事への報告等を適時かつ適切に実施するため、あらかじめ情報収集・連絡に当たる担当者を定めるとともに、必要な体制の整備を図る。 ○ 区は、都に対し、被災情報の報告を次の様式により行う。 なお、被災情報の収集・報告については、個人情報保護法及び区個人情報保護条例の規定に基づき、被災者の個人情報の取り扱いに留意する。 (2) 担当者の育成 区は、あらかじめ定められた情報収集・連絡に当たる担当者に対し、情報収集・連絡に対する正確性の確保等の必要な知識や理解が得られるよう研修や訓練を通じ担当者の育成に努める。 5 広報及び広聴 区は、武力攻撃災害が発生し、又は発生するおそれがあるときは、直ちに警察署、消防署その他関係機関と連携し、必要な広報活動を行う。 また、区は、区民からの各種の相談に応じる相談窓口を開設するとともに、関係機関と連携し運営に当たる。区民に周知すべき事項は、報道機関やエフエム世田谷、CATV等に情報提供することにより放送するよう依頼する。 第5 特殊標章等の整備 区は、武力攻撃事態において、ジュネーヴ諸条約及び第一追加議定書に規定する特殊標章及び身分証明書(以下「特殊標章等」という。)を交付することとなる。このため、これら標章等の交付等に係る体制の整備のために必要な事項を、以下のとおり定める。 (1) 特殊標章等 ア 特殊標章 第一追加議定書第66条3に規定される国際的な特殊標章(オレンジ色地に青の正三角形)。 イ 身分証明書 第一追加議定書66条3に規定される身分証明書(様式のひな型は下記のとおり)。 ウ 識別対象 国民保護措置に係る職務等を行う者、国民保護措置に係る協力等のために使用される場所等。 形状 ①オレンジ色地に青色の正三角形とする。 ②三角形の一の角が垂直に上を向いている。 ③三角形のいずれの角もオレンジ色地の縁に接していない。 (身分証明書のひな型) (2) 特殊標章等の作成・管理 区は、世田谷区の特殊標章及び身分証明書に関する交付要綱(平成19年4月1日18世災対第464号)に基づき、必要となる特殊標章等を作成するとともに、交付する必要が生じた場合に迅速に交付できるよう適切に管理する。 (3) 特殊標章等に関する普及・啓発 区は、都及び関係機関と協力し、武力攻撃事態等における赤十字標章等及び特殊標章等の使用の意義、使用に当たっての濫用防止等について、教育や学習の場など様々な機会を通じて普及・啓発に努める。() 第6 研修及び訓練 区職員は、住民の生命、身体及び財産を保護する責務を有していることから、研修を通じて国民保護措置の実施に必要な知識の習得に努めるとともに、実践的な訓練を通じて武力攻撃事態等における対処能力の向上に努める必要がある。 このため、区における研修及び訓練のあり方について必要な事項を、以下のとおり定める。 1 研修 (1) 研修機関における研修の活用 区は、国民保護及び危機管理の知見を有する職員を育成するため、国や都、区等の研修機関(消防大学校、特別区職員研修所等)の研修課程を有効に活用し、職員の研修機会を確保する。 (2) 職員等の研修機会の確保 区は、職員に対して、国、都等が作成する国民保護に関する教材や資料等も活用し、多様な方法により研修を行う。 また、都と連携し、消防団員や自主防災組織のリーダーに対して国民保護措置に関する研修等を行うとともに、国が作成する各種教材や国民保護ポータルサイト()、eラーニング等も活用するなど多様な方法により研修を行う。 (3) 外部有識者等による研修 区は、職員等の研修の実施に当たっては、都、自衛隊、警視庁、東京消防庁等の職員及び学識経験者等を講師に招くなど、外部の人材についても積極的に活用する。 2 訓練 (1) 区における訓練の実施 区は、近隣区市、都、国等関係機関と共同するなどして、国民保護措置についての訓練を実施し、武力攻撃事態等における対処能力の向上を図る。 訓練の実施に当たっては、具体的な事態を想定し、防災訓練におけるシナリオ作成等、既存のノウハウを活用するとともに、警視庁や東京消防庁、自衛隊等との連携による、NBC攻撃等により発生する武力攻撃災害への対応訓練、広域にわたる避難訓練、地下への避難訓練等武力攻撃事態等に特有な訓練等について、人口密集地を含む様々な場所や想定で行うとともに、実際に資機材や様々な情報伝達手段を用いるなど実践的なものとするよう努める。 また、隣接する自治体との訓練の共同実施についても考慮する。 (2) 訓練の形態及び項目 訓練を計画するに当たっては、実際に人・物等を動かす実動訓練、状況付与に基づいて参加者に意思決定を行わせる図上訓練、様々な情報伝達手段等の手法を組み合わせ、様々な場所や想定で行うなど、実際の行動及び判断を伴う実践的な訓練を実施する。 また、防災訓練における実施項目を参考にしつつ、以下に示す訓練を実施する。 ① 区対策本部を迅速に設置するための職員の参集訓練及び区対策本部設置運営訓練 ② 警報・避難の指示等の内容の伝達訓練及び被災情報・安否情報に係る情報収集訓練 ③ 避難誘導訓練及び救援訓練 (3) 訓練に当たっての留意事項 ① 国民保護措置と防災上の措置との間で相互に応用が可能な項目については、国民保護措置についての訓練と防災訓練とを有機的に連携させる。 ② 国民保護措置についての訓練の実施においては、住民の避難誘導や救援等に当たり、町会・自治会や自主防災組織等の協力を求めるとともに、特に高齢者、障害者等要配慮者への的確な対応が図られるよう留意する。 ③ 訓練実施時は、客観的な評価を行うとともに、参加者等から意見を聴取するなど、教訓や課題を明らかにし、国民保護計画の見直し作業等に反映する。 ④ 区は、町会・自治会、自主防災組織などと連携し、住民に対し広く訓練への参加を呼びかけ、訓練の普及啓発に努める。 ⑤ 区は、都及び東京消防庁(消防署)と協力し、大規模集客施設(ターミナル駅、大規模商業施設、劇場等)、学校、病院、大規模集合住宅、事業所その他の多数の者が利用又は居住する施設の管理者に対し、火災や地震等の計画及びマニュアル等に準じて警報の内容の伝達及び避難誘導を適切に行うため必要となる訓練の実施を要請する。 ⑥ 区は、警察と連携し、避難訓練時における交通規制等の実施について留意する。 第2節 避難、救援及び武力攻撃災害への対処に関する平素からの備え 避難、救援及び武力攻撃災害への対処に関する平素からの備えに関して必要な事項について、以下のとおり定める(通信の確保、情報収集・提供体制など既に記載しているものを除く)。 1 避難に関する基本的事項 (1) 基礎的資料の収集 区は、迅速に避難住民の誘導を行うことができるよう、住宅地図、道路網のリスト、避難施設のリスト等必要な基礎的資料を、都と連携して準備する。 【区において集約・整理すべき基礎的資料】 ○ 住宅地図   (※ 人口分布、世帯数、昼夜別の人口のデータ) ○ 区域内の道路網のリスト   (※ 避難経路として想定される高速道路、国道、都道、区道等の道路のリスト) ○ 輸送力のリスト   (※ 鉄道、バス等の運送事業者や公共交通機関の保有する輸送力のデータ)   (※ 鉄道網やバス網、保有車両数などのデータ) ○ 避難施設のリスト(データベース策定後は、当該データベース) (※ 避難住民の収容能力や屋内外の別についてのリスト) ○ 備蓄物資、調達可能物資のリスト   (※ 備蓄物資の所在地、数量、区域内の主要な民間事業者のリスト) ○ 生活関連等施設等のリスト   (※ 避難住民の誘導に影響を与えかねない一定規模以上のもの) ○ 関係機関(国、都、民間事業者等)の連絡先一覧、協定 ○ 町会・自治会、自主防災組織等の連絡先等一覧   (※ 代表者及びその代理の者の自宅の住所、連絡先等) ○ 東京消防庁のリスト   (※ 東京消防庁、消防方面本部、消防署、消防団本部の所在地等の一覧) ○ 避難行動要支援者名簿 (2) 隣接する区市との連携の確保 区は、区の区域を越える避難を行う場合に備えて、平素から、隣接する区市と想定される避難経路や相互の支援の在り方等について意見交換を行い、また、訓練を行うこと等により、緊密な連携を確保する。 また、都県境を越える避難を行う場合に備えて、隣接する川崎市との平素からの連携に考慮する。他県の近隣市との連携を検討する際には、都が近隣県と行う情報共有体制や九都県市における相互応援体制の整備の動向にも配慮する。   (3) 高齢者、障害者等要配慮者への配慮 区は、避難住民の誘導に当たっては、高齢者、障害者等自ら避難することが困難な者の避難について、自然災害への対応として作成した「避難行動要支援者名簿」を活用しつつ、要配慮者の避難対策を講じる。 その際、避難誘導時において、福祉関係部課を中心とした横断的な「避難行動要支援者担当」を迅速に設置し、都要配慮者対策統括部との連携した対応ができるよう職員の配置に留意する。 (4) 民間事業者からの協力の確保 区は、避難住民の誘導時における地域の民間事業者の協力の重要性にかんがみ、平素から、都と連携し、これら企業の協力が得られるよう連携・協力関係の構築に努める。 特に、突発的に事案が発生し、建物外の人々が緊急に屋内避難せざるを得ない場合における受入れ等について、都と連携し、その協力の確保に努める。 (5) 学校や事業所との連携 区は、学校や大規模な事業所における避難に関して、時間的な余裕がない場合においては、事業所単位等により集団で避難することを踏まえて、平素から、各事業所等における避難の在り方について、意見交換や避難訓練等を通じて、対応を確認するなど、連携体制の整備に努める。 (6) 大規模集客施設との連携 区は、大規模集客施設にいる多くの人々の避難が円滑に行われるように、情報伝達体制の確立など施設管理者等との連携に努め、都及び東京消防庁(消防署)が行う、施設管理者等に対する武力攻撃事態等の観点を含めた危機管理・自主防災・自衛消防対策の見直し、強化の要請又は必要に応じた指導、助言、避難等の訓練への参加促進に協力する。 (7) 超高層ビル施設等との連携 区は、ビル単位、特に超高層ビルや大規模オフィスにおける避難が円滑に行われるように、施設管理者等との連携に努め、都及び東京消防庁(消防署)が行う施設管理者等に対する武力攻撃事態等の観点を含めた危機管理・自主防災・自衛消防対策の見直し、強化の要請又は必要に応じた指導、助言、避難等の訓練への参加促進に協力する。 (8) 住民に対する情報提供 区は、住民に対し、都、警視庁、東京消防庁等の協力を得ながら、避難施設の場所、連絡先等住民が迅速に避難を行うために必要な情報の提供に努める。 2 避難実施要領のパターンの作成 区は、関係機関(教育委員会など区の各執行機関、都、消防、警察、自衛隊等)と緊密な意見交換を行いつつ、季節別(特に冬期間の避難方法)、昼間人口の存在、混雑や交通渋滞の発生状況、要配慮者の避難方法等について配慮し、「『避難実施要領のパターン』作成の手引き(平成23年10月総務省消防庁国民保護室)」等を参考に、避難実施要領のパターンを複数あらかじめ作成する。 3 救援に関する基本的事項 (1) 都との調整 区は、区の行う救援について、地域防災計画における役割分担を基本として、都と協議し、あらかじめその役割分担を明らかにする。 (2) 基礎的資料の準備等 区は、都と連携して、救援に関する事務を行うために必要な資料を準備し、適切に管理するとともに、避難に関する平素の取組みと並行して、関係機関との連携体制を確保する。 《準備・管理すべき資料》 収容施設 ・ 長期の収容施設として活用できる土地・建物等のリスト ・ 高齢者、障害者等要配慮者を収容できる社会福祉法人施設、宿泊施設、賃貸住宅等のリスト 備蓄物資、調達可能物資 ・ 大量の食料や飲料水等の生活必需品の備蓄、調達先のリスト、調達経路 ・ 応急仮設住宅等建設用、応急修理用の資材の調達方法、建設業協会のリスト等 関係医療機関 ・ 災害拠点病院等の主要な病院の所在、病床数等の対応能力についてのデータ 火葬場等 ・ 火葬場等の所在及び対応可能数等についてのデータ 関係機関等との協定 ・ 協定書 関係機関の連絡先 ・ 国、都、他区市町村、民間事業者等の一覧 (3) 避難所の運営窓口の準備 区は、区が設置する避難所の運営窓口に関するマニュアルを、都の指針と整合を図りながら整備する。 4 運送事業者の輸送力・輸送施設の把握等 区は、都と連携して、運送事業者の輸送力の把握や輸送施設に関する情報の把握等を行うとともに、避難住民や緊急物資の運送を実施する体制を整備するよう努める。   (1) 運送事業者の輸送力及び輸送施設に関する情報の把握 区は、都が保有する当該区の区域の輸送に係る運送事業者の輸送力及び輸送施設に関する情報を共有する。 ○ 輸送力に関する情報 ① 保有車輌等(鉄道、定期・路線バス等)の数、定員 ② 本社及び支社の所在地、連絡先、連絡方法    など ○ 輸送施設に関する情報 ① 道路 (路線名、起点・終点、車線数、管理者の連絡先など) ② 鉄道 (路線名、終始点駅名、路線図、管理者の連絡先など) (2) 運送経路の把握等 区は、武力攻撃事態等における避難住民や緊急物資の運送を円滑に行うため、都が保有する当該区の区域に係る運送経路の情報を共有する。 (3) 緊急物資等の運送体制の把握・整備 区は、都等からの緊急物資等の配送を受けるための拠点等の決定、各避難所等への運送など、緊急物資等の運送体制を把握し、整備する。 (4)緊急輸送ネットワークの整備 区は、他県等と都内の要所を結ぶ主要道路と、緊急物資等の受入れ・積み替え・配分等を行う輸送拠点等を結んだ、緊急輸送ネットワークを確立する。 ○広域輸送基地・地域内輸送拠点 世田谷区地域防災計画では、世田谷区内の広域輸送基地・地域内輸送拠点は以下の場所が定められている。 【世田谷区地域防災計画に定める輸送拠点】 陸上輸送基地 京浜トラックターミナル 地域内輸送拠点 羽田クロノゲート(第1順位) ヤマト運輸(株)成城支店、国士舘大学、世田谷区立大蔵第二運動場(第2順位) ※ 第1順位の羽田クロノゲート(ヤマト運輸(株))で物資の集積や配送を基本とし、直接、避難所等に輸送することとする。羽田クロノゲートの被災状況や物資の集積状況や態勢等に応じて、ヤマト運輸(株)成城支店や国士舘大学、大蔵第二運動場を順次開設していく。 広域輸送基地は、他府県等からの救援のための物資・資材の受入、一時保管、地域内輸送拠点への積替・配分等の拠点のことをいう。 また、地域内輸送拠点は、区の地域における物資・資材の受入、配分、避難所への輸送等の拠点のことをいう。 (5)緊急物資その他の集積地及び配送拠点 広域輸送基地・地域内輸送拠点のほかに、主に区内の食料等の調達物資の集積地及び配送拠点として、各総合支所を単位に区民会館を指定する。 【災害時における食料及び生活必需品等の集積地】 世田谷区民会館 世田谷4-21-27 5432-2837 鉄筋コンクリート 5,446 北沢区民会館(北沢タウンホール) 北沢2-8-18 5478-8006 鉄筋コンクリート 1,829 玉川区民会館 等々力3-4-1 3702-1675 鉄筋コンクリート 1,734 砧区民会館(成城ホール) 成城6-2-1 3482-1313 鉄筋コンクリート 1,834 烏山区民会館 烏山6-2-19 3326-3511 鉄筋コンクリート 5,310   全国からの義援物資の集積地・仕分け場所については、各総合支所を単位に区内大学の体育館等を利用できるよう協力要請を行っており、現在、下記大学と協力協定を締結し、集積地として確保している。 【災害時協力協定締結先大学(輸送拠点)】 世田谷 昭和女子大学 太子堂1-7 駒澤大学 駒沢1-23-1 北沢 日本大学文理学部 桜上水3-25-40 玉川 日本体育大学 深沢7-1-1 産業能率大学 等々力6-39-15 多摩美術大学 上野毛3-15-34 砧 日本大学商学部 砧5-2-1 成城大学 成城6-1-20 烏山 日本女子体育大学 北烏山8-19-1 ※日本女子体育大学は令和2年4月から令和5年3月までの期間は校舎改築工事のため使用しない。 (6)代替地・代替施設の選定 武力攻撃災害の状況により、予定した区民会館等が使用できない場合は、速やかに区内の大学等を代替施設として確保できるよう取り組む。 5 避難施設の指定への協力 (1) 指定への協力の考え方 区は、都が行う避難施設の指定に際しては、施設の収容人数、構造、保有設備等の必要な情報を提供するなど都に協力する。 区は、都が指定した避難施設に関する情報を避難施設データベース等により、都と共有するとともに、都と連携して住民に対して、避難施設の場所、連絡先等住民が迅速に避難を行うために必要な情報を周知する。 (2) 避難施設の区分 都が指定する避難施設は、次のように区分される(都国民保護計画による)。 避難所 避難住民が避難生活をする場所、又は避難の指示・退避の指示などの際に一時的に避難する場所 ・小、中、高等学校 ・区立施設 ・劇場、ホール ・地下鉄コンコース等 二次避難所 自宅や避難所での生活が困難で、介護などのサービスを必要とする高齢者や障害者等要配慮者を一時的に受入れ、保護する場所 ・社会福祉法人施設等 ・区立施設 等 避難場所 特に、武力攻撃災害等により発生した大規模な火災等からの一時的に避難するオープンスペース ・都立公園 ・河川敷 等 (地下鉄コンコースは、一時的な避難・退避をする場所に該当) 6 生活関連等施設の把握等 (1) 生活関連等施設の把握等 区は、区内に所在する生活関連等施設について把握するとともに、都との連絡態勢を整備する。 また、区は、「生活関連等施設の安全確保の留意点」の一部変更について(平成27年4月21日付内閣官房副長官補(安全保障・危機管理担当)付事務連絡)に基づき、既存のマニュアル等を活用し、その管理に係る生活関連等施設の安全確保措置の実施のあり方について定める。 【生活関連等施設の種類及び所管省庁】 国民保護法施行令第27条 1号 発電所、変電所 経済産業省 2号 ガス工作物 経済産業省 3号 取水施設、貯水施設、浄水施設、配水池 厚生労働省 4号 鉄道施設、軌道施設 国土交通省 5号 電気通信事業用交換設備 総務省 6号 放送用無線設備 総務省 7号 水域施設、係留施設 国土交通省 8号 滑走路等、旅客ターミナル施設、航空保安施設 国土交通省 9号 ダム 国土交通省 10号 危険物質等(国民保護法施行令第28条)の取扱所 第28条 1号 危険物 総務省消防庁 2号 毒物・劇物(毒物及び劇物取締法) 厚生労働省 3号 火薬類 経済産業省 4号 高圧ガス 経済産業省 5号 核燃料物質(汚染物質を含む。) 原子力規制委員会 6号 核原料物質 原子力規制委員会 7号 放射性同位元素(汚染物質を含む。) 原子力規制委員会 8号 毒薬・劇薬(医薬品医療機器等法) 厚生労働省、農林水産省 9号 電気工作物内の高圧ガス 経済産業省 10号 生物剤、毒素 各省庁(主務大臣) 11号 毒性物質 経済産業省 (2) 区が管理する施設等における警戒 区は、区が管理する施設等について、特に情勢が緊迫している場合等において、必要に応じ、生活関連等施設の対応も参考にして、都の措置に準じて警戒等の措置を実施する。この場合において、警察との連携を図る。 第3節 物資及び資材の備蓄、整備 区が備蓄、整備する国民保護措置の実施に必要な物資及び資材について、以下のとおり定める。 1 区における備蓄 (1) 防災のための備蓄との関係 住民の避難や避難住民等の救援に必要な物資や資材については、従来の防災のために備えた物資や資材と共通するものが多いことから、原則として、国民保護措置のための備蓄と防災のための備蓄とを相互に兼ねることとし、区地域防災計画に定めている備蓄・調達体制を踏まえる。 【区地域防災計画に定めている備蓄・調達体制等】 (令和2年7月1日) 1 食料の備蓄 被災者に対する食料については、都・区間の役割分担に基づき、区が避難所生活者の1日分を目標に備蓄する。(乳幼児用の調整粉乳については3日分)<配布基準等> 区分 1日目 第1食 第2食 0歳~1歳 調整粉乳等 一般(1歳~74歳) ビスケット 75歳~ おかゆ 第3食 アルファ米 2~3日目 都の救援物資により配布 4日目以降 ※1歳児分は1歳児が食べられる食糧備蓄を進める。 2 食料の調達 調達は、区・都備蓄分の放出の後に都に供給を要請するほか、相互応援協力協定を締結している自治体や民間協力協定を締結している区内取扱業者をはじめ、あらゆる方面から必要数量を調達することとする。 3 生活必需品等の備蓄 被災者に対する生活必需品等については、都・区間の役割分担に基づき、主に都が備蓄・調達により確保し、区民への配布は区があたることになっている。しかし、発災当初の道路状況等によっては、都からの搬送が遅れることが予想されるため、区においても独自に備蓄することとする。 4 生活必需品等の調達 調達は、区・都備蓄分の放出の後に都に供給を要請するほか、相互応援協力協定を締結している自治体や民間協力協定を締結している区内取扱業者をはじめ、あらゆる方面から必要数量を調達することとする。 (2) 国民保護措置の実施のために必要な物資及び資材 国民保護措置の実施のため特に必要となる化学防護服や放射線測定装置等の資機材については、国がその整備や整備の促進に努めることとされ、また、安定ヨウ素剤や天然痘ワクチン等の特殊な薬品等のうち、国において備蓄・調達体制を整備することが合理的と考えられるものについては、国において必要に応じて備蓄・調達体制の整備等を行うこととされており、区としては、国及び都の整備の状況等も踏まえ、都と連携しつつ対応するとともに、独自にその他必要な医薬品等の整備を図る。 【国民保護措置のために特に必要な物資及び資材の例】 ・ 安定ヨウ素剤、天然痘ワクチン、化学防護服、放射線測定装置、 放射性物質等による汚染の拡大を防止するための除染器具 など 【その他、必要な医薬品等の例】 ・ 消毒薬、やけどの薬、化膿止め薬、洗眼剤、ガーゼ、包帯、三角巾、副木 (3) 都及び他の区市町村等との連携 区は、国民保護措置のために特に必要となる物資及び資材の備蓄・整備について、都と密接に連携して対応する。 また、武力攻撃事態等が長期にわたった場合においても、国民保護措置に必要な物資及び資材を調達することができるよう、他の区市町村等や事業者等との間で、その供給に関する協定をあらかじめ締結するなど、必要な体制を整備する。 2 区が管理する施設及び設備の整備及び点検等 (1) 施設及び設備の整備及び点検 区は、国民保護措置の実施も念頭におきながら、その管理する施設及び設備について、整備し、又は点検する。 (2) 復旧のための各種資料等の整備等 区は、武力攻撃災害による被害の復旧の的確かつ迅速な実施のため、地籍調査の成果、不動産登記その他土地及び建物に関する権利関係を証明する資料等について、既存のデータ等を活用しつつ整備し、その適切な保存を図り、及びバックアップ体制を整備するよう努める。 第4節 要配慮者の支援体制の整備 高齢者、障害者、乳幼児、妊産婦及び外国人といったいわゆる要配慮者は、武力攻撃事態の際は、自ら避難することが困難又は障害が存するため、要配慮者の安全対策や社会福祉法人施設の活用等について、以下のとおり定める。 1 要配慮者支援 区は、区対策本部に、要配慮者の担当組織を設置するとともに、「避難行動要支援者担当」を設置し、要配慮者のための必要な情報の一元的収集把握に努めるとともに、要配慮者に対応し安否確認や支援サービスを行うための総合調整を図る。 2 地域等との連携 区は、地域の区民組織、関係機関等と連携の上、有効な安否確認ができるよう、情報を共有できる関係作りに努める。 3 社会福祉法人施設等の活用等 要配慮者の中でも、とりわけ高齢者、障害者及びその介護者である家族等については、武力攻撃災害時に自宅や学校等を想定している避難所での生活になじむことができないことが想定されることから、社会福祉法人施設等の活用が図れるよう連携を強化する。 4 外国人に対する配慮 区は、外国人は言語の違いにより、必要となる情報の把握が困難となることが予想されるため、「外国人災害時情報センター」を設置し、武力攻撃災害時に必要な情報を、迅速かつ的確に収集・提供する。 5 ボランティア等との連携 区は、介護、看護などの専門的な職種の他の自治体からの応援職員について、受入れ又は派遣の体制の整備を図る。 区は、日常、保健福祉に従事しているボランティアが、武力攻撃災害時にも十分な力を発揮できるような体制をつくるために、ボランティア団体、社会福祉施設等と連携・調整しておくものとする。 第5節 国民保護に関する啓発 武力攻撃災害による被害を最小限化するためには、住民が国民保護に関する正しい知識を身につけ、武力攻撃事態等において適切に行動する必要がある。このため、国民保護に関する啓発や武力攻撃事態等において住民がとるべき行動等に関する啓発のあり方について必要な事項を、以下のとおり定める。 1 国民保護措置に関する啓発 (1) 啓発の方法 区は、都及び関係機関と連携しつつ、住民、地域の団体、事業者等に対し、広報紙、パンフレット、エフエム世田谷、区ホームページ等の様々な媒体を活用して、国民保護措置の重要性について継続的に啓発を行うなど、理解の促進に努める。 また、障害者、外国人等に対しては、点字や外国語を使用した広報媒体を使用するなど実態に応じた方法により理解の促進に努める。 緊急時に事業所内に逃げ込む住民の受入等への協力についても、事業者の理解が得られるよう、都と連携して努める。 (2) 防災に関する啓発との連携 区は、啓発の実施に当たっては、防災に関する啓発とも連携し、自主防災組織の特性も活かしながら、住民への啓発に努めていく。 (3) 学校における教育 区教育委員会は、児童・生徒の安全の確保及び災害対応能力育成のため、区立学校において、安全教育や自他の生命を尊重する精神、ボランティア活動の意義等を知るための教育を行う。 また、私立学校においても、同様の教育が行われるように要請していく。 2 住民がとるべき行動等に関する啓発  ○ 区は、武力攻撃災害の兆候を発見した場合の区長等に対する通報義務、不審物等を発見した場合の管理者に対する通報等について、ホームページ等を活用して住民への周知を図る。 ○ 区は、都と協力し、住民や事業者、学校等の施設管理者が、武力攻撃事態等において、全国瞬時警報システム(J-ALERT)による情報伝達や避難の指示等に基づく適切な避難行動や避難誘導等が行えるよう都作成のパンフレットや動画を、防災に関する行動マニュアルなどと併せて活用しながら周知する。 また、区は、日本赤十字社、都、消防機関などとともに、傷病者の応急手当について普及に努める。 第3章 武力攻撃事態等への対処 第1節 初動連絡体制の迅速な確立及び初動対応 多数の死傷者が発生したり、建造物が破壊される等の具体的な被害が発生した場合には、当初、その被害の原因が明らかではないことも多いと考えられ、区は、武力攻撃事態等や緊急対処事態の認定が行われる前の段階においても、住民の生命、身体及び財産の保護のために、現場において初動的な被害への対処が必要となる。 また、他の区市町村において攻撃が発生している場合や何らかの形で攻撃の兆候に関する情報が提供された場合においても、事案発生時に迅速に対応できるよう、即応体制を強化しておくことが必要となることも考えられる。 このため、「世田谷区危機管理基本マニュアル」や「世田谷区地域防災計画」における体制を活用して初動体制を確立し、関係機関からの情報等を迅速に集約・分析して、その被害の態様に応じた応急活動を行っていくことの重要性にかんがみ、区の初動体制について、以下のとおり定める。 1 事態認定前における危機管理対策委員会の設置及び初動対応 (1) 情報連絡体制 ① 区民等に重大な影響を及ぼすおそれのある事態が発生し、又は発生するおそれがある場合に、区の職員は、事態に関する情報を入手したときは、直ちに関連部署や危機管理部に連絡をする。警察・消防等への通報が必要な場合は、当該部署の判断で速やかに通報を行う。 ② 連絡を受けた危機管理部は、情報の収集に努めるとともに、関連部署の即応体制等を確認する。 ③ また、危機管理部長が必要であると判断した場合は、危機連絡会議を招集し、関係機関との連携体制や緊急対応について必要な協議等を行うとともに、危機管理対策委員会の立ち上げに関する協議を行う。 (2) 危機管理対策委員会の設置 ① 緊急事態の広域性、広範性、緊急対応要員の追加投入の必要性などから、危機管理対策委員会の開催が必要であると危機連絡会議等において判断される場合は、危機管理部長は、危機管理対策委員会の開催を区長に要請する。なお、直ちに危機管理対策委員会の開催が必要であると危機管理部長が判断した場合、危機管理部長は、独自の判断により、区長に危機管理対策委員会の開催を要請することができる。 ② 区長の判断により、危機管理対策委員会を開催し、緊急対策の決定や必要な調整を行う。 ③ 危機管理対策委員会は、警視庁(警察署)、東京消防庁(消防署)、その他の関係機関を通じて当該事案に係る情報収集に努め、国、都、関係する指定公共機関、指定地方公共機関の関係機関に対して迅速に情報提供を行うとともに、危機管理対策委員会を設置した旨について、都に連絡を行う。 この場合、危機管理対策委員会は、迅速な情報の収集及び提供のため、現場における消防機関との通信を確保する。 ④ 区は、区対策本部設置指定前にあっては、原因不明の事案が発生し、その被害の態様が災害対策基本法に規定する災害に該当する場合には、区災害対策本部を設置し、国民保護に準じた措置を行う。 (3) 初動措置の確保 ① 区は、危機管理対策委員会において、各種の連絡調整に当たるとともに、現場の警察、消防等の活動状況を踏まえ、必要により、「区災害対策本部」を設置し、災害対策基本法等に基づく避難の指示、警戒区域の設定、救急救助等の応急措置を行う。 また、区長は、国、都等から入手した情報を各機関等へ提供する。 ② 区は、警察官職務執行法に基づき、警察官が行う避難の指示、警戒区域の設定等や、消防法に基づき、消防吏員が行う火災警戒区域又は消防警戒区域の設定等が円滑になされるよう、緊密な連携を図る。 ③ また、政府による事態認定がなされ、区に対し、区対策本部の設置の指定がない場合においては、区長は、必要に応じ国民保護法に基づき、退避の指示、警戒区域の設定、対策本部設置の要請などの措置等を行う。 (4) 関係機関への支援の要請 区長は、事案に伴い発生した災害への対処に関して、必要があると認めるときは、都や他の区市町村等に対し支援を要請する。 (5) 区対策本部への移行に要する調整 危機管理対策委員会を設置した後に、政府において事態認定が行われ、区に対し、区対策本部を設置すべき区の指定の通知があった場合については、直ちに危機管理対策委員会から区対策本部を設置して新たな体制に移行する。 その際、災害対策基本法に基づく避難の指示等の措置を講じている場合には、既に講じた措置に代えて、改めて国民保護法に基づく所要の措置を講ずるなど必要な調整を行う。() 2 武力攻撃等の兆候に関する連絡があった場合等の対応 区は、国から都を通じて、警戒態勢の強化等を求める通知や武力攻撃等の兆候に関する連絡があった場合や武力攻撃事態等の認定が行われたが、当該区に関して対策本部を設置すべき指定がなかった場合等において、区長が不測の事態に備えた即応体制を強化すべきと判断した場合には、情報連絡体制を立ち上げ、又は、危機管理対策委員会を設置して、即応体制の強化を図る。 この場合において、区長は、情報連絡体制の確認、職員の参集体制の確認、関係機関との通信・連絡体制の確認、生活関連等施設等の警戒状況の確認等を行い、当該区の区域において事案が発生した場合に迅速に対応できるよう必要に応じて全庁的な体制を構築する。() 第2節 区対策本部の設置等 区は、区対策本部の設置指定があった場合、区対策本部を迅速に設置し、区域における国民保護措置を総合的に推進する必要があることから、区対策本部を設置する場合の手順や区対策本部の組織、機能等について以下のとおり定める。 1 区対策本部の設置 (1) 区対策本部の設置の手順 区対策本部の設置は、次の手順により行う。 ① 区対策本部を設置すべき区の指定の通知 区長は、内閣総理大臣から、総務大臣(総務省消防庁)及び都知事を通じて区対策本部を設置すべき区の指定の通知を受ける。 ② 区長による区対策本部の設置 指定の通知を受けた区長は、直ちに区対策本部を設置する。 (※事前に危機管理対策委員会を設置していた場合は、区対策本部に切り替える。(前述)) ③ 区対策本部員及び区対策本部職員の参集 区対策本部担当者(危機管理部職員)は、区対策本部員、区対策本部職員等に対し、緊急連絡網等を活用し、区対策本部に参集するよう連絡する。 ④ 区対策本部の開設 区対策本部担当者(危機管理部職員)は、区役所第3庁舎3階ブライトホールに区対策本部を開設するとともに、区対策本部に必要な各種通信システムの起動、資機材の配置等必要な準備を開始する(特に、関係機関が相互に電話、FAX、電子メール等を用いることにより、平時から、通信手段の状態を確認する)。 区長は、区対策本部を設置したときは、区議会及び関係機関に区対策本部を設置した旨を連絡する。 ⑤ 交代要員等の確保 区は、防災に関する体制を活用しつつ、職員の配置、食料、燃料等の備蓄、自家発電設備及び仮眠設備の確保等を行う。 ⑥ 区対策本部の代替機能の確保 区は、区対策本部が被災した場合等区対策本部を区役所本庁舎内に設置できない場合は、下記の順位にしたがい区対策本部の予備施設を指定する。 また、区外への避難が必要で、区の区域内に区対策本部を設置することができない場合には、都知事と区対策本部の設置場所について協議を行う。 【対策本部代替施設の指定】 次に掲げる順位で、区対策本部の予備施設を指定する。なお、事態の状況に応じ、区長の判断により順位を変更することができる。 第1順位 砧総合支所 成城6-2-1 第2順位 玉川総合支所 等々力3-4-1 【対策本部の設置の流れ】 国から設置の通知 区長が区対策本部を設置 区対策本部員及び職員の招集 関係機関に対し区対策本部の設置を通知 本部派遣員の必要に応じた派遣要請 区対策本部会議の開催 (2) 区対策本部を設置すべき区の指定の要請等 区長は、区に対して区対策本部を設置すべき区の指定が行われていない場合において、区における国民保護措置を総合的に推進するために必要があると認める場合には、都知事を経由して内閣総理大臣に対し、区対策本部を設置すべき区の指定を行うよう要請する。 (3) 区対策本部の組織構成及び運営 区対策本部の組織構成及び各組織の運営は以下の2のとおりとする。 2 区国民保護対策本部の組織等 区対策本部の組織及び運営は、「国民保護法」、「世田谷区国民保護対策本部及び緊急対処事態対策本部条例」(平成18年世田谷区条例第16号)、「世田谷区国民保護対策本部及び緊急対処事態対策本部条例施行規則」(平成19年3月世田谷区規則第51号)等に基づき行う。 (1) 役割 区対策本部は、都や他区市町村、指定公共機関、指定地方公共機関等と連携協力し、区の区域において実施する国民保護措置を総合的に推進する。 (2) 組織 ① 区対策本部に、本部長室及び部を置く。 ② 部に部長を置く。 (3) 本部長室の構成 本部長、副本部長、本部員、本部連絡調整員で構成する。 本部長 区長 副本部長 副区長、教育長 本部員 世田谷総合支所長 北沢総合支所長 玉川総合支所長 砧総合支所長 烏山総合支所長 政策経営部長 総務部長 危機管理部長 財務部長 生活文化政策部長 清掃・リサイクル部長 保健福祉政策部長 世田谷保健所長 都市整備政策部長 道路・交通計画部長 教育総務部長 区内の消防署長が指定する消防吏員 ※ 上記に掲げる者のうち、世田谷総合支所長、北沢総合支所長、玉川総合支所長、砧総合支所長、烏山総合支所長は、各地域にあって地域本部長としての職務に従事する。 ※ 上記に掲げる者のほか、本部長は、必要があると認めたときは、区に勤務する職員のうちから指名することができる。 本部連絡調整員 世田谷総合支所地域振興課長 北沢総合支所地域振興課長 玉川総合支所地域振興課長 砧総合支所地域振興課長 烏山総合支所地域振興課長 政策経営部政策企画課長 政策経営部広報広聴課長 総務部総務課長 危機管理部災害対策課長 生活文化政策部市民活動・生涯現役推進課長 清掃・リサイクル部管理課長 保健福祉政策部保健福祉政策課長 世田谷保健所健康企画課長 都市整備政策部都市計画課長 道路・交通計画部道路管理課長 教育総務部教育総務課長 区議会事務局次長 (4) 本部長等の職務 本部長 本部の事務を総括し、本部の職員を指揮監督する。 副本部長 本部長を補佐し、本部長に事故あるときは、その職務を代理する。 部長 本部長の命を受け、部の事務を掌理する。 本部員 本部長の命を受け、本部長室の事務に従事する。 本部連絡調整員 本部長の命を受け、本部の連絡調整を行う。 その他の本部職員 部長の命を受け、部の事務に従事する。 (5) 区対策本部の構成及び所掌事務 区対策本部の構成及び所掌事務は、次のとおりとする。 【本部長室の所掌事務】 本部長室は、次の事項について本部の基本方針を審議策定する。 ① 国民保護措置全体にわたる区の対処基本方針に関すること。 ② 避難所の開設及び閉鎖に関すること。 ③ 重要な武力攻撃災害情報の収集及び伝達に関すること。 ④ 避難の指示の伝達に関すること。 ⑤ 警報の内容の伝達に関すること。 ⑥ 救援の実施又は東京都が行う救援の補助に関すること。 ⑦ 避難実施要領の作成、住民への伝達に関すること。 ⑧ 応急公用負担等に関すること。 ⑨ 自衛隊に対する国民保護等派遣の要請に関すること。 ⑩ 東京都知事等に対する応援等要請に関すること。 ⑪ 民間協力団体に対する協力要請に関すること。 ⑫ 国民保護措置に要する経費の処理方法に関すること。 前各号に規定するもののほか、重要な国民保護措置に関すること。 区対策本部における決定内容等を踏まえて、各部等において措置を実施するものとする(区対策本部には、各部等から支援要員を派遣して、円滑な連絡調整を図る。)。 【区各部の事務分掌】 危機管理部長 1) 本部長及び副本部長の連絡に関すること。 2) 本部長指令の総括に関すること。 3) 国民保護現地対策本部の設置・運営及び廃止に関すること。 4) 国民保護措置に係る区の対処方針の策定に関すること。 5) 国民保護対策の総合調整に関すること。 6) 東京都国民保護対策本部及び関係機関への連絡、要請に関すること。 7) 協力協定団体への協力要請の総括に関すること。 8) 自衛隊への派遣の要請及び派遣部隊の受入れに関すること。 9) 危機情報及び被災情報の収集・提供の総括に関すること。 10) 防災行政無線システムの運用管理及び復旧に関すること。 11) 安否情報の収集・提供の総括に関すること。 12) 特殊標章等の交付・管理(消防職員及び消防団員を除く。)に関すること。 13) 避難実施要領・避難住民の復帰に関する要領の作成に関すること。 14) 住民に対する警報の内容の伝達及び緊急通報の内容の伝達に関すること。 15) 退避の指示及び警戒区域の設定に関すること。 16) 救援の総括に関すること。 17) 各国民保護対策地域本部への支援に関すること。 国民保護対策総務部 総務部長 1) 本庁舎来庁者の救護及び避難誘導に関すること。 2) 本庁舎の管理及び保全に関すること。 3) 本部長室会議の庶務に関すること。 4) 被害状況報告の集計及び資料作成の総括に関すること。 5) 区議会との連絡その他渉外に関すること。 6) 職員の配置の調整に関すること。 7) 職員の服務及び給与に関すること。 8) 職員の被災状況の調査に関すること。 9) 職員の給食に関すること。 10) 職員の医療救護及び公務災害に関すること。 11) 工作物等の保管の公示に関すること。 12) 国民保護措置の実施に伴う損失補償、不服申立て、訴訟等に関すること。 13) 各国民保護対策地域本部への支援に関すること。 14) 他の部に属しないこと。 国民保護対策財政・広報部 政策経営部長 1) 広報及び広聴に関すること。 2) 報道機関に対する情報提供等に関すること。 3) 国民保護対策関係予算に関すること。 4) 各国民保護対策地域本部への支援に関すること。 国民保護対策物資管理部 財務部長 1) 車両等の調達及び配分に関すること。 2) 物資及び資器材の調達、輸送及び配分並びに備蓄物資の輸送及び配分の総括に関すること。 3) 給水活動の総括に関すること。 4) 国民保護措置に必要な経費及び物品の出納に関すること。 5) 各国民保護対策地域本部への支援に関すること。 国民保護対策地域本部 世田谷 北沢 玉川 砧 烏山 各総合支所長【拠点隊を除く。】 1) 本部長室及び他の部との連絡に関すること。 2) 国民保護現地対策本部の運営に関すること。 3) 総合支所庁舎の管理及び保全に関すること。 4) 拠点隊への指示及び支援に関すること。 5) 来庁者、施設利用者及び被災者の救護及び避難誘導に関すること。 6) 罹災証明、火葬許可証等の発行の調整に関すること。 7) 武力攻撃災害状況の調査及び情報収集に関すること。 8) 救援物資、応急食料、飲料水その他資器材の輸送及び配布に関すること。 9) 物資集積場の管理に関すること。 10) 医療救護所の設置及び運営に関すること。 11) 避難所の設置及び運営に関すること。 12) 広域避難場所の運用に関すること。 13) 道路、河川、橋りょう、溝渠、水門等の状況の把握のための情報収集に関すること。 14) 道路、河川等の障害物の除去に係る情報収集に関すること。 15) 水防活動に関すること。 16) 遺体の捜索、収容及び埋葬に係る情報収集に関すること。 17) 遺体収容所の設置、運営等の統括に関すること。 18) 安否情報の収集に関すること。 19) 避難行動要支援者の安否確認等に関すること。 20) 被災区民への総合的な福祉サービスの提供に関すること。 21) 総合相談窓口の設置に関すること。 22) 帰宅困難者の支援に関すること。 23) 二次避難所の入所に関すること。 24) 各被災地の医療衛生状況の把握及び国民保護対策医療衛生部との調整に関すること。 25) 建築物応急危険度判定に関すること。 26) 土地、建物その他の工作物の一時使用又は土石、竹木その他の物件の使用若しくは収用並びに工作物等の除去及び保管に関すること。 27) 警戒区域への立入り制限又は禁止及び警戒区域からの退去命令に関すること。 【拠点隊】 1) 来庁者、施設利用者及び被災者の救護及び避難誘導に関すること。 2) 武力攻撃災害状況の調査及び情報収集に関すること。 3) 医療救護所の支援に関すること。 4) 避難所の支援に関すること。 5) 安否情報の収集に関すること。 国民保護対策区民支援部 生活文化政策部長 1) 義援金品の受領及び配分に関すること。 2) 日本赤十字社東京都支部との連絡調整に関すること。 3) 帰宅困難者対策に関すること。 4) 外国人災害時情報センターの設置に関すること。 5) 他自治体との連絡調整に関すること。 6) 区内事業者の被害状況調査及び支援に関すること。 7) 安否情報の収集・提供に関すること。 8) 生活再建の支援、広域火葬実施の調整及び罹災証明の発行に係る総合調整に関すること。 9)各国民保護対策地域本部への支援に関すること。 国民保護対策清掃部 清掃・リサイクル部長 1) ごみの収集及び処理に関すること。 2) し尿の収集及び処理に関すること。 3) がれきの処理に関すること。 4) 各国民保護対策地域本部への支援に関すること。 国民保護対策保健福祉部 保健福祉政策部長 1) ボランティアに関する総合調整に関すること。 2) 乳幼児対策に関すること。 3) 要配慮者への支援に関する総合調整に関すること。 4) 二次避難所の設置及び運営に関すること。 5) 保育園、児童館等の再開に関すること 6) 各国民保護対策地域本部への支援に関すること。 国民保護対策医療衛生部 世田谷保健所長 1) 医師会、 歯科医師会、 薬剤師会その他の医療関係団体への協力要請等に関すること。 2) 被災地の総合衛生対策に関すること。 3) 危険物質の汚染拡大の防止措置に関すること。 4) 各国民保護対策地域本部への支援に関すること。 国民保護対策都市整備部 都市整備政策部長 1) 公共建築物、被災建築物及び被災宅地の被害状況把握並びに危険度判定に関すること。 2) 被災建築物の応急危険度判定に係る総合調整に関すること。 3) 住家の被害状況調査の総合調整に関すること。 4) 応急仮設住宅等の整備等に関すること。 5) 環境保全の調査及び対策に関すること。 6) 各国民保護対策地域本部への支援に関すること。 国民保護対策土木部 道路・交通計画部長 1) 土木・建築関係民間協力団体への協力要請に関すること。 2) 道路の応急復旧及び障害物の除去の連絡調整に関すること。 3) 遺体の捜索、収容及び埋葬に関すること。 4) 公共土木施設の点検、応急復旧及び障害物の除去の連絡調整に関すること。 5)公共交通機関との連絡調整に関すること。 6) 水防活動に関すること。 7) し尿処理の総合調整に関すること。 8) 道路、 河川、 橋りょう、 溝渠、 水門等の点検整備及び応急復旧に関すること。 9) 道路、 河川等の障害物の除去に関すること。 10) 土地、建物その他の工作物の一時使用又は土石、竹木その他の物件の使用若しくは収用並びに工作物等の除去及び保管に関すること。 11) 警戒区域への立入り制限又は禁止及び警戒区域からの退去命令に関すること。 12) 公園及び身近な広場の点検及び応急復旧の連絡調整に関すること。 13) 各国民保護対策地域本部への支援に関すること。 国民保護対策教育部 教育総務部長 1) 災害時における応急教育に関すること。 2) 学校教育施設の整備点検及び応急復旧に関すること。 3) 学校機能の復旧及び調整に関すること。 4) 学校災害対策本部との連絡調整に関すること。 5) 避難所運営における各国民保護対策地域本部との協力に関すること。 6) 避難所における給食施設の調整に関すること。 7) 各国民保護対策地域本部への支援に関すること。   【参考】武力攻撃事態等における東京消防庁(消防署)の業務 (東京都国民保護計画より抜粋) 東京消防庁 第三消防方面本部 世田谷消防署 玉川消防署 成城消防署 1) 火災その他の災害の予防、警戒及び防御に関すること 2) 消火、救助・救急に関すること 3) 危険物等の措置に関すること 4) 避難住民の誘導に関すること 5) 警報伝達の協力に関すること 6) 消防団との連携に関すること 7) 生活関連等施設の安全確保に対する協力に関すること 8) 前各号に掲げるもののほか、消防に関すること (6) 区対策本部における広報等 区は、武力攻撃事態等において、情報の錯綜等による混乱を防ぐために、住民に適時適切な情報提供や行政相談を行うため、区対策本部における広報広聴体制を整備する。 ① 広報責任者の設置 武力攻撃事態等において住民に正確かつ積極的に情報提供を行うため、広報を一元的に行う「広報責任者」を設置する。 ② 広報手段 広報紙、テレビ・ラジオ放送、記者会見、問い合わせ窓口の開設、区ホームページ等のほか様々な広報手段を活用して、住民等に迅速に提供できる体制を整備する。 ③ 留意事項 ア)広報の内容は、事実に基づく正確な情報であることとし、また、広報の時機を逸することのないよう迅速に対応する。 イ)区対策本部において重要な方針を決定した場合など広報する情報の重要性等に応じて、区長自ら記者会見を行う。 ウ)都と連携した広報体制の構築に努める。   (7) 区現地対策本部の設置 区長は、被災現地における国民保護措置を的確かつ迅速に実施並びに国、都等の対策本部との連絡及び調整等のため現地における対策が必要であると認めるときは、区対策本部の事務の一部を行うため、区現地対策本部を設置する。 この場合、被災現地を管轄する地域本部がその職務にあたるものとし、区現地対策本部長や区現地対策本部員は、区地域本部長及び区地域本部員その他の職員のうちから区対策本部長が指名する者をもって充てる。 (8) 現地連絡調整所の設置 区は、発生現地において活動する機関が特段の連携を確保する必要がある場合は、都と連携し、各機関の参加を得て、現地周辺に現地連絡調整所を設置する。 《参加機関の例》 ・都、警視庁、東京消防庁、医療機関、自衛隊など現地で活動している機関 《実施内容》 ・被災状況や各機関の活動状況の把握 ・各機関が有する情報の共有 ・現地における活動(避難誘導の実施等)の連携のための調整 等 区は、既に都又は関係機関により現地連絡調整所が設置されている場合は職員を派遣し、関係機関との情報共有及び活動調整を行う。 参考【現地連絡調整所の性格】 ① 現地連絡調整所は、現場に到着した関係機関が原則として各々の付与された権限の範囲内において情報共有や活動調整を行い、現場における連携した対応を可能とするために設置するものである。 ② 現地連絡調整所は、事態発生の現場において現場の活動の便宜のために機動的に設置することから、あらかじめ決められた一定の施設や場所に置かれるのではなく、むしろ、現場の活動上の便宜から最も適した場所に、テント等を用いて設置することが一般である。 ③ 現地連絡調整所においては、現場レベルにおける各機関の代表者が、定時又は随時に会合を開くことで、連携の強化を図ることが必要である。 現地連絡調整所の設置により、区は、退避の指示、警戒区域の設定等の権限行使を行う際に、その判断に資する情報収集を行うことにより、現場での関係機関全体の活動を踏まえた国民保護措置の実施や権限を行使することが可能となる。 また、現地連絡調整所における最新の情報について、各現場で活動する職員で共有させ、その活動上の安全の確保に生かすことが可能となる。 ④ 現地連絡調整所については、必要と判断した場合には、区における国民保護措置を総合的に推進する役割を担う区が設置することが必要であるが、他の対処に当たる機関が既に設置している場合には、区の職員を積極的に参画させることが必要である。 (9) 区対策本部長の権限 区対策本部長は、区の区域における国民保護措置を総合的に推進するため、各種の国民保護措置の実施に当たっては、次に掲げる権限を適切に行使して、国民保護措置の的確かつ迅速な実施を図る。 ① 区の区域内の国民保護措置に関する総合調整 区対策本部長は、区の区域に係る国民保護措置を的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるときは、区が実施する国民保護措置に関する総合調整を行う。 ② 都対策本部長に対する総合調整の要請 区対策本部長は、特に必要があると認めるときは、都対策本部長に対して、都並びに指定公共機関及び指定地方公共機関が実施する国民保護措置に関して所要の総合調整を行うよう要請する。 また、区対策本部長は、特に必要があると認めるときは、都対策本部長に対して、国の対策本部長が指定行政機関及び指定公共機関が実施する国民保護措置に関する総合調整を行うよう要請することを求める。 この場合において、区対策本部長は、総合調整を要請する理由、総合調整に関係する機関等、要請の趣旨を明らかにする。 ③ 情報の提供の求め 区対策本部長は、都対策本部長に対し、区の区域に係る国民保護措置の実施に関し総合調整を行うため必要があると認めるときは、必要な情報の提供を求める。 ④ 国民保護措置に係る実施状況の報告又は資料の求め 区対策本部長は、総合調整を行うに際して、当該総合調整の関係機関に対し、区の区域に係る国民保護措置の実施の状況について報告又は資料の提出を求める。 ⑤ 区教育委員会に対する措置の実施の求め 区対策本部長は、区教育委員会に対し、区の区域に係る国民保護措置を実施するため必要な限度において、必要な措置を講ずるよう求める。 この場合において、区対策本部長は、措置の実施を要請する理由、要請する措置の内容等、当該求めの趣旨を明らかにして行う。 (10) 区対策本部の廃止 区長は、内閣総理大臣から、総務大臣(総務省消防庁)及び都知事を経由して区対策本部を設置すべき区の指定の解除の通知を受けたときは、遅滞なく、区対策本部を廃止する。 3 通信の確保 (1) 情報通信手段の確保 区は、携帯電話、衛星携帯電話、区防災行政無線等の通信回線、若しくは、インターネット、防災行政用無線塔等の固定系通信回線の利用等により、区対策本部と区現地対策本部、現地連絡調整所、要避難地域、避難先地域等との間で国民保護措置の実施に必要な情報通信手段を確保する。 (2) 情報通信手段の機能確認 区は、必要に応じ、情報通信手段の機能確認を行うとともに、支障が生じた情報通信施設の応急復旧作業を行うこととし、そのための要員を直ちに現場に配置する。また、直ちに都にその状況を連絡する。 (3) 通信輻輳により生じる混信等の対策 区は、武力攻撃事態等における通信輻輳により生ずる混信等の対策のため、必要に応じ、通信運用の指揮要員等を避難先地域等に配置し、自ら運用する無線局等の通信統制等を行うなど通信を確保するための措置を講ずるよう努める。 4 特殊標章等の交付及び管理 区長及び水防管理者は、「世田谷区の特殊標章及び身分証明書に関する交付要綱(平成19年4月1日18世災対第464号)」に基づき、それぞれ以下に示す職員等に対し、特殊標章等を交付及び使用させる。 ① 区長 ・区の職員で国民保護措置に係る職務を行う者 ・区長の委託により国民保護措置に係る業務を行う者 ・区長が実施する国民保護措置の実施に必要な援助について協力する者 ② 水防管理者 ・水防管理者の委託により国民保護措置に係る業務を行う者 ・水防管理者が実施する国民保護措置の実施に必要な援助について協力する者 なお、国民保護措置に係る職務を行う東京消防庁の職員及び消防団員に交付する特殊標章等の交付要綱の作成、特殊標章等の交付及び使用に係る事務は、消防総監が行うものとされている。 第3節 関係機関相互の連携 区は、国民保護措置を的確かつ迅速に実施するため、国、都、他区市町村、指定公共機関及び指定地方公共機関その他関係機関と相互に密接に連携することとし、それぞれの関係機関と区との連携を円滑に進めるために必要な事項について、以下のとおり定める。 1 国・都の対策本部との連携 (1) 国・都の対策本部との連携 区は、都の対策本部及び、都を通じ国の対策本部と各種の調整や情報共有を行うこと等により密接な連携を図る。 都の対策本部長から都対策本部への派遣員として、区職員の派遣の求めがあった場合は、職員を派遣し、情報共有等の体制を整える。 (2) 国・都の現地対策本部との連携 区は、国・都の現地対策本部が設置された場合は、連絡員として区対策本部員や被災現地を管轄する地域本部員等を派遣すること等により、当該本部と緊密な連携を図る。 また、国の現地対策本部が設置され、現地対策本部長が武力攻撃事態等合同対策協議会(*)を開催する場合には、区対策本部として当該協議会に参加し、国民保護措置に関する情報の交換や相互協力に努めるものとする。 2 都知事、指定行政機関の長、指定地方行政機関の長等への措置要請等 (1) 都知事等への措置要請 区は、区の区域における国民保護措置を的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるときは、都知事その他都の執行機関(以下「都知事等」という。)に対し、その所掌事務に係る国民保護措置の実施に関し必要な要請を行う。 この場合において、区は、要請する理由、活動内容等をできる限り具体的に明らかにして行う。 (2) 都知事に対する指定行政機関の長又は指定地方行政機関の長への措置要請 区は、当該区の区域における国民保護措置の求めを的確かつ迅速に実施するため特に必要があると認めるときは、都知事等に対し、指定行政機関の長又は指定地方行政機関の長への要請を行うよう求める。   (3) 指定公共機関、指定地方公共機関への措置要請 区は、国民保護措置を的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるとときは、関係する指定公共機関又は指定地方公共機関に対し、その業務に係る国民保護措置の実施に関し必要な要請を行う。この場合において、区は、当該機関の業務内容に照らし、要請する理由や活動内容等をできる限り明らかにする。 3 自衛隊の部隊等の派遣要請の求め等 ① 区長は、国民保護措置を円滑に実施するため必要があると認めるときは、都知事に対し、自衛隊の部隊等の派遣の要請を行うよう求める(国民保護等派遣)。 また、通信の途絶等により都知事に対する自衛隊の部隊等の派遣の要請の求めができない場合は、努めて自衛隊東京地方協力本部長又は当該区の協議会委員たる隊員を通じて、陸上自衛隊にあっては東部方面総監、海上自衛隊にあっては横須賀地方総監、航空自衛隊にあっては作戦システム運用隊司令を介し、防衛大臣に連絡する。 【参考】想定される自衛隊の国民保護措置の内容 (東京都国民保護計画より参照) ・住民の避難(避難誘導、人員整理、状況把握等) ・避難住民の救援(食料品及び飲料水等の供給、医療の提供等) ・武力攻撃災害への対処(被災状況の把握、人命救助活動等) ・武力攻撃災害の応急復旧(危険な瓦礫の除去、施設等の応急復旧等) ② 区長は、国民保護等派遣を命ぜられた部隊のほか、防衛出動及び治安出動(*)により出動した部隊とも、区対策本部及び現地連絡調整所において緊密な意思疎通を図る。 4 他の区市町村長等に対する応援の要求、事務の委託 (1) 他の区市町村長等への応援の要求 ① 区長等は、必要があると認めるときは、応援を求める理由、活動内容等を具体的に明らかにしたうえで、他の区市町村長等に対して応援を求める。 ② 区市町村との間であらかじめ相互応援協定等が締結されている場合には、その相互応援協定等に基づき応援を求める。 (2) 都への応援の要求 区長等は、必要があると認めるときは、応援を求める理由、活動内容等を具体的にし、都知事等に対し応援を求める。   (3) 事務の一部の委託 ① 区が、国民保護措置の実施のため、事務の一部を他の地方公共団体に委託するときは、平素からの調整内容を踏まえ、以下の事項を明らかにして委託を行う。 ・委託事務の範囲並びに委託事務の管理及び執行の方法 ・委託事務に要する経費の支弁の方法その他必要な事項 ② 他の地方公共団体に対する事務の委託を行った場合、区は、上記事項を公示するとともに、都に届け出る。 また、事務の委託又は委託に係る事務の変更若しくは事務の廃止を行った場合は、区長は、その内容を速やかに区議会に報告する。 5 指定行政機関の長等に対する職員の派遣要請 (1) 区は、国民保護措置の実施のため必要があるときは、指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長又は特定指定公共機関(指定公共機関である特定独立行政法人をいう。)に対し、当該機関の職員の派遣の要請を行う。また、必要があるときは、地方自治法の規定に基づき、他の地方公共団体に対し、当該地方公共団体の職員の派遣を求める。 (2) 区は、(1)の要請を行うときは、都を経由して行う。ただし、人命の救助等のために緊急を要する場合は、直接要請を行う。また、当該要請等を行っても必要な職員の派遣が行われない場合などにおいて、国民保護措置の実施のため必要があるときは、都を経由して総務大臣に対し、(1)の職員の派遣について、あっせんを求める。 6 区の行う応援等 (1) 他の区市町村に対して行う応援等 ① 区は、他の区市町村から応援の求めがあった場合には、求められた応援を実施することができない場合や、他の機関が実施する国民保護措置と競合する場合など、正当な理由のある場合()を除き、必要な応援を行う。 ② 他の区市町村から国民保護措置に係る事務の委託を受けた場合、区長は、所定の事項を区議会に報告し、また区は公示を行い、都に届け出る。 (2) 指定公共機関又は指定地方公共機関に対して行う応援等 区は、指定公共機関又は指定地方公共機関の行う国民保護措置の実施について労務、施設、設備又は物資の確保についての応援を求められた場合には、求められた応援を実施することができない場合や、他の機関が実施する国民保護措置と競合する場合など、正当な理由のある場合を除き、必要な応援を行う。   7 自主防災組織等に対する支援等 (1) 自主防災組織等に対する支援 ① 区は、自主防災組織による警報の内容の伝達、自主防災組織や町会・自治会長等の地域のリーダーとなる住民による避難住民の誘導等の実施に関する協力について、その安全を十分に確保し、適切な情報の提供や、活動に対する資材の提供等により、自主防災組織に対する必要な支援を行う。 ② 特に、集客数の多い施設等の避難誘導等が円滑かつ迅速に行われるよう、施設管理者に対し、区は、適宜、情報提供を行うなど必要な支援に努める。 (2) ボランティア活動への支援等 区は、武力攻撃事態等におけるボランティア活動に際しては、その安全を十分に確保する必要があることから、武力攻撃事態等の状況を踏まえ、その可否を判断する。 また、区は、安全の確保が十分であると判断した場合には、都と連携して、ボランティア関係団体等と相互に協力し、被災地又は避難先地域におけるニーズや活動状況の把握、ボランティアへの情報提供、ボランティアの生活環境への配慮等の受入体制の確保等に努め、その技能等の効果的な活用を図る。 (3) 民間からの救援物資の受入れ 区は、都や関係機関等と連携し、国民、企業等からの救援物資について、受入れを希望するものを把握し、また、救援物資の受入れ、仕分け、避難所への配送等の体制の整備等を図る。 8 住民への協力の要請 区は、国民保護法の規定により、次に掲げる措置を行うために必要があると認める場合には、住民に対し、必要な援助についての協力を要請する。この場合において、要請を受けて協力する者の安全の確保に十分に配慮する。 ○ 避難住民の誘導 ○ 避難住民等の救援 ○ 消火、負傷者の搬送、被災者の救助その他の武力攻撃災害への対処に関する措置 ○ 保健衛生の確保 等 第4節 国民の権利・利益の救済に係る手続き等 区は、国民保護措置の実施に伴う損失補償、国民保護措置に係る不服申立て又は訴訟その他の国民の権利・利益の救済に係る手続を迅速に処理するための必要な事項について、以下のとおり定める。 1 国民の権利・利益の迅速な救済 区は、国民保護措置の実施に伴う損失補償、国民保護措置に係る不服申立て又は訴訟その他の国民の権利利益の救済に係る手続を迅速に処理するため、国民からの問い合わせに対応するための総合的な窓口を開設する。救済に係る手続は、国民保護措置の実施に伴う命令、要請等を担当する部署が行う。 また、必要に応じ外部の専門家等の協力を得ることなどにより、国民の権利利益の救済のため迅速に対応する。 【国民の権利利益の救済に係る手続項目一覧】 再掲 項目 項目の内容(該当事項) 損失補償 (法第159条第1項) 特定物資の収用に関すること。(法第81条第2項) 特定物資の保管命令に関すること。(法第81条第3項) 土地等の使用に関すること。(法第82条) 応急公用負担に関すること。(法第113条第3項) 損害補償 (法第160条) 国民への協力要請によるもの (法第70条第1・3項、80条第1項、115条第1項、123条第1項) 不服申立てに関すること。(法第6条、175条) 訴訟に関すること。(法第6条、175条) ※表中の「法」は、「国民保護法」を示す。 2 国民の権利・利益に関する文書の保存 区は、国民の権利利益の救済の手続に関連する文書(公用令書の写し、協力の要請日時、場所、協力者、要請者、内容等を記した書類等)を、区文書管理規程等の定めるところにより、適切に保存する。また、国民の権利利益の救済を確実に行うため、武力攻撃災害による当該文書の逸失等を防ぐために、安全な場所に確実に保管する等の配慮を行う。 区は、これらの手続に関連する文書について、武力攻撃事態等が継続している場合及び国民保護措置に関して不服申立て又は訴訟が提起されている場合には保存期間を延長する。 第5節 警報及び避難の指示等 第1 警報の伝達等 区は、武力攻撃事態等において、住民の生命、身体及び財産を保護するため、警報の内容の迅速かつ的確な伝達及び通知を行うことが極めて重要であることから、警報の伝達及び通知等に必要な事項について、以下のとおり定める。 1 警報の内容の伝達・通知の手順 (1) 国の対策本部長が警報を発令し、総務大臣を経由して、都知事に対して警報を通知する。 【警報の内容】 ・武力攻撃事態等の現状及び予測 ・武力攻撃が迫り、又は発生したと認められる地域 ・住民、団体等に周知すべき事項 (2) 都知事が総務大臣からの通知を受け、直ちにその内容が、区、都の執行機関、放送事業者その他の指定地方公共機関、その他関係機関等に通知される。 (3) 通知を受けた区は、都や関係機関と協力し、住民や事業所等に警報の内容を伝達する。 2 警報の内容の伝達・通知 (1) 警報の内容の伝達 ① 区は、都から警報の内容の通知を受けた場合には、あらかじめ定められた伝達方法(伝達先、手段、伝達順位)により、速やかに住民及び関係のある国公私の団体(消防団、町会・自治会、世田谷区社会福祉協議会、世田谷ボランティア協会、病院、学校など)に警報の内容を伝達する。 なお、その手段は、以下のとおりとする。 ○ サイレン、防災行政用無線塔、町会・自治会、自主防災組織、区広報車、区ホームページ、エフエム世田谷 等 ② 区は、都と協力して、区内の大規模集客施設について、あらかじめ定めた伝達先へ速やかに警報の内容を伝達する。 (2) 警報の内容の通知 ① 区は、当該区の他の執行機関その他の関係機関(教育委員会、農業委員会、保育園など)に対し、警報の内容を通知する。 ② 区は、警報が発令された旨の報道発表については速やかに行うとともに、区のホームページ(https://www.city.setagaya.lg.jp/)に警報の内容を掲載する。また、エフエム世田谷やCATV、電光表示板等多様な手法を活用して周知に努める。   3 警報の内容の伝達方法 (1) 警報の内容の伝達方法については、緊急情報ネットワークシステム(Em-Net)、全国瞬時警報システム(J-ALERT)等を活用し、地方公共団体に伝達される。区は、全国瞬時警報システム(J-ALERT)と連携している情報伝達手段等により、原則として以下の要領により行う。 ① 「武力攻撃が迫り、又は現に武力攻撃が発生したと認められる地域」に区が含まれる場合 この場合においては、全国瞬時警報システム(J-ALERT)で、同報系防災行政無線で国が定めたサイレンを最大音量で吹鳴して住民に注意喚起した後、武力攻撃事態等において警報が発令された事実等を周知する。 ② 「武力攻撃が迫り、又は現に武力攻撃が発生したと認められる地域」に区が含まれない場合 ア)この場合において、原則として、サイレンは使用せず、防災行政無線やホームページ等への掲載をはじめとする手段により、周知を図る。 イ)なお、区長が特に必要と認める場合には、サイレンを使用して住民に周知を図る。 また、広報車の使用、自主防災組織による伝達、町会・自治会等への協力依頼などの防災行政無線による伝達以外の方法も活用する。 ※全国瞬時警報システム(J-ALERT)によって情報が伝逹されなかった場合においては、緊急情報ネットワークシステム(Em-Net)によって伝達された情報をホームページ等に掲載する等により、周知を図る。 (2) 区長は、警報の内容の伝達に当たり、東京消防庁(消防署)の協力が得られるよう、その消火活動及び救助・救急活動の状況に留意し、緊密な連携を図る。なお、この場合、消防団は、東京消防庁(消防総監又は消防署長)の所轄の下に行動するものとする。 また、区は、交番、駐在所、パトカー等の勤務員による拡声機や標示を活用した警報の内容の伝達が的確かつ迅速に行われるよう、警視庁(警察署)と緊密な連携を図る。 (3) 警報の内容の伝達においては、特に、高齢者、障害者、外国人等に対する伝達に配慮するものとし、具体的には、要配慮者について、危機管理部や保健福祉政策部等関係部署が連携し、「避難行動要支援者名簿」を活用するなど、要配慮者に迅速に正しい情報が伝達され、避難などに備えられるよう、体制の整備に努める。 (4) 警報の解除の伝達については、警報の伝達の場合と同様に行う。ただし、原則として、サイレンは使用しない。 4 緊急通報の伝達及び通知 (1) 都知事から緊急通報の通知を受けた場合は、直ちに、その内容を、住民及び関係のある公私の団体等に伝達するとともに、区の執行機関その他の関係機関に通知する。 都から通知される緊急通報の内容の例示は、次のとおりとなっている。 【緊急通報の内容の例示】 ◇ 世田谷区○○付近において、武装した不審な2~3人組が付近に潜んでいる模様との情報がある。 ・ ○○付近で銃撃と思われる音が聞こえたとの情報があり ・ 現在、警察・自衛隊等関係機関が調査中 ・ ○○付近に居住する住民は、できるだけ外出を控え、テレビ・ラジオのスイッチをつけて情報収集を行い、今後の行政の指示を待つこと。 ・ その他不審者に関する情報等があれば、電話××-××××-××××に電話すること。 (2) 緊急通報の住民や関係機関への伝達・通知方法については、原則として警報の伝達・通知方法と同様とする。 第2 避難住民の誘導等 区は、都の避難の指示に基づいて、避難実施要領を作成し、避難住民の誘導を行うこととなる。区が住民の生命、身体、財産を守るための責務の中でも非常に重要なプロセスであることから、避難の指示の住民等への伝達及び避難住民の誘導について以下のとおり定める。 1 避難の指示の伝達 ① 区長は、都知事が迅速かつ的確に避難の指示を行えるよう、事態の状況を踏まえ、被災情報や現場における事態に関する情報、避難住民数、避難誘導の能力等の状況について、収集した情報を迅速に都に提供する。 ② 区長は、都知事による避難の指示が行われた場合には、警報の内容の伝達に準じて、その内容を住民に対して迅速に伝達する。 2 避難の指示に係る手順 (1) 国の対策本部長から、総務大臣を経由して、都知事に対して避難措置の指示がなされる。 指示の内容は、次のとおりである。 ① 要避難地域 ② 避難先地域(避難経路となる地域を含む。) ③ 関係機関が講ずべき措置の概要   (2) 都知事から、区長、都の執行機関等に対して、避難措置の指示の内容が通知される。 (3) 都知事において、避難の指示の内容が具体化され、次の事項を加えて、直ちに避難の指示の内容が決定される。 ① 主要な避難経路 ② 避難のための交通手段 ③ その他避難の方法 (4) 都知事から、要避難地域を管轄する区長を経由して、当該地域の住民に対して避難の指示の内容が伝達される。  避難の指示の内容は次のとおりである。 ① 要避難地域 ② 避難先地域(避難経路となる地域含む。) ③ 関係機関が講ずべき措置の概要 ④ 主要な避難経路 ⑤ 避難のための交通手段 ⑥ その他避難の方法 (5) 都知事から、避難の指示の内容が避難先地域を管轄する区市町村長等に対し通知される。 3 避難実施要領の策定 (1) 避難実施要領の策定 ① 区長は、避難の指示を受けた場合は、平素に策定しておいた避難実施要領のパターンを参考にしつつ、各執行機関、都、警視庁(警察署)、東京消防庁(消防署)、自衛隊等の関係機関の意見を聞いた上で、避難の指示の内容に応じた避難実施要領を的確かつ迅速に策定する。 その際、避難実施要領の通知・伝達が避難の指示後速やかに行えるよう迅速な作成に留意する。 ② 避難の指示の内容が修正された場合又は事態の状況が変化した場合には、直ちに、避難実施要領の内容を修正する。 【避難実施要領に定める事項(法定事項)】 ・避難の経路、避難の手段その他避難の方法に関する事項 ・避難住民の誘導の実施方法、避難住民の誘導に係る関係職員の配置その他避難住民の誘導に関する事項 ・その他避難の実施に関し必要な事項 【避難実施要領の作成の留意点】 ・避難実施要領は、避難誘導に際して、活動に当たる様々な関係機関が共通の認識のもとで避難を円滑に行えるようにするために作成するものであり、都計画に記載される区の計画作成の基準の内容に沿った記載を行うことが基本である。   (2) 避難実施要領に記載する項目 区長は、上記法定事項、都国民保護計画に基づき、原則、次に掲げる項目を避難実施要領において定める。 ただし、緊急の場合には、時間的な余裕がないことから、事態の状況等を踏まえて、当初は法定事項を箇条書きにするなど、避難実施要領を簡潔な内容で作成するなど柔軟に対応する。 ① 要避難地域及び避難住民の誘導の実施単位 ・ 避難が必要な地域の住所を可能な限り明示するとともに、町会・自治会等、地域の実情に応じた適切な避難の実施単位を記載する。 ② 避難先 ・ 避難先の住所及び施設名を可能な限り具体的に記載する。 ③ 一時集合所及び集合方法 ・ 避難住民の誘導や運送の拠点となるような、一時集合所等の住所及び場所名を可能な限り具体的に明示するとともに、集合場所への交通手段を記載する。 (例:集合場所 ○○2-1の区立○○小学校の校庭に集合すること。集合に当たっては、原則として徒歩により行う。必要に応じて、自転車等を使用することとし、要配慮者については自動車等の使用ができる。) ④ 集合時間 ・ 避難誘導の際の交通手段の出発時刻や避難誘導を開始する時間を可能な限り具体的に記載する。 ⑤ 集合に当たっての留意事項 ・ 集合後の町会・自治会内や近隣住民同士の安否確認、要配慮者への配慮事項等、集合に当たっての避難住民の留意すべき事項を記載する。 ⑥ 避難の手段及び避難の経路 ・ 集合後に実施する避難誘導の交通手段を明示するとともに、避難経路等、避難誘導の詳細を可能な限り具体的に記載する。 (例:集合後は、○○鉄道○○線○○駅より、○月○日○時○分より10分間隔で運行する○市○駅行きの電車で避難を行う。○市○駅に到着後は、○市の職員に従って、徒歩で○市立小学校体育館に避難する。) ⑦ 区職員の配置等 ・ 避難住民の避難誘導を迅速かつ円滑に行えるよう、区職員等の配置及び担当業務等を明示するとともに、その連絡先等を記載する。 ⑧ 高齢者、障害者等要配慮者への対応 ・ 高齢者、障害者、乳幼児、妊産婦等自ら避難することが困難な者の避難誘導を円滑に実施するために、対応方法を記載する。 (例:誘導に際しては、自ら避難することが困難な者を優先的に避難させるものとする。また、民生委員、自主防災組織及び町会・自治会等に、避難誘導の実施に協力してもらうよう呼びかける。) ⑨ 要避難地域における残留者の確認 ・ 要避難地域に残留者が出ないよう、残留者の確認方法を記載する。 (例:避難の実施の後、速やかに残留者の有無を確認する。避難が遅れている者に対しては、早急に避難するよう説得をする。) ⑩ 避難誘導中の食料等の支援 ・ 避難誘導中に避難住民へ、食料・水・医療・情報等を的確かつ迅速に提供できるよう、支援内容を記載する。 (例:避難誘導要員は、○月○日○時○分に避難住民に対して、食料・水を供給する。集合場所及び避難先施設においては、救護所を設置し、適切な医療を提供する。) ⑪ 避難住民の携行品、服装 ・ 必要最低限の携行品、服装とするよう、留意事項を記載する。 (例:携行品は、数日分の飲料水や食料品、生活用品、救急医薬品、ラジオ、懐中電灯等必要なものを入れた非常持出品のみとし、身軽に動けるようにする。服装は、身軽で動きやすいものとし、帽子や頭巾で頭を保護し、鞄は底のしっかりした運動靴をはくようにする。なお、NBC災害の場合には、マスク、手袋及びハンカチを持参し、皮膚の露出を避ける服装とする。) ⑫ 避難誘導から離脱してしまった際の緊急連絡先等 ・ 問題が発生した際の緊急連絡先を記述する。 (例:緊急連絡先 ○市対策本部 電話××―××××―×××× 担当○○) (3) 避難実施要領の策定の際における考慮事項 避難実施要領の作成に際しては、以下の点に考慮する。 ① 避難の指示の内容の確認 (地域毎の避難の時期、優先度、避難の形態) ② 事態の状況の把握(警報の内容や被災情報の分析) (特に、避難の指示以前に自主的な避難が行われる状況も勘案) ③ 避難住民の概数把握 ④ 誘導の手段の把握(屋内避難、徒歩による移動避難、長距離避難(運送事業者である指定地方公共機関等による運送)) ⑤ 輸送手段の確保の調整(※輸送手段が必要な場合) (都との役割分担、運送事業者との連絡網、一時避難場所の選定) ⑥ 要配慮者の避難方法の決定(避難行動要支援者名簿、避難行動要支援者担当の設置) ⑦ 避難経路や交通規制の調整(具体的な避難経路、警察との避難経路の選定・自家用車等の使用に係る調整、道路の状況に係る道路管理者との調整) ⑧ 職員の配置(各地域への職員の割り当て、現地派遣職員の選定) ⑨ 関係機関との調整(現地連絡調整所の設置、連絡手段の確保) ⑩ 自衛隊及び米軍の行動と避難経路や避難手段の調整(都対策本部との調整、国の対策本部長による利用指針を踏まえた対応) (4) 国の対策本部長による利用指針の調整 ○ 区長は、自衛隊や米軍の行動と国民保護措置の実施について、道路・施設等における利用のニーズが競合する場合には、区長は、国の対策本部長による「利用指針」の策定に係る調整が開始されるように、都を通じて、国の対策本部に早急に現場の状況等を連絡する。 ○ この場合において、区長は、都を通じた国の対策本部長による意見聴取(武力攻撃事態等における特定公共施設等の利用に関する法律第6条第3項等)及び国の対策本部長からの情報提供の求め(同法第6条第4項等)に適切に対応できるよう、避難の現状、施設の利用の必要性や緊急性等について、区の意見や関連する情報をまとめる。   (5) 避難実施要領の内容の伝達等 区長は、避難実施要領を作成後、直ちに、その内容を、住民及び関係のある公私の団体に伝達する。その際、住民に対しては、迅速な対応が取れるよう、各地域の住民に関係する情報を的確に伝達するように努める。 また、区長は、直ちに、その内容を区の他の執行機関、区内の消防署長、警察署長等及び自衛隊東京地方協力本部長並びにその他の関係機関に通知する。 さらに、区長は、報道関係者に対して、避難実施要領の内容を提供する。 4 避難住民の誘導 (1) 区長による避難住民の誘導 ① 区長は、避難実施要領で定めるところにより、その職員を指揮し、消防総監(消防署長)及び消防団長と協力して、避難住民を誘導する。 その際、避難実施要領の内容に沿って、町会・自治会、学校、事業所等を単位として誘導を行う。ただし、緊急の場合には、この限りではない。 また、区長は、避難実施要領に沿って、避難経路の要所要所に職員を配置して、各種の連絡調整に当たらせるとともに、行政機関の車両や案内板を配置して、誘導の円滑化を図る。また、職員には、住民に対する避難誘導活動への理解や協力を得られるよう、防災服、腕章、旗、特殊標章等を携行させる。 ② なお、夜間では、暗闇の中における視界の低下により人々の不安も一層高まる傾向にあることから、避難誘導員が、避難経路の要所要所において、夜間照明(投光器具、車のヘッドライト等)を配備するなど住民の不安軽減のため必要な措置を講ずる。 (2) 東京消防庁との連携 区長は、避難住民の誘導を行うにあたっては、消火活動及び救助・救急活動の状況を勘案した上で、消防総監(消防署長)の協力を得て実施する。 なお、区内の消防団は、消防総監又は消防署長の所轄の下に行動するものとする。 (3) 避難誘導を行う関係機関との連携 区長は、必要があると認めるときは、警察署長又は国民保護措置の実施を命ぜられた自衛隊の部隊等の長に対して、警察官、自衛官(以下、「警察官等」という。)による避難住民の誘導を要請する。 区長は、これらの誘導における現場での調整を円滑に行い、事態の変化に迅速に対応できるよう、事態の規模・状況に応じて現地連絡調整所を設け、関係機関との情報共有や活動調整を行う。 (4) 自主防災組織等に対する協力の要請 区長は、避難住民の誘導に当たっては、自主防災組織や町会・自治会長等の地域においてリーダーとなる住民に対して、避難住民の誘導に必要な援助について、協力を要請する。 (5) 誘導時における食品の給与等の実施や情報の提供 区長は、避難住民の誘導に当っては、都と連携して、食品の給与、飲料水の供給、医療の提供その他の便宜を図る。 区長は、避難住民の心理を勘案し、避難住民に対して、必要な情報を適時適切に提供する。その際、避難住民の不安の軽減のために、可能な限り、事態の状況等とともに、行政側の対応についての情報を提供する。 (6) 高齢者、障害者等要配慮者への配慮 区長は、高齢者や障害者、妊産婦・乳幼児等要配慮者の避難を万全に行うため、避難行動要支援者担当を設置し、都要配慮対策統括部と連携しつつ、町会・自治会や民生委員、障害者団体、世田谷区社会福祉協議会、世田谷ボランティア協会、介護保険事業関係者等と協力して、要配慮者への連絡、運送手段の確保を的確に行うものとする。 なお、要配慮者の避難に関して、区は避難場所、避難所等の拠点までの運送を支援する。 (7) 残留者等への対応 避難住民の誘導にあたる区職員は、警察、消防等と共に、避難の指示に従わずに要避難地域にとどまる者に対しては、事態の状況等に関する情報に基づき丁寧な説明を行い、残留者の説得に努めるとともに、避難に伴う混雑等により危険な事態が発生する場合には、必要な警告や指示を行う。 (8) 避難場所の運営 区は、原則、区域内に所在する避難場所を運営する。 (9) 避難所等における安全確保等 区は、警視庁(警察署)が行う被災地、避難所等における犯罪の予防のための活動に必要な協力を行うとともに、警視庁(警察署)と協力し、住民等からの相談に対応するなど、住民等の不安の軽減に努める。 区は、その管理する避難所において、都が定める避難所の安全基準に基づき、施設及び施設内の設備等を適切に保全するものとする。 (10) 動物の保護等に関する配慮 区は、「動物の保護等に関して地方公共団体が配慮すべき事項についての基本的考え方について(平成17年8月31日付け環境省自然環境局総務課動物愛護管理室及び農林水産省生産局畜産部畜産企画課通知)」を踏まえ、以下の事項等について、所要の措置を講ずるよう努める。 ・危険動物等の逸走対策 ・要避難地域等において飼養又は保管されていた家庭動物等の保護等 (11) 通行禁止措置の周知 道路管理者たる区は、道路の通行禁止等の措置を行ったときは、警察と協力して、直ちに、住民等に周知徹底を図るよう努める。 (12) 都に対する要請等 ① 区長は、避難住民の誘導に際して食料、飲料水、医療等が不足する場合には、都知事に対して、必要な支援の要請を行う。 その際、特に、都による救護班等の応急医療体制との連携に注意する。 ② また、避難住民の誘導に係る人的・物的な資源配分について、他の区市町村と競合するなど広域的な調整が必要な場合は、都知事に対して、所要の調整を行うよう要請する。 ③ 区長は、都知事から、避難住民の誘導に関して、是正の指示があったときは、その指示の内容を踏まえて、適切な措置を講ずる。 ④ 区長は、避難住民の誘導に関して、都の区域を越えて避難誘導を行う際など、当該区のみでは十分な対応が困難であると認めるときは、都知事に対して、避難誘導の補助を要請する。 特に、都県境を越えて避難住民を誘導する必要が生じた場合には、都職員の派遣を要請し、避難先県との調整を求める。 (13) 避難住民の運送の求め等 区長は、避難住民の運送が必要な場合において、運送事業者である指定公共機関又は指定地方公共機関に対して、避難住民の運送を求める。 区長は、運送事業者である指定公共機関又は指定地方公共機関が正当な理由なく運送の求めに応じないと認めるときは、指定公共機関にあっては、都を通じて国の対策本部長に対し、指定地方公共機関にあっては、都対策本部長に、その旨を通知する。 (14) 避難住民の復帰のための措置 区長は、避難の指示が解除された時は、避難住民の復帰に関する要領(復帰実施要領)を作成し、避難住民を復帰させるため必要な措置を講じる。 (15) 核攻撃の避難退域時検査及び簡易除染の実施 核攻撃等においては、都と連携して避難住民等(運送に使用する車両及びその乗務員を含む。)の避難退域時検査及び簡易除染(防災基本計画(原子力災害対策編)の簡易除染をいう。以下同じ。)その他放射性物質による汚染の拡大を防止するために必要な措置を講じる。 (16) 大規模集客施設等における避難 区は、大規模集客施設や旅客輸送関連施設の施設管理者等と連携し、施設の特性に応じ、当該施設等に滞在する者等についても、避難等の国民保護措置が円滑に実施できるよう必要な対策をとる。 5 想定される避難の形態と区による誘導 発生する事態の特性(時間的・規模的)に応じて避難の形態も異なることから、これらについて避難の指示・誘導に係る留意点を整理する。 (1) 突発的かつ局地的な事態の場合 ゲリラ・特殊部隊による攻撃、テロ等 ① 屋外で突発的に発生 要避難地域となった区は、自主的にあるいは当初の屋内避難(退避)の指示により建物内に避難した住民を、避難の指示等に基づき、避難所等まで誘導する。 ≪該当する事態類型と避難上の留意点≫ ゲリラ・特殊部隊による攻撃の場合 ・ ゲリラ・特殊部隊による攻撃においても、国の対策本部長の避難措置の指示及び都知事による避難の指示を踏まえて、避難実施要領を策定し、迅速に避難住民の誘導を実施することが基本である。 ただし、屋外での急襲的な攻撃に際しては、避難措置の指示を待たずに、攻撃当初は屋内に一時避難させ、その後安全措置を講じつつ適切な避難所に避難させる等の対応が必要である。 ・ 状況により、退避の指示、警戒区域の設定等時宜に応じた措置が不可欠である。 また、政府による事態認定前にゲリラ等の攻撃を受けた場合は、災害対策基本法等既存の法制を活用するなど、柔軟に対応する。 ・ 当初の避難実施要領の策定に当たっては、法定事項を箇条書きにするなど、避難実施要領を簡潔な内容で作成する。その後、避難所に避難させる場合の同要領の策定は、各執行機関、都、警視庁(警察署)、東京消防庁(消防署)、自衛隊等関係機関の意見を聴き、それらの機関からの情報や助言を踏まえて、避難の方法を策定することが必要である。 また、事態の変化等に機敏に対応するため、現場における関係機関の情報を共有し、関係機関からの助言に基づく的確な措置を実施できるよう、現地連絡調整所を設けて活動調整に当たる。 【都からの避難の指示の内容例(ゲリラによる攻撃)】 避難の指示 都知事    ○月○日○時 ○ 都内で、ゲリラによる急襲的な攻撃が○月○日○時頃に発生した。 ○ A地区の住民については、外出による移動には危険を伴うことから、区長による誘導の連絡があるまで、屋内へ一時的に避難すること。 ○ B地区の住民については、区長による誘導に従い、C地区へ避難すること、健常者は、徒歩や自転車等により自力で避難することとし、高齢者、障害者その他特に配慮を要する者については、バス等により避難すること。 弾道ミサイル攻撃(通常弾頭、BC弾頭) ・ 発射後短時間で着弾することが予想されるため、弾道ミサイル発射時に住民が適切な行動をとることができるよう、全国瞬時警報システム(J-ALERT)による情報伝達及び弾道ミサイル落下時の行動について平素から周知に努める等、迅速な情報伝達等による被害の局限化が重要である。 ・ 当初は、できるだけ、近くのコンクリート造りの堅ろうな施設や建築物の地階、地下街、地下駅舎等の地下施設への避難の指示がなされる。 ・ 区は、ミサイル着弾後、被害内容が判明した後、都知事からの避難の指示の内容に沿って避難実施要領を策定し、避難住民を誘導する。 ・ 以下の措置の流れを前提として、避難実施要領の内容は、あらかじめ出される避難措置の指示及び避難の指示に基づき、弾道ミサイルが発射された段階で迅速に個々人が対応できるよう、その取るべき行動を周知する。 【弾道ミサイル攻撃の場合の措置の流れ】 ア 国の対策本部長は、弾道ミサイルの発射が差し迫っているとの警報を発令、避難措置を指示 国の対策本部長 : 警報の発令、避難措置の指示  (その他、記者会見等による国民への情報提供) 都知事 : 避難の指示  区長 : 避難実施要領の策定  イ 実際に弾道ミサイルが発射されたときは、対策本部長がその都度警報を発令 【都からの避難の指示の内容例(弾道ミサイル攻撃)】 避難の指示 都知事    ○月○日○時 ○ 弾道ミサイル攻撃による警報の発令及び避難措置の指示があったので、住民は、速やかに、屋内(特に建物の中心部)に避難すること。 その際、できるだけ、近隣の堅牢な施設や建築物の地階、地下街などに避難すること。 ○ 次の避難措置の指示が行われるまで、当該屋内に留まるとともに、テレビやラジオその他の手段により、情報の入手に努めること。 (特に、着弾後において、避難措置の指示がある場合) ○ 要避難地域に該当するA市AA地区の住民は、次に避難の指示の解除があるまで、屋内に留まること。 弾頭の種類は、○○剤と考えられることから、・・・・ 航空攻撃(通常爆弾等) ・ 航空機攻撃が大規模な着上陸侵攻の前提として行われる場合は、着上陸侵攻の場合と同様の対応をとることが必要となる。 ・ 急襲的に航空攻撃が行われる場合については、弾道ミサイルの場合と同様の対応をとることが必要となる。 緊急対処事態(大規模テロ等) ・ 大規模テロ等(緊急対処事態)への対処で記述(第6章) ② 大規模集客施設等内で突発的に発生 区は、避難(退避)の指示により大規模集客施設等から施設外へ避難した住民等を、避難所等まで誘導する。 緊急対処事態(大規模テロ等(NBC攻撃を伴う場合を含む)) 大規模テロ等(緊急対処事態)への対処で記述(第6章) (2) 突発的かつ広範囲な事態の場合 要避難地域となった区は、屋内に避難した住民等を、避難の指示等に基づき、避難場所等を経て、他区市町村(他県)の避難所まで誘導する。 ≪該当する事態類型と避難上の留意点≫ 弾道ミサイル攻撃(核弾頭) ・ 攻撃当初は爆心地周辺から直ちに離れ、近くの堅牢な建物・地下施設等に避難する。 ・ 一定時間経過後、放射線の影響を受けない安全な地域への避難の指示がなされる。 ・ 核爆発に伴う熱線・熱風等による直接の被害を受けないものの放射性降下物の影響を受けるおそれのある地域は、放射線の影響を受けない安全な地域への避難の指示(風下をさけ極力風向きと垂直方向)がなされる。 ・ 区は、ミサイル着弾後、被害内容が判明した後、都知事からの避難の指示の内容に沿って避難実施要領を策定し、避難住民を誘導する。 航空攻撃(核弾頭) ・ 弾道ミサイル攻撃(核弾頭)に準じる。 (3) 時間的余裕がありかつ局地的な事態の場合 要避難地域となった区は、避難の指示等に基づき、避難住民を区内の避難所等まで誘導する。 ≪該当する事態類型と避難上の留意点≫ ゲリラ・特殊部隊による攻撃(施設占拠に伴う周辺住民の避難等) () ・ 警察等により周辺の安全を確保した上で、それらの避難誘導に従い避難する。 (4) 時間的余裕がありかつ広範囲な事態の場合 要避難地域となった区は、避難の指示等に基づき、避難住民を一時集合所又は避難場所等を経て、他の区市町村(他県)まで誘導する。 ≪該当する事態類型と避難上の留意点≫ 着上陸侵攻 ・ 大規模な着上陸侵攻やその前提となる反復した航空攻撃等の本格的な侵略事態に伴う避難については、事前の準備が可能である一方、国民保護措置を実施すべき地域が広範囲となり、都の区域を越える避難に伴う我が国全体としての調整等が必要となり、国の総合的な方針を待って対応することが必要となる。 ・ このため、着上陸侵攻に伴う避難は、事態発生時における国の総合的な方針、それらに基づく都知事による指示等に基づき避難を行うことを基本とする。   6 特にNBCを使用した攻撃の場合の避難上の留意点 時間的・規模的な事態特性ではないが、NBCを使用した攻撃について、特に避難上の留意点を以下に整理する。 (1) 核兵器等 ○ 熱線爆風等による直接の被害を受ける地域については、攻撃当初の段階は爆心地周辺から直ちに離れ、地下施設等への避難を指示し、放射性ヨウ素による体内汚染が予想されるときは安定ヨウ素剤を服用させるなどして、一定時間経過後、放射線の影響を受けない安全な地域に避難させることが必要である。 ○ 直接の被害は受けないものの、放射性降下物からの放射線による被害を受けるおそれがある地域については、放射線の影響を受けない安全な地域に避難することが必要である。 ○ ダーティーボムによる攻撃の場合、武力攻撃が行われた場所から直ちに離れ、できる限り近傍の地下施設等に避難することが必要とされる。 ○ 避難にあたっては、風下を避けてなるべく風向きと垂直方向に避難するとともに、手袋、帽子、雨ガッパ等を着用する。また、口及び鼻を汚染されていないタオル等で保護することや汚染された疑いのある水や飲物の摂取を避けることが必要である。 (2) 生物兵器等 生物剤による攻撃が行われた場合又はそのおそれがある場合は、武力攻撃が行われた場所又はそのおそれがある場所から直ちに離れ、外気からの密閉性の高い屋内の部屋又は感染のおそれのない安全な地域に避難することが必要となる。 (3) 化学兵器等 ○ 化学剤による攻撃が行われた場合又はそのおそれがある場合は、武力攻撃が行われた場所又はそのおそれがある場所から直ちに離れ、外気からの密閉性の高い屋内の部屋又は風上の高台などおそれのない安全な地域に避難することが必要である。 ○ 化学剤は、一般的に空気より重いため、可能な限り高所に避難することが求められる。 第6節 救援 区は、都及び関係機関と連携・協力し、避難所において食品、飲料水及び生活必需品の供与や医療の提供等により、避難住民の生活を支援し、確保するための必要な事項について、以下のとおり定める。 1 救援の実施 (1) 救援の実施 区長は、都とあらかじめ調整した役割分担に基づき、都及び関係機関と緊密な連携を図りながら、避難住民や被災住民に対する救援を行う。 (2) 救援の補助 区長は、上記で実施することとされた措置を除き、都知事が実施する措置の補助を行う。 2 関係機関との連携 (1) 都への要請等 区長は、救援を実施するために必要と判断したときは、都知事に対して国及び他の県に支援を求めるよう、具体的な支援内容を示して要請する。 (2) 他の区市町村との連携 区長は、救援を実施するために必要と判断したときは、都知事に対し、都内の他の区市町村との調整を行うよう要請する。 (3) 日本赤十字社との連携 区長は、都知事が日本赤十字社に委託した救援の措置又はその応援の内容を踏まえ、日本赤十字社と連携しながら救援の措置を実施する。 (4) 緊急物資の運送の求め 区長は、運送事業者である指定公共機関又は指定地方公共機関に対し、緊急物資の運送を求める場合は、避難住民の運送の求めに準じて行う。 3 救援の程度及び方法の基準 区長は、「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律による救援の程度及び方法の基準」(平成25年内閣府告示第229号。以下「救援の程度及び基準」という。)及び都国民保護計画の内容に基づき救援の措置を行う。 区長は、「救援の程度及び基準」によっては救援の適切な実施が困難であると判断する場合には、都知事に対し、内閣総理大臣に特別な基準の設定についての意見を申し出るよう要請する。   4 救援の内容 (1) 収容施設の供与 ① 避難所 ア 避難所・二次避難所の開設、運営 ○ 区は、当該区域内が避難先地域となった場合、都との調整に基づき、避難先地域内に避難所を開設する。その際には、女性や要配慮者の視点に配慮した避難所運営に努める。 (都があらかじめ指定する大規模な都及び民間の施設を避難所とする場合は都が開設する) ○ 区は、避難所あるいは二次避難所の開設・運営を地域住民又は施設管理者と協力して行う。 ○ 区は、初動態勢等について、学校における災害対策本部のもと、学校の教職員と協力し、避難所の開設、運営を行う。 ○ 区は、避難住民の生活を支援する場として、避難所の運営窓口(1)を設置し、避難所開設期間を通じて必要な人員を派遣する。 避難所の運営窓口では、次のような業務を行う。 ・避難住民に対する食料等の配給 ・医療、衛生管理、避難所生活に関する情報提供、相談対応 ・避難住民の生活状況の把握 ・物資・資材等の要請 等 ○ 避難所の管理運営にあたっては、学校教育機能の確保に努めるとともに、プライバシーの確保等被災者の生活環境を良好に保つよう努める。 ○ 区は、新型コロナウイルス感染症等の発生及びまん延防止のため、発生した事案、被災者の状況、避難所の収容人数等を考慮し、可能な範囲で感染症防止対策を踏まえた避難所運営を実施する。 ○ 避難所や被災家屋での長期にわたる不自由な生活、被災のショック等による心身の健康への影響を考慮し、健康障害の発生防止や在宅療養者の症状悪化等の予防に努める。(2) イ 避難所・二次避難所の管理 区は、当該区の施設を避難所とする場合は、避難所の安全基準に基づき、施設及び施設内の設備等を適切に保全する。 (都の施設を避難所とする場合は「都」、民間施設を避難所とする場合は「当該施設の管理者」が、それぞれ管理を行う。) ウ 都対策本部(避難所支援本部)への報告 区(長)は、避難所における物資の不足等に伴うニーズを取りまとめ、必要に応じて都対策本部(都対策本部に避難所支援本部が設置されている場合は当該支援本部)へ報告のうえ、救援物資の供給等を要請する。 ② 応急仮設住宅等の設置及び運営 区は、避難が長期に及ぶ場合や復帰後も本来の住居が使用できない場合などにおいて、都が設置する応急仮設住宅に関し、入居者の募集、選定及び入居者管理を行う。 (2) 食品・飲料水及び生活必需品等の給与又は貸与 ① 食品及び生活必需品等の給与等 食品及び生活必需品等の給与等は、都による一括調達を原則とし、必要に応じて都及び区における備蓄品を活用する。また、緊急時においては、区における備蓄品(都の事前配置分を含む。)又は調達品をもって充てる。 ○ 区の食料・生活必需品等の調達は、区・都備蓄分の提供のほか、都及び相互応援協力協定を締結している自治体や民間協力協定を締結している民間事業者をはじめ、あらゆる方面から必要数量を調達する。 ○ 避難所等における食料・生活必需品等の配布は、混乱のおきないよう避難所運営マニュアルに基づき配布する。 ② 飲料水の給与 水道による飲料水の供給が不可能または困難になった場合、区は、都に対して応急給水を要請するとともに、都と連携して応急給水活動を実施する。 (3) 医療の提供及び助産 ① 医療に関する情報提供 区は、都と協力して、避難所周辺の医療機関の状況を把握し、避難住民に対して、利用可能な医療機関、診療科目等に関する情報を提供する。 ② 被災者への医療の提供及び助産 区は、地区医師会の協力のもとに医療救護所の設置、医療救護班等の派遣を行い、避難住民に対し医療等を提供する。 区は、必要に応じて、都に対し、医療の提供に関し次の支援を求める。 ・医薬品、医療資材の補充 ・都医療救護班の派遣 ・都医師会等に対する派遣要請 ・その他広域的な応援要請 ③ 医療救護体制の確保 区は、地域本部(総合支所)による医療救護所の設置がされ次第、速やかに医師会、歯科医師会、薬剤師会、柔道整復師会に対し、医療救護班、歯科医療救護班、薬剤師班、柔道整復師班の派遣を要請する。 また、区は、区内の医療機関等の対応能力のみでは十分ではないと認められるときは、都及びその他関係機関に協力を要請する。 ④ 患者の搬送 区は都と協力し、被災現場や避難場所・避難所から医療救護所まで患者を搬送する。 医療救護所から災害拠点病院等の医療施設への患者搬送については、都と連携して実施する。 なお、医療施設への搬送は、状況に応じて次により行うものとする。 ・東京消防庁に対する搬送要請 ・区や都の派遣する医療救護班が使用した自動車による搬送 ・都が調達するヘリコプター、船舶等による搬送 (4) 被災者の捜索及び救出 区は、警視庁、東京消防庁が中心となって行う被災者の捜索、救出に必要な協力を行う。 (5) 埋葬及び火葬 区は、身元不明死体を適正に保管し、適正期間経過後に火葬するとともに、遺留品、遺骨の保管を行う。 区は、必要に応じて、都に対し、広域的な火葬の応援・協力を要請する。 (6) 電話その他の通信設備の提供 区は、避難所において、都が電気通信事業者である指定公共機関の協力を得て手配した通信機器等の設置場所の確保を行い、機器を被災者の利用に供し、管理する。 (7) 武力攻撃災害を受けた住宅の応急修理 区は、都が行う武力攻撃災害を受けた住宅の応急修理に関して、都が定める選定基準により応急修理対象者の募集、選定を行う。 (8) 学用品の給与 区は、被災により教科書、文房具、通学用品等の学用品を失った児童・生徒について、供与すべき必要量を把握し都に報告する。 区は、都が区の報告に基づき一括して調達した学用品を配付する。 (9) 行方不明者の捜索及び死体の処理 区は、警視庁、東京消防庁が中心となって行う行方不明者の捜索に協力する。 区は、警視庁等関係機関と連携して、死体収容所の開設、死体の搬送、収容及び処理等を行う。 区は、死体の処理の時期や場所、死体の処理方法(死体の洗浄、縫合、消毒等、一時保存及び検案等の措置)等について、都、警視庁等と必要な調整を行う。 (10) 武力攻撃災害によって住居又はその周辺に運び込まれた土石、竹木等で、日常生活に著しい支障を及ぼしているものの除去 区は、復帰先での生活確保を支援するため、武力攻撃災害のため住居又はその周辺に土石、竹木等が堆積し、日常生活に著しい支障を及ぼしており、住民自らの資力では除去することができない場合、都と協力しこれらを除去する。() 第7節 安否情報の収集・提供 区は、安否情報の収集及び提供を行うに当たっては、他の国民保護措置の実施状況を勘案の上、その緊急性や必要性を踏まえて行うものとし、安否情報の収集、整理及び報告並びに照会への回答について必要な事項を以下のとおり定める。 1 安否情報の収集 (1) 安否情報の収集 区は、避難住民や負傷或いは死亡した住民の安否情報を、避難住民や医療機関などの関係機関から、武力攻撃事態等における安否情報の収集及び報告の方法並びに安否情報の照会及び回答の手続その他の必要な事項を定める省令(以下「安否情報省令」という。)に規定する様式(以下「省令様式」という。)第1号及び第2号の安否情報収集様式により収集する。 ただし、やむを得ない場合は、区長が適当と認める他の方法により収集する。 ≪収集の役割分担≫ ・区 ………… 区管理の避難施設、区の施設(学校等) 区の区域内の医療機関、警察署、消防署、大規模事業所、諸学校等 ・都 ………… 都管理の避難施設、都の施設(病院・学校等) 警視庁、東京消防庁等 ○ 住民からの照会に対しては、国、都、区それぞれが、共有する安否情報に基づき回答することとなる。   (2) 安否情報収集への協力要請 区は、安否情報を保有する指定公共機関、指定地方公共機関並びに医療機関等の関係機関に対し、安否情報の収集についての協力を要請する場合は、当該協力は、各機関の自主的な判断に基づき、その業務の範囲内で行われるものであることに留意する。 (3) 安否情報の整理 区は、自ら収集した安否情報について、できる限り重複を排除し、情報の正確性の確保を図るよう努める。この場合において、重複している情報や必ずしも真偽が定かでない情報についても、その旨がわかるように整理をしておく。 2 都に対する報告 区は、都への報告に当たっては、原則として安否情報システムを使用する。システムが利用できない場合には、省令様式第3号に必要事項を記載した書面を、電子メール等により都に送付する。ただし、事態が急迫している場合などこれらの方法によることができない場合は、口頭や電話などでの報告を行う。 3 安否情報の照会に対する回答 (1) 安否情報の照会の受付 ① 区は、安否情報の照会窓口や照会方法について、区対策本部を設置すると同時に住民に周知する。 ② 住民からの安否情報の照会については、原則として省令様式第4号に必要事項を記載した書面を窓口に提出することにより受け付ける。ただし、照会をしようとする者(以下「照会者」という。)が安否情報の照会を緊急に行う必要がある場合や遠隔地に居住している場合など、書面の提出によることができない場合は、口頭や電話、電子メールなどでの照会も受け付ける。 (2) 照会者の本人確認 ① 区は、窓口において安否情報の照会を受け付ける際には、照会者の本人確認を行うため、本人であることを証する書類(運転免許証、健康保険の被保険証等)を窓口において提出又は提示させる。 ② 区は、口頭や電話、電子メールなどによる安否情報の照会で、本人であることを証する書類を提出又は提示させることができない場合は、照会者の住所、氏名、生年月日、性別(以下「4情報」という。)について、住民基本台帳と照合することにより本人確認を行う。 なお、照会者が他区市町村に住所を有する場合は、安否情報省令第3条第3項に基づき、当該区市町村に問い合わせることにより4情報を照合し、本人確認を行う。 (3) 安否情報の回答 ① 区は、当該照会に係る者の安否情報を保有及び整理している場合には、(2)により本人確認を行った上で、当該照会が不当な目的によるものではなく、また、照会に対する回答により知り得た事項を不当な目的に使用されるおそれがないと認めるときは、省令様式第5号により、当該照会に係る者が避難住民に該当するか否か及び武力攻撃災害により死亡し、又は負傷しているか否かの別を回答する。 ② 区は、照会に係る者の同意があるとき又は公益上特に必要があると認めるときは、照会をしようとする者が必要とする安否情報に応じ、必要と考えられる安否情報項目を省令様式第5号により回答する。 ③ 区は、安否情報の回答を行った場合には、当該回答を行った担当者、回答の相手の氏名や連絡先等を把握する。 (4) 個人の情報の保護への配慮 ① 安否情報は個人の情報であることにかんがみ、その取扱いについては十分留意すべきことを職員に周知徹底するなど、安否情報データの管理を徹底する。 ② 安否情報の回答に当たっては、必要最小限の情報の回答にとどめるものとし、負傷又は疾病の状況の詳細、死亡の状況等個人情報の保護の観点から特に留意が必要な情報については、安否情報回答責任者が判断する。 4 日本赤十字社に対する協力 区は、日本赤十字社東京都支部の要請があったときは、当該要請に応じ、その保有する外国人に関する安否情報を提供する。当該安否情報の提供に当たっても、3(3)、(4)と同様に、個人の情報の保護に配慮しつつ、情報の提供を行う。 第8節 武力攻撃災害への対処 第1 武力攻撃災害への対処 区は、武力攻撃災害への対処において、災害現場における通常の対応とともに、特殊な武力攻撃災害への対応や活動時の安全の確保に留意した他の機関との連携による活動を行う必要があるため、武力攻撃災害への対処に関して基本的な事項を、以下のとおり定める。 1 武力攻撃災害への対処の基本的考え方 (1) 武力攻撃災害への対処 区は、国や都等の関係機関と協力して、当該区の区域に係る武力攻撃災害への対処のために必要な措置を講ずる。 (2) 知事への措置要請 区長は、武力攻撃災害への対処に関する措置を講ずる場合において、武力攻撃により多数の死者が発生した場合や、NBC攻撃による災害が発生し、国民保護措置を講ずるため高度な専門知識、訓練を受けた人員、特殊な装備等が必要となる場合など、区長が武力攻撃災害を防除し、及び軽減することが困難であると認めるときは、都知事に対し、必要な措置の実施を要請する。 (3) 対処に当たる職員の安全の確保 区は、武力攻撃災害への対処措置に従事する職員について、必要な情報の提供や防護服の着用等の安全確保のための措置を講ずる。 2 武力攻撃災害の兆候の通報 区長は、武力攻撃災害の兆候を発見した者、東京消防庁職員、警察官等から通報を受けた場合において、武力攻撃災害が発生するおそれがあり、これに対処する必要があると認めるときは、速やかにその旨を都知事に通知する。 第2 応急措置等 区は、武力攻撃災害が発生した場合において、特に必要があると認めるときは、自らの判断に基づき、退避の指示や警戒区域の設定を行うことが必要であり、それぞれの措置の実施に必要な事項について、以下のとおり定める。 1 退避の指示 (1) 退避の指示 区長は、武力攻撃災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、特に必要があると認めるときは、住民に対し退避の指示を行う。 この場合、退避の指示に際し、必要により現地連絡調整所を設け又は、関係機関により設置されている場合には、職員を早急に派遣し、関係機関との情報の共有や活動内容の調整を行う。 【退避の指示の例】 (例)「○○×丁目、△△○丁目」の住民については、○○の△△ (一時)避難場所へ退避すること。 特に、ゲリラや特殊部隊による攻撃の場合などには、住民に危険が及ぶことを防止するため、都知事による避難の指示を待ついとまがない場合もあることから、区長は、被害発生の現場からの情報を受けて、自らの判断によってその緊急性等を勘案して付近の住民に退避の指示をする。 ① 屋内への退避の指示 区長は、住民に退避の指示を行う場合において、その場から移動するよりも、屋内に留まる方がより危険性が少ないと考えられるときには、「屋内への退避」を指示する。「屋内への退避」は、次のような場合に行うものとする。 ア NBC攻撃と判断されるような場合において、住民が何ら防護手段なく移動するよりも、屋内の外気から接触が少ない場所に留まる方がより危険性が少ないと考えられるとき イ 敵のゲリラや特殊部隊が隠密に行動し、その行動の実態等についての情報がない場合において、屋外で移動するよりも屋内に留まる方が不要の攻撃に巻き込まれるおそれが少ないと考えられるとき 【屋内退避の指示の例】 「○○×丁目、△△○丁目」の住民については、外での移動に危険が生じるため、近隣の堅牢な建物や地下街など屋内に一時退避すること。 ② 屋外への退避の指示 区長は、住民等が、屋内に留まるよりも、速やかに移動した方がより危険が少ないと考えられるときは、「屋外退避(避難所等への退避)」を指示する。 「屋外への退避の指示」は、次のような場合などに行うものとする。 ‧ 駅や大規模集客施設、地下街などの施設の中で、NBC攻撃やテロと判断されるような事態が発生した場合で、屋内においては汚染され、生命、身体に危険が及ぶと判断されるとき。 【屋外退避の指示の例】 ○○駅構内にいる者は、△△△の危険があるため、構内放送や職員の誘導に従い、落ち着いて駅外に退避すること。 (2) 退避の指示に伴う措置等 ① 区長は、退避の指示を行ったときは、防災行政無線、広報車等により速やかに住民に伝達するとともに、エフエム世田谷などの放送事業者に対してその内容を連絡する。また、退避の指示の内容等について、都知事に通知を行う。 退避の必要がなくなったとして、指示を解除した場合も同様に伝達等を行う。 ② 区長は、都知事、警察官、自衛官等から退避の指示をした旨の通知を受けた場合は、退避の指示を行った理由、指示の内容等について情報の共有を図り、退避の実施に伴い必要な活動について調整を行う。 (3) 安全の確保等 ① 区長は、退避の指示を住民に伝達する区の職員に対して、二次被害が生じないよう、国及び都からの情報や区で把握した武力攻撃災害の状況、関係機関の活動状況等についての最新情報を共有するほか、警察、消防、医療機関等と現地連絡調整所等において連携を密にし、活動時の安全の確保に配慮する。 ② 区の職員が、退避の指示に係る地域において活動する際には、区長は、必要に応じて警察、消防、自衛隊等の意見を聞くなど安全確認を行った上で活動させるとともに、各職員が最新の情報を入手できるよう緊急の連絡手段を確保し、また、地域からの退避方法等の確認を行う。 ③ 区長は、退避の指示を行う区の職員に対して、武力攻撃事態等においては、必ず特殊標章等を交付し、着用させる。 2 警戒区域の設定 (1) 警戒区域の設定 区長は、武力攻撃災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、住民からの通報内容、関係機関からの情報提供、現地連絡調整所等における関係機関の助言等から判断し、住民の生命又は身体に対する危険を防止するため特に必要があると認めるときは、警戒区域を設定し、一時的な立入制限等を行う。 (2) 警戒区域の設定に伴う措置等 ① 区長は、警戒区域の設定に際しては、区対策本部に集約された情報のほか、現地連絡調整所における警察、消防、自衛隊からの助言を踏まえて、その範囲等を決定する。また、事態の状況の変化等を踏まえて、警戒区域の範囲の変更等を行う。 NBC攻撃等により汚染された可能性のある地域については、専門的な知見や装備等を有する機関に対して、必要な情報の提供を求め、その助言を踏まえて区域を設定する。 ② 区長は、警戒区域の設定に当たっては、ロープ、標示板等で区域を明示し、広報車等を活用し、住民に広報・周知する。また、放送事業者に対してその内容を連絡する。 武力攻撃災害への対処に関する措置を講ずる者以外の者に対し、当該区域への立入りを制限し、若しくは禁止し、又は当該区域からの退去を命ずる。 ③ 警戒区域内では、交通の要所に職員を配置し、警察等と連携して、車両及び住民が立ち入らないよう必要な措置を講ずるとともに、不測の事態に迅速に対応できるよう現地連絡調整所等における関係機関との情報共有にもとづき、緊急時の連絡体制を確保する。 ④ 区長は、都知事、警察官、自衛官から警戒区域の設定を行った旨の通知を受けた場合は、警戒区域を設定する理由、設定範囲等について情報の共有を図り、警戒区域設定に伴い必要な活動について調整を行う。 (3) 安全の確保 区長は、警戒区域の設定を行った場合についても、退避の指示の場合と同様、区域内で活動する職員の安全の確保を図る。 3 応急公用負担等 (1) 区長の事前措置 区長は、武力攻撃災害が発生するおそれがあるときは、武力攻撃災害を拡大させるおそれがあると認められる設備又は物件の占有者、所有者又は管理者に対し、災害拡大防止のために必要な限度において、当該設備又は物件の除去、保安その他必要な措置を講ずべきことを指示する。 (2) 応急公用負担 区長は、武力攻撃災害への対処に関する措置を講ずるため緊急の必要があると認めるときは、次に掲げる措置を講ずる。 ① 他人の土地、建物その他の工作物の一時使用又は土石、竹木その他の物件の使用若しくは収用 ② 武力攻撃災害を受けた現場の工作物又は物件で当該武力攻撃災害への対処に関する措置の実施の支障となるものの除去その他必要な措置(工作物等を除去したときは、保管) 4 消防に関する措置等 (1) 区が行う措置 区長は、東京消防庁による武力攻撃災害への対処措置が適切に行われるよう、武力攻撃等や被害情報の早急な把握に努めるとともに、警察等と連携し、効率的かつ安全な活動が行われるよう必要な措置を講じる。 (2) 東京消防庁の活動 東京消防庁は、管轄地域内において発生した武力攻撃災害から住民の生命、身体及び財産を守るため、次のとおり、全庁を挙げ、消火、救助・救急活動を実施する旨、東京都国民保護計画において定めている。 ・ 武力攻撃による火災が発生している場合は、全消防力を挙げて消火活動を行う。 ・ 武力攻撃災害により要救助者が発生している場合は、消火活動と並行して、救助・救急活動等人命の安全確保を最優先とした活動を行う。 ・ 延焼火災が少ない場合は、救助・救急活動を主眼に活動する。 ・ 武力攻撃災害の状況により、消防力に不足が生じることが見込まれる場合は、緊急消防援助隊等の応援を受けて、消防の任務を遂行する。なお、緊急消防援助隊等の指揮は、消防総監が行う。 ・ 東京消防庁は、消防職員及び消防団員の安全を確保するための措置を講じた上で、消火、救助・救急活動を行う。 また、消防団は、消防総監又は消防署長の所轄の下に行動するものとする。 (3) 医療機関との連携 区長は、都と協力して、搬送先の選定、搬送先への被害情報の提供、トリアージの実施等について医療機関と緊密な連携のとれた活動を行う。 (4) 安全の確保 ① 区長は、国対策本部及び都対策本部からの情報を区対策本部に集約し、全ての最新情報を提供するとともに、警察、消防等との連携した活動体制を確立するなど、安全の確保のための必要な措置を行う。 ② その際、区長は、必要により現地に職員を派遣し、都、警察、消防、医療機関、自衛隊等と共に現地連絡調整所を設けて、各機関の情報の共有、連絡調整にあたらせるとともに、区対策本部との連絡を確保させるなど安全の確保のための必要な措置を行う。 ③ 消防団は、施設・装備・資機材及び通常の活動体制を考慮し、災害現場においては、消防総監又は消防署長の所轄の下に、その活動支援を行うなど団員に危険が及ばない範囲に限定して活動するものとする。 第3 生活関連等施設における災害への対処等 区は、生活関連等施設などの特殊な対応が必要となる施設について、国の方針に基づき必要な対処が行えるよう、国、都その他の関係機関と連携した区の対処に関して、以下のとおり定める。 また、警察・消防等の関係機関と協力し、生活関連施設等の管理者による、主体的な安全確保のための取り組みを促進する。 1 生活関連等施設の安全確保 (1) 生活関連等施設の状況の把握 区は、区対策本部を設置した場合においては、区内に所在する生活関連等施設の安全に関する情報、各施設における対応状況等の必要な情報を収集する。 (2) 区が管理する施設の安全の確保 区長は、区が管理する生活関連等施設について、当該施設の管理者としての立場から、安全確保のために必要な措置を行う。 この場合において、区長は、必要に応じ警視庁(警察署)、東京消防庁(消防署)等、その他の行政機関に対し、支援を求める。 また、このほか、生活関連等施設以外の区が管理する施設についても、生活関連等施設における対応を参考にして、可能な範囲で警備の強化等の措置を講ずる。 (3) 生活関連等施設の管理者に対する措置の要請 区長は、情報収集の結果、武力攻撃災害の発生又はその拡大を防止するため、特に必要があると認めるときは、当該施設の管理者に対して、安全確保のために必要な措置(施設の巡回の実施、警備員の増員、警察との連絡体制の強化等による警備の強化、防災体制の充実等)を講ずるよう要請する。 この場合、当該管理者及びその他当該施設に従事する者等の安全確保についても、十分配慮するよう要請する。 2 危険物質等に係る武力攻撃災害の防止及び防除 (1) 危険物質等に関する措置命令 区長は、危険物質等(毒物及び劇物取締法第2条第1項の毒物及び同条第2項の劇物(同法第3条第3項の毒物劇物営業者、同法第3条の2第1項の特定毒物研究者並びに当該毒物及び劇物を業務上取り扱う者が取り扱うものに限る。)を毒物及び劇物取締法第4条第1項の登録を受けた者(区長が登録を行う者に限る。)が取り扱うものに限る。(以下同様とする。))に係る武力攻撃災害の発生を防止するため、緊急の必要があると認めるときは、その取扱者に対し、下記に掲げる武力攻撃災害発生防止のための必要な措置を講ずべきことを命ずる。 また、国民保護法施行令第29条の規定に基づき消防本部等所在市町村の長が行うこととされている、消防法第2条第7項の危険物に係る下記②及び③の措置については、東京消防庁が行うこととなる。なお、避難住民の運送などの措置において当該危険物等が必要となる場合は、関係機関と区対策本部で所要の調整を行う。 【措置】 ① 危険物質等の取扱所の全部又は一部の使用の一時停止又は制限 ② 危険物質等の製造、引渡し、貯蔵、移動、運搬又は消費の一時禁止又は制限 ③ 危険物質等の所在場所の変更又はその廃棄 ※ 消防法第2条第7項の危険物に係る①の措置については、同法に基づき東京消防庁が実施 (2) 警備の強化及び危険物質等の管理状況報告 区長は、危険物質等の取扱者に対し、必要があると認めるときは、警備の強化を求める。また、区長は、(1)に掲げる①から③の措置を講ずるために必要があると認める場合は、危険物質等の取扱者から危険物質等の管理の状況について報告を求める。 第4 NBC攻撃による災害への対処等 区は、NBC攻撃による災害への対処について、国の方針に基づき必要な措置を講ずる。このため、NBC攻撃による災害への対処に当たり必要な事項について以下のとおり定める。 1 NBC攻撃による災害への対処 区は、NBC攻撃による汚染が生じた場合の対処について、国による基本的な方針を踏まえた対応を行うことを基本としつつ、特に、対処の現場における初動的な応急措置を講ずる。 (1) 応急措置の実施 区長は、NBC攻撃が行われた場合においては、その被害の現場における状況に照らして、現場及びその影響を受けることが予想される地域の住民に対して、退避を指示し、又は警戒区域を設定する。 区は、保有する装備・資機材等により対応可能な範囲内で警視庁(警察署)及び東京消防庁(消防署)等の関係機関とともに、職員の安全を図るための措置を講じた上で、原因物質の特定、被災者の救助等の活動を行う。 (2) 国の方針に基づく措置の実施 区は、内閣総理大臣が、関係大臣を指揮して、汚染拡大防止のための措置を講ずる場合においては、内閣総理大臣の基本的な方針及びそれに基づく各省庁における活動内容について、都を通じて国から必要な情報を入手するとともに、当該方針に基づいて、所要の措置を講ずる。 (3) 関係機関との連携 区長は、NBC攻撃が行われた場合は、区対策本部において、警視庁、東京消防庁、自衛隊、医療関係機関等から被害に関する情報や関係機関の有する専門的知見、対処能力等に関する情報を共有し、必要な対処を行う。 その際、必要により現地連絡調整所を設置し(又は職員を参画させ)、現場における関係機関の活動調整の円滑化を図るとともに、区長は、現地連絡調整所の職員から最新の情報についての報告を受けて、当該情報をもとに、都に対して必要な資機材や応援等の要請を行う。 (4) 汚染原因に応じた対応 区は、NBC攻撃のそれぞれの汚染原因に応じて、国及び都との連携の下、それぞれ次の点に留意して措置を講ずる。 ① 核攻撃等の場合 区は、核攻撃等による災害が発生した場合、国の対策本部による汚染範囲の特定を補助するため、汚染の範囲特定に資する被災情報を都に直ちに報告する。 また、措置に当たる要員に防護服を着用させるとともに、被ばく線量の管理を行いつつ、活動を実施させる。 ② 生物剤による攻撃の場合() ア 区は、措置に当たる要員に防護服を着用させるとともに、関係機関が行う汚染の原因物質の特定等に資する情報収集などの活動を行う。また、警察等の関係機関と連携して、保健所による消毒等の措置を行う。 イ 区の国民保護担当部署(危機管理部)においては、生物剤を用いた攻撃の特殊性に留意しつつ、生物剤の散布等による攻撃の状況について、通常の被害の状況等の把握の方法とは異なる点にかんがみ、世田谷保健所等と緊密な連絡を取り合い、厚生労働省を中心とした一元的情報収集、データ解析等サーベランス(疾病監視)による感染源及び汚染地域への作業に協力する。 ③ 化学剤による攻撃の場合 区は、措置に当たる要員に防護服を着用させるとともに、関係機関が行う原因物質の特定、汚染地域の範囲の特定、被災者の救助及び除染等に資する情報収集などの活動を行う。 2 区長の権限と要員の安全確保 (1) 区長の権限 区長は、都知事より汚染の拡大を防止するため協力の要請があったときは、措置の実施に当たり、警察等関係機関と調整しつつ、次の表に掲げる権限を行使する。   国民保護法第108条第2項で準用する第1項に基づく措置 1号 飲食物、衣類、寝具その他の物件 占有者に対し、以下を命ずる。 ・移動の制限 ・移動の禁止 ・廃棄 2号 生活の用に供する水 管理者に対し、以下を命ずる。 ・使用の制限又は禁止 ・給水の制限又は禁止 3号 死体 ・移動の制限 ・移動の禁止 4号 飲食物、衣類、寝具その他の物件 ・廃棄 5号 建物 ・立入りの制限 ・立入りの禁止 ・封鎖 6号 場所 ・交通の制限 ・交通の遮断 区長は、上記表中の第1号から第4号までに掲げる権限を行使するときは、当該措置の名あて人(上記表中の占有者、管理者等)に対し、次の表に掲げる事項を通知する。ただし、差し迫った必要があるときは、当該措置を講じた後、相当の期間内に、同事項を当該措置の名あて人に通知する。 上記表中第5号及び第6号に掲げる権限を行使するときは、適当な場所に次の表に掲げる事項を掲示する。ただし、差し迫った必要があるときは、その職員が現場で指示を行う。 【国民保護法施行令第31条第1項に基づく通知事項】 1号 当該措置を講ずる旨 2号 当該措置を講ずる理由 3号 当該措置の対象となる物件、生活の用に供する水又は死体(上記表中第5号及び第6号に掲げる権限を行使する場合にあっては、当該措置の対象となる建物又は場所) 4号 当該措置を講ずる時期 5号 当該措置の内容 (2) 要員の安全の確保 区長は、NBC攻撃を受けた場合、武力攻撃災害の状況等の情報を現地連絡調整所や都から積極的に収集し、当該情報を速やかに提供するなどにより、応急対策を講ずる要員の安全確保に配慮する。 第9節 被災情報の収集及び報告 区は、被災情報を収集するとともに、都知事に報告することとされていることから、被災情報の収集及び報告に当たり必要な事項について、以下のとおり定める。 ① 区は、電話、防災行政無線その他の通信手段により、武力攻撃災害が発生した日時及び場所又は地域、発生した武力攻撃災害の状況の概要、人的及び物的被害の状況等の被災情報について収集する。 ② 区は、情報収集に当たっては警視庁(警察署)、東京消防庁(消防署)等との連絡を密にする。 ③ 区は、収集した被災情報の第一報を、都()に対し次の様式を用いて、電子メール、FAX等により直ちに報告する。 ④ 区は、第一報を都に報告した後も、被災情報の収集に努めるとともに、収集した情報について次の様式を用いて、電子メール、FAX等により都が指定する時間に都に対し報告する。 なお、新たに重大な被害が発生した場合など、区長が必要と判断した場合には、直ちに都に報告する。 第10節 保健衛生の確保その他の措置 区は、避難所等の保健衛生の確保を図り、武力攻撃災害により発生したごみやがれき、廃棄物の処理等を適切かつ迅速に行うことが重要であることから、保健衛生の確保その他の措置に必要な事項について、以下のとおり定める。 1 保健衛生の確保 区は、避難先地域における避難住民等についての状況等を把握し、その状況に応じて、地域防災計画に準じて、次に掲げる措置を実施する。 (1) 保健衛生対策 区は、避難先地域において、巡回健康相談等を行うため、保健師等からなる医療衛生班を編成して避難所等に派遣する。都は、区が巡回健康相談を行うために避難所等に派遣する保健活動班の活動が円滑に行われるよう支援する。 この場合において、高齢者・障害者等、要配慮者の心身双方の健康状態には特段の配慮を行う。 また、避難所等における長期の不自由な生活、被災のショック等は、心身の健康にさまざまな影響を及ぼすため、心身の健康障害の発生防止や在宅療養者の症状悪化等の防止策を実施する。 (2) 防疫対策 区は、避難住民等が生活環境の悪化、病原体に対する抵抗力の低下による感染症等の発生を防ぐため、都と協力し、感染症予防のための啓発、健康診断及び消毒等の措置を実施する。 この場合、検査、予防措置及び応急的救助を行うため、医療衛生総務・情報管理班、医療衛生支援班及び衛生指導班を編成し、相互に緊密な連携を図りながら防疫活動を実施する。 (3) 食品衛生確保対策 区は、避難先地域における食中毒等の防止をするため、都と連携し、食品等の衛生確保のための措置を実施する。 (4) 飲料水衛生確保対策 ① 区は、避難先地域における感染症等の防止をするため、都と連携し、飲料水確保、飲料水の衛生確保のための措置及び飲料水に関して保健衛生上留意すべき事項等についての住民に対して情報提供を実施する。 (5) 栄養指導対策 区は、避難先地域の住民の健康維持のため、栄養管理、栄養相談及び指導を都と連携し実施する。 2 災害廃棄物の処理 (1) 廃棄物処理対策 ① 区は、地域防災計画の定めに準じて、「災害廃棄物対策指針(改定版)」(平成30年環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部作成)等を参考としつつ、世田谷区災害廃棄物処理計画に基づき廃棄物処理体制を整備する。 ② 区は、ごみ処理について清掃事務所間の相互協力や臨時雇上げの人員・機材等の活用により、人命や財産の保護、衛生上の措置を必要とするごみから優先的に処理する。 ③ 区は、東京二十三区清掃一部事務組合と連携して廃棄物関連施設などの被害状況の把握を行うとともに、「特別区災害廃棄物処理対策ガイドライン」に基づき、特別区、東京二十三区清掃一部事務組合、清掃協議会、東京都及び関係事業者と緊密な連携を図りながら処理を行う。 (2) 廃棄物処理の特例 ① 区は、国民保護法第百二十四条に基づく環境大臣が指定する特例地域においては、都と連携し廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づく廃棄物処理業の許可を受けていない者に対して、必要に応じ、環境大臣が定める特例基準に定めるところにより、廃棄物の収集、運搬又は処分を業として行わせる。 ② 区は、①により廃棄物の収集、運搬又は処分を業として行う者により特例基準に適合しない廃棄物の収集、運搬又は処分が行われたことが判明したときは、速やかにその者に対し、期限を定めて廃棄物の収集、運搬又は処分の方法の変更その他の必要な措置を講ずべきことを指示するなど、特例基準に従うよう指導する。 3 し尿等の処理 ○ し尿の収集及び処理については、下水道直結型のマンホールトイレや便槽付きの貯留式仮設トイレ等で対応する。 ○ また、被害状況、収集場所等の情報をもとに、くみ取りを必要とする仮設トイレ等については、し尿を収集し、水再生センターや区内臨時投入口等に搬入して行う。 第11節 国民生活の安定に関する措置 区は、武力攻撃事態等においては、国民生活の安定に関する措置について、以下のとおり定める。 1 生活関連物資等の価格安定 区は、武力攻撃事態等において、物価の安定を図り、国民生活との関連性が高い物資若しくは役務又は国民経済上重要な物資若しくは役務(生活関連物資等)の適切な供給を図るとともに、価格の高騰や買占め及び売惜しみを防止するために都等の関係機関が実施する措置に協力する。 2 避難住民等の生活安定等 (1) 被災児童・生徒に対する教育 区教育委員会は、都教育委員会と連携し、被災した児童・生徒に対する教育に支障が生じないようにするため、避難先での学習機会の確保、教科書の供給、被災による生活困窮家庭の児童・生徒に対する就学援助等を行うとともに、避難住民等が被災地に復帰する際の必要に応じた学校施設等の応急復旧等を関係機関と連携し、適切な措置を講ずる。 (2) 公的徴収金の減免等 区は、避難住民等の負担軽減のため、法律及び条例の定めるところにより、区税に関する申告、申請及び請求等の書類、納付または納入に関する期間の延期並びに区税(延滞金を含む)の徴収猶予及び減免の措置を災害の状況に応じて実施する。 (3) 離職者の就労支援 区民生活を再建するためには、経済的な基盤である職業の確保、 事業の存続が不可欠である。区は、都と連携して雇用の維持や事業の継続等について、事業所や公的機関等へ働きかけるとともに、失業者の生活支援や再就職活動の支援を行う。 3 生活基盤等の確保 (1) 水の安定的な供給 区は、地域防災計画の定めに準じて、水の供給体制を整備すると共に、水を安定的かつ適切に供給するために必要な措置が講じられるよう都に協力する。 (2) 道路の適切な管理 区は、道路の管理者として道路を適切に管理する。 第4章 復旧・復興 第1節 応急の復旧 区は、その管理する施設及び設備について、武力攻撃災害による被害が発生したときは、一時的な修繕や補修など応急の復旧のため必要な措置を講じることとし、応急の復旧に関して必要な事項について、以下のとおり定める。 1 基本的考え方 (1) 区が管理する施設及び設備の緊急点検等 区は、武力攻撃災害が発生した場合には、安全の確保をした上でその管理する施設及び設備の被害状況について緊急点検を実施するとともに、被害の拡大防止及び被災者の生活確保を最優先に応急の復旧を行う。 (2) 通信機器の応急の復旧 区は、武力攻撃災害の発生により、防災行政無線等関係機関との通信機器に被害が発生した場合には、予備機への切替等を行うとともに、保守要員により速やかな復旧措置を講ずる。また、復旧措置を講じてもなお障害がある場合は、他の通信手段により関係機関との連絡を行うものとし、直ちに都を通じて総務省消防庁にその状況を連絡する。 (3) 都に対する支援要請 区は、応急の復旧のための措置を講ずるに当たり必要があると認める場合には、都に対し、それぞれ必要な人員や資機材の提供、技術的助言その他必要な措置に関し支援を求める。 2 公共的施設の応急の復旧 区は、武力攻撃災害が発生した場合には、その管理する道路等及びその所有する施設について、速やかに被害の状況を把握し、その状況を都に報告するとともに、被害の状況に応じて、障害物の除去その他避難住民の運送等の確保に必要な応急の復旧のための措置を講ずる。 第2節 武力攻撃災害の復旧・復興 区は、その管理する施設及び設備について、武力攻撃災害による被害が発生したときは、武力攻撃災害の復旧を行うこととし、武力攻撃災害の復旧・復興に関して必要な事項について、以下のとおり定める。 (1) 国における所要の法制の整備等 武力攻撃災害が発生したときは、国において財政上の措置その他本格的な復旧に向けた所要の法制が整備されるとともに、特に、大規模な武力攻撃災害が発生したときは、本格的な復旧に向けての国全体としての方向性について速やかに検討することとされており、区は、武力攻撃災害の復旧について、国が示す方針にしたがって都と連携して実施する。 (2) 区が管理する施設及び設備の復旧 区は、武力攻撃災害により区の管理する施設及び設備が被災した場合は、被災の状況、周辺地域の状況等を勘案しつつ迅速な復旧を行う。また、必要があると判断するときは、地域の実情等を勘案し、都と連携して、当面の復旧の方向を定める。 (3) 復興対策 ① 区は、大規模な武力攻撃災害により重大な被害を受けた場合は、区長を本部長とする区災害復興本部(仮称)を設置し、国や都と連携しながら、都市、住宅、くらし、産業等の計画的な復興を図る。 ② 復興に当たっては、被災地域の復興後の将来像を明確にし、その実現に向けて、復興に係る諸事業を総合的に実施する。 第3節 国民保護措置に要した費用の支弁等 区が国民保護措置の実施に要した費用については、原則として国が負担することとされており、国民保護措置に要した費用の支弁等に関する手続等に必要な事項について、以下のとおり定める。 1 国民保護措置に要した費用の支弁、国への負担金の請求 (1) 国に対する負担金の請求方法 区は、国民保護措置の実施に要した費用で区が支弁したものについては、国民保護法により原則として国が負担することとされていることから、別途国が定めるところにより、国に対し負担金の請求を行う。 【国と地方公共団体の費用分担】(法第168条関係) 1 国が負担する費用 (1) 住民の避難に関する措置に要する費用 (2) 避難住民等の救援に関する措置に要する費用 (厚生労働大臣が定める程度、方法及び期間による救援に要する費用) (3) 武力攻撃災害への対処に関する措置に要する費用 (4) 損失補償若しくは実費弁償、損害賠償または損失補てんに要する費用 (地方公共団体に故意又は重大な過失がある場合を除く。) (5) 国が地方公共団体と共同して行う国民保護措置についての訓練に係る費用 2 地方公共団体が負担する費用 (1) 地方公共団体の職員の給料及び扶養手当その他政令で定める手当 (調整手当、住居手当、通勤手当その他の手当) ※ 国民保護措置に係る職務を行う職員の特殊勤務手当、時間外勤務手当、宿日直手当、管理職員特別勤務手当、夜間勤務手当、休日勤務手当及び武力攻撃災害派遣手当は、国が負担 (2) 地方公共団体の管理及び行政事務の執行に要する費用で政令で定めるもの (消耗品費、通信費その他の費用) (3) 地方公共団体が施設の管理者として行う事務に要する費用で政令で定めるもの (当該施設の維持管理に通常要すると認められる費用) (2) 関係書類の保管 区は、武力攻撃事態等において、国民保護措置の実施に要する費用の支出に当たっては、その支出額を証明する書類等を保管する。 2 損失補償及び損害補償 (1) 損失補償 区は、国民保護法に基づく土地等の一部使用等の行政処分を行った結果、通常生ずべき損失については、国民保護法施行令に定める手続等に従い、補償を行う。 (2) 損害補償 区は、国民保護措置の実施について援助を要請し、その要請を受けて協力をした者がそのために死傷したときは、国民保護法施行令に定める手続等に従い損害補償を行う。 3 総合調整及び指示に係る損失の補てん 区は、都の対策本部長が総合調整を行い、又は避難住民の誘導若しくは避難住民の運送に係る指示をした場合において、当該総合調整又は指示に基づく措置の実施に当たって損失を受けたときは、国民保護法施行令に定める手続に従い、都に対して損失の請求を行う。 ただし、区の責めに帰すべき事由により損失が生じたときは、この限りではない。 第5章 他区市町村からの避難住民等の受入れ 1 基本的考え方 武力攻撃事態等においては、区の区域を越える住民の避難が想定される。 国の避難措置の指示を受けて、都知事により避難住民を受入れるべき地域として区が決定された場合は、都等と協力し、避難住民を受入れ、救援を行う。 (1) 区は、他の区市町村(他道府県の市町村を含む。以下同じ。)からの避難住民を受入れたときから復帰するまで、都等と連携協力して、救援等の措置を行う。 (2) 区は、都から避難住民の受入れに係る協議を受けたときは、正当な理由(*)がある場合を除き、避難住民を受入れる。 (3) 区は、安否情報の収集を、都や関係機関等と連携協力して行う。 《他区市町村からの避難住民の受入れの概要》(都国民保護計画P.195より参照) 2 受入態勢の整備 都知事が世田谷区を受入地域として決定した場合は、区は、都と協力して、避難住民を受入れる態勢を速やかに整えるとともに、区民への周知に努める。 3 避難誘導への協力 区長は、要避難地域の区市町村が主体となって行う避難住民の誘導について、移動手段の確保など必要な協力を行う。 4 救援 区は、避難住民を受入れた避難所等において、都や関係機関等と連携協力し、食品・飲料水の提供など必要な救援を行う。 5 安否情報の収集・提供 区は、要避難地域の区市町村や都、関係機関等と連携協力し、安否情報の収集に努める。 この場合、関係する都道府県や区市町村が安否情報の提供ができるよう、安否情報の共有化に努める。 6 避難や救援等における備え 区は、避難住民の受入れを円滑に行うため、都との連携態勢の整備に努める。 また、区は、救援措置を円滑に行うため、要避難地域の区市町村との連携態勢のあり方について今後の検討課題とする。 区は、要避難地域の区市町村との安否情報の収集・提供や共有のあり方等について検討していく。 第6章 大規模テロ等(緊急対処事態)への対処 大規模テロ等(緊急対処事態)への対処については、国民保護対策本部の設置や国民保護措置(住民の避難、救援、武力攻撃災害への対処等)などの武力攻撃事態への対処に準じて行う。 本章では、テロ等が突発的に起きることを考慮し、「初動対応力の強化」「平時における警戒」「大規模テロ等の発生時の対処」等に関して特に必要な事項を記載する。 第1節 基本的考え方 (1) 区では、緊急対処事態の発生時における多様な対応が必要とされることから、都の国民保護計画等に基づき、大規模テロ等の緊急対処事態に関する記述を行うものとする。 (2) 区は、武力攻撃に準じる大規模テロ等の緊急対処事態においても、国民保護の措置に準じて適切に緊急対処保護措置を講じ、対処する必要があるため、平常時からの対応と対処に係る基本的な考え方について以下のとおり定める。 1 緊急対処事態 緊急対処事態とは、武力攻撃の手段に準ずる手段を用いて多数の人を殺傷する行為が発生した事態、又は発生する明白な危険が切迫していると認められる事態で、国家として緊急に対処することが必要なものをいう。 (1) 想定される事態類型 ① 危険物質を有する施設への攻撃 石油コンビナート及び可燃性ガス貯蔵施設等の爆破 ② 大規模集客施設等への攻撃 イベント施設・スポーツ施設・ターミナル駅等の爆破、列車等の爆破 ③ 大量殺傷物質による攻撃 炭そ菌、サリン等の大量散布、ダーティボム等の爆破による放射性物質の拡散、水源池に対する毒素等の混入 ④ 交通機関を破壊手段とした攻撃 航空機による多数の死傷者を伴う自爆テロ (2) 共通する特徴 ①  非国家組織等による攻撃 ②  突発的な事態発生 ③  発生当初は事故との判別が困難 ④  不特定多数の住民等が日常利用している場所(列車、地下鉄、劇場など)で発生する可能性が高い。 2 区緊急対処事態対策本部(本章では「区対策本部」という。)設置指定前における事案発生への対処 突発的にテロ等が発生した場合、政府による事態認定及び区対策本部の設置指定が行われるまでは、区は、緊急に区民等の安全等を確保するため、区危機管理対策委員会や区災害対策本部等を設置し、災害対策のしくみを活用して、必要に応じ、避難の指示、警戒区域の設定及び区対策本部の設置要請等、緊急対処保護措置に準じた措置を行う。() 第2節 初動対応力の強化 テロ等の発生時、住民等の避難や救助等を迅速に行うため、区が管理する施設、大規模集客施設(イベント施設、スポーツ施設、ターミナル駅等)及びライフライン施設等の初動対応力の強化を図る。 平素及びテロ等の発生時、区、区が管理する施設、大規模集客施設及びライフライン施設等の管理者(以下「施設管理者」という。)、当該区を管轄する警察・消防・自衛隊等関係機関(以下「警察・消防・自衛隊等関係機関」という。)等が連携協力して対処する体制を構築する。 1 危機管理体制の強化 (1) 大規模集客施設等との連携 ○ 区は、大規模集客施設等において大規模テロ等が発生した場合に迅速に初動対処を行うため、緊急連絡体制の整備、各施設の危機管理の強化、テロ等の危機情報の共有等を図る。 ○ 区は、大規模テロ等の発生時に迅速かつ的確に対処し、政治・経済・社会活動に及ぼす影響を局限するため、区内に所在する大規模集客施設・医療機関・養護施設・大学・専門学校等の概要を把握するとともに、必要に応じて緊急時連絡先の把握及び情報交換等を行う。 (2) 「地域版パートナーシップ」を活用した連携体制 区は、「テロを許さない街づくり」の実現のため、「地域版パートナーシップ」を活用し、各警察署、関係行政機関、民間事業者等と連携して、テロに対する危機意識の共有や大規模テロ等の発生時における協働対処体制の整備等に取り組む。 (3) 医療機関、大学及び研究機関等との連携 ○ 区は、大規模テロ等の発生時に迅速かつ的確に医療を提供するため、区に所在する医療機関等の専科・病床数等を把握するとともに、人的・物的なネットワーク及び協力関係の構築に努める。 ○ 区は、大規模テロ等の発生時に迅速かつ的確に知的資源を活用するため、区内に所在する大学・研究機関等の危機管理に関する人材・情報等を把握するとともに、協力関係の構築に努める。 (4) 区が管理する施設、大規模集客施設及びライフライン施設等の危機管理の強化 区は、都及び警察・消防・自衛隊等関係機関等と協力し、施設管理者が行う危機管理体制の強化や訓練に関して指導・助言を行う。 この際、施設内の人々への正確な情報伝達・指示、避難誘導等の初動対処を重視する。 2 対処マニュアルの整備 (1) テロ等の類型に応じた対処マニュアルの整備 区は、都が作成する各種対処マニュアル及び区の特性を踏まえ、各種対処マニュアルを整備する。   (2) 区が管理する施設、大規模集客施設及びライフライン施設等における対処マニュアルの整備促進 区は、都及び警察・消防・自衛隊等関係機関と協力し、施設管理者に対して区等が作成する各種対処マニュアル及び当該施設の特性を踏まえた対処マニュアルの整備を要請する。 3 発生現場における連携協力のための体制づくり (1) 大規模集客施設等との連携 区は、大規模集客施設等において大規模テロ等が発生した場合に迅速に初動対処を行うため、警察・消防・自衛隊等関係機関及び施設管理者の協力を得て、緊急連絡体制を整備する。 (2) 現地連絡調整所の運営等に関する協議 区は、現地において活動する各機関が必要に応じて情報の共有や連携の確保を目的に設置する「現地連絡調整所」の具体的な運営要領(参加機関、各機関の役割、資器材等)について、都及び警察・消防・自衛隊等関係機関と協議する。 4 不特定多数の人々への情報伝達手段の確保 区は、区が管理する施設、大規模集客施設及び繁華街等を往来する不特定多数の人々に警報や避難の指示等を速やかに伝達できるよう、警察・消防・自衛隊等関係機関のほか、放送事業者や電気通信事業者等の協力を依頼するなど、多様な情報伝達手段の確保に努める。 5 装備・資材の調達 区は、NBCテロ等の発生時に現地連絡調整所等において活動する職員等の安全確保のため、都及び警察・消防・自衛隊等関係機関と連携し、必要な資材等について調達するよう努める。 調達する資材の例 … 防護服、手袋、ブーツ、消毒液等 6 訓練等の実施 区は、都及び警察・消防・自衛隊等関係機関と連携し、初動対応に重点を置いたテロ等への対処のための実践的な図上訓練・実動訓練及びNBCに関する研修等の実施に努める。 7 住民・昼間区民への啓発 ○ 区は、テロ等の兆候を発見した場合の区長等に対する通報義務、不審物等を発見した場合の施設管理者に対する通報の方法等について、啓発資料等を活用して住民への周知を図る。 ○ 区は、区外からの通勤者・通学者等に対しても、警察・消防等関係機関及び施設管理者等と連携し、普及啓発に努めるとともに、不審物等を発見した場合の施設管理者等に対する通報等について、周知に努める。 第3節 平時における警戒 区は、常にテロ等の兆候や危機情報の把握に努め、必要に応じて警戒対応を行う。 1 危機情報等の把握・活用 ○ 区は、都及び警察・消防・自衛隊等関係機関と連携し、常にテロ等の兆候や危機情報の把握に努める。 ○ 区は、テロ等の発生事例(特に首都や大都市)に関する情報についても可能な限り収集・分析し、初動対応力の強化や警戒対応に活用する。 ○ 区は、不審者や不審物を発見した場合、速やかに区又は警察等に通報するよう、区民や町会・自治会、自主防災組織、民間活動団体等に適宜協力を求める。 ○ 区は、入手した危険物質等の情報について、必要に応じて都や隣接区市にも連絡するよう努める。 2 危機情報等の共有 区は、関係機関等から危機情報を入手した場合、必要に応じて危機連絡会議や危機管理対策委員会を開催し、テロ等の兆候や危機情報を全庁的に共有する。 3 警戒対応 ○ 区は、テロ等の兆候や危機情報を把握し、テロ等の発生に備える必要があると判断した場合、直ちに区が管理する施設における警戒対応を強化するとともに、大規模集客施設・ライフライン施設等に対して警戒対応の強化を要請する。 ○ 区は、都が整備した「東京都管理施設テロリズム等警戒対応基準」(平成18年度決定)に準拠して作成した「世田谷区管理施設テロリズム等警戒対応基準」により警戒レベルに応じた警戒体制をとる。 第4節 発生時の対処 区は、大規模テロ等が発生した場合、国による区対策本部の設置指定の有無にかかわらず、都及び警察・消防・自衛隊等関係機関と緊密に連携協力し、住民等の避難、救援、災害対処等の初動対処に全力を挙げて取り組む。 国による事態認定や区対策本部の設置指定が行われていない段階では、区危機管理対策委員会や区災害対策本部等を設置し、災害対策のしくみを活用して対処するなどにより緊急対処保護措置に準じた措置を行う。 1 区対策本部の設置指定が行われている場合 ○ 区は、政府による緊急対処事態の認定及び区対策本部の設置指定が行われている場合、区対策本部を設置し、緊急対処保護措置を行う。 ○ 区は、警察・消防・自衛隊等関係機関との連携を強化し、緊急対処保護措置を迅速的確に行うため、必要に応じて区緊急対処事態現地対策本部等を設置する。 ○ 国の現地対策本部長が緊急対処事態合同対策協議会(*)を開催する場合には、区緊対本部として当該協議会へ参加し、緊急対処保護措置に関する情報の交換や相互協力に努めるものとする。 2 区対策本部の設置指定が行われていない場合 ○ 区は、災害対策のしくみを活用して情報収集態勢を確立し、都及び警察・消防・自衛隊等関係機関との連携協力の下、危機情報等を把握する。 この場合、区は、緊急に区民等の安全を確保するため、「世田谷区危機管理基本マニュアル」に基づく対応や災害対策等既存のしくみを活用し、事態に対し適切に対処する。 ○ 区は、多数の人を殺傷する行為等の事案発生を認知し、緊急対処保護措置に準じた措置を行う必要があると判断した場合、速やかに都及び警察・消防・自衛隊等関係機関(必要に応じて区内に所在する大規模集客施設・医療機関等を含む。)に通報する。 ○ 区は、区として迅速・的確に対処するため、区災害対策本部(政府による事態認定前において、原因不明の緊急事態が発生し、その被害の態様が災害対策基本法に規定する災害に該当する場合)等を設置し、対策の検討、総合調整、必要に応じて避難の指示、警戒区域の設定及び区対策本部の設置要請等、緊急対処保護措置に準じた措置を行う。 3 区災害対策本部等による対応 (1) 危機情報の収集 区は、都及び警察・消防・自衛隊等関係機関を通じて危機情報を収集する。 (2) 現地連絡調整所の設置等 区は、必要に応じて現地連絡調整所を設置(或いは、都又は各機関が現地連絡調整所等を設置している場合、職員を派遣)し、被害状況や各機関の活動状況を把握するとともに、各機関が有する情報の共有、現地における活動のための調整等を行う。 ≪区が設置する場合の参加要請先≫ ・警視庁、東京消防庁、医療機関、自衛隊など、現地で活動している機関 また、区が事態認定前の段階において、危機管理対策委員会を設置した場合、東京消防庁(消防署)との連絡体制を確立する。  (3) 応急措置 ① 被災者の救援 区は、都及び必要に応じて派遣される医療救護班等と連携し、現地において必要な支援を行う。 この際、被害状況に応じ、現地に派遣される職員・医師等に防護服、手袋、ブーツを携行又は装着させる等、二次災害防止に努める。 ② 被災者等の搬送 区は、多数の被災者が発生した場合や医療救護活動に係る人員・機材等の搬送に車両が必要な場合、都に対して搬送用車両の支援を求める。 ③ 避難の指示・誘導 ○ 区長は、災害の規模・程度等から住民等の避難が必要と判断した場合、又は都知事から避難の指示を行うよう要請があった場合、当該住民等(必要に応じて当該区に所在する大規模集客施設・医療機関等を含む。)に対して避難の指示を行う。 但し、移動中に住民等に危害が及ぶ恐れがある場合については、一時的に屋内(地下鉄構内、コンクリート建物等)に避難し、周囲の安全を確認した後、適当な避難場所に移動するよう、適切に指示するものとする。 ○ 区は、避難経路・避難場所に速やかに職員を派遣し、警察・消防・自衛隊等関係機関との連携の下、町会・自治会・学校・事業所等を単位として住民等の避難誘導を行う。 この際、大規模テロ等の類型に応じて都及び自衛隊等関係機関が設置する除染所等において、避難住民等を把握するとともに、所要の支援を行う。 ○ 派遣する職員には、避難住民等から避難誘導への理解・協力が得られるよう、防災服・腕章・旗・夜間照明等を携行させる。 ④ 警戒区域の設定・周知 ○ 区長は、災害の規模・程度等から警戒区域が必要と判断した場合、又は都知事から警戒区域を設定するよう要請があった場合、明瞭な道路・建物等を用いて警戒区域を設定する。 ○ 区は、都及び警察・消防・自衛隊等関係機関と連携し、住民等(必要に応じて当該区に所在する大規模集客施設・医療機関等を含む。)に対して警戒区域の周知を図る。 ⑤ 警戒対応の継続・強化 区は、事態の悪化又はテロ等の再発に備える必要があると判断した場合、区が管理する施設における警戒対応を継続するとともに、大規模集客施設・ライフライン施設等に対して警戒対応の更なる強化を促す。 4 区対策本部への移行 政府による事態認定及び区対策本部の設置指定が行われた場合、区は、直ちに新たな体制(区緊急対処事態対策本部体制)に移行し、区災害対策本部等を廃止する。 ≪緊急対処事態における警報≫ 区長は、緊急対処事態においては、国の対策本部長が決定する通知・伝達の対象となる地域の範囲に応じて、当該地域に関係する機関等及び当該地域に所在する施設の管理者等に対し警報を通知・伝達する。 なお、警報に関するその他の事項は武力攻撃事態等における警報の内容の通知及び伝達に準じて行う。 第5節 大規模テロ等の類型に応じた対処 区は、大規模テロ等の類型に応じ、平素の備え、事態発生時の初動対応について、特に次の事項に留意して対処する。 1 危険物質を有する施設への攻撃 (1) 攻撃による影響 危険物質貯蔵施設(可燃性ガス貯蔵施設等)が爆破された場合、爆発及び火災により、住民等に被害が発生するとともに、建物・ライフライン等が機能不全に陥り、社会活動等に支障を来すおそれがある。 (2) 平素の備え ① 危険物質を保有する施設との緊急連絡体制の整備 区は、関連施設の実態を把握するとともに、必要に応じて施設管理者との緊急連絡体制を整備する。 ② 施設管理者による危機管理体制の強化推進 区は、施設管理者に対し、対処マニュアルの整備、資器材等の定期検査及び継続的な巡視等、緊急対処事態等を念頭にした安全確保措置を要請する。 (3) 対処上の留意事項 区は、事態の悪化又はテロ等の再発に備える必要があると認める場合、施設管理者に対して警察等と連携した施設の警備強化を促す。 2 大規模集客施設等への攻撃 (1) 攻撃による影響 爆発のみならず、当該施設が崩壊した場合、多数の死傷者が発生するおそれがある。 (2) 平素の備え ① 大規模集客施設等との緊急連絡体制の整備 区は、連絡会議等により、関連施設の実態を把握するとともに、必要に応じて施設管理者との緊急連絡体制を整備する。 ② 施設管理者による危機管理体制の強化推進 区は、施設管理者に対し、対処マニュアルの整備、資器材等の定期検査及び継続的な巡視等、緊急対処事態等を念頭にした安全確保措置を要請する。 ③ 不特定多数の人々に対する情報伝達体制の整備 区は、区が管理する施設、大規模集客施設及び繁華街等を往来する人々に対して速やかに情報伝達を行えるよう、防災行政無線や広報車両等の充実を図る。 (3) 対処上の留意事項 ① 区は、事態の悪化又はテロ等の再発に備える必要があると認める場合、施設管理者に対して次の措置を要請する。 ・ 警察等と連携した施設の警備強化 ・ 避難誘導や構内放送等が速やかに行えるような態勢の保持 ・ 警察・消防・自衛隊等関係機関と連携した施設利用者等の避難誘導 ② 区は、大規模集客施設等における避難誘導や構内放送等の状況を把握し、必要に応じて支援・助言等を行う。 3 大量殺傷物質による攻撃(ダーティボム) (1) 攻撃による影響 ① ダーティボムは、爆薬と放射性物質を組み合わせたもので、核兵器に比べて小規模ではあるが、爆発と放射能による甚大な被害をもたらすおそれがある。 ② ダーティボムにより放射性物質が拡散した場合、爆発による被害のほか、放射線によって人体の正常な細胞機能が攪乱され(急性放射線障害)、やがてガン等を発症すること(晩発性放射線障害)がある。 ③ 住民等は、不安を抱き、パニックや風評被害が生じるおそれがある。 (2) 平素の備え ① 不特定多数の人々に対する情報伝達体制の整備 区は、区が管理する施設、大規模集客施設及び繁華街等を往来する人々に対して速やかに情報伝達を行えるよう、防災行政無線や広報車両等の充実を図る。 ② 人心不安への対策 ダーティボムによる災害が起きた場合、住民が過度に不安を抱くおそれがあるため、区は、事案発生時の各人の防護や被ばく線量、放射線による身体への影響等について、啓発資料等を活用して住民への周知を図る。 (3) 対処上の留意事項 ① 初動対処 区は、内閣総理大臣から派遣される被ばく医療に係る医療チーム及び警察・消防・自衛隊等関係機関と連携し、速やかに警戒区域を設定するとともに、その域外において住民等の安全確保及びパニック防止のための措置を講じる。 ② 避難の指示 区は、住民等に対し、ダーティボムが使用された場所から直ちに離隔するとともに、風上にある地下施設やコンクリート建物等に一時的に避難するよう指示する。 この際、住民等が過度に不安を抱かないよう、被ばく線量や放射線による身体への影響等に関する情報を速やかに提供する。 ③ 医療活動 区は、都と連携し、東京消防庁の安全管理下において、東京DMATが行う除染済みの傷病者に対する医療活動に協力する。 この際、医師等に防護服・手袋・ブーツ等を装着させるとともに、適切な被ばく線量の管理を行う。  ④ 汚染への対処 ○ 区は、都及び警察・消防・自衛隊等関係機関と連携し、汚染(予想)区域への立入制限、汚染(予想)区域に所在する住民等の非汚染区域への避難誘導を適切に行う。 この際、現地に派遣される職員等に防護服・手袋・ブーツ等を装着させるとともに、適切な被ばく線量の管理を行う。 ○ 国等の関係機関は、避難住民等(運送に使用する車両及びその乗務員を含む。)の避難退域時検査及び簡易除染その他放射性物質による汚染の拡大を防止するための必要な措置を講じるため、区は、都及び自衛隊等関係機関が実施する除染及び汚水の処理等に協力する。 4 大量殺傷物質による攻撃(生物剤) (1) 攻撃による影響 生物剤の散布を認知することは困難で、かつ潜伏期間があるため、二次感染を引き起こしやすく、使用される生物剤の感染力やワクチンの有無などにより、多数の感染者が広範囲に発生するおそれがある。 (2) 平素の備え ① 隣接区市との情報連絡体制の整備 生物剤による攻撃は、被害が極めて広範囲に及ぶおそれがあるため、区は、隣接区市との間で情報を共有するための連絡体制を整備する。 ② 普及啓発 区は、生物剤テロに使用される可能性の高い病原体や感染症の予防等について、啓発資料等を活用して住民への周知を図る。 (3) 対処上の留意事項 ① 初動対処 区は、都及び自衛隊等関係機関と連携し、調査監視を実施する。 ② 医療活動 区は、都と連携し、東京消防庁の安全管理下において、東京DMATが行う除染済みの傷病者に対する医療活動に協力する。 この際、医師等に防護服・手袋・ブーツ等を装着させるとともに、調査監視を継続する。 ③ 感染への対処 区は、都及び警察・消防・自衛隊等関係機関と連携し、感染のおそれのある区域・施設への立入制限、感染のおそれのある区域に所在する住民等の感染のおそれのない区域への避難誘導を適切に行う。 区は、感染症の被害拡大防止のため、都及び医療機関等と連携して次の措置を講じる。 この際、現地に派遣される職員等に防護服・手袋・ブーツ等を装着させる。 ・ 感染者又はその疑いのある者の搬送・移動制限 ・ 感染範囲の把握  ・ 消 毒 ・ ワクチン接種   ・ 健康監視 5 大量殺傷物質による攻撃(化学剤) (1) 攻撃による影響 ① 屋内や交通機関内部等、閉鎖的な空間において発生した場合、多数の死傷者が発生するおそれがある。 ② 一般的に、目・口・鼻・皮膚等に著しい症状を示す死傷者が発生するが、当初は、原因物質の特定が困難である。 ③ 気体状の化学剤は、一般的に空気より重いため、地形・気象等の影響を受けながら、下を這うように広がる。 (2) 平素の備え 区は、区が管理する施設、大規模集客施設及び繁華街等を往来する人々に対して速やかに情報伝達を行えるよう、防災行政無線や広報車両等の充実を図る。 (3) 対処上の留意事項 ① 初動対処 区は、都及び警察・消防・自衛隊等関係機関と連携し、速やかに警戒区域を設定するとともに、原因物質の特定に努める。 ② 避難の指示 区は、住民等に対し、化学剤が使用された場所から直ちに離隔するとともに、風上にあり、かつ外気からの気密性の高い屋内又は汚染のおそれのない区域に避難するよう指示する。 ③ 医療活動 区は、都と連携し、東京消防庁の安全管理下において、東京DMATが行う除染済みの傷病者に対する医療活動に協力する。 この際、医師等に防護服・手袋・ブーツ等を装着させる。 ④ 汚染への対処 区は、都及び警察・消防・自衛隊等関係機関と連携し、汚染(予想)区域への立入制限、汚染(予想)区域に所在する住民等の非汚染区域への避難誘導を適切に行う。 この際、現地に派遣される職員等に防護服・手袋・ブーツ等を装着させる。 区は、都及び自衛隊等関係機関が実施する除染及び汚水の処理等に協力する。 6 交通機関を破壊手段とした攻撃 (1) 攻撃による影響 ① 航空機等によるテロの場合、破壊された施設の規模及びその周辺の状況によっては、多数の死傷者が発生するおそれがある。 ② 爆発・火災の規模によっては、建物・ライフライン等も甚大な被害を受け、社会活動等に支障を来すおそれがある。 (2) 平素の備え 区は、区が管理する施設、大規模集客施設及び繁華街等を往来する人々に対して速やかに情報伝達を行えるよう、防災行政無線や広報車両等の充実を図る。 (3) 対処上の留意事項 区は、事態の悪化又はテロ等の再発に備える必要があると認める場合、施設管理者に対して次の措置を要請する。 ・ 避難誘導や構内放送等が速やかに行えるような態勢の保持 ・ 警察・消防・自衛隊等関係機関と連携した施設利用者等の避難誘導 世田谷区国民保護計画 用語集 あ行 安定ヨウ素剤 (P.54、102) 核分裂により環境中に放出される放射性物質の一つに、放射性ヨウ素がある。この放射性ヨウ素は、人間の体内に入ると、甲状腺に集まる性質があり、甲状腺の集中的な被ばくを引き起こすこととなる。一方、甲状腺は安定ヨウ素を取り込んで、ホルモンを分泌しているため、放射性ヨウ素が甲状腺に入る前に安定ヨウ素剤を服用しておくと、甲状腺に入り込む量を少なくすることができる。 安否情報 (P.37 など) 避難住民及び武力攻撃災害により死亡し又は負傷した住民(区民以外の者で区に在る者及び区で死亡した者を含む)の安否に関する情報をいう。 安否情報省令 (P.37 など) 武力攻撃事態等における安否情報の報告方法並びに安否情報の照会及び回答の手続その他の必要な事項を定める省令(平成17年総務省令第44号)。 eラーニング (P.43、159) パソコンとインターネットを中心とするIT技術を活用した教育システム。インターネットで講義内容や教材を配信したり、講師との質疑応答をしたりするなど、教室に集合する必要がなく、ネットワークに接続したパソコンがあれば、時間と場所の制約を受けずに学習が可能となる。 受入地域 (P.140、159) 他の道府県かまたは都内区市らの避難住民を受入れるべき地域のこと。避難先地域を管轄する都知事が決定する。(→避難先地域) NBC攻撃(エヌ・ビー・シー攻撃) (P.17、43、122 など) 核兵器(Nuclear weapons)、生物兵器(Biological weapons)、化学兵器(Chemical weapons)を使用した攻撃のこと。大量無差別な殺傷や広範囲の汚染が発生する可能性がある。なお、NBC災害とは、NBC攻撃によって引き起こされた武力攻撃災害又は緊急対処事態における災害のこと。 エフエム世田谷 (P.36、82 など) 世田谷区を放送区域として、区民の参加等地域に根ざした番組を放送し、災害時には区民の避難行動や復旧活動を支援する情報を提供するコミュニティFM局。 Em-Net(エムネット) (P.35、83、159) 緊急情報ネットワークシステムの略称のこと。 内閣官房が整備を進めている、行政専用回線である総合行政ネットワーク「LGWAN」を利用した国(総理大臣官邸)と地方公共団体間で緊急情報を双方向通信するためのシステム。 LGWAN(エルジーワン) (P.159) 総合行政ネットワーク(Local Government Wide Area Network)の略称のこと。地方公共団体の組織内ネットワークを相互に接続し、地方公共団体間のコミュニケーションの円滑化、情報の共有による情報の高度利用を図ることを目的とする、高度なセキュリティを維持した行政専用のネットワーク。国の府省間ネットワークである霞が関WANと相互接続しており、国の機関との情報交換にも利用されている。 応急措置 (P.61、114 など) 事前措置、退避の指示、警戒区域の設定、応急公用負担の総称。 (国民保護法第111~114条)   か行 化学剤 (P.13、17 など) 化学兵器等に用いられる人体等に有害な化学物資。神経剤(サリン、タブン、ソマン、VX 等)、びらん剤(イオウマスタード、窒素マスタード、ルイサイト等)、血液剤(シアン系(青酸)等)、窒息剤系(塩素、ホスゲン等)などがある。 核燃料物質 (P.52、160) 原子力基本法第3条第2号に定めるもの。ウラン、トリウム等原子核分裂の過程において高エネルギーを放出する物質であって、政令で定めるものをいう。 核兵器 (P.17 など) 核反応による爆発を大量破壊に用いる目的で作られた兵器の総称。原子爆弾、水素爆弾、中性子爆弾などがある。 感染症指定医療機関 (関連用語:「生物兵器」) (P.160) 特定、第一種、第二種の感染症指定医療機関がある。特定は、新感染症、エボラ出血熱などの一類感染症、コレラなどの二類感染症若しくは新型インフルエンザ等感染症の入院医療を担当し、現在全国に4病院で10床ある。第一種は、一類感染症、二類感染症若しくは新型インフルエンザ等感染症の入院医療を担当し、全国に55病院で103床あり、第二種は、二類感染症若しくは新型インフルエンザ等感染症の入院医療を担当し、全国で351病院、1,758床ある(感染症病床を有する指定医療機関)(平成31年4月1日現在)。 危険物質等 (P.52、120 など) 引火・爆発又は空気中への飛散・周辺地域への流出により、人の生命、身体又は財産に対する危険が生じるおそれがある物質(生物を含む。)で、政令で定めるもの。(国民保護法第103条) 危険物、毒物・劇物、火薬類、高圧ガス、毒薬・劇薬などがある。 救命救急センター (P.31) 一般病院では治療できない重症救急患者の診療を、24時間体制で行う救急医療施設のこと。 緊急消防援助隊 (P.119) 大規模災害発生時における人命救助活動等をより効果的かつ迅速に実施する体制を国として確保するために、平成7年に創設された消防の広域援助部隊で、全国の消防機関から必要な消防隊員、救助工作車などの消防車両及び資機材等が災害地に派遣される。(消防組織法第45条) 緊急対処事態 (P.4、16 など) 武力攻撃の手段に準ずる手段を用いて多数の人を殺傷する行為が発生した事態又は当該行為が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態(後日、対処基本方針において武力攻撃事態であることの認定が行われることとなる事態を含む。)で、国家として緊急に対処することが必要なもの。(事態対処法第25条) 緊急対処事態対策本部 (P.9、144 など) 緊急対処事態対処方針が定められたときに、当該方針に係る対処措置の実施を推進するため、閣議にかけて臨時に内閣に設置される組織である。 事態対策本部の規定がほとんど準用されるが、対策本部長の総合調整権(事態対処法第14条)、内閣総理大臣の是正の指示や代執行の権限(同法第15条)、総合調整又は指示に基づく損失補てん(同法16条)の規定は準用されない。 緊急対処事態対処方針 (P.18) 緊急対処事態に至ったときに、政府がその対処に関して定める基本的な方針のこと。 内閣総理大臣は方針の案を作成し、閣議の決定を求める。閣議決定があった日から20日以内に国会に付議し、承認を得なければならない。 緊急対処保護措置 (P.18、143 など) 緊急対処方針が定められてから廃止されるまでの間に、指定行政機関、地方公共団体、指定公共機関、指定地方公共機関が国民保護法の規定に基づいて実施する次に掲げる措置。 (1)緊急対処事態を終結させるために、その推移に応じて実施する攻撃の予防、鎮圧、その他の措置。 (2)緊急対処事態における攻撃から国民の生命、身体、財産を保護するため、又は緊急対処事態における攻撃が国民生活及び国民経済に影響を及ぼす場合において、当該影響が最小となるようにするために、緊急対処事態の推移に応じて実施する警報の発令、避難の指示、被災者の救助、施設及び設備の応急の復旧その他の措置。 緊急通報 (P.9、85 など) 武力攻撃災害が発生し又はまさに発生しようとしている場合において、住民の生命、身体又は財産に対する危険を防止するため緊急の必要があると認めるときに、武力攻撃災害の現状及び予測や住民及び公私の団体に対し周知させるべき事項を、都道府県知事が発令するもの。(国民保護法第99条) 緊急物資 (P.47 など) 避難住民等の救援に必要な物資及び資材その他国民の保護のための措置の実施に当たって必要な物資及び資材。 (国民保護法第79条) ゲリラ (P.14、94 など) 非正規軍の要員であり、戦線を作らず、小規模の部隊に分かれ、会戦を徹底して回避して、小規模な襲撃や待ち伏せ、敵方の施設破壊等の後方攪乱等を行なう要員をいう。 現地対策本部 (P.74、77 など) 都国民保護計画では、現地対策本部の設置場所として、被災現地周辺又は区市町村庁舎等が想定されている。 警察災害派遣隊 (関連用語:「緊急消防援助隊」) 国内において、大規模災害が発生し、またはまさに発生しようとしている場合に、道府県警察から警視庁に派遣される救出救助・交通対策・治安の維持等の活動を行う部隊をいう。 国際人道法 (P.6 など) 武力紛争という敵・味方に分かれて戦っている極限的な状況において、お互いが最低限守るべき人道上のルールを定めたもの。主要な条約として「1949年のジュネーヴ4条約」と「1977年の2つの追加議定書」がある。 国民の保護に関する基本指針 (P.4) 武力攻撃事態等に備えて、国が定める国民保護措置の実施に関する基本的な方針のこと。 基本指針は、国民の保護に関する計画の体系の中で最も上位にある。基本指針に基づいて、指定行政機関、都道府県の国民保護計画及び指定公共機関の国民保護業務計画が策定される。さらに、都道府県の計画に基づき、区市町村の国民保護計画及び指定地方公共機関の国民保護業務計画が策定される。基本指針は、これらの計画の上位に位置し、指針的な内容が記載されている。 国民保護協議会 (P.5 など) 都道府県又は区市町村における国民の保護のための措置に関する重要事項を審議するとともに、国民保護計画を作成するための諮問機関となる協議会。 (国民保護法第37条~第40条) 国民保護業務計画 (P.30) 指定公共機関が国民の保護に関する基本指針に、指定地方公共機関が都道府県の国民保護計画にそれぞれ基づいて作成する計画である。各機関が実施する国民の保護のための措置の内容と実施方法、国民保護措置を実施するための体制に関する事項、関係機関との連携に関する事項などについて定めるものである。業務計画を作成したときは、指定公共機関は内閣総理大臣に、指定地方公共機関は都道府県知事にそれぞれ報告することとなっている。 国民保護計画 (P.3 など) 政府が定める国民の保護に関する基本指針に基づいて、都道府県、区市町村及び指定行政機関が作成する計画である。国民の保護のための措置を行う実施体制、住民の避難や救援などに関する事項、平素において備えておくべき物資や訓練等に関する事項などを定めるものである。都道府県及び区市町村の計画の作成や変更に当たっては、関係機関の代表者等で構成される国民保護協議会に諮問するとともに、都道府県は内閣総理大臣に、区市町村は都道府県知事に協議することとなっている。 国民保護措置 (P.3 など) 国、地方公共団体等の責務、住民の避難に関する措置、避難住民等の救援に関する措置、武力攻撃災害への対処に関する措置その他の国民の保護のための措置をいう。 国民保護法 (P.4 など) 法律の正式名称は、「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」(平成16年法律第112号)である。平成16年6月14日に成立し、同年9月17日に施行された。武力攻撃事態等において武力攻撃から国民の生命・身体・財産を保護するため、国や地方公共団体等の責務、住民の避難に関する措置、避難住民等の救援に関する措置、武力攻撃災害への対処に関する措置及びその他の国民保護措置等に関し必要な事項を定めている。 さ行 災害拠点病院 (P.31 など) 通常の医療供給体制では医療の確保が困難となった場合に、傷病者を受入れるとともに、知事の要請に基づいて、医療救護班を編成し、応急的な医療を実施する医療救護所との連携をもとに重傷者の医療を行う病院。 災害対策基本法 (P.4 など) 国土をはじめ国民の生命、身体及び財産を災害から保護するため、防災に関し、国、地方公共団体及びその他の公共機関を通じて必要な体制を確立するとともに防災計画など災害対策の基本を定めた法律。(昭和36年法律第223号) サイバーテロ (P.13) コンピュータシステムやネットワークの破壊によって社会的混乱を引き起すことを目的としたテロであり、武力攻撃や他のテロ等と併せてサイバーテロが行われた場合、各種のライフラインや医療機能等に多大な影響を及ぼし、住民生活や生命を脅かす状況が考えられる。 サーベイランス (P.123) 疾病を予防し有効な対策を確立する目的で、疾病の発生状況などを継続的に監視することをいい、具体的には、患者の発生状況、病原体の分離状況、免疫の保有状況などの情報収集、解析を継続的に行うこと。 CATV (P.36 など) 有線テレビジョン放送(公衆によって直接受信されることを目的とする有線電気通信の送信をいう。)の事業。 (有線テレビジョン放送法第2条第4項) J-ALERT(Jアラート) (P.36、83 など) 全国瞬時警報システムの略称のこと。 弾道ミサイル情報、津波情報、緊急地震速報等、対処に時間的余裕のない事態に関する情報を、人工衛星を用いて国(内閣官房・気象庁から消防庁を経由)から送信し、市区町村の同報系の防災行政無線等を自動起動することにより、国から住民まで緊急情報を瞬時に伝達するシステム。 自主防災組織 (P.6 など) 大規模災害等の発生による被害を防止し、軽減するために地域住民が連帯し、協力し合って「自らのまちは自ら守る」という精神により、効果的な防災活動を実施することを目的に結成された組織をいう。 (災害対策基本法第2条第2項) なお、世田谷区地域防災計画においては、町会や自治会などを主体に結成されている地域の防災活動を担う組織を、「防災区民組織」としている。 事態認定 (P.4 など) 政府が定める対処基本方針又は緊急対処事態対処方針の中で、武力攻撃やテロなどの事案を、武力攻撃事態、武力攻撃予測事態又は緊急対処事態として認定すること。 指定行政機関 (P.75 など) 政令で定める次の機関をいう。 内閣府、国家公安委員会・警察庁、金融庁、消費者庁、総務省、消防庁、法務省、公安調査庁、外務省、財務省・国税庁、文部科学省・スポーツ庁・文化庁、厚生労働省、農林水産省・林野庁・水産庁、経済産業省・資源エネルギー庁・中小企業庁、国土交通省・観光庁、国土地理院、気象庁、海上保安庁、環境省、原子力規制委員会、防衛省・防衛装備庁(国民保護法第2条第1項、事態対処法第2条第5号) 指定地方行政機関 (P.77 など) 指定行政機関の地方支部局その他の国の地方行政機関で、政令で定められている。 (国民保護法第2条第1項、事態対処法第2条第6号) 指定公共機関 (P.6 など) 独立行政法人、日本銀行、日本赤十字社、日本放送協会、その他の公共的機関及び電気、ガス、輸送、通信その他の公益的事業を営む法人で、政令で定められている。 (国民保護法第2条第1項、事態対処法第2条第7号) 指定地方公共機関 (P.6 など) 都道府県の区域において電気、ガス、輸送、通信、医療その他の公益的事業を営む法人、地方道路公社その他の公共的施設を管理する法人及び地方独立行政法人で、あらかじめ当該法人の意見を聴いて当該都道府県の知事が指定するものをいう。 (国民保護法第2条第2項) 収容施設 (P.47、104 など) 避難等により本来の住居において生活することができなくなった避難住民等が、一時的に生活するために、知事が提供する施設。避難所、応急仮設住宅等がある。 (国民保護法第75条) ジュネーヴ諸条約 (P.41 など) 1949年(昭和24年)のジュネーヴ諸条約(ジュネーヴ4条約)のこと。武力紛争が生じた場合に、傷者、病者、難船者及び捕虜、これらの者の救済にあたる衛生要員及び宗教要員並びに文民を保護することによって、武力紛争による被害をできる限り軽減することを目的とした以下の4条約の総称。日本は、1953年(昭和28年)4月21日に加入した。 ・陸上の傷病兵の保護に関する第1条約 ・海上の傷病兵・難船者の保護に関する第2条約 ・捕虜の待遇に関する第3条約 ・文民の保護に関する第4条約 ジュネーヴ諸条約追加議定書(第一追加議定書) (P.41 など) 第2次世界大戦後の植民地独立の動き、軍事技術の発展などにより、武力紛争の形態が多様化したことに対応するため、ジュネーヴ条約を補完・拡充するもので、第一追加議定書は、締約国間に生じる国際的な武力紛争や占領の事態に適用される。 追加議定書には、このほかに締約国の軍隊と反乱軍との間に生じる非国際的な武力紛争に適用される「第二追加議定書」がある。 これらは、1977年(昭和52年)に作成されており、日本の加入は2004年(平成16年)8月31日(2005年(平成17年)2月28日発効)。 消防機関 (消防関連) (P.56 など) 市町村が消防組織法第9条の規定に基づいて設置する消防本部(消防組合を含む)、消防署及び消防団をいう。なお、文脈の中で、同一の意味で「消防」との表記も用いている。なお、都内23区においては、都が一体的に管理している。 初期核放射線 (P.17) 核爆発による放射線は、爆発後1分以内に放出される初期放射線(ガンマ線、中性子線)とそれ以後地上で放射される残留放射線(ガンマ線、ベータ線、アルファ線)に大別される。一般に被爆者の健康影響は初期放射線の個人線量推定値(急性全身照射の外部被爆)で評価されている。残留放射線は初期放射線の中性子が地面と建造物資材につくったもの(誘導放射能)と「死の灰」があり、前者の残留放射線は約1km以内では爆発後100時間近く残る。 水防管理者 (P.76) 水防法に定める水防管理の主体(区市町村等)のこと。 (水防法第2条) 生活関連等施設 (P.52、118 など) 発電所、浄水施設、危険物の貯蔵施設など国民生活に関連のある施設で、その安全を確保しなければ国民生活に著しい支障を及ぼすおそれがあると認められる施設又はその安全を確保しなければ周辺地域に著しい被害を生じさせるおそれがあると認められる施設。 (国民保護法第102条) 生物兵器 (P.17、102) 人間・動物・植物に有害な細菌・ウイルスなどを散布する兵器。細菌(炭疽菌、コレラ菌)、ウイルス(天然痘ウイルス)、リケッチア(Q熱リケッチア)、毒素を生じる細菌(ボツリヌス菌毒素)などがある。 赤十字標章 (P.42) ジュネーヴ諸条約第1追加議定書においては、医療組織は常に尊重され、保護されるものとし、これを攻撃対象としてはならない旨規定している。軍関係以外の医療組織及び医療運送手段を保護するため、赤十字標章等と身分証明書を定めている。 世田谷区危機管理基本マニュアル (P.4 など) 区民や地域に被害が及ぶおそれがある様々な危機を未然に防止し、また、発生した場合に被害を最小限にくい止めることを目的とした世田谷区のマニュアルで、平常時の危機管理及び緊急時の対応等について定めている。 世田谷区地域防災計画 (P.5 など) 災害対策基本法に基づいて作成する災害による被害の軽減を図るための計画。都道府県および区市町村に策定の義務がある。 世田谷区では令和3年修正の地域防災計画に基づいて防災対策を推進している。 た行 ダーティボム (P.17、102 など) 放射性物質を散布することにより、放射能汚染を引き起こすことを意図した爆弾。核兵器に比べて小規模ではあるが、爆薬による爆発の被害と放射能による被害をもたらす。 対処措置 (P.62 など) 対処基本方針が定められてから廃止されるまでの間に、指定(地方)行政機関、地方公共団体、指定(地方)公共機関が法の規定に基づいて実施する事態対処法第2条第8号に掲げる国民の保護に関する措置をいう。 弾道ミサイル攻撃 (P.15、96 など) 弾道ミサイルとは、主にロケットエンジンを推進し、発射後、ロケットが燃え尽きた後は、そのまま慣性で弾道軌道を飛翔し、放物線を描いて目標地点に到達するミサイルのこと。弾頭には通常弾頭のほか、核、生物、化学兵器を用いた弾頭が考えられる。こうしたミサイルを使用した攻撃をいう。 地域衛星通信ネットワーク (関連用語:「防災行政無線」) 防災行政無線の拡充・強化、行政情報伝達の効率化及び地域からの情報発信の充実を図ることを目的とした、全国の地方公共団体を結ぶ地域の衛星通信ネットワークで、(一財)自治体衛星通信機構が構築を進めている。 着上陸侵攻 (P.14、101 など) 我が国の領土を占領しようとする場合、侵攻国は、侵攻正面で海上・航空優勢を得た後、海又は空から地上部隊などを上陸又は着陸させる作戦を行うこととなる。こうした武力攻撃を着上陸侵攻という。 テロ (P.4 など) 政治的又は社会的な目的を達成するために、政府、民間人またはその一部に対し脅威を与え、または威圧することを企図して、人間または財産に対し非合法的な形で武力を行使すること。 道路管理者 (P.89、92) 道路法に定める道路を管理する主体(国、都道府県、区市町村)のこと。 (道路法第18条) 特殊標章 (P.41、76 など) ジュネーヴ諸条約第一追加議定書に定める文民保護標章をいう。 (国民保護法第158条) 特定公共施設利用法 (関連用語:「有事関連七法」) 武力攻撃事態等における特定公共施設等の利用に関する法律(平成16年法律第114号)をいう。 特定物資 (P.29、81) 救援の実施に必要な医薬品、食品、寝具、医療機器その他衛生用品、飲料水、被服、その他生活必需品、建築資材、燃料等の物資であって、生産、集荷、販売、配給、保管又は輸送を業とする者が取り扱うもの。 (国民保護法第81条) トリアージ (P.119) 災害時等において、医療資源(医療スタッフ、医薬品等)を最大限に活用して、可能な限り多数の傷病者の治療を行うために、負傷者の状態の緊急性や重症度に応じて治療の優先順位を決定し、患者搬送、病院選定、治療の実施を行うこと。 は行 非常通信協議会 (P.33) 自然災害、火災、暴動その他の非常事態が発生した場合に、人命救助、災害の救援、交通通信の確保又は秩序の維持のために必要な非常通信の円滑な運用を図ることを目的として、総務省が中心となり国、地方公共団体、電気通信事業者等の防災関係機関で構成する連絡会のこと。(電波法第74条の2) 避難先地域 (P.76 など) 国の対策本部長が示す住民の避難先となる地域(住民の避難の経路となる地域を含む。)のこと。 (国民保護法第52条第2項) 避難施設 (避難場所、避難所) (P.45、51 など) 住民を避難させ、又は避難住民等の救援を行うための、政令で定める基準を満たす施設。国民保護法では、避難施設は知事が指定することになっている。(国民保護法第148条) 避難実施要領 (P.47、87 など) 避難の指示を受けた区市町村長が、関係機関の意見を聴いて、避難の経路、避難の手段その他避難の方法などに関して定める要領。 避難所・二次避難所 (P.51、104 など) 避難所:被災者が一時的に避難生活を行う場所。 二次避難所:自宅や避難所での生活が困難で、介護などのサービスを必要とする要配慮者を一時的に受入れ・保護するために開設される避難所。区は地域防災計画で、二次避難所の名称を福祉避難所としている。 被ばく医療に係る医療チーム (P.153) 原子力災害時に、量子科学技術研究開発機構、国立病院機構国立高度専門医療研究センターなどの医療関係者等からなるチーム。 武力攻撃 (P.3 など) 我が国に対する外部からの組織的・計画的な武力の行使を言う。 (事態対処法第2条) 武力攻撃災害 (P.9 など) 武力攻撃により直接または間接に生じる人の死亡または負傷、火事、爆発、放射性物質の放出その他の人的または物的災害をいう。 (国民保護法第2条) 武力攻撃事態 (P.3、4 など) 武力攻撃が発生した事態又は武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態。 (事態対処法第2条) 事態対処法 (関連用語:「国民保護法」) 法律の正式名称は、「武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」(平成15年法律第79号)。平成15年6月6日に成立し、同月13日に施行された。武力攻撃事態等(武力攻撃事態及び武力攻撃予測事態)への対処について、基本理念、国・地方公共団体等の責務、国民の協力その他の基本となる事項、武力攻撃事態への対処に関して必要となる法制の整備に関する事項などを定めている。 この法律の規定を受け、国民保護法ほか有事関連法が整備された。 武力攻撃事態等 (P.3 など) 武力攻撃事態及び武力攻撃予測事態をいう。 武力攻撃予測事態 (P.3 など) 武力攻撃事態には至っていないが、事態が緊迫し、武力攻撃が予測されるに至った事態。 文民保護標章 (関連用語:「ジュネーヴ諸条約」「特殊標章」) ジュネーヴ諸条約第1追加議定書においては、文民保護の任務(警報の発令、救助、医療、消火など)などを具体的に定義するとともに、文民保護組織の要員や使用される建物・器材を保護するため国際的な特殊標章と身分証明書を定め、これらを識別できるようにしている。 文民保護標章とは、この国際的な特殊標章のことであり、国民の保護のための措置を行う公務員などや、その援助を要請された民間人に対し交付又は使用を許可し表示させることで、敵国の攻撃等から保護することを目的としている。 防災行政無線 (P.36 など) 災害時の情報の収集及び連絡、提供のための手段として整備している無線通信網のこと。防災行政無線塔などで一斉同報を行うための「固定系」、区各所管及び小中学校、防災関係機関との連絡や情報収集などに用いる「地域系」・「移動系」、区役所本庁舎とキャロットタワーを結んで高所カメラの映像を配信する「多重系」がある。 防災情報システム (P.34) 平常時や災害時に、被害情報や備蓄物品などの情報を区のイントラネット網を通じて各所管で共有し、災害対策活動等に役立てることを目的としたシステムのこと。 放射性ヨウ素 (P.102) 質量数127以外のヨウ素は不安定で一般にβ線とγ線を放出して他の元素に壊変する。このようなヨウ素を放射性ヨウ素という。核分裂に伴い生成される主な放射性ヨウ素は、質量数131のもの(半減期8.06日)、133のもの(半減期20.8時間)、135のもの(半減期6.7時間)などがある。質量数131の放射性ヨウ素は医療用としても用いられ、甲状腺機能亢進症や或る種の甲状腺ガンの治療に用いられる。 や行 有事関連七法 (関連用語:「国民保護法」「事態対処法」) 事態対処法は、武力攻撃事態への対処に関して必要となる法制の整備に関する事項について定めている。 この規定を受け平成16年6月14日に成立した法律を、一般的に有事関連七法という。有事関連七法は、以下のとおりである。 ‧ 武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律(国民保護法) ‧ 武力攻撃事態等及び存立危機事態におけるアメリカ合衆国の軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置に関する法律(米軍行動関連措置法) ‧ 武力攻撃事態及び存立危機事態における外国軍用品等の海上輸送の規制に関する法律(海上輸送規制法) ‧ 自衛隊法の一部を改正する法律 ‧ 武力攻撃事態等における特定公共施設等の利用に関する法律( 特定公共施設利用法) ‧ 武力攻撃事態及び存立危機事態における捕虜等の取扱いに関する法律(捕虜取扱い法) ‧ ・国際人道法の重大な違反行為の処罰に関する法律(国際人道法違反処罰法) 要配慮者 (P.6 など) 高齢者、障害者、乳幼児その他の特に配慮を要する者。なお、要配慮者のうち、自ら避難することが困難な者であって、その円滑かつ迅速な避難の確保を図るため特に支援を要するものを避難行動要支援者という。 要避難地域 (P.76 など) 住民の避難が必要な地域をいう。 (国民保護法第52条第2項) 国の対策本部長は、避難措置の指示を行う場合には、要避難地域を示さなければならないこととなっている。 ら行 利用指針 (P.89 など) 特定公共施設等(港湾施設、飛行場施設、道路、海域、空域及び電波)の利用に関する指針のこと。