世田谷区立教育総合センター運営計画 令和3年3月 世田谷区教育委員会 目次 はじめに 第1章 運営計画について 1 運営計画策定の趣旨等 第2章 運営方針 第3章 新たな機能 第4章 重点取組事業(令和3年度〜令和5年度) 重点事業1 学校支援・教員等支援の強化 重点事業2 子ども支援・教育相談・個別支援の強化 重点事業3 乳幼児期の教育・保育の支援の強化・拡充 重点事業4 地域・社会との連携の強化 第5章 研究活動 第6章 運営体制 第7章 施設概要 1 開設日・開設時間 2 施設 第8章 全体スケジュール はじめに                                グローバル社会の到来や環境問題、AI革命などをはじめとする急速な社会の変化が、人々を取り巻く環境を大きく変え、一人ひとりの生活を質的にも変化させています。新しい時代を生きる子どもたちに必要な資質・能力を育むことが重要です。 一方で子どもたちにも深刻な問題が生じています。いじめ、虐待、不登校など困難さを抱える子どもたちの増加に対して、支援体制を整えることが求められています。 新型コロナウイルス感染症に伴う長期間の学校休業をきっかけとして、オンラインによる授業や学校と家庭のネットワーク化の必要性が改めて認識されました。予測不能な時代を主体的に生きるためには、課題解決型の協働的な学び(探究的な学習)へと教育の質的転換が求められています。学校教育では児童生徒が1人1台の情報端末を活用し、情報化、国際化時代にふさわしい場所と時間を超えた新しい学びへの転換期を迎えています。 公立私立を問わない幼稚園・保育所等の就学前の時期から中学校卒業までのすべての子どもたちの教育・保育・質の向上を図り、途切れのない継続的な支援が必要です。 最も重要なのは、教育の質の転換を担う教員や、乳幼児期の教育・保育を担う幼稚園教諭や保育士の人材育成です。 複雑化する教育課題を学校や園だけで解決することは困難であり、学校・園の現場を様々な視点から支える体制の構築が重要です。外部の専門家のアドバイスやサポートを受け、広く社会とつながり、学校や企業、地域の力などを最大限に活用することが求められます。 教育総合センターは、これらの取り組みの基盤となるものです。 予測できない社会を生きる子どもたちに、いかに社会が変化しようとも主体的にその変化に向き合い、一人ひとりが自分の可能性を信じ夢や希望をもちたくましく生きてほしいという願いのもと、子ども支援、保護者支援、教員支援の機能をもつ「学びのステーション」として令和3年12月に開設します。 第1章 運営計画について                        1 運営計画策定の趣旨等                              (1)運営計画策定の趣旨 教育総合センターは、第2次世田谷区教育ビジョン(平成26年度〜令和5年度)の第2期行動計画(平成30年度〜令和3年度)の最終年度の終盤である令和3年12月の開設を予定しており、第2次世田谷区教育ビジョンの調整計画(令和4年度・令和5年度)の計画期間にかけて事業を展開していくこととなります。 開設の令和3年度から調整計画の計画期間(令和4年度・令和5年度)の3年間の重点事業等について運営計画として計画を策定し、調整計画の策定後は、調整計画にその内容を引き継ぐものです。 (2)運営計画の計画期間 令和3年度(教育総合センター開設の準備期間を含む)〜令和5年度 調整計画の策定時点で、成果指標の設定など必要に応じて修正を加えたうえで、教育総合センター運営計画の内容を、調整計画に引き継ぎます。また、計画の評価についても検討します。 第2章 運営方針 1 教育の質の転換 世田谷の教育を就学前から小・中学校を通じて、「子どもたち一人ひとりが課題を見つけ協働して解決を目指す探究的な学び」へと転換させます。 地域で働く人や大学の専門家などによる体験的・実践的で子どもたちが自分の将来を具体的に描ける教育を展開します。 2 誰一人置き去りにしない教育の推進 子どもたち一人ひとりの個性や特性を尊重し、インクルーシブ教育を推進します。学習の進み方に課題のある子ども、高い学習意欲をもつ子ども、不登校の子どもなど一人ひとりに応じた学びを提供します。 また、多様性への理解を深める心を育み、地域や世界の中で共生する力を育てます。 3 学びを支える環境の整備 多様な未来の社会を生きる子どもたちの創造力を培うため、ICT環境の整備や専門人材の配置など、学びを支える環境を整備します。 子どもたちの学習環境を充実させるとともに、教員の資質向上を支援し、質の高い教育を実施する環境を整備します。          第3章 新たな機能                           教育総合センターは、世田谷の教育を新しい時代に必要な教育へと転換していくための取り組みを展開します。 1 学校支援・教員等支援の強化(第4章) @探究的な学習への転換 世田谷型の「探究的な学習」研修プログラムの実施(新規) A教育のICT化を推進する人材の育成(新規) B国際理解教育を推進する人材の育成(新規) C教員が必要とする支援の実施 教員が必要とする最新の指導手法や教材などの情報の収集(新規) データベース等を活用した効果的な情報の集積・共有・活用(新規) D困っている教員等への支援体制の強化(専用窓口の新設)(新規) 2 子ども支援・教育相談・個別支援の強化(第4章) @様々な相談に総合的に対応する途切れのない支援(拡充) A配慮が必要な児童・生徒への学習環境等の充実(拡充) B子ども一人ひとりの教育ニーズに応じた専門的対応の強化(拡充) 3 乳幼児期の教育・保育の支援の強化・拡充(第4章) @乳幼児期の教育・保育の充実・発展(新規) A乳幼児の資質・能力を伸ばす環境づくり(拡充) B家庭の教育力向上等に向けた支援の強化(拡充) 4 地域・社会との連携の強化(第4章) @地域人材による学校支援の仕組みづくり(拡充) A大学や企業等との協同事業の展開(拡充) B多くの人が利用しやすい空間づくり(広場、交流スペース等)(新規) 5 教育課題の研究体制の強化(第5章) @様々な教育課題の研究機能を集約(拡充) A大学・企業・政策研究部門と連携した教育課題の解決(新規) 主要な取組みについて掲載 第4章 重点取組事業(令和3年度〜令和5年度)             教育総合センターでは、第2次世田谷区教育ビジョン・第2期行動計画に基づく事業の重点化として、令和3年度から令和5年度まで次に掲げる4つの事業に重点的に取り組みます(一部事業については、令和元年度・令和2年度より先行実施)。 教育総合センターの取り組む重点事業 1 学校支援・教員等支援の強化 1−1 探究的な学習への転換 1−2 教育のICT化を推進する人材の育成 1−3 国際理解教育を推進する人材の育成 1−4 教員が必要とする支援の実施 1−5 困っている教員等への支援体制の強化 2 子ども支援・教育相談・個別支援の強化 2−1 様々な相談に総合的に対応する途切れのない支援   2−2 配慮が必要な児童・生徒への学習環境等の充実 2−3 子ども一人ひとりの教育ニーズに応じた専門的対応の強化 3 乳幼児期の教育・保育の支援の強化・拡充 3−1 乳幼児期の教育・保育の充実・発展 3−2 乳幼児期の資質・能力を伸ばす環境づくり 3−3 家庭の教育力向上等に向けた支援の強化 4 地域・社会との連携の強化 4−1 地域人材による学校支援の仕組みづくり   4−2 大学や企業等との協同事業の展開 4−3 多くの人が利用しやすい空間づくり 重点事業1 学校支援・教員等支援の強化             現状と課題 これからの予測困難な時代に、子どもたち一人ひとりが未来の創り手となるためには、「講義を中心とした教育」から「子どもの主体性を重視した、課題解決型の協働的な学び(探究的な学習)」へと教育の質的な転換が求められています。 学校教育において1人1台のICT環境を効果的に活用することが重要です。1人1台のタブレット端末をはじめとするICT環境は、子どもたちが興味を持った事柄をより深く調べることや、地域・世界とつながり多様な考え方と接することを可能とし、自らの意思で学ぶ力を育むツールとなります。 学校教育におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)を通じて、子どもたちが必要に応じて情報端末を活用し、「探究的な学習」を実現できるよう、教育総合センターは、その中心拠点としての役割が求められています。 ICTはオンライン研修や教員が必要とする資料・データのオンラインでの共有化など教員支援の方法も大きく変えていきます。ICTを活用した支援と対面や学校訪問による支援について検討していかなければなりません。 取組みの方向 教育総合センターでは、「探究的な学習」を推進するため、教員の研修プログラムの開発や先進自治体への教員派遣、各学校・園独自の研究活動の支援などを通して、探究的な学びの普及と人材育成の推進などに取り組みます。 また、ICT環境の物的整備・人的支援や、研究データを共有するシステムの構築などを進めるとともに、ICTの活用能力に応じた研修を実施し、人材育成を図っていきます。 さらに、教員の研究支援、指導相談に対応するスタッフの配置や、学校を巡回し校長・副校長の教員育成をサポートするチームの設置などを通じて、次世代の世田谷の教育を担う人材を育成していきます。 1−1 探究的な学習への転換                            @ 世田谷型の「探究的な学習」研修プログラムの開発及び全校への普及 世田谷型の「探究的な学習」の普及 「授業構成」「系統的指導」「学習集団」等の観点から世田谷版の探究的な学びを開発します。子どもたちが主体となる課題解決型の協働的な学びを全校・全教員が取り組むことで、世田谷区全体の教育の質の転換を推進します。 全校への普及 「探究的な学習」を先駆的に実践している先進自治体への教員派遣や先進自治体からの講師の招聘などを通じて、世田谷型の「探究的な学習」への転換の中核を担う人材を育成します。また、その取組みを事例発表会等を通じて全校への普及を図ります。 年次計画 世田谷型の「探究的な学習」研修プログラムの開発及び全校への普及 令和3年度 「探究的な学習」検討委員会と研究グループによる世田谷型の「探究的な学習」プログラムの開発・実践・検証・手引きの作成 「探究的な学習」を実践するモデル校において検証 教員の派遣や講師の招聘等、先進自治体との連携による教員研修の実施 「探究的な学びメッセ(仮称)」において、「探究的な学習」の手引きを周知 令和4年度 手引きを基にした「探究的な学習」研修の実施・検証・改善 検証された内容をモデル校が実践し、各学校へ展開 教員の派遣や講師の招聘等、先進自治体との連携による教員研修の改善・継続 「探究的な学びメッセ(仮称)」において、「探究的な学習」を実践した成果について周知 令和5年度 各学校において実践した結果を反映したレベルアップ研修プログラムの実施・検証 教員の派遣場所や内容を見直し、講師の招聘等、先進自治体との連携による教員研修の改善・継続 「探究的な学びメッセ(仮称)」において、レベルアップ研修プログラムの成果について周知 A 各学校や園の独自の研究活動の支援 各学校・園において、新しい学習指導要領の理念の実現、学校が抱える課題や今日的な課題の解決等を目指し、特色のある研究活動や授業改善に取り組めるよう研究活動の支援を行います。 また、「探究的な学習」を研究主題として研究する学校を指定し、定期的に指導主事等が訪問し指導・助言することにより、各学校が探究的な学習へと転換できるよう支援を行います。 年次計画 各学校や園の独自の研究活動の支援 令和3年度 喫緊の教育課題に加え、「探究的な学習」を研究する学校を指定し、定期的に指導主事等が支援 令和4年度 研究の成果と課題を踏まえ、手引きを基に研究する学校を指定し、定期的に指導主事等が支援 令和5年度 各学校の「探究的な学習」への転換を検証・改善      (参考)これまでの研究校の指定状況 令和元年度 1 平成30年度・令和元年度「世田谷9年教育」研究開発校 STEMスクール、GLOBALスクール、CM(カリキュラム・マネジメント)スクール、ARTSスクール 2 令和元年・2年度 研究開発校・園 STEMスクール、GLOBALスクール、CM(カリキュラム・マネジメント)スクール、ARTSスクール、PALグループ(プレイング アンド ラーニング) 3 令和元年度 研究指定校 キャリア教育、シチズンシップ教育、学校が楽しいと感じる子どもの育成、子どもたちの発達の支援 令和2年度 1 令和元年・2年度 研究開発校・園 STEAMスクール、GLOBALスクール、CM(カリキュラム・マネジメント)スクール、ARTSスクール、PALグループ(プレイング アンド ラーニング) 2 令和2年度 研究指定校・園 探究的な学び、特別支援教育、カリキュラム・マネジメント、キャリア教育、探究的な遊びと学び、道徳教育、自立的・主体的な学び) 3 研究協力校 体育指導力向上、SDGsベーシックプログラム、RST(リーディング・スキル・テスト) B 各学校や園での人材育成の推進 学校での人材育成を推進するため、教育委員会事務局の専門チームが各学校を巡回し、教員の授業の様子を観察し、校長・副校長等へ必要なアドバイスを行う体制を構築します。 学校訪問 教育長や教育委員、指導主事、学校運営支援アドバイザーなどが学校を巡回し、授業力に課題のある教員への指導方法などについて校長・副校長等に必要な助言を行います。 ICT支援員・ICTインフルエンサー・ICT教育推進アドバイザー等 ICT支援員等を学校へ派遣し、ICTを活用した学習を行う児童・生徒や教員の支援及びICT環境の整備などを行います。 指導力向上サポート室研修専門員 採用1年次から3年次の教員の授業観察や幼稚園運営への指導助言など、教員の資質能力向上のための支援を行います。 特別支援教育巡回グループ 各学校を巡回し、配慮を必要とする子どもたち一人ひとりのニーズに合わせた学びや支援が行われるよう教員等に必要な助言を行います。 乳幼児教育アドバイザー 幼稚園・保育所等へ派遣し、アプローチ・スタートカリキュラムの普及・啓発、内容の見直し、義務教育との円滑な接続や連携に関すること等について助言を行います。 幼児教育環境支援専門員(アトリエリスタ) 幼稚園・保育所等へ派遣し、施設の環境づくりや、芸術・創作活動などを通した乳幼児期の教育を実践に向けて助言を行います。   年次計画 各学校や園での人材育成の推進 令和3年度 専門チームによる学校巡回と校長・副校長等への人材育成の助言 令和4年度 専門チームの拡充による巡回指導の充実 令和5年度 巡回指導の検証・改善 新たな巡回チームの検討 1−2 教育のICT化を推進する人材の育成                     これからの社会の変化を見据えて教育の質を転換し、子どもが主体性をもって課題を解決していく探究的な学びを実現していくためには、児童生徒にICTを効果的に活用させることが必要です。ICTを活用し広く地域、世界とつながり、広い視野をもった子どもを育てるため、教育総合センターでは、教員のICT活用を支援する専門家の配置や指導方法・指導内容のデータベース化などを通じて、ICTを効果的に活用する人材を育成し、ICT教育の推進に取り組みます。 @ 計画に基づく人材の育成 教員人材育成計画(令和3年3月策定)に基づき、子どもが主体性をもってICTを効果的に活用し、課題を解決していく探究的な学習へとつなげることのできる教員を育成します。 A ICTインフルエンサーによる普及・啓発 区内教員の中からICTインフルエンサーを選任し、ICT活用事例や教材、学習指導案等の普及・啓発の中心とするとともに、各学校のICT推進担当者と定期的にミーティングを行い、各学校のICT推進に関する助言をします。 B ICT教育推進アドバイザー・ICT支援員による支援 ICT活用に関して専門性の高い学識経験者をICT教育推進アドバイザーとして委嘱し、区内全体のICT活用の推進体制、教員のICTスキルの向上、ICTインフルエンサーの研修、ICT活用事例や教材、学習指導案等のデータベース化などに関する支援を受けます。 また、教員への授業支援を強化するためにICT支援員を配置し、指導主事とチームを組んで各学校を訪問し、ICT活用に関する相談対応や教員への研修などを担います。 C 授業事例のデータベース化 ICTの活用事例や必要な教材・機器等について教員が参考とすることができるよう、授業動画や教材資料のデータベース化などに取り組みます。 D ICT活用研究校による先進的な取組みの実施 ICT活用研究校を指定し、「探究的な学び」や「学びの個別最適化」など先進的な取組みを行うとともに、その成果を全校に普及させていきます。また、将来的なBYOD(Bring Your Own Device=児童生徒が自宅から持参した端末を利用した授業等の実施)への切り替えの可能性を視野に入れ、学校における通信環境の検証などの研究・検証などを行います。 年次計画 教育のICT化を推進する人材の育成 令和3年度 人材育成計画に基づく研修等の実施 ICTインフルエンサーの選任、普及・啓発活動の開始 ICT教育推進アドバイザーやICT支援員による支援の運用 ICTを活用した授業事例等のデータベースシステムの構築・運用開始 ICT活用研究校による先進的な取組みの開始 将来的なBYODへの切り替えの可能性を視野に入れた研究・検証 令和4年度 人材育成計画に基づく研修等の検証・改善 ICTインフルエンサーによる普及・啓発活動の検証・改善 ICT教育推進アドバイザーやICT支援員による支援の検証・改善 ICTを活用した授業事例等のデータベースシステムの運用・検証 ICT活用研究校による先進的な取組みの全校への普及の施行 令和5年度 新たな計画による研修の実施 既存制度の終了による新しい普及・啓発活動の実施 各学校への担当制度の開始(ICT支援員) データベースシステムの改善・運用 普及の度合いによる学校への支援 1−3 国際理解教育を推進する人材の育成                     グローバル化した社会の中で異なった文化を持つ人々と共に生きるため、異文化への理解や、自らの国の伝統や文化の理解、国際社会の中で自分の考えや意見を発信し、行動できる態度や能力を育んでいくことが重要であり、国際理解教育を推進するための人材を育成します。 @ 国際理解教育を推進するための教員研修の実施 発達段階に応じて異文化への理解、国際社会の中で自分の考えや意見を発信し、行動できる態度や能力を育むことができるよう教員研修を実施します。 A 研究開発校による先進的な取組みの実施と全校への普及 国際理解教育に関する研究開発校を指定し、先進的な取組みを行うとともに、その成果を全校に普及させていきます。 年次計画 国際理解教育を推進する人材の育成 令和3年度 国際理解教育に関する教員研修の充実に向けた検討 研究開発校による先進的な取組み事例の集約 令和4年度 国際理解教育に関する新たな教員研修の試行 研究開発校による先進的な取組みの全校への普及の施行 令和5年度 国際理解教育に関する新たな教員研修の検証 普及の度合いによる学校への支援 1−4 教員が必要とする支援の実施                         教員が必要とする指導方法や教材などの情報を収集し、データベース化などを通じて、きめ細やかな情報提供を行います。また、教育課題をテーマとした研修の開催などを通じて教員への支援を強化します。また、オンライン研修や教員・学校支援等に活用するためのスタジオ機能などを整備します。 @ 教員が必要とする最新の指導方法や教材などの情報の収集 A データベース等を活用した効果的な情報の集積・共有 先進的な指導案や教材などを動画やデータなどとして集積し、インターネット環境を用いた研修への活用や、ネットワークシステムを通じて全ての教員等が日々の授業や研究活動などに活用できるようにします。 B ICT環境の整備 研修動画や模擬授業を撮影・配信する機器や、学校とのインターネット通信環境など、最新のICT環境を整備するとともに、スタジオ機能等を合わせ持つ研修室を整備し、オンラインでの授業や研修を実施します。 年次計画 教員が必要とする最新の指導手法や教材などの情報集積・共有 令和3年度 各種データの収集及び情報共有のための環境整備 インターネット環境を用いた授業・研修の実施 令和4年度 授業資料や授業計画、教材、研究成果の共有の充実 研修動画のデータベース化による研修の充実 令和5年度 授業準備や授業計画の効率化の検証・更なる改善の検討 C 学校ニーズや喫緊の課題に応じた教育研究・研修の実施 学校や教員が必要とする喫緊の教育課題に関する研究や研修を実施するとともに、オンラインを活用した研修の実施など研修の内容や手法の見直しなどに取り組みます。 また、研究や研修のテーマについて、教育総合センター運営協議会(第6章参照)による多角的な意見を求め、次年度の研究や研修計画へ反映し、学校が抱える喫緊の課題へ速やかに対応していきます。 年次計画 学校ニーズや喫緊の課題に応じた教育研究・研修の実施 令和3年度令和4年度令和5年度 最新の教育課題に関する研究や教員研修の実施 オンラインやICT機材を活用した研修内容や研修手法の見直し 1−5 困っている教員等への支援体制の強化                      @ 教員等からの専用相談窓口の設置 教員等の相談窓口を設け、授業改善やICT機器の活用、学級経営などに悩む教員等の相談に寄り添い、それぞれの分野に精通した専門スタッフが必要なアドバイスを行う体制を構築します。 A オンラインでの教員等からの相談への対応 教育総合センターの専用窓口での相談に加え、学校からのオンラインでの相談に対応する体制を構築します。 年次計画 教員等からの専用相談窓口の設置 令和3年度 教員等からの相談に対応するスタッフの配置 教育総合センターの専用窓口での相談対応の開始 オンラインでの教員等からの相談対応の開始 令和4年度 教員等からの相談対応の実施 令和5年度 相談体制の検証・改善   重点事業2 子ども支援・教育相談・個別支援の強化        現状と課題 発達障害をはじめとする障害のある児童・生徒や、医療の進歩により医療的ケアを受けながら日常生活を送る児童・生徒など、配慮を必要とする児童・生徒の状況は複雑化・多様化しており、学校や教員だけでは対応することが難しい事案が増えています。 また、不登校の児童・生徒も増加傾向にあり、不登校の未然防止や、子どもや保護者の悩みや不安へのきめ細やかな対応や多様な学習機会の確保が重要となっています。 子どもたちがいきいきと充実した学校生活を送ることができるよう、そして将来の社会参加に向け、それぞれの持つ能力や資質を伸長できるような支援が必要です。 取組みの方向 子どもたち一人ひとりが自己肯定感を持ちながら社会的自立に向けて取り組むことができるよう、就学前から卒業後まで寄り添い、子どもたちや保護者の抱える課題や困難さに総合的に対応し、児童相談所をはじめとする福祉部門と連携した途切れのない支援に取り組む必要があります。 子どもたちの個性や特性が尊重され、一人ひとりに寄り添った適切な支援が提供されるため、これまで個々に対応してきた、いじめや不登校、特別支援教育などの相談を一元化し、子どもの状況に応じて児童相談所などの福祉部門と連携する体制を構築します。 害特性や個別の学習課題など、個々の子どもたちの教育ニーズを把握し、ICTを活用したオンラインでの授業や特別支援教育の推進など多様な教育機会を確保し、配慮を要する子どもたちの自立に向けた支援を行います。 また、専門性の高い課題や緊急事案への対応にあたる専門チーム(教育支援グループ)に加えて、就学後も専門的な視点で継続的に見守り、子どもや学校を支援する専門チーム(特別支援教育巡回グループ・不登校支援グループ)を新設し、それぞれが連携して、学校や児童・生徒、保護者に対する総合的な支援を提供する体制を構築します。 2−1 様々な相談に総合的に対応する途切れのない支援                @ 就学前から卒業後までの途切れのない支援 配慮が必要な子どもたちが将来自らの力で生きていくことができるよう、就園相談や就学相談(入学、進学、転学、通級、特別支援教育など)など就学前からの様々な相談に対応し、一貫した途切れのない支援を福祉部門と連携して行います。 また、発達、就学、進路などの不安や悩みについて、いつでも相談ができる環境づくりに福祉部門などと連携して取り組みます。 年次計画 就学前から卒業後までの途切れのない支援 令和3年度 相談内容や支援内容の分析 卒業後の福祉部門と連携した継続的なフォロー体制の検討 令和4年度 分析結果に基づく教育相談の充実のための施策の実施 福祉部門と連携した卒業後の継続的なフォローの実施 令和5年度 途切れのない支援のためのさらなる施策の検討 福祉部門と連携した卒業後の継続的なフォローの充実   A 総合的な教育相談の拠点づくり いじめや不登校、特別支援教育など様々な相談に対応するとともに、学校や専門チームと連携して多様で複雑な課題が深刻化する前に解決できるよう総合的な相談体制を構築します。 年次計画 教育に関する相談を総合的に受ける相談体制の構築 令和3年度 総合教育相談窓口による相談の開始 教育相談室世田谷分室の移転による相談機能の充実 令和4年度 総合教育相談窓口による相談の運用・検証 令和5年度 相談窓口のあり方の検討・新たな手法の検討 B 配慮を必要とする子どもに関する情報共有システムの運用 様々な相談内容を継続的に蓄積し、教育総合センターの相談部門や支援部門、福祉部門が情報を共有していくことで、配慮が必要な子どもたちがより適切な対応や支援につながることができるよう情報共有システムを運用します。 年次計画 配慮を必要とする子どもに関する情報共有システムの構築 令和3年度 情報共有システムの稼働準備・運用 令和4年度 情報共有システムの運用・検証 令和5年度 新たな手法の検討 情報共有システムの改善・運用 2−2 配慮が必要な児童・生徒への学習環境等の充実                  @ 配慮を必要とする子どもへのICTを活用した支援 配慮を必要とする子どもたちが、一人ひとりのニーズに合わせた学びや支援にICT機器を効果的に活用できるよう、ICT活用研究校などでの活用の検証を通じて、各校による活用支援を行います。 例)支援の例 不登校の子どもや別室登校の子ども、医療的ケアを必要とする子どもなどのオンラインでの授業参加 通常の学習の範囲を超えた学びを必要とする子どもへの専門的レベルや分野の学習支援 日本語を母国語としない子どもとのコミュニケーション確保 年次計画 ICT機器の活用支援 令和3年度 タブレット型情報端末等の活用・推進 ICT活用研究校の指定 オンラインでの学習支援の本格実施 新たな活用分野の研究・試行 令和4年度 タブレット型情報端末等の活用の検証・改善 オンラインでの学習支援の検証・改善 令和5年度 新たなソフトウエアの検討 タブレット型情報端末等の活用の充実 双方向のオンライン学習の検討 オンラインでの学習支援の充実 A 特別支援教育のための施設整備 特別な支援を必要とする子どもたちの増加傾向を踏まえ、特別な支援を必要とする子どもたちが、一人ひとりの能力や可能性を伸長できるよう、特別支援教室、特別支援学級の計画的な整備に取り組みます。 特別支援学級は、障害の種別や学級形態、地域的なバランス等に配慮しながら、計画的な整備に取り組みます。 年次計画 特別支援教育のための施設整備 令和3年度 令和4年度 特別支援学級整備計画に基づく検討及び整備 令和5年度 計画に基づく整備 B 不登校の子どものための施設整備 不登校の子どもたちの増加傾向を踏まえ、不登校特例校やほっとスクールの計画的な整備に取り組みます。 新たに不登校特例校(分教室型)を整備し、不登校の生徒のための特別な教育課程に基づく学習を行うとともに、将来的に不登校特例校(学校型)への移行を検討します。 ほっとスクールについては、ほっとスクール城山の教育総合センターへの移転により定員を増加します。また、需要の把握や施設の整備について、引き続き検討を行います。 また、より小集団で、個の対応が必要となる不登校児童・生徒のために、ほっとスクールと家庭の中間的居場所となり得る場所について調査検討を行い、不登校児童・生徒の中間的な居場所の確保に取り組みます。 また、不登校の子どもの居場所の一つとなっているフリースクール等の民間施設や団体との意見交換などを通じて、情報を共有し、連携を強化します。 年次計画 不登校の子どものため施設整備 令和3年度 不登校特例校(分教室型)の整備 ほっとスクール城山の教育総合センターへの移転 学校と子どもをつなぐ中間的な居場所の検討・実施 令和4年度 不登校特例校(分教室型)の開設・運営 ほっとスクールの定員拡充 全体計画の作成 学校と子どもをつなぐ中間的な居場所の実践・改善 令和5年度 不登校特例校(学校型)への移行検討 ほっとスクールの全体計画に基づく整備、拡充等 中間的居場所の在り方の検討 2−3 子ども一人ひとりの教育ニーズに応じた専門的対応の強化            @ 専門チームによる学校支援 いじめや不登校、特別支援教育などの課題を早期に適切な解決に結びつけ、子どもたちが安心して生活し、将来に向かって自らの力で進むことができるよう、専門家による学校への支援体制を強化します。 特別支援教育巡回グループ(教育職、臨床心理士) 各学校を巡回し、配慮を必要とする子どもたち一人ひとりのニーズに合わせた学びや支援が行われるよう教員等に必要なアドバイスを行います。 教育支援グループ(弁護士、精神科医、臨床心理士) いじめなどの様々な学校課題に関する専門的な支援を行うとともに、いじめへの対応の検証の中心となり、課題の把握や改善の検討などを行います。 不登校支援グループ(臨床心理士、スクールソーシャルワーカー) 不登校の児童・生徒の増加傾向を踏まえ、新たに不登校支援グループを設置します。不登校支援グループは、困難事例への対応を支援するほか、不登校の原因分析や対応策の検討を行います。 年次計画 特別支援教育巡回グループによる学校巡回とアドバイス 令和3年度 令和2年度に新設した特別支援教育巡回 グループの検証と改善 令和4年度 特別支援教育巡回グループの在り方の検討 令和5年度 学校支援の在り方の検討(巡回グループ及び他の方法) 教育支援グループ等によるいじめへの対応 令和3年度 教育支援グループ等によるいじめへの対応 令和4年度 教育支援グループ等によるいじめへの対応の検証・改善 令和5年度 いじめへの対応の新たな手法の検討及び実践 不登校支援グループによる原因分析と対策の検討 令和3年度 不登校支援グループの設置準備 令和4年度 不登校支援グループの設置・運用 令和5年度 不登校支援グループのあり方と新たな手法の検討 A 専門職種によるケース会議の開催 障害のある子どもやいじめ、不登校などの課題には、学校の教員だけでなく、専門人材の関与が必要不可欠です。また、子どもや家庭の抱える課題は様々な要素が関連し、例えば福祉部門の専門職のノウハウを必要とするケースもあります。 事案に応じて、教育、心理、福祉などの複数の専門職種が参加するケース会議を開催し、より広い視点から課題の解決にあたります。 年次計画 専門職種によるケース会議の開催 令和3年度 専門職種によるケース会議の運用開始 令和4年度 ケース会議による課題解決のための手立ての検証・改善 令和5年度 課題解決のためのさらなる方法の検討・実践   B 不登校支援・特別支援教育の計画的な推進 学識経験者などによる検討委員会を設置し、不登校・特別支援教育に関する課題の分析や検討を行い、令和3年度までの計画である「不登校アクションプラン」及び「特別支援教育推進計画」について、第2次教育ビジョン調整計画との整合性を図り、今後の取り組みや年次計画についての検討に取り組みます。 年次計画 不登校支援に関する計画の策定 令和3年度 計画の検討、策定 令和4年度 計画の運用開始 令和5年度 不登校支援に関する具体的方法の実践・検討 特別支援教育推進に関する計画の策定 令和3年度 計画の検討、策定 令和4年度 計画の運用開始 令和5年度 特別支援教育の具体的方法の実践・検討 C 相談や支援を担う人材の育成 総合教育相談窓口での様々な相談に対応するスタッフや各種支援業務を担うスタッフのスキルアップのため、必要な研修を実施するとともに、定期的な会議と情報共有を通じて、迅速かつ緊密な連携をつくります。 また、子どもたち一人ひとりの個性や特性を尊重し、それぞれに応じた学びを提供するため、学校ニーズや喫緊の課題に応じた教育研究・研修を実施します。 年次計画 相談や支援を担う人材の育成 令和3年度 研修や定期的な会議の実施 令和4年度 令和5年度 研修や定期的な会議の充実 重点事業3 乳幼児期の教育・保育の支援の強化・拡充       現状と課題 平成30年度から新たな幼稚園教育要領や保育所保育指針及び幼保連携型認定こども園教育・保育要領が施行され、幼児教育において育みたい資質・能力等について共通化が図られています。世田谷区においても、平成29年7月に「世田谷区幼児教育・保育推進ビジョン」を策定し、幼稚園と保育所等の枠組みを超えた教育・保育の質の向上や乳幼児期における教育・保育と義務教育の円滑な接続、家庭教育の支援など、乳幼児期の教育・保育の充実に向けた基本的な視点を示しました。 また、「せたがや11(イレブン)+(プラス)」の理念のもと、幼稚園・保育所等に小中学校を加えた連続的な教育・保育の仕組みづくりに取り組んでいますが、今後世田谷の乳幼児期の質の高い教育・保育を通じて育まれた資質・能力を、小学校教育においてさらに伸ばしていくために、乳幼児教育と小学校教育との円滑な接続をめざします。 乳幼児期に育みたい力として、人間がもつ創造性や感性、自己肯定感、粘り強くやり抜く力等の「非認知的能力」が、これからの社会を生き抜くために必要な力として重要です。この時期に、子どもたちが、遊びや生活の中での様々な体験を通して、これらの能力・資質を育み、これからの社会を生き抜く力の基礎を身に付けることができるよう適切な機会や環境の創出を図っていきます。 また、近年核家族化の進展による地域や家庭の養育力の低下が指摘されており、乳幼児が、家庭内でライフスキル(生きていくうえでの技術・能力)を身につけるための家庭教育の支援を行います。 取組みの方向 教育総合センターの中に、区の乳幼児期の教育・保育の推進拠点である「乳幼児教育支援センター機能」を設置します。乳幼児教育支援センターでは、子どもたちにより質の高い教育・保育を提供することができる体制の構築を目指して、幼稚園教育要領・保育所保育指針や「せたがや11+」、「世田谷区幼児教育・保育推進ビジョン」などの考え方を踏まえ、@質の高い乳幼児期の教育・保育の実践に向けた指針の作成、A乳幼児期の教育・保育から義務教育への円滑な接続、B幼稚園教諭・保育士等の人材育成や運営の支援に取り組みます。 また、子どもたちが、乳幼児期から非認知的能力などこれからの社会を生き抜くうえで必要な基礎的な力を育むことを目的として、自然体験や外遊び、芸術・文化、ICTなど家庭や地域では十分な機会を得ることが難しい様々なことを、遊びや集団生活の中で体験・体感することができる教育・保育の機会や環境を創出します。 さらに、乳幼児が、家庭内で、言葉や基本的な生活習慣・能力、コミュニケーションなど必要なライフスキルを身につけるための家庭教育を支援するために、専門的知見を有する外部人材などを活用した相談対応に取り組みます。また、講演会やワークショップなどを活用した情報発信を行います。 3−1 乳幼児期の教育・保育の充実・発展                      @ 質の高い乳幼児期の教育・保育の実践に向けた指針の作成 乳幼児期の教育・保育においては、将来に渡り主体的に学ぶための基礎となる力を世田谷のすべての子どもたちが伸ばすことができるように、教育・保育現場の意見を取り入れながら、乳幼児期の教育・保育に携わる関係者の協力・連携のもと、質の高い乳幼児期の教育・保育の実践に向けた研究を行い、その中で指針を作り上げていきます。この指針の中では、「世田谷区が乳幼児期に大切にしたいポイント」等を示すとともに、多様な教育・保育ニーズへの対応に向けて、障害や外国籍等により配慮を要する子どもへの支援など留意すべき事項について整理します。そして、この研究成果とそれに基づく指針を、世田谷の未来を担う子どもたちがそれぞれの個性に応じて能力・資質を伸長させるための教育・保育の実践につなげていきます。 策定した指針については、世田谷全体として乳幼児期の教育・保育の重要な視点を共有化すべく、研修や実践事例の評価・検証などを通じて、公私立、幼稚園・保育所等の枠を超えて乳幼児期の教育・保育の現場への浸透を図ります。 年次計画 質の高い乳幼児期の教育・保育の実践に向けた指針の作成と研究活動の推進 令和3年度 乳幼児期の教育・保育のあり方についての研究の実施 乳幼児期の教育・保育の基本的な方向性やスタンスを示す指針((仮称)スタンダードカリキュラム)の作成・試行 令和4年度 (仮称)スタンダードカリキュラムの効果的な実践に向けた研究の実施 (仮称)スタンダードカリキュラム(接続期編)の各幼稚園・保育所等における試行の拡大と区全体での共有化 令和5年度 (仮称)スタンダードカリキュラムの実践結果を踏まえた新たな教育・保育の内容や手法に関する研究の実施 (仮称)スタンダードカリキュラムの評価・検証による内容の改善 (仮称)世田谷型「乳幼児教育・保育スタンダードカリキュラム」 幼・保・小の連携の促進と質の高い乳幼児期の教育・保育の実践を図ることで、非認知的能力など子どもたちがこれからの社会を生き抜く力の基礎をはぐくむため、区のめざす教育・保育を実践するうえでの基本的な方向性やスタンスを示す指針です。本指針では、乳児期から小学校教育への接続期までの各時期の幼稚園・保育所等の活動を見通し、実践に向けて大切にしたいポイントや事例などを示します。 また、これまで、乳幼児期の教育・保育と義務教育への円滑な接続を図るとともに、将来に渡り主体的に学ぶ力の基礎を身に付けさせることを目的として実践してきた「世田谷版アプローチ・スタートカリキュラム」を改編し、スタンダードカリキュラムへ統合していきます。そのうえで、幼稚園・保育所等における「遊び」や「体験」を通した学びを小学校以降の「教科」を中心とした学びに、より円滑につなげて、学習に生かすことができるようにします。 なお、「乳幼児教育・保育スタンダードカリキュラム」という名称は、仮のものであり、今後その具体的な内容を検討する中で、正式な名称を決定していくこととします。 A 乳幼児期の教育・保育から義務教育への円滑な接続 乳幼児期の教育・保育において育まれてきた資質・能力を義務教育を通じてさらに伸ばしていくために、乳幼児期の教育・保育から義務教育への接続期のカリキュラムの改編・試行や「せたがや11+」に基づく新たな学び舎の仕組みの活用による幼・保・小の連携の促進に取り組みます。 年次計画 乳幼児期の教育・保育から義務教育への円滑な接続 令和3年度 乳幼児教育・保育と小学校教育を円滑に接続するアプローチ・スタートカリキュラムの改編、(仮称)スタンダードカリキュラムとの統合・試行 幼・保・小連携の実現に向けた学び舎グループと区立保育所等との連携 令和4年度 (仮称)スタンダードカリキュラム(接続期編)の各幼稚園・保育所等における試行の拡大 公私立幼稚園・保育所等との連携による取組みの強化 令和5年度 乳幼児期から義務教育期へのより円滑な接続を図るための新たな教育・保育手法の研究 学び舎グループを中心とした公私立幼稚園・保育所等と公立小中学校との連携による新たな取組みの展開 B 幼稚園教諭・保育士等の人材育成や運営の支援 幼児期の教育・保育の質の向上を実現するために、教育・保育の基盤となる幼稚園教諭・保育士等の人材育成や園運営の支援を行います。各種研修の実施や専門人材の派遣、幼稚園教諭・保育士に共通した研修体系づくり等により幼稚園教諭や保育士の指導力・専門性の向上を図るとともに、各幼稚園・保育所等への専門人材の派遣などを通じて、教育・保育現場を支援します。 年次計画 幼稚園教諭・保育士等の人材育成や運営の支援 令和3年度 乳幼児教育・保育に携わる人材育成のための教育総合センターを拠点とした研修の実施 公私立、幼稚園・保育所等の枠を超えた幼稚園教諭・保育士に共通した研修体系づくり 教育・保育内容の充実と現場支援のための専門人材の派遣 乳幼児教育アドバイザー 幼児教育環境支援専門員(アトリエリスタ) 令和4年度 幼稚園教諭・保育士に共通した研修体系に基づいた研修の実施 専門人材の派遣による効果の検証と支援内容の改善 令和5年度 各幼稚園・保育所等における(仮称)スタンダードカリキュラムの実践結果の検証・改善を踏まえた新たな研修体系と研修内容の研究と試行 新たな教育・保育手法の試行に対応した教育・保育現場への支援体制の改善・強化 3−2 乳幼児の資質・能力を伸ばす環境づくり                     @ 様々な体験を通して子どもの資質・能力を伸ばす教育・保育環境の構築 乳幼児期から子どもたちが、非認知的能力などこれからの社会を生き抜く力の基礎を身に付けていくことを目標として、乳幼児教育・保育の現場において、自然体験や外遊び、芸術・文化、ICTなど様々なことを体験的に学ぶことができる環境づくりを進めていきます。そのために、 民間団体等と連携・協働した外遊びイベントの実施 環境づくりなどを通じて子どもたちの創造的な活動を支援することを目的とする幼児教育環境支援専門員(アトリエリスタ)の派遣 ICT教材の乳幼児期の教育・保育への有効活用のための研究・試行 などの取組みを進めます。また、取組みの成果について、乳幼児教育・保育メッセなどの機会を活用し、公私立の枠を超え、幼稚園・保育所等で共有化を図っていくことにより、非認知的能力育成の重要性とその育成手法について、乳幼児教育・保育に携わる関係者の共通認識を高め、新たな時代を切り開く世田谷の子どもたちの資質・能力の向上につなげていきます。 年次計画 様々な体験を通して子どもの資質・能力を伸ばす教育・保育環境の構築 令和3年度 こころと体を育むための外遊び事業との連携の検討・試行 非認知的能力を伸ばす文化・芸術体験事業の試行実施 公私立幼稚園・保育所等 4園 体験的遊びを中心としたICT教材の有効活用の検討・研究 公私立の枠を超えて、幼保連携を推進することを目的とした乳幼児教育・保育メッセの試行的な開催 令和4年度 外遊び事業との連携事業の本格実施 文化・芸術体験事業の実施園等の拡大 公私立幼稚園・保育所等 6園 ICT教材の有効活用の試行 モデル園 1園 乳幼児教育・保育に関わる取組みの成果の共有化と区民への発信を目的とした乳幼児教育・保育メッセ等の実施 令和5年度 乳幼児期の心身の成長をより効果的に促すための外遊びを大切にした体験型の教育・保育手法の研究と展開 文化・芸術体験事業の実施状況の検証に基づく体験的学びを重視した新たな取組みの展開 モデル園等における実施結果の検証・評価を踏まえた効果的なICT活用手法の検討と試行 体験的学びの推進や新たな教育・保育手法の展開などに向けた乳幼児教育・保育メッセ等の実施内容の改善 3−3 家庭の教育力向上等に向けた支援の強化                    @ 家庭教育・子育て等に関する相談対応 子どもの健やかな成長にとって、家庭の教育力・養育力の向上が重要です。家庭教育・子育て支援等を専門とする外部人材を活用し、保護者等の相談に対応するなど、子育てに関する不安の軽減や家庭の教育・養育力の向上を支援します。 年次計画 家庭教育・子育て等に関する相談対応 令和3年度 家庭の教育力・養育力の向上を支援するための外部人材を活用した相談対応の試行 令和4年度 外部人材を活用した相談対応の実施 令和5年度 新たな相談体制の充実と相談手法の工夫に向けた検討と試行 A 家庭教育を支援するための多様な手法を活用した情報の発信 保護者等を対象とした講演会や講座の実施、公私立幼稚園・保育所等における個性的な取組みの紹介など乳幼児期からの教育・保育に関する情報発信に取り組みます。また、先駆的な乳幼児期からの教育・保育手法などについてワークショップを実施する等、乳幼児期からの教育・保育に関する理解促進を図ります。 年次計画 家庭教育を支援するための多様な手法を活用した情報の発信 令和3年度 家庭の教育力・養育力の向上等に向けた講演会・ワークショップの活用などによる情報発信の実施 令和4年度 講演会・ワークショップの活用などに情報発信の実施と実施手法の検証 令和5年度 家庭教育を支援するためのより効果的な情報発信手法の開発と試行 ◎乳幼児教育支援センター機能を中心として展開する事業のイメージ図 重点事業4 地域・社会との連携の強化              現状と課題 教育委員会では、「地域とともに子どもを育てる教育」を推進し、全国に先駆けて、小・中学校全校で地域運営学校(コミュニティ・スクール)を設置するとともに、学校支援地域本部の全校展開など、各学校において、地域と連携した取組を進めています。 「地域が参画する学校」をつくるには、地域と学校が認識を共有し、更なる連携の強化を図る必要があります。地域の人材や資源の活用に関しても、学校と地域を結びつけるコーディネーターの役割や地域人材の確保に課題のある学校もあります。そのため、地域の事情や状況変化に応じた支援を行うことも求められています。 また、教育総合センターの整備においては、これまで、「若林小学校跡地活用検討ミーティング」や「遊びから学ぼうワークショップ」を開催し、区民や幼稚園・保育所等、外遊び団体等から意見をいただいており、区民の利用に即した整備が求められています。 取組みの方向 地域人材を集約・活用する仕組みを構築し、学校運営やキャリア教育等の教育活動を支える人的支援を行います。 また、大学や民間企業等との連携により教育課題の解決に向けた共同研究や事業などを推進し、多様な教育活動や体験の機会の充実を図り、キャリア形成の実現につなげます。 また、区民等からの意見も参考にしながら、教育総合センター自体が地域に開かれた施設となるよう、地域活動や発表の場として、施設を活用した多様な教育活動を支援するとともに、研修などのない時間帯について、区民へ活動や発表の場として、施設の一部を提供します。 4−1 地域人材による学校支援の仕組みづくり                     @ 学校業務をサポートするスタッフの人材確保の支援 スタッフ情報の一括管理等 学校に配置するスタッフ採用事務の支援 (一財)東京学校支援機構などの既存の仕組みも活用しながら、事務の効率化と学校の負担軽減を行います。スタッフなど学校等が必要とする様々な分野の人材確保を支援します。 外部人材の開拓、拡充支援 学校の外部講師や部活動支援員などの人材情報を集約し、学校のニーズに応じて情報提供を行うなど、学校による外部人材活用の支援を行います。 年次計画 学校業務をサポートするスタッフの人材確保の支援 令和3年度 スタッフ情報の一括管理・情報の集約と紹介 学校に配置するスタッフ採用事務の支援 令和4年度 スタッフ情報の一括管理・紹介する新たな仕組みの検討 学校に配置するスタッフ採用事務の検証 令和5年度 新たな手法を加えたスタッフ情報の一括管理 紹介する仕組みの充実 学校に配置するスタッフ採用事務の改善 4−2 大学や企業等との協同事業の展開                       @ 教育課題等の共同研究・事業の共同開催 様々な分野での専門的なノウハウを持つ大学や民間企業等との教育課題への対応などでの連携を強化します。 特定分野に実績のある大学や民間企業等に共同研究を提案したり、教育総合センターでの共同研究事業者を希望する大学や民間企業を公募することなどにより、共同研究や事業の共同開催の幅を広げていきます。 年次計画 教育課題等の共同研究 令和3年度 大学・民間企業等と連携した研究の検討 令和4年度 教育課題に基づいた共同研究の実施 令和5年度 共同研究成果の評価・改善  新たな研究の開始 事業の共同開催 令和3年度 大学・民間企業等と連携した事業の試行 令和4年度 大学・民間企業等と連携した事業の実施 令和5年度 連携した事業の在り方の改善 新たな取組みの開始 A 地域との連携の推進 地元地域活動団体等の協力のもと、教育総合センターの賑わいの創出と活性化を図ります。また、教育総合センター事業等へ大学・民間企業・区民等の参加・参画を促し、学校との連携につなげます。 年次計画 令和3年度 令和4年度 令和5年度 地域との連携の推進 地域コミュニティ団体との連携の検討 地域連携事業の試行・検証 地域連携事業の実施 B キャリア教育の推進 区内外の様々な事業者や地域と連携した体験活動を通して、子どもたちが自分の将来を描ける教育を展開します。ボランティア活動や職場体験活動の在り方を研究し、子どもたちが具体的に自分の将来について考えられるような取り組みを行います。 年次計画 キャリア教育の推進 令和3年度 事業者や地域と連携したキャリア教育の支援 令和4年度 新たなキャリア教育の取り組みの開始・検証 令和5年度 職場体験等のキャリア教育の支援の改善・検証 4−3 多くの人が利用しやすい空間づくり                      @ 教育総合センター施設での「遊び」や「学び」の提供 交流エリアや広場の開放 教育総合センターの交流エリアや広場は、平成30年度・令和元年度に住民参加型で実施した「遊びから学ぼうワークショップ」において、多くの区民や保育士等とともに、コンセプトづくりなどに取り組んできました。 近隣の園庭のない保育所等の活動の場や、乳幼児連れの親子がものづくりやアート体験をする場として活用し、乳幼児期の非認知的能力の育成に繋がる取組みを展開します。 STEAM(スティーム)事業の展開 教育総合センターに設置するSTEAMスタジオ(科学実験室)などを利用し、科学実験やプログラミング教育など、子どもたちが、通常の授業にはない教育総合センターならではの「遊び」や「学び」の体験を通して、探究的な思考を育むSTEAM(Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(芸術)、Mathematics(数学))事業やグローバルな視点を加えた事業を実施します。 外遊びや文化・芸術体験等 地域の活動団体との連携も視野に入れて、広場での外遊び体験を推奨するとともに、乳幼児期から様々な文化や芸術に触れる機会を提供していきます。 年次計画 教育総合センター施設での「遊び」や「学び」の提供 令和3年度 交流エリアや広場の開放 住民参加による広場づくりの検討 園庭のない保育施設への広場の提供 STEAM事業の試行 外遊びや文化・芸術体験等の試行 令和4年度 STEAM事業の実施・検証・見直し 外遊びや文化・芸術体験等の実施 令和5年度 新たなSTEAM事業の実施 外遊びや文化・芸術体験等の改善 第5章 研究活動                            教育総合センターでは、学校が直面している様々な教育課題について、継続した研究を行うとともに、将来想定される課題に対する研究活動を行っていきます。 例えば特定のテーマ・検討期間を設定し学識経験者などによる検討委員会を設けて行う研究活動や、研究校など学校現場での実践を通じて行う研究活動、先進自治体へ教員を派遣し研修プログラムを開発する研究活動、教育総合センターに寄せられる各種相談を分析し傾向などを把握する日常業務の中で行う研究活動など様々なレベルで研究活動を行うことを予定しています。 また、研究エリアでは、グループや個人による個別の研究活動への支援も行います。 @ 学識経験者などによる検討委員会での研究活動 特に重要な研究課題については、学識経験者などによる検討委員会を設置し、研究活動を展開します。令和3年度に活動や設置を予定している検討委員会は次のとおりです。 配慮を必要とする児童・生徒への支援のあり方検討委員会 (構成メンバー)学識経験者、(仮称)教育相談・支援課長、区立学校の校長、教育指導課長、指導主事 当面の検討項目:配慮を必要とする児童・生徒(障害のある児童・生徒、学習の進み方に課題のある児童・生徒など)への支援に関する年次計画の策定 不登校施策検討委員会 (構成メンバー)学識経験者、教育政策部長、区立小学校長会代表、区立中学校長会代表、区民 当面の検討項目:教育総合センターにおける中核的不登校支援機能の構築と具体的取組み及び年次計画の策定 乳幼児期の教育・保育のあり方検討委員会 (構成メンバー)学識経験者、私立幼稚園協会代表、民間保育園連盟代表、私立認定こども園代表、区立幼稚園長会代表、区立保育園長会代表、区立小学校長会代表、区職員 当面の検討項目:「(仮称)世田谷型『乳幼児教育・保育スタンダードカリキュラム』」の作成、乳幼児期の教育・保育の質の向上に向けた取組み ICT教育推進アドバイザーによる研究 (構成メンバー)学識経験者(ICT教育推進アドバイザー(仮))、(仮称)教育研究・研修課 当面の検討項目:学校の授業でのICT環境の活用の推進、教員のICTスキルの向上、他自治体などの先進事例の収集とデータベース化 A 大学や民間企業、地域団体、区長部局等と連携した研究活動 区内大学や企業等の有する専門的な知識や設備等と連携し、教育課題に取組む共同研究等を行います。また、地域団体や区の政策研究部門と連携し、地域力で学校を支援する研究や、シチズンシップ教育等の研究を進めていきます。 B プロジェクト研究 先進自治体への教員派遣や招聘した講師による研修を通じた研修プログラムの開発、教育課題に向き合うグループ研究の活動に取り組みます。 世田谷型の「探究的な学習」研修プログラムの開発 ICT機器を使いこなし効果的な授業を行う教員の育成 新しい教育課題や世田谷区独自の課題に取り組む研究グループによる実践研究 C 研究校・園など学校現場等での実践を通じて行う研究活動 小中学校・園を「研究校・園」として指定し、特定テーマについて学校現場等での実践を通じて集中的に研究活動を展開します。各研究校・園での研究成果は、教育総合センターにおいて集約し、全ての教員・保育者が共有できるようにします。 D 日常業務の中で行う研究活動 教育総合センターだけでなく、教育委員会事務局の各部署において日常業務の中でデータや傾向の分析を行い、様々な研究活動の基礎資料として活用を図ります。 E 研究会や研究グループ・個人の研究への支援 世幼研、世小研、世中研などの研究会をはじめ、任意に設置された教員や保育士等の研究グループや個人の研究に対し、研究資料や研究エリアを提供します。教員同士の交流による研究活動の活性化も図っていきます。 第6章 運営体制                            教育総合センター運営体制(イメージ) (1)センター長(教育政策部参与)  教育総合センターのスーパーバイザーとして、教育総合センターの実務機能や研究機能への総合的な指導・助言等を行うため、センター長(教育分野の有識者)を配置します。センター長は、専門的知見により教育総合センターの機能全般への統括的な指導や助言等を担います。また、後述する教育総合センター運営協議会のメンバーとして、教育総合センターにおける研究活動の成果の報告や新たな研究活動の助言など教育総合センターの運営に関与します。 (2)実務機能  教育総合センターの各機能を推進するため、教育委員会事務局の組織を再編し、新たな課組織を配置します。教育総合センター内における横の連携を確保するため、教育総合センター内に定期的に連絡調整の場を設け、課題の共有化と相互支援体制を築きます。 (組織イメージ図) 教育委員会事務局   教育政策部 学校職員課 教育指導課 (教育総合センターに配置する組織) (仮称)教育研究・研修課 (仮称)教育相談・支援課 (仮称)乳幼児教育・保育支援担当課 (3)研究機能 様々な教育課題の研究活動については、(仮称)教育研究・研修課が事務局を担います。不登校、いじめ、特別支援教育、乳幼児教育などの専門テーマについては、(仮称)教育相談・支援課や(仮称)乳幼児教育・保育支援担当課が連携して研究活動を担います。また、教育研究アドバイザーを設置し、専門的知見による指導や助言を受けながら研究活動を推進します。 (4)運営協議会の設置 教育総合センターの実務機能、研究機能ともに守備範囲が多岐に渡っており、新たな教育課題への取組みの方向性や効果的な施策の検討には専門的な識見や広い視点に立った意見などをより適切に取り入れる必要があります。 このため、一定の重要項目については、教育長、教育委員、センター長、学識経験者、学校代表者など様々な視点からの意見を踏まえて検討を行うための会議体として『教育総合センター運営協議会』を設置します。 構成員(想定)教育長、教育委員、センター長(学識経験者等)、学校や幼稚園・保育所等の代表者、区立幼小中学校・園研究会の代表者、関連部課長 (5)区長部局や大学・民間事業者との連携による教育総合センターの機能の充実 @ 研修担当課、保育課との連携 区職員の研修を所管する研修担当課及び公私立保育所等の保育士の人材育成等を所管する保育課等と連携し、それぞれが実施する研修への教員の参加や合同研修の実施、人的交流などにより、障害福祉や児童虐待防止などの分野についても教員の学ぶ機会や人的ネットワークを拡げていくととともに、研修手法や講師情報の共有などを通じてより充実した研修につなげます。そのため、研修担当課を教育総合センター内に配置するなど、連携体制を深めていきます。 A 大学・民間事業者、政策研究担当課との連携 世田谷の教育を充実するための研究活動につなげるとともに、教員の知見を拡げるため、大学の専門家や民間事業者と連携した研究活動などに取り組みます。また、区における政策等の研究を所管し、課題の研究や分析等に実績のある政策研究担当課を教育総合センター内に配置し、教育分野での課題研究にその研究ノウハウの活用を図るとともに、情報収集面などでの連携を図ります。 (6)DX(デジタルトランスフォーメーション)=ICTを活用した学校・教員支援、児童・生徒・保護者へのサービスの変革 @ 教育総合センターを拠点とした教育分野でのDXの推進 児童・生徒1人につき1台のタブレット端末を配置し、学校だけでなく家庭に持ち帰り自由に使うことができるインターネット通信環境を整備することにより、学校教育においてICTを活用した学校・教員支援や、児童・生徒・保護者へのサービス提供などを行います。 教育総合センターは、区長部局と連携しながら、教育分野でのDXを推進します。 A 当面の具体的な取組み 学校教育の変革 @ 教育の質の転換 1人1台のタブレット端末をツールとして活用し、世田谷の教育を「子どもの主体性を重視した課題解決型の協働的な学び(探究的な学習)」へと転換し、自らの判断で的確に行動する人材として未来の社会を生き抜く力を培います。 誰一人取り残さない教育の実現 1人1台のタブレット端末整備により、個別最適化された学びの実現となります。障害のある児童・生徒や、不登校の児童・生徒などが学校とつながるコミュニケーション支援や学習支援にICTを活用し、全ての子どもたちの学びを保障します。 学校業務の変革 @ 研修や会議のオンライン化 教員の研修や学校の各種会議のオンライン化を推進し、学校から会場への移動ロスの解消を推進します。 学校業務のデジタル化 学習支援アプリを活用した保護者アンケートの実施と集計、タブレット端末での学力テストの採点の自動化やデータ管理、各種調査対応など各種の学校業務のデジタル化による効率化を推進し、教員が子どもたちと向き合う時間を確保します。 オンラインでの情報の共有化・相談支援 教員が必要とする情報をオンライン上にデータベースとして集約し、学校にいながら様々な情報に気軽に接したり、必要な相談支援を受けることを可能とします。 保護者等とのコミュニケーションの変革 @ 相談方法の選択肢の拡大 教育相談などを、教育総合センターの窓口だけでなく、自宅や区の地域窓口から行うことができる選択肢を提供します。 保護者との情報交換や手続の改善 学校から保護者への連絡や保護者から学校への連絡、欠席届の手続などをオンラインで簡潔に行うことができるようにし、学校や保護者の負担を軽減します。 第7章 施設概要                            1.開館日・開館時間                                教育総合センターは、教員等がそれぞれの都合に合わせて自由に利用することができるよう月曜日から金曜日に加え、土曜日も開館します。 開館時間も月曜日から金曜日については、午後9時までとし、教員が調べもののために利用したり、打ち合わせのために集まったり、様々な相談をするために利用することができるようにします。 (開館日・開館時間) 月曜日〜金曜日 午前9時から午後9時まで 土曜日 午前9時から午後5時まで 日曜日、祝日、年末年始は休館となります。 2.施設                                     (1)研究・研修エリア(1階、2階) [利用時間:午前9時から午後9時まで(土曜日は午後5時まで)] @ 研修室(1階・2階) 主に小中学校の教員や幼稚園・保育所等の教諭・保育士等を対象とした研修を行います。1階に大規模の研修室を設置するほか、2階に研修室を3か所設置します。研修室の1つは教室でのICT機器活用の検証も視野に入れた、大型ディスプレイやタブレット端末を活用した授業の研修や研究活動に利用することができます。 研修室1(1階) 約240名収容 研修室2(2階) 約 80名収容 研修室3(2階) 約 80名収容 研修室4(2階) 約 40名収容 ※ 研修室1・2・3については、教員の研修や研究活動などで使用する予定が入っていない時間帯について、区民の交流や生涯学習等の活動の場として使用できるようにします。なお、現時点で想定している区民の活動の場として利用可能な曜日・時間帯は次のとおりです(ただし、教員の研修や研究活動での使用予定が入っている場合は使用できません。)。 月曜日〜金曜日 午後6時から午後9時まで 土曜日 午前9時から正午まで、午後1時から午後5時まで A 研究用ブース・ミーティングルーム(2階) 教員による様々な研究活動や企業・大学と連携した研究活動に利用できる研究活動用のブースやミーティングルームを2階に設置します。授業用の動画の作成・編集作業や教材の制作などを行うことも可能です。 B 教員用相談窓口(2階) 教員の様々な相談に対応するための窓口を2階に設置します。 (2)教育相談エリア(2階) (利用時間:午前9時から午後5時まで(火曜日・木曜日は午後6時まで)) (電話相談:午前9時から午後6時まで)  子どもたちや保護者からの教育に関する様々な相談に対応することができる総合教育相談窓口を設置します。プライバシーに配慮した相談ブースや発達段階の把握を行うための専門ブースなどを設置します。なお、相談者への配慮から研究・研修エリアの入口とは別の出入口を設けます。 (3)ほっとスクール(2階・屋上) (電話受付時間:午前9時から午後5時) ほっとスクール城山を教育総合センター内に移転します。定員は25名程度から35名程度に増員となります。屋上スペースもほっとスクールの専用エリアになります。 (4)交流エリア(1階) (利用時間:午前9時から午後5時まで) 広く区民にも開放し、気軽に訪れ、世田谷の学校教育や乳幼児期の教育・保育の取組みや教科書などの情報に触れることができます。また、乳幼児期の教育・保育に関するイベントやミニ講座などを開催します。 @ アトリエ 遊びを通じた学びの体験の場として、アート作品の制作を体験するイベントなどを開催します。 A STEAMスタジオ(科学実験室) 科学実験、プログラミング、芸術的な活動等、子どもの多様な興味・関心に対応したイベントなどを開催します。 (5)広場(屋外) (利用時間:午前9時から午後5時まで) 広く地域に開放し、就学前の子どもが外遊びを楽しんだり、近隣の保育園等の園児の遊び場として誰でも自由に利用することができます。 事業運営イメージ(1階) 事業運営イメージ(2階)(屋上)      第8章 全体スケジュール                        移行計画含む 令和2年度 令和3年度 解体工事      建設工事 組織改正 教育センター移転(本庁組織)