資料5 令和4年6月1日 子ども・若者部 世田谷保健所 多胎児を育てる家庭への支援事業のさらなる拡充について 1 主旨 令和3年4月から多胎児を育てる家庭への妊娠期からの支援の充実を図るため、ヘルパー訪問事業及び移動支援事業(タクシー料金助成)を実施している。 この間の実施状況や令和3年12月に実施した多胎児を育てる保護者へのアンケート結果から、新型コロナ感染拡大の影響により、外出の困難や子育ての手伝いを頼みにくい等の状況があり、多胎児を育てる家庭がより困難な状況に置かれていることが見えた。 ついては、多胎児を育てる家庭への支援を早急に途切れることなく行う必要があり、訪問事業者も充足してきたことから、ヘルパー訪問事業及び移動支援事業を拡充するとともに、あわせて、多胎妊婦への健診を拡充する。 2 ヘルパー訪問事業・移動支援事業 (1)現状の取組み 令和元年6月より産前・産後訪問支援事業(さんさんプラスサポート)として、多胎児を育てる家庭も含め、妊娠期から1 歳未満の子どものいる家庭を対象に、利用者と事業者をマッチングする仕組みを活用したヘルパー訪問事業を実施している。 令和2年度の利用実績では、160件中30件が多胎児を育てる家庭であったことを踏まえ、令和3年4月より、母子ともに健康状態が悪化しやすく、出産直後の負担や疲労が大きい多胎妊婦及び1歳未満の多胎児のいる家庭を対象に、ヘルパー訪問事業(ツインズプラスサポート)を開始するとともに、移動時の負担軽減として移動支援事業( タクシー料金助成)を開始した。 事業開始にあたり、訪問事業者の確保を進め、現状では利用希望に見合った提供ができている。 なお、令和4年4月より、いずれの事業についても、利用者の利便性向上のため、オンライン手続きによる利用申請を開始した。 (2)課題 令和3年12月に事業評価・検証のためにアンケートを実施したところ、対象家庭の約78%から回答があり、「役に立った・少し役に立った」と回答した方が「ツインズプラスサポート」で89.4%、「タクシー料金助成」で71.8%であった。 「ツインズプラスサポート」に対する自由記述においては、「年齢要件を延ばしてほしい」、「ヘルパーの訪問時間数を増やしてほしい」などの意見が多く、なかでも、新型コロナによる影響を受け、日常的に人と会う機会や外出の困難さ、子育ての手伝いを頼みにくい状況や相談しにくい状況があり、困難な状況に置かれている多胎児家庭への支援を途切れることなく実施する必要性を把握した。 <アンケートの主な意見> ・コロナ禍で外出もしにくく、話す相手が来てくれるというだけで気持ちが楽になる。 ・育児に対するちょっとした悩みや困り事など話を聞いてもらえ、心の拠り所になっている。 ・不安だらけの双子育児を乗り越えられたのは、サポートのおかげ。 (3)拡充内容 @ ) ヘルパー訪問事業( ツインズプラスサポート) 令和3年4月より、妊娠期から1歳未満を対象に、保護者の身体的負担感や疲労感の軽減を図るために実施しているが、今般の新型コロナの影響により多胎児を育てる家庭がより困難な状況となっていることから、対象年齢及び上限時間数を拡充する。 【事業内容】 対象世帯 拡充後の内容 多胎妊婦及び3歳未満の多胎児を育てる家庭 年齢要件の基準日 令和4年4月1日 現在の内容 多胎妊婦及び1歳未満の多胎児を育てる家庭 対象世帯数 拡充後の内容 年間280世帯(想定) (妊娠期〜3歳未満) 現在の内容 年間120世帯(想定) (妊娠期〜1 歳未満) 申請世帯数 拡充後の内容 年間200世帯(想定) 現在の内容 年間92世帯 (令和3年度実績(3月時点)) 申請先 拡充後の内容 子ども・若者部子ども家庭課 現在の内容 各総合支所保健福祉センター 健康づくり課 利用上限 拡充後の内容 妊娠期〜1歳未満:240時間 1歳〜2歳未満:180時間 2歳〜3歳未満:120時間 ※東京都のとうきょうママパパ応援事業の上限時間数 ※令和4年4月2日から11月30日までに3歳の誕生日を迎える場合は、利用可能期間を令和4年11月30日までとする。 現在の内容 妊娠期〜1歳未満:120時間 ※さんさんプラスサポートの利用上限に加え、多胎児を育てる家庭の負担を考慮して、上限を設定している。 実施方法 拡充後の内容 原則、利用者が直接事業者に連絡し、利用日を予約する。 ※健康づくり課保健師のアセスメントにより、必要とされた場合は、ヘルパー訪問事業者と利用家庭とのマッチング事業を委託により実施する。 (原則1歳未満を対象) 現在の内容 ヘルパー訪問事業及びヘルパー訪問事業者と利用家庭とのマッチング事業を委託により実施している。 区民負担額 拡充後の内容 無料 現在の内容 無料 申込開始 拡充後の内容 令和4年8月 現在の内容 令和3年4月 事業スキーム 拡充後の内容 次頁のとおり 現在の内容 次項のとおり ヘルパー訪問事業スキームの図 A)母子保健事業等利用のための移動支援事業 乳児健診等の母子保健事業や多胎児家庭の交流会への参加等の際に利用したタクシー料金を助成することで、外出時の経済的負担を軽減し、外出を促進するため実施しているが、対象年齢を拡充する。 (※子の年齢ごとに面接を受けることが要件) 移動支援事業(タクシー料金助成)スキームの図 (4)実施に向けた取組み ヘルパー訪問事業については、訪問事業者確保の目途が一定程度ついてはいるが、さらなるヘルパーの確保の充実が必要なことから、既存事業者への受託件数の拡充及び、せたがや子育て利用券の産前・産後訪問支援事業者やドゥーラ等への働きかけをするなど、新規事業者の確保を進め、事業拡充前に事業説明会等を開催し、事業の理解を深める機会を設け、あわせて、事業者内研修等の充実を図るよう促していく。 また、訪問ヘルパーに対しては、現在子ども家庭課が実施している集合研修について、リモートによる受講を可能とするなど、産前・産後の母子や多胎児家庭に寄り添い適切に支援できるよう、引き続き、質の向上を図っていく。 なお、引き続き、各事業の評価・検証を実施し、必要に応じて事業の見直しを行う。 3 多胎妊婦健診 (1)現状の取組みと課題 妊婦健康診査については、妊娠の届出をした妊婦に対し、単胎妊娠、多胎妊娠の区別なく、都内の市区町村で一律に14回分の健診費用を助成している。 しかし、多胎妊娠については、単胎妊娠の場合よりも頻回の妊婦健康診査受診が必要なことがあり、受診に伴う経済的負担が大きいことが課題となっている。 (2)拡充内容 区は、国と都の動向を踏まえ、多胎妊婦に対し、都内一律で実施している14回の妊婦健康診査を超えて妊婦健康診査を受診した場合、5回を上限として費用助成を行う。 【事業内容】 妊婦健康診査の受診日に世田谷区内に住民登録がある多胎妊婦が、都内一律で実施する妊婦健康診査14回分を超えて受けた妊婦健診の費用を助成する。 1対象となる健診 受診日が令和4年4月1日以降の妊婦健康診査 2助成上限額と上限回数 1回の健診に対し5,070円まで、最大5回まで 3申請方法 還付申請による償還払い 区は当面の間、償還払いで対応するが、現行の妊婦健診と同様に、東京都へ都内一律の受診券方式での統一を求めており、今後、統一された場合には、区も受診券方式を採用する。 4 周知方法 事業拡充時期に合わせ、各事業の対象家庭全件に対し案内通知の発送を行う。また、区ホームページや子育て応援アプリ、SNS等を活用し、区民への周知も行う。 5 今後のスケジュール(予定) 令和4年6月 第2回定例会にて補正予算案を提案予定 7月 区ホームページ等にて周知、対象家庭宛て通知発送 8月 各事業の開始