資料1 新ボップ事業の喫緊の課題解決に向けた進め方の一部見直しについて 令和4年2月7日 子ども・若者部児童課 1.主旨 令和3年11月12日の令和3年度第3回世田谷区子ども・子育て会議において報告した、「新ボップ事業の喫緊の課題解決に向けた取り組みについて」、民間事業者の質の確保や新ボップ事業との連携、地域の様々な大人との関わりの重要性等、様々なご意見をいただいた。 これを踏まえ、民間の放課後児童健全育成事業者の活用について、議会や子ども・子育て会議、保護者等に丁寧に説明し、子どもや保護者へのアンケートを実施したうえで、十分な議論を行うため、「新ボップ事業の喫緊の課題解決に向けた取り組み」の進め方を一部見直すこととしたので報告する。 2.進め方の一部見直しの考え方 喫緊に対応すべき課題(狭隘化、大規模化、時間延長ニーズ等への対応)のうち、民間の放課後児童健全育成事業者の活用については、議会や子ども・子育て会議、保護者等に丁寧に説明し、十分な議論を行うため、実施時期を延期する。 一方、喫緊に対応すべき課題は、いずれも区として看過できない状況であると判断しており、狭隘化解消に向けた普通教室の利用等、可能なところから早急に取り組む。 3.今後の進め方等の方向性 (1)民間の放課後児童健全育成事業者の活用(スケジュール等の見直し) 令和4年2月募集開始としていた時期を見直し、1年先に延期する。 取り組みについては、令和4年度中に議会や子ども・子育て会議、保護者等に丁寧に説明し、ご議論いただいた内容を踏まえ、令和4年度中に再度、内容の報告を行うこととする。 (2)「(仮称)世田谷区放課後児童健全育成事業の運営方針」の策定 区内で実施される放課後児童健全育成事業において、支援の質並びに事業の安定性及び継続性の確保を図り、かつ、子どもの視点に立ち、子どもにとって楽しく安心して過ごせる場所となるよう、放課後児童健全育成事業の運営方針を策定する。 1世田谷区放課後児童健全育成事業の運営方針検討委員会について 委員 学識経験者 2名 世田谷区学童保育クラブ父母会連絡会代表1名 青少年委員会 代表1名 障害福祉部障害保健福祉課長 児童館長のうち区長が指定する者 2名 新ボップの職員のうち区長が指定する者 1名 2世田谷区放課後児童健全育成事業の運営方針検討委員会の検討内容(別紙1のとおり) @)第1回検討会の内容について 「世田谷区放課後児童健全育成事業の運営方針」の策定に向けて、「考え方・作成のプロセス・支援の質確保のための手法等」及び「運営方針に子どもと保護者の意見を反映させるため実施するアンケートの内容」について意見交換を行った。 A)第2回検討会の内容について 世田谷区放課後児童健全育成事業の運営方針で大切にする基本的な理念について検討を行うとともに、アンケートの内容について意見交換を行った。 (3)子ども・保護者等へのアンケートの実施 区立小学校全校で低学年保護者及び新ボップ学童クラブを利用する子どもを対象にアンケートを実施し、運営方針や事業者募集要項、時間延長等ニーズ対応の考え方等に反映させる。 1目的 新ボップ学童クラブでは、登録児童数の増加による大規模化や、活動場所の不足による狭隘化などの課題がある。そのため、学童クラブに登録する児童及び低学年の保護者あてに「子どもの放課後の過ごし方に関するアンケート調査」を実施することで、民間事業者の活用も視野に入れた区の放課後児童健全育成事業の質の確保や多様なニーズへの対応等の方策につなげていく。 2アンケートの視点 児童にとって楽しく・意見が自由に言え・行きたいと思える場所とするために何が必要か。 「区の課題=児童・保護者の求めるもの」に合致しているか。(狭隘化、大規模化) 運営方針に世田谷オリジナル(=「自立」「児童が楽しく・自由に意見が言える・行きたいと思える」等)を反映。 子どもの生活全体のリズムや発達面を考慮するとともに、保護者の多様な働き方等にも対応した開所時間。 民間の放課後児童健全育成事業所の利用ニーズを調査。 3調査概要 子どものアンケート・ヒアリング 保護者アンケート 対 象 新ボップ学童クラブに登録している全児童 児童館、プレーパーク、青少年交流センターを利用している児童(卒所児童、途中退所児童など) 区内小学校の低学年児童の保護者 新ボップ学童クラブに登録している4〜6年生の保護者 調査方法 アンケート用紙に新ボップや児童館で記入(記入が難しい児童には職員が聞き取り) ウェブ(スマートフォン等を活用) 調査時期 令和4年3月10日(木曜日)〜31日(木曜日) 質問数 10問程度 15問程度 4アンケート調査票(案) 別紙2のとおり (4)普通教室の利用【当初予定どおり】 狭隘化及び大規模化している小学校について、既存のスペースに加えて普通教室(1校あたり2教室)を活用する。 令和4年4月から各校の施設の状況を踏まえたうえで、順次実施し、併せて、運営状況に応じて必要な人員体制を整える。 (5)休止中の新ボップ学童クラブの時間延長モデル事業の再検討【検討の前倒し】 令和元年4月〜令和3年3月まで、2年間実施した新ボップ学童クラブの実施時間延長モデル事業(以下「モデル事業」という。)については、実施期間中、計4回のアンケート調査し、時間延長に対する一定のニーズが確認されたが、新型コロナの影響等により、令和3年度から休止を続けている状態である。 休止中のモデル事業については、再度実施する保護者等へのアンケート結果を踏まえ、 令和4年度中に、今後の取り扱いを決定する。 4.中長期的な課題である「放課後等の多様な場のあり方」の検討について 区では、世田谷区新ボップ事業の中長期的なあり方について、世田谷区新ボップ事業のあり方検討委員会において検討し、子どもが安心して過ごせる居場所、成長できる場・機会の充実のための施策の一つとして新ボップ事業を位置付け、新ボップ学童クラブの良好な環境づくりとともに、「地域や民間事業者が主体となった多様な場が確保され、子どもが選択できる多様な場が整っていること」を目標にした。 この目標に基づき、まずは喫緊の課題である新ボップの「狭隘化」「大規模化」「時間延長ニーズ等への対応」に早急に取り組むこととし、令和4年度は、中長期的な課題である「放課後等の多様な場のあり方」やその他の課題について、子ども・子育て支援事業計画ニーズ調査の結果を踏まえ、様々な居場所について情報収集をし、第3期世田谷区子ども計画の策定に合わせ検討を進めていく。 5.今後のスケジュール(予定) 令和4年2月9日 新ボップ運営委員会 10 日 第3回 世田谷区放課後児童健全育成事業の運営方針検討委員会 3月 子ども・保護者等アンケート実施 4月 第4回 世田谷区放課後児童健全育成事業の運営方針検討委員会 5月 第5回 世田谷区放課後児童健全育成事業の運営方針検討委員会 令和5年度 民間による放課後児童健全育成事業所の開設(プレオープン含む) 別紙1 (仮称)世田谷区放課後児童健全育成事業の運営方針 イメージ 区で定める支援の質を確保し、事業の安定及び継続性の確保を図り、且つ、子どもの視点に立ち、子どもにとって安心して過ごせる場となるよう、放課後児童健全育成事業が望ましい方向に導くものである。 運営方針の策定にあたっては、地方自治法に基づく技術的助言である国の「放課後児童クラブ運営指針」(平成27年3月31日 雇児発第0331第34厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知)及び「新・放課後子ども総合プラン」を踏まえ、世田谷区子ども計画(第2期)後期計画に準拠したものとする。 子どもの視点に立ち9項目を充実 1子ども本位の自由な遊びを大切にする 2適正規模での運営 3実施時間(延長を含め検討中) 4民間活力の活用 5支援環境の改善 6家庭支援の強化 7世田谷らしい関係機関との協働。安全面を大切にした放課後児童クラブ等との連携 8専門性の向上 9緊急時の支援体制(卒所後の子どもだけで解決できない問題について、学童や児童館でサポート。) 1 総則 (1)趣旨 放課後児童健全育成事業の支援の質の向上に資することを目的とし、世田谷区が目指す放課後児童健全育成事業の望ましい方針を示す。 (2)世田谷区放課後児童健全育成事業について 1子どもの権利 児童の権利に関する条約の理念に基づき、子どもの最善の利益を考慮して育成支援を推進することに努める。 2事業の内容 遊びと生活の場の提供及び遊びを通した生活指導 3対象児童 小学校1年生から3年生までの児童。 心身の発達等により個別的配慮が必要な児童は6年生まで。 (3)世田谷区放課後児童健全育成事業における育成支援の基本 1放課後児童健全育成事業における育成支援 子どもが安心できる生活の場としての環境を整え、安全面に配慮しながら、子どもの健全な育成と自立を図る。 2放課後児童健全育成事業の社会的責任 子どもの人権に配慮し、子どもに影響がある事柄については、子どもが意見を述べ、参加することを保証する。 2 事業の対象となる子どもの発達 放課後等に子どもの発達段階に応じた主体的な遊びや生活が可能となるように、子どもの発達の特徴や発達過程を理解し、一人ひとりの心身の状態を把握しながら育成支援を行う。 子どもの様子を把握し、変化に気がつくことができる。 3 放課後児童健全育成事業における育成支援の内容 (1)育成支援の内容 1保護者と連携した育成支援を行う。 2多様な子どもが過ごす場として、子どもが安心して過ごし、一人ひとりと集団全体の生活を豊かにする。 3固有の援助が必要な場合は、援助を適切に行う。 4安心して過ごせる場と信頼できる職員の存在。 (2)障害のある子どもへの対応 配慮が必要な子どもの日中活動の場として、居場所や放課後の過ごし方について関係機関と連携し、児童育成のための人材確保と育成に取り組む。 障害のある子どもも楽しく過ごせる居場所であること。 (3)特に配慮を必要とする子どもへの対応 1児童虐待への対応 2特別の支援を必要とする子どもへの対応 家庭環境に配慮し、養育に特別な支援を必要とすると把握した場合、適切な支援につなげる。 関係機関と連携し、適切な対応を図る。 (4)保護者との連携 1保護者との連絡 2保護者からの相談への対応 3保護者および保護者組織との連携 協力関係を築き、保護者同士が互いに協力して子育ての責任を果たせるように支援する。 4 世田谷区放課後児童健全育成事業の運営 (1)職員体制 区条例に基づき支援の単位ごと2人以上の放課後児童支援員を配置する。 (2)子ども集団の規模(支援の単位) 1 支援はおおむね40人以下とし、1か所の事業所では2支援までとする。 (3)開所時間及び開所日 (4)利用の開始等に関わる留意事項 (5)運営主体 継続的、安定的に運営し、運営の内容について自ら評価を行い、その結果を公表するよう努める。 5 学校及び地域との関係 (1)学校との連携 日常的・定例的に、子どもの生活の連続性の保障のため、情報交換・情報共有等による連携を図る。 (2)保育所、幼稚園等との連携 新1年生の発達と生活の連続性の保障のため、情報交換・情報共有等を行う。 (3)児童館、地域、関係機関との連携(ソーシャルワークの実践) 児童館の有するネットワークに参加し、情報交換・情報共有・交流を図る。 6 施設及び設備、衛生管理及び安全対策 (1)施設及び設備 「生活の場」、「遊び等の活動拠点」としての機能を備え、専用区画を確保する。 使いやすいトイレやシャワーの設置などの設備の充実 (2)衛生管理及び安全対策 1衛生管理 2事故やけが防止と対応 災及び防犯対策 7 職場倫理及び事業内容の向上 (1)世田谷区放課後児童健全育成事業の社会的責任と職場倫理 放課後児童支援員等は、仕事を進める上での倫理を自覚し、育成支援の内容の向上に努め、運営主体は全ての放課後児童支援員等が職場倫理を自覚して職務に当たるように組織的に取り組む。 (2)要望及び苦情への対応 (3)事業内容向上への取り組み 1職員集団のあり方 会議の開催や記録の作成等を通じ、情報交換・情報共有を図り、事例検討等により相互に協力し自己研鑽し、事業内容の向上を目指す職員集団を形成する。 2研修等 3運営内容の評価と改善 自己評価を行い、その結果を公表するように努め、評価結果は改善の方向性を検討して事業内容の向上に生かす。 別紙2 子ども・保護者へのアンケートの設問(案)概要 1 子どもへのアンケート (1)新ボップ学童クラブ利用者向け 設問文等は、小学校低学年が回答しやすいように工夫する。 1 学年 2 学童クラブは楽しいか 3 学童クラブのおやつは好きなものがでるか 4 学童クラブでいっぱい遊べているか 5 学童クラブで遊んでいて困ったことや嫌なことがあったときに、誰に話をするか 6 家・学校・学童クラブで困ったことや嫌なことがあったときに、学童クラブの先生は声をかけてくれるか 7 学童クラブでやりたいことがあるときに、気軽に言うことができるか 8 学童クラブで好きな遊びができているか 9 学童クラブの部屋や机に友達がいっぱいいることで、使えなくて困ったことはあるか 10 学童クラブでは静かな部屋で本を読んだり、宿題をしたりできるか 11 学童クラブでは、やってはいけないことが多いと感じるか 12 学童クラブを帰るときの気持ち (2)新ボップ学童クラブ退会者向け 新ボップ学童クラブ利用者向けの設問項目に加え、退会のきっかけ、退会後の放課後の過ごし方を尋ねる。 2 保護者へのアンケート 設問にあたっては、用語の解説を加えるなど、実態を回答しやすいよう に工夫する。 1子どもの学年 2子どもの通学校 3−1子どもの新ボップ学童クラブ・ボップ登録の有無 3−2最近1か月間の新ボップ学童クラブ利用頻度 4 子どもの障害・要配慮の有無 5 希望する子どもの放課後の過ごし方 6−1『民間学童』を利用しているか 6−2『民間学童』を利用する理由 7−1放課後等デイサービスを利用しているか 7−2放課後等デイサービスの良い点は何か 8子どもの放課後の緊急避難場所 (保護者の不在時) 9−1民間事業者が運営する学童クラブ(放課後児童健全育成事業所)の利用について、どう思うか 9−2利用にあたり気になることはあるか 9−3利用したくない理由は何か 10−1この1年間で新ボップ学童クラブの開所時間が、午後6時15分よりも遅くまで開所していてもらいたいと感じたことがあったか 10−2それはどんなときだったか 10−3それはどの程度の頻度であったか 選択 該当者のみ 10−4 どのように対応したか 10−5そのようなとき何時まで学童クラブが開所していたらよいと感じたか 11−1子どもは新ボップ学童クラブで楽しく過ごしていると感じるか 11−2楽しく過ごしていると感じる理由は何か 11−3楽しく過ごしていないと感じる理由は何か 12−1新ボップ学童クラブでの過ごし方や様子は伝わっているか 12−2一番様子が伝わっている方法は何か 13 放課後における自立に向けての援助に満足しているか